JPH11993A - インクジェットヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置

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JPH11993A
JPH11993A JP10429698A JP10429698A JPH11993A JP H11993 A JPH11993 A JP H11993A JP 10429698 A JP10429698 A JP 10429698A JP 10429698 A JP10429698 A JP 10429698A JP H11993 A JPH11993 A JP H11993A
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    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
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    • B41J2002/14411Groove in the nozzle plate

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロストークが発生しないようにする。 【解決手段】 キャビティ203の隔壁の高さを100
μm〜160μmの範囲に設定する。振動板201を構
成することとなる振動板基板200と、電極101を備
えた電極ガラス基板100とを接合した後に、振動板基
板200の厚みを減らして振動板201及びキャビティ
203の隔壁206を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を紙等に
吐出して印字するためのインクジェットヘッド及びその
製造方法並びにそのインクジェットヘッドを搭載したイ
ンクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録装置は、高速
印字に対応するために多ノズル化が進んでおり、また、
高解像度化の要求から微小なアクチュエータが求められ
るようになってきている。このようなことから、アクチ
ュエータに静電気力を利用したインクジェットヘッド
(例えば特開平6−71882号公報)が提案されてい
る。このインクジェットヘッドは、アクチュエータが平
行平板電極から構成されており、アクチュエータの小型
化が容易であるため、アクチュエータを高密度に構成す
ることができるという特徴がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アクチ
ュエータが高密度化されると(例えば180dpi以
上)、隣のドットの影響を受けてクロストークが発生し
やすくなるという問題が生じた。
【0004】本発明は、上記のような問題を解決するた
めになされたものであり、その目的は、クロストークが
発生しないようにしたインクジェットヘッド及びその製
造方法並びにそのインクジェットヘッドを搭載したイン
クジェット記録装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明のインクジェットヘッドは、複数のノズル
孔と、ノズル孔の各々に連通する複数の独立した吐出室
と、吐出室の下面に形成された振動板と、振動板に空隙
をもって対向する個別電極とを備え、振動板と個別電極
との間に電圧を印加して振動板を変形させて、ノズル孔
よりインク滴を吐出させるインクジェットヘッドにおい
て、吐出室の隔壁の高さを100μm〜160μmの範
囲に設定したものである。 (2)本発明のインクジェットヘッドは、複数のノズル
孔と、ノズル孔の各々に連通する複数の独立した吐出室
と、吐出室の下面に形成された振動板と、振動板を変形
させてノズル孔よりインク滴を吐出させる圧電振動子と
を備えたインクジェットヘッドにおいて、吐出室の隔壁
の高さを100μm〜160μmの範囲に設定したもの
である。
【0006】(3)本発明のインクジェットヘッドの製
造方法は、複数のノズル孔と、ノズル孔の各々に連通す
る複数の独立した吐出室と、吐出室の下面に形成された
振動板と、振動板に空隙をもって対向する個別電極とを
備え、振動板と個別電極との間に電圧を印加して振動板
を変形させて、ノズル孔よりインク滴を吐出させるイン
クジェットヘッドの製造方法において、振動板を構成す
ることとなる第1の基板と、個別電極を備えた第2の基
板とを接合した後に、第1の基板の厚みを減らして少な
くとも振動板を形成する。 (4)本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、上
記(3)の製造方法において、第1の基板の厚みを減ら
して、振動板及び吐出室の隔壁をそれぞれ形成し、その
上に第3の基板を接合して吐出室を形成する。 (5)本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、上
記(3)の製造方法において、第1の基板の厚みを減ら
して振動板を形成し、第3の基板に吐出室の隔壁及びノ
ズル孔を形成し、その第3の基板を第1の基板の上に接
合して吐出室を形成する。 (6)本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、上
記(3)の製造方法において、第1の基板の厚みを減ら
して振動板を形成し、第1の基板の上に、予めパターン
ニングされたドライフィルムを積層して吐出室及びノズ
ル孔を形成する。 (7)本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、上
記(3)〜(6)の製造方法において、第1の基板がシ
リコン単結晶基板からなり、そして、湿式エッチングに
より第1の基板の厚みを減らして薄くする。 (8)本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、上
記(3)〜(6)の製造方法において、機械的加工によ
り第1の基板の厚みを減らして薄くする。 (9)本発明のインクジェットヘッドの記録装置は、上
記に記載のインクジェットヘッドを搭載したものであ
る。
【0007】本発明に係るインクジェットヘッドは、ク
ロストークが発生するのは隔壁が横方向に振動するため
であるという知見を得てなされたものである。例えば、
ピッチ70μmのインクジェットヘッドでは、インクの
吐出特性から、振動板の幅は40〜50μm程度が必要
となり、吐出室(キャビティ)を隔てる隔壁の厚さは2
0〜30μmになってしまう。このとき、隔壁の高さを
200μmとしても、インク吐出時に振動板の変形によ
る圧力によって隔壁も変形し、体積にして、振動板が押
し出すインクの2割程度の変形が振動板の両側の隔壁で
生じる。この変形量は、隣接する非駆動の吐出室(キャ
ビティ)内のインクをノズルから押し出すのに充分な量
であり、いわゆるクロストークが発生してしまい、印字
精度が悪くなる。このようなことから、本発明において
は、上述のように吐出室の隔壁の高さを設定して、その
高さを低くしたことから、隔壁の剛性が高められ、横方
向の振動を抑制することができる。その結果、クロスト
ークの発生が防止されている(なお、このクロストーク
の評価方法は後述する。)。
【0008】また、本発明に係るインクジェットヘッド
の製造方法においては、振動板を構成することとなる第
1の基板と、個別電極を備えた第2の基板とを接合した
後に、第1の基板の厚みを減らして振動板を形成してい
ることから、この第1の基板として最初から薄い基板を
使用する必要がなく、比較的厚いものを使用することが
できることがら、安価な大型の基板を使用することがで
きる。また、その大型の基板を第2の基板とを接合した
後にその厚みを減らすことから、高密度且つ多数のイン
クジェットヘッドを取り出すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施形態1.図1は本発明の実施形態1に係るインクジ
ェットヘッドの断面図であり、図2は図1のインクジェ
ットヘッドの平面図である。本実施形態1においては、
インク滴を基板の面部に設けたノズル孔から吐出させる
フェイス・イジェクトタイプのものに本発明を適用した
例を扱っている。
【0010】本実施形態1に係るインクジェットヘッド
は、電極ガラス基板100、振動板基板200及びノズ
ルプレート300を重ねて接合した積層構造となってい
る。電極ガラス基板100にはインク供給口104が開
けられており、そのインク供給口104からリザーバ2
04に供給されたインク400は、オリフィス302を
介して複数のキャビティ(吐出室)203に均等に分配
される。キャビティ203の下面は変形可能な振動板2
01を構成しており、短絡防止用の絶縁膜202を挟ん
で個別電極101と対向している。振動板201と個別
電極101との間に電圧を印加し、静電引力を発生さ
せ、振動板201を下方に変形させた後に、その印加電
圧を除去した時に発生する振動板201のバネ力による
圧力によってインク滴401をノズル301より吐出す
る。
【0011】図3は図2のA−A端面図である。同3に
おいて、キャビティ203の隔壁206の厚さWは40
μmであるが、隔壁206の高さLは次のように設定し
ている。隔壁206の高さLの下限値は、100μm以
上、120μm以上又は140μm以上に設定する。こ
の下限値は、インクの供給能力の観点から定められる
(壁が低いとインクが流れにくくなる。)。また、隔壁
206の高さLの上限値は、160μm以下、150μ
m以下又は140μm以下に設定する。この上限値は、
クロストークの抑制と生産性の向上という観点から定め
られる(壁が高いと隔壁の剛性が低くなりクロストーク
を効果的に抑制しにくくなる。)。上記のようにキャビ
ティ203の隔壁の高さを設定することにより、キャビ
ティ203の隔壁の横方向の振動が抑制されて、その振
動が原因となるクロストークの発生が阻止される。な
お、この吐出室の隔壁の高さの設定は後述する実施形態
2〜4においても同様に適用されるものとする。
【0012】図4は図1のインクジェットヘッドの製造
工程を示した工程図である。 (a)電極ガラス基板100として硼珪酸ガラス基板を
用い、その硼珪酸ガラス基板上に0.3μmの段差を、
個別電極101が形成される分のスペースを囲むように
エッチングにより形成する。そして、ITOをスパッ
タ、又は蒸着により0.1μmの膜を形成した後に、フ
ォトリソグラフィにより個別電極101を70μmのピ
ッチでパターニングする(図3(a))。 (b)次に、初期厚さ400μmのシリコン単結晶から
なる振動板基板200の下面に1μmの深さで高濃度に
B(ホウ素)を拡散する。アルカリによるSiエッチン
グのレートはB濃度に依存し、高濃度(約5×1019
-3以上)では非常に小さくなることが知られている。
この特性を利用すれば、エッチングにより均一性の高い
振動板201を形成することができる。B(ホウ素)を
拡散した後、絶縁膜202となる0.1μmの熱酸化膜
を形成する(図3(b))。
【0013】(c)電極ガラス基板100と振動板基板
200を360℃に加熱した後、電極ガラス基板100
に負極、振動板基板200に正極を接続して、800V
の電圧を印加して陽極接合する(図3(c))。 (d)陽極接合後、基板全体をKOH水溶液に浸漬して
振動板基板200を100μmの厚さまでエッチングす
る(図3(d))。また、この処理は、通常のシリコン
基板の研削・研磨と同じようにダイヤホイールを用いて
研削した後、ラッピングマシンによって研磨してもよ
い。
【0014】(e)上記のエッチングを行った後、振動
板基板200の全面にエッチングマスクとなる二酸化珪
素膜をCVDで1μmの厚さで膜を形成し、フォトリソ
グラフィーによりキャビティパターンとリザーバパター
ンを形成する。次に、10w%、80℃のKOH水溶液
に基板全体を浸漬し、キャビティ203とリザーバ20
4、電極取り出し口205をそれぞれ形成する。さら
に、ダイヤモンドドリルにより電極基板100とリザー
バ204の下面を穿孔してそれをインク供給口104と
する。キャビティ203の底面がボロンドープ層に達す
るとエッチング速度が急激に低下するため、厚さ1μm
の振動板202が容易に形成できる(図3(e))。 (f)ノズル301とオリフィス302を有するノズル
プレート300をエポキシ系接着剤により振動板基板2
00に接着する(図3(f))。 (g)ノズルプレート300を接着した後、個別電極配
線102を取り出すために、ドライエッチングを行って
電極取り出し口205の下面のシリコンを除去する。電
極取り出し口205を開口した後、アクチュエータ内に
水分や異物が浸入するのを防止する目的で、エポキシ樹
脂によるシール103で電極取り出し口205の縁を封
止する(図3(g))。 (h)最後にダイシングにより個々のヘッドに切断する
(図3(h))。
【0015】本実施形態1においては上記のようにイン
クジェットヘッドを製造しており、振動板基板200を
電極ガラス基板100に接合した後に、その厚みを減ら
して振動板201を形成していることから、この振動板
基板200として比較的厚い(振動板の厚さに対して)
大型の基板を使用するこことができる。例えば、直径が
4インチ、厚さ100μmのウェハであれば剛性がな
く、取り扱いが難しく、高密度にインクジェットヘッド
を取り出すことができないが、直径が4インチ、厚さ4
00μmのウェハであれば或る程度剛性があることか
ら、その取り扱いが容易であり、しかも、高密度にイン
クジェットヘッドを取り出すことができる(例えば1枚
のウェハーから50個)。このため、生産性を向上させ
ることができる。
【0016】実施形態2.図5は本発明の実施形態2に
係るインクジェットヘッドの断面図であり、図6は図5
のインクジェットヘッドの平面図である。本実施形態2
においてはキャビティ203及びリザーバ204はノズ
ルプレート300に設けられており、そして、オリフィ
ス302は水平方向にキャビティ203の断面を絞る形
で設けられている。
【0017】図7は図5のインクジェットヘッドの製造
工程を示した断面工程図である。本実施形態2は、上記
の実施形態1の陽極接合工程まで(図4(a)〜
(d))までの工程は同一であることから、それまでの
処理の説明については省略ししてそれ以降の処理につい
て説明する。 (a)図4の工程において陽極接合した((図4
(d))後に、振動板基板200の全体を1μmの厚さ
まで全面エッチングして振動板201とし、ダイヤモン
ドドリルにより電極ガラス基板100と振動板基板20
0を穿孔してそれをインク供給口104とする。(図7
(a))。 (b)次に、厚さ180μmのシリコン単結晶からなる
ノズルプレート300を熱酸化し、フォトリソグラフィ
によりノズルパターンを形成し、異方性ドライエッチン
グで直径20μm、深さ20μmのノズルストレート部
301aを形成する。ノズルストレート部301aを形
成した後、再度全体を熱酸化してエッチングマスクとす
る(図7(b))。
【0018】(c)ノズルテーパ部パターン311b、
リザーバパターン214、キャビティパターン213、
オリフィスパターン312及び電極取り出し口パターン
215をそれぞれパターニングし、リザーバパターン2
14及びキャビティパターン213、オリフィスパター
ン312はハーフエッチングにより熱酸化膜を薄く残す
(図7(c))。 (d)10w%、80℃のKOH水溶液でノズルテーパ
部301bをキャビティ203の深さを残してエッチン
グする(図7(d))。 (e)そして、緩衝フッ酸によりリザーバパターン21
4、キャビティパターン213及びオリフィスパターン
312の熱酸化膜をエッチングする(図7(e))。
【0019】(f)再度、KOH水溶液でエッチングし
て、キャビティ203とリザーバー204、ノズル30
1、オリフィス302及び電極取り出し口205を形成
する(図7(f))。 (g)次に、エポキシ系接着剤でノズルプレート300
を振動板基板200に接着する(図7(g))。 (h)以後、上記の実施形態1の図4(f)及び(g)
と同様の処理を経てヘッドを完成する(図7(h))。
【0020】実施形態3.図8は本発明の形態3に係る
インクジェットヘッドの断面図であり、図9は図8のイ
ンクジェットヘッドの平面図である。
【0021】本実施形態3においては、上記の実施形態
2の全面エッチング工程(図7(a))までは同一であ
り、従って、図4(a)〜(d)及び図7(a)の処理
工程を経る。しかし、その後は、3枚のドライフイルム
に、キャビティ203及びリザーバ204、オリフ
ィス302及びノズルテーパ部301b、ノズルスト
レート部301aを各々パターニングして、積層するこ
とによりインクジェットヘッドを製作している。この場
合、ドライフィルムが電極ガラス基板100上に振動板
200を介して順次積層されていくことになるので、薄
いドライフィルムでも取り扱いが容易である。その結
果、キャビティ203の深さが充分低くでき、隔壁20
6の剛性が高くなるため、ドライフィルムでも充分な剛
性が得られる。
【0022】実施形態4.図10は本発明の実施形態4
に係るインクジェットヘッドの分解斜視図である。上述
の実施形態1〜3のインクジェットヘッドは静電駆動方
式のものであるが、本実施形態4のインクジェットヘッ
ドは、ピエゾ方式の駆動方法が採用されており、図10
に示されるように、基板501,502,薄膜502a
を重ねて接合した積層構造となっている。上側の基板5
01にはノズル孔504が多数設けられており(図の例
においては2列に配置された例が示されている。)、ノ
ズルプレートを構成している。中間の基板502は、上
側の基板501及び薄膜502aと接合されることで、
キャビティ506、オリフィス(図示せず)及びリザー
バ508を構成しており、上側の基板501及び薄膜5
02aとともに流路ユニットを構成している。なお、キ
ャビティ506の底面は振動板を形成している。下側の
基板503は、振動子ユニット513を収納するための
凹部536と、インクタンク(図示せず)に接続される
インク供給管514を有し、振動子ユニット513は凹
部536に収納・固定される。また、流路ユニット(基
板501,502、薄膜502a)は枠体540によっ
てこの下側の基板503に固定してインクジェットヘッ
ドを構築しており、そして、そのインクジェットヘッド
を基板541を介して、キャリッジに固定している。
【0023】上記の中間の基板(シリコン製)502
は、面方位(100)の単結晶シリコンをフォトリソグ
ラフィーによりパターニングして湿式異方性エッチング
することにより、キャビティ506、オリフィス及びリ
ザーバ508に対応する凹部を形成している。一般に市
販されているシリコン基板の厚さは400〜500μm
であるが、吐出室506の隔壁に充分な剛性を与えるに
は180dpiの場合では、隔壁の厚さが40〜50μ
mである為、上記の中間の基板502の厚さを薄くする
必要がある。そこで、次のように処理をしてインクジェ
ットヘッドを製作する。 ダイヤモンド砥石によりシリコン基板を荒研削して必
要な薄さにし、研削によって生じた加工変質層を粒度の
細かな砥粒とアルカリ性の研削液によるラッピングによ
り除去する。 そして、フォトリソグラフイーと湿式異方性エッチン
グにより、その基板にキャビティ506、オリフィス及
びリザーバ508に対応する凹部を形成する。 そのシリコン基板に、振動子ユニット513の当たる
部分にアイランド部を設けたポリイミドフィルムを貼り
合わせてそれを振動板とする。 次に、個々のインクジェットヘッドに対応して上記の
シリコン基板を切断する。 切断されたシリコン基板(図10の中間の基板50
2)に対してノズルプレート501及び薄膜502aを
接合するとともに、振動子ユニット513が収納・固定
された下側の基板503に接合する。
【0024】実施形態5.ところで、上記の実施形態1
〜4に係るインクジェットヘッド600は、図11に示
されるようにキャリッジ601に取り付けられ、そし
て、このキャリッジ601はガイドレール602に移動
自在に取り付けられており、ローラー603により送り
される用紙604の幅方向にその位置が制御される。こ
の図11の機構は図12に示されるインクジェット記録
装置610に搭載される。
【0025】(評価試験)上記の実施形態1〜4のイン
クジェットヘッドについてクロストークが発生するかど
かうかについて確認にしたところ、クロストークが発生
していないことが確認された。その評価方法は次のとお
りである。 (1)クロストークの試験方法について インクジェットヘッド内の複数のノズルを様々な組み合
わせで駆動し、このとき非駆動のノズルからインク滴が
吐出しないことを確認する。最もクロストークが発生し
やすいのは、1ノズルを除いて全ノズルが駆動状態の場
合であり、この駆動状態についても行う。また、インク
の吐出を拡大レンズ付きCCDカメラにより観察する
が、その際には、インク吐出信号と同期して、ストロボ
を点滅することで静止状態の飛翔しているインク滴を観
察する。 (2)クロストークの判定方法について 前述の試験方法でクロストークの発生の有無を判断す
る。クロストークによるインク滴が極小の場合には最終
的に印字試験を行ない、プリンタの仕様などを考慮して
クロストークによる文字の汚れが許容範囲内であるかど
うかを判定する。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、吐出室
(キャビティ)の隔壁の高さを低くしたことから、隔壁
が剛性が高められ、横方向の振動を抑制することがで
き、クロストークの発生の防止されている。また、本発
明によれば、振動板を構成することとなる第1の基板
と、個別電極を備えた第2の基板とを接合した後に、第
1の基板の厚みを減らして振動板を形成していることか
ら、この第1の基板として薄い基板を使用する必要がな
く、比較的厚い基板のものを使用することができること
がら、安価で取り扱いが容易な大型基板を使用すること
ができ、また、インクジェットヘッドを高密度且つ多数
に取り出すことできる。このため、生産性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッ
ドの断面図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの平面図である。
【図3】図2のA−A端面図である。
【図4】図1のインクジェットヘッドの製造工程を示し
た工程図である。
【図5】本発明の実施形態2に係るインクジェットヘッ
ドの断面図である。
【図6】図5のインクジェットヘッドの平面図である。
【図7】図5のインクジェットヘッドの製造工程を示し
た断面工程図である。
【図8】本発明の形態3に係るインクジェットヘッドの
断面図である。
【図9】図8のインクジェットヘッドの平面図である。
【図10】本発明の実施形態4に係るインクジェットヘ
ッドの分解斜視図である。
【図11】本発明の実施形態1〜4に係るインクジェッ
トヘッドの周辺の機構を示した説明図である。
【図12】図11の機構を内蔵したインクジェット記録
装置の外観図である。
【符号の説明】
100 電極ガラス基板 101 個別電極 102 個別電極配線 103 シール 104 インク供給口 200 振動板基板 201 振動板 202 絶縁膜 203 吐出室 204 リザーバ 205 電極取り出し口 206 隔壁 213 キャビティ(吐出室)パターン 214 リザーバパターン 215 電極取り出し口パターン 300 ノズルプレート 301 ノズル 301a ノズルストレート部 301b ノズルテーパ部 302 オリフィス 311b ノズルテーパ部パターン 312 オリフィスパターン 400 インク 401 インク滴

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
    連通する複数の独立した吐出室と、該吐出室の下面に形
    成された振動板と、該振動板に空隙をもって対向する個
    別電極とを備え、前記振動板と前記個別電極との間に電
    圧を印加して該振動板を変形させて、該ノズル孔よりイ
    ンク滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、 前記吐出室の隔壁の高さを100μm〜160μmの範
    囲に設定したことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
    連通する複数の独立した吐出室と、該吐出室の下面に形
    成された振動板と、該振動板を変形させてノズル孔より
    インク滴を吐出させる圧電振動子とを備えたインクジェ
    ットヘッドにおいて、 前記吐出室の隔壁の高さを100μm〜160μmの範
    囲に設定したことを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に
    連通する複数の独立した吐出室と、該吐出室の下面に形
    成された振動板と、該振動板に空隙をもって対向する個
    別電極とを備え、前記振動板と前記個別電極との間に電
    圧を印加して該振動板を変形させて、該ノズル孔よりイ
    ンク滴を吐出させるインクジェットヘッドの製造方法に
    おいて、 前記振動板を構成することとなる第1の基板と、前記個
    別電極を備えた第2の基板とを接合した後に、前記第1
    の基板の厚みを減らして少なくとも前記振動板を形成す
    ることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の基板の厚みを減らして、前記
    振動板及び前記吐出室の隔壁を形成し、その上に第3の
    基板を接合して前記吐出室を形成することを特徴とする
    請求項3記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の基板の厚みを減らして前記振
    動板を形成し、第3の基板に前記記吐出室の隔壁及び前
    記ノズル孔を形成し、その第3の基板を第1の基板の上
    に接合して前記吐出室を形成することを特徴とする請求
    項3記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の基板の厚みを減らして前記振
    動板を形成し、前記第1の基板の上に、予めパターンニ
    ングされたドライフィルムを積層して前記吐出室及び前
    記ノズル孔を形成することを特徴とする請求項3記載の
    インクジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の基板がシリコン単結晶基板か
    らなり、そして、該第1の基板の厚みを湿式エッチング
    により減らすことを特徴とする請求項3〜請求項6のい
    ずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の基板の厚みを機械的加工によ
    り減らすことを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれ
    かに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1又は2記載のインクジェットヘ
    ッドを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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