JPH1198816A - 仕切り板付きタンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 仕切り板を設けることにより、タンク内の水
面をほぼ静止させ、気泡が混入して連結管内を循環する
ことを防止し、バッキンにより粉塵がタンク内に侵入す
るのを低減する。 【解決手段】 タンク２０内のに蒸留水Ｗ_１の入口１３
と対向する側壁１１ｂに、底板１１ｃに平行に仕切り板
２１を設け、その取付高さは水深のほぼ２／３で、側壁
１１ｂからの長さは入口側の側壁１１ａと側壁１１ｂと
の距離のほぼ１／２で、幅はタンク幅一杯にし、ポンプ
が作動すると、入口から流入した水の大部分は側壁１１
ｂに衝き当たって上方へ流れ、仕切り板に案内されて反
時計方向に旋回し、出口１４から流出してポンプに吸い
込まれる。従って、渦流は仕切り板により水面に波を発
生させることがなく、出口の上方に仕切り板があるため
流出による渦流も水面に波を発生させないのでタンク内
の水面はほぼ静止に近い状態を保つ。また本体１１と蓋
１２の間にパッキン２２を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、高周波誘導炉に電
力を供給する半導体周波数変換装置に関し、特にこの半
導体周波数変換装置の冷却システム中における蒸留水タ
ンクの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】半導体周波数変換装置、以下、単に変換
装置と略称するが、この冷却システムは、図２に示すよ
うに、循環ポンプＰに供給される冷却された蒸留水Ｗ₁
により冷却されるが、変換装置１から出た蒸留水Ｗ₁は
熱交換器２により冷却され、タンクＴに戻る。熱交換器
２の冷却には工業用水Ｗ₂が使用される。前記の蒸留水
Ｗ₁は不純物の含有が少ないことが必要条件である。こ
の冷却システムにおける従来のタンク１０の構造は図３
に示す通りの箱形で本体１１、蓋１２から成り、本体１
１の一側壁１１ａ下方に蒸留水Ｗ₁の入口１３、側壁１
１ａの対向壁１１ｂに近い底板１１ｃに出口１４が備え
られる。図２に示すポンプＰが作動すると、入口１３か
ら流入した蒸留水Ｗ₁の大部分は対向側壁１１ｂに衝き
当たって矢印のように上方へ渦巻いて流れた後、出口１
４から流出して図２を参照して示すポンプＰに吸引さ
れ、更に同じく図２を参照して示す変換装置１で温めら
れて温水となり、熱交換器２で冷却されて冷水となって
タンクＴ（１０）へ戻る循環を繰り返す。こうして、タ
ンクは蒸留水の補給、入れ換え、及び連結管の中の気泡
を循環してタンク内で大気に開放する役目を果たす。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このタンク１０におけ
る渦流によりタンク内の水面は波立ち、（１）水面に気
泡が発生し、ポンプＰに吸い込まれ、連結管路３（図２
参照）内に気泡が生ずる、（２）タンク１０内の空気層
に含まれる粉塵が蒸留水Ｗ₁中に取り込まれ易くなる、
（３）水面の激しい波立ちにより、タンク１０から水が
噴き出す場合がある、等の問題がある。そこで、蒸留水
の循環により、連結管路内の気泡の発生を防止するとと
もに、タンク内の空気層の粉塵巻込みを低減させるのが
本発明の目的である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明では、タンク内に
蒸留水入口の対向壁に、底板に平行に仕切り板を設け、
その取付高さは水深のほぼ２／３で、対向壁からの長さ
は入口側壁と対向壁との距離のほぼ１／２で、幅はタン
ク幅一杯にし、更に蓋と本体の間にパッキンを備えるこ
とによって上記の課題を解決した。

【０００５】

【発明の実施の形態】半導体周波数変換装置の冷却シス
テムにおける本発明による実施の形態のタンク２０の断
面正面図を図１に示す。図３の部品と同じ部品には同じ
符号を付し、異なる点のみを説明すると、仕切り板２１
は側壁１１ｂに底板１１ｃと平行に溶接で取り付けら
れ、取付高さｈは水の深さＨの約２／３で、側壁１１ｂ
からの長さは側壁１１ａと１１ｂの距離Ｂの約１／２
で、幅（図１の紙面に垂直方向）はタンク幅一杯であ
る。更に本体１１と蓋１２の間にはパッキン２２を設け
て気密を保持して粉塵の侵入を防止する。

【０００６】蒸留水の流れを説明するとポンプＰ（図２
参照）が作動すると、入口１３から流入した水の大部分
は矢印のように側壁１１ｂに衝き当たって上方へ流れ、
仕切り板２１に案内されて反時計方向に旋回し、出口１
４から流出してポンプに吸い込まれる。したがって、渦
流は仕切り板により水面に波を発生させることがなく、
また、出口１４の上方に仕切り板２１があるために、流
出による渦流も水面に波を発生させないので、タンク内
の水面はほぼ静止に近い状態を保つ。

【０００７】

【発明の効果】上記のように、仕切り板を設けることに
より、タンク内の水面がほぼ静止して、気泡が混入して
連結管内を循環することが防止され、また、パッキンに
より粉塵がタンク内に侵入するのを低減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による半導体周波数変換装置の冷却シス
テムにおけるタンクの実施の形態の断面正面図である。

【図２】半導体周波数変換装置の冷却システムの説明図
である。

【図３】従来のタンクの断面正面図である。

【符号の説明】

１１ａ、１１ｂ、１１ｄ：側壁 １１ｃ：底板 １２：蓋 １３：入口 １４：出口 ２０：タンク ２１：仕切り板 Ｐ：循環ポンプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 高周波誘導炉に電力を供給する半導体周
   波数変換装置の冷却システム中の蒸留水タンクとして、
   一方の側壁と、これに対向する他方の側壁と、これらの
   両側壁を連結する前後の２側壁および底板と、蓋とを有
   する箱形のタンクと、前記一方の側壁の下部に連結され
   た蒸留水の流入口と、前記底板に設けられた流出口と、
   前記流入口の上流のポンプと、流出口の下流に配置され
   た熱交換機とを有するタンクにおいて、 前記タンクの他方の側壁（１１ｂ）上に前記底板（１１
   ｃ）から常時の水深の約２／３の深さで、前記一方の側
   壁（１１ａ）に向かって底板（１１ｃ）の長さの約１／
   ２で、水平にタンクの幅一杯に取り付けられた仕切り板
   （２１）を有し、流入した水の大部分は側壁（１１ｂ）
   に衝き当たって上方に反転して流れ、流出口から流出し
   て熱交換機に至り冷却されてタンク（２０）に戻ること
   を特徴とする仕切り板付きタンク。
2. 【請求項２】 請求項１記載の仕切り板付きタンクにお
   いて、前記タンクの蓋（１２）と側壁（１１ａ、１１
   ｂ、１１ｄ）との間にパッキン（２２）が介挿されてい
   ることを特徴とする仕切り板付きタンク。