JPH1198585A - ネットワーク同期装置 - Google Patents

ネットワーク同期装置

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JPH1198585A
JPH1198585A JP9254422A JP25442297A JPH1198585A JP H1198585 A JPH1198585 A JP H1198585A JP 9254422 A JP9254422 A JP 9254422A JP 25442297 A JP25442297 A JP 25442297A JP H1198585 A JPH1198585 A JP H1198585A
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JP
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clock
line
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network
lines
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JP9254422A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Ishibashi
亮一 石橋
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)
  • Use Of Switch Circuits For Exchanges And Methods Of Control Of Multiplex Exchanges (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディジタル回線によって公衆網に接続された
ネットワークを、公衆網と同期して動作させるためのネ
ットワーク同期装置に関し、制御情報を伝送する回線に
障害があった場合でも、制御情報の信頼度の高い伝送を
実現することを課題とする。 【解決手段】現用の回線4で伝送されるディジタル信号
の伝送品質に劣化が生じた場合、制御情報伝送制御手段
10が予備の回線5を、制御情報を伝送すべき回線に決
定し、回線5による制御情報の伝送を実現すると同時
に、クロック参照回線決定手段9が、回線5を、同期ク
ロック分配手段6が選択すべき回線に決定する。また、
ディジタル信号が全く届かない異常が現用の回線4に発
生した場合、クロック参照回線決定手段9が、予備の回
線5を、同期クロック分配手段6が選択すべき回線に決
定すると同時に、制御情報伝送制御手段10が回線5
を、制御情報を伝送すべき回線に決定し、回線5による
制御情報の伝送を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネットワーク同期
装置に関し、特に、少なくとも2本のディジタル回線に
よって公衆網に接続されたネットワークを、公衆網と同
期して動作させるためのネットワーク同期装置に関す
る。
【0002】特に、加入者網の構築に要するトータルコ
ストの低減、構築の所要時間の縮小等の観点から、アク
セスネットワークシステムの多様化が近年進んでいる。
アクセスネットワークシステムとして、交換機の遠隔集
線装置、光多重伝送装置等が存在する。
【0003】また、移動通信技術の発展に伴い、無線回
線を取り込んだアクセスネットワークシステムであるW
LL(Wireless Local Loop) が注目されている。WLL
は、加入者ループを有線から無線に代えることにより、
加入者線敷設工事を簡易化し、加入者への電話サービス
を迅速に提供することを目指したシステムである。これ
までも同種の考えのシステムは存在したが、こうしたシ
ステムは価格が高いために、過疎地域対策や災害時の応
急措置としての使用に止まっていた。しかし、近年のセ
ルラー技術の進歩により価格が低下して、都市部でWL
Lによるサービス提供を計画する通信事業者も出てき
た。
【0004】
【従来の技術】図13は従来のアクセスネットワークを
説明する図である。すなわち、公衆網PSTN(Public
Switched Telephone Network) 101に加入者交換機L
E(Local Exchange)102が収容され、このLE102
にアクセスネットワークAN103が接続される。AN
103には多数の加入者端末装置、例えば電話TELが
接続される。
【0005】図14は、AN103の内部構成を示す図
である。このAN103はWLLを含む構成となってお
り、AN103は、無線基地局制御装置BSC(Base St
ation Controller) 111、無線基地局BTS(Base Tr
ansceiver Station)112,113、加入者装置SU(S
ubscriber Unit) 114〜117、及びOAM制御装置
OMC−R(Operation and Maintenance controller-Ra
dio)118から構成される。BSC111は、交換機能
(呼処理機能)等を持ち、必要に応じて認証機能も備え
る。BTS112,113は、BSC111と無線区間
とのインタフェースをとり、無線通信制御等を行う。S
U114〜117は、無線区間と加入者端末装置とのイ
ンタフェースをとる。OMC−R118は、BSC11
1、BTS112,113、SU114〜117の保
守、運用機能を持つ。
【0006】図15は、AN103とLE102との間
に設けられる回線を示す図である。AN103とLE1
02との間には、ITU−T(International Telecomm
unication Union-Telecommunication Sector)で規定さ
れるV5.1インタフェースまたはV5.2インタフェ
ースが使用されるが、図15ではV5.2インタフェー
スが使用された場合を示す。
【0007】V5.1インタフェースでは、物理的な2
Mbps回線で主情報(通話情報)を伝送すると共に、
この回線だけを管理する制御情報をこの回線で伝送する
ようにしている。このため、2Mbps回線複数本を収
容するアクセスネットワークシステムにおいて、2Mb
ps回線同士は全く対等な関係にある。
【0008】一方、V5.2インタフェースでは、2M
bps回線複数本を束で管理しており、2Mbps回線
複数本の束を管理する制御情報を2Mbps回線1本の
一部を使って伝送するようにしている。束は最小3回
線、最大16回線から構成される。そうした複数回線の
うち、2本が制御情報の伝送用に供される。すなわち、
プライマリ回線121とセカンダリ回線122とのうち
の一方において制御情報の伝送を行い、その一方の回線
に異常が発生したときには、他方の回線で制御情報の伝
送を行うようにする。なお、制御情報のうちの一部(図
3を参照して後述されるレイヤ3の「プロテクション」
だけ)は、プライマリ回線121とセカンダリ回線12
2との両方で伝送されるが、その他の全ては片方の回線
だけで伝送される。その他の回線123,124は主情
報の伝送に専ら使用される。なお、プライマリ回線12
1及びセカンダリ回線122でも、制御情報以外に主情
報の伝送も行う。
【0009】ところで、AN103を構成する各装置
は、PSTN101で使用されるクロック信号と同期し
たマスタクロック信号に従って動作する必要がある。そ
のため、AN103において、LE102から送られた
ディジタル信号を基にして、PSTN101で使用され
るクロック信号と同期したマスタクロック信号を発生
し、AN103を構成する各装置に供給することが通常
考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来、制御情報の伝送
に障害があった場合には、V5.2インタフェースによ
れば、プライマリ回線121及びセカンダリ回線122
のうちの予備側回線に切り替えて制御情報の伝送が継続
される。これを図16に示す。
【0011】図16は、AN103とLE102との間
で伝送される制御信号に伝送障害が発生した場合の切替
シーケンスを示す図である。図16では、プライマリ回
線121及びセカンダリ回線122のうちの現用側回線
を回線Aとし、予備側回線を回線Bとしている。
【0012】回線Aに障害が発生し、これをLE102
が検出した場合(S101)、LE102とAN103
のBSC111との間で、制御情報の切替についてのメ
ッセージの交換が行われる(S102)。ここでの障害
は、ディジタル信号が全く届かないような障害ではな
く、ディジタル信号の伝送品質に劣化が生じて、制御信
号の再送要求を頻繁に行なわねばならない程度のもので
ある。従って、AN103で、回線Aで伝送されるディ
ジタル信号に基づきクロック再生を行っていた場合で
も、クロックの同期再生には支障が発生していない。
【0013】こうした障害に伴い、制御情報を回線Aか
ら回線Bへ移し替えて伝送するための処理が行われる。
先ず、制御情報の切替についてのメッセージの交換が行
われ(S102)、その後、レイヤ3の「プロテクショ
ン」を除く制御情報の全てに対して、回線B上でのレイ
ヤ2のリンク確立が行われる(S103)。
【0014】その後に障害部分の修理のために保守作業
が行われ、LE102において、回線Aに関するハード
ウェアが架から抜き取られたとすると(S104)、A
N103にはディジタル信号が全く届かなくなる。従っ
て、AN103では、クロック再生のためのディジタル
信号を回線Bから得るように切り替えを行い、切替後に
得られた新たなマスタクロック信号をAN103内の各
部へ送るようにする(S105)。
【0015】しかし、このようにマスタクロック信号が
新たなものに代わることにより、既に回線Bに切り替わ
っている制御情報の伝送に擾乱が生じる可能性がある。
また、回線Aが切断されるような障害があった場合に
は、V5.2インタフェースによれば、図17に示すよ
うな処理シーケンスにより制御情報の予備側回線Bへの
切り替えが行われる。
【0016】図17は、AN103とLE102との間
で、現用側回線Aで伝送されるディジタル信号がAN1
03に届かない障害が発生した場合の制御情報の切替シ
ーケンスを示す図である。
【0017】AN103は、回線Aを介してディジタル
信号が全く届かないクロック障害を検出すると(S11
1)、クロック再生のためのディジタル信号を回線Bか
ら得るように切り替えを行い、切替後に得られた新たな
マスタクロック信号をAN103内の各部へ送るように
する(S112)。
【0018】また、AN103は、回線Aから制御情報
が届かないので、V5.2インタフェースに従い、リト
ライを繰り返し、所定回のリトライの後初めて、回線A
に障害があると判断する。その後は、LE102とAN
103のBSC111との間で、制御情報の切替につい
てのメッセージの交換が行われ(S114)、レイヤ3
の「プロテクション」を除く制御情報の全てに対して、
回線B上でのレイヤ2のリンク確立が行われる(S11
5)。
【0019】このように、従来、回線Bからのディジタ
ル信号に基づく新たなマスタクロック信号が得られてい
ても、制御情報の回線Bへの切替は所定数のリトライを
経ないと行われないという可能性があった。
【0020】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、制御情報を伝送する回線に障害があった場合
でも、制御情報の信頼度の高い伝送を実現したアクセス
ネットワーク同期装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明では上記目的を達
成するために、図1に示すような、少なくとも2本のデ
ィジタル回線によって公衆網1に接続されたネットワー
ク2を、公衆網1と同期して動作させるためのネットワ
ーク同期装置が、提供される。
【0022】このネットワーク同期装置は、公衆網1の
交換機3とネットワーク2との間に設けられ、いずれか
の一方によって制御情報を伝送する第1の回線4及び第
2の回線5と、第1の回線4及び第2の回線5のうちの
一方を選択して、選択された回線で送られるディジタル
信号のクロックに同期したクロック信号を発生し、ネッ
トワーク2を構成する各装置に分配する同期クロック分
配手段6と、第1の回線4及び第2の回線5を介して送
られる各ディジタル信号を監視して、クロックの状態を
検出するクロック異常検出手段7と、第1の回線4及び
第2の回線5を介して送られる各ディジタル信号を監視
して、伝送品質の劣化の状態を検出する劣化検出手段8
と、クロック異常検出手段7が検出したクロック信号の
状態及び劣化検出手段8が検出した伝送品質の劣化の状
態に基づき、第1の回線4及び第2の回線5のうちで、
同期クロック分配手段6が選択すべき回線を決定するク
ロック参照回線決定手段9と、クロック異常検出手段7
が検出したクロックの状態及び劣化検出手段8が検出し
た伝送品質の劣化の状態に基づき、第1の回線4及び第
2の回線5のうちで、制御情報を伝送すべき回線を決定
し、当該決定された回線による制御情報の伝送を実現す
る制御情報伝送制御手段10とから構成される。
【0023】以上のような構成において、例えば、第1
の回線4が現用回線であり、第2の回線5が予備回線で
あると仮定する。すなわち、第1の回線4で送られるデ
ィジタル信号を同期クロック分配手段6が取り入れて、
そのディジタル信号のクロックに同期したクロック信号
を発生する。そして、ネットワーク2を構成する各装置
に分配する。また、制御情報伝送制御手段10が、第1
の回線4による制御情報の伝送を実現する。
【0024】ここで、第1の回線4に異常が発生したと
する。回線異常は、その度合いにより大きくは2つに分
けられる。第1の異常は、ディジタル信号が全く届かな
いような障害ではなく、ディジタル信号の伝送品質に劣
化が生じて、再送要求を頻繁に行なわねばならない程度
の異常である。第2の異常は、回線が切断された場合の
ようなディジタル信号が全く届かない異常である。第1
の異常は劣化検出手段8によって検出され、第2の異常
はクロック異常検出手段7によって検出される。
【0025】クロック参照回線決定手段9及び制御情報
伝送制御手段10は、これらの第1の異常及び第2の異
常の発生状況に応じて適切な動作を行う。例えば、第1
の異常が第1の回線4に発生した場合、制御情報伝送制
御手段10が第2の回線5を、制御情報を伝送すべき回
線に決定し、第2の回線5による制御情報の伝送を実現
する。それと同時に、クロック参照回線決定手段9が、
第2の回線5を、同期クロック分配手段6が選択すべき
回線に決定する。すなわち、第1の異常の発生では、第
1の回線4で伝送されるディジタル信号に基づきクロッ
ク再生を継続しても、クロックの同期再生には支障が発
生しないにも拘わらず、第2の回線5で伝送されるディ
ジタル信号に基づくクロック再生に、変更してしまう。
【0026】これにより、図16にステップS105で
示したマスタクロック切替が、ステップS103の実行
の前に行われることになり、従って、予備回線Bに既に
切り替わっている制御情報の伝送に、マスタクロック切
替に起因して擾乱を与えてしまう、という従来の問題を
回避することができる。
【0027】また例えば、第2の異常が第1の回線4に
発生した場合には、クロック参照回線決定手段9が、第
2の回線5を、同期クロック分配手段6が選択すべき回
線に決定する。それと同時に、制御情報伝送制御手段1
0が第2の回線5を、制御情報を伝送すべき回線に決定
し、第2の回線5による制御情報の伝送を実現する。す
なわち、第2の異常の発生では、第2の回線5で伝送さ
れるディジタル信号に基づくクロック再生に、変更して
しまうのは当然であるが、それと同時に、制御情報伝送
制御手段10は、即座に、第2の回線5による制御情報
の伝送を実現する。
【0028】これにより、図17にステップS114及
びステップS115で示した制御情報の切替処理が、ス
テップS112の実行直後に行われることになり、従っ
て、所定回数のリトライを行う時間を待つ必要が無くな
り、制御情報の切替処理が迅速化する。
【0029】かくして、制御情報を伝送する回線に障害
があった場合でも、制御情報の信頼度の高い伝送が実現
する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。まず、本発明のネットワーク同
期装置に係る第1の実施の形態の原理構成を、図1を参
照して説明する。第1の実施の形態は、公衆網1の交換
機3とネットワーク2との間に設けられ、いずれかの一
方によって制御情報を伝送する第1の回線4及び第2の
回線5と、第1の回線4及び第2の回線5のうちの一方
を選択して、選択された回線で送られるディジタル信号
のクロックに同期したクロック信号を発生し、ネットワ
ーク2を構成する各装置に分配する同期クロック分配手
段6と、第1の回線4及び第2の回線5を介して送られ
る各ディジタル信号を監視して、クロックの状態を検出
するクロック異常検出手段7と、第1の回線4及び第2
の回線5を介して送られる各ディジタル信号を監視し
て、伝送品質の劣化の状態を検出する劣化検出手段8
と、クロック異常検出手段7が検出したクロックの状態
及び劣化検出手段8が検出した伝送品質の劣化の状態に
基づき、第1の回線4及び第2の回線5のうちで、同期
クロック分配手段6が選択すべき回線を決定するクロッ
ク参照回線決定手段9と、クロック異常検出手段7が検
出したクロックの状態及び劣化検出手段8が検出した伝
送品質の劣化の状態に基づき、第1の回線4及び第2の
回線5のうちで、制御情報を伝送すべき回線を決定し、
当該決定された回線による制御情報の伝送を実現する制
御情報伝送制御手段10とから構成される。
【0031】以上のような構成において、例えば、第1
の回線4が現用回線であり、第2の回線5が予備回線で
あると仮定する。すなわち、第1の回線4で送られるデ
ィジタル信号を同期クロック分配手段6が取り入れて、
そのディジタル信号のクロックに同期したクロック信号
を発生する。そして、ネットワーク2を構成する各装置
に分配する。また、制御情報伝送制御手段10が、第1
の回線4による制御情報の伝送を実現する。
【0032】ここで、第1の回線4に異常が発生したと
する。回線異常は、その度合いにより大きくは2つに分
けられる。第1の異常は、ディジタル信号が全く届かな
いような障害ではなく、ディジタル信号の伝送品質に劣
化が生じて、再送要求を頻繁に行なわねばならない程度
の異常である。第2の異常は、回線が切断された場合の
ようなディジタル信号が全く届かない異常である。第1
の異常は劣化検出手段8によって検出され、第2の異常
はクロック異常検出手段7によって検出される。
【0033】クロック参照回線決定手段9及び制御情報
伝送制御手段10は、これらの第1の異常及び第2の異
常の発生状況に応じて適切な動作を行う。例えば、第1
の異常が第1の回線4に発生した場合、制御情報伝送制
御手段10が第2の回線5を、制御情報を伝送すべき回
線に決定し、第2の回線5による制御情報の伝送を実現
する。それと同時に、クロック参照回線決定手段9が、
第2の回線5を、同期クロック分配手段6が選択すべき
回線に決定する。すなわち、第1の異常の発生では、第
1の回線4で伝送されるディジタル信号に基づきクロッ
ク再生を継続しても、クロックの同期再生には支障が発
生しないにも拘わらず、第2の回線5で伝送されるディ
ジタル信号に基づくクロック再生に、変更してしまう。
【0034】これにより、図16にステップS105で
示したマスタクロック切替が、ステップS103の実行
の前に行われることになり、従って、予備回線Bに既に
切り替わっている制御情報の伝送に、マスタクロック切
替に起因して擾乱を与えてしまう、という従来の問題を
回避することができる。
【0035】また例えば、第2の異常が第1の回線4に
発生した場合には、クロック参照回線決定手段9が、第
2の回線5を、同期クロック分配手段6が選択すべき回
線に決定する。それと同時に、制御情報伝送制御手段1
0が第2の回線5を、制御情報を伝送すべき回線に決定
し、第2の回線5による制御情報の伝送を実現する。す
なわち、第2の異常の発生では、第2の回線5で伝送さ
れるディジタル信号に基づくクロック再生に、変更して
しまうのは当然であるが、それと同時に、制御情報伝送
制御手段10は、即座に、第2の回線5による制御情報
の伝送を実現する。
【0036】これにより、図17にステップS114及
びステップS115で示した制御情報の切替処理が、ス
テップS112の実行直後に行われることになり、従っ
て、所定回数のリトライを行う時間を待つ必要が無くな
り、制御情報の切替処理が迅速化する。
【0037】かくして、制御情報を伝送する回線に障害
があった場合でも、制御情報の信頼度の高い伝送が実現
する。次に、第1の実施の形態を、具体的に説明する。
なお、第1の実施の形態において、アクセスネットワー
クの周辺構成や内部構成は、図13〜図15に示した構
成と基本的に同じであるので、それらの説明は省略し
て、構成の異なる無線基地局制御装置BSCだけを説明
する。
【0038】図2は、第1の実施の形態における無線基
地局制御装置BSCの内部構成を示す図である。第2の
実施の形態すなわち、加入者交換機LEと無線基地局制
御装置BSCとの間に、2Mbps回線が16本(図2
には3本だけ図示)設けられ、これらが多重部(MU
X)11に接続される。多重部(MUX)11は、各回
線で送られた信号に対して多重処理を行い、スイッチ部
(SW)12へ送る。スイッチ部(SW)12は、主情
報に対してタイムスロット間のスイッチングを行い、分
離部(DMX)13へ渡すと共に、制御情報を取り出し
てL2処理部16へ渡す。分離部(DMX)13は、無
線基地局BTSの各々に主情報を分離して出力する。多
重部(MUX)14、スイッチ部(SW)12、分離部
(DMX)15は、これらの逆の動作を行う。
【0039】L2処理部16は、制御情報に対してV
5.2インタフェースにおけるレイヤ2のプロトコル処
理を行う。L3/アプリ処理部17は、無線基地局BT
Sの側で使用されるISDNをベースにするインタフェ
ースと、加入者交換機LEの側で使用されるPSTNイ
ンタフェース(プロトコル)との変換を行い、また、無
線基地局制御装置BSCの全般の制御を行う。さらにL
3/アプリ処理部17は、制御情報の伝送品質を調べて
リンク情報としてハード制御部20へ送ると共に、この
リンク情報と、後述のようにハード制御部20から送ら
れるクロック信号の無状態(A断、B断)情報とに基づ
き、制御情報の伝送を行うべき回線の選択を行う。そし
て、その選択された回線によって制御情報の伝送が可能
となるようにタイムスロットの設定等を行う。これにつ
いては、後に詳しく説明する。
【0040】加入者交換機LEと無線基地局制御装置B
SCとの間に設けられた2Mbps回線16本のうちの
2本が、制御情報の伝送のために使用される。その2本
の回線にクロック抽出部18,19がそれぞれ設けられ
る。クロック抽出部18,19は、その2本の回線で加
入者交換機LEより送られる各ディジタル信号からクロ
ック信号成分(クロックA、クロックB)をそれぞれ抽
出し、ハード制御部20へ送る。ハード制御部20は、
それらの送られた信号を基にしてクロック信号の無状態
(A断、B断)をそれぞれ検出してL3/アプリ処理部
17へ送る。それとともに、ハード制御部20は、この
クロック信号の無状態(A断、B断)及びL3/アプリ
処理部17から送られたリンク情報に基づき、2つのク
ロック信号成分(クロックA、クロックB)のうちの一
方を選択し、選択されたクロック信号成分に基づきクロ
ック再生を行い、無線基地局制御装置BSCを構成する
各装置へマスタクロックとして送る。ハード制御部20
については、後に詳しく説明する。
【0041】クロック乗換部21〜26は、こうしたハ
ード制御部20から送られたマスタクロックを受けて、
対応の回線で伝送されている信号の位相をこのマスタク
ロックの位相に合わせるようにする。
【0042】なお、L3/アプリ処理部17、ハード制
御部20は各々、プロセッサにより構成される。またな
お、L3/アプリ処理部17は、図1の劣化検出手段8
に相当し、スイッチ部(SW)12、L2処理部16、
劣化検出手段8は、図1の制御情報伝送制御手段10に
相当する。
【0043】図3は、V5.2インタフェースのプロト
コル階層構成を示す図である。特に、レイヤ3(L3)
は、制御情報を構成する各要素を示しており、「PST
N」欄、「L−C」欄、「CTRL」欄、「BCC」欄
に含まれる各要素は、現用回線だけで伝送され、「P
r」欄に含まれる要素だけは現用回線及び予備回線の両
方で伝送される。「PSTN」欄は、PSTNプロトコ
ルの処理を示し、回線の状態(オンフック、オフフッ
ク)を通知する。「Pr」欄は、アクセスネットワーク
からの要求や監視制御装置(Operation System)からの
指令により行う制御情報の物理的な切替の制御を示す。
「L−C」欄は、16本の各回線毎のリンク制御を示
す。「BCC」欄は、加入者交換機LEからアクセスネ
ットワークへの指令により行われる、アクセスネットワ
ークユーザポートとV5.2インタフェースのタイムス
ロットとの間のコネクションの設定や解除に関するベア
ラチャネル制御を示す。
【0044】図4は、図2に示すハード制御部20の内
部構成を示す図である。すなわち、クロック抽出部1
8,19から送られたクロック信号成分(クロックA、
クロックB)がセレクタ(SEL)31に入力されると
共に、クロック断検出部32,33にそれぞれ入力され
る。クロック断検出部32,33は、クロック信号成分
が存在しないときにクロック断検出信号(A断、B断)
をクロック選択論理部34へそれぞれ送ると共に、L3
/アプリ処理部17へも送る。クロック選択論理部34
には他に、L3/アプリ処理部17から制御情報の伝送
品質を示すリンク情報が送られている。クロック選択論
理部34は、このクロック断検出信号(A断、B断)及
びリンク情報に基づき、2つのクロック信号成分(クロ
ックA、クロックB)のうちの一方を選択するが、その
選択論理を、図5を参照して以下に説明する。
【0045】図5は、クロック選択論理部34でのクロ
ック信号成分(クロックA、クロックB)の選択論理を
示すと共に、L3/アプリ処理部17での制御情報の伝
送回線の選択論理を示す図である。欄C1は、クロック
断検出信号(A断、B断)に基づく回線毎のクロック状
態を示し、丸印はクロック断検出信号が無い(クロック
正常)ことを示し、×印はクロック断検出信号がある
(クロック断)ことを示す。A,Bは回線を示す。欄C
2は、リンク情報に基づく回線毎の制御情報の伝送品質
を示し、丸印は制御情報の伝送品質が正常なことを示
し、×印は制御情報の伝送品質が異常なことを示す。欄
C3は、欄C1及び欄C2に示す状態において、クロッ
ク信号成分(クロックA、クロックB)のうちのいずれ
を選択すべきかを示している。「前保持」はそれまで選
択されていた方をそのまま維持することを意味し、「自
走」は、クロックA、クロックBのいずれでもなく、後
述の自走クロック発生器35からのクロックを選択する
ことを意味する。欄C4については、L3/アプリ処理
部17に関連する部分であり、後述する。
【0046】図4に戻って、クロック選択論理部34g
はセレクタ31に、上述したように「A」、「B」、
「前保持」、「自走」のうちのいずれかを示す信号を出
力する。セレクタ31には、クロック信号成分(クロッ
クA、クロックB)の他、自走クロック発生器35から
クロック信号が入力されている。自走クロック発生器3
5は、加入者交換機LEで使用されているクロック信号
と同期はしていないが同じ周期のクロック信号を発生す
る。
【0047】セレクタ31は、「A」を示す信号を受け
ると、回線Aからのクロック信号成分を選択してPLL
回路36へ送り、同様に、「B」を示す信号を受ける
と、回線Bからのクロック信号成分を選択し、「前保
持」を示す信号を受けると、それまで選択していた回線
からのクロック信号成分を選択し、「自走」を示す信号
を受けると、自走クロック発生器35からのクロック信
号を選択してPLL回路36へ送る。
【0048】PLL回路36は、送られた信号に同期し
たクロック信号を再生し、マスタクロック分配部37へ
送る。マスタクロック分配部37は、その再生されたク
ロック信号を、無線基地局制御装置BSCを構成する各
装置へ分配する。
【0049】図5の第2及び第3段目に示すように、デ
ィジタル信号が全く届かないような障害ではなく、ディ
ジタル信号の伝送品質に劣化が生じて、再送要求を頻繁
に行なわねばならない程度のリンク異常(第1の異常)
が、回線Aまたは回線Bに発生した場合、このリンク異
常では、その異常回線で伝送されるディジタル信号に基
づきクロック再生を継続しても、クロックの同期再生に
は支障が発生しないにも拘わらず、リンク異常が発生し
ていない方の回線で伝送されるディジタル信号に基づく
クロック再生に、変更してしまう。
【0050】これにより、マスタクロック切替が、制御
情報の予備回線上でのリンク設定の前に行われることに
なり、従って、予備回線に既に切り替わっている制御情
報の伝送に、マスタクロック切替に起因して擾乱を与え
てしまう、という従来の問題を回避することができる。
これを、図6に具体的に示す。
【0051】図6は、無線基地局制御装置BSCと加入
者交換機LEとの間で伝送される制御信号に伝送障害が
発生した場合の本発明における切替シーケンスを示す図
である。
【0052】回線Aが現用回線である場合において、回
線Aに障害が発生し、これを加入者交換機LEが検出し
た場合(S1)、加入者交換機LEとアクセスネットワ
ークANの無線基地局制御装置BSCとの間で、制御情
報の切替についてのメッセージの交換が行われる(S
2)。
【0053】その直後に、無線基地局制御装置BSCで
は、クロック再生のためのディジタル信号を予備回線B
から得るように切り替えを行い、切替後に得られた新た
なマスタクロック信号を無線基地局制御装置BSC内の
各部へ送るようにする(S3)。
【0054】そしてその後、レイヤ3の「プロテクショ
ン」を除く制御情報の全てに対して、回線B上でのレイ
ヤ2のリンク確立が行われる(S4)。つまり、制御情
報を構成し、異なるタイムスロット位置にそれぞれ設定
される複数の情報要素を、回線Bで伝送されるディジタ
ル信号の対応タイムスロット位置にそれぞれ設定する。
【0055】なお、図1の同期クロック分配手段6が、
図4のセレクタ31、PLL回路、マスタクロック分配
部37に相当し、同様に、クロック異常検出手段7がク
ロック断検出部32,33に、クロック参照回路決定手
段9がクロック選択論理部34に相当する。
【0056】次に、図2を参照して前述したように、L
3/アプリ処理部17は、リンク情報と、ハード制御部
20から送られるクロック信号の無状態(A断、B断)
情報とに基づき、制御情報の伝送を行うべき回線の選択
を行い、その選択された回線による制御情報の伝送がで
きるようにタイムスロットの設定等を行う。この回線の
選択論理を、図5を参照して説明する。
【0057】図5において、欄C4は、欄C1及び欄C
2に示す状態において、L3/アプリ処理部17が、制
御情報の伝送を行うべき回線としていずれを選択すべき
かを示している。「A」は回線Aを、「B」は回線Bを
選択することを意味し、「前保持」はそれまで選択され
ていた方をそのまま維持することを意味する。
【0058】図5の第5及び第9段目に示すように、回
線が切断された場合のようなディジタル信号が全く届か
ないクロック異常が、回線Aまたは回線Bに発生した場
合、異常ではない方の回線で伝送されるディジタル信号
に基づくクロック再生に、変更してしまうのは当然であ
るが、それと共に、即座に、異常でない回線による制御
情報の伝送を実現する。
【0059】これにより、制御情報の切替処理が、マス
タクロックの切替の直後に行われることになり、従っ
て、従来のように所定回数のリトライを行う時間を待つ
必要が無くなり、制御情報の切替処理が迅速化する。こ
れを、図7に具体的に示す。
【0060】図7は、無線基地局制御装置BSCと加入
者交換機LEとの間で、現用側回線で伝送されるディジ
タル信号が無線基地局制御装置BSCに届かない障害が
発生した場合の本発明における制御情報の切替シーケン
スを示す図である。
【0061】現用回線が回線Aであるとした場合に、無
線基地局制御装置BSCが、回線Aを介してディジタル
信号が全く届かないクロック障害を検出すると(S1
1)、加入者交換機LEと無線基地局制御装置BSCと
の間で、制御情報の切替についてのメッセージの交換が
行われる(S12)。また、クロック再生のためのディ
ジタル信号を回線Bから得るように切り替えを行い、切
替後に得られた新たなマスタクロック信号を無線基地局
制御装置BSC内の各部へ送るようにする(S13)。
【0062】その後で、無線基地局制御装置BSCは、
レイヤ3の「プロテクション」を除く制御情報の全てに
対して、回線B上でのレイヤ2のリンク確立を行う(S
14)。つまり、制御情報を構成し、異なるタイムスロ
ット位置にそれぞれ設定される複数の情報要素を、回線
Bで伝送されるディジタル信号の対応タイムスロット位
置にそれぞれ設定する。
【0063】なお、図2において、ハード制御部20で
行われるマスタクロックの切替、及びL3/アプリ処理
部17で行われる制御情報の伝送回線の切替を、更に、
外部から投入される切替えコマンドによって行えるよう
にしてもよい。これを、図8及び図9を参照して説明す
る。更にはまた、これらの切替を、L2処理部16にお
いてL2リンク断を検出したときに行えるようにしても
よい。これを、図10を参照して説明する。
【0064】図8は、加入者交換機LEに、制御情報の
伝送回線の切替を求める切替えコマンドが投入された場
合に行われるハード制御部20及びL3/アプリ処理部
17の動作を示すシーケンス図である。
【0065】すなわち、加入者交換機LEに切替えコマ
ンドが投入されると(S21)、加入者交換機LEと無
線基地局制御装置BSCとの間で、制御情報の切替につ
いてのメッセージの交換が行われる(S22)。また、
クロック再生のためのディジタル信号を制御情報切替後
の回線から得るように切り替えを行い、切替後に得られ
た新たなマスタクロック信号を無線基地局制御装置BS
C内の各部へ送るようにする(S23)。
【0066】その後で、無線基地局制御装置BSCは、
レイヤ3の「プロテクション」を除く制御情報の全てに
対して、切替先の回線上でのレイヤ2のリンク確立を行
う(S24)。
【0067】このように、制御情報の伝送回線の切替を
求める切替えコマンドが投入された場合でも、ステップ
S24の処理を実行する前にマスタクロックの切替を行
ってしまうようにする。これによって、従来ならば、切
替えコマンド投入後に保守作業が行われて、マスタクロ
ックの切替も行われ、これに起因して予備回線に既に切
り替わっている制御情報の伝送に擾乱を与えてしまう、
ということが回避される。
【0068】図9は、アクセスネットワークAN(無線
基地局制御装置BSC)に、制御情報の伝送回線の切替
を求める切替えコマンドが投入された場合に行われるハ
ード制御部20及びL3/アプリ処理部17の動作を示
すシーケンス図である。
【0069】すなわち、無線基地局制御装置BSCに切
替えコマンドが投入されると(S26)、加入者交換機
LEと無線基地局制御装置BSCとの間で、制御情報の
切替についてのメッセージの交換が行われる(S2
7)。また、クロック再生のためのディジタル信号を制
御情報切替後の回線から得るように切り替えを行い、切
替後に得られた新たなマスタクロック信号を無線基地局
制御装置BSC内の各部へ送るようにする(S28)。
【0070】その後で、無線基地局制御装置BSCは、
レイヤ3の「プロテクション」を除く制御情報の全てに
対して、切替先の回線上でのレイヤ2のリンク確立を行
う(S29)。
【0071】このように、制御情報の伝送回線の切替を
求める切替えコマンドが投入された場合でも、ステップ
S29の処理を実行する前にマスタクロックの切替を行
ってしまうようにする。これによって、図8に示した場
合と同様に、切替えコマンド投入後に保守作業が行われ
て、マスタクロックの切替も行われ、これに起因して予
備回線に既に切り替わっている制御情報の伝送に擾乱を
与えてしまう、ということが回避される。
【0072】図10は、アクセスネットワークAN内の
無線基地局制御装置BSCにおいて、L2処理部16が
L2リンク断を検出した場合に行われるハード制御部2
0及びL3/アプリ処理部17の動作を示すシーケンス
図である。
【0073】すなわち、無線基地局制御装置BSCでL
2リンク断が検出されると(S31)、加入者交換機L
Eと無線基地局制御装置BSCとの間で、制御情報の切
替についてのメッセージの交換が行われる(S32)。
また、クロック再生のためのディジタル信号を制御情報
切替後の回線から得るように切り替えを行い、切替後に
得られた新たなマスタクロック信号を無線基地局制御装
置BSC内の各部へ送るようにする(S33)。
【0074】その後で、無線基地局制御装置BSCは、
レイヤ3の「プロテクション」を除く制御情報の全てに
対して、切替先の回線上でのレイヤ2のリンク確立を行
う(S34)。
【0075】このように、L2リンク断が検出された場
合も、ステップS34の処理を実行する前にマスタクロ
ックの切替を行ってしまうようにする。これによって、
従来ならば、L2リンク断の検出に伴い保守作業が行わ
れて、マスタクロックの切替も行われ、これに起因して
予備回線に既に切り替わっている制御情報の伝送に擾乱
を与えてしまう、ということが回避される。
【0076】次に、第2の実施の形態を説明する。第2
の実施の形態は、基本的に第1の実施の形態と同じ構成
になっている。そのため、同一構成部分には同一の参照
符号を付してその説明を省略し、相違する部分だけを説
明するようにする。
【0077】図11は、第2の実施の形態における無線
基地局制御装置BSCの内部構成を示す図である。第2
の実施の形態では、第1の実施の形態におけるL3/ア
プリ処理部17及びハード制御部20に代わり、L3/
アプリ処理部41及びハード制御部42を設ける。
【0078】L3/アプリ処理部41は、無線基地局B
TSの側で使用されるISDNをベースにするインタフ
ェースと、加入者交換機LEの側で使用されるPSTN
インタフェース(プロトコル)との変換を行い、また、
無線基地局制御装置BSCの全般の制御を行う。さらに
L3/アプリ処理部41は、制御情報の伝送品質を調べ
てリンク情報としてハード制御部42へ送る。しかし、
L3/アプリ処理部41は、第1の実施の形態のよう
に、このリンク情報とクロック信号の無状態(A断、B
断)情報とに基づき、制御情報の伝送を行うべき回線の
選択(プロテクション選択)を行うことはせず、これを
ハード制御部42に行わせる。
【0079】ハード制御部42は、クロック抽出部1
8,19から送られたクロック信号成分(クロックA、
クロックB)を基にしてクロック信号の無状態(A断、
B断)をそれぞれ検出する。そして、ハード制御部42
は、このクロック信号の無状態(A断、B断)及びL3
/アプリ処理部41から送られたリンク情報に基づき、
2つのクロック信号成分(クロックA、クロックB)の
うちの一方を選択し、選択されたクロック信号成分に基
づきクロック再生を行い、無線基地局制御装置BSCを
構成する各装置へマスタクロックとして送る。それと共
に、ハード制御部42は、クロック信号の無状態(A
断、B断)及びリンク情報に基づき、制御情報の伝送を
行うべき回線の選択(プロテクション選択)を行い、プ
ロテクション選択情報をL3/アプリ処理部41へ送
る。
【0080】L3/アプリ処理部41は、プロテクショ
ン選択情報を受けて、その選択された回線による制御情
報の伝送ができるようにタイムスロットの設定等を行
う。図12は、ハード制御部42の内部構成を示す図で
ある。図12中のセレクタ(SEL)51、クロック断
検出部52,53、自走クロック発生器55、PLL回
路56、マスタクロック分配部57は、図4に示す第1
の実施の形態のセレクタ(SEL)31、クロック断検
出部32,33、自走クロック発生器35、PLL回路
36、マスタクロック分配部37とそれぞれ同じ機能を
備える。
【0081】クロック制御部54は、クロック断検出部
52,53からクロック信号成分が存在しないときにク
ロック断検出信号(A断、B断)をそれぞれ送られると
共に、L3/アプリ処理部41から、制御情報の伝送品
質を示すリンク情報が送られる。クロック制御部54
は、このクロック断検出信号(A断、B断)及びリンク
情報に基づき、図5に示す論理と同じ論理に従って、
「A」、「B」、「前保持」、「自走」のうちのいずれ
かを示す信号を出力する。同時に、クロック制御部54
は、図5に示す論理と同じ論理に従って、制御情報の伝
送を行うべき回線の選択を行い、「A」、「B」、「前
保持」のいずれかの情報をプロテクション選択情報とし
て、L3/アプリ処理部41へ送る。
【0082】以上のように、第1の実施の形態における
L3/アプリ処理部17が行っていた図5に基づくプロ
テクション選択を、第2の実施の形態では、クロック制
御部54が行うようにしている点が異なっている。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、ディジ
タル信号が全く届かないような障害ではなく、ディジタ
ル信号の伝送品質に劣化が生じて、再送要求を頻繁に行
なわねばならない程度の第1の異常が、制御信号を伝送
する現用の第1の回線に発生したとき、第1の回線で伝
送されるディジタル信号に基づきクロック再生を継続し
ても、クロックの同期再生には支障が発生しないにも拘
わらず、制御信号を伝送する予備の第2の回線で伝送さ
れるディジタル信号に基づくクロック再生に、変更して
しまう。
【0084】これにより、マスタクロック切替が、制御
情報に対する第2の回線上でのレイヤ2のリンク確立の
前に行われることになり、従って、第2の回線に既に切
り替わっている制御情報の伝送に、マスタクロック切替
に起因して擾乱を与えてしまう、という従来の問題を回
避することができる。
【0085】また、回線が切断された場合のようなディ
ジタル信号が全く届かない第2の異常が第1の回線に発
生した場合には、第2の回線で伝送されるディジタル信
号に基づくクロック再生に、変更してしまうのは当然で
あるが、それと共に、即座に、第2の回線による制御情
報の伝送を実現する。
【0086】これにより、制御情報の切替処理が、マス
タクロック切替の直後に行われることになり、従って、
所定回数のリトライを行う時間を待つ必要が無くなり、
制御情報の切替処理が迅速化する。
【0087】かくして、制御情報を伝送する回線に障害
があった場合でも、制御情報の信頼度の高い伝送が実現
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】第1の実施の形態における無線基地局制御装置
BSCの内部構成を示す図である。
【図3】V5.2インタフェースのプロトコル階層構成
を示す図である。
【図4】図2に示すハード制御部の内部構成を示す図で
ある。
【図5】クロック選択論理部でのクロック信号成分(ク
ロックA、クロックB)の選択論理を示すと共に、L3
/アプリ処理部での制御情報の伝送回線の選択論理を示
す図である。
【図6】無線基地局制御装置BSCと加入者交換機LE
との間で伝送される制御信号に伝送障害が発生した場合
の本発明における切替シーケンスを示す図である。
【図7】無線基地局制御装置BSCと加入者交換機LE
との間で、現用側回線で伝送されるディジタル信号が無
線基地局制御装置BSCに届かない障害が発生した場合
の本発明における制御情報の切替シーケンスを示す図で
ある。
【図8】加入者交換機LEに、制御情報の伝送回線の切
替を求める切替えコマンドが投入された場合に行われる
ハード制御部及びL3/アプリ処理部の動作を示すシー
ケンス図である。
【図9】アクセスネットワークAN(無線基地局制御装
置BSC)に、制御情報の伝送回線の切替を求める切替
えコマンドが投入された場合に行われるハード制御部及
びL3/アプリ処理部の動作を示すシーケンス図であ
る。
【図10】アクセスネットワークAN内の無線基地局制
御装置BSCにおいて、L2処理部がL2リンク断を検
出した場合に行われるハード制御部及びL3/アプリ処
理部の動作を示すシーケンス図である。
【図11】第2の実施の形態における無線基地局制御装
置BSCの内部構成を示す図である。
【図12】ハード制御部の内部構成を示す図である。
【図13】従来のアクセスネットワークを説明する図で
ある。
【図14】ANの内部構成を示す図である。
【図15】ANとLEとの間に設けられる回線を示す図
である。
【図16】ANとLEとの間で伝送される制御信号に伝
送障害が発生した場合の切替シーケンスを示す図であ
る。
【図17】ANとLEとの間で、現用側回線Aで伝送さ
れるディジタル信号がANに届かない障害が発生した場
合の制御情報の切替シーケンスを示す図である。
【符号の説明】
1 公衆網 2 ネットワーク 3 交換機 4 第1の回線 5 第2の回線 6 同期クロック分配手段 7 クロック異常検出手段 8 劣化検出手段 9 クロック参照回線決定手段 10 制御情報伝送制御手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2本のディジタル回線によっ
    て公衆網に接続されたネットワークを、公衆網と同期し
    て動作させるためのネットワーク同期装置において、 公衆網の交換機とネットワークとの間に設けられ、いず
    れかの一方によって制御情報を伝送する第1及び第2の
    回線と、 前記第1及び第2の回線のうちの一方を選択して、選択
    された回線で送られるディジタル信号のクロックに同期
    したクロック信号を発生し、ネットワークを構成する各
    装置に分配する同期クロック分配手段と、 前記第1及び第2の回線を介して送られる各ディジタル
    信号を監視して、クロックの状態を検出するクロック異
    常検出手段と、 前記第1及び第2の回線を介して送られる各ディジタル
    信号を監視して、伝送品質の劣化の状態を検出する劣化
    検出手段と、 前記クロック異常検出手段が検出したクロックの状態及
    び前記劣化検出手段が検出した伝送品質の劣化の状態に
    基づき、前記第1及び第2の回線のうちで、前記同期ク
    ロック分配手段が選択すべき回線を決定するクロック参
    照回線決定手段と、 前記クロック異常検出手段が検出したクロックの状態及
    び前記劣化検出手段が検出した伝送品質の劣化の状態に
    基づき、前記第1及び第2の回線のうちで、制御情報を
    伝送すべき回線を決定し、当該決定された回線による制
    御情報の伝送を実現する制御情報伝送制御手段と、 を有することを特徴とするネットワーク同期装置。
  2. 【請求項2】 前記公衆網と前記ネットワークとの間で
    は、ITU−T(International Telecommunication Un
    ion-Telecommunication Sector)で規定されるV5.2
    インタフェースによる通信が行われ、前記第1及び第2
    の回線は、V5.2インタフェースにおけるプライマリ
    回線及びセカンダリ回線であることを特徴とする請求項
    1記載のネットワーク同期装置。
  3. 【請求項3】 前記クロック参照回線決定手段は、前記
    劣化検出手段が前記第1及び第2の回線のうちの一方に
    伝送品質の劣化を検出し、かつ、前記クロック異常検出
    手段が前記第1及び第2の回線の両方にクロックの正常
    な状態を検出しているとき、前記第1及び第2の回線の
    うちの、伝送品質の劣化を検出されていない方の回線
    を、前記同期クロック分配手段が選択すべき回線に決定
    することを特徴とする請求項1記載のネットワーク同期
    装置。
  4. 【請求項4】 前記制御情報伝送制御手段は、前記クロ
    ック異常検出手段が前記第1及び第2の回線のうちの一
    方にクロックの障害状態を検出し、かつ、前記劣化検出
    手段が前記第1及び第2の回線のいずれにも伝送品質の
    劣化を検出していないとき、前記第1及び第2の回線の
    うちの、クロックの障害状態を検出されていない方の回
    線による制御情報の伝送を実現することを特徴とする請
    求項1記載のネットワーク同期装置。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2の回線で送られる各デ
    ィジタル信号のクロックに同期しない自走クロック信号
    を発生し、前記クロック異常検出手段が前記第1及び第
    2の回線のうちの両方にクロックの障害状態を検出した
    ときに、当該自走クロックをネットワークを構成する各
    装置に分配する自走クロック分配手段を更に有すること
    を特徴とする請求項1記載のネットワーク同期装置。
  6. 【請求項6】 外部からのコマンド投入により、制御情
    報を伝送すべき回線の変更を指令されたときに、前記第
    1及び第2の回線のうちの、変更先の回線を、前記同期
    クロック分配手段が選択すべき回線に決定するコマンド
    時回線決定手段 を更に有することを特徴とする請求項1記載のネットワ
    ーク同期装置。
  7. 【請求項7】 前記制御情報伝送制御手段は、 前記決定された回線により制御情報を伝送するために前
    記交換機と前記ネットワークとの間でメッセージの交換
    を行うメッセージ交換手段と、 制御情報を構成し、異なるタイムスロット位置にそれぞ
    れ設定される複数の情報要素を、前記決定された回線で
    伝送されるディジタル信号の対応タイムスロット位置に
    それぞれ設定する設定手段と、 を含み、 前記劣化検出手段が前記第1及び第2の回線のうちの一
    方に伝送品質の劣化を検出したとき、前記メッセージ交
    換手段、前記クロック参照回線決定手段、及び前記設定
    手段が、この順に作動することを特徴とする請求項1記
    載のネットワーク同期装置。
  8. 【請求項8】 前記制御情報伝送制御手段は、 前記決定された回線により制御情報を伝送するために前
    記交換機と前記ネットワークとの間でメッセージの交換
    を行うメッセージ交換手段と、 制御情報を構成し、異なるタイムスロット位置にそれぞ
    れ設定される複数の情報要素を、前記決定された回線で
    伝送されるディジタル信号の対応タイムスロット位置に
    それぞれ設定する設定手段と、 を含み、 前記クロック異常検出手段が前記第1及び第2の回線の
    うちの一方にクロックの障害状態を検出したとき、前記
    メッセージ交換手段、前記クロック参照回線決定手段、
    及び前記設定手段が、この順に作動することを特徴とす
    る請求項1記載のネットワーク同期装置。
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