JPH1197679A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH1197679A
JPH1197679A JP9252285A JP25228597A JPH1197679A JP H1197679 A JPH1197679 A JP H1197679A JP 9252285 A JP9252285 A JP 9252285A JP 25228597 A JP25228597 A JP 25228597A JP H1197679 A JPH1197679 A JP H1197679A
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JP
Japan
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bipolar transistor
igbt
gate
insulated gate
gate bipolar
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JP9252285A
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English (en)
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Akihiro Tanba
昭浩 丹波
Kazuji Yamada
一二 山田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 IGBTのゲート駆動電流IG を低減してゲ
ート駆動回路の簡素化を図り、IGBTのコレクタ飽和
コレクタ電流を低減して、IGBTの信頼性を向上させ
る半導体装置を提供する。 【構成】 主IGBT1と補助IGBT2とがダーリン
トン接続され、補助IGBT2のゲートにゲート駆動電
圧を供給し、主IGBT1をスイッチングオンまたはス
イッチングオフする半導体装置において、主IGBT1
の閾値電圧VTH1と補助IGBT2の閾値電圧VTH2
を異ならせ、2つの閾値電圧VTH1 、VTH 2 との間で、
TH1 >VTH2 になるように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置に係わ
り、特に、ダーリントン接続した第1及び第2の絶縁ゲ
ートバイポーラバイポーラトランジスタ(Insula
ted GateBipolar Transisto
r、以下、これをIGBTという)を有し、ゲート駆動
回路の構成の簡略化、ゲート駆動回路の電源の電力容量
の低減化を図り、飽和コレクタ電流を低減して高い信頼
性を得た半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、IGBTは、代表的なMOS型
電力用半導体装置であって、半導体チップ中に集積化さ
れたIGBTチップの形で使用されることが多い。
【0003】図15は、既知のIGBTチップにおける
レイアウト構成の一例を示す模式図である。
【0004】図15において、151は4つのIGBT
のエミッタ電極領域、152は1つのゲート電極領域、
153はゲート配線領域である。
【0005】そして、IGBTチップは、中央部分にゲ
ート電極領域152が配置され、ゲート電極領域152
を囲むようにして4つのエミッタ電極領域151が配置
され、4つのエミッタ領域151の周囲にゲート配線領
域153が配置されたものである。
【0006】このIGBTチップは、ゲート電極領域1
52にゲート駆動電圧を供給したとき、そのゲート駆動
電圧の極性により、IGBTがスイッチングオンまたは
スイッチングオフされるもので、大きなコレクタ−エミ
ッタ電流を通電できるようにするために、IGBTチッ
プのチップ占有面積が大きくなっており、例えば、定格
電圧600Vで、定格コレクタ電流100AのIGBT
チップにおけるチップ占有面積は1cm2 程度になる。
このため、IGBTは、ゲート容量(MOS容量)が極
めて大きく、5nF程度になる。また、IGBTは、M
OS型装置としての特徴である高速度のスイッチングが
行われる結果、電圧駆動型装置であっても、ゲート電流
は最大1Aを超える大きな値となり、IGBTのゲート
駆動回路には大電流を供給可能なものを用いる必要があ
る。
【0007】ここで、図13は、IGBTを駆動する既
知のゲート駆動回路の構成の一例を示す回路図である。
【0008】図13において、131はIGBT、13
2はNPNバイポーラトランジスタ132(1)とPN
Pバイポーラトランジスタ132(2)からなるバッフ
ァ回路、133は前置回路、134はコレクタ端子、1
35はエミッタ端子、136はゲート電圧供給端子、1
37は電源端子、138は接地端子である。
【0009】前記構成による既知のゲート駆動回路にお
いて、ゲート電圧供給端子136に正極性のゲート駆動
電圧が供給されると、ゲート駆動電圧は、前置回路13
3を通してバッファ回路132に供給され、NPNバイ
ポーラトランジスタ132(1)をオンにする。このと
き、電源端子137からNPNバイポーラトランジスタ
132(1)を通してIGBT131のゲートに1A程
度のゲート電流IG が加わり、IGBT131をスイッ
チングオンする。一方、ゲート電圧供給端子136に負
極性のゲート駆動電圧が供給されると、ゲート電圧は、
前置回路133を通してバッファ回路132に供給さ
れ、PNPバイポーラトランジスタ132(2)をオン
にする。このとき、IGBT131のゲートに蓄積され
ていた電荷は、PNPバイポーラトランジスタ132
(2)を通して接地端子138に流れ、IGBT131
をスイッチングオフする。
【0010】この既知のゲート駆動回路は、バッファ回
路132の電源端子137に接続される電源として比較
的電力容量の大きなものが必要となり、しかも、IGB
T131を複数個並列接続して使用する場合、総合のゲ
ート電流IG の大きさがさらに大きくなり、それぞれの
IGBT131に流れるゲート電流IG の大きさのバラ
ツキに基づいて、IGBT131のスイッチング動作に
もばらつきが生じるようになる。
【0011】また、IGBT131は、スイッチングオ
ン時の低電力損失を図るために、定格コレクタ電流が通
電する際のコレクタ・エミッタ間電圧(オン電圧)を低
減する必要があるが、オン電圧を低減すると、飽和コレ
クタ電流が増大するようになる。
【0012】図14は、IGBTにおけるエミッタ・コ
レクタ間電圧(オン電圧)とコレクタ電流(飽和コレク
タ電流)との関係を示す特性図である。
【0013】図14に示されるように、IGBTのオン
電圧を矢印方向aに低減させると、飽和コレクタ電流が
矢印方向bに示されるように増大する。この場合、IG
BTのオン電圧の低減は、通常、IGBTのゲート酸化
膜の厚さを薄くすることによって達成しているので、I
GBTのゲート容量がより増大するようになり、IGB
Tのゲート電流IG はますます増大するようになる。
【0014】また、IGBTは、通常、複数個のIGB
Tをパッケージ構成にしたIGBTモジュールの形で使
用されることが多く、最近においては、IGBTモジュ
ール内に、複数個のIGBTの他に、ゲート駆動回路や
過電流保護回路等の各種保護回路を組み込み、インテリ
ジェントパワーモジュール(IPM、以下、これをIP
Mという)とした構成が採用されている。
【0015】図18は、このような既知のIPMの構成
の一例を示す一部回路図で表したブロック図である。
【0016】図18に示されるように、既知のIPM
は、2重エミッタを有するIGBT181と、ゲート駆
動回路182と、ゲート電圧供給端子183と、負荷短
絡保護回路184と、過電流保護回路185と、制御電
源電圧保護回路186と、サーミスタ187aを具備し
た加熱保護回路187と、フォルト出力端子188と、
2つの遅延回路1891 、1892 と、フリップフロッ
プ回路190と、オペアンプ191と、2つのインバー
タ回路1921 、1922 と、センス抵抗193等を有
し、それらが図18に図示されるように接続されてい
る。
【0017】前記構成による既知のIPMにおいては、
IGBT181の負荷(図示なし)が短絡したような場
合、IGBT181の一方のエミッタとそれに接続され
たセンス抵抗193を流れる電流の増加によって負荷の
短絡が検出され、各種の保護回路184、185、18
6、187の中のいずれか1つのものまたは1つ以上の
ものを動作させることにより、IGBT181の過電流
等に基づくIGBT181の破損を防ぐことができる。
【0018】図16は、既知のIPMにおけるセンス回
路及びセンス端子を設けたIGBTスイッチング回路の
構成の一例を示す回路図である。
【0019】図16において、161は主IGBT、1
62はセンスIGBT、163はセンス抵抗、164は
ゲート電圧供給端子、165はコレクタ端子、166は
エミッタ端子、167はセンス端子である。
【0020】そして、主IGBT161及びセンスIG
BT162は、コレクタがコレクタ端子165に、ゲー
トがセンス端子167に共通接続されている。主IGB
T161のエミッタは直接エミッタ端子166に接続さ
れ、センスIGBT162のエミッタはセンス抵抗16
3を通してエミッタ端子166に接続されている。セン
ス端子167はセンスIGBT162のエミッタに接続
されている。
【0021】前記構成による既知のIGBTスイッチン
グ回路によれば、主電流が通電する主IGBT161に
比例した電流、例えば、主電流の大きさの1/5000
程度のセンス電流がセンスIGBT162に流れ、この
センス電流の大きさをセンス抵抗163によって電圧に
変換し、その変換電圧をセンス端子167において読み
取ることにより、主電流の大きさを知ることができるも
のである。
【0022】また、図17は、図16に図示のIGBT
スイッチング回路を集積化したIGBTチップにおける
レイアウト構成の一例を示す模式図である。
【0023】図17において、171は4個のIGBT
のエミッタ電極領域、172は1個のゲート電極領域、
173はゲート配線領域、174はセンス端子領域であ
る。
【0024】前記構成によるIGBTチップのレイアウ
ト構成は、図15に図示されたIGBTチップのレイア
ウト構成と殆んど同じであって、本例のIGBTチップ
は、1個のIGBTのエミッタ領域171の中にセンス
端子領域174を設けている点において、図15に図示
されたIGBTチップと異なっているだけである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】前記既知のIGBTス
イッチング回路において使用されるIGBTは、電圧駆
動型素子であって、例えば、バイポーラトランジスタ等
のような電流駆動型素子に比較し、本来、ゲート駆動電
流が小さいことから、ゲート駆動回路の構成を簡単にす
ることができ、かつ、ゲート駆動回路の電源の電力容量
を小さくできる等の利点がある。ところが、IGBT
は、前述のように、ゲート容量値が大きく、ゲート容量
の充放電時に大きなゲート電流IG が流れることから、
前記利点を受容することが難しくなる。この点は、大電
流が通流するIGBTモジュールのように、複数個のI
GBTを並列接続して使用する場合に、特に顕著にな
る。そこで、IGBTにおける電圧駆動型素子としての
特徴を生かすためには、IGBTのゲート電流IG をで
きるだけ小さくし、ゲート駆動回路に大きな負担をかけ
ないようにすればよい。
【0026】ところで、IGBTのゲート電流IG を小
さくする手段の1つとして、ゲート酸化膜の厚さを厚く
してゲート容量を小さくすることが考えられる。しかる
に、ゲート容量を小さくすれば、IGBTをスイッチン
グオンさせる際のオン電圧が大きくなり、それによりコ
レクタ損失が大きくなるので、IGBTの他の特徴であ
る電力用MOSFETに比べてコレクタ損失が小さいと
いう利点を受容することができなくなる。このため、前
記手段は、適切な方策であるということができない。
【0027】また、前記既知のIGBTスイッチング回
路において用いられるIGBTは、飽和電流型素子であ
って、例えば、サイリスタ等の非飽和電流型素子と異な
り、無負荷時のコレクタ電流値がIGBTに固有の飽和
コレクタ電流値によって決まるため、大きなコレクタ電
流が流れても、IGBTが破損し難いという利点を併せ
備えている。ところが、IGBTが高性能化されるに従
い、図14に示されるように、IGBTをスイッチング
オンさせるオン電圧が低くなると、飽和コレクタ電流の
値が大きくなる。そして、飽和コレクタ電流の値が大き
くなると、IGBTスイッチング回路の負荷が短絡する
等の異常が発生した時、IGBTを短時間で破損させる
ようになって、IGBTの信頼性が低下するようにな
る。
【0028】一般に、IGBTは、飽和コレクタ電流値
を小さい状態に維持したまま、オン電圧を低減すること
が困難であったため、IGBTスイッチング回路におい
ては、図16に示されるように、センス回路及びセンス
端子を設けたIGBTスイッチング回路に過電流保護回
路を組み合わせ、IGBTスイッチング回路の主IGB
Tに過大なコレクタ電流が流れたとき、その過大なコレ
クタ電流の流れをセンス端子で検知し、この検知出力に
よって過電流保護回路を動作させ、主IGBTを破損か
ら保護することが主流になっている。
【0029】しかるに、前記センス回路及びセンス端子
を設けたIGBTスイッチング回路は、主IGBTを流
れるコレクタ電流とセンスIGBTを流れるセンス電流
との電流比を利用しているものであり、この電流比には
電流依存性があるため、センス電流の検出によって主I
GBTの正確な保護を行うことが困難であり、しかも、
ノイズ等の影響により誤って主IGBTの保護が行われ
ることがある。
【0030】このように、前記既知のスイッチング回路
において使用されるIGBTは、ゲート駆動電流の低減
化や飽和コレクタ電流の低減化等、解決すべき種々の問
題を有している。
【0031】本発明は、これらの問題点を有効に解決す
るもので、その目的は、IGBTのゲート駆動電流を低
減してゲート駆動回路の簡素化を図り、IGBTのコレ
クタ飽和コレクタ電流を低減して、IGBTの信頼性を
向上させる半導体装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】前記目的の達成のため
に、本発明による半導体装置は、ダーリントン接続され
た第1IGBT(主IGBT)及び第2IGBT(補助
IGBT)を備え、補助IGBTのゲートにゲート駆動
電圧を供給し、主IGBTをスイッチングオンまたはス
イッチングオフするものであって、主IGBTの閾値電
圧と補助IGBTの閾値電圧とを異ならせるようにした
第1の手段を具備する。
【0033】また、前記目的の達成のために、本発明に
よる半導体装置は、ダーリントン接続された第1IGB
T(主IGBT)及び第2IGBT(補助IGBT)を
備え、補助IGBTのゲートにゲート駆動電圧を供給
し、主IGBTをスイッチングオンまたはスイッチング
オフするものであって、主IGBTの閾値電圧と補助I
GBTの閾値電圧とを等しくし、主IGBTのMOSゲ
ート構造領域の酸化膜の厚さを、補助IGBTのMOS
ゲート構造領域の酸化膜の厚さよりも薄くなるように形
成した第2の手段を具備する。
【0034】前記第1の手段及び第2の手段によれば、
IGBTを比較的小さいゲート電流で動作させるため
に、主IGBTの前段に補助IGBTをダーリントン接
続した複合IGBTを形成し、補助IGBTのエミッタ
電流を主IGBTのゲート電流として供給するととも
に、複合IGBTのゲート電流を補助IGBTのゲート
に供給するようにしたので、複合IGBTのゲート電
流、即ち、補助IGBTのゲート電流を主IGBTのゲ
ート電流の1/100以下にすることができ、実質的に
IGBTのゲート電流を低減させることができる。
【0035】また、前記第2の手段によれば、比較的低
いオン電圧の状態で、飽和コレクタ電流を低減させるた
めに、主IGBT、補助IGBTの閾値電圧VTH1 、V
TH2は通常のIGBTの閾値電圧と同程度に設定し、主
IGBTのゲート酸化膜厚を薄くしている。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態におい
て、半導体装置は、第1絶縁ゲートバイポーラトランジ
スタと第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタとがダー
リントン接続され、第2絶縁ゲートバイポーラトランジ
スタのゲートにゲート駆動電圧を供給し、第1絶縁ゲー
トバイポーラトランジスタをスイッチングオンまたはス
イッチングするものであって、第1絶縁ゲートバイポー
ラトランジスタの閾値電圧と第2絶縁ゲートバイポーラ
トランジスタの閾値電圧とを異ならせたものである。
【0037】本発明の第1の実施の形態の1つにおい
て、半導体装置は、第2絶縁ゲートバイポーラトランジ
スタの閾値電圧を第1絶縁ゲートバイポーラトランジス
タの閾値電圧よりも小さくなるように形成しているもの
である。
【0038】本発明の第1の実施の形態の1つの好適例
において、半導体装置は、第2絶縁ゲートバイポーラト
ランジスタの閾値電圧を第1絶縁ゲートバイポーラトラ
ンジスタの閾値電圧の1/2以下になるように形成した
ものである。
【0039】本発明の第1の実施の形態の他の1つにお
いて、半導体装置は、第1絶縁ゲートバイポーラトラン
ジスタのMOSゲート構造半導体領域の不純物濃度と第
2絶縁ゲートバイポーラトランジスタのMOSゲート構
造半導体領域とを異ならせてたものである。
【0040】本発明の第1の実施の形態の他の1つの好
適例において、半導体装置は、第2絶縁ゲートバイポー
ラトランジスタのMOSゲート構造半導体領域の不純物
濃度を第1絶縁ゲートバイポーラトランジスタのMOS
ゲート構造半導体領域の不純物濃度よりも小さくなるよ
うに形成したものである。
【0041】本発明の第2の実施の形態において、半導
体装置は、第1絶縁ゲートバイポーラトランジスタと第
2絶縁ゲートバイポーラトランジスタとがダーリントン
接続され、第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタのゲ
ートにゲート駆動電圧を供給し、第1絶縁ゲートバイポ
ーラトランジスタをスイッチングオンまたはスイッチン
グするものであって、第1絶縁ゲートバイポーラトラン
ジスタの閾値電圧と第2絶縁ゲートバイポーラトランジ
スタの閾値電圧とが等しく、第1絶縁ゲートバイポーラ
トランジスタのMOSゲート構造領域の酸化膜の厚さが
第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタのMOSゲート
構造領域の酸化膜の厚さよりも薄くなるように形成した
ものである。
【0042】本発明の第2の実施の形態の1つにおい
て、半導体装置は、第1絶縁ゲートバイポーラトランジ
スタのMOSゲート構造領域の酸化膜の厚さが第2絶縁
ゲートバイポーラトランジスタのMOSゲート構造領域
の酸化膜の厚さの1/2以下になるように形成したもの
である。
【0043】本発明の第1または第2の実施の形態の他
のものにおいて、半導体装置は、第1絶縁ゲートバイポ
ーラトランジスタのゲートとエミッタ間に第1絶縁ゲー
トバイポーラトランジスタのゲート電荷引抜用MOSF
ETを接続したものである。
【0044】本発明の第2の実施の形態の具体例におい
て、半導体装置は、第1絶縁ゲートバイポーラトランジ
スタ及び第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタが、基
板を形成する第1導電型の第1不純物領域と、第1不純
物領域の一方表面の一部に配置された第2導電型の第2
不純物領域と、第2不純物領域の表面の一部に配置され
た第1導電型の第3不純物領域と、第1不純物領域の他
方表面上に設けられた第1及び第2コレクタ電極と、第
2不純物領域及び第3不純物領域の表面上のそれぞれ一
部に設けられた第1及び第2エミッタ電極と、第1不純
物領域を間にして第2不純物領域から第3不純物領域に
至るチャネル領域上に設けられた第1及び第2酸化膜
と、第1及び第2酸化膜内に埋設された第1及び第2ゲ
ート電極とによって構成され、第1ゲート電極とチャネ
ル領域との間の第1酸化膜の厚さが第2ゲート電極とチ
ャネル領域との間の第2酸化膜の厚さよりも薄くなるよ
うに形成したものである。
【0045】本発明の第2の実施の形態の他の具体例に
おいて、半導体装置は、第1絶縁ゲートバイポーラトラ
ンジスタ側の第1ゲート電極をテラス部と平坦部とから
なるテラス形状のもので構成し、第1ゲート電極のテラ
ス部とチャネル領域との間の第1酸化膜の厚さと第2ゲ
ート電極と前記チャネル領域との間の第2酸化膜の厚さ
とをほぼ等しくし、第1ゲート電極の平坦部とチャネル
領域との間の第1酸化膜の厚さが第2ゲート電極と前記
チャネル領域との間の第2酸化膜の厚さよりも薄くなる
ように形成したものである。
【0046】本発明の第2の実施の形態のさらに別の具
体例において、半導体装置は、第1絶縁ゲートバイポー
ラトランジスタ及び第2絶縁ゲートバイポーラトランジ
スタを、第1不純物領域の一方の表面に複数本の溝を設
け、溝の選択されたものの中に第1酸化膜を形成すると
ともに、第1酸化膜の中に第1ゲート電極を埋設し、溝
の選択された他のものの中に第2酸化膜を形成するとと
もに、第2酸化膜の中に第2ゲート電極を埋設し、第1
不純物領域の一方表面の溝が形成されない部分の第1酸
化膜及び第2酸化膜の間に第2不純物領域及び第3不純
物領域を形成したトレンチゲート型にし、第1酸化膜の
厚さを第2酸化膜の厚さよりも薄くなるように形成した
ものである。
【0047】本発明の第1及び第2の実施の形態の1つ
の例において、半導体装置は、第1絶縁ゲートバイポー
ラトランジスタと第2絶縁ゲートバイポーラトランジス
タが同一半導体チップ内に構成されたものである。
【0048】本発明の第1及び第2の実施の形態の具体
的な動作例において、半導体装置は、第2絶縁ゲートバ
イポーラトランジスタのゲート電流が第1絶縁ゲートバ
イポーラトランジスタのゲート電流の1/100以下に
なっているものである。
【0049】本発明の第1及び第2の実施の形態の他の
例において、半導体装置は、第1絶縁ゲートバイポーラ
トランジスタのゲートとエミッタ端子との間にセンス素
子を接続しているものである。
【0050】本発明の第1及び第2の実施の形態の具体
的な他の例において、半導体装置は、センス素子が、M
OSFET、バイポーラトランジスタ、抵抗の中のいず
れか1つの素子またはこれらの素子の組み合わせからな
っているものである。
【0051】本発明の第1及び第2の実施の形態の別の
例において、半導体装置は、第1絶縁ゲートバイポーラ
トランジスタのゲートに接続された電極パッドを設け、
外部から電極パッドの電圧を測定可能に構成しているも
のである。
【0052】本発明の第1及び第2の実施の形態のさら
に別の例において、半導体装置は、単一の第2絶縁ゲー
トバイポーラトランジスタに対して並列接続された複数
個の第1絶縁ゲートバイポーラトランジスタがダーリン
トン接続されているものである。
【0053】これらの本発明の実施の形態によれば、以
下に述べるように、IGBTにおける好適な特性、即
ち、ゲート電流の低減化と、低いオン電圧の状態におけ
る飽和コレクタ電流の低減化を併せて達成することがで
きるようになった。
【0054】まず、IGBTのゲート電流の低減化につ
いては、主IGBTの前段に補助IGBTをダーリント
ン接続して補助IGBTと主IGBTとからなる複合I
GBTを形成し、補助IGBTのエミッタ電流を主IG
BTのゲート電流として供給するとともに、複合IGB
Tのゲート電流を補助IGBTのゲートに供給するよう
にしたので、複合IGBTにおけるゲート電流、即ち、
補助IGBTのゲート電流の値が主IGBTのゲート電
流の値の1/100以下になり、実質的なIGBTのゲ
ート電流の低減化が可能になった。
【0055】次に、IGBTの低いオン電圧における飽
和コレクタ電流の低減化については、主IGBT、補助
IGBTの閾値電圧VTH1 、VTH2 が通常のIGBTの
閾値電圧と同程度になるように形成され、主IGBTの
ゲート酸化膜厚は補助IGBTのゲート酸化膜厚よりも
薄くなるようにする。このように構成することにより、
主IGBTは印加されるゲート・エミッタ間電圧が補助
IGBTの閾値電圧VTH 2 分だけ小さくなり、飽和電流
は小さくなる。
【0056】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0057】図1は、本発明による半導体装置の第1実
施例の構成を示す回路図である。
【0058】図1において、1は主IGBT(絶縁ゲー
トバイポーラトランジスタ)、2は補助IGBT、3は
低電圧NチャネルMOSFET(以下、NMOSとい
う)、4はゲート電圧供給端子、5はコレクタ端子、6
はエミッタ端子、7は相補ゲート電圧供給端子である。
【0059】そして、主IGBT1は、コレクタがコレ
クタ端子5に、エミッタがエミッタ端子6に、ゲートが
補助IGBT2のエミッタにそれぞれ接続され、補助I
GBT2は、コレクタがコレクタ端子5に、エミッタが
NMOS3のドレインに、ゲートがゲート電圧供給端子
4にそれぞれ接続される。NMOS3は、ソースがエミ
ッタ端子6に、ゲートが相補ゲート電圧供給端子7に接
続される。
【0060】この場合、主IGBT1は、通常のIGB
Tの閾値電圧と同程度の閾値電圧VTH1 (例えば、6
V)を有するように形成されており、補助IGBT2
は、通常のIGBTの閾値電圧よりもかなり低い閾値電
圧VTH2 (例えば、1V)を有するように形成されてい
る。そして、通常の閾値電圧と同程度の閾値電圧VTH1
を有する主IGBT1と、通常の閾値電圧よりもかなり
低い閾値電圧VTH2 を有する補助IGBT2の形成手段
は、主IGBT1の閾値電圧VTH1 を基準にしたプロセ
ス設計によって主IGBT1及び補助IGBT2をそれ
ぞれ製造する際に、補助IGBT2のMOS型領域を形
成するP型不純物領域だけにN型不純物イオンの追加打
ち込みを行い、MOS型領域のP型不純物領域の不純物
濃度を下げることにより、低い閾値電圧VTH2 を有する
補助IGBT2を実現している。
【0061】前記構成による第1実施例の半導体装置に
おいて、ゲート電圧供給端子4に正極性のゲート駆動電
圧が供給され、相補ゲート電圧供給端子7に負極性(ま
たは接地電位)の相補ゲート駆動電圧が供給されると、
正極性のゲート駆動電圧が補助IGBT2のゲートに供
給されて補助IGBT2をオンにし、負極性の相補ゲー
ト駆動電圧がNMOS3のゲートに供給されてNMOS
3をオフにする。補助IGBT2がオンすると、エミッ
タ電流が主IGBT1のゲートに供給され、主IGBT
1にゲート電流が流れて主IGBT1をスイッチングオ
ンする。一方、ゲート電圧供給端子4に負極性(または
接地電位)のゲート駆動電圧が供給され、相補ゲート電
圧供給端子7に正極性の相補ゲート駆動電圧が供給され
ると、負極性のゲート駆動電圧は補助IGBT2のゲー
トに供給されて補助IGBT2をオフにし、正極性の相
補ゲート駆動電圧はNMOS3のゲートに供給されてN
MOS3をオンにする。補助IGBT2がオフし、NM
OS3がオンすると、主IGBT1のゲートに蓄積され
ていた電荷がNMOS3を通してエミッタ端子6に流
れ、主IGBT1をスイッチングオフする。
【0062】ここで、ゲート電圧供給端子4に、例え
ば、15Vのゲート駆動電圧を供給したとすると、補助
IGBT2がオンになり、そのエミッタ電流によって主
IGBT10のゲートへの充電が開始される。このと
き、NMOS3は、ゲートへの相補ゲート駆動電圧の供
給によってオフになっているので、主IGBT1のゲー
ト電圧が上昇する。このゲート電圧の上昇は、ゲート電
圧供給端子4と主IGBT1のゲート間の電圧が主IG
BT1の閾値電圧VTH1 に達するまで続き、主IGBT
1のゲート電圧(そのエミッタ電圧も同じ)は、ゲート
電圧の15Vから主IGBT1の閾値電圧VTH1 の6V
を引いた9Vになる。
【0063】即ち、ゲート駆動回路から供給されるゲー
ト電圧が15Vであっても、負荷を駆動する主IGBT
1のゲートには、ゲート電圧として最大9Vが供給され
るに過ぎない。このため、主IGBT1のコレクタ電流
を決定するゲート電圧と閾値電圧VTH1 との差は、3V
というような小さな電圧値になってしまい、その結果、
主IGBT1のオン電圧が大幅に増大することになる。
【0064】第1実施例における特徴とする点は、補助
IGBT2の閾値電圧VTH2 を1Vという小さい値に設
定し、補助IGBT2の閾値電圧VTH2 による主IGB
T1のゲート電圧の低下をできるだけ小さくことにあ
り、同時に、補助IGBT2及び主IGBT1をダーリ
ントン接続して、ダーリントン接続された補助IGBT
2と主IGBT1との間で閾値電圧VTH2 、VTH1 を制
御することである。そして、主IGBT1のスイッチン
グオフは、NMOS3をオンにして、主IGBT1のゲ
ート電荷を引き抜くことによって行っている。
【0065】なお、第1実施例におけるNMOS3は、
MOSFETで構成する他に、バイポーラトランジスタ
で構成してもよく、抵抗で構成してもよく、NMOS
3、バイポーラトランジスタ、抵抗の中のいずれかの組
み合わせであってもよい。
【0066】また、第1実施例においては、主IGBT
1と補助IGBT2とがともにオンになった際の、主I
GBT1のコレクタ電流と補助IGBT2のコレクタ電
流の電流比が100:1になるように設定されている。
例えば、主IGBT1として、定格電圧が600Vで、
定格コレクタ電流が100Aのものを用いた場合、ゲー
ト電流の最大値は約1Aになるが、主IGBT1のコレ
クタ電流と補助IGBT2のコレクタ電流の電流比を1
00:1に設定していることにより、補助IGBT2の
エミッタ電流が約1Aになればよく、補助IGBT2の
ゲート電流IGはその約1Aのエミッタ電流に比べてか
なり小さい値、例えば、1Aの1/100以下の約9m
A程度にすることができ、結果的に、約9mAの小さい
ゲート電流IG によって、主IGBT1をゲート駆動す
ることができるようになる。
【0067】さらに、第1実施例は、補助IGBT2と
して、閾値電圧VTH2 が1Vという、通常のIGBTの
閾値電圧よりも大幅に小さいものを用いているので、主
IGBT1に定格コレクタ電流100Aを通流させた場
合、主IGBT1のオン電圧を、例えば、2.0V程度
に低減させることができる。
【0068】このように、第1実施例によれば、主IG
BT1のコレクタ損失を増大させることなしに、ダーリ
ントン接続した主IGBT1と補助IGBT2とからな
る複合IGBTの実質的なゲート電流を大幅に低減する
ことができるので、ゲート駆動回路の構成の簡素化が可
能になり、ゲート駆動回路の電源の電力容量の低減化も
可能になる。
【0069】次に、図2は、図1に図示された第1実施
例の主IGBT1及び補助IGBT2からなるIGBT
チップのレイアウト構成の一例を示す模式図である。
【0070】図2において、8は主IGBT1の4つの
エミッタ電極領域、9は補助IGBT2のエミッタ領
域、10は補助IGBT2のゲート電極領域、11は配
線領域、12は接続パッドである。
【0071】そして、主IGBT1の4つのエミッタ電
極領域8は、IGBTチップの4つの角部を含んだ広範
囲部分に規則正しく配置され、補助IGBT2のゲート
電極領域10は、IGBTチップの中央部の4つのエミ
ッタ電極領域8に囲まれた状態で、独立したパターンで
配置される。補助IGBT2のエミッタ領域9は、ゲー
ト領域10の周囲を取り囲むように配置され、配線領域
11は、エミッタ領域9に接続されるとともに、4つの
エミッタ領域8を囲むように配置される。なお、図2に
は図示されていないが、配線領域11は、主IGBT1
のゲートに接続されており、また、接続パッド12は、
外付けされるNMOS3を補助IGBT2のエミッタに
接続するためのものである。
【0072】次に、図3は、本発明による半導体装置の
第2実施例の構成を示す断面構成図である。
【0073】図3において、13はn~ ベース領域、1
4はnバッファ領域、15はp+コレクタ領域、16
(1)は主IGBT1のコレクタ電極、16(2)は補
助IGBT2のコレクタ電極、17はp~ ベース領域、
18はp+領域、19はn+エミッタ領域、20(1)
は主IGBT1のエミッタ電極、20(2)は補助IG
BT2のエミッタ電極、21は酸化膜、21(1)は主
IGBT1のゲート酸化膜、21(2)は補助IGBT
2のゲート酸化膜、22(1)は主IGBT1のゲート
電極、22(2)は補助IGBT2のゲート電極であ
り、その他、図1に示された構成要素と同じ構成要素に
ついては同じ符号を付けている。
【0074】そして、主IGBT1の構成領域におい
て、n~ ベース領域13の第1表面の全面にわたって、
nバッファ領域14、p+コレクタ領域15、コレクタ
電極16(1)が順次積層配置され、n~ ベース領域1
3の第2表面の一部に、p~ ベース領域17及びp+領
域18が形成されるとともに、p~ ベース領域17とp
+領域18の表面の一部にn+エミッタ領域19が形成
される。1つのn+エミッタ領域19から1つのp~ ベ
ース領域17、nバッファ領域14、他のp~ ベース領
域17を経て他のn+エミッタ領域19に至る表面、即
ち、チャネル領域にゲート酸化膜21(1)が配置さ
れ、ゲート酸化膜21(1)の内部にゲート電極22
(1)が充填される。n+エミッタ領域19とp~ ベー
ス領域17とに跨がった表面にエミッタ電極20(1)
が配置される。
【0075】また、補助GBT2の構成領域において、
n~ ベース領域13の第1表面の全面にわたって、nバ
ッファ領域14、p+コレクタ領域15、コレクタ電極
16(2)が順次積層配置され、n~ ベース領域13の
第2表面の一部に、p~ ベース領域17及びp+領域1
8が形成されるとともに、p~ ベース領域17とp+領
域18の表面の一部にn+エミッタ領域19が形成され
る。1つのn+エミッタ領域19から1つのp~ ベース
領域17、nバッファ領域14、他のp~ ベース領域1
7(図示なし)を経て他のn+エミッタ領域19(同じ
く図示なし)に至る表面、即ち、チャネル領域にゲート
酸化膜21(2)が配置され、ゲート酸化膜21(2)
上にゲート電極22(2)が充填される。n+エミッタ
領域19とp~ ベース領域17とに跨がった表面にエミ
ッタ電極20(2)が配置される。
【0076】さらに、主IGBT1と補助GBT2の構
成領域の境界部分において、p+領域18とn~ ベース
領域13とに跨がった表面に酸化膜21が配置される。
【0077】この場合、主IGBT1は、閾値電圧V
TH1 が通常のIGBTの閾値電圧と同じ6Vになるよう
に形成され、補助GBT2も、閾値電圧VTH2 が通常の
IGBTの閾値電圧と同じ6Vになるように形成されて
いる。また、主IGBT1のゲート酸化膜21(1)の
厚さt1 は25nmになるように形成され、補助IGB
T2のゲート酸化膜21(2)の厚さt2 は70nmに
なるように形成され、厚さt1 が厚さt2 よりも薄くな
るように形成されている。
【0078】ここで、主IGBT1の閾値電圧VTH1
び補助IGBT2の閾値電圧VTH2を同じ6Vにし、主
IGBT1のゲート酸化膜21(1)及び補助GBT2
のゲート酸化膜21(2)の厚さを異ならせたときの、
主IGBT1と補助GBT2の動作状態を数式を用いて
説明すると、次の通りである。
【0079】一般に、IGBTにおいては、オン電圧を
決定する非飽和領域のコレクタ電流IC は、ゲート酸化
膜の厚さtOXに反比例し、ゲート電圧VG と閾値電圧V
THとの差(VG −VTH)に比例するもので、IC ∝(V
G −VTH)/tOXの関係がある。一方、飽和領域のコレ
クタ電流ICSは、ゲート酸化膜の厚さtOXに反比例し、
ゲート電圧VG と閾値電圧VTHとの差(VG −VTH)の
2乗に比例するもので、ICS∝(VG −VTH2 /tOX
の関係がある。
【0080】そして、低コレクタ損失を有し、高信頼性
のIGBTを得ようとするには、非飽和領域のコレクタ
電流IC を大きくし、飽和領域のコレクタ電流ICSを小
さくする必要がある。
【0081】いま、第2実施例との比較のために、ダー
リントン接続されていない通常のIGBTのゲート酸化
膜の厚さtOXを70nmに、閾値電圧VTHを6Vとし、
ゲート電圧VG を15Vとした場合、非飽和領域のコレ
クタ電流IC 及び飽和領域のコレクタ電流ICSを求める
と、 IC ∝(VG −VTH)/tOX=(15−6)/70=0.13… …(1) ICS∝(VG −VTH2 /tOX=(15−6)2/70=1.16… …(2 )になる。
【0082】同様に、第2実施例の場合について、非飽
和領域のコレクタ電流IC 及び飽和領域のコレクタ電流
CSを求めると、IC ∝(VG −VTH)/tOX=(15
−6−6)/25=0.12… …(3) ICS∝(V
G −VTH2 /tOX=(15−6−6)2/25=0.
36……(4)になる。
【0083】これらの結果によれば、非飽和領域のコレ
クタ電流IC については、式(1)、(3)の比較から
判るように、既知のIGBTと第2実施例のIGBTと
の間に殆んど差がないが、飽和領域のコレクタ電流ICS
については、式(2)、(4)の比較から判るように、
第2実施例のIGBTが既知のIGBTの1/3以下に
なっている。
【0084】このように、第2実施例においては、IG
BTのオン電圧を変えることなく、IGBTの信頼性を
決定する飽和領域のコレクタ電流ICSの大きさを、既知
のIGBTの飽和領域のコレクタ電流ICSの大きさに比
べて1/3以下と大幅に低減することができ、それに加
えて、ゲート電流IG を、第1実施例と同様に、9mA
程度と既知のIGBTにおけるゲート電流の1Aに比べ
て大幅に低減することができる。
【0085】図4は、第2実施例におけるIGBTの電
圧−電流特性を示す特性図であって、既知のIGBTの
電圧−電流特性との比較を示すものである。
【0086】図4において、縦軸はIGBTのコレクタ
電流、横軸はIGBTのコレクタ・エミッタ間電圧であ
って、実線は第2実施例のIGBTの特性、一点鎖線は
既知のIGBTの特性である。
【0087】図4に示されるように、第2実施例のIG
BTと既知のIGBTとを比べると、定格コレクタ電流
100Aのときのオン電圧はともに2.0Vと変わらな
いのに対し、飽和領域のコレクタ電流ICSは、既知のI
GBTにおける500Aから第2実施例のIGBTにお
ける170Aというように約1/3に低減しており、飽
和領域のコレクタ電流ICSを170A程度に抑えられれ
ば、既知のインテリジェントパワーモジュール(IP
M)で用いている過電流保護回路をなくすことが可能に
なる。
【0088】続いて、図5は、本発明による半導体装置
の第3実施例の構成を示す断面構成図である。
【0089】図5において、22(1)’は主IGBT
1のテラス型ゲート電極であり、その他、図3に図示さ
れた構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付け
ている。
【0090】図3に図示された第2実施例とこの第3実
施例との構成の違いは、主IGBT2のゲート電極の構
成として、第2実施例が平板状のゲート電極22(1)
を用いているのに対して、第3実施例がテラス型ゲート
電極22(1)’を用いている点だけであって、その他
に、第2実施例と第3実施例との間に構成上の違いはな
い。
【0091】そして、テラス型ゲート電極22(1)’
は、周辺部分が平坦部Hに、中央部分がテラス部Tにな
るように構成されているもので、平坦部Hと主IGBT
1の第1酸化膜21(1)の厚さt1 は、第2実施例に
おけるゲート電極22(1)とチャネル領域との間に配
置される第1酸化膜21(1)の厚さt1 と同じ25n
mであり、また、テラス部T下の第1酸化膜21(1)
の厚さt2 は、補助IGBT2のゲート電極22(2)
と補助IGBT2ののチャネル領域との間に配置される
第2酸化膜21(2)の厚さt2 と同じ70nmであ
る。
【0092】一般に、MOS型素子は、高入力インピー
ダンス特性の素子であるが、ゲートとドレイン間の容
量、いわゆるミラー容量CGDが大きい場合、入力容量が
増大し、入力インピーダンスが低下するので、本来のM
OS素子としての良好な特性が劣化することになり、入
力側にMOS素子を備えたIGBTも同様である。とこ
ろで、IGBTの場合においては、ゲート電極22
(2)の直下にn~ ベース領域13が存在するため、ミ
ラー容量CGDが存在し、そのミラー容量CGDが大きいと
IGBTの性能を低下させることになる。
【0093】この場合、IGBTにおけるミラー容量C
GDを低減する手段として、テラス型ゲート電極21
(1)’を有するIGBTが既に知られているが、第3
実施例は、第2実施例のIGBTの大きなミラー容量C
GDを低減するために、テラス型ゲート電極21(1)’
を用いているもので、主として、p~ ベース領域17に
対向する部分を除いて、ゲート酸化膜20(1)の厚さ
を厚くしている。
【0094】このような構成にすれば、主IGBT1の
ゲート電極をテラス型ゲート電極22(1)’のものに
し、テラス部Tにおけるチャネル側のゲート酸化膜21
(1)の厚さを、補助IGBT2のゲート酸化膜21
(2)の厚さt2 と同じ厚さになるようにしたので、第
3実施例の主IGBT1におけるミラー容量CGDは、第
2実施例の主IGBT1のミラー容量CGDに比べて半分
程度に減少させることができた。また、ミラー容量CGD
の低減化以外の特性は、第2実施例のIGBT1で得ら
れた特性とほぼ同じ特性になる。
【0095】図6は、第1乃至第2実施例における諸特
性をまとめて示した特性一覧表であって、既知の特性と
比較して示したものである。
【0096】図6において、tOXはゲート酸化膜の厚
さ、VTHは閾値電圧であって、本発明1は第1実施例に
対応するものであり、本発明2は第2実施例または第3
実施例に対応するものである。
【0097】図6に示されるように、第1実施例である
本発明1のように、補助IGBT2の閾値電圧VTHだけ
を小さくした場合は、オン電圧及び飽和コレクタ電流と
もに既知のものとほぼ同じになっているが、第2実施例
または第3実施例である本発明2のように、主IGBT
1及び補助IGBT2の閾値電圧VTHを同じ値にし、主
IGBT1のゲート酸化膜の厚さtOXを薄くすれば、既
知のものに比べて飽和コレクタ電流を大幅に低減するこ
とができる。また、本発明3のように、補助IGBT2
の閾値電圧VTHを小さくし、かつ、主IGBT1のゲー
ト酸化膜の厚さtOXを薄くすれば、既知のものに比べて
オン電圧が低下するものの、飽和コレクタ電流が大幅に
増大する。
【0098】次に、図7は、本発明による半導体装置の
第4実施例の構成を示す斜視図である。
【0099】図7において、23、24はトレンチゲー
トであり、その他、図3に示された構成要素と同じ構成
要素については同じ符号を付けている。
【0100】一般に、IGBT等のMOS型素子は、n
~ ベース領域13の表面にゲート酸化膜21(1)、2
1(2)を介してゲート電極22(1)、22(2)と
チャネル領域とを形成したプレーナ構造のものが主流に
なっている。これに対して、プレーナ構造のものよりも
オン電圧を低減することが可能な構造として、n~ ベー
ス領域13の表面に複数本の溝を形成し、これらの溝の
中にゲート電極を配置したもの、いわゆる、n~ ベース
領域13の表面に垂直方向にチャネル領域を形成したト
レンチゲート構造のものが知られており、トレンチゲー
ト構造のIGBTも既に製造されている。このトレンチ
ゲート構造のIGBTの欠点は、オン電圧を低減した結
果として、飽和コレクタ電流が増大し、IGBTが破損
し易くなることである。
【0101】第4実施例は、第2実施例の半導体装置
に、このトレンチゲート構造のIGBTを適用したもの
で、主IGBT1と補助IGBT2との分離は、トレン
チゲート23と同じ構造の分離トレンチゲート24を用
いて、p~ ベース領域17とp+領域18とを分離する
ことによって行われる。この場合、主IGBT1のゲー
ト酸化膜21(1)の厚さt1 は25nmであり、補助
IGBT2のゲート酸化膜21(2)の厚さt2 は70
nmであって、主IGBT1の閾値電圧VTH1 及び補助
IGBT2の閾値電圧VTH2 はともに6Vになるように
形成されている。
【0102】第4実施例によれば、オン電圧は1.8V
になって、飽和コレクタ電流は200Aとなった。ちな
みに、主IGBT1を既知のトレンチゲート構造のIG
BTに変更した場合、同一動作条件で、オン電圧は1.
8Vになり、飽和コレクタ電流は600Aになって、第
4実施例の場合は、飽和コレクタ電流の大幅な低減が可
能になっている。
【0103】続いて、図8は、本発明による半導体装置
の第5実施例の構成を示す回路図である。
【0104】図8において、1(1)、1(2)、…
…、1(n)はn(nは正の整数)個の主IGBTであ
り、また、25はIGBTチップであって、その他、図
1に示された構成要素と同じ構成要素については同じ符
号を付けている。
【0105】第5実施例は、複数(n)個の主IGBT
1(1)、1(2)、… …、1(n)を備えたIGB
Tチップ25を補助IGBT2のエミッタに並列接続し
たものである。この場合、主IGBT1(1)、1
(2)、… …、1(n)と、補助IGBT2の構造自
体は、既知のIGBTの構造と基本的に同じものである
が、主IGBT1(1)、1(2)、… …、1(n)
の各閾値電圧VTH1 と補助IGBT2の閾値電圧VTH2
とを異ならせるか、または、主IGBT1(1)、1
(2)、… …、1(n)の各ゲート酸化膜の厚さt1
と補助IGBT2のゲート酸化膜の厚さt2 とを異なら
せている。
【0106】このような構成にすれば、前述のように複
数の主IGBT1(1)、1(2)、… …、1(n)
のゲート電流が、既知のIGBTのゲート電流とほぼ同
じになって、良好なスイッチング特性が得られるように
なる。
【0107】なお、第5実施例においては、補助IGB
T2がIGBTからなっているものである必要はなく、
MOSFET等によって構成されたものであってもよ
い。
【0108】次いで、図9は、図8に示されたパッケー
ジのレイアウト構成の一例を示す模式図である。
【0109】図9において、26は補助IGBTチッ
プ、27は主IGBTチップ、28はコレクタ電極であ
る。
【0110】図9に示されるように、本例のパッケージ
構造は、補助IGBTチップ26が中央に配置され、補
助IGBTチップ26の周囲に主IGBTチップ27が
配置されたものである。
【0111】本例のレイアウト構成は、圧接タイプのパ
ッケージをイメージしたもので、コレクタ電極28上に
補助IGBTチップ26や主IGBTチップ27を配列
した形状になっている。
【0112】本例において、主IGBTチップ27は、
24個が並列配置されるもので、各主IGBTチップ2
7は、定格コレクタ電圧は3.3kVであり、定格コレ
クタ電流50Aであって、パッケージとしての定格電流
は1.2kAである。一方、補助IGBT26は、定格
コレクタ電圧が3.3kVであり、定格コレクタ電流が
20Aのものである。
【0113】本例においては、主IGBT1(1)乃至
1(n)と補助IGBT2からなる複合IGBTのゲー
ト電流IG が最大でも0.5Aという極めて小さい値と
なるので、ゲート駆動回路の構成を簡略化することがで
き、ゲート駆動回路の電源の電力容量の大幅な低減化が
可能になる。
【0114】続いて、図10は、本発明による半導体装
置の第6実施例の構成を示す回路図である。
【0115】図10において、29はIGBTスイッチ
ング回路、30はフライホイールダイオード、31はイ
ンバータ回路であり、その他、図1に示された構成要素
と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0116】図10は、図1に示された第1実施例の構
成に、フライホイールダイオード30とインバータ回路
31とを付加した基本スイッチング回路を構成し、この
基本スイッチング回路を各相毎に2つづつ、全体で6つ
用いて3相インバータモジュールを構成したものであ
る。
【0117】各基本スイッチング回路において、フライ
ホイールダイオード30は主IGBT1のコレクタ・エ
ミッタ間に並列接続され、インバータ回路31は補助I
GBT2のゲートとNMOS3のゲートとの間に接続さ
れている。対の電源端子P、N間に直列接続された2つ
の基本スイッチング回路の組が3組並列配置され、1つ
の組の2つの基本スイッチング回路の接続点がU相出力
端子に、他の1つの組の2つの基本スイッチング回路の
接続点がV相出力端子に、残りの1つの組の2つの基本
スイッチング回路の接続点がW相が出力端子にそれぞれ
接続される。
【0118】前記構成において、2つのゲート駆動端子
PU、GNVに正極性のゲート電圧を供給すると、ゲート
駆動端子GPU、GNVに接続された基本スイッチング回路
がスイッチングオンされ、負荷のU−V相の駆動が行わ
れ、2つのゲート駆動端子GPV、GNWに正極性のゲート
電圧を供給すると、ゲート駆動端子GPV、GNWに接続さ
れた基本スイッチング回路がスイッチングオンされ、負
荷のV−W相の駆動が行われる。他の2つのゲート駆動
端子が駆動されたときも同じように動作し、負荷が駆動
される。この場合、基本スイッチング回路の主IGBT
1のスイッチングオンまたはスイッチングオフは、ゲー
ト駆動電圧が印加される補助IGBT2のオンまたはイ
ンバータ回路31で形成された相補ゲート駆動電圧が印
加されるNMOS3のオンによって行われる。
【0119】前記構成によれば、実装時の形態は通常の
IGBTモジュールと全く同一であって、ゲート電流を
大幅に低減することが可能なIGBTモジュールを実現
することができる。また、ゲート抵抗で調節されていた
主IGBT1のスイッチング速度、つまり、ゲートの電
荷充放電速度を補助IGBT2において調整することが
できるようになり、実装部品として、ゲート抵抗の削減
が可能になる。
【0120】次に、図11は、本発明による半導体装置
の第7実施例の回路構成を示すブロック図であって、本
発明の半導体装置を含んだIGBTスイッチング回路3
2を用いるインテリジェントパワーモジュール(IP
M)の構成の一例を示すものである。
【0121】図11において、32はIGBTスイッチ
ング回路、33はゲート駆動回路、34は制御電源電圧
不足保護回路、35は加熱保護回路、35aはサーミス
タ、36はソフト遮断回路であって、その他、図1に示
された構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付
けている。
【0122】本例のIPMと図18に示された既知のI
PMとを比べると、構成上、次のような違いがある。
【0123】即ち、既知のIPMは、センス端子付きI
GBT181を使用し、IGBT181の電流を検出す
ることにより、短絡保護回路184、過電流保護回路1
85において負荷短絡時の大電流または異常動作時の過
電流に対してIGBT181を保護しているもので、保
護機能は、ソフト遮断回路194により、徐々に電流を
オフにしている。その他の、保護機能回路としては、サ
ーミスタ187aを利用した加熱保護回路187や制御
電源電圧不足保護回路186を備えている。
【0124】これに対し、本例のIPMは、主IGBT
1に、第2実施例による飽和コレクタ電流を低減したタ
イプのものを用いており、過電流保護を行う必要がない
ことから、既知のIPMにおける短絡保護回路184や
過電流保護回路185を用いていない。また、本例のI
GBTスイッチング回路32は、既知のものに比べてゲ
ート電流を約2桁程度低減することができるため、ゲー
ト駆動回路33を構成するNチャネルMOSFETやP
チャネルMOSFETのゲート幅を既知のゲート駆動回
路の同種MOSFETのゲート幅に比べて1/100程
度と大幅に小さくすることができる。
【0125】さらに、既知のIPMは、コレクタ電流容
量が異なるIGBTを用いたIPMを製造する度毎に、
そのIGBTに適合した新たになゲート駆動回路を設計
する必要があったが、本例のIPMによれば、主IGB
T1のコレクタ電流容量が変化しても、ゲート駆動回路
33を共通に用いることが可能なものである。
【0126】次いで、図12は、第7実施例から構成要
素を一部削除した第7実施例の変形例を示すブロック図
であって、第7実施例からソフト遮断回路36を削除し
た構成のものである。
【0127】図12において、図11に示された構成要
素と同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0128】本変形例において、第7実施例からソフト
遮断回路36を削除している理由は、IGBTスイッチ
ング回路32の主IGBT1の飽和コレクタ電流を低減
することができる結果、加熱保護や制御電源電圧不足保
護動作時に、主IGBT1をソフト遮断する必要がない
からである。
【0129】本変形例の構成を採用すれば、第7実施例
のものよりも全体構成をさらに簡略化することができ
る。
【0130】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、IGB
Tを比較的小さいゲート電流で動作させるために、主I
GBTの前段に補助IGBTをダーリントン接続した複
合IGBTを形成し、補助IGBTのエミッタ電流を主
IGBTのゲート電流として供給するとともに、複合I
GBTのゲート電流を補助IGBTのゲートに供給する
ようにしたので、複合IGBTのゲート電流、即ち、補
助IGBTのゲート電流を主IGBTのゲート電流の1
/100以下にすることが可能になり、実質的にIGB
Tのゲート電流を低減できるという効果がある。
【0131】また、本発明によれば、比較的低いオン電
圧において、飽和コレクタ電流を低減させるために、主
IGBTの閾値電圧を通常のIGBTの閾値電圧と同程
度の値に形成しているのに対し、補助IGBTの閾値電
圧を通常のIGBTの閾値電圧よりも小さい値に形成す
るようにしているので、複合IGBTを構成したときの
オン電圧を有効に低減させることができ、しかも、オン
電圧を低減させても、主IGBTの飽和コレクタ電流が
増大することがなく、IGBTが破損することがなくな
るので、IGBTの信頼性を高めることができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体装置の第1実施例の構成を
示す回路図である。
【図2】図1に図示の第1実施例の主IGBT及び補助
IGBTからなるIGBTチップのレイアウト構成の一
例を示す模式図である。
【図3】本発明による半導体装置の第2実施例の構成を
示す断面構成図である。
【図4】第2実施例におけるIGBTの電圧−電流特性
を示す特性図であって、既知のIGBTの電圧−電流特
性との比較を示すものである。
【図5】本発明による半導体装置の第3実施例の構成を
示す断面構成図である。
【図6】第1乃至第3実施例における諸特性をまとめて
示した特性一覧表であって、既知の特性と比較して示し
たものである。
【図7】本発明による半導体装置の第4実施例の構成を
示す斜視図である。
【図8】本発明による半導体装置の第5実施例の構成を
示す回路図である。
【図9】図8に示されたIGBTモジュールのレイアウ
ト構成の一例を示す模式図である。
【図10】本発明による半導体装置の第6実施例の構成
を示す回路図である。
【図11】本発明による半導体装置の第7実施例の回路
構成を示すブロック図である。
【図12】第7実施例の変形構成例を示すブロック図で
ある。
【図13】IGBTを駆動する既知のIGBTゲート駆
動回路の構成の一例を示す回路図である。
【図14】IGBTにおけるエミッタ−コレクタ間電圧
(オン電圧)とコレクタ電流(コレクタ飽和電流)との
関係を示す特性図である。
【図15】既知のIGBTチップのレイアウト構成の一
例を示す模式図である。
【図16】既知のIPMにおけるセンス回路及びセンス
端子を設けたスイッチング回路の構成の一例を示す回路
図である。
【図17】図16に図示のスイッチング回路を集積化し
たIGBTチップのレイアウト構成の一例を示す模式図
である。
【図18】既知のIPMの構成の一例を示す一部回路図
で表したブロック図である。
【符号の説明】
1、1(1)、1(2)、… …、1(n) 主IGB
T(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ) 2 補助IGBT 3 NMOS(ゲート電荷引抜用MOSFET) 4 ゲート電圧供給端子 5 コレクタ端子 6 エミッタ端子 7 相補ゲート電圧供給端子 8 主IGBTのエミッタ領域 9 補助IGBTのエミッタ領域 10 補助IGBTのゲート領域 11 配線領域 12 接続パッド 13 n~ ベース領域 14 nバッファ領域 15 p+コレクタ領域 16(1) 主IGBTのコレクタ電極 16(2) 補助IGBTのコレクタ電極 17 p~ ベース領域 18 p+領域 19 n+エミッタ領域 20(1) 主IGBTのエミッタ電極 20(2) 補助IGBTのエミッタ電極 21 酸化膜 21(1) 主IGBTのゲート酸化膜 21(2) 補助IGBTのゲート酸化膜 22(1) 主IGBTのゲート電極 22(1)’ 主IGBTのテラス型ゲート電極 22(2) 補助IGBTのゲート電極 23、24 トレンチゲート 25 IGBTチップ 26 補助IGBTチップ 27 主IGBTチップ 28 コレクタ電極 29、32 IGBTスイッチング回路 30 フライホイールダイオード 31 インバータ回路 33 ゲート駆動回路 34 制御電源電圧不足保護回路 35 加熱保護回路 35a サーミスタ 36 ソフト遮断回路

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
    と第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタとがダーリン
    トン接続され、前記第2絶縁ゲートバイポーラトランジ
    スタのゲートにゲート駆動電圧を供給し、前記第1絶縁
    ゲートバイポーラトランジスタをスイッチングオンまた
    はスイッチングオフする半導体装置において、前記第1
    絶縁ゲートバイポーラトランジスタの閾値電圧と前記第
    2絶縁ゲートバイポーラトランジスタの閾値電圧とが異
    なっていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第2絶縁ゲートバイポーラトランジ
    スタの閾値電圧は、前記第1絶縁ゲートバイポーラトラ
    ンジスタの閾値電圧よりも小さく形成していることを特
    徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記第2絶縁ゲートバイポーラトランジ
    スタの閾値電圧は、前記第1絶縁ゲートバイポーラトラ
    ンジスタの閾値電圧の1/2以下に形成していることを
    特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第1絶縁ゲートバイポーラトランジ
    スタのMOSゲート構造半導体領域の不純物濃度と前記
    第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタのMOSゲート
    構造半導体領域とが異なっていることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記第2絶縁ゲートバイポーラトランジ
    スタのMOSゲート構造半導体領域の不純物濃度は、前
    記第1絶縁ゲートバイポーラトランジスタのMOSゲー
    ト構造半導体領域の不純物濃度よりも小さいものである
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 第1絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
    と第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタとがダーリン
    トン接続され、前記第2絶縁ゲートバイポーラトランジ
    スタのゲートにゲート駆動電圧を供給し、前記第1絶縁
    ゲートバイポーラトランジスタをスイッチングオンまた
    はスイッチングオフする半導体装置において、前記第1
    絶縁ゲートバイポーラトランジスタの閾値電圧と前記第
    2絶縁ゲートバイポーラトランジスタの閾値電圧とが等
    しく、前記第1絶縁ゲートバイポーラトランジスタのM
    OSゲート構造半導体領域の酸化膜の厚さが前記第2絶
    縁ゲートバイポーラトランジスタのMOSゲート構造半
    導体領域の酸化膜の厚さよりも薄く形成されていること
    を特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記第1絶縁ゲートバイポーラトランジ
    スタのMOSゲート構造半導体領域の酸化膜の厚さが前
    記第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタのMOSゲー
    ト構造半導体領域の酸化膜の厚さの1/2以下に形成し
    ていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記第1絶縁ゲートバイポーラトランジ
    スタのゲートとエミッタ間に、前記第1絶縁ゲートバイ
    ポーラトランジスタのゲート電荷引抜き用MOSFET
    が接続されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれ
    かに記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記第1絶縁ゲートバイポーラトランジ
    スタ及び前記第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
    は、基板を形成する第1導電型の第1不純物領域と、前
    記第1不純物領域の一方表面の一部に配置された第2導
    電型の第2不純物領域と、前記第2不純物領域の表面の
    一部に配置された第1導電型の第3不純物領域と、前記
    第1不純物領域の他方表面上に設けられた第1及び第2
    コレクタ電極と、前記第2不純物領域及び前記第3不純
    物領域の表面上のそれぞれ一部に設けられた第1及び第
    2エミッタ電極と、前記第1不純物領域を間にして前記
    第2不純物領域から前記第3不純物領域に至るチャネル
    領域上に設けられた第1及び第2酸化膜と、前記第1及
    び第2酸化膜内に埋設された第1及び第2ゲート電極と
    によって構成され、前記第1ゲート電極と前記チャネル
    領域との間の前記第1酸化膜の厚さが前記第2ゲート電
    極と前記チャネル領域との間の前記第2酸化膜の厚さよ
    りも薄くなるように形成していることを特徴とする請求
    項6または7に記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記第1絶縁ゲートバイポーラトラン
    ジスタ側の前記第1ゲート電極をテラス部と平坦部とか
    らなるテラス形状のもので構成し、前記第1ゲート電極
    のテラス部と前記チャネル領域との間の前記第1酸化膜
    の厚さと前記第2ゲート電極と前記チャネル領域との間
    の前記第2酸化膜の厚さとをほぼ等しくし、前記第1ゲ
    ート電極の平坦部と前記チャネル領域との間の前記第1
    酸化膜の厚さが前記第2ゲート電極と前記チャネル領域
    との間の前記第2酸化膜の厚さよりも薄くなるように形
    成していることを特徴とする請求項9に記載の半導体装
    置。
  11. 【請求項11】 前記第1絶縁ゲートバイポーラトラン
    ジスタ及び前記第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
    は、前記第1不純物領域の一方の表面に複数本の溝を設
    け、前記溝の選択されたものの中に前記第1酸化膜を形
    成するとともに、前記第1酸化膜の中に前記第1ゲート
    電極を埋設し、前記溝の選択された他のものの中に前記
    第2酸化膜を形成するとともに、前記第2酸化膜の中に
    前記第2ゲート電極を埋設し、前記第1不純物領域の一
    方表面の溝が形成されない部分の前記第1酸化膜及び前
    記第2酸化膜の間に前記第2不純物領域及び前記第3不
    純物領域を形成したトレンチゲート型にし、前記第1酸
    化膜の厚さを前記第2酸化膜の厚さよりも薄くなるよう
    に形成していることを特徴とする請求項9に記載の半導
    体装置。
  12. 【請求項12】 前記第1絶縁ゲートバイポーラトラン
    ジスタと前記第2絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
    は、同一半導体チップ内に構成したものであることを特
    徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の半導体装
    置。
  13. 【請求項13】 前記第2絶縁ゲートバイポーラトラン
    ジスタのゲート電流は、前記第1絶縁ゲートバイポーラ
    トランジスタのゲート電流の1/100以下であること
    を特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の半導
    体装置。
  14. 【請求項14】 前記第1絶縁ゲートバイポーラトラン
    ジスタのゲートとエミッタ端子との間にセンス素子を接
    続したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記
    載の半導体装置。
  15. 【請求項15】 前記センス素子は、MOSFET、バ
    イポーラトランジスタ、抵抗の中のいずれか1つの素子
    またはこれらの素子の組み合わせからなることを特徴と
    する請求項14に記載の半導体装置。
  16. 【請求項16】 前記第1絶縁ゲートバイポーラトラン
    ジスタのゲートに接続された電極パッドを設け、外部か
    ら前記電極パッドの電圧を測定可能にしたことを特徴と
    する請求項14または15に記載の半導体装置。
  17. 【請求項17】 単一の前記第2絶縁ゲートバイポーラ
    トランジスタに対して並列接続された複数個の前記第1
    絶縁ゲートバイポーラトランジスタがダーリントン接続
    されていることを特徴とする請求項1乃至8、12乃至
    16のいずれかに記載の半導体装置。
  18. 【請求項18】 前記第2絶縁ゲートバイポーラトラン
    ジスタのゲートと前記MOSFETのゲートとの間にイ
    ンバータ回路を接続し、前記第1絶縁ゲートバイポーラ
    トランジスタのコレクタ−エミッタ間にフライホイール
    ダイオードを並列接続して構成した請求項1乃至8のい
    ずれかに記載の半導体装置と、前記半導体装置を、各相
    毎に2個づつ、全体で6個を組み合わせ接続して3相イ
    ンバータモジュールを構成したことを特徴とする半導体
    装置。
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