JPH1197175A - 有機エレクトロルミネツセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネツセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネツセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネツセンス素子

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Publication number
JPH1197175A
JPH1197175A JP9252502A JP25250297A JPH1197175A JP H1197175 A JPH1197175 A JP H1197175A JP 9252502 A JP9252502 A JP 9252502A JP 25250297 A JP25250297 A JP 25250297A JP H1197175 A JPH1197175 A JP H1197175A
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JP
Japan
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group
layer
carbon atoms
organic
compound
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Application number
JP9252502A
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English (en)
Inventor
Hisashi Okada
久 岡田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1197175A publication Critical patent/JPH1197175A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低電圧駆動、高輝度、長寿命の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子を提供する。 【解決手段】一般式(I)で表される繰り返し単位を有
する化合物である有機エレクトロルミネッセンス素子材
料、及び該化合物を含有する層を有する有機エレクトロ
ルミネッセンス素子 一般式(I) 【化1】 式中、Arは少なくとも2つ以上のアリール基もしくは
芳香族ヘテロ環基で置換されたアリーレン基または芳香
族ヘテロ環基を表す。RおよびR’はそれぞれ水素原子
または置換基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平面光源や表示に使
用される有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子用
材料および高輝度の発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機物質を使用した有機EL素子は、固
体発光型の安価な大面積表示素子としての用途が有望視
され、多くの開発が行われている。一般に有機EL素子
は、発光層及び該層を挟んだ一対の対向電極から構成さ
れている。発光は、両電極間に電界が印加されると、陰
極から電子が注入され、陽極から正孔が注入される。更
に、この電子と正孔が発光層において再結合し、エネル
ギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを
光として放出する現象である。
【0003】従来の有機EL素子は、駆動電圧が高く、
発光輝度や発光効率も低かった。また、特性劣化も著し
く実用化には至っていなかった。近年、10V以下の低
電圧で発光する高い蛍光量子効率を持った有機化合物を
含有した薄膜を積層した有機EL素子が報告され(アプ
ライド フィジックス レターズ、51巻、913頁、
1987年)、関心を集めている。この方法は、金属キ
レート錯体、蛍光帯層、アミン化合物を正孔注入層に使
用して、高輝度の緑色発光を得ており、6〜7Vの直流
電圧で輝度は数1000cd/m2に達している。有機E
L素子は無機EL素子に比べ、低電圧駆動、高輝度発光
に加え多数の色の発光が容易に得られるという特長があ
ることから素子構造や有機材料開発に多くの試みがなさ
れている。これまでに、発光材料としては種々の低分子
量化合物および高分子量化合物が開発されてきている
が、低分子量のものでは長時間使用時の分解、凝集など
の原因による素子劣化が問題であり、また高分子量のも
のでは発光効率が低く、特に有効な青色発光材料がない
といった問題があった。フルカラーディスプレイ、光源
としての利用を考えた場合、実用上は三原色あるいは白
色を出す必要があり、安定性が高く高輝度、高効率発光
可能な発光材料の開発が望まれていた。一方、従来高効
率発光可能な有機EL素子はいずれも有機化合物を蒸着
操作によって成膜したものであり、生産性に問題があっ
た。製造工程の簡略化、加工性、大面積化の観点から塗
布方式による素子作製法の開発が望まれており、そのよ
うな有機EL素子材料としては、例えばパラフェニレン
ビニレン系ポリマーが知られている(アドバンスドマテ
リアルズ4頁、1992年。同、551頁、1997年
など)。しかし、従来知られているパラフェニレンビニ
レン系ポリマーは、発光波長領域がブロードなため色純
度が低かったり、高効率な青色発光材料がないといった
問題があった。同じく、塗布方式を用いる有機EL素子
として、例えばポリビニルカルバゾール中に低分子量発
光剤を分散する素子(特開平4−212286号など)
がある。発光剤種、発光剤濃度を任意に変更できるた
め、色調、発光強度の調整が比較的容易であるが、これ
らの素子は、ポリマー中に低分子化合物を分散している
ため、発光剤の凝集、相分離が起きやすく、均質な発光
が得られない、発光特性が優れない、耐久性が低いとい
った問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低電
圧駆動で高輝度、高効率の発光が可能で、繰り返し使用
時での安定性の優れ、均質面状発光可能な有機EL素子
用材料および有機EL素子の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は下記手段によ
って達成された。 (1)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有す
る化合物であることを特徴とする有機エレクトロルミネ
ッセンス素子材料。一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Arは少なくとも2つのアリール
基もしくは芳香族ヘテロ環基で置換されたアリーレン基
または芳香族ヘテロ環基を表す。RおよびR’はそれぞ
れ水素原子または置換基を表す。) (2)一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数
の有機化合物薄膜を形成した有機エレクトロルミネッセ
ンス素子において、少なくとも一層が(1)記載の有機
エレクトロルミネッセンス素子材料を含有する層である
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 (3)一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数
の有機化合物薄膜を形成した有機エレクトロルミネッセ
ンス素子において、少なくとも一層が(1)記載の有機
エレクトロルミネッセンス素子材料を含有する層であ
り、該有機化合物薄膜層を塗布によって成膜することを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、本発明の一般式(I)で表
される化合物について詳細に説明する。Arは少なくと
も2つのアリール基もしくは芳香族ヘテロ環基で置換さ
れたアリーレン基または芳香族ヘテロ環基を表す。Ar
で表されるアリーレン基として好ましくは炭素数6〜6
0の単環または縮環のアリーレン基であり、より好まし
くは炭素数6〜40、更に好ましくは炭素数6〜30の
アリーレン基である。Arで表されるアリーレン基の具
体例としては、フェニレン、ビフェニレン、ナフタレン
ジイル、アントラセンジイル、フェナントロリンジイ
ル、ピレンジイル、トリフェニレンジイル、ベンゾフェ
ナントロリンジイル、ペリレンジイル、ペンタフェニレ
ンジイル、ペンタセンジイルなどが挙げられ、好ましく
はフェニレン、ビフェニレン、ナフタレンジイル、アン
トラセンジイル、ピレンジイル、ペリレンジイルであ
り、より好ましくはフェニレン、ビフェニレン、ナフタ
レンジイル、アントラセンジイルであり、更に好ましく
はフェニレン、ナフタレンジイルであり、特に好ましく
はフェニレンである。
【0009】Arで表される芳香族ヘテロ環基として好
ましくは炭素数4ないし60の単環または縮環の芳香族
ヘテロ環基であり、より好ましくは窒素原子、酸素原子
または硫黄原子の少なくとも一つを含有する炭素数4な
いし60の単環または縮環の芳香族ヘテロ環基であり、
更に好ましくは炭素数4ないし30の5員または6員の
芳香族ヘテロ環基である。Arで表される芳香族ヘテロ
環基の具体例としてはピロールジイル、フランジイル、
チエニレン、ピリジンジイル、ピリダジンジイル、ピリ
ミジンジイル、ピラジンジイル、キノリンジイル、イソ
キノリンジイル、シンノリンジイル、キナゾリンジイ
ル、キノキサリンジイル、フタラジンジイル、プテリジ
ンジイル、アクリジンジイル、フェナジンジイル、フェ
ナントロリンジイルなどが挙げられ、好ましくはフラン
ジイル、チエニレン、ピリジンジイル、ピリダジンジイ
ル、ピリミジンジイル、ピラジンジイル、キノリンジイ
ル、キノキサリンジイル、フタラジンジイルであり、よ
り好ましくはチエニレン、ピリジンジイルでありる。
【0010】Arで表されるアリーレン基または芳香族
ヘテロ環基は置換基を有してもよく、置換基としては、
例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好
ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8
であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、t
ert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキ
サデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘ
キシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特
に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリ
ル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられ
る。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、よ
り好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2
〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなど
が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜
30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは
炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフ
ェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、アミノ基(好
ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜1
0、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミ
ノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメ
トキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、ア
リールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ま
しくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12
であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシな
どが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは
炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、
ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキ
シカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ま
しくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12
であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基
(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7
〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えば
フェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシ
ルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましく
は炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であ
り、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げら
れる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭
素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイ
ルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル
アミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは
炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であ
り、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられ
る。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましく
は炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特
に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオ
キシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニ
ルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニ
ルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好
ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜1
6、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスル
ファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファ
モイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられ
る。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素1〜16、特に好ましくは炭素数1
〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイ
ル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなど
が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数
1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好まし
くは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチル
チオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましく
は炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特
に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチ
オなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好
ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル
などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好
ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィ
ニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウ
レイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは
炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイ
ドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは
炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に
好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン
酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられ
る。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子
(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ
基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、
イミノ基、ヘテロ環基(例えばイミダゾリル、ピリジ
ル、フリル、ピペリジル、モルホリノなどが挙げられ
る。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換さ
れてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じ
でも異なってもよい。また、可能な場合には互いに連結
して環を形成してもよい。
【0011】置換基として好ましくは、アルキル基、ア
ルケニル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環基であり、より
好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘ
テロ環基であり、更に好ましくはアリール基、芳香族ヘ
テロ環基である。但し、Arで表されるアリーレン基ま
たは芳香族ヘテロ環基は少なくとも二つ以上のアリール
基または芳香族ヘテロ環基を置換基として有し、好まし
くは二つのアリール基を置換基として有する。Arで表
されるアリーレン基または芳香族ヘテロ環基の例を以下
に示す。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】(R1〜R128は、それぞれ水素原子または
置換基を表す。R1〜R128で表される置換基としてはA
rの置換基として例示したものが適用できる。但し、R
1〜R128の置換基のうちのいくつかはArの置換基とし
て二つ以上がアリール基または芳香族ヘテロ環基となる
ように選択される。) Arで表されるアリール基、芳香族ヘテロ環基として好
ましくはフェニレン、ビフェニレン、ナフタレンジイ
ル、アントラセン−9,10−ジイル、チエニレン、ピ
リジン−2,5−ジイルであり、より好ましくはフェニ
レン、ビフェニレン、ナフタレンジイル、チエニレン、
ピリジン−2,5−ジイルであり、更に好ましくはフェ
ニレンであり、特に好ましくはp−フェニレンである。
【0015】RおよびR’はそれぞれ水素原子または置
換基を表す。R、R’で表される置換基はArで表され
る基が有してもよい置換基として例示したものが挙げら
れる。R、R’として好ましくは水素原子、アルキル
基、アリール基、シアノ基であり、より好ましくは水素
原子、シアノ基であり、更に好ましくは水素原子であ
る。
【0016】一般式(I)で表される繰り返し単位を有
する化合物のうち好ましくは下記一般式(I−a)で表
される繰り返し単位を有する化合物である。 一般式(I−a)
【0017】
【化5】
【0018】(式中、RおよびR’はそれぞれ一般式
(I)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲
も同様である。Ra1、Ra2、Ra3およびRa4はそれぞれ
水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基
またはアリールチオ基を表す。
【0019】Ra1、Ra2、Ra3、Ra4で表される脂肪族
炭化水素基は、直鎖、分岐または環状のアルキル基(好
ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜20、更
に好ましくは1〜12であり、例えばメチル、エチル、
iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、
n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シク
ロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、ア
ルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましく
は2〜20、更に好ましくは2〜12であり、例えばビ
ニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙
げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜3
0、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜12
であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙
げられる。)であり、好ましくはアルキル基であり、よ
り好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシルである。
【0020】Ra1、Ra2、Ra3、Ra4で表されるアリー
ル基として好ましくは炭素数6〜40の単環または縮環
のアリール基(例えばフェニル、ナフチル、ビフェニ
ル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ベンゾフ
ェナントリル、トリフェニレニル、ナフタセニル、クリ
セニル、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ペン
タセニルなどが挙げられる。)であり、より好ましくは
炭素数6〜30のフェニル、ナフチル、アントリル、フ
ェナントリル、ピレニル、ペリレニルであり、更に好ま
しくは炭素数6〜20のフェニル、ナフチル、ビフェニ
ル、アントリル、フェナントリル、ピレニル、ペリレニ
ルである。
【0021】Ra1、Ra2、Ra3、Ra4で表されるヘテロ
環基は、N、OまたはS原子の少なくとも一つを含む3
ないし10員の飽和もしくは不飽和のヘテロ環であり、
これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を
形成してもよい。ヘテロ環の具体例としては、例えばピ
ロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チ
オフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、ト
リアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、
プリン、チアゾリン、チアゾール、チアジアゾール、オ
キサゾリン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリ
ン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキ
サリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリ
ジン フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、
ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチア
ゾール、ベンゾトリアゾール、テトラザインデンなどが
挙げられる。ヘテロ環基として好ましくは、5ないし6
員の芳香族ヘテロ環基であり、より好ましくはチオフェ
ン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピ
リジン、ピリミジン、チアゾール、チアジアゾール、オ
キサゾール、オキサジアゾール、キノリン、ベンズイミ
ダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾールであ
り、更に好ましくはチオフェン、フラン、ピリジン、ピ
リミジン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾリ
ン、オキサゾール、オキサジアゾール、キノリンであ
る。
【0022】Ra1、Ra2、Ra3、Ra4で表されるアルコ
キシ基として好ましくは、炭素数1ないし30であり、
より好ましくは炭素数1ないし20である。アルコキシ
基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオ
キシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、3−メチル−ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオ
キシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、ラウリルオキ
シ、2−エチル−ヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0023】Ra1、Ra2、Ra3、Ra4で表されるアリー
ルオキシ基として好ましくは、炭素数6ないし30であ
り、より好ましくは炭素数6ないし20である。アリー
ルオキシ基の具体例としては、フェニルオキシ、ナフチ
ルオキシ、アントリルオキシ、フェナントリルオキシ、
ピレニルオキシ、ベンゾフェナントリルオキシ、トリフ
ェニレニルオキシ、ナフタセニルオキシ、クリセニルオ
キシ、ピセニルオキシ、ペリレニルオキシ、ペンタフェ
ニルオキシ、ペンタセニルオキシなどが挙げられる。
【0024】Ra1、Ra2、Ra3、Ra4で表されるアルキ
ルチオ基として好ましくは、炭素数1ないし30であ
り、より好ましくは炭素数1ないし20である。アルキ
ルチオ基の具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、
プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、3−メ
チル−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプ
チルチオ、オクチルチオ、デシルチオ、ラウリルチオ、
2−エチル−ヘキシルチオなどが挙げられる。
【0025】Ra1、Ra2、Ra3、Ra4で表されるアリー
ルチオ基として好ましくは、炭素数6ないし30であ
り、より好ましくは炭素数6ないし20である。アリー
ルチオ基の具体例としては、フェニルチオ、ナフチルチ
オ、アントリルチオ、フェナントリルチオ、ピレニルチ
オ、ベンゾフェナントリルチオ、トリフェニレニルチ
オ、ナフタセニルチオ、クリセニルチオ、ピセニルチ
オ、ペリレニルチオ、ペンタフェニルチオ、ペンタセニ
ルチオなどが挙げられる。
【0026】Ra1、Ra2、Ra3、Ra4で表される脂肪族
炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基は
置換基を有してもよく、置換基としては、例えばArの
置換基として例示したものが適用できる。置換基として
好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
基、カルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルフ
ァモイル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、ヒドロキ
シ基、ヘテロ環基であり、より好ましくはアルキル基、
アルケニル基、アラルキル基、アリール基、アミノ基、
カルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、ヘテロ環基
であり、更に好ましくはアルキル基、アラルキル基、ア
リール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環基であ
る。
【0027】Ra1、Ra2、Ra3、Ra4として好ましくは
a1、Ra2が水素原子で、Ra3、R a4がアリール基の場
合、またはRa1、Ra4が水素原子で、Ra2、Ra3がアリ
ール基の場合であり、より好ましくはRa1、Ra4が水素
原子で、Ra2、Ra3がアリール基の場合である。
【0028】一般式(I)で表される繰り返し単位を有
する化合物のうち、より好ましくは下記一般式(I−
b)で表される繰り返し単位を有する化合物である。 一般式(I−b)
【0029】
【化6】
【0030】(式中、Rb1およびRb2はそれぞれアリー
ル基を表す。Rb1、Rb2で表されるアリール基は一般式
(I−a)におけるRa1、Ra2、Ra3、Ra4で表される
アリール基と同義であり、また好ましい範囲も同様であ
る。) 一般式(I)で表される繰り返し単位を有する化合物の
うち、更に好ましくは下記一般式(I−c)または(I
−d)で表される化合物である。 一般式(I−c)
【0031】
【化7】
【0032】一般式(I−d)
【0033】
【化8】
【0034】(式中、Rb1、Rb2は一般式(I−b)に
おけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様で
ある。Rd1、Rd2、Rd3およびRd4は、それぞれ水素原
子または置換基を表す。Rd1、Rd2、Rd3、Rd4で表さ
れる置換基としては例えば、一般式(I)におけるAr
で表される基が有してもよい置換基として例示したもの
が挙げられる。Rd1、Rd4として好ましくは水素原子で
ある。Rd2、Rd3として好ましくは水素原子、アルキル
基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、よ
り好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基であ
る。mおよびnはそれぞれ1以上の整数を表す。m、n
として好ましくは5ないし30000であり、より好ま
しくは10ないし10000であり、更に好ましくは1
0ないし5000である。)
【0035】以下に一般式(I)で表される化合物の具
体例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】一般式(1)で表される化合物は種々の合
成法により合成することができるが、例えばジアルデヒ
ド化合物とジホスホニウム塩からの合成(Wittig
型反応)、ハロゲン化メチル基を有する化合物からの脱
ハロゲン化水素反応を利用した合成、ハロゲン化メチル
基を有する化合物のスルホニウム塩をアルカリで重合し
て得られる中間体から熱処理によって合成する方法など
が挙げられる。なお、本発明の一般式(I)で表される
化合物は、その前駆体を成膜した後、種々の処理によっ
て一般式(I)で表される化合物に変換してもよい。
【0046】以下に本発明の一般式(I)で表される化
合物の合成について具体例を示す。 合成例1.例示化合物26の合成
【0047】
【化18】
【0048】 1)化合物aの合成キシレン106g(1.00モ
ル)、オルト過沃素酸91.2g(0.40モル)と沃
素204.0g(0.80モル)を濃硫酸60ミリリッ
トル、水400ミリリットル、氷酢酸2000ミリリト
ルの溶液に室温下で加えた。70℃にて5時間攪拌した
後、約0℃に冷却し、析出した固体を濾取した。クロロ
ホルムに溶解後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、クロ
ロホルムを留去し、クロロホルム/メタノールにて再結
晶を行うことにより化合物aを261g得た。収率73
【0049】2)化合物bの合成 テトラヒドロフラン20ミリリットルにマグネシウム
4.84g(0.20モル)を加え、ブロモベンゼン3
1.6g(0.20モル)をテトラヒドロフラン80ミ
リリットルに溶解した溶液を内温が約40℃になるよう
に滴下した。滴下終了後、更に約50℃にて2時間攪拌
した後、室温まで冷却した。反応液にビス(トリフェニ
ルフォスフィン)ニッケル(II)ジクロリド1.2g
(1.8ミリモル)を加えた後、化合物a28.8g
(80ミリモル)をテトラヒドロフラン200ミリリッ
トルに溶解した溶液を滴下した。50℃にて16時間攪
拌した後、室温まで冷却し、水100ミリリットル、氷
1kg、濃塩酸100ミリリットルからなる溶液に反応
液を注いだ。ジエチルエーテルで抽出した後、有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、残留物
をエタノールで再結晶することにより化合物bを14.
1g得た。収率68%
【0050】3)化合物cの合成 化合物b10.3g(40.0ミリモル)、N−ブロモ
サクシンイミド14.2g(80.0ミリモル)とベン
ゾイルパーオキシド100mgを四塩化炭素150ミリ
リットルに加え3時間攪拌還流した後、室温まで冷却し
た。析出物を濾別し、濾液を約50ミリリットルまで減
圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにて精製した後、四塩化炭素で再結晶することによ
り化合物cを9.45g得た。収率57% 4)化合物dの合成 化合物c8.32g(20.0ミリモル)をジメチルホ
ルムアミド20ミリリットルに溶解し、室温下攪拌して
いるところへトリフェニルフォスフィン10.5g(4
0.0ミリモル)を加えた。2時間攪拌した後、アセト
ニトリルを加え析出した固体を濾取し、アセトニトリル
で洗浄することにより化合物dを17.9gを得た。収
率95% 5)例示化合物26の合成 テレフタルアルデヒド2.01g(15.0ミリモ
ル)、化合物d14.1g(15.0ミリモル)をメタ
ノール100ミリリットルに加え、約0℃にて攪拌して
いるところへ、ナトリウムメトキシド28%メタノール
溶液2.9g(15.0ミリモル)を滴下した。滴下終
了後、室温まで昇温し2時間攪拌した後、析出した固体
を濾取した。固体をクロロホルムに入れ、室温下攪拌
し、不溶解物を濾別した(この操作を3回繰り返し
た)。濾液にメタノールを加え、析出した固体を濾取
し、メタノールで洗浄することにより化合物26(重量
平均分子量:約15000)を4.27g得た。収率8
0%
【0051】本発明の一般式(I)で表される繰り返し
単位を有する化合物(以下、本発明の高分子とする)
は、ホモポリマーあるいはランダム、ブロックまたはグ
ラフト共重合体もしくはそれらの中間的な構造を有する
ものであってもよい。本発明の高分子は、好ましくは数
平均分子量がポリスチレン換算で103〜107であり、
より好ましくは103〜106であり、その重合度はその
繰り返し構造やその割合によっても変わる。
【0052】本発明の高分子の成膜方法としては特に限
定はなく、例えば粉末状態からの真空蒸着法、溶媒に溶
解した後塗布する方法(例えばスピンコーティング法、
キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロ
ールコート法など)などを用いることができるが、素子
製造工程の簡略化、加工性、大面積化の観点から塗布方
式が好ましい。塗布方式で成膜する場合に用いる溶媒と
しては、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタ
ンなどの有機ハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、酢
酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒などが挙げ
られ、これらの混合溶媒であってもよい。高分子の構造
や分子量によって異なるが、通常溶媒に0.01から1
0wt%、好ましくは0.1〜5wt%、更に好ましく
は0.1〜3wt%溶解した溶液を用いて成膜する。
【0053】本発明の一般式(I)で表される化合物の
EL素子材料としての用途は特に限定されないが、発光
材料、電荷輸送材料として用いることが好ましく、発光
材料として用いることがより好ましい。
【0054】本発明の発光素子は陽極、陰極の一対の電
極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄
膜を形成したで素子であり、発光層のほか正孔注入層、
正孔輸送層、電子注入層層、電子輸送層、保護層などを
有してもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を
備えたものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種
々の材料を用いることができる。
【0055】陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層な
どに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化
物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用
いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材
料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化イ
ンジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金
属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金
属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物
または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物
質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなど
の有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物な
どが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、
特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好
ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能である
が、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、よ
り好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは
100nm〜500nmである。
【0056】陽極は通常、ソーダライムガラス、無アル
カリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが
用いられる。ガラスを用いる場合、その材質について
は、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アル
カリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライ
ムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施
したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機
械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガ
ラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましく
は0.7mm以上のものを用いる。陽極の作製には材料
によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場
合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着
法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウム
スズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。陽極は
洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、
発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場
合、UV−オゾン処理などが効果的である。
【0057】陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層な
どに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送
層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン
化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の
材料としては金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合
物、またはこれらの混合物を用いることができ、具体例
としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)また
はそのフッ化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca
等)またはそのフッ化物、金、銀、鉛、アルミニウム、
ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リ
チウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マ
グネシウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウ
ム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ま
しくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好まし
くはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金または
それらの混合金属、マグネシウム−銀合金またはそれら
の混合金属等である。陰極の膜厚は材料により適宜選択
可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好
ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に
好ましくは100nm〜1μmである。陰極の作製には
電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コ
ーティング法(などの方法が用いられ、金属を単体で蒸
着することも、二成分以上を同時に蒸着することもでき
る。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形
成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金
を蒸着させてもよい。陽極及び陰極のシート抵抗は低い
方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
【0058】発光層の材料は、電界印加時に陽極または
正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができ
ると共に陰極または電子注入層、電子輸送層から電子を
注入することができる機能や、注入された電荷を移動さ
せる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させ
る機能を有する層を形成することができるものであれば
何でもよい。好ましくは発光層に本発明の一般式(I)
で表される化合物を含有するものであるが、本発明の一
般式(I)で表される化合物の他の発光材料を用いるこ
ともできる。例えばベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾ
イミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリ
ルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブ
タジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナ
フタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン誘導
体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサ
ジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導
体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラ
セン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導
体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン
誘導体、スチリルアミン誘導体、芳香族ジメチリディン
化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体や希土類錯
体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリ
フェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合
物等が挙げられる。発光層の膜厚は特に限定されるもの
ではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好まし
く、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好まし
くは10nm〜500nmである。発光層の形成方法
は、特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着、電
子ビーム、スパッタリング、分子積層法、コーティング
法(スピンコート法、キャスト法、ディップコート法な
ど)、LB法などの方法が用いられ、好ましくは抵抗加
熱蒸着、コーティング法である。
【0059】正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極か
ら正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から
注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているも
のであればよい。その具体例としては、カルバゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキ
サジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリー
ルアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導
体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン
誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチ
ルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化
合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系
化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、
ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共
重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導
電性高分子オリゴマー等が挙げられる。正孔注入層、正
孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常
1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましく
は5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜5
00nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材
料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよ
いし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構
造であってもよい。正孔注入層、正孔輸送層の形成方法
としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送剤を
溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法(ス
ピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)が
用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶
解または分散することができ、樹脂成分としては例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレ
ート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオ
キシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポ
リアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹
脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂など
が挙げられる。
【0060】電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極か
ら電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から
注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているも
のであればよい。その具体例としては、トリアゾール誘
導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、
フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ア
ントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピラン
ジオキシド誘導体、カルビジイミド誘導体、フルオレニ
リデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフ
タレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フ
タロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯
体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサジアゾールや
ベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される
各種金属錯体等が挙げられる。電子注入層、電子輸送層
の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜
5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm
〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nm
である。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種
または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同
一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であっ
てもよい。電子注入層、電子輸送層の形成方法として
は、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送剤を溶媒に
溶解または分散させてコーティングする方法(スピンコ
ート法、キャスト法、ディップコート法など)などが用
いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解
または分散することができ、樹脂成分としては例えば、
正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
【0061】保護層の材料としては水分や酸素等の素子
劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能
を有しているものであればよい。その具体例としては、
In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、N
i等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2 3
GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2 3 、Y2
3 、TiO2 等の金属酸化物、MgF2 、LiF、Al
3 、CaF2 等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、
ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロ
エチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少な
くとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重
合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有
する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、
吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。保護
層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸
着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、M
BE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム
法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波
励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レ
ーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法を適
用できる。
【0062】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれにより限定されるものではない。 実施例1.25mm×25mm×0.7mmのガラス基
板上にITOを蒸着法にて150nmの厚さで製膜した
もの(東京三容真空(株)製)を透明支持基板とした。
この透明支持基板を洗浄後、表1記載の化合物を1,2
−ジクロロエタン3ミリリットルに溶解し、1500r
pmでスピンコートした。次いで陰極としてマグネシウ
ムと銀が10:1となるように10-5〜10-6Torr
の真空中、基板温度室温下で共蒸着した。この素子にI
TO電極を陽極、Mg:Ag電極を陰極として大気中で
直流電圧を印加して発光特性を評価した。評価結果を表
1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【化19】
【0065】表1の結果から明らかなように、本発明の
化合物は比較化合物に比べ、低電圧駆動、高輝度発光が
可能であり、また青色発光にも有効であることが示され
た。更に経時でのダークスポットの発生が少ないといっ
た均質面状発光性、耐久性面での優れた性能を示した。
【0066】実施例2.25mm×25mm×0.7m
mのガラス基板上にITOを蒸着法にて150nmの厚
さで製膜したもの(東京三容真空(株)製)を透明支持
基板とした。この透明支持基板を洗浄後、表2記載の化
合物を1,2−ジクロロエタン3ミリリットルに溶解
し、5000rpmでスピンコートした。次いで下記亜
鉛錯体を膜厚が50nmになるように10-5〜10-6
orrの真空中で、基板温度室温の条件下蒸着し、その
上に陰極としてマグネシウムと銀が10:1となるよう
に10-5〜10-6Torrの真空中、基板温度室温下で
共蒸着した。この素子にITO電極を陽極、Mg:Ag
電極を陰極として大気中で直流電圧を印加して発光特性
を評価した。評価結果を表2に示す。
【0067】
【化20】
【0068】
【表2】
【0069】表2の結果から明らかなように、有機積層
系においても本発明の化合物は比較化合物に比べ、低電
圧駆動、高輝度発光が可能であり、また経時でのダーク
スポットの発生が少ないといった均質面状発光性、耐久
性面での優れた性能を示した。
【0070】
【発明の効果】本発明により、従来に比べて低電圧駆
動、高輝度、長寿命の有機EL素子を得ることができ
た。特に通常発光輝度の低い塗布方式でも良好な発光特
性が得られ、製造コスト面等で有利な素子作製が可能で
ある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】
【化19】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される繰り返し単
    位を有する化合物であることを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子材料。一般式(I) 【化1】 (式中、Arは少なくとも2つのアリール基もしくは芳
    香族ヘテロ環基で置換されたアリーレン基または芳香族
    ヘテロ環基を表す。RおよびR’はそれぞれ水素原子ま
    たは置換基を表す。)
  2. 【請求項2】 一対の電極間に発光層もしくは発光層を
    含む複数の有機化合物薄膜を形成した有機エレクトロル
    ミネッセンス素子において、少なくとも一層が請求項1
    記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料を含有す
    る層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  3. 【請求項3】 一対の電極間に発光層もしくは発光層を
    含む複数の有機化合物薄膜を形成した有機エレクトロル
    ミネッセンス素子において、少なくとも一層が請求項1
    記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料を含有す
    る層であり、該有機化合物薄膜層を塗布によって成膜す
    ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
JP9252502A 1997-09-17 1997-09-17 有機エレクトロルミネツセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネツセンス素子 Pending JPH1197175A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001034722A1 (de) * 1999-11-09 2001-05-17 Covion Organic Semiconductors Gmbh Substituierte poly(arylenvinylene), verfahren zur herstellung und deren verwendung in elektrolumineszenzvorrichtungen
JP2007080744A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Nagoya Institute Of Technology 正孔注入層およびそれを用いた有機電界発光(el)素子
CN108383693A (zh) * 2018-02-06 2018-08-10 陕西师范大学 一种有机蓝色荧光材料及其制备方法和应用

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