JPH1194808A - 鋼板の超音波探傷方法 - Google Patents
鋼板の超音波探傷方法Info
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Abstract
減することができる鋼板の超音波探傷方法。 【解決手段】 分割型垂直探触子(3)を被検体(4)
に対して相対的に移動させながら超音波パルス信号を周
期的に被検体(4)に送信し(1,2,3)、その受信
信号(3,5)をデジタル信号に変換して(6)、複数
周期にわたり記憶し、この記憶した複数周期にわたるデ
ジタル化受信信号を同期させて加算平均処理し(7)、
この加算平均処理後の信号を用いて探傷を行う方法。
Description
を用いて鋼板表面より超音波の送受信を行いその内部欠
陥を探傷する方法に関し、特に鋼板の表面性状によるノ
イズエコーに影響されない方法に関するものである。
直探触子の構造を示す図である。分割型垂直探触子は、
図11に示されるように、被検体4の被検査面に対して
垂直方向に超音波の送信を行う送信振動子31と、受信
を行う受信振動子32とが両者の間の音響分割面33に
より分割され、1個の探触子内に設けられている。なお
アクリル材34,35は音響伝搬材であり、アクリル材
34,35と被検体4の間のギャップは、通常水などの
音響接触媒質で満たされている。この分割型垂直探触子
では、振動子が1個の垂直探触子で問題となる送信パル
ス直後の信号や表面エコーがほとんどないため、表面直
下の不感帯が比較的少ない特徴がある。このため、鋼板
の製造時における品質管理手段である自動探傷装置で広
く使われている。
波探傷方法では従来次のような問題があった。振動子の
音響分割面33には超音波が通りにくいようにコルクな
どの材料が用いられているが、周波数の低い超音波はわ
ずかながら透過して受信用振動子32に漏れ込んでしま
うため、振動子に並列にノイズ除去用コイルを挿入して
狭帯域特性にしている。狭帯域特性の探触子を用いる場
合には送信波数が多くなるため、(1)表面側の欠陥エ
コーでは多重反射が干渉して正確なエコー高さが得られ
ない、(2)裏面側の欠陥エコーでは底面エコーとの分
離ができない(検出分解能が悪い)という問題があり、
この結果、不感帯の低減には限界があった。
が先に出願した特開平8−233788号公報に開示さ
れた方法がある。図12は上記特許公報の図2の機器構
成例を示す図である。図12においては、パーソナルコ
ンピュータ41で作成されたFM波形(送信パルス幅内
で周波数を掃引させるチャープ波形)は、D/A変換器
42によりアナログ信号に変換され、送信用アンプ13
により所要の送信電力にまで増幅され、分割型探触子4
4の一方から超音波として被検体4内に送信される。分
割型探触子44の他方に受信された信号は受信用アンプ
45で信号増幅され、A/D変換器46で逐次デジタル
信号に変換される。そして、この受信デジタル信号は、
FIRフィルタ47により、パーソナルコンピュータ4
1が作成し出力する参照波と相関演算され、パルス圧縮
処理が行われる。このパルス圧縮後の波形がオッシロス
コープ48に表示される。
パルス圧縮を適用することにより広帯域の探触子を使え
るようにし、上記の問題を解決したものである。さらに
この方法においては、広帯域探触子では波形の正側・負
側のピーク値が異なることを利用し、探触子と鋼板表面
とのギャップが増大したときに発生するSエコーのレベ
ルを小さくすることにも成功している。
許公報に示された方法でも次のような課題が残されてい
た。すなわち、鋼板の自動超音波検査の際には、表面性
状の悪い面を探傷しなければならない場合がある。例え
ば、予め目視で発見された表面欠陥をグラインダで研削
した面やスケール性の欠陥がある面である。このような
表面性状の悪い面を分割型垂直探触子で探傷すると、図
13の(a)に示すように、表面性状の悪い面と探触子
面との間に様々な反射や干渉が発生し、受信信号に図の
(b)の下側の波形に示すようなノイズエコーが生じて
しまう。このため、欠陥の無い部分を欠陥有りと誤判定
してしまい、その部分の再確認のためのオフライン作業
が増大するという問題があった。本発明は、このような
課題を解決するためになされたもので、分割型垂直探触
子を用いて鋼板の内部欠陥を探傷する際に、鋼板の表面
性状によるノイズエコーを低減し、欠陥検出結果の信頼
性を向上させ得る鋼板の超音波探傷方法を提供すること
を目的とする。
鋼板の超音波探傷方法は、分割型垂直探触子を用いて鋼
板表面より超音波の送受信を行いその内部に存在する欠
陥を探傷する超音波探傷方法において、前記分割型垂直
探触子を鋼板に対して相対的に移動させながら超音波パ
ルス信号を周期的に鋼板に送信し、その受信信号を量子
化して複数周期にわたり記憶し、この記憶した複数周期
にわたる量子化受信信号を同期させて加算平均処理し、
この加算平均処理後の信号を用いて探傷を行うようにし
たものである。
相対位置を変化させながら探傷を行なうようにしてい
る。このように相対位置を変化させながら探傷を行なう
と、超音波送信パルスを被検体に入射させる位置は、各
送信周期毎に(即ち各送信パルス毎に)異なっていく。
そして被検体の表面性状の悪い部分の形状はランダムで
あるため、表面性状に起因するノイズエコーの波形は各
送信周期毎にランダムに異なるようになる。そこで本請
求項1に係る発明では、分割型垂直探触子からの受信信
号を量子化して複数周期にわたりメモリに記憶し、この
記憶した複数周期にわたる量子化受信信号を同期加算平
均処理することにより、ノイズエコーを低減している。
一方、欠陥エコーに関しては、超音波ビームまたは欠陥
そのものがある程度の広がりを持っているため、送信パ
ルス毎に波形が変化することはない。従って、ノイズエ
コーのみを低減し、SN比を改善することができる。
方法は、分割型垂直探触子を用いて鋼板表面より超音波
の送受信を行いその内部に存在する欠陥を探傷する超音
波探傷方法において、前記分割型垂直探触子を鋼板に対
して相対的に移動させながら所定パルス幅内で周波数を
掃引させる超音波チャープ信号を周期的に鋼板に送信
し、その受信信号を量子化した量子化受信信号と、前記
送信信号の波形と同一又は類似の波形のチャープ信号と
の相関処理を行い、この相関処理後の量子化受信信号を
複数周期にわたり記憶し、この記憶した複数周期にわた
る相関処理後の量子化受信信号を同期させて加算平均処
理し、この加算平均処理後の信号を用いて探傷を行うよ
うにしたものである。
に所定パルス幅内で周波数を掃引させるチャープ波を用
い、受信信号のパルス圧縮処理を行なうようにしている
ので、広帯域特性の探触子を使用でき、従って少い波数
の送信波形で探傷できるようになる。このような波形を
用いて、分割型垂直探触子と被検体の相対位置を変化さ
せながら探傷を行なうと、表面性状に起因して反射・干
渉しているノイズエコーの各送信パルス毎の変化をより
大きくすることができる。この結果、送信パルスと同一
または異なる波形のチャープ波と量子化受信信号との相
関処理を行ない、この相関処理後の量子化受信信号を複
数周期にわたってメモリに記憶し、この記憶した複数周
期にわたる相関処理後の量子化受信信号を同期加算平均
処理することにより、検出分解能の向上や不感帯の低減
ができると共に、ノイズエコーをも低減することができ
る。
する機器構成図である。図1において、同期信号発生器
1は周期性送信パルスの送信タイミングを決めており、
この周期性送信タイミング信号に基づいてパルス送信器
2はパルス信号を分割型垂直探触子3に送信する。分割
型垂直探触子3は被検体4の表面に対して0.5mm程
度のギャップを持ち、このギャップは水などの音響接触
媒質で満たされている。従って分割型垂直探触子3内の
送信振動子から発生される超音波は被検体4内に入り、
内部の欠陥などで反射してきたエコーは再び分割型垂直
探触子3内の受信振動子で受信される。この受信信号は
受信用増幅器5で増幅され、A/D変換器6によって、
ある一定のサンプリング周波数でサンプリングされデジ
タル信号に変換される。この例では各周期毎の受信信号
は、データ数がM個で、各データは8ビットの振幅デー
タに変換される。このデジタル変換されたデータは、同
期加算平均処理回路7で同期加算平均が行われる。ここ
で、分割型垂直探触子3と被検体4の相対位置が変化し
ていくように、分割型垂直探触子3または被検体4のい
ずれか一方が機械的に移動(走査)するようになってい
る。
な構成図である。図2において、18は第1のメモリ、
19は加算器、20a,20bはそれぞれ第1のメモリ
18の書込、読出アドレス発生器、21は減算器、22
は第2のメモリ、23a,23bはそれぞれ第2のメモ
リ22の書込、読出アドレス発生器、24は減算器であ
る。なお第1のメモリ18は、受信信号のN+1周期分
以上のデータを格納できる容量を有し、この例では各周
期毎の受信信号はM個のデータを含み、各データは8ビ
ットで構成されているとしている。また第2のメモリ2
2は、各受信周期におけるM個の各データを、それぞれ
個別にN周期分加算したM個の和データを格納できる容
量を有し、この例ではそれぞれ16ビットのデータをM
個分格納するものとする。
からのパルス送信周期毎に、分割型垂直探触子3から受
信用増幅器5及びA/D変換器6を介して入力される受
信信号である。以下この受信信号が各送信周期毎に入力
されたときの動作を説明する。
期状態においては、第1のメモリ18および第2のメモ
リ22には何も記憶されていない。1回目の周期の受信
信号が入力されると、この受信信号は第1のメモリ18
の先頭の領域に記憶されると共に、加算器19の入力の
一方に加えられる。この1回目の周期では、第1のメモ
リ18の信号読出アドレスRA1 が指定する領域および
第2のメモリ22には何も記憶されていないので、加算
器19の入力の一方に加えられた受信信号は、そのまま
加算器19を通り、さらに減算器21を素通りし、第2
のメモリ22に格納される。
この2回目の周期の受信信号と第2のメモリ22に記憶
されている前回の周期の受信信号とが加算器19で加算
され、この加算結果は減算器21を素通りし、第2のメ
モリ22に格納される。なおこの2回目の受信信号は、
第1のメモリ18の第2の領域にも記憶される。以後平
均回数N周期分の受信信号が入力されるまでは、このよ
うに第2のメモリ22に受信信号が順次加算されるの
と、第1のメモリ18の該当領域に順次受信信号が格納
される動作が続く。
ると、新たに入力された受信信号のN周期前の受信信号
が第1のメモリ18の信号読出アドレスRA1 が指定す
る領域から読み出され、減算器21に減算信号として供
給される。このため加算器19により、第2のメモリ2
2に記憶されている信号と新たに入力された受信信号と
が加算され、その加算結果が出力されると、この加算結
果より第1のメモリ18から読出されたN周期前の受信
信号が減算器21によって減算されるので、減算器21
の出力信号は常にN周期分の受信信号を加算したものと
なる。このN周期分の受信信号の加算結果が、第2のメ
モリ22に格納されると共に、除算器24に入力されN
で除算されるので、除算器24の出力は、超音波パルス
の送信周期毎に、N周期分の受信信号の同期加算平均結
果が出力される。
に書込アドレス発生器20a,23a,読出アドレス発
生器20b,23bに供給するタイミング信号は、図1
の同期信号発生器1から得られるタイミング信号でもよ
いが、実際に超音波パルスが被検体4の表面に入射する
タイミングに基づき発生した信号の方が望ましい。これ
は被検体4と探触子3との間の水距離の変動が多い場合
に、前者ではパルス繰返し毎に欠陥エコーの位相がずれ
ていくため平均化によって欠陥エコーまでも小さくなっ
てしまう可能性があるが、後者はそのような問題がない
という利点があるからである。
傷方法の模式説明図である。図3は、被検体4の表面性
状の悪いグラインダがけした面を分割型垂直探触子3が
走査しているときの、受信信号(探触子3の各位置に対
応した図の左列の波形)と、今回とその前3回にわたる
4周期分の受信信号の同期加算平均処理(中間の列では
加算器のみが示され、除算器の図示は省略されている)
を行った後の信号(図の右列の波形)を示したものであ
る。まず、分割型垂直探触子3が健全面を通過している
際の受信信号には、底面エコーの前にはほとんど何のエ
コーも現れない。次に、分割型垂直探触子3がグライン
ダ面を通過すると、受信信号にノイズエコーが現れる。
ここで探触子3の位置が変わっていくにつれ、ノイズエ
コーの位相や波形がランダムに異なっていく。このよう
な各位置における受信信号を図2の回路を用いて同期加
算平均処理を行うと、ノイズエコーはパルス繰返し毎に
ランダムなため、右列に示されているように受信信号の
ノイズエコーが低減される。なお図3は、図2の平均回
数Nを4とした場合の例を示している。
傷方法の実験結果(1)を示す図である。ここで、分割
型垂直探触子3には5Z3×20NDを用い、図4の
(a)に示すように、音響分割方向に直角の方向に往復
走査させた。被検体4には圧延肌の厚板を用い、図の
(a)に示されているようにグラインダがけした面が中
央部に存在している。健全面の表面粗さはRa=5.9
μm、グラインダ面の表面粗さはRA=9.8μmであ
る。探触子の走査速度は100mm/sとし、パルス繰
返し周波数は200Hzとしたので、パルス密度は0.
5mm/pulseである。図4の(b)は、底面エコ
ーの前に設定された探傷ゲート中の信号の最大値を電圧
値として記録計に出力したもので、探触子の往復走査に
伴ってグラインダ面でのノイズエコーの信号が周期的に
現れている。ここで図2の同期加算平均処理における平
均回数を2,4と変えると、図の(b)に示されている
ようにノイズエコーの振幅が下がっていくことが実際の
実験により確認された。
傷方法の実験結果(2)を示す図である。図5は、図4
と同様の実験をφ2mm平底穴の欠陥に対しても行った
結果であり、平均回数と信号低下の関係が欠陥エコー
(実線)とノイズエコー(破線)とでは異なっており、
最もSN比が良くなる平均回数があることが分かる。こ
の場合は4回が最適値であり、SN比は約3dB改善さ
れた。
する機器構成図である。図6において、1及び3〜7は
図1と同様のものであり、波形演算器8、送信用メモリ
9、D/A変換器10、送信用増幅器11及びFIRフ
ィルタ12が新たに設けられたものである。図6におい
ては、送信パルス信号として所定のパルス幅内で周波数
を掃引させるチャープ波を用い、このチャープ波形の送
信信号を波形演算器8によって発生させている。また波
形演算器8はFIRフィルタ12へ供給する参照波形の
データも発生している。そして波形演算器8により発生
された送信信号は、送信用メモリ9に記憶しておき、同
期信号発生器1からのタイミング信号によって送信用メ
モリ9から読出してD/A変換器10を介してアナログ
信号に変換し、このアナログ信号を送信用増幅器11で
増幅して分割型垂直探触子3に加えるようになってい
る。
媒質を介して被検体4の内部に入射される超音波は、内
部の欠陥等で反射され再び分割型垂直探触子3で受信さ
れる。そしてこの受信信号は、受信増幅器5で増幅さ
れ、A/D変換器6でデジタル信号に変換され、FIR
フィルタ(有限インパルス応答フィルタ)12を通り、
同期加算平均処理回路7に入力されるようになってい
る。FIRフィルタ12の係数には、波形演算器8で発
生させた送信信号または送信信号に類似した波形のチャ
ープ波信号が参照信号として設定されている。本実施形
態2では波形演算器8にはコンピュータを用い、チャー
プ波を演算で求めるようにしている。ここでチャープ波
は次の式(1)で表される。但し、fcは中心周波数、
Bは周波数掃引帯域幅、Tはパルス幅である。
す図であり、図の+印は加算器、×印は乗算器、Z-1は
遅延器であり、各遅延器は入力信号に対して送信の繰返
し周期に相当する時間の遅延を行い出力する。図7のF
IRフィルタにおいては、デジタル信号に離散化された
受信波形x(τ)と相関演算を行うための参照波形は、
ある一定のサンプリング周波数でサンプリングされ(離
散化され)、この例では各離散化データ値は、128個
のC0〜C127 として、それぞれ×印の乗算器の一方に
入力される。一方入力端から各送信周期毎に入力される
離散化受信データx(τ)は、各乗算器の他方の入力に
直接供給され、前記参照データC0 〜C127 とそれぞれ
個別に乗算され、C127との乗算結果を除く各乗算結果
はそれぞれ127個の遅延器と加算器とが交互に直列接
続された該当加算器の入力の一方に供給される。そし
て、C127 との乗算結果のみが前記交互に直列接続され
た先頭の遅延器に直接供給され、この遅延器の後段に直
列接続される加算器の入力の他方にはC126 との乗算結
果が供給されている。そして前記直列結合の最後の加算
器の出力が相関演算出力となる。
で示す。いま入力信号をxi(j)、係数(参照データ)を
c(k) 、出力信号をyi(j)、タップ数をNc 、探傷信号
の繰返しをi、1周期の探傷信号のデータ点数をnとす
ると、次の式(2)のたたみ込み演算を行なうことにな
る。
ると次の式(3)となる。
算を行うことができる。この相関の動作は、参照信号と
受信信号をjだけずらしながら相互相関を計算していく
ものである。
する波形図である。図8において、時間τ1 の点は式で
j=0の位置に相当する。まず、τ1 の位置で、受信信
号と参照信号との相関演算を0〜Nc −1点のデータ分
だけ行う。ここでNc はFIRフィルタのタップ長であ
り、すなわち係数の数である。相関の結果は、図中一番
下の信号として出力される。このτ1 の時点では参照信
号と受信信号は類似していないため、出力はほとんど零
である。次に、jを一つずつ増やし、図中τ2 ,τ3 ,
…のように順次演算を行っていく。この結果、受信信号
中のエコーと参照信号の位相が一致した点(図中の時間
軸のほぼ中央)で、最大ピークの相関信号が得られる。
この結果、チャープ波のパルス幅は圧縮され、参照信号
と相関のない電気的なノイズ信号は大幅に低減される。
りパルス圧縮された受信信号は、実施形態1の場合と同
様に同期加算平均処理回路7で同期加算平均処理が行わ
れる。図6の実施形態2の場合も、分割型垂直探触子3
と被検体4の相対位置が変化していくように、分割型垂
直探触子3または被検体4のいずれか一方が機械的に移
動するようになっている。この実施形態2のような超音
波探傷方法では、チャープ波のパルス圧縮を行うことに
より電気的ノイズに対して大幅なSN比の向上が可能で
ある。このため、感度の悪い広帯域の分割型垂直探触子
3を適用することができる。広帯域の探触子では送信パ
ルス幅は短いため、表面性状に起因して反射・干渉して
いるノイズエコーの1パルス毎の変化をより大きくする
ことができる。その結果、この信号を同期加算平均する
ことにより、ノイズエコーを狭帯域探触子の場合よりも
低減することができる。
ズエコー波形とその平均化波形の例を示す図である。図
9は表面性状に起因するノイズエコーの波形を拡大した
ものであり、図の(a)〜(d)は、探傷位置を1〜4
と変えたときに、狭帯域探触子と広帯域探触子によるそ
れぞれの波形例を示している。また図の(e)は、
(a)〜(d)の4つの波形の平均化処理した波形であ
る。図9から分かるように、狭帯域探触子の場合に比べ
て広帯域探触子の場合は、波形の変化が一層複雑になっ
ており、平均化処理後の振幅はより小さくなっている。
探傷方法の実験結果を示す図である。図10は、マルチ
チャンネルの厚板探傷装置に本実施形態2を適用した実
験結果をCスキャン表示で示したものである。ここで
は、JIS G 0801に基づいてエコー高さを表示
している。また図中に×△の記入のない黒地部は欠陥で
ある。実験に用いた被検体は圧延肌の鋼板(厚さ25.
7mm)であり、図中に示されている枠線がグラインダ
がけした位置であり、#36,#60は目の粗さを示し
ている。図10の(a)は従来の超音波探傷方法、即ち
狭帯域探触子を用い、パルス波を送信し、同期加算平均
処理を行わない探傷の場合の結果であり、図に示されて
いるように、グラインダのかかっている部分で、黒地で
示されるノイズエコーの出る部分と出ない部分とがある
が、全般的に#36のように目が粗いほどノイズエコー
の強度が高い。
傷方法、即ち広帯域探触子を用い、チャープ波を送信し
てパルス圧縮処理を行い、さらに4回の同期加算平均処
理を行った探傷の場合の結果であり、この超音波探傷方
法を用いることで、#60については全ての位置で黒地
で示されるノイズエコーがなくなり、#36についても
1ランク以上低減された。一方、自然傷についてはどち
らの方法も同様に検出できた。なお、本実施形態2によ
れば、広帯域探触子を用い、チャープ波のパルス圧縮を
行っているため、検出分解能の向上や不感帯の低減がで
きると共に、表面性状に起因するノイズエコーのみなら
ず電気的なノイズに対してもSN比を向上することがで
きた。
直探触子を用いて鋼板の内部欠陥を探傷する際に、前記
探触子からの受信信号を量子化して複数周期にわたり記
憶し、この記憶した複数周期にわたる量子化受信信号を
同期加算平均処理することにより、鋼板の表面性状に起
因するノイズエコーを低減することができる。このた
め、例えばグラインダをかけた部分を欠陥と誤認識する
ことがなくなり、欠陥検出材の手動による再探傷作業を
大幅に削減することができる。
子から送信する送信信号に所定パルス幅内で周波数を掃
引させるチャープ波を用い、その受信信号に参照信号と
の相関処理を行ない受信信号のパルス圧縮処理を行なう
ようにしているので、広帯域特性の探触子を使用でき、
さらに前記相関処理後の受信信号を複数周期にわたって
記憶し、この記憶した複数周期にわたる相関処理後の受
信信号を同期加算平均処理することにより、検出分解能
の向上や不感帯の低減ができると共に、表面性状に起因
するノイズエコー及び電気的ノイズエコーを低減するこ
とができる。
施する機器構成図である。
ある。
式説明図である。
験結果(1)を示す図である。
験結果(2)を示す図である。
施する機器構成図である。
る。
である。
形とその平均化波形の例を示す図である。
実験結果を示す図である。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 分割型垂直探触子を用いて鋼板表面より
超音波の送受信を行いその内部に存在する欠陥を探傷す
る超音波探傷方法において、 前記分割型垂直探触子を鋼板に対して相対的に移動させ
ながら超音波パルス信号を周期的に鋼板に送信し、その
受信信号を量子化して複数周期にわたり記憶し、この記
憶した複数周期にわたる量子化受信信号を同期させて加
算平均処理し、この加算平均処理後の信号を用いて探傷
を行うようにしたことを特徴とする鋼板の超音波探傷方
法。 - 【請求項2】 分割型垂直探触子を用いて鋼板表面より
超音波の送受信を行いその内部に存在する欠陥を探傷す
る超音波探傷方法において、 前記分割型垂直探触子を鋼板に対して相対的に移動させ
ながら所定パルス幅内で周波数を掃引させる超音波チャ
ープ信号を周期的に鋼板に送信し、その受信信号を量子
化した量子化受信信号と、前記送信信号の波形と同一又
は類似の波形のチャープ信号との相関処理を行い、この
相関処理後の量子化受信信号を複数周期にわたり記憶
し、この記憶した複数周期にわたる相関処理後の量子化
受信信号を同期させて加算平均処理し、この加算平均処
理後の信号を用いて探傷を行うようにしたことを特徴と
する鋼板の超音波探傷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25955797A JP3360578B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 鋼板の超音波探傷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25955797A JP3360578B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 鋼板の超音波探傷方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1194808A true JPH1194808A (ja) | 1999-04-09 |
JP3360578B2 JP3360578B2 (ja) | 2002-12-24 |
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ID=17335783
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Cited By (6)
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