JP3022108B2 - 超音波送受信装置 - Google Patents
超音波送受信装置Info
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Description
波数が変化する送信パルス信号(FM信号)を超音波探
触子で超音波パルスに変換して被検体へ入射し、同じく
超音波探触子で被検体を透過又は反射した超音波パルス
を受波してエコー信号に変換し、このエコー信号波形と
参照信号波形との相互相関演算を行うことによってパル
ス圧縮して表示器に表示出力する超音波送受信装置に関
する。
さ測定装置は図11に示すように構成されている。同期
発生部1から一定のパルス周期T0 を有する同期信号a
が送信部2へ送出される。送信部2はパルス周期T0 を
有する同期信号aに同期して所定パルス幅TW を有する
送信パルス信号bを次の超音波探触子3へ送信する。超
音波探触子3は送信パルス信号bに同期して超音波パル
スcを被検体4へ入射する。また、超音波探触子3は被
検体4からの反射波(エコー)を受波して、この反射波
を電気信号のエコー信号d0 へ変換して受信部5へ送出
する。受信部5は受信したエコー信号d0 を増幅して表
示部6へ表示する。
置においては、送信部2から一定パルス周期T0 で出力
される送信パルス信号bの波形は予め定められた固定の
バルス波形である。一般に、パルス波は波形が鋭く、か
つパルス幅TW が狭いために時間軸分解能が優れてい
る。
れていた場合は、探傷精度を向上させるために、エコー
信号d0 に含まれる林状エコーと呼ばれるノイズを除去
する必要がある。この林状エコーを低減させる方法とし
て被検体3の材質に最適な送信周波数Fを選択する方法
が実用化されている。
音波パルスcの周波数特性は超音波探触子3の振動子特
性に依存しているため、超音波パルスcの周波数Fを最
適値に調整するのは困難である。
いた場合は、材料毎に超音波パルスcに対する伝播特性
が異なるので、上述した図11に示す装置においては、
経験豊かな技術者が、材料自体や試験片で探傷器の特性
を調整しながら測定を行う必要がある。この調整作業は
多大の労力と時間が必要であり、実際問題としてほぼ実
施不可能である。
ス信号における周波数Fを制御することによりノイズを
簡単に低減する方法を適用できないという問題があっ
た。このような不都合を解決する装置として図12に示
すような超音波探傷装置が提唱されている(特公平3−
43586号公報)。この超音波探傷装置においては、
図11の装置における同期発生部1と送信部2との間に
波数可変回路7及び周波数可変回路8が介挿されてい
る。そして、波数可変回路7は同期信号aの一つのパル
ス周期T0 に含まれるパルス数(波数)を波数設定部9
の指示する値に設定する。また、周波数可変回路8は同
期信号a自体のパルス周期T0 を周波数設定部10の指
示する値に設定する。
いては、送信周波数と送信波数を可変できるため超音波
探触子3を交換せずに送信波の周波数制御が可能となっ
た。しかし図12の超音波探傷装置にて作られる送信波
においては、パルス送信間隔に比べパルス幅TW が長
く、得られるエコー信号を解析する場合における時間軸
分解能が悪くなるという問題があった。
に、レーダーの分野でよく知られているパルス圧縮技術
(Radar handbook,Skolnik, et.al,,McGraw-Hill Inc,,
1970)がある。パルス圧縮技術とは、周知のように、位
相を符号化した波形又は周波数を変調させた波形(FM
信号)を送信波として採用し、受信波形と送信波形との
間の相互相関演算(パルス圧縮)することにより、受信
波のパルス時間幅を短くすると同時に、受信信号の伝播
途中に加わった雑音を低減する技術である。
徴を説明する。図13(b)又は図13(d)に示す送
信パルス信号b1 ,b2 は、図13(a)に示すよう
に、パルス幅TW 内において周波数Fが変化する。そし
て、送信パルス信号b1 の振幅Aはパルス幅TW 内にお
いて一定である。周波数Fの時間tに対する周波数変化
率dF/dtが一定(線形)の場合と、変化(非線形)
する場合とがある。また、FM信号には図13(c)に
示すように、周波数Fが変化するとともに、パルス幅T
W 内において振幅Aも変化する場合と、振幅一定の場合
とがある。なお、図13(b)に示す周波数変化率dF
/dtが一定(線形)で振幅Aが一定であるFM信号
(送信パルス信号b1 )を特にチャープ信号と言う。
tを、図13(a)の細線特性で示すように、パルス幅
TW 内において非線形走査し、かつ図13(c)の細線
特性で示すように、振幅Aをパルス幅TW 内において変
化させることにより、このFM信号の自己相関関数波形
に生じるサイドローブを低減できることが知られている
(特開平5−273335号公報)。
信号としてパルス圧縮処理を行う技術を適用したパルス
圧縮装置が提唱されている(特開昭63−233369
号公報)。
は、図14に示すように、チャープ信号設定部11で作
成された図13(b)に示す波形を有するチャープ信号
からな送信パルス信号b1 はチャープ信号送信部12よ
り超音波探触子13へ送信される。超音波探触子13は
送信パルス信号b1 に応答して超音波パルスを例えば人
体等の被検体14へ送波し、反射波を受波する。受波さ
れた反射波はエコー信号に変換されて直交検波部15へ
入力される。エコー信号は直交検波部15により複素信
号に変換され、周波数帯域の低域変換を行い、次の相関
部16へ入力される。
設定部11で作成された送信パルス信号b1 を用いて参
照波信号を作成して、参照波発信部18を介して前記相
関部16へ送出する。相関部16は、エコー信号と参照
波信号との相関演算を行うことによって、エコー信号を
パルス圧縮する。パルス圧縮されたエコー信号は直交変
調部でもって時差時間信号に変換されて、表示部20に
表示される。
に示すパルス圧縮手法を通常の超音波非破壊検査に適用
するためにはまだ解消すべき次のような課題があった。
すなわち、超音波非破壊検査における検査対象は様々な
材料特性を持つ。例えば、検査対象がたとえ金属であっ
たとしても、その金属の材質によって、超音波の伝播特
性が大きく異なる。また、林状エコーが発生しやすい粒
子の粗い材質と林状エコーが発生しにくい粒子の細かい
材質とがある。さらに、被検体の厚さdも種々に変化す
る。
法形状が異なる場合は、被検体14に入射させる超音波
パルスの周波数F,パルス幅TW 、パルス周期T0 ,F
M信号における周波数変化率dF/dt,振幅A等の物
理的特性を測定対象の被検体に対応して最適な値に設定
する必要がある。
ける検査対処は人体(生体)等に限定されている。した
がって、チャープ信号送信部12から超音波探触子13
へ送出される送信パルス信号b1 の物理特性は1種類に
固定されていると見なされる。したがって、このパルス
圧縮装置は種々な材質や形状を有した一般の超音波非破
壊検査手法には採用できない。
たアナログ回路で構成されているので、相関演算を行う
ための他方の入力信号である参照波信号を簡単に変更で
きない、よって、送信パルス信号b1 の周波数特性等の
物理的特性を簡単に変更できない。
いては、超音波探触子13に印加されるチャープ信号波
形は、図13(b)に示すようにパルス幅TW 一杯に同
一振幅Aを有する矩形波であるので、パルス圧縮された
エコー信号に大きなサイドローブが発生する。すなわ
ち、音響インピーダンスが大きな被検体に超音波を入射
させる場合において、超音波非破壊検査に特有な音響イ
ンピーダンス差により表面反射波と被検体内部での反射
波とのダイナミックレンジが大きくなり表面反射波のサ
イドローブが問題になる。
般の非破壊検査に用いると、検査対象が、S/Nの悪い
材料の場合には、遅延線と乗算器を用いた相関装置(直
交検波器)であるため、周波数帯域の制約があり、材料
評価などの広範囲な周波数帯域が最適帯域を選択する必
要とする試験に適用できない。
ものであり、たとえ被検体の材質が種々に変化したとし
ても、優れたパルス圧縮機能を維持したままで、常に高
いSN比,高い分解能が得られる超音波送受信装置を提
供することを目的とする。
に本発明は、パルス幅内において周波数が変化する波形
を有する送信パルス信号を被検体に対向する超音波探触
子に印加し、この超音波探触子から出力されるエコー信
号を参照パルス信号を用いてパルス圧縮して表示出力す
る超音波送受信装置において、超音波探触子に印加する
送信パルス信号におけるパルス幅,周波数変化率,振幅
変化率等の波形パラメータを外部から指定可能とし、パ
ルス圧縮するための参照パルス信号を前記指定された波
形パラメータに対応した波形を有する参照パルス信号と
し、かつ、被検体における計測対象位置の距離に応じて
送信パルス信号のパルス幅を設定している。
おいて周波数が変化する波形を有する送信パルス信号を
被検体に対向する超音波探触子に印加し、この超音波探
触子から出力されるエコー信号を参照パルス信号を用い
てパルス圧縮して表示出力する超音波送受信装置におい
て、超音波探触子に印加する送信パルス信号におけるパ
ルス幅,周波数変化率,振幅変化率等の波形パラメータ
を外部から指定可能とし、パルス圧縮するための参照パ
ルス信号を指定された波形パラメータに対応した波形を
有する参照パルス信号とし、かつ、送信パルス信号の周
波数帯域を超音波探触子の周波数帯域にほぼ等しく設定
している。
受信装置において、被検体における計測対象位置の距離
に応じて送信パルス信号のパルス幅を設定し、さらに、
送信パルス信号の周波数帯域を超音波探触子の周波数帯
域にほぼ等しく設定したものである。
ては、超音波探触子に送出する送信パルス信号として、
パルス幅において周波数が変化するFM信号が採用され
ている。さらにそのFM信号の周波数変化率、振幅等の
波形パラメータをパルス幅内(FM信号内)で任意に変
更可能にしている。また、パルス圧縮に使用する参照パ
ルス信号もFM信号の波形パラメータ又はエコー信号波
形の変化に応じて任意に変更可能である。したがって、
良好なパルス圧縮が行われる。さらに、被検体における
計測対象位置の距離に応じて送信パルス信号のパルス幅
を設定している。すなわち、計測対象位置の距離が大き
くなればなるほど送信パルス信号のパルス幅が広くな
る。 例えば、探傷の際、浅い欠陥はSN比が良いのでパ
ルス幅を短くして、欠陥エコーが発信パルスや表面反射
エコーに起因する不感帯に隠れないようにできる。逆
に、深い欠陥はSNが低いが、不感帯が広くてもかまわ
ないのでパルス幅を長くする。このように設定すること
により、たとえ検査対象位置の深さが変化しても常に最
良のSN比を維持できる。さらに、送信パルス信号の周
波数帯域を超音波探触子の周波数帯域にほぼ等しく設定
している。 すなわち、パルス信号の周波数帯域が狭いと
パルス圧縮後の圧縮パルスのパルス幅が長くなって時間
分解能が劣化する。一方、超音波探触子の周波数帯域に
比較してパルス信号の周波数帯域が広いと、送信パワー
をロスする。パルス信号の周波数帯域を超音波探触子の
周波数帯域と同じかわずかに広く設定することで、パワ
ーのロスがなく、時間分解能の高い圧縮パルスが得られ
る。
る。図1は実施例の超音波送受信装置の概略構成を示す
ブロック図である。FM信号作成部21はパラメータ設
定部22から設定された波形パラメータに基づいてFM
信号を作成してFM信号送信部23へ送出する。FM信
号送信部23は同期発生部25からの同期信号に同期し
てFM信号を送信パルス信号として超音波探触子26へ
送信する。超音波探触子26は内部に超音波振動子を収
納しており、入力したFM信号に対応する超音波パルス
を被検体27へ入射する。また、超音波探触子26は入
射した超音波パルスの反射波を受波して、電気信号に変
換してエコー信号として次のパルス圧縮部28及び参照
信号作成部24へ送出する。
形パラメータ又は超音波探触子26からのエコー信号に
対応した任意の参照信号を作成してパルス圧縮部28へ
送出する。パルス圧縮部28はエコー信号と参照信号と
の間の相関処理を行うことによってエコー信号をパルス
圧縮して例えばCRT等で構成された表示部29へ送出
する。表示部29はパルス圧縮されたエコー信号を表示
する。
的回路図である。なお、図1におけるFM信号作成部2
1,パラメータ設定部22,参照信号作成部24,FM
信号送信部23は、パーソナルコンピュータ30におけ
るソフト手法で実現している。
0から出力されたデジタルの送信パルス信号b3 はD/
A変換器31でアナログの送信パルス信号b4 に変換さ
れて増幅器32で増幅された後、超音波探触子26へ送
出される。超音波探触子26から出力されたエコー信号
d1 は増幅器33で増幅された後、A/D変換器34で
デジタルのエコー信号d2 に変換されてパルス圧縮部と
してのFIRフィルタ35とパーソナルコンピータ30
内の参照信号作成部24へ入力される。
ュータ30から出力されたデジタルの参照パルス信号波
形eとA/D変換器34から入力されたデジタルのエコ
ー信号d2 の信号波形との間における各デジタル値どう
しの積和演算処理を行って両方の波形どうしの相互相関
波形を演算して、この相互相関波形をパルス圧縮された
デジタルのエコー信号d3 として出力する。CRT表示
器29aはこのパルス圧縮されたエコー信号d3 を表示
する。
各機能を示す機能ブロック図である。このパーソナルコ
ンピュータ30内には、操作部36a,パラメータメモ
リ37,FM波形作成部21a,参照信号作成部24
a,FM波形メモリ38a,参照波形メモリ38b,F
M信号送信部23,参照波形出力部24b,同期発生部
25,時計回路39の機能が収納されている。
るパラメータ設定部22に対応する操作部36aから、
操作者が被検体27の材質や形状に応じて、図5に示す
送信パルス信号b3 の波形を特定する複数の波形パラメ
ータが入力されて、次のパラメータメモリ37へ入力さ
れる。
送信パルス信号b3 における周波数範囲BW の下端周波
数F1 と上端周波数F2 を記憶する領域37a、振幅A
(振幅が変換する場合は最大振幅A2 )を記憶する領域
37b、送信パルス周期T0を記憶する領域37c、送
信パルス幅TW を記憶する領域37d,周波数変化率d
F/dtを記憶する領域37e、振幅変化率dA/dt
(振幅一定の場合=0)を記憶する領域37fが形成さ
れている。
されている周波数変化率dF/dt及び振幅変化率dA
/dtは、図5(b),(c)に示したように、一定値
(定数)である場合と、前述した図13(b),(c)
に示すように、時間経過に伴って変化する場合も含まれ
る。すなわち、周波数変化率dF/dt及び振幅変化率
dA/dtは時間tの関数f(t) で示される場合も含
む。
リ37の各領域37a〜37fに記憶されている各波形
パラメータに基づいて図5に示すデジタルのFM信号波
形からなる送信パルス信号波形を作成する。作成された
送信パルス信号波形(FM信号波形)はFM波形メモリ
38aへ一旦格納される。
リ37の各領域37a〜37fに記憶されている各波形
パラメータ又はエコー信号d2 に対応した任意の参照波
形を作成する。作成された参照波形は参照波形メモリ3
8bへ一旦格納される。
37の領域37cのパルス周期T0に基づいて時計回路
39のクロック信号ckを用いて、パルス周期T0 の同
期信号gをFM信号送信部23及び参照波形出力部24
aへ送出する。
すると、時計回路39のクロック信号ckに同期してF
M波形メモリ38aに記憶されている送信パルス信号波
形(FM信号波形)を読出して、次のD/A変換器32
へ送出する。時計回路39からFM信号送信部23へ入
力されるクロック信号ckの周波数は、送信パルス信号
b3 の例えば1〜20MHz程度の周波数(F1 ,F2 )
に比較して十分高い値である。
gを受領すると、時計回路39のクロック信号ckに同
期して参照波形メモリ38bに記憶されている参照波形
を読出して、参照波形eとして次のFIRフィルタ35
へ送出する。
35は、例えば図4に示すように、クロック信号ckの
周波数(fR )で動作する、128個の乗算器35a
と,128個の加算器35bと、128個の遅延器35
cとで構成されている。
ク信号ckに同期して出力される参照波形eの各データ
値C1 〜C128 が前記各乗算器35aに入力される。一
方、入力端子35dには、クロック信号ckに同期して
A/D変換器34から出力されるデジタルのエコー信号
d2 の各データ値xが入力される。
kの周期Tに相当する時間の遅延を行う。したがって、
このFIRフィルタ35は、入力端子35dに順次入力
されるエコー信号d2 の各データx(kT1 )及び参照
波形eの各データCi に対して次式で示される積和演算
を実施して、出力データy(kT1 )を得る。
関演算を実施していることに外ならない。また、エコー
信号d2 の波形及び参照波形はFM信号波形を有するの
で、出力端子35eから出力される出力データy(kT
1 )は、入力したエコー信号d2 をパルス圧縮したエコ
ー信号d3 となる。
信号d3 がCRT表示器29aに表示される。ここで、
パルス圧縮に用いられる参照波形として送信パルス信号
波形とエコー信号波形を用いる場合の一例を説明する。
音波探触子26と被検体27との送受信系でのインパル
ス応答rのフーリエ変換をRとしたとき、参照波として
次式を用いる。
ス圧縮は次式で示すことができる。
を除外した送信パルス信号の自己相関波形のみが得られ
ることが理解できる。
おいては、操作者は被検体27の材質,寸法等に応じ
て、該当被検体27に印加する最適の超音波パルスの波
形を操作部36aから周波数(F1 ,F2 )、振幅A
1 ,パルス周期T0 ,送信パルス幅TW ,周波数変化率
dF/dt,振幅変化率dA/dt等の各波形パラメー
タを指定することによって得ることが可能である。
願装置の特徴を説明する。図6(a),(b)は、同一
の被検体27を用いて、それぞれ公称振動周波数F0 が
2MHzである振動子が組込まれた超音波探触子(探触子
A)と、公称振動周波数F0 が5MHzである振動子が組
込まれた超音波探触子(探触子B)とを用いて、水浸法
による超音波探傷試験を実施した場合におけるパルス圧
縮後の各エコー信号d3 の信号波形図である。なお、送
信パルス信号としてはFM信号波形を用い、その中心周
波数F0 は2MHz及び5MHzに設定している。なお、図
中Sは表面エコー、Fは欠陥部での反射エコーである。
は図6(b)に示すエコー信号d3のS/Nより高いこ
とが理解できる。したがって、被検体27の材質に応じ
て簡単に最適な送信中心周波数F0 を選択することが可
能となった。
周波数Fを変更する場合には、パルス圧縮装置全体を交
換する必要があった。次に、周波数帯域BW ,送信パル
ス幅TW 及び振幅Aを変更した場合における効果を図7
(a),(b)を用いて説明する。
により送信パルス信号の周波数帯域BW が制限されると
いう問題がある。このため超音波探触子26の周波数帯
域に合わない周波数成分を持つ送信パルス信号は超音波
探触子26において帯域制限を受ける。その結果、送信
パワーをロスしたり、受信波形の崩れによりパルス圧縮
波形のサイドローブが大きくなったり、パルス幅が長く
なったりする。したがって送信パルス信号(FM信号)
の周波数帯域BW を超音波探触子26の周波数帯域に合
わせる必要がある。
音波探触子26に対するFM信号波の周波数帯域を制御
した例である。図7(a)で示すFM信号波においては
周波数Fを2〜8MHzの範囲で非線形に変化させ、送
信パルス幅TW =5μsで振幅Aを変化させた条件にお
ける受信パワーであり、図7(b)は周波数Fを0〜
3.5MHzの範囲で線形に変化させ、送信パルス幅T
W =3μsで振幅Aを変化させた条件における受信パワ
ーを示す。
探触子26、破線は送信パルス信号(FM信号)の各周
波数スペクトルを示す。図7から理解できるように送信
パルス信号(FM信号)の周波数Fを非線形に変化させ
たり、振幅Aを送信パルス幅TW 内で変化させることに
より、超音波探触子26の周波数帯域に合わせた送信パ
ルス信号(FM信号)を送信することが可能になり、超
音波探触子26による送信パルス信号(FM信号)の周
波数成分損失を最小限に抑制できる。
ルス信号(FM信号)の送信パルス幅TW を最適値に選
択する例を図8を用いて説明する。図8(a)(b)
(c)は板厚dがそれぞれ異なる被検体27としての鋼
板のエコー信号をパルス圧縮処理したのちの波形であ
る。鋼板の板厚dは図8(a)が3mm、(b)が6m
m、(c)が9mmである。測定に用いた超音波探触子
26の公称周波数F0 は10MHzである。送信パルス
信号(FM信号)の周波数変化範囲(F1 〜F2 )は2
〜18MHzであり、周波数変化率dF/dtは一定であ
り、振幅変化率dA/dtを変化させている。すなわ
ち、線形で周波数変化させたものである。パルス幅TW
はそれぞれ異なり(a)が0.5μs、(b)が1.0
μs、(c)が1.5μsである。図8(a)、
(b)、(c)においてTは発信パルス、Sは表面反射
エコー、B1は底面反射エコーである。アンプゲインは
すべて同一条件で測定している。
Sエコーが重なるためSおよびB1エコーより信号強度
が大きいTパルス部が不感帯となる問題がある。一方、
パルス圧縮された後のエコー信号波形のS/Nは送信パ
ルス信号(FM信号)のパルス幅TW の平方根に比例す
る。
の減衰が小さく、不感帯を短くしなければならないため
送信パルス信号(FM信号)の送信パルス幅TW を短く
している。一方、表面から遠くを探傷するときは減衰が
大きく、不感帯を長くできるので前記パルス幅TW を長
くしている。
すると、Tパルスのサイドローブが大きくなっている
が、これはリミッターより飽和したTパルスをパルス圧
縮したためであり、Tパルスのサイドロープまでが不感
帯である。不感帯とB1エコーは重ならずかつB1エコ
ーのSN比はエコー深さによって変っていない。このよ
うに、直接接触法で探傷する場合には探傷深さに応じて
送信パルス信号(FM信号)のパルス幅TW を最適な長
さに設定することが可能となる。
の種類によりパルス圧縮した後における各エコー信号d
3 に生じるサイドローブをシミュレーションした場合の
比較結果を図9及び図10に示す。
号(FM信号)における、中心周波数F0 =5MHz、
周波数範囲BW =6MHz、送信パルス幅TW =2μs
である。
ス信号(FM信号)は次の特徴を有する。 (a)…周波数変化率dF/dt=一定、振幅A=一定
(チャープ波) (b)…(a)の波形を矩形波に変形 (c)…周波数変化率dF/dt=一定、振幅A=変化 (d)…周波数変化率dF/dt=変化、振幅A=変化 そして、図9の(a)〜(d)の各送信パルス信号(F
M信号)の自己相関波形をシミュレーション演算にて求
めると、それそれ図10の各(a)〜(d)のパルス圧
縮された各信号波形となる。
/dtには一例としてハニング窓関数を用いている。演
算結果によると、図10の自己相関波形(a),
(b),(c),(d)においてメインローブ(波形中
心部の振幅が大きい部分)とサイドローブ(メインロー
ブより外側部分)との間の各S/N(振幅比)は、それ
ぞれ22,22,37.6,37.2dBである。
送信パルス信号(FM信号)における周波数Fや振幅A
の各変化率dF/dt,dA/dt等を適宜調整し、か
つ適宜組合わせることによって、図13(b)に示す周
波数変化率dF/dtが一定であるチャープ信号波形の
みの場合に比較して、パルス圧縮後のエコー信号波形に
おけるサイドローブを圧縮することが可能である。
信装置によれば、被検体に対向した超音波探触子に送信
する送信パルス信号の波形を特定する周波数変化率や振
幅変化率及びパルス幅等の波形パラメータを操作者が必
要に応じて、任意に設定変更可能としている。
送信パルス信号(FM信号)波および振幅を変化させた
FM信号波によるパルス圧縮が可能となるため、サイド
ローブが問題となる超音波計測にパルス圧縮の適用が可
能となり、伝送途中で加わったノイズを低減でき、超音
波を用いた測定精度が向上する。
合わせて表示を見ながら送信波および参照波の最適条件
を調節できるため操作が容易であり、さらにパラメータ
メモリに各検査対象毎に波形パラメータを記憶保持して
おけば測定対象の段替え時に切換操作により、簡単に最
適試験条件が自動設定される。具体的には、被検体にお
ける計測対象位置の距離に応じて送信パルス信号のパル
ス幅を設定し、さらに、送信パルス信号の周波数帯域を
超音波探触子の周波数帯域にほぼ等しく設定している。
難しい測定の最適化が容易となる。また、高SN比、高
分解能のエコー信号波形が得られるため、高ノイズ環境
下での計測、微小欠陥検出、厚さ計測等、SN比、分解
能が問題となる超音波計測に適用できる。
の概略構成を示すブロック図
ロック図
構成図
を示す図
する超音波探触子を用いた場合におけける各エコー信号
波形図
入力信号とエコー信号との間の周波数特性比較図
エコー信号波形図
号波形図
ック図
Claims (3)
- 【請求項1】 パルス幅内において周波数が変化する波
形を有する送信パルス信号を被検体に対向する超音波探
触子に印加し、この超音波探触子から出力されるエコー
信号を参照パルス信号を用いてパルス圧縮して表示出力
する超音波送受信装置において、 前記超音波探触子に印加する送信パルス信号におけるパ
ルス幅,周波数変化率,振幅変化率等の波形パラメータ
を外部から指定可能とし、前記パルス圧縮するための参
照パルス信号を前記指定された波形パラメータに対応し
た波形を有する参照パルス信号とし、かつ、前記被検体
における計測対象位置の距離に応じて前記送信パルス信
号のパルス幅を設定したことを特徴とする超音波送受信
装置。 - 【請求項2】 パルス幅内において周波数が変化する波
形を有する送信パルス信号を被検体に対向する超音波探
触子に印加し、この超音波探触子から出力されるエコー
信号を参照パルス信号を用いてパルス圧縮して表示出力
する超音波送受信装置において、 前記超音波探触子に印加する送信パルス信号におけるパ
ルス幅,周波数変化率,振幅変化率等の波形パラメータ
を外部から指定可能とし、前記パルス圧縮するための参
照パルス信号を前記指定された波形パラメータに対応し
た波形を有する参照パルス信号とし、かつ、前記送信パ
ルス信号の周波数帯域を前記超音波探触子の周波数帯域
にほぼ等しく設定したことを特徴とする超音波送受信装
置。 - 【請求項3】 パルス幅内において周波数が変化する波
形を有する送信パルス信号を被検体に対向する超音波探
触子に印加し、この超音波探触子から出力されるエコー
信号を参照パルス信号を用いてパルス圧縮して表示出力
する超音波送受信装置において、 前記超音波探触子に印加する送信パルス信号におけるパ
ルス幅,周波数変化率,振幅変化率等の波形パラメータ
を外部から指定可能とし、前記パルス圧縮するための参
照パルス信号を前記指定された波形パラメータに対応し
た波形を有する参照パルス信号とし、かつ、前記被検体
における計測対象位置の距離に応じて前記送信パルス信
号のパルス幅を設定し、さらに、前記送信パルス信号の
周波数帯域を前記超音波探触子の周波数帯域にほぼ等し
く設定したことを特徴とする超音波送受信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5313510A JP3022108B2 (ja) | 1993-12-14 | 1993-12-14 | 超音波送受信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5313510A JP3022108B2 (ja) | 1993-12-14 | 1993-12-14 | 超音波送受信装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07167844A JPH07167844A (ja) | 1995-07-04 |
JP3022108B2 true JP3022108B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=18042186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5313510A Expired - Fee Related JP3022108B2 (ja) | 1993-12-14 | 1993-12-14 | 超音波送受信装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3022108B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009004829A1 (ja) * | 2007-06-29 | 2009-01-08 | Hiroshima Prefecture | 構造物の非破壊診断方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3008439B1 (en) * | 2013-06-12 | 2017-08-09 | Atlas Copco Industrial Technique AB | A method of measuring elongation of a fastener with ultrasound, performed by a power tool, and a power tool |
JP6223864B2 (ja) * | 2014-02-28 | 2017-11-01 | 三菱重工業株式会社 | 超音波探傷方法 |
-
1993
- 1993-12-14 JP JP5313510A patent/JP3022108B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2009004829A1 (ja) * | 2007-06-29 | 2009-01-08 | Hiroshima Prefecture | 構造物の非破壊診断方法 |
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JPH07167844A (ja) | 1995-07-04 |
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