JPH1194188A - 真空断熱体、真空断熱管及び真空断熱熱輸送配管 - Google Patents

真空断熱体、真空断熱管及び真空断熱熱輸送配管

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JPH1194188A
JPH1194188A JP9273468A JP27346897A JPH1194188A JP H1194188 A JPH1194188 A JP H1194188A JP 9273468 A JP9273468 A JP 9273468A JP 27346897 A JP27346897 A JP 27346897A JP H1194188 A JPH1194188 A JP H1194188A
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JP
Japan
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vacuum
vacuum heat
pipe
heat
shaped
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JP9273468A
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English (en)
Inventor
Akira Kosuge
明良 小菅
Fumiaki Aono
文昭 青野
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Benkan Corp
Original Assignee
Benkan Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 超低温流体から高温流体まで輸送する真空断
熱熱輸送配管において、配管表面での侵入熱量又は放出
熱量を大幅に低減できるように真空度を高く維持でき、
しかも接続部で過大な熱損失が生じないようにする。 【解決手段】 内筒と外筒の間に、ゲッター材,輻射断
熱材が充填され、内筒の両端と外筒の両端とが夫々凹型
又は凸型の環状端板にて結合されて、内,外筒間が封塞
され、その内部が真空断熱層になされている真空断熱体
10が、内管11の外周部に断熱接着材13を介して複
数本嵌装接続の上接着され、この複数本の真空断熱体の
外周部にスペーサーを有する空気層を介して外管18が
嵌装保持されて真空断熱管が構成され、この真空断熱管
の内管同士が順次溶接接続され、この各接続部の外周部
に二分割真空断熱体が嵌装されて各真空断熱管における
真空断熱体が断熱接着材を介して凹凸嵌合により接続さ
れてなる真空断熱熱輸送配管40。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地域冷暖房用配
管、高温水,蒸気用配管、給湯設備配管、超低温流体配
管など、超低温流体から高温流体まで輸送するために用
いられる真空断熱体、真空断熱管及び真空断熱熱輸送配
管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内管の外周部に真空空間を介して外管を
設けた真空断熱配管は、他の断熱材を施した保温保冷配
管と比較して断熱性能が優れるという特徴を持ってい
る。しかし、高価であるため、付加価値の高い液体ヘリ
ウム、液体水素等の超低温用流体の移送用配管として用
いられている。また、移送液体の温度が高くなると、真
空層内の放出ガス速度が速くなり、断熱寿命の早期低下
を招くため、超低温流体の移送配管の分野と同様の方法
では真空断熱層の真空度を維持することは困難である。
さらに、内管と外管の温度差による熱伸縮を吸収するベ
ローズ等を配管毎に、内管又は外管に設けるため、断熱
管のコスト高の要因となっている。また、真空断熱配管
は、構造上そのどこかで真空空間を仕切るため、これら
仕切り部、例えば真空断熱管の溶接接続部やフランジ接
続部、バルブ等の接続部において、過大な熱損失が生じ
るため、熱輸送配管には使用されていない。
【0003】上記の問題点を含め、配管の断熱性能を向
上させる種々の方法が提案されている。真空断熱配管の
内管と外管の温度差による熱伸縮吸収構造として、例え
ば特開平7−127789号公報では、内筒に拡管部を
形成し、拡管部の外周面に、ベローズを設けた外筒の内
周面を直接接合した真空断熱管が提案されている。ま
た、特開平3−20190号公報では、内筒とその外周
に適当間隔に気密に固着したキャップと、そのキャップ
間に内筒より薄肉の外筒を気密に固着して外筒内を真空
となし、外筒にコルゲート部を形成した真空断熱管が提
案されている。これらはいずれも熱伸縮吸収用のベロー
ズやコルゲートを設けた外管を内管に装着したものであ
るから、真空層壁面のベローズやコルゲートの部分が真
空排気の抵抗や残留ガスの付着部となり、真空排気時間
が長くなるという問題がある。
【0004】真空断熱管の真空空間の仕切り部のヒート
ブリッジや断熱管の接続部からの熱損失を低減するため
の真空断熱管接続部の真空断熱接続構造として、例えば
特開昭60−192198号公報では、オス側内管とメ
ス側外管とを先端金具およびカバーで接続しフランジを
取付けたオス側バイオネットと、メス側内管とメス側外
管とをカラーおよびフランジで接続したメス側バイオネ
ットとのスキマに高分子材料よりなる充填材を装着した
バイオネット継手が提案されている。しかし、このバイ
オネット継手は、その構造上採用され得る配管口径に制
約があり、一般的に内径が60mmを超える場合は採用
できず、また、オス、メス差込み長さ分だけ内管,外管
を管軸方向に移動させなければ脱着できない。また実公
平7−40791号公報では、外管を内管よりも短く設
定し、内管の端面を突き合わせ溶接した2個の真空断熱
配管の外管の外周面に、円筒状の固定部を外嵌して真空
断熱配管同士を継合し、内管と外管と継手本体の固定部
とで形成される空隙部に多孔性の断熱材を充填し、この
断熱材の空隙部を排気により真空状態にし、前記固定部
の外周側に外周殻部を設け、固定部と外周殻部との間の
空間部を真空にして、断熱効果を高めた真空断熱配管継
手構造が提案されている。しかし、この真空断熱配管継
手構造は、外管と固定部のシールに、弾性シール材を2
つの半円状のクランプで締め付け固定しているため、シ
ール材の劣化やクランプのゆるみによる断熱性能の急激
な低下や、配管接続後のシール部を真空排気により真空
化するのに長時間要する。しかも、継手構造全体が複雑
で、製作が面倒で且つコスト高となっており、その上内
径60mmを超えるサイズの真空断熱管の現地での接続
は不可能である。
【0005】また、真空層壁面に付着したガス分子の脱
離速度は温度に律速するため、上記従来の真空断熱配管
のように長いものでは、加熱・真空排気の製造過程にお
いて、ドーナツ状の長い真空層壁面温度にばらつきが生
じ、また、真空層中に装着した輻射断熱材が真空排気の
抵抗となり、また、ドーナツ状の真空層の断面積が小さ
いため、大きなコンダクタンスが得られず、十分な真空
排気を行うためには長い時間を必要とし、生産性におい
て問題をかかえていた。また、以上のような問題点から
十分な脱ガス処理が困難なため、経時変化に伴い真空層
内材料から多くのガスが放出され、断熱性能の長期維持
が困難あるという問題が生じる。従って、4m、5.5
mの定尺管を内管とする真空断熱管は、その真空化、真
空度維持が困難で、製作できないでいる。
【0006】さらに、真空断熱層の真空度維持技術とし
て、真空断熱層中にゲッター材を充填することにより、
真空断熱層内の真空度を維持して断熱性能の低下を防止
する真空断熱層が多々提案されているが、ゲッター材の
表面及び内部に吸着もしくは吸収できるガス分子の量に
限界があるため、十分な脱ガス処理が行われていないよ
うな上記真空層内では、その効果を長期に維持すること
は困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
真空断熱管の問題を無くし、超低温流体から高温流体ま
で輸送するにおいて、配管表面での侵入熱量又は放出熱
量を大幅に低減できるように真空度を高く維持でき、し
かも接続部で過大な熱損失が生じないようにするため
に、真空断熱体、それを備えた真空断熱管及びその真空
断熱管を組み合せ接続した真空断熱熱輸送配管を提供し
ようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に用いられる本発明の真空断熱体は、内筒と外筒の間
に、ゲッター材,輻射断熱材が充填され、内筒の両端と
外筒の両端とが夫々凹型又は凸型の環状端板にて結合さ
れて、内,外筒間が封塞され、その内部が真空断熱層に
なされていることを特徴とするものである。
【0009】本発明の二分割真空断熱体は、前記真空断
熱体が短尺になされ、内筒と外筒の中間にベローズが設
けられ、軸中心線を通る面で二分割され、その二分割面
が両端部を互いに凹凸形状の接続面となるようになし且
つ中間にベローズを備えた帯状端板にて封塞され、各々
の内部が真空断熱層になされていることを特徴とするも
のである。
【0010】本発明の真空断熱管は、前記の真空断熱体
が、内管の外周部に断熱接着材を介して複数本嵌装接続
の上接着され、この複数本の真空断熱体の外周部にスペ
ーサーを有する空気層を介して外管が嵌装保持されてい
ることを特徴とするものである。
【0011】本発明の継手用真空断熱管は、前記の真空
断熱体がL形又はT形に形成され、且つ軸中心線を通る
面で二分割されて、L形又はT形の継手用内管の外周部
に断熱接着材を介して嵌装接着され、且つ分割面も断熱
接着材にて接着され、このL形又はT形の二分割真空断
熱体の外周部にスペーサーを有する空気層を介して軸中
心線を通る面で二分割のL形又はT形の継手用外管が嵌
装され、分割端が溶接接続されていることを特徴とする
ものである。
【0012】本発明の真空断熱熱輸送配管の1つは、前
記の真空断熱管の内管同士が順次溶接接続され、この各
接続部の外周部に前記の二分割真空断熱体が嵌装されて
各真空断熱管における真空断熱体が断熱接着材を介して
凹凸嵌合により接続され、且つ各二分割真空断熱体の分
割面のベローズを除く部分が断熱接着材にて接着され、
各接続部の二分割真空断熱体の外周部で各真空断熱管の
外管同士の間に二分割の短管が嵌装の上溶接接続される
と共に分割端が溶接接続されてなることを特徴とするも
のである。
【0013】本発明の真空断熱熱輸送配管の他の1つ
は、前記の真空断熱管複数本と、前記の継手用真空断熱
管複数本とが適宜配設されてそれらの内管同士が順次溶
接接続され、この各接続部の外周部に前記の二分割真空
断熱体が嵌装されて各真空断熱管,継手用真空断熱管に
おける真空断熱体が断熱接着材を介して凹凸嵌合により
接続され、且つ各二分割真空断熱体の分割面のベローズ
を除く部分が断熱接着材にて接着され、各接続部の二分
割真空断熱体の外周部で各真空断熱管の外管同士の間に
二分割の短管が嵌装の上溶接接続されると共に分割端が
溶接接続されてなることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の真空断熱体、真空断熱管
及び真空断熱熱輸送配管の実施形態を説明する。先ず、
真空断熱体の実施形態を図1のa,bによって説明する
と、1は円形の内筒、2は円形の外筒で、薄肉のステン
レス鋼より成る。この内筒1と外筒2との間に、内筒1
側よりゲッター材3,輻射断熱材4としてパーライト粉
末や中空ガラス球微粉末が充填(又は薄膜シート状の輻
射断熱材が積層)され、内筒1の両端と外筒2の両端は
同じ材質の断面凹型の環状端板6が溶接結合されて、内
筒1と外筒2との間が封塞され、その内部が真空に保た
れて真空断熱層になされている。このように構成された
円筒状の真空断熱体7における真空断熱層の圧力は10
Pa〜10-4Paであり、ゲッター材3は真空断熱層内
に経時的に放出されてくるCO,CO2 ,O2 ,H2
及びH2 等のガス分子を吸着又は吸収するものである。
この真空断熱体7は、両端の環状端板6が断面凹型であ
るが、断面凸型のものもあり、接続する際、交互に配さ
れて凹凸嵌合により接続される。
【0015】次に二分割真空断熱体の実施形態を図2の
a,bによって説明すると、1′は短尺の円形の内筒、
2′は、短尺の円形の外筒で、各々中間にベローズ1′
a,2′aが設けられ、薄肉のステンレス鋼より成る。
この内筒1′と外筒2′との間に、前記真空断熱体7と
同様に内筒1′側よりゲッター材3,輻射断熱材4′と
してプラスチックフィルムにアルミニウムを蒸着した薄
膜シートが積層され、内筒1′の両端と外筒2′の両端
は同じ材質の断面凸型の環状端板6′が溶接接合され
て、内筒1′と外筒2′との間が封塞されている。そし
て軸中心線を通る面で二分割されて各々半円筒状になさ
れ、その二分割面が両端部を図2のbに示されるように
凹凸形状の接続面となるようになし且つ中間にベローズ
を備えた断面凹型の帯状端板8,同じく中間にベローズ
を備えた断面凸型の帯状端板9にて封塞されて、各々の
内部が真空に保たれて真空断熱層になされている。この
ように構成された二分割真空断熱体10の両端は凸型の
接続面となっているが、これは前記真空断熱体7の両端
の凹型の接続面に対応するためで、前記真空断熱体7の
両端が凸型の接続面となっている場合は、二分割真空断
熱体10の両端は凹型の接続面になされる。
【0016】上記真空断熱体7及び二分割真空断熱体1
0は、内筒,外筒,環状薄片,帯状薄片等の外被が、薄
肉ステンレス鋼よりなるが、薄肉炭素鋼,薄肉アルミニ
ウム,プラスチック等で構成してもよいものである。
【0017】次に上記真空断熱体7を用いた本発明の真
空断熱管の実施形態を図3,図4によって説明すると、
ステンレス鋼の内管11の外周部に、断熱接着材12と
してシールセメントが塗布されて、接続面が凹型の2本
の真空断熱体7と接続面が凸型の1本の真空断熱体7が
交互に嵌装され、真空断熱体7の凹型の接続面と凸型の
接続面との間に断熱接着材13としてシールセメントを
介在して凹凸嵌合により順次接合されて内管11より短
く形成されている。そして3本の真空断熱体7の外周部
にスペーサー16にて空気層17が形成されて外管18
が嵌装保持され、真空断熱管19が構成されている。
【0018】本発明の継手用真空断熱管の実施形態の1
つを図5のa,bによって説明すると、L形に形成され
た継手用内管20の外周部に、断熱接着材21としてシ
ールセメントが塗布されて、前記図1のa,bに示す真
空断熱体7をL形に形成した上、軸中心線を通る面で二
分割して形成した二分割真空断熱体22が嵌装接着さ
れ、且つその分割面も断熱接着材にて接着され、このL
形の二分割真空断熱体22の外周部にスペーサー24に
て空気層25が形成されて軸中心線を通る面で二分割の
L形の継手用外管26が嵌装され、分割端が溶接接続さ
れて、L形の継手用真空断熱管27が構成されている。
【0019】本発明の継手用真空断熱管の実施形態の他
の1つを図6のa,bによって説明すると、T形に形成
された継手用内管28の外周部に、断熱接着材29とし
てシールセメントが塗布されて、前記図1のa,bに示
す真空断熱体7をT形に形成した上、軸中心線を通る面
で二分割して形成した二分割真空断熱体30が嵌装接着
され、且つその分割面も断熱接着材にて接着され、この
T形の二分割真空断熱体30の外周部にスペーサー32
にて空気層33が形成されて軸中心線を通る面で二分割
のT形の継手用外管34が嵌装され、分割端が溶接接続
されて、T形の継手用真空断熱管35が構成されてい
る。
【0020】本発明の真空断熱熱輸送配管の1つの実施
形態を図7,図8によって説明すると、前述の図3,図
4に示す真空断熱管19の内管11同士が順次溶接接続
され、この各接続部の外周側に、図2のa,bに示され
る二分割真空断熱体10が嵌装されて、この各二分割真
空断熱体10と各真空断熱管19における両端の真空断
熱体7とが断熱接着材13であるシールセメントを介し
て凹凸嵌合により接続され、且つ各二分割真空体10の
分割面のベローズを除く部分が断熱接着材にて接着さ
れ、各真空断熱管19の外管18同士の間に二分割の短
管39が嵌装されて、その両端が外管18に溶接接続さ
れ、且つ短管39の分割端が溶接接続されて、直管の真
空断熱熱輸送配管40が構成されている。
【0021】本発明の真空断熱熱輸送配管の他の1つの
実施形態を図9,図10によって説明すると、前述の図
3,図4に示す真空断熱管19を複数本と、前述の図5
のa,bに示すL形の継手用真空断熱管27と、図6の
a,bに示すT形の継手用真空断熱管35の複数本とが
適宜配設されて、それらの内管11,L形の継手用内管
20,T形の継手用内管28同士が図10に示すように
溶接接続され、この各接続部の外周側に、図2のa,b
に示される二分割真空断熱体10が嵌装されて、各真空
断熱管19,27,35の真空断熱体7,L形の二分割
真空断熱体22,T形の二分割真空断熱体30が断熱接
着材13であるシールセメントを介して凹凸嵌合により
接続され、且つ各二分割真空体10の分割面のベローズ
を除く部分が断熱接着材にて接着され、各真空断熱管1
9,27,35の間に二分割の短管39が嵌装されて、
その両端が外管18,L形の継手用外管26,T形の継
手用外管34に溶接接続され、且つ短管39の分割端が
溶接接続されて、適宜に屈曲分岐した真空断熱熱輸送配
管40′が構成されている。
【0022】前述の図1のa,bに示す本発明の真空断
熱体7及び図2のa,bに示す本発明の二分割真空断熱
体10及び図5のa,bに示されるL形の二分割真空断
熱体22,図6のa,bに示されるT形の二分割真空断
熱体30は、外管18及びL形の継手用外管26,T形
の継手用外管34に保護され、外圧が直接かからないた
め薄肉でもかまわない。そのため真空化における加熱真
空排気時間、加熱エネルギーが抑えられ、製造コスト、
真空断熱層内の放出ガスが低減される。しかも環状端板
6は凹型又は凸型になされているので、熱伝導パス部の
断面積が小さくなり、伝熱距離が長くなり、この部分か
らの熱伝導を抑制できる。さらに、真空断熱層内のゲッ
ター材3が、経時変化による真空断熱層内の放出ガスを
吸収するので、長時間断熱性能を維持できる。
【0023】また、図3、図4に示す本発明の真空断熱
管19は、前記の真空断熱体7を内管11の外周部に断
熱接着材12を介在して3本嵌装し、軸方向で接続用の
環状端板6を断熱接着材13を介在して凹凸嵌合により
接合し、これら真空断熱体7の外周側にスペーサー16
にて空気層17を形成して外管18が嵌装されているの
で、熱伝導的に内管11と外管18が縁切りされ、内管
11から外管18へ伝導される熱損失が低減される。し
かも内管11の外周部の真空断熱体7、外管18が機械
的に接続されていないので、内管11と外管18の温度
差による熱伸縮吸収用のベローズやコルゲート等が不要
で、真空断熱管の外形状がシンプルなものとなる。さら
に内管11、真空断熱体7の各接続部は、断熱接着材1
3で接続間に空気や水分が残存しないように密着してい
るので、内管11の外周面と真空断熱体7との間の空気
熱伝達が無くなり、断熱性能に優れたものとなる。
【0024】また、図5のa,bに示す本発明のL形の
継手用真空断熱管27及び図6のa,bに示すT形の継
手用真空断熱管35も、前記の図3,図4に示す真空断
熱管19と同様の構成となっているので、L形の継手用
内管20,T形の継手用内管28からL形の継手用外管
26,T形の継手用外管34へ伝導される熱損失が低減
され、しかもL形の継手用内管20,T形の継手用内管
28とL形の継手用外管26,T形の継手用外管34の
温度差による熱伸縮吸収用のベローズやコルゲート等が
不要で、L形の継手用真空断熱管27,T形の継手用真
空断熱管35の外形状がシンプルなものとなる。さら
に、L形の継手用内管20,T形の継手用内管28の外
周面と、L形の二分割真空断熱体22,T形の二分割真
空断熱体30との間の空気熱伝達が無くなり、断熱性能
に優れたものとなる。
【0025】然して、図7,図8に示す直管の真空断熱
熱輸送配管40は、前記図3,図4に示す真空断熱管1
9の内管11を順次溶接接続し、その各々の接続部の外
周に図2のa,bに示す二分割真空断熱体10を配して
接続し、その各々の外周部に二分割の短管39を配して
外管18に接続して構成したものであるから、流体の熱
輸送において、内管11から外管18への熱伝導が大幅
に阻止される。また内管11と外管18との間の短い真
空断熱体7は夫々二分割真空断熱体10にて接続され、
その二分割真空断熱体10の中間にベローズが備わって
いるので、接続部に二分割真空断熱体10を取り付ける
時の圧縮と取り付け後の凹凸部の嵌め合い面圧が作用
し、接続部には真空断熱管19の部分と同等の断熱効果
が得られる。従って、断熱性能に優れた長距離熱輸送配
管を実現できる。
【0026】さらに図9,図10に示す真空断熱熱輸送
配管40′は、前記図3,図4に示す真空断熱管19と
図5のa,bに示すL形の継手用真空断熱管27と図6
のa,bに示すT形の継手用真空断熱管35とを適宜配
設して、それらの内管11,L形の継手用内管20,T
形の継手用内管28を接続し、その各々の接続部の外周
に図2のa,bに示す二分割真空断熱体10を配して接
続し、その各々の外周に二分割の短管39を配して外管
18,L形の継手用外管26,T形の継手用外管34に
接続して構成したものであるから、流体の熱輸送におい
て、どの位置でも内管11,L形の継手用内管20,T
形の継手用内管28から外管18,L形の継手用外管2
6,T形の継手用外管34への熱伝導が大幅に阻止され
る。また内管11,L形の継手用内管20,T形の継手
用内管28と外管18,L形の継手用外管26,T形の
継手用外管34との間の真空断熱体7,L形の二分割真
空断熱体22,T形の二分割真空断熱体30は夫々二分
割真空断熱体10にて接続され、その二分割真空断熱体
10の中間にベローズが備わっているので、接続部に二
分割真空断熱体10を取り付ける時の圧縮と取り付け後
の凹凸部の嵌め合い面圧が作用し、接続部には真空断熱
管19,L形の継手用真空断熱管27,T形の継手用真
空断熱管35の部分と同等の断熱効果が得られる。従っ
て、断熱性能に優れた所要の配管形状の長距離熱輸送配
管を実現できる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明で判るように本発明の真空断
熱体及び接続用の二分割真空断熱体は、内筒と、ゲッタ
ー材,輻射断熱材を充填した真空断熱層と、外筒より成
るので、真空断熱層内のゲッター材が、経時変化に伴
い、真空断熱層内の放出ガスを吸収するので、真空度を
高く維持でき、長期間断熱性能を保持できる。
【0028】また本発明の真空断熱管及びL形,T形の
継手用真空断熱管は、内管と真空断熱体と外管とより成
り、これらが熱伝導的に縁切りされているので、内管か
ら外管へ伝導される熱損失が低減される。また、これら
が機械的に接続されていないので、内管と外管の温度差
による熱伸縮吸収のためのベローズやコルゲート等が不
要で、外形状をシンプルにできる。さらに内管の外周面
と真空断熱体との間の空気熱伝達が無く、断熱性能に優
れる。
【0029】さらに本発明の真空断熱熱輸送配管は、上
記真空断熱管やL形,T形の継手用真空断熱管を適宜配
列し、前記接続用の二分割真空断熱体を適宜用いて接続
構成したものであるから、流体の熱輸送において、配管
のどの位置でも内管から外管への熱伝導が阻止される。
また、真空断熱管の接続部は、二分割真空断熱体により
凹凸嵌合の接続部となって伝熱距離が長くなると共に、
二分割真空断熱体にベローズが備わっているので、接続
部に二分割真空断熱体を取り付ける時の圧縮と取り付け
後の凹凸部の嵌め合い面圧が作用する結果、接続部が真
空断熱管の部分と同等の断熱効果がある。従って、断熱
性能に優れ、超低温流体から高温流体まで輸送するにお
いて、配管表面での侵入熱量又は放出熱量を大幅に低減
できる所要の配管形状の長距離熱輸送配管を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空断熱体の実施形態を示すもので、
a図は右半部を縦断した正面図、b図はa図のA−A線
縦断矢視図である。
【図2】本発明の二分割真空断熱体の実施形態を示すも
ので、a図は右半部を縦断した正面図、b図はa図のB
−B線縦断矢視図である。
【図3】本発明の真空断熱管の実施形態を示す概略図で
ある。
【図4】図3の要部拡大縦断側面図である。
【図5】本発明のL形の継手用真空断熱管の実施形態を
示すもので、a図は正面図、b図はa図のC−C線縦断
矢視図である。
【図6】本発明のT形の継手用真空断熱管の実施形態を
示すもので、a図は正面図、b図はa図のD−D線縦断
矢視図である。
【図7】本発明の真空断熱熱輸送配管の1つの実施形態
を示す概略図である。
【図8】図7の要部拡大縦断側面図である。
【図9】本発明の真空断熱熱輸送配管の他の1つの実施
形態を示す概略図である。
【図10】図9の要部拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
1,1′ 内筒 1′a ベローズ 2,2′ 外筒 2′a ベローズ 3 ゲッター材 4,4′ 輻射断熱材 6,6′ 環状端板 7 真空断熱体 8 断面凹型の帯状端板 9 断面凸型の帯状端板 10 二分割真空断熱体 11 内管 12,13 断熱接着材 16 スペーサー 17 空気層 18 外管 19 真空断熱管 20 L形の継手用内管 21 断熱接着材 22 L形の二分割真空断熱体 24 スペーサー 25 空気層 26 L形の継手用外管 27 L形の継手用真空断熱管 28 T形の継手用内管 29 断熱接着材 30 T形の二分割真空断熱体 32 スペーサー 33 空気層 34 T形の継手用外管 35 T形の継手用真空断熱管 36 断熱接着材 39 二分割の短管 40 直管の真空断熱熱輸送配管 40′ 屈曲分岐した真空断熱熱輸送配管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒と外筒の間に、ゲッター材,輻射断
    熱材が充填され、内筒の両端と外筒の両端とが夫々凹型
    又は凸型の環状端板にて結合されて、内,外筒間が封塞
    され、その内部が真空断熱層になされていることを特徴
    とする真空断熱体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の真空断熱体が短尺になさ
    れ、内筒と外筒の中間にベローズが設けられ、軸中心線
    を通る面で二分割され、その二分割面が両端部を互いに
    凹凸形状の接続面となるようになし且つ中間にベローズ
    を備えた帯状端板にて封塞され、各々の内部が真空断熱
    層になされていることを特徴とする二分割真空断熱体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の真空断熱体が、内管の外
    周部に断熱接着材を介して複数本嵌装接続の上接着さ
    れ、この複数本の真空断熱体の外周部にスペーサーを有
    する空気層を介して外管が嵌装保持されていることを特
    徴とする真空断熱管。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の真空断熱体がL形又はT
    形に形成され、且つ軸中心線を通る面で二分割されて、
    L形又はT形の継手用内管の外周部に断熱接着材を介し
    て嵌装接着され、且つ分割面も断熱接着材にて接着さ
    れ、このL形又はT形の二分割真空断熱体の外周部にス
    ペーサーを有する空気層を介して軸中心線を通る面で二
    分割のL形又はT形の継手用外管が嵌装され、分割端が
    溶接接続されていることを特徴とする継手用真空断熱
    管。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の真空断熱管の内管同士が
    順次溶接接続され、この各接続部の外周部に請求項2記
    載の二分割真空断熱体が嵌装されて各真空断熱管におけ
    る真空断熱体が断熱接着材を介して凹凸嵌合により接続
    され、且つ各二分割真空断熱体の分割面のベローズを除
    く部分が断熱接着材にて接着され、各接続部の二分割真
    空断熱体の外周部で各真空断熱管の外管同士の間に二分
    割の短管が嵌装の上溶接接続されると共に分割端が溶接
    接続されてなることを特徴とする真空断熱熱輸送配管。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の真空断熱管複数本と請求
    項4記載の継手用真空断熱管複数本とが適宜配設されて
    それらの内管同士が順次溶接接続され、この各接続部の
    外周部に請求項2記載の二分割真空断熱体が嵌装されて
    各真空断熱管,継手用真空断熱管における真空断熱体が
    断熱接着材を介して凹凸嵌合により接続され、且つ各二
    分割真空断熱体の分割面のベローズを除く部分が断熱接
    着材にて接着され、各接続部の二分割真空断熱体の外周
    部で各真空断熱管の外管同士の間に二分割の短管が嵌装
    の上溶接接続されると共に分割端が溶接接続されてなる
    ことを特徴とする真空断熱熱輸送配管。
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