JPH1193991A - ブレーキ装置 - Google Patents

ブレーキ装置

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JPH1193991A
JPH1193991A JP9275037A JP27503797A JPH1193991A JP H1193991 A JPH1193991 A JP H1193991A JP 9275037 A JP9275037 A JP 9275037A JP 27503797 A JP27503797 A JP 27503797A JP H1193991 A JPH1193991 A JP H1193991A
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JP
Japan
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piston
brake
electric motor
hole
cylinder hole
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Application number
JP9275037A
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English (en)
Inventor
Tadaaki Nakamura
忠秋 中村
Youichi Kumemura
洋一 久米村
Hirotaka Oikawa
浩隆 及川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/14Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2121/00Type of actuator operation force
    • F16D2121/02Fluid pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2121/00Type of actuator operation force
    • F16D2121/18Electric or magnetic
    • F16D2121/24Electric or magnetic using motors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2123/00Multiple operation forces
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D2125/00Components of actuators
    • F16D2125/18Mechanical mechanisms
    • F16D2125/20Mechanical mechanisms converting rotation to linear movement or vice versa
    • F16D2125/34Mechanical mechanisms converting rotation to linear movement or vice versa acting in the direction of the axis of rotation
    • F16D2125/40Screw-and-nut

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気系統の故障時にも制動力を確実に発生さ
せ、安全性を向上できると共に、ブレーキペダル等のフ
ィーリングを良好に保ち得るようにする。 【解決手段】 キャリパ4のシリンダ穴5A内に筒状の
外側ピストン11を摺動可能に設け、液圧室12内に外
部から給排されるブレーキ液圧によりシリンダ穴5A内
で外側ピストン11を摺動変位させる。また、外側ピス
トン11内には内側ピストン14を摺動可能に設け、内
側ピストン14の内周側には、ねじ棒17に螺合するね
じ穴14Aを形成する。そして、キャリパ4のインナ脚
部5内に設けた電動モータ16でねじ棒17を回転さ
せ、内側ピストン14を外側ピストン11内で軸方向に
相対変位させる。これにより、摩擦パッド20は外側ピ
ストン11または内側ピストン14によりディスク2に
向けて押圧される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両等に制
動力を付与するのに好適に用いられるブレーキ装置に関
し、特に、電動モータによる駆動力とブレーキ液の液圧
力とを併用する構成としたブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電動モータによる駆動力とブレ
ーキ液の液圧力とを併用して、車両等のディスク(回転
部材)に制動力を付与する構成としたブレーキ装置は、
例えば特開昭60−206766号(特公平6−249
25号)公報等によって知られている。
【0003】この種の従来技術によるブレーキ装置は、
シリンダ穴が形成されたブレーキハウジングと、該ブレ
ーキハウジングのシリンダ穴内に摺動可能に挿嵌された
段付のピストンと、該ピストンの外周側とシリンダ穴と
の間に形成され、外部からブレーキ液圧が給排されるこ
とにより該ピストンをシリンダ穴内で軸方向に変位させ
る液圧室と、該液圧室から離間して前記ブレーキハウジ
ング内に設けられた電動モータと、該電動モータとピス
トンとの間に設けられ、該電動モータの回転を前記ピス
トンの軸方向変位へと変換する送りねじ機構と、前記ピ
ストンによりディスクに向けて押圧され、該ディスクに
制動力を付与する摩擦パッドとから構成されている。
【0004】そして、従来技術のブレーキ装置にあって
は、車両の運転者がブレーキペダルを踏込み操作する
と、このときの操作量に対応した回転角または回転トル
クをもって前記電動モータが回転駆動され、前記送りね
じ機構で電動モータの回転をピストンの軸方向変位に変
換すると共に、このピストンで摩擦パッドをディスクの
表面に向けて押圧することにより、ディスクを介して車
両に制動力を与えるようにしている。
【0005】また、トラクションコントロール(以下、
駆動力制御装置という)を搭載した車両にあっては、例
えば摩擦係数の低い路面(低μ路面)等で発進、走行す
るときに車両のスリップを回避するため、ブレーキペダ
ルの操作に係りなく電動モータを回転させることによ
り、前記ピストン及び摩擦パッドを介して制動力を発生
させ、車両の駆動力が過大になるのを防止するようにし
ている。
【0006】さらに、電気系統の故障等により前記電動
モータの回転が停止したような場合にあっても、ブレー
キペダルの踏込み操作量に対応したブレーキ液圧をマス
タシリンダからブレーキハウジングの液圧室内に供給す
ることにより、前記ピストンをシリンダ穴内で軸方向に
摺動変位させ、摩擦パッドでディスクに制動力を付与す
ることによってフェイルセーフ機能を発揮しうるように
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、例えば低μ路面等で車両の駆動力制御を行
うために、ブレーキペダルを踏込むことなく電動モータ
でピストンを軸方向に変位させ、車両のディスクに制動
力を与えるような場合に、下記の如き不具合が生じるこ
とがある。
【0008】即ち、ブレーキハウジングのシリンダ穴内
ではピストンが電動モータにより駆動されるときに、ピ
ストンの軸方向変位に応じて液圧室内が負圧傾向とな
り、マスタシリンダ内のブレーキ液が液圧室内に吸込ま
れるように流入する。そして、この状態で車両の運転者
がブレーキペダルの踏込み操作を行った場合には、ピス
トンが既に大きく変位した状態で液圧室にはブレーキ液
が満たされているため、ブレーキペダルの踏込み感が非
常に固くなり、運転者に不快感を与えてしまうことにな
る。
【0009】また、この状態でブレーキペダルの踏込み
操作を解除し、液圧室内のブレーキ液がマスタシリンダ
側に戻るときには、このブレーキ液が高圧となってマス
タシリンダ内に還流されるために、マスタシリンダ内に
設けたカップ等のシール部材が損傷される可能性があ
る。
【0010】また、電気系統が故障した状態でのブレー
キ操作時には、マスタシリンダからのブレーキ液圧でピ
ストンを摺動変位させるときに、該ピストンと電動モー
タとの間の送りねじ機構によりモータ軸が強制的に回転
されることになり、これによってピストンの摺動変位が
重くなると共に、ブレーキペダルのペダルフィーリング
が重くなるという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は電気系統の故障時等にも制動力
を確実に発生でき、安全性を向上できると共に、ブレー
キペダル等のフィーリングを良好に保つことができ、操
作性を高め得るようにしたブレーキ装置を提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、シリ
ンダ穴が形成されたブレーキハウジングと、該ブレーキ
ハウジングのシリンダ穴内に摺動可能に挿嵌され、外部
から給排されるブレーキ液圧により前記シリンダ穴内を
変位する筒状の第1ピストンと、該第1ピストン内に摺
動可能に挿嵌され、該第1ピストンに対して軸方向に相
対変位可能となった第2ピストンと、該第2ピストンを
軸方向に変位させるため前記ブレーキハウジングに設け
られた電動モータと、該電動モータと第2ピストンとの
間に設けられ、該電動モータの回転を前記第2ピストン
の軸方向変位に変換する変換手段と、前記第1ピストン
と第2ピストンのうち、少なくともいずれか一方のピス
トンにより回転部材に向けて押圧され、該回転部材に制
動力を付与する摩擦部材とからなる。
【0013】上記構成により、筒状の第1ピストン内に
第2ピストンを相対変位可能に設けているから、電動モ
ータを駆動して第2ピストンを軸方向に変位させるとき
には第1ピストンを待機位置に保持でき、ブレーキハウ
ジングのシリンダ穴内にブレーキ液が流入出することは
なくなる。そして、この場合には電動モータの駆動によ
る第2ピストンの摺動変位に従って摩擦部材を回転部材
に向けて押圧でき、回転部材に制動力を与えることがで
きる。
【0014】また、マスタシリンダからのブレーキ液圧
で第1ピストンを摺動変位させるときには、第2ピスト
ンを待機位置に保持できるから、電動モータのモータ軸
が強制回転されるようなことはなく、ブレーキハウジン
グのシリンダ穴内で第1ピストンを円滑に摺動変位させ
ることができる。そして、マスタシリンダからのブレー
キ液圧に応じた第1ピストンの摺動変位により、摩擦部
材を回転部材に向けて押圧でき、回転部材に制動力を付
与することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
ブレーキ装置を添付図面に従って詳細に説明する。
【0016】ここで、図1ないし図3は本発明の第1の
実施の形態によるブレーキ装置を、フローティングキャ
リパ型のディスクブレーキに適用した場合を示してい
る。
【0017】図において、1は車両の非回転部分に設け
られる取付ブラケットで、該取付ブラケット1は例えば
車両のインナ側にボルト等を介して固着され、アウタ側
に向けて延びる一対の腕部1Aを有している。そして、
取付ブラケット1の各腕部1Aは、車両の車輪(図示せ
ず)と一体に回転する回転部材としてのディスク2の外
周側を跨ぎ、該ディスク2の軸方向両側で後述の各摩擦
パッド20を摺動可能に支持する構成となっている。
【0018】また、各腕部1A内にはディスク1の軸方
向に延びる有底のガイド穴(図示せず)が形成され、後
述のキャリパ4を取付ブラケット1に対して変位可能に
支持するための一対の摺動ピン(図示せず)が各ガイド
穴内に摺動可能に挿嵌されている。さらに、各腕部1A
の先端側には連結部1Bが一体形成され、該連結部1B
はディスク2のアウタ側で各腕部1A間を連結すること
により、取付ブラケット1全体の剛性を高めるものであ
る。
【0019】3,3は前記各摺動ピンの外周側に挿通さ
れた保護ブーツ、4は取付ブラケット1の各腕部1Aに
各摺動ピンを介して取付られたブレーキハウジングを構
成するキャリパで、該キャリパ4は図2に示す如く、デ
ィスク2の一側(インナ側)に位置し、シリンダ穴5A
が形成されたインナ脚部5と、ディスク2の他側(アウ
タ側)に位置する爪部6と、ディスク2の外周側を跨い
でインナ脚部5をアウタ側の爪部6に連結させるブリッ
ジ部7と、図1に示すようにインナ脚部5の両側からデ
ィスク2の周方向に突設され、前記各摺動ピンがボルト
8,8により固着された一対の取付部9,9とから大略
構成されている。
【0020】ここで、インナ脚部5にはシリンダ穴5A
の反対側に位置してモータ収容穴5Bが形成され、該モ
ータ収容穴5Bとシリンダ穴5Aとの間には、シリンダ
穴5Aの底部(奥所)側に位置するピストン摺動穴5C
と、該ピストン摺動穴5Cよりも小径に形成された挿通
穴5Dとが形成されている。そして、後述の内側ピスト
ン14が挿嵌されるピストン摺動穴5Cはシリンダ穴5
Aよりも小径に形成され、挿通穴5D内には後述のねじ
棒17が回転可能に挿通されている。
【0021】10はインナ脚部5のモータ収容穴5Bを
閉塞する蓋体で、該蓋体10はキャリパ4と共にブレー
キハウジングを構成し、後述の電動モータ16をモータ
収容穴5B内に位置決めする構成となっている。
【0022】11はインナ脚部5のシリンダ穴5A内に
摺動可能に挿嵌された第1ピストンとしての外側ピスト
ンで、該外側ピストン11は筒状に形成され、その内周
側は内側ピストン14が挿嵌されるピストン摺動穴11
Aとなっている。また、シリンダ穴5Aと外側ピストン
11との間には内側ピストン14の外周側に位置して環
状の液圧室12が画成されている。
【0023】ここで、この液圧室12はシリンダ穴5A
の底部側に形成した通液路5Eを介して後述のブレーキ
配管23に接続されている。そして、外側ピストン11
は、ブレーキ配管23を介して液圧室12内に給排され
るブレーキ液の液圧により、シリンダ穴5A内を軸方向
に摺動変位し、摩擦パッド20をディスク2に向けて押
圧する構成となっている。
【0024】13はシリンダ穴5Aの開口端寄りに位置
してインナ脚部5と外側ピストン11との間に設けられ
たシール部材で、該シール部材13はシリンダ穴5Aと
外側ピストン11との間をシールし、液圧室12内のブ
レーキ液が外部に漏洩するのを防止している。また、シ
ール部材13は、ブレーキ操作時に液圧室12内のブレ
ーキ液圧で外側ピストン11が摩擦パッド20側に向け
て摺動変位するときにこれに追従して弾性変形し、例え
ばブレーキ操作の解除時等に液圧室12内のブレーキ液
圧が低下したときには、外側ピストン11を液圧室12
側に引戻すような弾性復元力を発生するものである。
【0025】14はインナ脚部5のピストン摺動穴5C
と外側ピストン11のピストン摺動穴11A内とに挿嵌
された第2ピストンとしての内側ピストンで、該内側ピ
ストン14の内周側には図3に示すように、ねじ棒17
に螺合するねじ穴14Aが形成され、該ねじ穴14の途
中位置には一定間隔をもって小径の鋼球等からなるボー
ル15,15,…がそれぞれ転動可能に装着されてい
る。そして、内側ピストン14は電動モータ16により
ねじ棒17を介して駆動され、外側ピストン11に対し
てピストン摺動穴11A内を軸方向に相対変位する構成
となっている。
【0026】即ち、内側ピストン14が電動モータ16
で駆動されるときには、外側ピストン11がシリンダ穴
5A内を摺動変位することはなく、内側ピストン14の
みがピストン摺動穴5C,11A内を軸方向に摺動変位
し、内側ピストン14の先端側で摩擦パッド20をディ
スク2の一側面に向けて押圧するものである。
【0027】また、内側ピストン14の先端側内周に
は、ねじ穴14Aよりも大径の有底穴14Bが形成さ
れ、この有底穴14B内にはねじ棒17の先端側が電動
モータ16の回転(内側ピストン14の変位)に応じて
相対的に進退するようになっている。さらに、内側ピス
トン14には、インナ側の摩擦パッド20またはインナ
脚部5との間に廻止め(図示せず)が設けられ、この廻
止めは内側ピストン14がねじ棒17により回転される
のを規制している。
【0028】16はインナ脚部5のモータ収容穴5B内
に設けられた電動モータで、該電動モータ16は外部の
コントロールユニット(図示せず)等から給電されるこ
とにより回転駆動され、内側ピストン14を軸方向に摺
動変位させるものである。即ち、車両の運転者が後述の
ブレーキペダル22を踏込み操作すると、このときの操
作量に対応した信号が前記コントロールユニットに出力
され、コントロールユニット側では前記操作量に対応し
た回転角または回転数をもって電動モータ16を回転さ
せるように制御信号を出力し給電を行うものである。
【0029】17は電動モータ16のモータ軸となるね
じ棒で、該ねじ棒17は外周側におねじが形成され、内
側ピストン14のねじ穴14Aに各ボール15を介して
螺合している。そして、ねじ棒17はねじ穴14A及び
各ボール15と共に変換手段としての送りねじ機構を構
成し、電動モータ16の回転を内側ピストン14の軸方
向変位に変換するものである。また、各ボール15はね
じ穴14Aとねじ棒17との間の摩擦抵抗を小さく抑
え、ねじ棒17の回転を内側ピストン14の軸方向変位
へと円滑に変換させる機能を有している。
【0030】18,19はピストン摺動穴5C,11A
と内側ピストン14との間に装着されたシール部材とし
てのOリングで、該Oリング18,19は液圧室12内
のブレーキ液がピストン摺動穴5C,11A内に漏出す
るのを防止すると共に、内側ピストン14の軸方向変位
を許すようになっている。
【0031】20,20はディスク2の両面側に配設さ
れた一対の摩擦部材となる摩擦パッドで、該各摩擦パッ
ド20のうちインナ側の摩擦パッド20は、外側ピスト
ン11と内側ピストン14のうち少なくともいずれか一
方のピストンによりディスク2の一側面に向けて押圧さ
れる。また、アウタ側の摩擦パッド20は、このときの
押圧反力でキャリパ4全体が図1に示す取付ブラケット
1に対して軸方向に摺動変位することにより、キャリパ
4の爪部6と共にディスク2の他側面に向けて押圧され
る。そして、各摩擦パッド20はディスク2を両面側か
ら強く挟持することにより、回転しているディスク2に
制動力を与えるものである。
【0032】21は車両の運転室側に設けられるマスタ
シリンダで、該マスタシリンダ21は図3に示すよう
に、車両の運転者等がブレーキペダル22を踏込み操作
したときに、その操作量に対応したブレーキ液圧を発生
させ、ブレーキ配管23を介してキャリパ4の液圧室1
2内にブレーキ液圧を給排させる構成となっている。ま
た、ブレーキペダル22の近傍には踏込み操作量を検出
するためのペダルセンサ(図示せず)等が設けられ、前
記コントロールユニットはこのセンサからの信号に基づ
いて電動モータ16を回転駆動させる構成となってい
る。
【0033】本実施の形態によるディスクブレーキは上
述の如き構成を有するもので、次に、その作動について
説明する。
【0034】まず、車両の運転者がブレーキペダル22
を踏込み操作したときには、この操作量に対応したブレ
ーキ液圧がマスタシリンダ21側で発生し、このブレー
キ液圧がブレーキ配管23を介してキャリパ4の液圧室
12内へと供給される。そして、インナ脚部5内の外側
ピストン11は液圧室12内のブレーキ液圧によりシリ
ンダ穴5A内を軸方向に摺動変位する。これにより、外
側ピストン11は先端側で摩擦パッド20をディスク2
の表面に向けて押圧し、例えば走行途中の車両にディス
ク2を介して制動力を付与する。
【0035】また、これと同時に、ブレーキペダル22
側のペダルセンサは、ブレーキペダル22の踏込み操作
量に対応した信号をコントロールユニット側に出力し、
コントロールユニット側ではこの操作量に対応した制御
信号を電動モータ16に出力することによって、該電動
モータ16を前記操作量に対応した回転角または回転ト
ルクをもって回転駆動させる。
【0036】そして、電動モータ16の回転は、ねじ棒
17を介して内側ピストン14に伝えられ、該内側ピス
トン14は外側ピストン11のピストン摺動穴11A内
等を軸方向に変位することにより、内側ピストン14の
先端側で摩擦パッド20をディスク2の表面に向けて押
圧し、外側ピストン11と共にディスク2を介して車両
に制動力を付与するものである。
【0037】次に、この状態でブレーキペダル22の踏
込み操作を解除したときには、外側ピストン11が摩擦
パッド20からのパッド反力とシール部材13の弾性復
元力を受けることにより、外側ピストン11は自動的に
待機位置に戻される。また、このときには電動モータ1
6が前記コントロールユニットからの制御信号で逆回転
され、内側ピストン14は電動モータ16により自動的
に待機位置へと戻される。そして、内側ピストン14に
はこの間に液圧等の力が作用することはなく、電動モー
タ16を逆回転させるときのトルクを小さくできる。
【0038】一方、例えば摩擦係数の低い路面(低μ路
面)で車両を発進、走行させる場合等にあっては、車両
のスリップを回避するための駆動力制御(トラクション
コントロール)を行うときに、ブレーキペダル22の操
作に係りなく前記コントロールユニットからの制御信号
で電動モータ16を回転駆動させる。これにより、内側
ピストン14はねじ棒17を介して軸方向に摺動変位さ
れ、摩擦パッド20をディスク2に向け押圧することに
よって制動力を発生させ、車両の駆動力が過大になるの
を防止する。
【0039】この場合、インナ脚部5の液圧室12内に
はマスタシリンダ21からブレーキ液圧が給排されるこ
とはなく、外側ピストン11がシリンダ穴5A内を摺動
変位することはない。従って、インナ脚部5側では内側
ピストン14のみが軸方向に摺動変位し、摩擦パッド2
0を介して車両に制動力を付与することになる。
【0040】かくして、本実施の形態によれば、インナ
脚部5のシリンダ穴5A内に外側ピストン11を摺動可
能に設けると共に、該外側ピストン11内には内側ピス
トン14を相対変位可能に設け、該内側ピストン14を
電動モータ16によりねじ棒17を介して軸方向に駆動
する構成としたから、下記のような作用効果を得ること
ができる。
【0041】即ち、車両の駆動力制御時等に、コントロ
ールユニットからの制御信号で電動モータ16を回転さ
せ、内側ピストン14を軸方向に摺動変位させるときに
は、外側ピストン11を図2、図3に示す待機位置に保
持でき、例えばマスタシリンダ21内のブレーキ液がイ
ンナ脚部5の液圧室12内に流入出する等の不具合をな
くすことができる。そして、この場合には電動モータ1
6による内側ピストン14の摺動変位に従って摩擦パッ
ド20をディスク2に向け押圧でき、車両に制動力を与
えることができる。
【0042】また、車両の駆動力制御時等に、電動モー
タ16で内側ピストン14を軸方向に駆動しても、外側
ピストン11を待機位置に保持しておくことができるか
ら、液圧室12内が負圧傾向になるのを防止でき、マス
タシリンダ21内のブレーキ液が液圧室12内に吸込ま
れるようなこともなくなる。そして、この状態で車両の
運転者がブレーキペダル22の踏込み操作を行った場合
でも、マスタシリンダ21からのブレーキ液圧を液圧室
12内に供給して外側ピストン11をシリンダ穴5A内
で摺動変位でき、ブレーキペダル22の踏込み感が固く
なって運転者に不快感を与える等の問題を解消できる。
【0043】また、この状態でブレーキペダル22の踏
込み操作を解除したときには、液圧室12内のブレーキ
液をマスタシリンダ21側に円滑に戻すことができ、従
来技術で述べた如く、液圧室12側からマスタシリンダ
21側にブレーキ液が高圧状態となって還流されるよう
な事態を防止できると共に、マスタシリンダ21内に設
けたカップ等のシール部材(図示せず)が損傷される等
の問題も解消することができる。
【0044】一方、電気系統の故障等により電動モータ
16の回転が停止したような場合にあっても、ブレーキ
ペダル22の踏込み操作量に対応したブレーキ液圧をマ
スタシリンダ21からキャリパ4(インナ脚部5)の液
圧室12内に供給することができるから、この場合には
外側ピストン11のみをシリンダ穴5A内で軸方向に摺
動変位させ、各摩擦パッド20でディスク2に制動力を
付与することにより、フェイルセーフ機能を発揮するこ
とができる。
【0045】そして、電気系統の故障時等にマスタシリ
ンダ21からのブレーキ液圧で外側ピストン11を摺動
変位させるときには、内側ピストン14を待機位置に保
持できるから、内側ピストン14と電動モータ16との
間でねじ棒17が強制的に回転される等の不具合を防止
でき、インナ脚部5のシリンダ穴5A内で外側ピストン
11のみを円滑に摺動変位させることができる。
【0046】従って、本実施の形態によれば、電気系統
の故障時等にも、制動力を確実に発生でき、安全性を向
上できる。そして、この場合にはマスタシリンダ21か
らのブレーキ液圧で外側ピストン11を円滑に摺動変位
させることができ、外側ピストン11の摺動変位が重く
なる等の不具合を解消できると共に、ブレーキペダル2
2のペダルフィーリングを良好に保つことができ、当該
ブレーキの操作性を確実に向上できる。
【0047】次に、図4は本発明の第2の実施の形態を
示し、本実施の形態では前記第1の実施の形態と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するもの
とする。しかし、本実施の形態の特徴は、アンチロック
ブレーキシステム(以下、ABS装置という)を搭載し
た車両に当該ディスクブレーキを設ける構成とし、AB
S制御による減圧時に外側ピストン31を内側ピストン
32を介して電動モータ16により強制的に液圧室12
側に戻す構成としてことにある。
【0048】ここで、第1ピストンとしての外側ピスト
ン31は、前記第1の実施の形態で述べた外側ピストン
11とほぼ同様に、インナ脚部5のシリンダ穴5A内に
摺動可能に挿嵌され、その内周側にはピストン摺動穴3
1Aが形成されている。しかし、本実施の形態による外
側ピストン31には、摩擦パッド20の裏面側に当接す
る先端側部位にピストン摺動穴31Aよりも大径の段付
穴31Bが形成されている。
【0049】また、第2ピストンとしての内側ピストン
32は、第1の実施の形態で述べた内側ピストン14と
ほぼ同様に構成され、外周側が外側ピストン31のピス
トン摺動穴31A内に挿嵌されると共に、内側ピストン
32の内周側にはねじ穴32A、有底穴32Bが形成さ
れている。しかし、該内側ピストン32には先端側外周
に前記段付穴31B内に隙間をもって挿入される環状凸
部32Cが一体に形成されている。
【0050】そして、外側ピストン31の段付穴31B
と内側ピストン32の環状凸部32Cとの間には、ディ
スク2と摩擦パッド20との間の軸方向隙間S1 よりも
大きい隙間S2 が形成され、通常のブレーキ操作時等に
環状凸部32Cが段付穴31Bに接触することはなく、
外側ピストン31と内側ピストン32とが互いに相対変
位するのを補償する構成としている。
【0051】しかし、ABS制御によるブレーキ力の減
圧時には、電動モータ16を速い速度で逆回転させ、こ
の回転をねじ棒17を介して内側ピストン32に伝える
ことにより、該内側ピストン32をピストン摺動穴5
C,31A内へと迅速に後退させると共に、このときに
内側ピストン32の環状凸部32Cを段付穴31Bの底
面に隙間S2 を越えて当接させることにより、外側ピス
トン31を内側ピストン32と共にシリンダ穴5A内を
液圧室12側に向けて後退させるものである。
【0052】この結果、例えば液圧室12内のブレーキ
液圧がブレーキ操作時に過大となって、車両の車輪がデ
ィスク2と共にロック傾向になった場合でも、電動モー
タ16を逆回転させることにより、外側ピストン31を
内側ピストン32を介して即座に液圧室12側に戻すこ
とができ、摩擦パッド20に対する押圧力を高い応答性
をもって減じることができる。また、ブレーキ液圧を零
まで減圧することができ、氷路面等でも十分なABS性
能が保障できる。
【0053】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、ブレーキペダル22によるブレーキ操作時ま
たは車両の駆動力制御時等には前記第1の実施の形態と
ほぼ同様の作用効果を得ることができる上に、ABS制
御時にはブレーキ力の減圧を高い応答性を行うことがで
き、車両のブレーキ性能を確実に向上させることができ
る。
【0054】なお、前記各実施の形態では、ブレーキ装
置をフローティングキャリパ型のディスクブレーキに適
用する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限
らず、例えば対向ピストン型のディスクブレーキに適用
してもよく、これ以外のブレーキ装置に適用してもよい
ものである。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、ブレーキハウジングのシリンダ穴内に筒状
の第1ピストンを摺動可能に挿嵌し、外部から給排され
るブレーキ液圧によりシリンダ穴内で第1ピストンを摺
動変位させると共に、該第1ピストン内には相対変位可
能に第2ピストンを挿嵌し、該第2ピストンを電動モー
タで変換手段を介して軸方向に摺動変位させる構成とし
たから、例えば車両の駆動力制御時等に電動モータを駆
動して第2ピストンを軸方向に変位させるときには、第
1ピストンを待機位置に保持でき、ブレーキハウジング
のシリンダ穴内にブレーキ液が流入出するのを防止でき
る。
【0056】また、電気系統の故障時等にはマスタシリ
ンダからのブレーキ液圧で第1ピストンを摺動変位さ
せ、第2ピストンを待機位置に保持できるから、電動モ
ータのモータ軸が強制回転される等の不具合を解消で
き、ブレーキハウジングのシリンダ穴内で第1ピストン
を円滑に摺動変位させることができる。
【0057】従って、電気系統の故障時等にも制動力を
確実に発生でき、安全性を向上できると共に、ブレーキ
ペダル等のフィーリングを良好に保つことができ、操作
性を確実に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるディスクブレ
ーキを示す平面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみたディスクブレ
ーキの縦断面図である。
【図3】図2中の要部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるディスクブレ
ーキを示す図3と同様位置の断面図である。
【符号の説明】
1 取付ブラケット 2 ディスク(回転部材) 4 キャリパ(ブレーキハウジング) 5 インナ脚部 5A シリンダ穴 5B モータ収容穴 5C,11A,31A ピストン摺動穴 10 蓋体 11,31 外側ピストン(第1ピストン) 12 液圧室 14,32 内側ピストン(第2ピストン) 14A,32A ねじ穴 16 電動モータ 17 ねじ棒(変換手段) 20 摩擦パッド(摩擦部材) 21 マスタシリンダ 22 ブレーキペダル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ穴が形成されたブレーキハウジ
    ングと、 該ブレーキハウジングのシリンダ穴内に摺動可能に挿嵌
    され、外部から給排されるブレーキ液圧により前記シリ
    ンダ穴内を変位する筒状の第1ピストンと、 該第1ピストン内に摺動可能に挿嵌され、該第1ピスト
    ンに対して軸方向に相対変位可能となった第2ピストン
    と、 該第2ピストンを軸方向に変位させるため前記ブレーキ
    ハウジングに設けられた電動モータと、 該電動モータと第2ピストンとの間に設けられ、該電動
    モータの回転を前記第2ピストンの軸方向変位に変換す
    る変換手段と、 前記第1ピストンと第2ピストンのうち、少なくともい
    ずれか一方のピストンにより回転部材に向けて押圧さ
    れ、該回転部材に制動力を付与する摩擦部材とから構成
    してなるブレーキ装置。
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