JPH11937A - 精密成形用金型及びその製造方法 - Google Patents

精密成形用金型及びその製造方法

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JPH11937A
JPH11937A JP15376397A JP15376397A JPH11937A JP H11937 A JPH11937 A JP H11937A JP 15376397 A JP15376397 A JP 15376397A JP 15376397 A JP15376397 A JP 15376397A JP H11937 A JPH11937 A JP H11937A
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JP
Japan
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mold
coating layer
die
base material
cavity
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JP15376397A
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English (en)
Inventor
Kimitaka Maruyama
公孝 丸山
Sakae Takahashi
栄 高橋
Masayuki Shimada
真幸 島田
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11937A publication Critical patent/JPH11937A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックの射出成形に使用される精密成
形用金型において、キャビティ表面の温度分布の均一性
を向上させて、成形品の品質低下を伴うことなく成形サ
イクルの短縮を可能にするとともに高精度な成形を可能
にする。 【解決手段】 本発明の精密成形用金型は、金型のキャ
ビティ部5の表面に、金型の母材部分1、2と比べて硬
度が高く且つ熱伝導率が高い材料からなる被覆層3、4
が形成されていることを特徴とする。なお、代表的な数
値を挙げると、金型の母材部分1、2の熱伝導率は、
0.08 cal/(cm・sec・℃) 以下であり、被覆層3、4
の熱伝導率は、0.1 cal/(cm・sec・℃) 以上である。
好ましくは、金型の母材部分1、2は、13Cr系ステ
ンレス鋼またはダイス鋼で構成され、被覆層3、4は、
4 C、HfC、SiC、WC、MoSi2 、HfB
2 、MgO、またはWC−Co系超硬合金のいずれかで
構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックの射
出成形に使用される金型に係り、特に、CD(コンパク
トディスク)、DVD(ディジタルヴィデオディスク)
などの高精度が要求されるプラスチック成形品を、高速
で射出成形する際に使用される精密成形用金型及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CD、DVDなどの高精度が要求
されるプラスチック成形品を射出成形する際に使用され
る精密成形用金型には、例えば、13Cr系ステンレス
鋼からなる単一材料が使用されている。13Cr系ステ
ンレス鋼は、十分な機械的強度を備えるとともに、機械
加工性に優れ、鏡面加工が可能であり、プラスチック成
形用の金型として要求される条件を備えている。精密成
形用金型を製造する場合、通常、13Cr系ステンレス
鋼(例えば、SUS420J2)からなる素材を粗加工
してキャビティ部を形成した後、そのキャビティ部の表
面に鏡面仕上げを施すことによってキャビティ表面を形
成していた。また、離型性を高めるために、鏡面仕上げ
が施された上記キャビティ表面に、更にTiNなどのコ
ーティングを施すことも行われていた。
【0003】母材としてSUS420J2を用いた金型
は、上記の様に精密成形用の金型として適してはいる
が、その熱伝導率が0.06 cal/(cm・sec・℃)と比較
的低いため、溶融樹脂をキャビティ内へ射出充填した後
の冷却工程に時間がかかり、成形サイクルが比較的長く
なる。これに加えて、溶融樹脂の射出充填の際及びその
後の冷却の際にキャビティ表面の温度分布が不均一にな
り易く、それが成形サイクルを短縮する際の限界を定
め、また、より高精度な成形を行う場合の障害となって
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の様な
従来の精密成形用金型の問題点を解決すべく成されたも
ので、本発明の目的は、キャビティ表面の温度分布の均
一性を向上させ、それによって、成形品の品質の低下を
伴うことなく成形サイクルの短縮を可能にするととも
に、より高精度な成形を可能にする精密成形用金型及び
その製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の精密成形用金型
は、金型のキャビティ部の表面に、金型の母材部分と比
べて硬度が高く且つ熱伝導率が高い材料からなる被覆層
が形成されていることを特徴とする。なお、代表的な数
値を挙げると、前記金型の母材部分の熱伝導率は0.0
8 cal/(cm・sec・℃) 以下であり、前記被覆層の熱伝導
率は0.1 cal/(cm・sec・℃) 以上である。
【0006】好ましくは、前記金型の母材部分は13C
r系ステンレス鋼またはダイス鋼で構成され、前記被覆
層はB4 C、HfC、SiC、WC、MoSi2 、Hf
2、MgO、またはWC−Co系超硬合金のいずれか
で構成される。
【0007】好ましくは、前記被覆層の形成は、PVD
法あるいは溶射法を用いて行われる。PVD法を用いる
場合には、前記被覆層の厚さは、効果、所要時間及び費
用の観点から、3μm以上、5μm以下が適当であり、
溶射法を用いる場合には、前記被覆層の厚さは、効果及
び膜の品質の観点から、0.5mm以上、1mm以下が
適当である。
【0008】本発明の精密成形用金型によれば、キャビ
ティの表面を上記の様に構成した結果、溶融樹脂を射出
充填する際には、キャビティ表面全体の温度が速やかに
上昇するので溶融樹脂が流れ易い状態が維持され、キャ
ビティの隅々まで溶融樹脂が確実に充填される。一方、
金型の母材部分は、その熱伝導率がキャビティ表面と比
べて低いので、保温機能を果たし、溶融樹脂の充填を妨
げることはない。従って、溶融樹脂の射出充填を高速か
つ確実に行うことができる。また、射出充填後の冷却の
際には、前記被覆層は、充填された樹脂からの熱を効率
的に外部へ逃がすとともに、キャビティ表面の温度分布
を均一に保つ役割を果たす。このため、より速やかに冷
却することが可能となり、高速で冷却しても、充填され
た樹脂、即ち成形品の温度分布を比較的均一に保つこと
が可能となり、成形品の品質の低下を伴うことなく冷却
時間を短縮することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に基づく精密成形
用金型の構造の一例を示す。この精密成形用金型はコア
部が金型本体の中に収容された複合構造の金型であり、
図中、1は固定側コア(母材部分)、2は移動側コア
(母材部分)、3は固定側コアの被覆層、4は移動側コ
アの被覆層、6は固定側金型本体、7は移動側金型本体
を表す。固定側コアの被覆層3と移動側コアの被覆層4
との間にキャビティ5が形成され、このキャビティ5に
溶融樹脂が充填される。なお、11は、射出ノズルを表
す。
【0010】(例1)次に、図1に示した精密成形用金
型の固定側コア及び移動側コアの製造方法の一例につい
て説明する。
【0011】先ず、固定側コア及び移動側コアの母材部
分1、2は、次の様に製造される。SUS420J2の
素材を粗加工の後、硬度(HR C)が50〜58程度に
なる様に焼き入れを施す。次いで、これを510℃で焼
き戻した後、研磨加工を行い、その表面を鏡面に仕上げ
る。
【0012】次に、以上の様にして製造された母材部分
1、2の表面の内、キャビテイ5が形成される部分に、
PVD法(温度100〜300℃)を用いてB4 Cを堆
積し、厚さ3〜5μm程度の被覆層3、4を形成する。
次いで、この被覆層3、4の表面に研磨加工を施して鏡
面状態に仕上げる。
【0013】以上の方法によって製造された精密成形用
金型を用いて、ポリカーボネイトの射出成形を実施した
ところ、従来の構造の金型を用いた場合と比較して、射
出充填の際の樹脂温度の低下幅が減少し、10%程度低
い圧力で樹脂を充填することができた。更に、従来の構
造の金型を用いた場合と比較して、射出後の冷却時間が
約15%短縮され、全体の成形サイクルを約10%短縮
することができた。
【0014】なお、以上において、キャビティ部の被覆
層の材料としてB4 Cを用いた例について説明したが、
金型の母材と比較して硬度が高く且つ熱伝導率が高いコ
ーティング材料として、例えば、次の表に掲げるものを
使用することができる。なお、次の表には、比較のため
母材の材料の熱伝導率も示してある。
【0015】 表1 コーティング材及び母材の熱伝導率 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 材 料 熱伝導率 cal/(cm・sec・℃) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− B4 C 0.2 HfC 0.37 SiC 0.1 WC 0.1 MoSi2 0.1 HfB2 0.1 MgO 0.26 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 13Cr系ステンレス鋼 0.04〜0.07 ダイス鋼 0.04〜0.08 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (例2)図1に示した精密成形用金型の固定側コア3及
び移動側コア4の製造方法の他の例について説明する。
【0016】先ず、固定側コア3及び移動側コア4の母
材部分は、次の様に製造される。SUS420J2の素
材を粗加工し、研磨加工を行う。次に、以上の様にして
製造された母材1、2の表面の内、キャビテイ5が形成
される部分に、WC−Co系の超硬合金(熱伝導率0.
143 cal/(cm・sec・℃))を溶射し、厚さ0.5〜1
mm程度の被覆層3、4を形成する。次いで、被覆層が
形成された状態で母材1、2に焼き入れ、焼き戻しを施
した後、被覆層3、4の表面を研磨し、更に鏡面磨き加
工を施す。以上によって、表面硬度及び熱伝導率が高
く、且つ前の例(PVD法によるコーティング)の場合
と比較して厚い被覆層が得られる。
【0017】
【発明の効果】本発明の精密成形用金型によれば、金型
のキャビティ部の表面に、母材と比較して熱伝導率が高
く且つ硬度が高い被覆層を形成することによって、金型
の機械的強度を損なうことなく、キャビティ部の表面硬
度を高めて耐摩耗性を向上させることができる。更に、
キャビティ部の表面の熱伝導率が高いので、樹脂を充填
した後の冷却時間が短縮され、精密射出成形における成
形サイクルを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく精密成形用金型の一例を示す断
面図。
【符号の説明】
1・・・固定側コア(母材部分)、 2・・・移動側コア(母材部分)、 3・・・被覆層、 4・・・被覆層、 5・・・キャビティ、 7・・・固定側金型本体、 8・・・移動側金型本体、 11・・・射出ノズル。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型のキャビティ部の表面に、金型の母
    材部分と比べて硬度が高く且つ熱伝導率が高い材料から
    なる被覆層が形成されていることを特徴とするプラスチ
    ック成形に使用される精密成形用金型。
  2. 【請求項2】 前記金型の母材部分の熱伝導率は0.0
    8 cal/(cm・sec・℃) 以下であり、前記被覆層の熱伝導
    率は0.1 cal/(cm・sec・℃) 以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の精密成形用金型。
  3. 【請求項3】 前記金型の母材部分は13Cr系ステン
    レス鋼またはダイス鋼で構成され、前記被覆層はB4
    C、HfC、SiC、WC、MoSi2 、HfB2 、M
    gO、またはWC−Co系超硬合金のいずれかで構成さ
    れることを特徴とする請求項2に記載の精密成形用金
    型。
  4. 【請求項4】 母材部分が13Cr系ステンレス鋼また
    はダイス鋼からなる金型のキャビティ部の表面に、B4
    C、HfC、SiC、WC、MoSi2 、HfB2 、M
    gO、またはWC−Co系超硬合金のいずれかからなる
    被覆層が、PVD法を用いて、3μm以上、5μm以下
    の厚さで形成されていることを特徴とするプラスチック
    成形用の精密成形用金型。
  5. 【請求項5】 母材部分が13Cr系ステンレス鋼また
    はダイス鋼からなる金型のキャビティ部の表面に、B4
    C、HfC、SiC、WC、MoSi2 、HfB2 、M
    gO、またはWC−Co系超硬合金のいずれかからなる
    被覆層が、溶射法を用いて、0.5mm以上、1mm以
    下の厚さで形成されていることを特徴とするプラスチッ
    ク成形用の精密成形用金型。
  6. 【請求項6】 金型のキャビティ部の表面に、金型の母
    材部分と比べて硬度が高く且つ熱伝導率が高い材料から
    なる被覆層が形成されたプラスチック成形用の精密成形
    用金型の製造方法であって、 母材部分を、13Cr系ステンレス鋼またはダイス鋼を
    用いて加工した後、これに焼き入れを施し、 次いで、この母材部分の内、キャビティが形成される部
    位の表面を研磨し、 次いで、この表面に、PVD法を用いてB4 C、Hf
    C、SiC、WC、MoSi2 、HfB2 、MgO、ま
    たはWC−Co系超硬合金のいずれかを堆積して被覆層
    を形成し、 次いで、この被覆層の表面を研磨して鏡面に仕上げるこ
    とを特徴とするプラスチック成形用の精密成形用金型の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 金型のキャビティ部の表面に、金型の母
    材部分と比べて硬度が高く且つ熱伝導率が高い材料から
    なる被覆層が形成されたプラスチック成形用の精密成形
    用金型の製造方法であって、 母材部分を、13Cr系ステンレス鋼またはダイス鋼を
    用いて加工し、 次いで、この母材部分の内、キャビティが形成される部
    位の表面を研磨し、 次いで、この表面に、溶射法を用いてB4 C、HfC、
    SiC、WC、MoSi2 、HfB2 、MgO、または
    WC−Co系超硬合金のいずれかをコーティングして被
    覆層を形成し、 次いで、被覆層が形成された状態で母材部分に焼き入れ
    を施し、 次いで、被覆層の表面を研磨して鏡面に仕上げることを
    特徴とするプラスチック成形用の精密成形用金型の製造
    方法。
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