JPH1193341A - 不燃穴開き防水シート及びその防水工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】防水性の向上と材料や作業コストの低減を図
り、現場作業を簡略化することができる不燃穴開き防水
シート及びその施工方法を提供することを目的とする。 【解決手段】不燃防水シートに３〜５０ｍｍ間隔で直径
２〜１５ｍｍの穴を開けた穴開き不燃シートの両面又は
片面に不燃塗膜防水材を塗布した不燃穴開き防水シー卜
を防水施工面に敷設し不燃穴開き防水シートの穴の部分
に接着剤を塗布して接着剤を穴の部分から流し込み不燃
穴開き防水シートの穴部分周辺のみを防水施工下地面に
点接合させ、しかる後不燃穴開き防水シート面に防水材
を塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は建造物の屋根、壁、
屋上、バルコニー、床等に使用する不燃穴開き防水シー
トとその防水工法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来建造物の屋根、屋上、バルコニー、
床等の下地の防水施工面に室内への雨水の浸入を防止す
るために防水シートが敷設されている。

【０００３】このような防水シートを用いる場合、防水
シートを防水施工面に直接鋲やタッカー等の固定手段に
より下地に打ち付けて敷設固定したり、防水シートの下
面に接着剤により張り合わせて敷設固定していた。

【０００４】しかし鋲やタッカー等の固定手段を用いて
防水シートを固定した場合、固定手段が外方に露出し、
さらに下地にまで固定手段が達していることと相俟って
鋲やタッカーの穿孔から雨水が浸入し、雨漏りを起こす
ことがあった。

【０００５】又防水シートの裏面全体を接着剤によって
貼着するのは施工現場における接着剤塗布作業に熟練を
要し、しかも手間がかかりコストアップの要因となる。

【０００６】防水シートの裏面全体を防水施工面に接着
剤で貼着した場合防水施工面で例えばコンクリート等に
亀裂が生じた場合防水シートさらにその上に施工されて
いる防水層にも亀裂が入り雨水の浸入を生ずることにな
る。

【０００７】シート防水工法においても防水シートの全
面接着工法の他に部分接着する点張り工法、その他防水
層の末端部のみを下地に接着する浮し張り工法、絶縁工
法などがあるが、いずれも現場施工に手間がかかりコス
トダウンを図ることはできなかった。

【０００８】アスファルト防水シートに穴開きの防水シ
ートがあるが、この目的は空気を抜くいわゆる脱気を目
的とした穴である。アスファルト防水工法は厚塗りにす
るため空気のたまりができ易くアスファルト防水層のふ
くれや劣化の大きな原因となる。コンクリート等下地の
亀裂はアスファルト防水層へも亀裂を生じさせることに
なる。従って空気を抜くための脱気の穴を必要とするの
であり、本発明の目的とは全く異なるのである。本発明
の場合は逆に空気が入っていてもよい防水工法である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みなされたもので、防水性の向上と材料や作業コスト
の低減を図り、現場作業を簡略化することができる不燃
穴開き防水シート及びその防水工法を提供することを目
的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】その目的を達成するため
不燃防水シートに３〜５０ｍｍ間隔で直径２〜１５ｍｍ
の穴を開けた不燃穴開き防水シートの両面又は片面に不
燃塗膜防水材を塗布した不燃穴開き防水シートを作製
し、これを防水施工面に敷設し不燃穴開き防水シートの
穴の部分に接着剤を塗布して接着剤を穴の部分から流し
込み不燃穴開き防水シートの穴部分周辺のみを防水施工
下地面に点接合させ、しかる後不燃穴開き防水シート面
に防水材を塗布する防水工法である。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明による不燃穴開き防水シー
ト及びその防水工法によると、防水施工面に亀裂が入っ
ても防水シートはその亀裂部分周辺の点接合箇所が剥離
するのみで防水シート自身には損傷を生じない。不燃穴
開き防水シートを防水施工面に敷設して、不燃穴開き防
水シートの穴部分に接着剤を塗布し、穴部分周辺を下地
に接着させる点接合をするからである。この不燃穴開き
防水シートの上面を塗膜防水材で防水施工することによ
って容易且つ確実に防水施工を行なうことができるので
ある。

【００１２】不燃穴開き防水シートの不燃防水シート
は、高い耐水分透過性を有し、施工場所の形状に容易に
追従できる柔軟性、防水シートを接合する場合の接合性
などを有しているものである。無機又は金属繊維による
不燃防水シートで、ガラス繊維、カーボン繊維、ロック
ウール、マグネシア繊維、フォスフェート繊維、石綿変
性繊維、セラミックファイバー、ステンレス繊維、その
他金属繊維等あるいはこれらを複合したもので、繊維シ
ートや不織布あるいはこれらを積層し防水加工をしたも
のである。

【００１３】不燃穴開き防水シートの両面又は片面に塗
布する不燃塗膜防水材は、建設省の認定を受けた基材同
等不燃塗膜防水材を使用する。不燃防水シートに基材同
等不燃塗膜防水材を塗布することにより、不燃塗膜防水
材を塗布した不燃防水シートと言うことができるのであ
る。不燃塗膜防水材は、不燃防水シートの両面に塗布す
ることが望ましいが、軽微の防水施工の場合は片面のみ
塗布して施工面に敷設して施工面と接する側は塗布しな
くとも良い。

【００１４】不燃防水シート面に開ける穴の大きさは２
〜１２ｍｍの範囲である。２ｍｍ以下では接着剤が充分
流れ込まず防水施工面との接着接合が不充分で容易に剥
離してしまい、１２ｍｍ以上の大きな穴では穴周辺の接
着力が大きくなり防水シートの部分伸張力が強くなり均
一に不燃穴開き防水シートを貼着することができなくな
る。

【００１５】防水シート面に開ける穴の間隔は、穴の大
きさ、防水シートの材質によって決定しなければならな
いが、３〜５０ｍｍの範囲が好適である。３ｍｍ以下で
はあまり間隔がせますぎて施工にも手間がかかる。５０
ｍｍ以上ではあまり間隔が大きすぎて点接合の効果が減
少するからである。穴の配置は碁盤目状に並べても良い
し、千鳥状に並べても良い。

【００１６】不燃穴開き防水シートを防水施工面に敷設
して、穴の部分に塗布する接着剤は、不燃穴開き防水シ
ートの材質等により決定されるが、エマルジョン型酢酸
ビニル樹脂系、エマルジョン型ビニル共重合体系、ラテ
ックス型ゴム系、ラテックス型エポキシ変性ゴム系、エ
ポキシ樹脂系、ウレタン系等が使用できる。

【００１７】不燃穴開き防水シートの上面に防水施工す
る塗膜防水材は、アクリル系、ウレタン系、エチレン酢
酸ビニル共重合体系、クロロプレン系などが使用される
が、やはり建設省の認定を受けた基材同等不燃塗膜防水
でなけれはならない。不燃穴開き防水シートには既に塗
膜防水材が塗布されているため防水施工する塗膜防水材
は、接着剤を塗布した上に１回塗布し、その上に上塗り
のトップを塗布する。

【００１８】

【実施例】以下本発明の実施例を説明する。

【００１９】実施例 ガラス繊維製の不繊布シートを積
層した不燃防水シートの両面に基材同等不燃エマルジョ
ン型アクリル系塗膜防水材（商品名「リボールマイテ
ィ」東洋エクステリア（株）製）の下塗り及び中塗りを
１回ずつ塗布し、この面に縦横各１５ｍｍ間隔で直径３
ｍｍの穴を開けた不燃穴開き防水シートを作製した。

【００２０】下地コンクリート仕上面に不燃穴開き防水
シートを敷設して、穴の部分にエポキシ樹脂系接着剤
（商品名「タイルメントＥＰ−９００」タイルメント社
製）を塗布して不燃穴開き防水シートの穴周辺部分を下
地コンクリート仕上面に接着接合した。

【００２１】不燃穴開き防水シートの上面を基材同等不
燃エマルジョン型アクリル系塗膜防水材（商品名「リボ
ールマイティ」東洋エクステリア社製）の中塗り及び上
塗りを各１回ずつ塗布し防水施工を行なった。しかる後
下地コンクリート仕上面全面に人工的な幅１ｍｍの亀裂
を生じさせたが、亀裂周辺の不燃穴開き防水シート穴接
合部分１ヶ所が剥離したのみで防水シートには全く損傷
は見られず防水層にも異常は生じなかった。

【００２２】

【発明の効果】以上の如く本発明にかかる不燃穴開き防
水シート及びその防水工法は現場作業を大幅に簡略化す
ることができ、材料や作業コストの低減を図り且つ高度
な防水性、施工下地面との追従性を向上させることがで
きたのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】不燃穴開き防水シート

【図２】不燃穴開き防水シート防水施工断面図

【符号の説明】

１．不燃穴開き防水シート ２．穴 ３．現場施工塗膜防水材 ４．塗膜防水材 ５．不燃防水シート ６．接着剤 ７．防水下地

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項 １】 不燃防水シートに３〜５０ｍｍ間隔で
   直径２〜１５ｍｍの穴を開けた穴開き不燃防水シートの
   両面又は片面に不燃塗膜防水材を塗布したことを特徴と
   する不燃穴開き防水シート。
2. 【請求項 ２】 防水施工面に穴開き不燃穴開き防水シ
   ートを敷設し不燃穴開き防水シートの穴の部分に接着剤
   を塗布して穴部分から接着剤を流し込み不燃穴開き防水
   シートの穴部分周辺のみ防水施工面に点接合し、しかる
   後不燃穴開き防水シート表面に防水材を塗布することを
   特徴とする請求項１記載の不燃穴開き防水シートの防水
   工法。