JPH1193071A - 温感効果を呈するポリエステル繊維及びその製造方法 - Google Patents

温感効果を呈するポリエステル繊維及びその製造方法

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JPH1193071A
JPH1193071A JP25323597A JP25323597A JPH1193071A JP H1193071 A JPH1193071 A JP H1193071A JP 25323597 A JP25323597 A JP 25323597A JP 25323597 A JP25323597 A JP 25323597A JP H1193071 A JPH1193071 A JP H1193071A
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polyester fiber
warming
polyester
fiber
warming effect
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Motoyoshi Suzuki
東義 鈴木
Yoshie Inagaki
由江 稲垣
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、繊維に温感剤を付与する場合の問題
点を解決し、優れた温感効果を有し、その洗濯耐久性お
よび持続性にも優れ、さらに温感効果付与により風合が
損なわれることなく、これらの全てを満足するポリエス
テル繊維及びその製造方法を提案することにある。 【解決手段】 ポリエステル繊維を下記一般式(1)で
表される化合物及び単環式モノテルペン誘導体を主成分
とする温感剤を含有する液中にて、該ポリエステル繊維
のガラス転移点以上110℃以下の温度下で10分間以
上加熱処理することによって、該温感剤を実質的に分解
や揮散せしめることなく繊維の内部にまで容易に拡散せ
しめることができることを見出し、本発明に到達したも
のである。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温感効果を呈する
ポリエステル繊維及びその製造方法に関し、さらに詳細
には選ばれた温感剤の特定量を繊維内部に含有させるこ
とによって優れた温感効果を呈すると共にその洗濯耐久
性・持続性に優れたポリエステル繊維及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から経験的に唐辛子を足袋や靴に入
れると防寒効果があり、霜焼を防ぐことができるとして
よく知られている。すなわち、唐辛子の主成分であるカ
プサイシンが口腔内で辛味作用を呈するだけでなく、皮
膚や粘膜に温感を与えることが知られている。また、特
公昭61−9293号公報には、かかるカプサイシン類
似の辛味作用と温感作用を呈する化合物として、バニリ
ルアルコール誘導体が記載されている。
【0003】さらに前記のような温感剤を繊維に加工す
る試みとして、特開平4−185770号公報に記載さ
れているように温感剤を添加した硬タンパク質水溶液に
繊維品類を浸漬した後、さらにタンニン溶液に浸漬して
繊維品類を処理する方法や、特開平7−173773号
公報に開示されているように水溶性の捺染用糊料、温感
剤、および単分子化処理水の混合物を基布の表面に捺染
処理して得られる温感加工布が提案されている。
【0004】しかしながら、特開平4−185770号
公報に記載された方法によって得られる繊維品類におい
ては、硬タンパク質中の温感剤が繊維の表面に付着し、
物理的に保持されているにすぎず、温感剤が揮散や洗濯
によって容易に失われるためその洗濯耐久性や持続性に
劣り、さらに風合変化が大きく到底実用に耐えるもので
はない。
【0005】また、特開平7−173773号公報に開
示された加工布では、捺染処理工程において行なうコー
ティング後の高温処理(実施例では150℃で2分間)
によって該温感剤が容易に揮散逸失してしまい温感効果
の発現のための有効濃度を維持するのが最初から困難で
あるのみならず、この方法においても温感剤は基布の表
面のみに捺染用糊料中に分散した状態で塗着されている
にすぎないため、洗濯耐久性や持続性が不充分であり到
底満足できるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決し、優れた温感効果を有し、その洗濯耐久性お
よび持続性にも優れ、さらに温感効果付与処理により風
合が損なわれることなく、これらの全てを満足するポリ
エステル繊維及びその製造方法を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、温感剤を
ポリエステル繊維の内部にまで均一に含有せしめること
によって前記課題を解決しようと鋭意検討した結果、ポ
リエステル繊維を選ばれた温感剤を含有する液中にて、
該ポリエステル繊維のガラス転移点以上110℃以下の
温度下で10分間以上加熱処理することによって、該温
感剤を実質的に分解や揮散せしめることなく単繊維の内
部にまで容易に拡散せしめることができることを見出
し、本発明に到達したものである。
【0008】すなわち、本発明によれば、下記一般式
(1)で表される化合物及び/又は単環式モノテルペン
誘導体を主成分とする温感剤を含有するポリエステル繊
維であって、該ポリエステル繊維を10回洗濯した後の
温感剤の残存量がポリエステル繊維重量に対して0.1
〜10重量%であることを特徴とする温感効果を呈する
ポリエステル繊維、及びポリエステル繊維を下記一般式
(1)で表される化合物及び/又は単環式モノテルペン
誘導体を主成分とする温感剤を含有する液中にて、該ポ
リエステル繊維のガラス転移点以上110℃以下の温度
下で10分間以上加熱処理することを特徴とする温感効
果を呈するポリエステル繊維の繊維の製造方法が提供さ
れる。
【0009】
【化3】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル繊維は、テ
レフタル酸を主たる酸成分とし、炭素原子数2〜6のア
ルキレングリコール、即ち、エチレングリコール、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペン
タメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールか
ら、さらに好ましくは、エチレングリコール及びテトラ
メチレングリコールから選ばれた少なくとも一種のグリ
コールを、特に好ましくはエチレングリコールを主たる
グリコール成分とするものである。
【0011】また、該テレフタル酸成分の一部を他の二
官能性カルボン酸成分で置き換えたポリエステルであっ
てもよく、及び/又はグリコール成分の一部を前記グリ
コール以外のジオール成分で置き換えたポリエステルで
あってもよい。
【0012】ここで使用されるテレフタル酸以外の二官
能性カルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ノキシエタンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の如き芳香族、脂
肪族、脂環族の二官能性カルボン酸をあげることができ
る。
【0013】また、前記グリコール以外のジオール化合
物としては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール,ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビ
スフェノールSの如き芳香族、脂肪族、脂環族のジオー
ル化合物をあげることができる。
【0014】前記ポリエステルは、任意の方法によって
合成したものでよい。例えば、ポリエチレンテレフタレ
ートについて説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレ
ングリコールとを、直接、エステル化反応させるか、テ
レフタル酸ジメチルなどのテレフタル酸の低級アルキル
エステルとエチレングリコールとをエステル交換反応さ
せるか、またはテレフタル酸とエチレンオキサイドとを
反応させるかして、テレフタル酸のグリコールエステル
および/またはその低重合体を生成させる第1段階の反
応と、該第1段階の反応生成物を減圧下に加熱して所望
の重合度となるまで重縮合反応させる第2段階の反応に
よって製造することができる。
【0015】前記ポリエステルには、艶消剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤等が含有されていてもよく、こうする
ことは耐光性等の染色堅牢度の面からむしろ好ましいこ
とである。その他、必要に応じて触媒、安定剤、着色防
止剤、難燃剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、耐熱剤、着色
剤、無機粒子等の添加剤が含有されていてもよい。
【0016】本発明において使用するポリエステル繊維
としては、中空部を有しない中実繊維であっても、中空
部を有する中空繊維であってもよく、またポリエステル
繊維の横断面における外形や中空部の形状は円形であっ
ても異形であってもよい。さらに、繊度についても特に
限定はしない。
【0017】また、本発明のポリエステル繊維として特
に好ましくは、ガラス転移点が45℃〜65℃の範囲に
ある常圧分散染料可染型ポリエステル繊維が例示され、
このようなポリエステル繊維を用いることにより最終用
途の繊維構造物が有する血流促進効果及びその洗濯耐久
性・持続性の本発明の効果が通常のポリエチレンテレフ
タレート繊維に比べて顕著に増大させることができる。
【0018】かかる常圧分散染料可染型ポリエステル繊
維は、例えば、アジピン酸やポリオキシエチレングリコ
ール等のポリオキシアルキレングリコールを共重合した
ポリエステルを500〜2500m/分の紡糸速度で溶
融紡糸し、延伸・熱処理する方法、1500〜5000
m/分の紡糸速度で溶融紡糸し、延伸と仮撚加工とを同
時にまたは続いて行う方法、3000m/分以上の高速
で溶融紡糸し、用途によっては延伸工程を省略する方法
によって得ることができる。なかでも、アジピン酸を共
重合したポリエチレンテレフタレートからなる常圧分散
染料可染型ポリエステル繊維を用いるものが特に優れた
温感効果及びその洗濯耐久性・持続性を示すので好まし
い。
【0019】本発明に用いるポリエステル繊維の繊維物
性は、特に限定されるものではなく、通常のポリエステ
ル繊維と同程度のもので充分である。例えば、伸度が1
5〜40%程度の通常延伸糸や、伸度が40〜80%の
範囲にある高速紡糸により得られる糸が挙げられ、強度
のレベルとしては、2.5g/デニール以上が好まし
く、さらに好ましくは3.0g/デニール以上のもので
よい。また、収縮率としては、20%以下であるものが
好ましく例示され、さらに、5〜15%の範囲にあるも
のが好ましい。また、嵩高性が必要な用途の場合には、
仮撚加工等により嵩高性を付与することもでき、紡糸し
た繊維をステープルファイバーとした後、紡績工程に供
給し紡績糸として使用することもできる。
【0020】また、前記ポリエステル繊維は、マルチフ
ィラメント糸や紡績糸などの糸形態で用いてもよいが、
織物、編物、不織布などの布帛の形態で最終用途の供す
るものが好ましい。また、織編物の組織および形態とし
ては、特殊な工夫をする必要はなく、例えば、織組織で
は、平織、繻子織、綾織など、編物では、緯編、経編、
丸編の基本組織から、各種の複雑な組織のものまで使用
することができる。また、各種の交織、交編物も使用で
きる。
【0021】本発明のポリエステル繊維は、下記一般式
(1)で表される化合物及び単環式モノテルペン誘導体
を主成分とする温感剤を含有することが重要である。
【0022】
【化4】
【0023】前記(1)式中、XはOまたはNHCOで
あり、Yは水素原子またはOCH3であり、Yとしては
温感効果が大きい点でOCH3が好ましい。Rは炭素原
子数1〜10の炭化水素基であり、炭化水素基としては
アルキル基、シクロアルキル基またはアルケニル基が好
ましい。
【0024】かかる化合物の好ましい具体例としては、
バニリルブチルエーテル、バニリルアミルエーテル、バ
ニリルイソアミルエーテル、バニリルプロピルエーテ
ル、バニリルヘキシルエーテル、バニリルシクルヘキシ
ルエーテル、バニリルシクロペンチルエーテル、バニリ
ルアリルエーテル、バニリルエチルエーテル、バニリル
メチルエーテル、p−ヒドロキシベンジルメチルエーテ
ル、p−ヒドロキシベンジルエチルエーテル、バニリル
ノナアミド、カプサイシン等を挙げることができる。な
かでも、バニリルブチルエーテル、バニリルノナアミ
ド、カプサイシンが特に好ましい。
【0025】また、単環式モノテルペン誘導体としては
特に制限はなく、メントール、リモネン、テルピネン、
フェランドレン、シルベストレン、マタタビラクトン、
イリドミルメシン、アウクビン等を挙げることができ
る。なかでも、温感効果が大きいメントールが特に好ま
しく例示される。
【0026】このような温感剤は、1種のみを単独で使
用しても良く、又は、2種以上を併用しても良い。かか
る温感剤のポリエステル繊維中の含有量は、温感効果の
洗濯耐久性・持続性の点で、洗濯10回後にポリエステ
ル繊維に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.3
〜7重量%残存していることが必要である。この含有量
が0.1重量%未満では、温感効果が不充分となり、ま
た、該含有量が多いほど温感効果及びその洗濯耐久性・
持続性が大きくなるが、10重量%を超えると最早温感
効果は著しい増大を示さず、かえってひりひりした皮膚
の刺激感が発生するようになるので好ましくない。
【0027】かかるポリエステル繊維を製造する方法と
しては、例えば、前記したポリエステル繊維を、前記の
温感剤を含有する液中にて、該ポリエステル繊維のガラ
ス転移点以上110℃以下の温度で10分間以上加熱処
理する方法を挙げることができる。ここで、温感剤を含
有する液には、温感剤の溶液、乳化液若しくは縣濁液を
用いることができるが、その溶媒あるいは分散媒として
は、水や任意の有機溶媒を使用するものが例示される
が、取扱性の点から水を使用するものが好ましい。該温
感剤の溶液、乳化液、縣濁液を調製するにのに当たって
は任意の溶解剤、乳化剤、分散剤を用いることができ
る。
【0028】また、前記の加熱処理温度がポリエステル
繊維のガラス転移点未満の場合には、いくら処理時間を
長くしても充分な含有量が得られず温感効果が得られな
いため好ましくない。この処理温度が高くなるにつれて
温感剤の含有量が増大して温感効果が発現するようにな
るが、処理温度が110℃を超えると繊維中の温感剤の
含有量が逆に低下して温感効果が得られなくなる。この
ため該処理温度は110℃以下が適当である。
【0029】通常のポリエステル繊維のガラス転移点は
79℃であるが、アジピン酸12.5モル%共重合ポリ
エチレンテレフタレート繊維のガラス転移点は49℃で
あるので、適当な加熱処理温度は通常のポリエステル繊
維の場合は、79〜110℃の範囲であり、アジピン酸
12.5モル%共重合のポリエチレンテレフタレート繊
維の場合は、49〜110℃の範囲である。
【0030】また、液中での加熱時間が10分未満の場
合には、温感剤のポリエステル繊維内部への浸透拡散が
不充分となり、充分な温感効果が得られないので好まし
くない。該加熱時間の上限には特に制限はなく、加熱温
度に応じて適宜設定すれば良いが、一般的には30〜9
0分程度が好ましい。従って、ガラス転移点が45〜6
5℃の範囲にあり、通常98℃で染色する常圧分散染料
可染型ポリエステル繊維では、染色と同浴で処理するこ
とができ、その場合の加熱時間は、その染色を完結させ
るのに通常必要とされる時間で良い。しかしながら、染
色温度が130〜135℃である通常ポリエステル繊維
の場合には、染色浴では処理出来ないので染色後の別浴
処理が必要である。
【0031】このような液中での加熱処理の後、それま
での工程で発生したシワ等を取る目的で、通常ファイナ
ルセットが施されるが、この際のセット温度は130℃
以下であることが好ましい。つまり、ポリエステル繊維
のファイナルセットは通常160〜190℃の範囲の温
度で行われるが、このような130℃を超える温度での
ファイナルセットを行うと、温感剤が揮散する傾向があ
る。ただ、あまりセット温度が低いと、シワの除去が困
難になるので、ガラス転移点以上の温度であることが好
ましい。
【0032】
【発明の作用】本発明のポリエステル繊維によれば、従
来法では達成不可能な多量の温感剤を含有しているた
め、従来法では得られない優れた温感効果が発現するの
みならず、該温感効果の洗濯耐久性、及びおよびその持
続性が得られる。特に、ガラス転移点が45〜65℃の
アジピン酸共重合ポリエチレンテレフタレート繊維に適
用した場合に際立って顕著な温感効果、及びその洗濯耐
久性・持続性が得られる。その理由は未だ定かではない
が、浴中加熱時のポリエステル繊維内部への温感剤の浸
透拡散量だけでなく、室温での繊維内部から外部への温
感剤の徐放性が関係していると推測され、本発明で選択
的に使用する温感剤とアジピン酸共重合ポリエチレンテ
レフタレート繊維との間に何らかの相乗作用が働いてい
ると考えられる。
【0033】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維を使用した繊
維製品は、優れた温感効果及びその洗濯耐久性・持続性
に加えて良好な風合を有するため、そのファッション性
を損なうことなく寒冷地用や厳冬用の肌着、ストッキン
グ、ソックス、手袋、腹巻き、ナイティ、サポーター等
に極めて有用である。また、自己免疫症関連のリューマ
チ、レイノー病(手足に血が流れなくなり、酷いときは
壊死)、更年期障害による手足の冷え性等に対する医療
効果も期待される。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるも
のではない。実施例中の部および%はそれぞれ重量部お
よび重量%を示し、温感効果は以下の方法で測定した。
【0035】(1)温感効果試験法 温湿度を28℃×60%RHに調整した人工気象室内に
おいて、丸編地からなる試験布を腕(手と肘との間の部
分)に巻き付け、10分間にわたって腕表層部の血流量
の変化を測定した(プローブは該腕内側にセットす
る)。その前後にサーモグラフィー解析を行い、腕表面
温度の変化を測定した。同時に、官能試験により腕の試
験布巻き付け部の体感温感を評価した。
【0036】(2)血流測定法 ーザー血流計(株式会社アドバンス製)ALF21を用
いて組織血流量を測定した。
【0037】(3)サーモグラフィー サーマルビデオシステム TVS−8000シリーズ
(日本アビオニクス株式会社製)を用いて赤外線熱画像
解析により腕表面温度の微小変化を測定した。
【0038】(4)温感剤の含有量の定量分析法 試料から温感剤を240℃×6分間の条件下に熱脱着し
て−50℃の温度でコールドトラップした後、GC−M
S(横河アナリティカルシステムズ株式会社製)を用い
てそれぞれの温感剤を定量分析した。
【0039】(5)洗濯耐久性 JIS L−1018−77 6.36 H法に準じ、
洗濯は10回繰り返した後、(4)記載の方法により温
感剤の含有量を測定した。
【0040】[実施例1〜3、比較例1]アジピン酸を
12.5モル%共重合したポリエチレンテレフタレート
(二酸化チタン含有量:0.07%)を用い、4000
m/分の高速紡糸により得た常圧分散染料可染型ポリエ
ステルフィラメント糸(丸中実糸、50デニール/24
フィラメント、ガラス転移点:49℃)を使用して編成
した丸編地を常法に従って、精錬、プリセットした後、
下記の組成の水性乳化液中(浴比=1:50)に浸漬
し、温度98℃で表1記載のように時間を変えて液中加
熱処理を行った。
【0041】 バニリルブチルエーテル 28.5%owf ノニオン乳化剤 1.5%owf 次いで、常法に従って、ソーピングを行った後、温度1
20℃で1分間のファイナルセットを施して処理布を得
た(実施例1〜3、及び比較例1)。得られた処理布は
未処理布と同等のソフトな風合、タッチを呈した。洗濯
0回および洗濯10回後の、バニリルブチルエーテルの
含有量、温感効果(体感温感、血流量、サーモグラフィ
ー)の結果を表1に示す。
【0042】[実施例4]実施例2で温感剤として用い
たバニリルブチルエーテルに代えてバニリルノナアミド
を使用する以外は実施例2と同様に行った。評価結果を
表1に併せて示す。
【0043】[実施例5]実施例2で温感剤として用い
たバニリルブチルエーテルに代えてカプサイシンを使用
する以外は実施例2と同様に行った。評価結果を表1に
併せて示す。
【0044】[実施例6]実施例2で温感剤として用い
たバニリルブチルエーテルに代えてL−メントールを使
用する以外は実施例2と同様に行った。評価結果は表1
に示す。
【0045】[実施例7]実施例2で使用したアジピン
酸共重合ポリエチレンテレフタレートのマルチフィラメ
ント糸からなる丸編地に代えて、レギュラーのポリエチ
レンテレフタレート(二酸化チタン含有量:0.07
%)のマルチフィラメント糸(丸中実糸、50デニール
/24フィラメント、ガラス転移点:79℃)からなる
丸編地を使用する以外は実施例2と同様に行った。評価
結果を表1に併せて示す。
【0046】[実施例8]実施例2で使用したアジピン
酸共重合ポリエチレンテレフタレートのマルチフィラメ
ント糸からなる丸編地に代えて、平均分子量が1,00
0であるポリエチレングリコールを7.0%共重合した
ポリエチレンテレフタレート(二酸化チタン含有量:
0.07%)を用い、4000m/分の高速紡糸により
得た常圧分散染料可染型ポリエステルマルチフィラメン
ト糸(丸中実糸、50デニール/24フィラメント、ガ
ラス転移点:55℃)からなる丸編地を使用する以外は
実施例2と同様に行った。評価結果を表1に併せて示
す。
【0047】[比較例2]実施例2で行った液中加熱処
理の条件として、処理温度130℃で60分間行なう以
外は実施例2と同様に行った。評価結果を表1に併せて
示す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例1〜8では、いずれも洗濯10回後
においても温感剤の含有量の減少は少なく、繊維内部に
温感剤が含浸されていると推測され、これにより優れた
温感効果、及びその洗濯耐久性を得ることが出来た。一
方、比較例1では、液中の加熱処理時間が短く、洗濯1
0回後には温感剤を残存させておくことが出来なかっ
た。また、比較例2では液中加熱処理の温度が高く必要
な温感剤をポリエステル繊維に含有させることが出来な
かった。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物及び
    /又は単環式モノテルペン誘導体を主成分とする温感剤
    を含有するポリエステル繊維であって、該ポリエステル
    繊維を10回洗濯した後の温感剤の残存量がポリエステ
    ル繊維重量に対して0.1〜10重量%であることを特
    徴とする温感効果を呈するポリエステル繊維。 【化1】
  2. 【請求項2】 ポリエステル繊維のガラス転移点が45
    〜65℃である請求項1記載の温感効果を呈するポリエ
    ステル繊維。
  3. 【請求項3】 ポリエステル繊維を構成するポリエステ
    ルがアジピン酸を共重合したポリエチレンテレフタレー
    トである請求項1又は2記載の温感効果を呈するポリエ
    ステル繊維。
  4. 【請求項4】 ポリエステル繊維を構成するポリエステ
    ルがポリオキシアルキレングリコールを共重合したポリ
    エチレンテレフタレートである請求項1又は2記載の温
    感効果を呈するポリエステル繊維。
  5. 【請求項5】 温感剤がバニリルブチルエーテル、バニ
    リルノナアミド、カプサイシンおよびメントールよりな
    る群から選ばれた少なくとも一種の化合物を主成分とす
    る温感剤である請求項1〜4のいずれか1項記載の温感
    効果を呈するポリエステル繊維。
  6. 【請求項6】 ポリエステル繊維を下記一般式(1)で
    表される化合物及び/又は単環式モノテルペン誘導体を
    主成分とする温感剤を含有する液中にて、該ポリエステ
    ル繊維のガラス転移点以上110℃以下の温度下で10
    分間以上加熱処理することを特徴とする温感効果を呈す
    るポリエステル繊維の繊維の製造方法。 【化2】
  7. 【請求項7】 ポリエステル繊維のガラス転移点が45
    〜65℃である請求項6記載の温感効果を呈するポリエ
    ステル繊維の製造方法。
  8. 【請求項8】 ポリエステル繊維を構成するポリエステ
    ルがアジピン酸を共重合したポリエチレンテレフタレー
    トである請求項6又は7記載の温感効果を呈するポリエ
    ステル繊維の製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリエステル繊維を構成するポリエステ
    ルがポリオキシアルキレングリコールを共重合したポリ
    エチレンテレフタレートである請求項6又は7記載の温
    感効果を呈するポリエステル繊維の製造方法。
  10. 【請求項10】 温感剤がバニリルブチルエーテル、バ
    ニリルノナアミド、カプサイシンおよびメントールより
    なる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を主成分と
    する温感剤である請求項6〜9のいずれか1項記載の温
    感効果を呈するポリエステル繊維の製造方法。
  11. 【請求項11】 ポリエステル繊維を温感剤を含有する
    液中で加熱処理した後、更に該ポリエステル繊維に13
    0℃以下の温度でファイナルセットを施す請求項6〜1
    0のいずれか1項記載の温感効果を呈するポリエステル
    繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8962057B2 (en) 2009-04-29 2015-02-24 The Procter & Gamble Company Methods for improving taste and oral care compositions with improved taste

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