JP3172969B2 - 起毛調布帛の製造方法 - Google Patents

起毛調布帛の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟な表面風合を有す
ると共に、張り及び腰を有するポリアミド系起毛調布帛
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、通常の紡糸及び延伸方法で得
られたポリアミド繊維からなるマルチフィラメント糸条
を用いて、ポリアミド系布帛が製編織されている。しか
し、このポリアミド繊維は、沸水収縮率が10%程度であ
り、また最大熱応力値も0.1g/d程度であるため、製
編織して得られた布帛を熱処理しても、収縮量が少な
く、また熱収縮応力も低く、張りや腰のあるポリアミド
系布帛を得ることは困難であった。また、一種類のポリ
アミド繊維のみを使用しているため、全ての繊維が同様
に収縮し、表面を起毛状態にすることはできなかった。
【0003】このため、ポリアミド繊維と、このポリア
ミド繊維よりも収縮率の高い高収縮性繊維とを混合した
混合糸条を用いて、布帛を製編織し、しかる後熱水処理
を施して布帛を収縮させる方法が提案されている(特公
昭61-40778号公報)。この方法を採用すれば、理論的に
は、高収縮性繊維が大きく収縮して布帛に張り及び腰を
与え、一方収縮量の少ないポリアミド繊維が布帛の表面
に顕現して、張り及び腰のある起毛調布帛を得ることが
できると考えられる。しかしながら、現実的には、高収
縮性繊維として一般的に多く用いられているポリエステ
ル繊維を使用すると、得られる布帛の表面には、ポリア
ミド繊維とポリエステル繊維とが混在して顕現するとい
う傾向があった。従って、起毛部にはポリアミド繊維と
ポリエステル繊維とが混在しており、この布帛に染色を
行なうと、ポリアミド繊維とポリエステル繊維との染色
挙動の差により、染色条件や染色工程が複雑になり、ま
た染色性の差によるイラツキ等が生じるという欠点があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、高
収縮性繊維として、前記したポリエステル繊維に代え
て、表面がポリアミド成分よりなる特定の複合繊維を使
用することにより、低収縮性繊維であるポリアミド繊維
との染色挙動差を少なくし、染色しやすくすると共に表
面の染色性の差によるイラツキを解消し、且つ張り及び
腰のある起毛調布帛を得ようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、沸水収
縮率が14%以下で最大熱応力値が0.2g/d未満である
低収縮性ポリアミド繊維と、エチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物を芯成分とし、ポリアミドを鞘成分とする
芯−鞘型複合繊維であって、沸水収縮率が16%以上で最
大熱応力値が0.2g/d以上である高収縮性複合繊維と
を混合してなる混合糸条を用いて、布帛を製編織し、し
かる後染色仕上加工を行なうことにより、該高収縮性複
合繊維を収縮させることを特徴とする起毛調布帛の製造
方法に関するものである。
【0006】本発明において使用する低収縮性ポリアミ
ド繊維は、沸水収縮率が14%以下のものである。沸水収
縮率が14%を超えると、高収縮性複合繊維との収縮差が
少なくなって、布帛の表面に主としてポリアミド繊維を
顕現させることが困難になる。ここで、沸水収縮率と
は、以下の方法で測定されるものである。即ち、綛上機
で繊維を一定長だけ巻き上げ、その初荷重1g/d下で
の長さをl0とする。次に、無拘束の状態で沸騰する熱
水中で30分間処理し、その後自然乾燥して、その初荷重
1g/d下での長さをl1とする。そして、次式で算出
される値を沸水収縮率とする。沸水収縮率(%)=
[(l0−l1)/l0]×100である。
【0007】また、低収縮性ポリアミド繊維の最大熱応
力値は、0.2g/d未満である。最大熱応力値が0.2g/
d以上になると、収縮応力が強くなりすぎて、高収縮性
複合繊維の収縮挙動に悪影響を与える恐れがあるので、
好ましくない。ここで、最大熱応力値とは、以下の方法
で測定されるものである。即ち、市販の乾熱収縮応力測
定器を用いて、試料を15cm径の輪とする。そして、初張
力を60mmg/dに設定し、昇温速度300℃/分のもとで
測定を行ない、その際発現された最大の応力値を測定
し、最大熱応力値とするのである。
【0008】以上の如き、本発明で使用するポリアミド
繊維は、例えば従来公知の方法で溶融紡糸し、引き取り
速度を3000m/分以上とした、いわゆる一工程方式の高
速紡糸法で容易に製造することができる。また、このポ
リアミド繊維の単糸繊度は、任意に決定することができ
るが、薄毛起毛調布帛を得ようとするときには、0.01〜
1d程度が好ましく、反発性を有するループを持つ起毛
調布帛を得ようとするときには、1〜10d程度が好まし
い。なお、本発明で使用するポリアミド繊維の切断伸度
は、一般的に40〜70%程度である。
【0009】一方、本発明において使用する高収縮性複
合繊維は、沸水収縮率が16%以上である。沸水収縮率が
16%未満になると、低収縮性ポリアミド繊維との収縮差
が少なくなって、布帛の表面に主として低収縮性ポリア
ミド繊維を顕現させることが困難になる。なお、この沸
水収縮率も前記した方法で測定されるものである。
【0010】また、この高収縮性複合繊維の最大熱応力
値は、0.2g/d以上であり、好ましくは0.4〜0.7g/
dである。最大熱応力値が0.2g/d未満になると、収
縮応力が小さく、布帛に十分な張り及び腰を与えること
ができず、また布帛表面に主として低収縮性ポリアミド
繊維を顕現させにくくなるので、好ましくない。
【0011】本発明において使用する高収縮性複合繊維
は、物性的には前述の二条件を満足することが必要であ
る。例えば、沸水収縮率が30%であっても最大熱応力値
が0.2g/d未満であると、布帛に十分な収縮を与える
ことができない。また、最大熱応力値が0.2g/d以上
であっても、熱水収縮率が16%未満であると、布帛に十
分な収縮を与えることができないのである。即ち、本発
明が目的とする収縮を布帛に与えるには、沸水収縮率と
最大熱応力との両者が特定範囲にあることが必要なので
ある。
【0012】また、本発明で使用する高収縮性複合繊維
は、芯−鞘型複合繊維である。そして、芯成分としてエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が用いられ、鞘成
分としてポリアミドが使用されている。芯成分としてエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を用いる主な理由
は、複合繊維に高収縮能を与えるためであること、及び
鞘成分であるポリアミドとの親和性に優れていることで
ある。鞘成分として、ポリアミドを用いる主な理由は、
低収縮性ポリアミド繊維と同等の染色性を複合繊維に与
えるためである。
【0013】芯成分として使用するエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物としては、エチレン含有量が35〜70
モル%で、ケン化度が95%以上のものを用いるのが、好
ましい。エチレン含有量が35モル%未満であると、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の溶融粘度が上昇
し、溶融紡糸しにくくなる傾向が生じる。逆に、エチレ
ン含有量が70モル%を超えると、ビニルアルコールの水
酸基が減少して、エチレン−酢酸ビニル共重合体の親水
性が低下し、複合繊維の吸水性や染色性が低下する傾向
が生じる。なお、エチレン含有量は、NMR法(重水素
置換・DMSO溶液)によって測定したものである。ま
た、ケン化度が、95%未満であると、溶融紡糸時に熱分
解しやすくなる傾向が生じる。なお、ケン化度も、NM
R法(重水素置換・DMSO溶液)によって測定したも
のである。このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物の一般的物性値は、融点が150℃以上、210℃にお
けるメルトインデックスは2〜30の範囲である。なお、
融点及びメルトインデックスの測定方法は、以下のとお
りである。即ち、融点はDSC法(N2雰囲気下、昇温
速度10℃/分)で測定したものであり、メルトインデッ
クスはASTM-D-1238-65T(荷重2160g、190℃)に準じて
測定したものである。
【0014】また、鞘成分として使用するポリアミドと
しては、従来公知のものであれば任意に使用しうる。例
えば、ナイロン6,ナイロン66,ナイロンMXD6,これら
を構成する単量体を使用して得られる共重合体,又はこ
れらのの混合物を使用することができる。特に、本発明
においてはナイロン6を使用するのが、好ましい。これ
は、ナイロン6の融点が、エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物の融点と最も近く、且つナイロン6が熱的安
定性に優れているからである。なお、使用するポリアミ
ドは、その相対粘度(96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/
dl,温度25℃で測定)が2.0〜4.0の範囲のものが好まし
い。
【0015】本発明で使用する高収縮性複合繊維の芯成
分と鞘成分との重量割合は、芯成分:鞘成分=1:0.4
〜2.4であることが、好ましい。芯成分の量が前記の範
囲よりも少なくなると、熱収縮力の高いエチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物の量が少なくなって、複合繊維
に高い最大熱応力値を与えることができなくなり、布帛
の表面に低収縮性ポリアミド繊維を顕現させにくくなる
傾向が生じる。逆に、鞘成分の量が前記の範囲よりも少
なくなると、熱的安定性に劣る芯成分が複合繊維の表面
に露出し、複合繊維の熱的安定性が悪くなる傾向が生じ
る。
【0016】本発明で使用する高収縮性複合繊維は、一
般的に、市販のポリアミド繊維とは異なり、例えば以下
の如き方法で製造することができる。従来公知の溶融複
合紡糸装置で紡糸し、所定の速度で引き取る。そして、
得られたフィラメントを、予熱した延伸ゾーンで延伸し
て製造する。これは、市販のポリアミド繊維はガラス転
移温度が低く、冷延伸でも製造可能であるが、エチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物はガラス転移温度が45〜
70℃であるため、延伸時に熱を与える必要があるのであ
る。また、延伸倍率も、引き取り速度や目的とする繊維
特性とも関係するが、一般的に少なくとも2.0倍以上で
延伸する必要がある。延伸倍率が2.0倍未満であると、
所定の沸水収縮率及び最大熱応力値が得られなくなる恐
れがある。また、繊維内の残留伸度が多すぎて、衣料用
の繊維として使用するのに、不適当である場合が生じ
る。高収縮性複合繊維の単糸繊度は、任意に決定しうる
事項であるが、一般的に1〜20d程度のものを採用する
のが、好ましい。特に、高収縮性複合繊維の単糸繊度よ
りも、布帛の表面に顕現する低収縮性ポリアミド繊維の
単糸繊度を小さくするほうが、柔軟で優れた表面風合を
有する起毛調布帛が得られるので、好ましい。
【0017】以上の如き、低収縮性ポリアミド繊維と高
収縮性複合繊維とを混合して混合糸条を作成する。混合
糸条の一般的作成方法としては、低収縮性ポリアミド繊
維よりなるマルチフィラメント糸と高収縮性複合繊維よ
りなるマルチフィラメント糸とを、混繊,交絡,合撚又
は引き揃え等すればよい。更に、この混合糸条には、撚
を施さなくても良いし、撚を施しても良い。また、マル
チフィラメント糸は、必要に応じて仮撚加工したものを
使用してもよい。
【0018】この混合糸条を、経糸として或いは緯糸と
して、又は経糸と緯糸の両方に用いて、布帛を製編織す
る。布帛を製編織する際の織組織或いは編組織は、任意
に決定しうる事項である。
【0019】以上のようにして得られた布帛に、染色仕
上加工を施す。染色仕上加工は、従来公知の方法であれ
ば任意に採用することができる。例えば、公知の温水中
でリラックス及び精練処理を行ない、酸性染料又は含金
属染料等で染色を行なえば良い。この際に、高収縮性複
合繊維は収縮して、低収縮性ポリアミド繊維が布帛の表
面に顕現する。また、布帛は所望の色相に染色されるの
である。この収縮と染色は、同時に行なっても良く、ま
た収縮後に染色を行なっても良く、或いは染色後に収縮
を行なっても良い。以上のようにして、柔軟な表面風合
を有し、且つ張り及び腰を有する起毛調布帛が得られる
のである。
【0020】
【作用】本発明に係る方法においては、低収縮性ポリア
ミド繊維と高収縮性複合繊維とよりなる混合糸条を用い
て製編織された布帛を収縮させるので、高収縮性複合繊
維の方が低収縮性ポリアミド繊維よりも大きく収縮す
る。従って、高収縮性複合繊維が布帛の内部に配置さ
れ、低収縮性ポリアミド繊維が布帛表面に顕現される。
更に、高収縮性複合繊維が大きく収縮することにより、
布帛中の繊維密度が高くなり、布帛に張り及び腰を与え
ることができる。
【0021】また、高収縮性複合繊維は、鞘成分として
ポリアミドが用いられているので、低収縮性ポリアミド
繊維と同等の染色性を示し、高収縮性複合繊維が布帛表
面に若干存在していたとしても、低収縮性ポリアミド繊
維も高収縮性複合繊維も略同色に染色され、染色性の相
違によりイラツキが生じにくい。
【0022】
【実施例】
実施例1 沸水収縮率が7.5%で最大熱応力値が0.18g/dの低収
縮性ポリアミド繊維よりなる40d/68fのナイロン6マ
ルチフィラメント糸を準備した。このナイロン6マルチ
フィラメント糸は、紡糸引き取り速度3500m/分に設定
して、一工程方式の高速紡糸法で製造した。なお、この
低収縮性ポリアミド繊維の切断伸度は56%であった。
【0023】一方、沸水収縮率が19.8%で最大熱応力値
が0.49g/dの高収縮性複合繊維よりなる50d/24fの
複合マルチフィラメント糸を準備した。この高収縮性複
合繊維の芯成分はエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物であり、鞘成分はナイロン6である。なお、この複合
マルチフィラメント糸は、以下の如き方法で製造された
ものである。即ち、エチレン含有量45モル%,ケン化度
97%,メルトインデックス15.0のエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物を芯成分に用い、相対粘度2.5のナイ
ロン6を鞘成分に用い、複合重量比5:5で、従来公知
の方法で複合溶融紡糸を行なった。そして、この時の紡
糸温度は、芯成分を210℃,鞘成分を260℃に設定し、紡
糸口金を260℃にした。紡糸後、横方向からの吹付風で
冷却して、引き取り速度1200m/分で一旦巻き取った。
その後、別工程で、室温の第一段ローラーと50℃に加熱
された第二段ローラーとの間で1.013倍に延伸し、更に
この第二段ローラーと140℃に加熱された第三段ローラ
ーとの間で全延伸倍率が3.24倍となるように延伸し、50
d/24fの複合マルチフィラメント糸を得た。
【0024】前述したナイロン6マルチフィラメント糸
と複合マルチフィラメント糸とを引き揃えて、交絡個数
100ケ/mのインターレース処理をし、混合糸条を得
た。この混合糸条を糊付けした後、経糸及び緯糸とし
て、経糸密度87本/吋,緯糸密度74本/吋の平織を製織
した。この平織物を、連続噴流式低張力リラックサー
(日本染色機械株式会社製)で、浴温度80℃にて実質的
に張力をかけずに、拡布状で噴流によって20秒間のリラ
ックス処理を行なった。この結果、経糸密度104本/吋
(16.3%収縮)、緯糸密度93本/吋(20.4%収縮)とな
った。このように収縮させた平織物に、サーキュラー染
色機(株式会社日阪製作所製)で、苛性ソーダ1g/
l,サンモールFL(日華化学株式会社製、界面活性剤)
1g/lを使用して、温度80℃,時間20分の条件にて精
練を行なった。次いで、同染色機を用いて、温度100
℃,時間30分間の条件にて酸性染料で青色に染色を行な
った。得られた布帛は、経糸密度107本/吋(18.7%収
縮),緯糸密度99本/吋(25.3%収縮)で、その表面に
ナイロン6繊維が顕現した柔軟で且つ張り及び腰のある
起毛調布帛であった。
【0025】比較例1 高収縮性複合繊維として、沸水収縮率が11%であり、最
大熱応力値が0.15g/dのものを用いる以外は、実施例
1と同様の方法で布帛を得た。その結果、平織物の収縮
が不足しており、経糸密度94本/吋(7.4%収縮),緯
糸密度82本/吋(9.8%収縮)であった。また、得られ
た布帛は、張り及び腰に欠けるものであり、布帛表面に
はナイロン6繊維が十分に顕現せず、優れた起毛調を呈
するものではなかった。
【0026】実施例2 沸水収縮率が10%で最大熱応力値が0.1g/dの低収縮
性ポリアミド繊維よりなる70d/24fのナイロン6マル
チフィラメント糸を準備した。このナイロン6マルチフ
ィラメント糸は、紡糸引き取り速度3500m/分に設定し
て、一工程方式の高速紡糸法で製造した。なお、この低
収縮性ポリアミド繊維の切断伸度は49.3%であった。一
方、実施例1で用いたのと同様の高収縮性複合繊維より
なる複合マルチフィラメント糸を準備した。そして、両
者のマルチフィラメント糸を使用して、実施例1と同様
の方法で混合糸条を得た。この混合糸条に糊付けした
後、経糸及び緯糸として、経糸密度71本/吋,緯糸密度
60本/吋の平織物を製織した。そして、その後は実施例
1と同様の方法で起毛調布帛を得た。得られた布帛は、
経糸密度86本/吋(17.4%収縮),緯糸密度75本/吋
(20.3%収縮)であり、布帛表面にナイロン6繊維のル
ープが高く顕現した、触感に優れ、且つ張り,腰及び反
発性に優れた起毛調布帛であった。
【0027】比較例2 比較例1で用いた複合マルチフィラメント糸を用いる以
外は、実施例2と同様の方法で布帛を得た。その結果、
平織物の収縮が不足し、経糸密度78本/吋(8.9%収
縮),緯糸密度68本/吋(11.8%収縮)であった。ま
た、この布帛は、張り,腰及び反発性に欠けるものであ
った。
【0028】
【発明の効果】本発明は、特定の物性を有する低収縮性
ポリアミド繊維と、特定の物性を有する高収縮性複合繊
維とよりなる混合糸条を用いて製編織された布帛に、染
色仕上加工を施すことにより、布帛を収縮させるので、
高収縮性複合繊維の方が低収縮性ポリアミド繊維よりも
大きく収縮する。従って、高収縮性複合繊維と低収縮性
ポリアミド繊維との間に繊維長差が生じ、低収縮性ポリ
アミド繊維が布帛表面に顕現される。依って、布帛表面
の触感に優れた起毛調布帛を得ることができるという効
果を奏するものである。
【0029】更に、高収縮性複合繊維が大きく収縮する
ことにより、高収縮性複合繊維は布帛の内部に配置さ
れ、且つ布帛中の繊維密度が高くなる。従って、布帛に
張り及び腰を与えることができ、衣料用として適した布
帛が得られるという効果を奏する。
【0030】また、高収縮性複合繊維は、鞘成分として
ポリアミドが用いられているので、低収縮性ポリアミド
繊維と同等の染色性を示し、高収縮性複合繊維が布帛表
面に若干存在していたとしても、低収縮性ポリアミド繊
維も高収縮性複合繊維も略同色に染色され、染色性の相
違によりイラツキが生じにくい。従って、簡単な染色方
法で、均質に染色された外観に優れた布帛を得ることが
できるという効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D03D 25/00 102 D03D 25/00 102A D06C 23/04 D06C 23/04 A (72)発明者 隅田 睦夫 京都府宇治市宇治小桜23ユニチカ株式会 社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−370232(JP,A) 特開 昭52−91960(JP,A) 特開 昭53−86875(JP,A) 特開 平4−18162(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 3/00 D03D 15/00 D03D 25/00 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 沸水収縮率が14%以下で最大熱応力値が
    0.2g/d未満である低収縮性ポリアミド繊維と、エチ
    レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を芯成分とし、ポリ
    アミドを鞘成分とする芯−鞘型複合繊維であって、沸水
    収縮率が16%以上で最大熱応力値が0.2g/d以上であ
    る高収縮性複合繊維とを混合してなる混合糸条を用い
    て、布帛を製編織し、しかる後染色仕上加工を行なうこ
    とにより、該高収縮性複合繊維を収縮させることを特徴
    とする起毛調布帛の製造方法。
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