JPH119285A - Tbpと複合体を形成する蛋白質、該蛋白質をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドおよび該蛋白質を認識する抗体 - Google Patents

Tbpと複合体を形成する蛋白質、該蛋白質をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドおよび該蛋白質を認識する抗体

Info

Publication number
JPH119285A
JPH119285A JP9187398A JP18739897A JPH119285A JP H119285 A JPH119285 A JP H119285A JP 9187398 A JP9187398 A JP 9187398A JP 18739897 A JP18739897 A JP 18739897A JP H119285 A JPH119285 A JP H119285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protein
dna
tip49
amino acid
tbp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9187398A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Kishimoto
利彦 岸本
Takaaki Tamura
隆明 田村
Yasutaka Makino
泰孝 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP9187398A priority Critical patent/JPH119285A/ja
Priority to PCT/JP1998/002836 priority patent/WO1999000419A1/ja
Priority to EP98929678A priority patent/EP0926157A1/en
Publication of JPH119285A publication Critical patent/JPH119285A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/40Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against enzymes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • C07K14/4701Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
    • C07K14/4702Regulators; Modulating activity

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、遺伝子転写における中心的な因
子であるTBPと複合体を形成する新規な蛋白質並びに
該蛋白質をコードする遺伝子を提供する。 【解決手段】 本発明は、配列表の配列番号1又は配列
番号3に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質、その変異
体及びそのホモログ蛋白質である。本発明の蛋白質は、
TBPとの複合体を形成する能力を有し、さらには、A
TPsae活性並びにDNAヘリケース活性を有する。
本発明はまた、上記蛋白質をコードする遺伝子である。
本発明はまた、上記蛋白質に特異的に結合する抗体であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、哺乳動物の各組織
に広く存在し、TBPと複合体を形成する蛋白質、該蛋
白質をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチ
ドのアンチセンスポリヌクレオチドおよび該蛋白質を認
識する抗体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌の発症は遺伝子の何らかの異常によっ
て起こることが知られており、特に、遺伝子の転写レベ
ルでの変動異常が癌の発症の主たる原因となると考えら
れている。癌の原因遺伝子の究明は、癌の発症機構の解
明や癌の診断法、治療法の開発等を実現するために不可
欠な重要課題であり、該遺伝子の探索は1980年頃よ
り盛んに行われてきた。
【0003】一方、遺伝子転写における中心的な因子と
しては、TBP(TATA binding prot
ein)が、生物の全遺伝子の転写に関わっていること
が知られている。具体的には、DNAからmRNAへの
転写が行われるときにTBPが該DNAのプロモーター
領域に結合することで遺伝子の転写制御が行われている
と報告されている。そうすると、各遺伝子のそれぞれ異
なる転写制御に対応するだけの機能をTBPは持つこと
になるが、これはTBPが他の多様な蛋白質と複合体を
形成することで、その相手の蛋白質や複合体の構造によ
り、それぞれの機能を持つことになると考えられてい
る。
【0004】上記のTBPと複合体を形成する蛋白質と
しては、これまでにTAFs(TBP as soci
ating factors)やDr1、Dr2といっ
た遺伝子の転写に関連すると考えられるものから、Ta
t、p53、Rb等の癌関連遺伝子等まで幅広く同定さ
れている。
【0005】一方、本発明者らのうちの田村、牧野によ
って、微量しか発現されない蛋白質または抗原性の低い
蛋白質およびそれらをコードする遺伝子の取得方法が明
らかにされた(『バイオマニュアルシリーズ5 転写因
子研究法』pp11〜16、pp27〜37、pp18
9〜196及びpp215〜219(羊土社、1993
年))。
【0006】本発明者らは、上記の方法を用いて、TB
Pと結合しかつ癌で特異的に発現が増加する蛋白質とし
て、TIP120蛋白質、該蛋白質をコードする遺伝子
および該蛋白質に対する抗体を、特開平9−77792
号公報に開示した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、遺伝子転写
における中心的な因子であるTBPと複合体を形成する
新規な蛋白質の取得を目的とするものである。また、本
発明は、前記蛋白質をコードする遺伝子または前記蛋白
質を認識する抗体を提供することを目的とするものであ
る。さらに、本発明は、該抗体を用いて該蛋白質の検出
を可能ならしめることを目的とするものである。さら
に、本発明は、前記のTBPと複合体を形成する蛋白質
のホモログの取得方法ならびに該方法により取得された
ホモログ蛋白質およびそれらの蛋白質をコードする遺伝
子を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の田
村、牧野の方法を改良した方法を用いて、TBPと複合
体を形成する蛋白質であってその分子量が49kDであ
る蛋白質(TIP49と命名した。)の遺伝子(TIP
49遺伝子)の塩基配列を決定した。そして、該遺伝子
がコードするアミノ酸配列を決定した。さらに、TIP
49遺伝子がコードする組み換え蛋白質を作製し、該組
み換え蛋白質が天然に存するTIP49と同じ性質を有
することを確認した。また、TIP49遺伝子の一部の
DNAをプローブとして用い、そして該プローブである
DNAが得られたcDNAライブラリーとは別のcDN
Aライブラリーから、該プローブがハイブリダイズする
cDNA(TIP49遺伝子のホモログ)を取得し、該
cDNAがコードするアミノ酸配列を決定した。また、
TIP49蛋白質を該蛋白質が由来する動物以外の動物
に免疫することにより、該蛋白質を認識する抗体を得、
該蛋白質の抗原性を確認した。
【0009】すなわち、本発明は、以下の蛋白質を提供
する。 1.以下の(a)又は(b)の蛋白質、(a)配列表の
配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質、
(b)TBPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配
列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列において一また
は複数のアミノ酸が置換、欠失または付加されたアミノ
酸配列からなる蛋白質。 2.以下の(c)又は(d)の蛋白質、(c)配列表の
配列番号3に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質、
(d)TBPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配
列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列において一また
は複数のアミノ酸が置換、欠失または付加されたアミノ
酸配列からなる蛋白質。 3.さらに、ATPsae活性を有する前記1又は2に
記載の蛋白質。 4.さらに、DNAヘリケース活性を有する前記1ない
し3のいずれか一つに記載の蛋白質。 5.以下の(e)又は(f)に記載の蛋白質、(e)T
BPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配列表の配
列番号1に記載のアミノ酸配列の一部からなる蛋白質、
(f)TBPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配
列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列の一部において
一または複数のアミノ酸が置換、欠失または付加された
アミノ酸配列からなる蛋白質。 6.以下の(g)又は(h)に記載の蛋白質、(g)T
BPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配列表の配
列番号3に記載のアミノ酸配列の一部からなる蛋白質、
(h)TBPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配
列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列の一部において
一または複数のアミノ酸が置換、欠失または付加された
アミノ酸配列からなる蛋白質。 7.さらに、ATPsae活性を有する前記5又は6に
記載の蛋白質。 8.さらに、DNAヘリケース活性を有する前記5ない
し7のいずれか一つに記載の蛋白質。
【0010】また、本発明は、以下のポリヌクレオチド
を提供するものである。 9.前記1ないし8のいずれか一つに記載の蛋白質をコ
ードするDNA。 10.配列表の配列番号2又は配列番号4に記載の塩基
配列からなるDNA。 11.前記9又は10に記載のDNAがコードするRN
A。 12.前記9又は10に記載のDNAのアンチセンスD
NA或いは前記11に記載のRNAのアンチセンスRN
A、又はそれらの誘導体からなるアンチセンスポリヌク
レオチド。 13.前記9ないし12のいずれか一つに記載のポリヌ
クレオチドのうちの一部であって、連続する12塩基以
上からなるポリヌクレオチド。 14.前記9ないし12のいずれか一つに記載のポリヌ
クレオチドのうちの一部であって、連続する16塩基以
上からなるポリヌクレオチド。 15.前記5ないし8のいずれか一つに記載の蛋白質を
コードするDNAのアンチセンスDNA、或いは前記5
ないし8のいずれか一つに記載の蛋白質をコードするD
NAがコードするRNAのアンチセンスRNA、又はそ
れらの誘導体からなるアンチセンスポリヌクレオチドで
あって、GC含有率が30〜70%であるポリヌクレオ
チド。 16.化学修飾された前記9ないし15のいずれか一つ
に記載のポリヌクレオチド。
【0011】17.本発明は、前記10に記載のDNA
のホモログであるcDNAを取得する方法であって、前
記13ないし15のいずれか一つに記載のポリヌクレオ
チドをプローブとして、cDNAライブラリーから該ポ
リヌクレオチドとハイブリダイズするcDNAを取得す
る方法を提供するものである。
【0012】18.また、本発明は、配列表の配列番号
2または配列番号4に記載の塩基配列からなるDNAの
ホモログであって、前記のcDNAの取得方法によって
取得されたcDNAを提供するものである。
【0013】19.また、本発明は、配列表の配列番号
1又は3に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質のホモロ
グであって、前記のcDNAがコードするアミノ酸配列
からなる蛋白質を提供するものである。
【0014】20.また、本発明は、前記1ないし8又
は19のいずれか一つに記載の蛋白質を認識する抗体
(ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体)を提供
するものである。
【0015】21.また、本発明は、前記1ないし8又
は19のいずれか一つに記載の蛋白質を認識するモノク
ローナル抗体の活性フラグメントを提供するものであ
る。
【0016】22.また、本発明は、前記1ないし8又
は19のいずれか一つに記載の蛋白質を検出する方法で
あって、該蛋白質を認識する抗体を用いることを特徴と
する検出方法に関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明では、後述するように、実
施例としてラットの肝臓から、TBPと複合体を形成す
るTIP49を単離し、さらに実施例10で示したよう
にヒトTIP49遺伝子を取得した。TBPが生物の全
ての遺伝子の転写の中心因子であることから、ラットや
ヒト以外の生物が、今回単離した蛋白質と同じ機能をも
つ蛋白質を有していることが非常に高い可能性をもって
考えられる。それゆえ、実施例10で開示した方法によ
り、ヒト又はラット以外の他の生物からTIP49のホ
モログが得られる。また、実施例4で実証したようにT
IP49遺伝子が各組織に広く存在することおよび実施
例2で示したようにTIP49遺伝子がDNA障害に関
与する遺伝子であることから、TIP49遺伝子は肝臓
だけではなく各組織でのDNA障害に関与する遺伝子で
あることが強く示唆される。もちろん、種によってその
アミノ酸配列にいくらかの相違はあるが、一般的には異
種間の同一機能の蛋白質については30%〜40%以上
のホモロジーがあると言われている。ここでいうホモロ
ジーがあるということは、一般に言われているのと同じ
く、同族アミノ酸をポジティブとカウントする算出法に
よるものであり、アミノ酸鎖の長さが異なる場合は、ア
ミノ酸鎖が短い方の蛋白質の長さに対して、ホモロジー
がある部分の割合がいくらかを表す。TIP49をラッ
トとヒトとの間において比較すると、アミノ酸レベルで
はわずかに1アミノ酸が異なるだけであり、種間におい
てアミノ酸配列が非常によく保存された蛋白質である。
【0018】本発明のTIP49の機能は、TBPと複
合体を形成すること、ATPase活性を有することま
たはDNAヘリケース活性を有することを特徴とする
が、これらについては、例えば実施例7ないし9で開示
した方法をそれぞれの場合で用いて確認すればよい。本
発明は、TIP49蛋白質の変異体として、上記機能を
有し、且つ配列表の配列番号1または3に記載のアミノ
酸配列において一または複数のアミノ酸が置換、欠失ま
たは付加されたアミノ酸配列からなる蛋白質を含むもの
である。
【0019】アミノ酸の置換、欠失又は付加は、たとえ
ば部位特異的突然変異誘発(site directed mutagenesi
s)によって塩基配列に変異を起こさせることにより行う
ことができる。具体的には、所望の変異(ミスマッチン
グ)を有する他は変異を受けるべきDNAに相補的な合
成オリゴヌクレオチドを用いて、DNAの塩基配列の一
部を所望の配列に置換させること、所望の配列を欠失又
は付加することが可能である。更には、部位特異的突然
変異誘発を2ないし3回繰り返すことにより、より大き
な範囲の塩基配列を置換、欠失または付加することも可
能であり、又は塩基配列の離れた部位に同時に変異を起
こさせることも可能である。また、塩基配列の置換、欠
失又は付加は、遺伝子を突然変異誘発剤で処理する方
法、又は、遺伝子を選択的に開裂し次いで選択されたヌ
クレオチドを除去及び/又は付加しそして遺伝子を連結
する方法により行うことも可能である。
【0020】本発明のTIP49またはTIP49の変
異体をコードするDNAまたはRNAは、縮重による全
ての塩基配列からなるものである。DNAのセンス鎖ま
たはRNAについては、その塩基配列と相補な塩基配列
からなるアンチセンスDNAまたはアンチセンスRNA
がそれぞれ存在する。本明細書では、特に断りがない限
り、DNAまたはcDNAとはセンス鎖とアンチセンス
鎖の二本鎖からなるものを指し、RNAとは一本鎖を指
し、アンチセンスDNAまたはアンチセンスRNAとは
一本鎖を指す。
【0021】本明細書においては、ポリヌクレオチドと
は、DNA又はRNA、またはそれらにさらに塩基、リ
ン酸、糖からなるヌクレオチドが1又は複数結合したも
のをいい、天然に存在するもの又は天然に存在しないも
ののいずれも含む。アンチセンスポリヌクレオチドにつ
いても同様である。本発明のアンチセンスポリヌクレオ
チドには、その立体構造や機能がポリヌクレオチドと類
似する誘導体が全て含まれる。例えば、ポリヌクレオチ
ドの3’末端もしくは5’末端に他の物質が結合したも
のやポリヌクレオチドの塩基、糖、リン酸の少なくとも
いずれか一部において置換や欠失や付加の修飾が生じた
もの、天然に存在しないような塩基、糖、リン酸を有す
るものや、糖−リン酸骨格以外の骨格を有するものであ
る。該アンチセンスポリヌクレオチド及びその誘導体
は、TIP49またはTIP49の変異体をコードする
ポリヌクレオチドのコード領域のいかなる部分にハイブ
リダイズするものであってもよい。なお、mRNAの一
部に対して相補的な塩基配列を有し、該mRNAにハイ
ブリダイズするものが好ましい。
【0022】アンチセンスポリヌクレオチドは、 遺伝子からpre−mRNAへの転写段階、 pre−mRNAから成熟mRNAへのプロセッシン
グ段階、 核膜通過段階、 蛋白への翻訳段階 のいずれかで、遺伝情報を担うDNA又はmRNAに結
合し、遺伝情報の伝達の正常な流れに影響を与えて蛋白
質の生合成を阻害することにより該蛋白質の発現を調節
すると考えられている。ハイブリダイズのし易さの点で
は、一般的には、ステムループを形成している領域の塩
基配列に相補的な塩基配列を持つアンチセンスポリヌク
レオチド又はアンチセンスポリヌクレオチド誘導体を設
計するとよいとされている(『臨床免疫25巻』120
0〜1206頁、1993年)。
【0023】また、翻訳開始コドン付近、リボソーム結
合部位、キャッピング部位、スプライス部位の配列に相
補的な配列を有するようなポリヌクレオチドは、一般に
高い発現抑制効果が期待できる(『癌と化学療法 20
巻13号』1899〜1907頁)。したがって、本発
明のアンチセンスポリヌクレオチド又はその誘導体であ
って、TIP49遺伝子又はTIP49をコードするm
RNAの翻訳開始コドン付近、リボソーム結合部位、キ
ャッピング部位、スプライス部位の相補的な配列を含む
ものは、高い発現抑制効果が期待される。誘導体として
は、現在一般に知られている誘導体のうち、ヌクレアー
ゼ耐性、組織選択性、細胞透過性、結合力の少なくとも
一つが高められた誘導体であることが好ましく、特に好
ましくは、当該誘導体は、フォスフォロチオエート結合
を骨格構造として有する誘導体である。本発明のアンチ
センスポリヌクレオチド及びその誘導体についても、こ
れらの機能又は構造を有する誘導体が含まれる。
【0024】本発明のアンチセンスポリヌクレオチド及
びその誘導体の製造は慣用の方法を用いて行うことがで
きる。例えば、天然型のDNAやRNAであれば、化学
合成機を使用して合成したり、TIP49遺伝子を鋳型
としてPCR法を行うことにより本発明のアンチセンス
ポリヌクレオチドを得ることができる。また、メチルフ
ォスフォネート型やフォスフォロチオエート型等、誘導
体の中には、化学合成機(例えば、パーキンエルマージ
ャパン社製394型)を使用して合成できるものもあ
る。この場合には、化学合成機に添付されている説明書
にしたがって操作を行い、得られた合成産物を逆相クロ
マトグラフィー等を用いたHPLC法により精製するこ
とによって、目的のアンチセンスポリヌクレオチド又は
その誘導体を得ることができる。本発明のポリヌクレチ
ドまたはアンチセンスポリヌクレオチドの全長またはそ
の一部はTIP49遺伝子を検出するためのプローブと
して用いることができる。
【0025】さて、ヒトの蛋白質の種類は3×109
といわれている。16塩基のDNAは416種類存在する
ので、この長さのDNAであればヒトの全ての蛋白質を
特異的に識別できると考えられる。すなわち、プローブ
として必要な長さは理論的には16塩基である。実用上
もこの長さ以上であることが望ましいことは言うまでも
ないが、実用的には12塩基以上で用いられることが多
い。また、プローブとして用いる箇所は、非コード領
域、コード領域のいずれも使用可能である。ポリヌクレ
オチドの立体構造によりGC含有率が30ないし70%
であるものがハイブリダイズし易い点で好ましい。プロ
ーブとして用いる本発明のポリヌクレオチド又はアンチ
センスポリヌクレオチドは、標識化しておくことで、該
ポリヌクレオチド又はアンチセンスポリヌクレオチドを
検出することが可能となる。標識の手段としては、放射
性同位元素(RI)、蛍光物質(FITCやローダミン
等)、酵素又はアビジン若しくはビオチンを用いること
が好ましい。特に、RIを用いることが好ましい。
【0026】TIP49遺伝子を検出する方法としては
具体的には、ノーザンブロットハイブリダイゼーション
法やRT−PCR法(『Current Protoc
ols in Molecular Biology』
(Greeue Publishing Associ
ates and Wiley−Juter Scie
nce)Chapter15)又はインサイチュハイブ
リダイゼーション法(同書Chapter14)が挙げ
られる。なお、ハイブリダイズの条件は、プローブの長
さや使用するメンブランにより最適な条件が異なる。つ
まり、ハイブリダイズ条件は自ずから或る幅をもつもの
である。本発明の実施例では、使用したメンブランの性
質と得ようとしたプローブの長さにおける最適な条件を
開示するものであり、メンブランやプローブの長さが異
なれば当然異なるハイブリダイズ条件でもハイブリダイ
ズし得る。例えば、ピロリン酸ナトリウムがなくてもハ
イブリダイズする場合もある。その範囲としては、目安
として以下の条件が挙げられる。
【0027】ハイブリダイズ条件: プレハイブリダイゼーション 6以上10以下xSSC 5以上10以下xDenhaldt’s 0.1%以下ピロリン酸ナトリウム 約100μg/ml熱変性DNA 0.1以上1%以下SDS 総液量 約50ml 反応温度35以上37℃以下 反応時間50以上70分間 ハイブリダイゼーション 6以上10以下xSSC 5以上10以下xDenhaldt’s 0.1%以下ピロリン酸ナトリウム 約100μg/ml熱変性DNA 1x105以上2x106cpm/ml以下cDNAプロ
ーブ 反応温度35以上42℃以下 反応時間12時間以上20時間以下
【0028】DNA又はRNAを化学合成するときに、
側鎖をメチル化すること、あるいはビオチン化するこ
と、またはリン酸基部分のOをS置換すること等の化学
的に修飾することはよく知られている。例えば、配列表
の配列番号2又は4に記載のDNAを化学合成するとき
に、該化学修飾を行い、配列表に示されたDNAそのも
のとは異なるDNA(誘導体)を合成することが可能で
ある。したがって、本発明のDNA及びRNAは、上記
の化学修飾された、DNA、RNAまたはアンチセンス
ポリヌクレオチドをその範囲に含むものである。本発明
においては、化学修飾されたDNAまたはRNAは、蛋
白質をコードする機能またはプローブとしての機能のい
ずれかを発揮可能なものであれば特に問題なく、また化
学修飾されたアンチセンスポリヌクレオチドは、プロー
ブまたは蛋白質の生合成を阻害する機能またはプローブ
としての機能のいずれかを発揮可能なものであれば特に
問題なく使用可能である。なお、標識化は化学修飾に含
まれる。
【0029】本発明は、TIP49の抗原性について、
実施例5に例示するように、該TIP49が由来する動
物以外の動物に免疫することで容易に抗体が得られるも
のであることを明らかにするものである。したがって、
本発明のTIP49を認識する抗体は、TIP49を該
TIP49が由来する動物以外の動物に免疫感作するこ
とにより得られる抗血清及びポリクローナル抗体であっ
て、該抗体が本発明のTIP49を認識することがウェ
スタンブロット法、ELISA法や免疫染色法(例えば
FACSでの測定)等により確認されるものをその範囲
内に含む。
【0030】また、免疫原として、蛋白質の一部、又は
該蛋白質の一部をウシ血清アルブミンなどの他のキャリ
アー蛋白質に結合させたものを用いることはよく行われ
る方法である。該蛋白質の一部は、例えばペプチド合成
機を用いて合成してもよい。なお、蛋白質の一部として
は、8アミノ酸残基以上であることが好ましい。抗原性
が明らかとなった物質については、免疫感作によってポ
リクローナル抗体が得られるならば、該免疫した動物の
リンパ球を用いたハイブリドーマによりモノクローナル
抗体が産生されることはよく知られている(『Anti
bodies A Laboratory Manua
l』(Cold SpringHarbor Labo
ratory Press、1988)Chapter
6)。したがって本発明のTIP49を認識する抗体は
モノクローナル抗体もその範囲内に含むものである。
【0031】本発明においては、抗体は活性フラグメン
トをも包含するものである。活性フラグメントとは、抗
原抗体反応活性を有する抗体のフラグメントを意味し、
具体的には、F(ab′)2、Fab′、Fab、Fv
などを挙げることができる。例えば、本発明の抗体をペ
プシンで分解するとF(ab’)2が得られ、パパイン
で分解するとFabが得られる。F(ab’)2を2−
メルカプトエタノールなどの試薬で還元して、モノヨー
ド酢酸でアルキル化するとFab’が得られる。Fvは
重鎖可変領域と軽鎖可変領域とをリンカーで結合させた
一価の抗体活性フラグメントである。これらの活性フラ
グメントを保持し、その他の部分を他の動物のフラグメ
ントに置換することでキメラ抗体が得られる。
【0032】TIP49の検出については、抗体を用い
る方法、酵素反応を利用する方法が挙げられる。抗体を
用いる方法としては具体的には、TIP49を認識す
る抗体を用いてTIP49を検出する方法、TIP4
9を認識する抗体および該抗体の標識二次抗体を用いて
TIP49を検出する方法が挙げられる。標識として
は、例えば放射性同位元素(RI)、酵素、アビジン又
はビオチン、もしくは蛍光物質(FITCやローダミン
等)が利用される。
【0033】酵素反応を利用する方法としては、例え
ば、ELISAが挙げられる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳述す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 <実施例1>TIP49遺伝子の単離及びTIP49の
アミノ酸配列の決定 1.ラット核抽出液の調製 『バイオマニュアルシリーズ5 転写因子研究法』pp
27〜37(1993年、羊土社)に記載の方法の通り
にラット肝細胞核抽出液を25ml調製した。具体的に
は、以下のようにして行った。各操作は、4℃にて行っ
た。ラットより肝臓(20g)を摘出し、冷PBSにつ
け、その後PBSで3回洗浄した。次いで、組織をハサ
ミできざみ、ホモジェナイザーに移した後、ショ糖溶液
I(10mM Hepes(pH7.6)、15mM
KCl、0.15mM スペルミン、0.5mM スペ
ルミジン、1mM EDTA、2.2M ショ糖、5%
グリセリン、0.5mM DTT、0.5mM PM
SF、14μg/ml アプロチニン)を60ml加え
ホモジェナイズした。遠心チューブにショ糖溶液II
(10mM Hepes(pH7.6)、15mM K
Cl、0.15mM スペルミン、0.5mM スペル
ミジン、1mM EDTA、2Mショ糖、10% グリ
セリン、0.5mM DTT、0.5mM PMSF、
14μg/ml アプロチニン)を10ml入れ、その
上にホモジェナイズして得た試料を重層し、24,00
0rpmで50分間遠心した。沈殿を5mlの核溶解液
(10mM Hepes(pH7.6)、100mM
KCl、0.1mM EDTA、10% グリセリン、
3mM MgCl2、0.5mM DTT、0.1mM
PMSF、14μg/ml アプロチニン)に懸濁
し、全容量を測定した。この液の260nmの吸光度を
測定し、DNA濃度を、0.5〜1.0mg/mlに調
製した。KClを終濃度が0.55Mになるように加
え、ゆっくり混合した後、15分間振とうし、核を溶解
した。次いで、40,000rpmで60分間遠心し
た。遠心上清を回収し、硫酸アンモニウムを液量1ml
に対し0.3g加えて硫安沈殿を行い、35,000r
pmで30分間遠心した。上清を捨て、沈殿を少量
(0.2〜0.5ml)の透析液(25mM Hepe
s(pH7.6)、0.1mM EDTA、40mM
KCl、10% グリセリン、1mM DTT)に溶か
し、溶解液をさらに上記の透析液に透析した。透析終了
後、再び遠心(12,000rpm、5分間)を行い、
上清を回収し、蛋白質濃度を260nm及び230nm
の吸光度を測定することにより10mg/mlに調節し
て核抽出液を得た。得られた核抽出液は、使用まで−8
0℃にて保存した。
【0035】『バイオマニュアルシリーズ5 転写因子
研究法』pp215〜219(1993年、羊土社)に
記載の方法を基としてラット肝細胞核抽出液から蛋白質
を単離した。実際には、TFIID画分の代わりにラッ
ト肝細胞核抽出液を用いた。 2.二次元電気泳動 1)上記ラット肝細胞核抽出液をニッケルカラム(Ni
−NTAアガロース(キアゲン社製)1mlをプレップ
カラム(バイオラッド社製)に詰めたもの)に通すこと
で処理したもの800μlとHXmTBP−C(ヒスチ
ジンを6コつないだタグを有するマウスTBPのC末端
部分蛋白質(Nucleic Acids Res. 22, 1179-1185(1994
年)参照)240μlを4℃で12時間反応させた後、
反応液に50%スラリーのニッケルNTAPアガロース
(キアゲン社製)80μlを加え、4℃で1時間反応さ
せた。 2)上記で生成した反応物質(ゲル)を取り、NP0.
1(20)(25mMHEPES/KOH(pH7.
9)、10%グリセロール、0.1M KCl、0.5
M NaCl、0.1%NP−40、20mMイミダゾ
ール塩酸(pH7.9)、1mM PMSF、0.5m
M 2ME)緩衝液で洗浄した後、8M尿素溶液(8M
尿素、0.1M NaH2PO4、0.01M Tri
s)100μlで20分間溶出することを4回繰り返し
た。 3)溶出液に1/4容量のTCA溶液(100%(w/
v)TCA、4mg/mlデオキシコール酸)を加え4
℃で30分間放置した後、15000rpmで30分間
遠心した。 4)遠心分離後、上清を取り除き、沈殿を100%のア
セトン1mlで3回洗浄した。 5)アセトンを真空ポンプを用いて吸引して取り除いた
後、5μlの8M尿素溶液と1μlの2Dサンプル溶液
(1.7%SDS、3.3%TritonX−100、
2.4M 2−メルカプトエタノール、1/3容量のB
io−Lyte3/10 (BIO−RAD製))で沈
殿を懸濁し、これをサンプルとして等電点電気泳動用の
チューブゲルに乗せた。 6)サンプルにサンプル保護溶液(2%TritonX
−100、1/20容量のBio−Lyte3/10)
を5μl重層した。上部泳動液として0.1NNaOH
溶液、下部泳動液として0.06%H3PO4溶液を用
い、400Vで10分間、800Vで45分間泳動し
た。 7)泳動後、ゲルを取り出しSDS還元溶液(125m
M Tris/HCl(pH6.8)、10%グリセロ
ール、2%(w/v)SDS、0.72M 2−メルカ
プトエタノール、0.00125%(w/v)ブロモフ
ェノールブルー)に10分間浸した後、SDS−PAG
E用スラブゲルに乗せて、35mAで3時間、電気泳動
を行った。 8)SDS−PAGEの後、エレクトロブロッティング
装置(日本エイドー製)を用いて、常法によりゲルから
メンブラン(ミリポア製)に蛋白質を転写した。その後
クマシーブリリアントブルー染色した。二次元電気泳動
の結果を図1に示す。
【0036】3.ラット核抽出液中蛋白質の部分アミノ
酸配列の決定 メンブランに転写された各ドットの部分をカッターナイ
フを用いて切り出し、これをリジルペプチダーゼ消化
後、高速液体クロマトグラフィーで各ペプチド断片に分
画し、そのうち一つをプロテインシークエンサー(ベッ
クマン製)で解析した。図1において矢印で指し示した
ドットから未知のアミノ酸配列(下記配列ないし)
からなるペプチド断片が4つ得られた。 MKIEEVKSTTK QAASGLVGQENA EVYEGEVTEL ILADQQD
【0037】4.ラット肝細胞核抽出液中蛋白質に対応
するDNAプローブの合成 1)上記のアミノ酸配列に基づいて下記配列又は
の塩基配列で表されるDNAプローブを、上記のアミ
ノ酸配列に基づいて下記配列の塩基配列で表されるD
NAプローブを、DNA合成装置(ABI製)を用いて
合成した。 GCIGATCAIC AIGATCGITA CATG GCICATCAIC AIGATAGRTA CATG GAIGTITATG AIGGIGAIGT なお、A はアデニン、T はチミン、G はグアニン、C は
シトシン、I はイノシン、R はアデニンまたはグアニン
である各塩基を表す。
【0038】2)上記配列ないしで表されるDNA
プローブをTakara MEGALABELキット
(登録商標、宝酒造社製)を用いて取扱説明書の通りに
標識した。 3)次に、下記の組成のDNA反応液を調製し、この液
を37℃で30分間インキュベートした後、70℃で1
0分間熱処理し、酵素を失活させた。 DNAプローブ(2pmol/μl) 3μl 10倍ホスホライレイション緩衝液 3μl 〔γ−32P〕ATP(370MBq/ml)(アマシャム製) 5μl T4 ポリヌクレオチドキナーゼ 1μl 合計10μl 4)T50E(50mM Tris−Cl pH8.
0,1mM EDTA)で平衡化されたSephade
xG−25(登録商標、ファルマシア社製)を1.5m
lポリプレップカラム(バイオラッド社製)にベッドボ
リュームが1mlになるように詰め、3)で熱処理をし
たDNA反応液を該カラムに載せた。 5)その後、200μlのT50Eをカラムに4回流
し、2回目の200μlで溶出してきた画分をDNAプ
ローブ画分として以後の操作に用いた。
【0039】5.ラット肝細胞核抽出液中蛋白質に対応
するDNAプローブを用いたラット肝臓cDNAライブ
ラリーからの遺伝子の取得 1)ウィスター系ラット肝臓cDNAライブラリーを、
タイムセイバーcDNAシンセシスキット(登録商標、
ファルマシア社製)を用いて常法により作製した。該c
DNAライブラリーを用いて106程度のプラークをN
ZY寒天培地上に作製した。このcDNAライブラリー
を『Molecular Cloning Secon
d Edition』(1989年、Cold Spr
ingHarbor Laboratory Pres
s)Chapter9に記載の方法に従ってニトロセル
ロース膜(ミリポア社製)上に固定した。その後、この
膜を2×SSCで60℃で洗浄した。
【0040】2)4.で得られた標識化DNAプローブ
画分のうち150μlを、該膜上に固定したプラークの
cDNAプローブと以下の条件でハイブリダイズさせ
た。 プレハイブリダイゼーション 6×SSC 5×Denhaldt’s 0.05% ピロリン酸ナトリウム 100μg/ml denatured herrin
g sperm DNA 0.5%SDS 総液量 50ml 反応温度37℃ 反応時間1時間 ハイブリダイゼーション 6×SSC 1×Denhaldt’s 0.05% ピロリン酸ナトリウム 100μg/ml denatured herrin
g sperm DNA 1×106cpm/ml cDNAプローブ 総液量50ml 反応温度42℃ 反応時間18時間
【0041】3)ハイブリダイズの終了したニトロセル
ロース膜を以下の条件で1回ずつ洗浄した。 6×SSC、0.1%SDS 500ml 温度40℃ 時間20分間 3×SSC、0.1%SDS 500ml 時間42℃ 時間20分間 4)洗浄したニトロセルロース膜はKODAK XAR
5フィルムに−80℃で一晩露光し、オートラジオグラ
フとした。 5)得られたオートラジオグラフから、陽性のプラーク
の位置を決定し、対応する寒天上のプラークをSM溶液
(0.1M NaCl、0.16M MgSO4、50
mM Tris−HCl(pH7.5)、0.01%ゼ
ラチン)に回収した。 6)回収したプラークは、常法により再度NZY寒天培
地上にプラーク形成を行わせ、ニトロセルロース膜上に
固定した。 7)2)〜6)の過程を3回繰り返した。その結果、陽
性のプラークは単一なものとなった。該プラークを回収
し、100μlのSM溶液に懸濁し、ファージを安定化
させた。該プラークから単離した遺伝子をTIP49遺
伝子と名付けた。
【0042】6.TIP49遺伝子の大量調製 1)SM溶液に懸濁したプラークのファージ50μlと
Y1090r−大腸菌20μlを混合し、37℃、15
分間放置した。 2)その後、100μg/mlアンピシリンを含む10
mlNZY培地に1)で混合した溶液を移し、37℃で
6時間培養した。 3)8000rpm、5分間遠心分離し、上清を回収し
た。 4)該上清に、5M NaClを1ml、ポリエチレン
グリコール6000を1.1gを加え、溶かした。 5)該溶液を氷上に1時間置き、その後10000rp
m、4℃で20分間遠心分離を行った。 6)沈殿を回収し、700μlのSM溶液に懸濁した。 7)クロロホルムを500μl加えて攪拌し、残った大
腸菌を溶かした。 8)5000rpm、10分間遠心分離し、水層を回収
した。
【0043】9)これに、1mg/ml RNase
A、5mg/ml DNaseI(共にシグマ製)を各
1μlずつ加え、37℃で1時間放置したのち、20%
ポリエチレングリコール6000(0.8M NaC
l)を600μl加え、氷上に30分間放置した。 10)4℃で、15000rpm、20分間遠心分離し
た後、沈殿を回収した。 11)この沈殿に500μlのSM溶液、50μlの5
M NaCl、50μlの0.5M EDTAを加え、
更に、400μlのフェノールを加えて攪拌し、ファー
ジを溶かしてcDNAを遊離させた。 12)該溶液を室温で15000rpm、5分間遠心分
離した後、水層を回収した。これに1mlのエタノール
を加え、15000rpm、20分間遠心分離し、液層
を捨てた。 13)70%エタノール1mlで沈殿を洗浄し、100
μlのTE溶液(Tris−Cl pH8.0 10m
M、1mM EDTA)に沈殿を溶かし、DNA溶液を
得た。
【0044】7.TIP49遺伝子のベクターへの挿入 1)DNA切断の系を以下のようにし、制限酵素Eco
RI(宝酒造製)によるDNA切断を行った。 DNA溶液(6.で調製したもの) 20μl EcoRI(Takara社製) 2μl RNaseA(日本ジーン社製) 1μl 10×H buffer(宝酒造社製) 10μl 滅菌水 67μl 合計100μl 反応温度37℃ 反応時間4時間 2)その後、0.7%NuSieveGTGアガロース
(登録商標、宝酒造社製)電気泳動を行い、1.6kb
p付近のDNAを切り出し、このDNAをGENE C
LEAN II(登録商標、フナコシ社製)を用いて取
扱説明書の通りにDNAを回収した。
【0045】3)DNAを組み込むpBluescri
ptII(ストラタジーン社製)をEcoRIで切断後
脱リン酸化を行った。 EcoRIでの切断は、以下の系で行った。 pBluescriptII(1μg/μl) 3μl 10×H buffer 2μl EcoRI 2μl 滅菌水 13μl 合計 20μl 反応温度37℃ 反応時間一晩
【0046】その後、2μl 1M Tris pH
8.0を加え、1μl Bacterial Alka
line Phosphatase(宝酒造社製)を加
え、65 ℃で1時間放置し、脱リン酸化した。 その後、フェノール/CHCl3抽出を常法に従い2
回行い酵素を失活させた後、エタノール沈殿により精製
し、TE溶液にて100μg/μlに溶かした。 2)で得られたDNAと、で得られたpBlues
criptIIを、以下の系で反応させ、DNAをベク
ターに挿入した。 DNA(1.6kbp、2)で調製したもの) 5μl pBluescriptII NotI切断物(で調製したもの)1μl 10倍ライゲーションバッファー(日本ジーン社製) 2μl T4リガーゼ(日本ジーン社製) 1μl 滅菌水 11μl 合計20μl 反応温度16℃ 反応2時間
【0047】8.TIP49遺伝子の大腸菌への導入 常法に従い反応液を全て、E.coliJM109コン
ピテントセル(宝酒造社製)に混合し、氷上で30分
間、42℃で45秒間、氷上で3分間反応させた後、S
OC培地900μlを加え、37℃で1時間置き、ベク
ターをE.coliJM109に導入した。その後、
E.coliJM109を回収した。なお、このTIP
49遺伝子を導入した組み換え体大腸菌を工業技術院生
命科学研究所に寄託した(受託番号FERM P−16
282)。
【0048】9.TIP49遺伝子の塩基配列の決定 1)8.で回収したE.coliJM109をLB寒天
培地(100μg/mlアンピシリン、0.1mMIP
TG、0.004%X−gal含有)に撒き、37℃で
16時間培養した。 2)形成されたコロニーのうち、白色のコロニーを2m
l LB培地(100μg/mlアンピシリン)に植
え、37℃で16時間培養した 3)その後、12000rpm、1分間遠心分離して集
菌し、Magic Miniprep(登録商標、プロ
メガ社製)に従いプラスミドDNA溶液を回収した。 4)回収したDNAをダイターミネータFSシークエン
スキット(パーキンエルマー社製)およびオートシーク
エンサーABI3739を用いて、シークエンスし、全
塩基配列を決定した。結果を配列表の配列番号2に示
す。
【0049】10.TIP49のアミノ酸配列の決定 9.で決定した塩基配列から、TIP49のアミノ酸配
列を決定した。結果を配列表の配列番号1に示す。ま
た、図2にTIP49蛋白質のアミノ酸配列およびTI
P49遺伝子の塩基配列を示す。図2中、下線を付した
部位が3.でペプチドシークエンスした配列ないし
の部位である。また、枠で囲った部位が、ATPase
およびDNAヘリケース(helicase)に特徴的
な配列の部位である。さらに、TIP49蛋白質は原核
生物が発現するRuvB蛋白質と高いホモロジーを有す
ることが分かった。RuvB蛋白質はDNAを組み換え
および修復する蛋白質である。図3にTIP49蛋白質
および遺伝子とRuvB蛋白質および遺伝子とのホモロ
ジーを示す。図中のかっこ内の数字は蛋白質のホモロジ
ーを示し、かっこのつかない数字は遺伝子のホモロジー
を示す。動物細胞由来の蛋白質が原核生物の蛋白質と高
いホモロジーを有する前例はほとんどない。また、4.
で用いたないしのプローブが結合した部位は、それ
ぞれ、及びが塩基配列の1372番〜1395番、
が415番〜434番の相補鎖の配列部位であると推
測される。
【0050】<実施例2>TIP49遺伝子のラット肝
臓癌発癌状態での発現の確認 1.各種ラット肝臓の調製 1)5週齢のウィスター系ラット10匹を購入し、うち
7匹にDNA障害性薬物であるDEN(ジエチルニトロ
ソアミン)を0.2mg/gラットの濃度で腹腔内投与
し、12,24,48時間後に各1匹ずつラットを殺
し、肝臓を採取し、液体窒素中で保存した。 2)残りのDEN投与ラットは、2週間後、AAF(ア
ミノアセチルフルオレン)を0.02%含むエサの継続
的経口投与(1回/日)を開始した。DENを投与して
いないラット3匹について、再生肝手術を行い、12,
24,48時間後に肝臓を採取し、液体窒素中で保存し
た。
【0051】2.RNAの調製 『Molecular Cloning Second
Edition』(Cold Spring Har
bor Laboratory Press1989)
pp7.3−7.84に記載のチオシアン酸グアニジン
法に従い、各種ラット肝臓のRNAを調製した。実際に
は、各種ラット肝臓1gをそれぞれ液体窒素中で粉砕し
た後、50mlの5.5Mチオシアン酸グアニジン液に
加えホモジナイズした後、プロトコール通りに超遠心分
離を行い、さらに精製を行いRNA標品を得た。また得
られたRNA標品は、oligotex−dT3 su
per(登録商標、宝酒造社製)を用いて製品説明書の
方法に従い、polyA RNAに精製した。
【0052】3.プローブDNAの調整 TIP49遺伝子を用いてハイブリダイゼーション用の
プローブを作製した。作製方法は、pBluescri
ptII上にのせたTIP49遺伝子を制限酵素処理に
て、TIP49遺伝子部分を切り出し、アガロースゲル
電気泳動にて目的遺伝子を分離後、GENE CLEA
N II(登録商標、フナコシ社製)を用いてTIP4
9遺伝子を精製した。精製したTIP49遺伝子を10
0ng用いて、ランダムプライムドDNAラベリングキ
ット(ベーリンガーマンハイム社製)を用いて製品取扱
説明書に従いα−P32dCTP(アマシャム社製)を用
いてDNAプローブを作製し、次のノーザンブロットハ
イブリダイゼーションに用いた。
【0053】4.ノーザンブロットハイブリダイゼーシ
ョン 1)『Molecular Cloning Seco
nd Edition』(Cold Spring H
arbor Laboratory Press198
9)pp7.3−7.84に記載のノーザンブロット法
(ホルムアルデヒド法)に従いノーザンブロットハイブ
リダイゼーションを行った。DNAプローブとして3.
で調整したものを用いた。実際には、サンプル調製時の
RNAはpolyA RNA 300ngを用いた。ま
た、オートラジオクラフィーの感光時間は48時間とし
た。 2)1.〜4.1)の操作により図4に示すTIP49
遺伝子発現のパターンが得られた。図4から、DEN投
与したラットの肝臓のみが正常ラットの肝臓に比してド
ットが濃くなっている(mRNAの発現量が増加してい
る)ことが判明した。DENはDNA障害を引き起こす
物質であることからTIP49遺伝子はDNA障害時に
増加する遺伝子であることが分かった。したがって、T
IP49遺伝子を用いてDNA障害を検出すること可能
であると考えられる。
【0054】<実施例3>TIP49遺伝子の組織間分
布の確認 組織間分布の確認には、Rat MTN Blot(登
録商標、クローンテック社製)を用いた。この製品は、
上述のノーザンブロットハイブリダイゼーションを行う
ために市販されている、ラット各組織のpolyA R
NAをブロットしたメンブランである。このメンブラン
を実施例2と同様にしてノーザンブロットハイブリダイ
ゼーションを行った。オートラジオクラフィーの感光時
間は96時間とした。その結果を図5に示す。結果から
明らかなように、TIP49遺伝子は精巣(Testi
s)、骨格筋(Skeletal muscle)、心
臓(Heart)および腎臓(Kidney)で強く発
現しているが、全組織で発現がみられる普遍的な遺伝子
であることが判明した。
【0055】<実施例4>TIP49の大量調整 1.TIP49遺伝子の大量調整 1)組み換えベクターの作製 TIP49遺伝子を図6に示されるヒスチジンタグを導
入したpET3a−Hisベクター(インビトロゲン社
製)に組み込んだ。以下に、その詳細を記す。 まず、実施例1の7.で作製したTIP49遺伝子を
挿入したpBluescriptIIベクターを、PC
R法(『Current protocolsin m
olecular biology』(Greene
Publishing Associates and
Wiley−Interscience,1987)
chapter15に記載)により、次の配列および
配列の塩基配列のプライマーを用いて、該TIP49
遺伝子部分を増幅した。 配列CGAATTCATG AAGATTGAGG AGGTGAAGAG CACC 配列CATACCCACC CATGGGGTTC TCTGTCTCAC 配列の5’端からの7塩基はEcoRIサイトであ
る。 増幅された遺伝子をNcoI,EcoRIで切断し
た。 別に、実施例1の7.で作製したpBluescri
ptII上のTIP49遺伝子のC末端側に存在する部
分をEcoRIで切断し、遺伝子を切り出した。 で切り出した遺伝子とで切り出した遺伝子とを、
Ligation Pack(日本ジーン社製)を用い
てその取扱説明書に従い連結し、TIP49遺伝子を作
製した。 ヒスチジンタグを導入したpET3a−Hisベクタ
ーのEcoRI部位に、で作製したTIP49遺伝子
を組み込んだ(図6)。
【0056】2)TIP49遺伝子の大量調整 TIP49遺伝子を組み込んだプラスミドを『Mole
cular Cloning Second Edit
ion』(Cold Spring Harbor L
aboratory Press、1989)chap
ter1に記載の方法で大量調製した。プラスミドはJ
M109コンピテントセル(宝酒造社製)に取扱説明書
に従って導入し、800mlのアンピシリンを含むLB
培地で一晩培養し、回収したJM109よりアルカリ法
(『Molecular Cloning Secon
d Edition』(Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press、198
9)1.33−1.43に記載)によりプラスミドを回
収した。なお、プラスミドの精製には同書記載の超遠心
分離を用いたが、その回数は3回行った。
【0057】2.TIP49の発現 (1)大量調製したプラスミドを大腸菌BL21(DE
3)pLysSに導入した。 (2)該大腸菌をアンピシリン100μg/mlを含む
LB培地で培養し、分光光度計(ベックマン製)で濁度
が600nmの波長で0.5になった時点でIPTGを
0.5mMになるように加え、TIP49の発現誘導を
行った。対照として、IPTCを添加しない場合も行っ
た。
【0058】3.TIP49の精製 (1)2時間後、大腸菌を回収し、Lysis Buf
ferに懸濁した後4℃でソニュケーションし、Bec
kman Optima XL−80を使用し、50.
2Tiローターで1800rpm、4℃で15分間遠心
分離した。 (2)その後、上清を取り、1Mイミダゾール(pH
7.5)を終濃度10mMになるように加え、Ni−N
TAアガロースカラム(キアゲン製)を用いて非変性条
件で取扱い説明書の通りに精製した。これとは別に、イ
オン交換カラムMonoQ(登録商標、ファーミンゲン
社製)を用いた液体クロマトグラフィー{ベースの緩衝
液(20mM Tris−HCl(pH7.9)、10
%グリセロール、5mM 2−ME、0.5mM PM
SF)、溶出液(KCl 0.04−0.4Mのグラジ
ェント)}にて、製品説明書記載の方法に準じてTIP
49の精製を行った。 (3)精製された標品を、10%SDS−PAGE電気
泳動にかけ、クマシーブリリアントブルーで染色した。
Ni−NTAアガロースカラムによる精製の結果を図7
に示す。図7中、lysate(−)はIPTCを添加
しなかった細胞溶解液を電気泳動したものであり、ly
sate(+)はIPTCを添加した細胞溶解液を電気
泳動したものである。Ni−NTAアガロースカラム、
MonoQのいずれにも49kDの位置にTIP49の
バンドが確認された。また、MonoQのカラムパター
ンと精製蛋白質の電気泳動(クマシー染色)の結果を図
8に示す。図8(a)に溶出パターンを、図8(b)に
精製蛋白質の電気泳動の結果を示す。KCl濃度が約
0.2M(第43画分)でTIP49が溶出されること
が分かった。
【0059】<実施例5>抗TIP49抗体の作製 (1)抗体の作製は、実施例4で得た精製TIP49
1mgを用いて、『Antibodies A Lab
oratory Manual』(ColdSpron
g Harbor Laboratory,1988)
chapter5に記載の方法に従い、ウサギに免疫
し、抗血清を回収した。 (2)ラット肝細胞核抽出液、該核抽出液から精製した
TIP49および実施例4でNi−NTAアガロースカ
ラムで精製した組み換えTIP49について、それぞれ
抗TIP49抗体を用いてウェスタンブロット法による
解析を行った。結果を図9に示す。図9中、Nucle
ar extractは核抽出液のレーンであり、TI
Psは核抽出液を精製したTIP49のバンドである。
コントロールはTIP49を溶出した後のNi−NTA
アガロースカラムのビーズのバンドである。49kDの
位置にTIP49のバンドが確認された。rTIP49
は組み換えTIP49のバンドであり、ヒスチジンタグ
の分だけ分子量が大きくなっている。この結果、抗原抗
体反応の確認及び核抽出液から精製したTIP49と遺
伝子工学的に発現させたTIP49が同じものであるこ
との確認がなされた。
【0060】<実施例6>TIP49がTBPと複合体
を形成することの確認 HAタグ付のTBPを動物細胞内で発現させ、TIP4
9がTBPと複合体を形成することの確認試験を行っ
た。 1.核抽出液の作製 1)マウス細胞株FM3A(理研ジーンバンクRCB0
086)にレトロウィルスベクターを用いてHA−TB
P遺伝子を導入し、組み換えFM3A細胞を作製した。 2)組み換えFM3A細胞をES培地(ニッスイ社製)
にFCSを10%になるように加えた培地1lで7×1
5個/mlになるように調製した。 3)『バイオマニュアルシリーズ5 転写因子研究法』
pp27〜37(1993年、羊土社)に記載の方法に
したがって培養したFM3Aから核抽出液を4ml
(3.5mg/ml)調製した。具体的には、FM3A
1リットルの培養液を遠心し細胞を回収した後、前記
『バイオマニュアルシリーズ5 転写因子研究法』pp
27〜37(1993年、羊土社)に記載の条件に準じ
て行った。
【0061】2.TIP49−TBP複合体形成の確認 1)抗HA抗体(バブコ社製)をプロテインAセファロ
ースビーズ(ファルマシア社製)に結合させ、抗HA抗
体−ビーズを作製した。 2)1.で作製した核抽出液と抗HA抗体−ビーズを混
合し、『Antibodies A Laborato
ry Manual』chapter11に記載の方法
にしたがって免疫沈降を行った。 3)2)で沈降したビーズをIP緩衝液(1mg/ml
HAペプチドを含む)で溶出した。 4)FM3A核抽出液(N.E)、2)で免疫沈降した
ビーズを遠心分離した上清(IP sup.)および
3)で作製した溶出液(Elute)について、それぞ
れ抗TBP抗体、抗HA抗体、抗TIP49抗体を用い
て、『Current protocols in m
olecular biology』(Greene
Publishing Associates and
Wiley−Interscience,1987)
chapter1に記載の方法に準じてウェスタンブロ
ット法による解析を行った。なお、ウェスタンブロット
法による解析は、具体的には以下のウエスタンブロッテ
ィングにより行なった。すなわち、トランスファーバッ
ファー(125mM Tris-base, 960mM glycine, 20% methan
ol)に浸したSDS−PAGE後のゲルと、メタノール
に浸した後トランスファーバッファーに浸したPVDF
膜(ミリボア社製、Immobilon)をトランスファーバッ
ファーに浸した3MM濾紙(ワットマン社製)ではさ
み、平板型転写装置(日本エイドー社製)を用いて17
0mAで60分間蛋白質の膜への転写を行った。転写後
の膜を3%スキムミルク(雪印社製)/TBST(20mM
Tris-Cl pH7.5, 150mM NaCl, 0.05% Tween20)でブロ
ッキングした。一次抗体には、抗TBP抗体、抗HA抗
体、抗TIP49抗体を、二次抗体にはアルカリフォス
ファターゼ標識抗ウサギIgG抗体(プロメガ社製)を
用いた。発色反応は、ProtoBlot Western Blot AP Syst
em(プロメガ社製)を用いた。各抗体をアルカリフォス
ファターゼで標識した二次抗体と反応させ、アルカリフ
ォスファターゼを基質(NBT、BCID(共にプロメ
ガ社製))と反応させて、ゲル上に各バンドを呈色させ
た。抗TBP抗体は、『Antibodies A L
aboratory Manual』chapter5
に記載の方法にしたがってウサギに免疫して作製した。
【0062】結果を図10に示す。図10中、N.E.
(1レーンおよび4レーン)はFM3A核抽出液のレー
ン、IP sup.(2レーンおよび5レーン)は免疫
沈降したときの上清、Elute(3レーンおよび6レ
ーン)は免疫沈降物の溶出液を表す。図10(a)は一
次抗体に抗TBP抗体を用いた結果を表し、図10
(b)は一次抗体に抗HA抗体を用いた結果を表し、図
10(c)は一次抗体に抗TIP49抗体を用いた結果
を表す。図10の右端のレーン(6レーン)にTBPお
よびTIP49のレーンが見られ、TIP49とTBP
が複合体を形成して、抗HA抗体−ビーズにより免疫沈
降されたことが確認された。
【0063】<実施例7>TIP49のATPase活
性の確認1 1)MonoQで精製した第38画分から第47画分の
各画分の溶出液と、γ位のリン(P)を32Pとして標識
したATP(γ−32P ATP)とを、以下の組成の反
応液で37℃で60分間反応させた。 20mM Tris/HCl 70mM KCl 2.5mM MgCl2 1.5mM ジチオスレイトール(DTT) 0.1mM ATP γ−32P ATP 0.125μl SP(滅菌蒸留水)で20μlに調製 また、別に、M13ssDNAを添加して上記反応をさ
せることも行った。
【0064】2)反応液に、0.1N HClを100
μl、2mg/ml BSAを100μl、10%(W
/V)活性炭を250μl加え、撹拌し、15分間氷上
に静置した。 3)その後、4℃において15000rpmで15分間
遠心分離し、上清200μlを新しいチューブに取り分
けた。 4)この上清を4℃において15000rpmで5分間
遠心分離し、上清100μlを新しいPCRチューブ
(パーキンエルマー社製)に取り分けた。 5)この上清の放射線濃度を、液体シンチレーションカ
ウンター(ベックマン社製)にて、製品の説明書にした
がって測定した。 結果を図11に示す。TIP49によりATPのγ位の
32Pが切断され遊離し、その放射線が測定されることが
分かる。図11中白抜きのグラフがM13ssDNAを
添加しなかった場合であり、遊離する32Pが、反応液中
のTIP49の量に依存することが分かった。また、M
13ssDNAの添加により、TIP49のATPas
e活性が高くなることが分かった。
【0065】<実施例8>TIP49のATP活性の確
認2 MonoQにより精製されたTIP49(第43画分)
とATPとを実施例7と同様にして反応させ、添加する
核酸を、M13ssDNA、pBluescript、
ラット肝癌細胞由来の全RNA(Total RNA
0、PolyA、PolyG、PolyU、Poly
C、無添加として、液体シンチレーションカウンターに
より、TIP49のATPase活性を調べた。結果を
図12に示す。図12から、TIP49のATPase
活性は核酸の添加によりいくらか活性化され、M13s
sDNAで特によく活性化されることが分かった。
【0066】<実施例9>TIP49のDNAのヘリケ
ース(helicase)活性の確認 1)MonoQで精製した第38画分から第47画分の
溶出液と、32Pで標識した30bの一本差DNA(CAGT
CACGAC GTTGTAAAAC GACGGCCAGT)をM13ssDNAと
ハイブリダイズさせたサンプルDNAを、ATPを添加
して以下の組成の反応液で37℃において30分間反応
させた。対照として、ATPを添加しない場合、ADP
を添加した場合、MgCl2 を添加しない場合について
も同様にMonoQで精製した溶出液とサンプルDNA
とを反応させた。 20mM Tris−HCl pH7.5 2mM DTT 50μg/μl BSA 0.5mM MgCl2 80mM KCl 1mM ATP 10−15ng(1500cpm)基質(M13ssD
NA) 酵素(MonoQ精製溶出液) SPで20μlに調製
【0067】2)5μlの下記組成の停止液を加え、反
応を停止させた。 60mM EDTA 0.75%SDS 0.1%BPB 50%グリセロール 3)反応液を10%アクリルアミド/0.5×TBE
(Tris−borate/EDTA)上で120Vの
電圧をかけて電気泳動した。 4)電気泳動終了後、ゲルを乾燥させ、オートラジオグ
ラフィー(感光時間12時間)を行った。
【0068】結果を図13に示す。図13からTIP4
9が多く含まれる画分(第42ないし第45画分)で
は、サンプルDNAから解離された30bの一本鎖DN
Aのバンドが検出されることから、該画分のTIP49
がM13と30bの一本鎖DNAの会合を解離すること
すなわちDNAヘリケース活性を有することが分かっ
た。また、ATPを添加しない場合、Mg2+を添加しな
い場合は、TIP49のDNAヘリケース活性がないこ
とが分かった。
【0069】<実施例10>ヒトTIP49遺伝子の取
得 1.ヒトcDNAライブラリーの作製 ヒト肝臓cDNAライブラリー(クローンテック社製)
を用いて、106程度のプラークをNZY寒天培地上に
作製した。このcDNAライブラリーを『Molecu
lar Cloning Second Editio
n』(1989年、Cold Spring Harb
or Laboratory Press)Chapt
er9に記載の方法に従ってニトロセルロース膜(ミリ
ポア社製)上に固定した。その後、この膜を2×SSC
で60℃で洗浄した。
【0070】2.ヒトTIP49遺伝子の取得 プローブとしてTIP49DNA(全長)を用いて、実
施例1の5.と同様にしてヒトcDNAライブラリーか
ら全長のヒトTIP49遺伝子を得た。
【0071】3.ヒトTIP49遺伝子の大腸菌への導
入 実施例1の8.と同様にして上記で得たヒトTIP49
遺伝子をE.coliJM109に導入した。その後、
E.coliJM109を回収した。なお、このTIP
49遺伝子を導入した組み換え体大腸菌を工業技術院生
命科学研究所に寄託した(受託番号FERM P−16
281)。
【0072】4.ヒトTIP49遺伝子の塩基配列の決
定 実施例1の9.と同様にしてダイターミネーターFSシ
ークエンスキット(パーキンエルマー社製)およびオー
トシークエンサーABI3739を用いてヒトTIP4
9遺伝子の全塩基配列を決定した。結果を配列表の配列
番号4に示す。
【0073】5.ヒトTIP49のアミノ酸配列の決定 4.で決定した塩基配列から、ヒトTIP49のアミノ
酸配列を決定した。結果を配列表の配列番号3に示す。
ラットTIP49遺伝子とヒトTIP49遺伝子のホモ
ロジーは、蛋白質のコード領域において90.3%であ
り、ラットTIP49蛋白質とヒトTIP49蛋白質は
291位のアミノ酸のみが異なり、種間で大変よく保存
された蛋白質である。このことは、TIP49が生物に
とって必須の物質であることを示唆する。
【0074】
【発明の効果】本発明のTIP49蛋白質、TIP49
蛋白質の変異体、それらをコードするポリヌクレオチ
ド、該ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチ
ド、前記蛋白質を認識する抗体により、生物の全遺伝子
の転写に関わっているTBPの転写制御機能の究明の一
手段が供せられる。
【0075】また、本発明のTIP49は、DNAヘリ
ケース、ATPaseとして使用可能である。また、本
発明のTIP49遺伝子は、DNA障害の検出に使用可
能である。
【0076】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:456 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列 Met Lys Ile Glu Glu Val Lys Ser Thr Thr Lys Thr Gln Arg Ile Ala 1 5 10 15 Ser His Ser His Val Lys Gly Leu Gly Leu Asp Glu Ser Gly Leu Ala 20 25 30 Lys Gln Ala Ala Ser Gly Leu Val Gly Gln Glu Asn Ala Arg Glu Ala 35 40 45 Cys Gly Val Ile Val Glu Leu Ile Lys Ser Lys Lys Met Ala Gly Arg 50 55 60 Ala Val Leu Leu Ala Gly Pro Pro Gly Thr Gly Lys Thr Ala Leu Ala 65 70 75 80 Leu Ala Ile Ala Gln Glu Leu Gly Ser Lys Val Pro Phe Cys Pro Met 85 90 95 Val Gly Ser Glu Val Tyr Ser Thr Glu Ile Lys Lys Thr Glu Val Leu 100 105 110 Met Glu Asn Phe Arg Arg Ala Ile Gly Leu Arg Ile Lys Glu Thr Lys 115 120 125 Glu Val Tyr Glu Gly Glu Val Thr Glu Leu Thr Pro Cys Glu Thr Glu 130 135 140 Asn Pro Met Gly Gly Tyr Gly Lys Thr Ile Ser His Val Ile Ile Gly 145 150 155 160 Leu Lys Thr Ala Lys Gly Thr Lys Gln Leu Lys Leu Asp Pro Ser Ile 165 170 175 Phe Glu Ser Leu Gln Lys Glu Arg Val Glu Ala Gly Asp Val Ile Tyr 180 185 190 Ile Glu Ala Asn Ser Gly Ala Val Lys Arg Gln Gly Arg Cys Asp Thr 195 200 205 Tyr Ala Thr Glu Phe Asp Leu Glu Ala Glu Glu Tyr Val Pro Leu Pro 210 215 220 Lys Gly Asp Val His Lys Lys Lys Glu Ile Ile Gln Asp Val Thr Leu 225 230 235 240 His Asp Leu Asp Val Ala Asn Ala Arg Pro Gln Gly Gly Gln Asp Ile 245 250 255 Leu Ser Met Met Gly Gln Leu Met Lys Pro Lys Lys Thr Glu Ile Thr 260 265 270 Asp Lys Leu Arg Gly Glu Ile Asn Lys Val Val Asn Lys Tyr Ile Asp 275 280 285 Gln Gly Val Ala Glu Leu Val Pro Gly Val Leu Phe Val Asp Glu Val 290 295 300 His Met Leu Asp Ile Glu Cys Phe Thr Tyr Leu His Arg Ala Leu Glu 305 310 315 320 Ser Ser Ile Ala Pro Ile Val Ile Phe Ala Ser Asn Arg Gly Asn Cys 325 330 335 Val Ile Arg Gly Thr Glu Asp Ile Thr Ser Pro His Gly Ile Pro Leu 340 345 350 Asp Leu Leu Asp Arg Val Met Ile Ile Arg Thr Met Leu Tyr Thr Pro 355 360 365 Gln Glu Met Lys Gln Ile Ile Lys Ile Arg Ala Gln Thr Glu Gly Ile 370 375 380 Asn Ile Ser Glu Glu Ala Leu Asn His Leu Gly Glu Ile Gly Thr Lys 385 390 395 400 Thr Thr Leu Arg Tyr Ser Val Gln Leu Leu Thr Pro Ala Asn Leu Leu 405 410 415 Ala Lys Ile Asn Gly Lys Asp Ser Ile Glu Lys Glu His Val Glu Glu 420 425 430 Ile Ser Glu Leu Phe Tyr Asp Ala Lys Ser Ser Ala Lys Ile Leu Ala 435 440 445 Asp Gln Gln Asp Lys Tyr Met Lys 450 455
【0077】配列番号:2 配列の長さ:1587 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 CGCAGGTTGT GGCTGCACAC ACTCGTCAAA ATG AAG ATT GAG GAG GTG AAG AGC ACC 57 ACG AAG ACG CAA CGC ATT GCC TCC CAC AGC CAC GTG AAG GGG CTG GGG 105 CTG GAT GAG AGC GGC CTG GCC AAG CAG GCG GCT TCG GGG CTC GTG GGC 153 CAG GAG AAC GCG AGA GAG GCA TGT GGT GTC ATA GTC GAA TTA ATC AAA 201 AGC AAG AAA ATG GCT GGA AGA GCT GTC TTG TTG GCA GGG CCT CCT GGA 249 ACT GGC AAG ACA GCC TTG GCC CTG GCT ATT GCT CAG GAA CTG GGC AGT 297 AAA GTC CCT TTC TGC CCG ATG GTG GGT AGT GAA GTA TAC TCA ACT GAG 345 ATC AAG AAG ACA GAG GTG CTG ATG GAG AAC TTC CGA AGG GCT ATT GGG 393 CTG CGG ATA AAG GAG ACT AAG GAG GTT TAT GAA GGG GAG GTG ACA GAG 441 CTC ACT CCC TGT GAG ACA GAG AAC CCC ATG GGT GGG TAT GGC AAA ACT 489 ATC AGC CAC GTG ATC ATA GGG CTC AAG ACT GCC AAA GGA ACC AAA CAG 537 CTG AAG CTG GAC CCC AGT ATT TTT GAA AGT TTG CAG AAA GAA CGA GTA 585 GAG GCT GGA GAT GTG ATT TAC ATT GAA GCA AAC AGT GGA GCT GTG AAG 633 AGG CAA GGC AGG TGT GAC ACC TAT GCC ACA GAG TTT GAC CTT GAG GCT 681 GAA GAG TAT GTC CCT TTG CCA AAG GGA GAT GTG CAC AAG AAG AAG GAA 729 ATC ATA CAG GAT GTG ACC TTG CAC GAC TTG GAC GTG GCC AAT GCG CGG 777 CCT CAG GGT GGG CAA GAT ATT CTG TCT ATG ATG GGC CAG TTG ATG AAG 825 CCA AAA AAG ACA GAG ATC ACA GAT AAA CTT CGA GGG GAG ATC AAC AAG 873 GTG GTG AAC AAA TAC ATT GAC CAG GGC GTT GCA GAG CTG GTC CCT GGA 921 GTG CTC TTT GTT GAC GAG GTC CAC ATG CTG GAT ATC GAG TGC TTT ACC 969 TAC CTG CAC CGA GCC CTG GAG TCC TCC ATC GCC CCC ATT GTC ATC TTT 1017 GCA TCC AAC CGA GGC AAC TGT GTC ATC AGG GGC ACC GAG GAC ATC ACT 1065 TCT CCA CAC GGC ATC CCG TTG GAC CTG CTG GAC CGG GTG ATG ATC ATC 1113 AGG ACC ATG CTG TAT ACG CCA CAG GAG ATG AAG CAG ATC ATT AAG ATC 1161 CGA GCC CAG ACG GAA GGC ATC AAC ATC AGT GAG GAG GCC CTA AAC CAC 1209 CTC GGG GAG ATT GGC ACC AAG ACC ACG CTG AGG TAT TCA GTG CAG CTG 1257 CTG ACC CCT GCC AAC CTG CTG GCC AAG ATC AAC GGG AAG GAC AGC ATT 1305 GAG AAG GAG CAC GTG GAG GAG ATC AGC GAG CTC TTC TAT GAC GCC AAG 1353 TCC TCC GCC AAG ATT CTG GCC GAC CAG CAG GAC AAG TAC ATG AAG TAA 1401 CGTAGGGTTT GGAGGTGCAC CCAGAGGACA GACCCCACAC CGAGGACAGG GTCTTGCGTT 1461 GAGCATGCTT TGCAGTGTTA CAGTTTGTTT GTAAATTATC AAACCTCCAA GGTTGTTTGG 1521 AAGGAACCCT TTCCCACCTA GCTTGTTTTT CTAATAAAAC TGAATCTTAT TTTGATGATA 1581 AAAAAA 1587
【0078】配列番号:3 配列の長さ:456 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列 Met Lys Ile Glu Glu Val Lys Ser Thr Thr Lys Thr Gln Arg Ile Ala 1 5 10 15 Ser His Ser His Val Lys Gly Leu Gly Leu Asp Glu Ser Gly Leu Ala 20 25 30 Lys Gln Ala Ala Ser Gly Leu Val Gly Gln Glu Asn Ala Arg Glu Ala 35 40 45 Cys Gly Val Ile Val Glu Leu Ile Lys Ser Lys Lys Met Ala Gly Arg 50 55 60 Ala Val Leu Leu Ala Gly Pro Pro Gly Thr Gly Lys Thr Ala Leu Ala 65 70 75 80 Leu Ala Ile Ala Gln Glu Leu Gly Ser Lys Val Pro Phe Cys Pro Met 85 90 95 Val Gly Ser Glu Val Tyr Ser Thr Glu Ile Lys Lys Thr Glu Val Leu 100 105 110 Met Glu Asn Phe Arg Arg Ala Ile Gly Leu Arg Ile Lys Glu Thr Lys 115 120 125 Glu Val Tyr Glu Gly Glu Val Thr Glu Leu Thr Pro Cys Glu Thr Glu 130 135 140 Asn Pro Met Gly Gly Tyr Gly Lys Thr Ile Ser His Val Ile Ile Gly 145 150 155 160 Leu Lys Thr Ala Lys Gly Thr Lys Gln Leu Lys Leu Asp Pro Ser Ile 165 170 175 Phe Glu Ser Leu Gln Lys Glu Arg Val Glu Ala Gly Asp Val Ile Tyr 180 185 190 Ile Glu Ala Asn Ser Gly Ala Val Lys Arg Gln Gly Arg Cys Asp Thr 195 200 205 Tyr Ala Thr Glu Phe Asp Leu Glu Ala Glu Glu Tyr Val Pro Leu Pro 210 215 220 Lys Gly Asp Val His Lys Lys Lys Glu Ile Ile Gln Asp Val Thr Leu 225 230 235 240 His Asp Leu Asp Val Ala Asn Ala Arg Pro Gln Gly Gly Gln Asp Ile 245 250 255 Leu Ser Met Met Gly Gln Leu Met Lys Pro Lys Lys Thr Glu Ile Thr 260 265 270 Asp Lys Leu Arg Gly Glu Ile Asn Lys Val Val Asn Lys Tyr Ile Asp 275 280 285 Gln Gly Ile Ala Glu Leu Val Pro Gly Val Leu Phe Val Asp Glu Val 290 295 300 His Met Leu Asp Ile Glu Cys Phe Thr Tyr Leu His Arg Ala Leu Glu 305 310 315 320 Ser Ser Ile Ala Pro Ile Val Ile Phe Ala Ser Asn Arg Gly Asn Cys 325 330 335 Val Ile Arg Gly Thr Glu Asp Ile Thr Ser Pro His Gly Ile Pro Leu 340 345 350 Asp Leu Leu Asp Arg Val Met Ile Ile Arg Thr Met Leu Tyr Thr Pro 355 360 365 Gln Glu Met Lys Gln Ile Ile Lys Ile Arg Ala Gln Thr Glu Gly Ile 370 375 380 Asn Ile Ser Glu Glu Ala Leu Asn His Leu Gly Glu Ile Gly Thr Lys 385 390 395 400 Thr Thr Leu Arg Tyr Ser Val Gln Leu Leu Thr Pro Ala Asn Leu Leu 405 410 415 Ala Lys Ile Asn Gly Lys Asp Ser Ile Glu Lys Glu His Val Glu Glu 420 425 430 Ile Ser Glu Leu Phe Tyr Asp Ala Lys Ser Ser Ala Lys Ile Leu Ala 435 440 445 Asp Gln Gln Asp Lys Tyr Met Lys 450 455
【0079】配列番号:4 配列の長さ:1730 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列 CGGCGCACTG TCCTAGCTGC TGGTTTTCCA CGCTGGTTTT AGCTCCCGGC GTCTGCAAA 59 ATG AAG ATT GAG GAG GTG AAG AGC ACT ACG AAG ACG CAG CGC ATC GCC 107 TCC CAC AGC CAC GTG AAA GGG CTG GGG CTG GAC GAG AGC GGC TTG GCC 155 AAG CAG GCG GCC TCA GGG CTT GTG GGC CAG GAG AAC GCG CGA GAG GCA 203 TGT GGC GTC ATA GTA GAA TTA ATC AAA AGC AAG AAA ATG GCT GGA AGA 251 GCT GTC TTG TTG GCA GGA CCT CCT GGA ACT GGC AAG ACA GCT CTG GCT 299 CTG GCT ATT GCT CAG GAG CTG GGT AGT AAG GTC CCC TTC TGC CCA ATG 347 GTG GGG AGT GAA GTT TAC TCA ACT GAG ATC AAG AAG ACA GAG GTG CTG 395 ATG GAG AAC TTC CGC AGG GCC ATT GGG CTG CGA ATA AAG GAG ACC AAG 443 GAA GTT TAT GAA GGT GAA GTC ACA GAG CTA ACT CCG TGT GAG ACA GAG 491 AAT CCC ATG GGA GGA TAT GGC AAA ACC ATT AGC CAT GTG ATC ATA GGA 539 CTC AAA ACA GCC AAA GGA ACC AAA CAG TTG AAA CTG GAC CCC AGC ATT 587 TTT GAA AGT TTG CAG AAA GAG CGA GTA GAA GCT GGA GAT GTG ATT TAC 635 ATT GAA GCC AAC AGT GGG GCC GTG AAG AGG CAG GGC AGG TGT GAT ACC 683 TAT GCC ACA GAA TTC GAC CTT GAA GCT GAA GAG TAT GTC CCC TTG CCA 731 AAA GGG GAT GTG CAC AAA AAG AAA GAA ATC ATC CAA GAT GTG ACC TTG 779 CAT GAC TTG GAT GTG GCT AAT GCG CGG CCC CAG GGG GGA CAA GAT ATC 827 CTG TCC ATG ATG GGC CAG CTA ATG AAG CCA AAG AAG ACA GAA ATC ACA 875 GAC AAA CTT CGA GGG GAG ATT AAT AAG GTG GTG AAC AAG TAC ATC GAC 923 CAG GGC ATT GCT GAG CTG GTC CCG GGT GTG CTG TTT GTT GAT GAG GTC 971 CAC ATG CTG GAC ATT GAG TGC TTC ACC TAC CTG CAC CGC GCC CTG GAG 1019 TCT TCT ATC GCT CCC ATC GTC ATC TTT GCA TCC AAC CGA GGC AAC TGT 1067 GTC ATC AGA GGC ACT GAG GAC ATC ACA TCC CCT CAC GGC ATC CCT CTT 1115 GAC CTT CTG GAC CGA GTG ATG ATA ATC CGG ACC ATG CTG TAT ACT CCA 1163 CAG GAA ATG AAA CAG ATC ATT AAA ATC CGT GCC CAG ACG GAA GGA ATC 1211 AAC ATC AGT GAG GAG GCA CTG AAC CAC CTG GGG GAG ATT GGC ACC AAG 1259 ACC ACA CTG AGG TAC TCA GTG CAG CTG CTG ACC CCG GCC AAC TTG CTT 1307 GCT AAA ATC AAC GGG AAG GAC AGC ATT GAG AAA GAG CAT GTC GAA GAG 1355 ATC AGT GAA CTT TTC TAT GAT GCC AAG TCC TCC GCC AAA ATC CTG GCT 1403 GAC CAG CAG GAT AAG TAC ATG AAG TGA GATGGCTGAG GTTTTCAGCA 1450 GTAAGAGACT CCCCAGGTGT GCCTGGCCTG GGTCCAGCCT GTGGGCGCTT GCCCCTGGGC 1510 TTGGGGCTGC CGTCCCCACT CAGGCGTGGT CTGCAGCGCT GTCAGTTCAG TGTGGAAAGC 1570 ATTTCTTTTT AAGTTATCGT AACTGTTCCT GTGGTTGCTT TGAAAGAACC CTTCCTTACC 1630 TGGTGTGTTT TCTATAAATC TTCATAGGTT ATTTTGATTC TCTCTCTCTC TCTCTCTAAG 1690 TTTTTTAAAA ATAAACTTTT CAGAACAAAA AAAAAAACCG 1730
【図面の簡単な説明】
【図1】ラット肝細胞核抽出液の二次元電気泳動の結果
を示す電気泳動写真である。Mは分子量マーカーであ
る。矢印は、アミノ酸配列決定を行ったドットである。
【図2】ラットTIP49蛋白質のアミノ酸配列および
TIP49遺伝子の塩基配列を示す図である。
【図3】ラットTIP49蛋白質および遺伝子と原生動
物のRuvB蛋白質および遺伝子とのホモロジーを蛋白
質間および遺伝子間それぞれについて示す図である。
【図4】ラット肝細胞由来のpolyA RNAについ
てTIP49遺伝子の一部をプローブとしてノーザンブ
ロットハイブリダイゼーションした結果を示す電気泳動
写真である。
【図5】ラット各組織由来のpolyA RNAについ
てTIP49遺伝子の一部をプローブとしてノーザンブ
ロットハイブリダイゼーションした結果を示す電気泳動
写真である。
【図6】実施例4でTIP49遺伝子を導入するのに使
用したヒスチジンタグを導入したpET3a−Hisベ
クターを示す図である。
【図7】組み換え体TIP49を発現させた大腸菌の溶
菌液およびその精製蛋白質について電気泳動を行った結
果を示す電気泳動写真である。
【図8】(a)はTIIP49蛋白質を精製したMon
oQのカラムパターンを示す図であり、図8(b)はT
IIP49蛋白質を精製した精製蛋白質の電気泳動(ク
マシー染色)の結果を示す電気泳動写真である。
【図9】ラット肝細胞核抽出液、該核抽出液から粗精製
したTIP49およびNi−NTAアガロースカラムで
精製した組み換えTIP49について、それぞれ抗TI
P49抗体を用いてウェスタンブロット法による解析を
行った結果を示す電気泳動写真である。
【図10】(a)〜(c)はそれぞれ、HA−TBPを
動物細胞内で発現させて、その核抽出液を抗HA抗体で
免疫沈降した沈降物および上清ならびにラット肝細胞核
抽出液についてウェスタンブロット法による解析を行っ
た結果を示す電気泳動写真である。なお、一次抗体とし
て、(a)は抗TBP抗体を、(b)は抗HA抗体を、
(c)は抗TIP49抗体をそれぞれ用いてウェスタン
ブロット法による解析を行った結果である。
【図11】MonoQで精製したTIP49のATPa
se活性を、液体シンチレーションカウンターで測定し
た結果を示す図である。
【図12】MonoQで精製したTIP49のATPa
se活性を、種々の核酸を添加して、液体シンチレーシ
ョンカウンターで測定した結果を示す図である。
【図13】MonoQで精製したTIP49とサンプル
DNAとを反応させた反応物を電気泳動した結果を示す
電気泳動写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/08 C12P 21/08 C12Q 1/68 C12Q 1/68 A

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)又は(b)の蛋白質、 (a)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列からな
    る蛋白質、 (b)TBPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配
    列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列において一また
    は複数のアミノ酸が置換、欠失または付加されたアミノ
    酸配列からなる蛋白質。
  2. 【請求項2】 以下の(c)又は(d)の蛋白質、 (c)配列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列からな
    る蛋白質、 (d)TBPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配
    列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列において一また
    は複数のアミノ酸が置換、欠失または付加されたアミノ
    酸配列からなる蛋白質。
  3. 【請求項3】 さらに、ATPsae活性を有する請求
    項1又は2に記載の蛋白質。
  4. 【請求項4】 さらに、DNAヘリケース活性を有する
    請求項1ないし3のいずれか一つに記載の蛋白質。
  5. 【請求項5】 以下の(e)又は(f)に記載の蛋白
    質、 (e)TBPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配
    列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列の一部からなる
    蛋白質、 (f)TBPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配
    列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列の一部において
    一または複数のアミノ酸が置換、欠失または付加された
    アミノ酸配列からなる蛋白質。
  6. 【請求項6】 以下の(g)又は(h)に記載の蛋白
    質、 (g)TBPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配
    列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列の一部からなる
    蛋白質、 (h)TBPとの複合体を形成する能力を有し、かつ配
    列表の配列番号3に記載のアミノ酸配列の一部において
    一または複数のアミノ酸が置換、欠失または付加された
    アミノ酸配列からなる蛋白質。
  7. 【請求項7】 さらに、ATPsae活性を有する請求
    項5又は6に記載の蛋白質。
  8. 【請求項8】 さらに、DNAヘリケース活性を有する
    請求項5ないし7のいずれか一つに記載の蛋白質。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか一つに記載
    の蛋白質をコードするDNA。
  10. 【請求項10】 配列表の配列番号2又は配列番号4に
    記載の塩基配列からなるDNA。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10に記載のDNAがコ
    ードするRNA。
  12. 【請求項12】 請求項9又は10に記載のDNAのア
    ンチセンスDNA或いは請求項11に記載のRNAのア
    ンチセンスRNA、又はそれらの誘導体からなるアンチ
    センスポリヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 請求項9ないし12のいずれか一項に
    記載のポリヌクレオチドのうちの一部であって、連続す
    る12塩基以上からなるポリヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 化学修飾された請求項9ないし13の
    いずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  15. 【請求項15】 請求項10に記載のDNAのホモログ
    であるcDNAを取得する方法であって、請求項12ま
    たは13に記載のポリヌクレオチドをプローブとして、
    cDNAライブラーから該ポリヌクレオチドとハイブリ
    ダイズするcDNAを取得する方法。
  16. 【請求項16】 請求項10に記載のDNAのホモログ
    であって、請求項15に記載の取得方法によって取得さ
    れたcDNA。
  17. 【請求項17】 配列表の配列番号1又は3に記載のア
    ミノ酸配列からなる蛋白質のホモログであって、請求項
    16に記載のcDNAがコードするアミノ酸配列からな
    る蛋白質。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし8または17のいずれ
    か一つに記載の蛋白質を認識する抗体。
JP9187398A 1997-06-27 1997-06-27 Tbpと複合体を形成する蛋白質、該蛋白質をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドおよび該蛋白質を認識する抗体 Pending JPH119285A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9187398A JPH119285A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 Tbpと複合体を形成する蛋白質、該蛋白質をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドおよび該蛋白質を認識する抗体
PCT/JP1998/002836 WO1999000419A1 (fr) 1997-06-27 1998-06-25 Proteine pouvant se combiner au tbp pour former un complexe, polynucleotide codant pour ladite proteine, polynucleotide antisens dudit polynucleotide, et anticorps pouvant reconnaitre ladite proteine
EP98929678A EP0926157A1 (en) 1997-06-27 1998-06-25 Protein capable of combining with tbp to form complex, polynucleotide coding for said protein, anti-sense polynucleotide of said polynucleotide, and antibody capable of recognizing said protein

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9187398A JPH119285A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 Tbpと複合体を形成する蛋白質、該蛋白質をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドおよび該蛋白質を認識する抗体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH119285A true JPH119285A (ja) 1999-01-19

Family

ID=16205335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9187398A Pending JPH119285A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 Tbpと複合体を形成する蛋白質、該蛋白質をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドおよび該蛋白質を認識する抗体

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0926157A1 (ja)
JP (1) JPH119285A (ja)
WO (1) WO1999000419A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6706949B1 (en) 1999-07-16 2004-03-16 Pioneer Hi-Bred International, Inc. RuvB orthologues and uses thereof
AU780662B2 (en) * 1999-07-16 2005-04-07 Pioneer Hi-Bred International, Inc. Orthologues of bacterial RuvB:cDNAs and uses thereof
GB0011439D0 (en) * 2000-05-12 2000-06-28 Novartis Res Found Cancer diagnosis and assays for screening

Also Published As

Publication number Publication date
EP0926157A1 (en) 1999-06-30
WO1999000419A1 (fr) 1999-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pardigon et al. Mosquito homolog of the La autoantigen binds to Sindbis virus RNA
US5473056A (en) E2F-2, a novel mammalian transcription factor
WO1997010333A1 (fr) Nouvelles proteines s'exprimant specifiquement dans le cancer du foie, genes codant ces proteines, anticorps actifs contre ces proteines et procede de detection de l'expression de ces proteines
JP2000511765A (ja) 精製SR―p70タンパク質
JPH09509319A (ja) Rna修正酵素およびその使用方法
AU710551B2 (en) Nucleic acid encoding a nervous tissue sodium channel
JPH119285A (ja) Tbpと複合体を形成する蛋白質、該蛋白質をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドおよび該蛋白質を認識する抗体
US5646249A (en) Isolation and characterization of a novel chaperone protein
JPH0956380A (ja) アシアロ糖蛋白質受容体誘導体及びその使用
JPH06503475A (ja) 生来のタイプ2gap、種々のgapの精製方法及び癌診断へのgapの使用
US20020102551A1 (en) Nope polypeptides, encoding nucleic acids and methods of use
JPH10500001A (ja) 折り畳みタンパク質
WO1999000495A1 (fr) Nouvelle proteine ayant une excellente expression dans le cancer du sang, gene codant cette proteine, anticorps dirigee contre cette derniere et procede de detection de l'expression de cette proteine
AU9354998A (en) Nucleic acids coding for proteins capable of interacting with presenilins
JPH0977792A (ja) Tbpと複合体を形成する蛋白質、その遺伝子及び抗体ならびにそれらを用いた癌の診断法
KR100802687B1 (ko) 에프이65의 피티비1 도메인의 파트너, 이의 제조방법 및용도
JP2002503466A (ja) 網膜芽細胞腫タンパク質複合体および網膜芽細胞腫相互作用タンパク質
JP2000228988A (ja) Dnaヘリケース
JP3729924B2 (ja) p53 標的蛋白質GML
JP3649480B2 (ja) 神経損傷に伴い発現が上昇する新規タンパク質
US7166713B2 (en) Variant cleavage stimulation factor and its encoding nucleic acid
US20050053940A1 (en) Huntington's disease gene transcriptional factors
JPH07145197A (ja) Ets転写因子
WO2000034486A1 (en) Human secretory phospholipase a¿2?
JPH0975080A (ja) 新規dnaポリメラーゼ