JPH1192826A - 耐溶融亜鉛めっき割れ性に優れた耐火電縫溶接角鋼管の 製造方法 - Google Patents
耐溶融亜鉛めっき割れ性に優れた耐火電縫溶接角鋼管の 製造方法Info
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- JPH1192826A JPH1192826A JP25019797A JP25019797A JPH1192826A JP H1192826 A JPH1192826 A JP H1192826A JP 25019797 A JP25019797 A JP 25019797A JP 25019797 A JP25019797 A JP 25019797A JP H1192826 A JPH1192826 A JP H1192826A
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Abstract
耐火強度を有するとともに、耐めっき割れ性に優れた耐
火電縫溶接角鋼管を提供する。 【解決手段】 重量%で、 C:0.03〜0.10
%、 Si:0.09%以下、 Mn:0.1〜1.0
%、 Mo:0.25〜0.5%、 V:0.01〜
0.10%、 Al:0.1%以下を含有し、 P:
0.03%以下、S:0.03%以下、 N:0.00
9%以下である鋼を、1100〜1200℃の温度域に
加熱し、750〜880℃で圧延を終了して板厚20m
m以下の熱延板とし、冷却後の巻取りを板厚t(mm)
に対して(530−4.54t)℃以上(610−4.
54t)℃以下の温度で行い、得られた熱延鋼板を造管
することにより電縫溶接鋼管とし、次いで角型に成形す
る耐溶融亜鉛めっき割れ性に優れた耐火電縫溶接角鋼管
の製造方法。
Description
に用いられる、耐溶融亜鉛めっき割れ性に優れた耐火電
縫溶接角鋼管の製造方法に関する。
高くなると一般的に低下する。建築用等に使用される構
造用鋼材においても同様であり、その使用温度が350
℃を越えて高温になると、著しく低下することが知られ
ている。そのため、火災時に高温状態になることが懸念
される構造物、特に、人間が居住する建築物において
は、法的規制が設けられている。
環境が高温状態になった場合も、一定時間内は鋼材の温
度が350℃を越えることがないこと、したがって、そ
の間は建造物が破壊したり著しく変形することが無く、
安全性が確保される様な設計および施工を行うことが義
務付けられてきた。
を施すことは、工事費がかさむこと、施工の環境が悪い
こと、室内容積の減少をもたらすこと、美観を損ねるこ
と等の問題点がある。
改正を機に、従来の設計思想である「火災の場合に耐火
被覆により、鋼材の温度の上昇を防ぎ、鋼材の強度を維
持する方法」に対して、「高温において強度の低下が少
ない鋼を用いることにより、高温状態においても、構造
物が破壊することを防止する方法」が注目を集め始め
た。
保証される場合は、鋼材の温度が高くなることを可とす
る考え方の採用が、可能になったものである。例えば6
00℃程度の高温においても、十分なまたは相当程度の
強度を有する鋼を用いて、構造物を製作する方法であ
る。これにより、従来は必須とされていた耐火被覆を削
除したり、または、減少した設計を行うことが可能とな
った。このことは、建築用として、電縫溶接鋼管を用い
る場合においても同様である。
(高温における降伏強度が認められている。)されてい
る鋼材はもちろん存在する。たとえば、JIS規格のG
3462「ボイラ・熱交換器用合金鋼鋼管」には、Cr
やMoを含む耐熱電縫溶接鋼管が相当数載せられてい
る。
管用や配管用等の、鋼の温度が常時500℃以上にもな
るような環境において、年単位の長期間の使用を予定し
たものである。これは、本発明が対象としている「通常
の使用環境は常温であるが、火災時等の極めて限られた
時間内だけ高温になる環境での使用」を目的としたもの
ではない。そのため、材料特性の中では、500℃以上
の高温におけるクリープ強度を高く保つことに、重点を
置いた合金設計が行われている。
には、次のような特徴がある。 Mo、Cr、Nb等の、高温長時間のクリープ強度
を高く保つための合金元素を、比較的多量に含有させて
いる。 室温での強度を高くする合金設計は、ともすれば高
温長時間の強度(クリープ強度)を低くすることが多
く、特にプラント等の施工時において、曲げ加工性等に
問題を生じる可能性があるため、好ましくないとされ
る。そのため、通常は、常温の降伏強度を下げることに
重点を置いた熱処理が行われことが多く、その結果とし
て、高温の降伏強度も低い。 冷間加工は常温強度を上げ、逆に高温強度を下げる
傾向にあるため、好ましくない。
合金元素の含有量が高くなりがちであり、また、高温で
安定した組織を得るために、熱処理は通常、高温で長時
間行われることが多く、結果的に相当に高価な鋼となっ
ている。そして、その常温の降伏強度は、20〜30k
gf/mm2程度であり、600℃の降伏強度も、15
〜20kgf/mm2程度と必ずしも高くはない。これ
は、この用途の鋼においては、高温の降伏強度が高いこ
とは実質上必要ではないからである。
て、短時間の高温強度を高めた、いわゆる耐火鋼が近年
になって多数開発された。開示されている技術も多く、
その中で電縫溶接鋼管に関するものには、特開平4−2
28520号公報や、特開平4−228521号公報に
示されている技術がある。
して製品とする。したがって、鋼に耐火性を与えるため
の、C、Mn、Mo等の合金化と、冷間成形との関係が
重要である。上記の公報に開示されている電縫溶接鋼管
の実施例の内、冷間成形後に焼き戻し処理を行っていな
いものの常温の降伏強度は、いずれも45kgf/mm
2を越えており、建築用の電縫溶接鋼管としては使いに
くい。
ックスコラムロール鋼管(以下、BCR鋼管と呼ぶ)と
しては、常温の降伏強度が30〜45kgf/mm2、
600℃の降伏強度が20kgf/mm2以上が一応の
目安となる。これは、常温の降伏強度が、45kgf/
mm2を越えると施工しにくくなること、また、600
℃の降伏強度が20kgf/mm2未満の場合は、耐火
被覆の削減効果が少なくなり、メリットが出てこないこ
とによる。
は、上記のBCR鋼管に要求される条件を満足すること
は可能であるが、工程数の増加によるコスト増が懸念さ
れる。冷間加工後に焼き戻しを行っている例は、他に
も、特開平4−128316号公報、特開平4−165
017号公報、および特開平4−168219号公報等
にも記載されている。
は、冷間成形後に鋼管をAc3変態点以上の温度に上
げ、必要に応じて、さらに焼き戻しを行う技術が開示さ
れている。これらの開示例は冷間加工のままでは、上記
の常温の降伏強度の条件を満足することが困難なことを
示している。
特開平4−176819号公報には、Ac3変態点以上
の温度で成形する技術が、また、特開平4−21861
5号公報には、(Ac3−200℃)〜(Ac3−20
℃)の温度範囲で成形する技術が示されている。これら
の場合は、常温の降伏強度は十分に低くなるが、この様
な高温での加工が、コスト高になることは言うまでもな
い。
公報、特開平5−59435号公報、にも示されてお
り、特開平4−218620号公報および特開平5−3
9436号公報記載の技術では、さらに焼き戻しを行っ
ている。上記の公報に開示されている多数の実施例は、
いずれも600℃において、20kgf/mm2以上の
降伏強度を示している。
っきが施されることが多い。この場合、溶融亜鉛めっき
浴中で角鋼管の溶接部やコーナ部での割れ、いわゆる溶
融亜鉛めっき割れが問題となることがある。このよう
な、溶融亜鉛めっき割れが発生しない鋼材としては以下
の技術が提案されている。
有非Mo系の耐火鋼が提案されている。この技術では、
溶接部の溶融亜鉛めっき割れを防止するため、炭素等量
および溶融亜鉛めっき割れ感受性等量を用いて化学成分
を規定している。ここで用いられている溶融亜鉛めっき
割れ感受性等量は、通常の溶接割れ感受性組成(P
CM値)と同様の式で表される値で、C以外の元素および
その係数が多少異なっている。その他、この公報の技術
では、熱延後の冷却速度、巻き取り温度等を規定してい
る。また、この公報に記載された実施例では、C量はい
ずれも0.10%以上となっている。
溶融亜鉛めっきの際、内面に発生する割れを改善するた
めの熱延鋼板が提案されている。この技術は、NbもM
oも含まない炭素鋼について、熱延条件として1050
℃以下での圧下率を60%以下とすることを特徴として
いる。
様、角鋼管内面のめっき割れ性を改善するための熱延鋼
板が提案されている。この技術は、NbもMoも含まな
い炭素鋼について、PまたはSの少なくとも一方を、低
減させることがめっき割れ性の改善に有効であるとして
いる。
む炭素鋼について、同様に角鋼管内面のめっき割れ性を
改善するための熱延鋼板が、同じ発明者により提案され
ている。しかしこの技術では、今度は上記の技術とは反
対に、PおよびSの1種又は2種を多量に添加すること
が、めっき割れ性の改善に有効であるとしている。
Moを含まない炭素鋼について、炭素等量、熱延条件、
金属組織等を規定することにより耐めっき割れ性を向上
させることが提案されている。この技術では、特に熱延
後の冷却速度を30℃/s以上とし、金属組織としては
微細かつ針状のフェライトが主体で、パーライトとべー
ナイトの体積率を所定の範囲内に規定している。なお、
この公報記載の実施例では、Si量はいずれも0.17
〜0.28%と通常の厚鋼板と同等のレベルである。
る建築用電縫溶接鋼管においては、火災時におけるよう
な比較的短時間の間の強度が一定値以上であれば十分で
あり、上記した耐熱鋼のような、高温における長時間の
強度が高いことは必要でない。したがって、合金設計も
当然異なってくる。
火性があるとされている電縫溶接鋼管は、厚板や形鋼
等、熱処理後に冷間加工を行わない鋼材と、同一の合金
設計思想を基本としている。ここで、冷間加工とは、冷
間歪みを与える加工のことであり、温度域としては、加
工直後の機械的性質が実質的に変化しない温度域を指す
ものとする。したがって、いわゆる温間加工も含む。
セス中に鋼材に加えられる冷間歪みを無視することはで
きない。従って、従来技術のように、通常のプロセスに
より鋼管を製造する場合の合金設計は、鋼に必然的に相
当量の冷間歪みが加えられる電縫溶接鋼管に対しては、
最適の合金設計にはなっていない。
して適切な常温降伏強度および耐火強度を有する建築用
電縫溶接鋼管が求められている。
た鋼材についても、建築用の耐火鋼管として用いるのに
は問題がある。例えば、特開平6−88126号公報記
載の技術では、C量が0.10%以上(同公報実施例)
と高いため、常温の降伏強度が高いという問題がある。
特開平9−87802号公報記載の技術でも、実施例に
見られるように、Si量が0.17〜0.28%と高い
ため、常温の降伏強度が高いという問題がある。
8−3684号公報記載の技術では、NbもMoも含ま
ないため、耐火性は期待できない。特開平8−3688
号公報記載の技術では、PおよびSの多量添加により靭
性が大幅に低下すると考えられる。
決し、火災時の高温における降伏強度が高く、耐火被覆
の簡略化または省略が可能な、建築用鋼材として適切な
常温降伏強度および耐火強度を有するとともに、耐めっ
き割れ性に優れた耐火電縫溶接角鋼管を提供する。
C:0.03〜0.07%、 Si:0.09%以
下、 Mn:0.1〜1.0%、 Mo:0.25〜
0.5%、 V:0.01〜0.10%、 Al:0.
1%以下を含有し、 P:0.03%以下、S:0.0
3%以下、 N:0.009%以下である鋼を、110
0〜1200℃の温度域に加熱し、750〜880℃で
圧延を終了して板厚20mm以下の熱延板とし、冷却後
の巻取りを板厚t(mm)に対して(530−4.54
t)℃以上(610−4.54t)℃以下の温度で行
い、得られた熱延鋼板を造管することにより電縫溶接鋼
管とし、次いで角型に成形する耐溶融亜鉛めっき割れ性
に優れた耐火電縫溶接角鋼管の製造方法である。
るめっき割れ感受性について、鋭意検討する中でなされ
た。その過程で、めっき割れ感受性が熱間圧延後の冷却
過程、とりわけ巻取り条件に大きく影響されることを見
出した。コイルの巻取りにおいては、鋼の相変態に伴う
復熱があるため、単なる巻取り温度の制御では、めっき
割れ感受性を低くすることはできない。この相変態に伴
う復熱の現象は、板表面と板厚中央では異なり単純では
ない。そこで種々検討した結果、巻取り条件に板厚の影
響を考慮することで、良好な耐めっき割れ性を得ること
に成功した。
常温で445MPa以下で、かつ、600℃で197M
Pa以上である。そこで、上記の知見に基づき、この目
標値を満足するための化学成分および熱延条件について
検討した。まず、化学成分について以下に説明する。
保するめに必要な元素であり、0.03%以上含有させ
る必要がある。一方、0.10%を超えて含有させる
と、常温での降伏強度が高くなりすぎ、建築材料として
必要な低い降伏応力が得られず、また溶接性及び靭性が
劣化する。従ってC量を、0.03〜0.10%の範囲
に規定する。
が、このSiの脱酸効果はAl等の他の元素によっても
代替可能である。またSiは、常温の降伏強度を上昇さ
せるが高温強度への寄与は殆どない。したがって、常温
の降伏強度に上限が規定されており、高温の降伏強度が
高いことが要求される耐火鋼用の合金元素としては、必
ずしも好ましいものではなく、添加しなくてもよい。具
体的には、Siの含有量が0.09%を越えると、常温
の降伏強度は大きく上昇し、BCR鋼管の規格の上限を
越える。また、Siは、耐溶融亜鉛めっき割れ性にとっ
て有害な元素である。従って、Si量を0.09%以下
に規定する。
時の割れ防止に有効な元素であるため、少なくとも0.
10%の添加が必要である。一方、1.0%を越えて含
有させると常温の降伏強度が高くなりすぎ、また、溶接
性や靱性が劣化する。したがって、Mn量を0.1〜
1.0%の範囲に規定する。
昇させる。特に、火災による温度上昇時に鋼中に炭化物
として析出し、高温での耐力を上昇させる。Moの効果
は含有量が0.2%未満の場合は効果が薄い。一方、
0.5%を超えて含有させると、溶融亜鉛めっき割れを
促進し、また、製造コストも上昇する。したがって、M
o量を0.2〜0.5%の範囲に規定する。
を上昇させるために非常に有用な元素である。しかし、
V量が0.01%未満では、その効果は期待できない。
また、0.05%を超えて添加してもその効果は小さ
く、経済性を損なう。したがって、V量を0.01〜
0.10%の範囲に規定する。
特に添加する必要はない。但し、Siと同様に脱酸元素
であり、必要に応じて用いてよい。その場合、Al量が
0.1%を超えると靱性を劣化させる等の悪影響が出て
くるため、0.1%を上限とする。
高温強度へ大きな影響を与えない点からも不要なので、
その下限値は特に規定しない。これらの元素の上限値
は、鋼の清浄度等の観点から、Pは0.03%以下、S
は0.03%以下、Nは0.009%以下とする必要が
ある。
にも、製鋼その他の製造工程で、スクラップ等から混入
する種々の元素が含まれる(金属元素も含む)。これら
は、通常の鋼管で許容できる範囲であれば、含まれてい
ても差し支えないことは言うまでもない。
する。まず、スラブの加熱温度は、製品の高温強度を確
保するために、この段階でMo、Vを十分に固溶させる
必要がある。そのため、スラブの加熱温度を1100℃
以上とする。しかし、1200℃を超えて加熱すると、
靭性が劣化する。従って、スラブの加熱温度を1100
〜1200℃の温度範囲に規定する。なお、鋳造後のス
ラブを高温のまま圧延してもよい。この場合、この発明
では、再加熱の有無にかかわらず、スラブを1100〜
1200℃の温度域に加熱したものとみなす。
延負荷が大きく安定操業が困難となる。一方、880℃
を超えると、強度と靭性がともに低下する。従って、熱
延の仕上げ温度を750〜880℃の温度範囲に規定す
る。
常温での降伏応力の観点から決まる。また、前述のよう
に、巻取り温度のみならず、板厚の影響を考慮する必要
がある。
力に及ぼす巻取り温度(CT)と板厚(t)の影響を示
す図である。図中、○印はめっき割れが起こらず、常温
での降伏応力が目標値を満足していることを示し、×印
はめっき割れ発生、●印は常温での降伏応力が目標値を
超過している(常温YS過剰)ことをそれぞれ示す。
き割れが発生し、低過ぎると常温での降伏応力が目標値
を超過することがわかる。また、同一巻取り温度で見る
と、板厚の増加によりめっき割れが発生し(CT=50
0℃)、あるいは板厚の減少により常温での降伏応力が
目標値を超過することがわかる。
巻取り温度あるいは板厚の上限値を示す。図中の直線b
は、常温での降伏応力が目標値を満足する巻取り温度あ
るいは板厚の上限値を示す。これらの直線を巻取り温度
CT(℃)と板厚t(mm)の関係式で表すと、直線a
は、 CT=610−4.54t (1) 直線bは、 CT=530−4.54t (2) と表される。
降伏応力が目標値を満足する巻取り温度CT(℃)の範
囲は、次の不等式で表されることになる。
手段を用いて、化学成分を発明の範囲内に調製した鋼を
鋳造しスラブとする。この鋼スラブを高温のままもしく
は1100〜1200℃に再加熱して、750〜880
℃の仕上温度で熱延鋼板を製造する。熱延後は、仕上板
厚に応じて前述の不等式(3)の温度範囲で巻取りを行
う。
管を製造する。電縫溶接鋼管に造管する工程には、熱延
鋼板コイルのリコイルおよびインラインスキンパスや、
オンラインでのストレッチ成形、フィンパス、サイザと
言ったプロセスを含めることができる。電縫溶接鋼管を
さらに角管に成形すれば、この発明の耐溶融亜鉛めっき
割れ性に優れた耐火電縫溶接角鋼管が得られる。
のスラブを1150℃に再加熱して820℃の仕上温度
で熱延鋼板を製造した。鋼Aは発明鋼、鋼Bと鋼Cは比
較鋼であり、鋼Bは発明範囲よりMoが低く、鋼CはS
iが高い。
び高温で引張試験を行った。めっき割れの試験は、熱延
板幅方向に曲げ試験片を採取し、90゜曲げ加工により
角鋼管のコーナ部を再現し、溶融亜鉛浴に浸漬して行っ
た。この場合、ただ浸漬しただけでは必ずしも割れが発
生するとは限らないので、コーナ部の曲げ戻し試験を行
った。この試験法は、特開平1−56853号公報記載
の技術と同様、溶融亜鉛浴中でコーナ部に曲げ戻し変形
を行い、コーナ内面の割れ発生の有無を調べた。曲げ戻
し試験は、溶融亜鉛浴中で曲げ試験片の2辺をコーナ部
から等距離の位置で治具により支持し、コーナ部をアン
ビルで押して曲げ戻しを加える方法で行った。曲げ戻し
の程度は、実際の角鋼管のコーナ部が、溶融亜鉛めっき
の際受ける熱歪の最大値と同程度となるよう曲げスパン
60mm、変位量5mmとした。これらの引張試験結果
を、熱延鋼板の板厚(仕上げ厚)、巻取温度等とともに
表2に示す。
4、15は発明鋼板であり、それ以外は比較鋼板であ
る。発明鋼板は、いずれも降伏強度の目標値(常温で4
45MPa以下、600℃で197MPa以上)を満た
し、めっき割れも生じていない。
3は、板厚と巻取り温度の組合せが発明範囲から外れて
おり(板厚大、巻取り温度高)、めっき割れが発生して
いる。鋼板5、6、11、16は、巻取り温度が低く
(発明範囲外)なっており、常温での降伏強度の目標値
を超過している。
と巻取り温度の組合せも含め発明範囲内であるが、素材
の鋼の化学成分が発明範囲から外れているため、発明の
目標を満足していない。鋼B(低Mo)を素材とする鋼
板17、18は高温での降伏強度(600℃降伏強度)
が低く、鋼C(高Si)を素材とする鋼板19、20は
めっき割れが発生している。
を考慮することで、板厚と巻取り温度の適切な組合せに
より、良好な耐めっき割れ性を得ることを可能としてい
る。また、化学成分についても、耐めっき割れ性に及ぼ
す影響を明らかにして適切な範囲を規定している。その
結果、建築等の構造物等に用いられる、火災時の高温に
おける降伏強度が高く、耐火被覆の簡略化または省略が
可能な、建築用鋼材として適切な常温降伏強度および耐
火強度を有するとともに、耐溶融亜鉛めっき割れ性に優
れた耐火電縫溶接角鋼管を製造することができる。
取り温度(CT)と板厚(t)の影響を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.03〜0.10
%、 Si:0.09%以下、 Mn:0.1〜1.0
%、 Mo:0.25〜0.5%、 V:0.01〜
0.10%、 Al:0.1%以下を含有し、 P:
0.03%以下、 S:0.03%以下、 N:0.0
09%以下である鋼を、1100〜1200℃の温度域
に加熱し、750〜880℃で圧延を終了して板厚20
mm以下の熱延板とし、冷却後の巻取りを板厚t(m
m)に対して(530−4.54t)℃以上(610−
4.54t)℃以下の温度で行い、得られた熱延鋼板を
造管することにより電縫溶接鋼管とし、次いで角型に成
形する耐溶融亜鉛めっき割れ性に優れた耐火電縫溶接角
鋼管の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP25019797A JP3760587B2 (ja) | 1997-09-16 | 1997-09-16 | 耐溶融亜鉛めっき割れ性に優れた耐火電縫溶接角鋼管の 製造方法 |
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JP25019797A JP3760587B2 (ja) | 1997-09-16 | 1997-09-16 | 耐溶融亜鉛めっき割れ性に優れた耐火電縫溶接角鋼管の 製造方法 |
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JPH1192826A true JPH1192826A (ja) | 1999-04-06 |
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ID=17204273
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3760587B2 (ja) |
Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
EP0745709A1 (fr) * | 1995-05-31 | 1996-12-04 | Societe Cooperative De Teillage Du Neubourg | Fibres de lin en bourre et procédé de préparation |
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-
1997
- 1997-09-16 JP JP25019797A patent/JP3760587B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3760587B2 (ja) | 2006-03-29 |
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