JPH1192616A - アクリル系樹脂組成物、プレミックス、smc又はbmc、及び人工大理石の製造方法 - Google Patents

アクリル系樹脂組成物、プレミックス、smc又はbmc、及び人工大理石の製造方法

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JPH1192616A
JPH1192616A JP25993097A JP25993097A JPH1192616A JP H1192616 A JPH1192616 A JP H1192616A JP 25993097 A JP25993097 A JP 25993097A JP 25993097 A JP25993097 A JP 25993097A JP H1192616 A JPH1192616 A JP H1192616A
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acrylic
meth
acrylate
artificial marble
bmc
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JP25993097A
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English (en)
Inventor
Seiya Koyanagi
精也 小柳
Kentaro Hayashi
健太郎 林
Shinji Saeki
慎二 佐伯
Yuichiro Kishimoto
祐一郎 岸本
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢ムラのない成形外観が得られ、成形加工
性に優れたアクリル系樹脂組成物、耐熱水性に優れた人
工大理石の原料として有用なプレミックス、高温成形に
適し、成形加工性に優れた、人工大理石の原料として特
に有用なSMC又はBMC、及び、生産性が高く、外観
や耐熱水性の良好な人工大理石の製造方法の提供。 【解決手段】 フッ素原子を持つエステル基を有する
(メタ)アクリレート、又はこれを含有する単量体混合
物(a)、ポリメチルメタクリレート又はアクリル系重
合体(b)を含有することを特徴とするアクリル系樹脂
組成物。該アクリル系樹脂組成物と無機充填剤を含有す
ることを特徴とするプレミックス。該プレミックスと、
増粘剤を含有することを特徴とするSMC又はBMC。
該SMC又はBMCを100〜150℃の範囲で加熱加
圧硬化することを特徴とする人工大理石の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形加工性に優れ
たアクリル系樹脂組成物、耐熱水性に優れたアクリル系
人工大理石の原料として有用なアクリル系プレミック
ス、高温成形に適し、成形加工性に優れ、増粘性が良好
な、アクリル系人工大理石の原料として特に有用なアク
リル系SMC又はBMC、及び、生産性が高く、外観が
良好で耐熱水性に優れたアクリル系人工大理石の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリル系樹脂に水酸化アルミニウム等
の無機充填剤を配合したアクリル系人工大理石は、優れ
た成形外観、柔らかな手触り及び耐候性等の各種の卓越
した機能特性を有しており、キッチンカウンター等のカ
ウンター類、洗面化粧台、防水パン、その他建築用途に
広く使用されている。これらは一般に、アクリル系シラ
ップに無機充填剤を分散させたいわゆるプレミックスを
成形型内に充填し、これを比較的低温で硬化重合させる
方法で製造されている。しかし、このアクリル系シラッ
プは沸点が低いため、硬化温度を低くせざるを得ず、こ
れに起因して成形時間に長時間を要するため生産性が低
く、また、プレミックスの型内への充填性に問題がある
ために、成形品の形状が制限されるという欠点を有す
る。
【0003】これらの欠点を改良するため、樹脂シラッ
プを増粘剤で増粘させて得られるSMC又はBMCを1
00℃以上の高温で加熱加圧成形することによって、ア
クリル系人工大理石を製造する検討が従来よりなされて
いる。
【0004】例えば、特開平6−313019号公報に
は、メチルメタクリレートを主成分とするアクリル系シ
ラップに水酸化アルミニウムを配合したアクリル系BM
Cを115℃の高温で加熱加圧成形して人工大理石を製
造する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法でアクリル系人工大理石を製造しようとすると、メチ
ルメタクリレートの沸点以上で成形するため、金型内で
メチルメタクリレートの蒸気が発生し、成形物表面がメ
チルメタクリレート蒸気で侵され、光沢ムラが生じ、光
沢が低下するという不具合が発生しやすい。このような
傾向は、さらに生産速度を上げるために硬化温度を高く
した場合に特に顕著となる。
【0006】また、特開平6−313019号公報に記
載されているようなアクリル系人工大理石は、耐熱水性
に劣る傾向にあり、特に高度な耐熱水性が要求されるバ
スタブ等の用途には、使用が困難である。
【0007】さらに、特開平6−313019号公報に
記載されているアクリル系SMC又はBMCは、増粘さ
せるために長時間(24時間以上)の熟成が必要であ
り、生産性が低いという問題点を有する。
【0008】本発明の目的は、光沢ムラのない成形外観
が得られ、成形加工性に優れたアクリル系樹脂組成物、
耐熱水性に優れたアクリル系人工大理石の原料として有
用なアクリル系プレミックス、高温成形に適し、成形加
工性に優れた、アクリル系人工大理石の原料として特に
有用なアクリル系SMC又はBMC、及び、生産性が高
く、外観が良好で耐熱水性に優れたアクリル系人工大理
石の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について検討した結果、アクリル系樹脂組成物として特
定構造のエステル基を有する(メタ)アクリレートを含
有させることによって、光沢ムラのない成形外観が得ら
れる、成形加工性に優れたアクリル系樹脂組成物、耐熱
水性に優れたアクリル系人工大理石の原料として有用な
アクリル系プレミックスを見いだし、さらに、このアク
リル系プレミックスに増粘剤を含有させることによっ
て、高温成形に適し、成形加工性に優れた、アクリル系
人工大理石の原料として特に有用なアクリル系SMC又
はBMC、及び、生産性が高く、外観が良好で耐熱水性
に優れたアクリル系人工大理石の製造方法を見いだし、
本発明を完成させた。
【0010】すなわち、本発明は、フッ素原子を持つエ
ステル基を有する(メタ)アクリレート、又はこれを含
有する単量体混合物(a)、ポリメチルメタクリレート
又はアクリル系重合体(b)を含有することを特徴とす
るアクリル系樹脂組成物であり、該アクリル系樹脂組成
物と無機充填剤を含有することを特徴とするアクリル系
プレミックスに関するものであり、該アクリル系プレミ
ックスと、増粘剤を含有することを特徴とするアクリル
系SMC又はBMCに関するものであり、該アクリル系
SMC又はBMCを100〜150℃の範囲で加熱加圧
硬化することを特徴とするアクリル系人工大理石の製造
方法に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル系樹脂組成物を
構成する(a)成分として使用する、フッ素原子を持つ
エステル基を有する(メタ)アクリレート、又はこれを
含有する(メタ)アクリル系単量体混合物は、本発明の
アクリル系樹脂組成物に優れた成形加工性を付与し、成
形品に光沢ムラのない成形外観や、優れた耐熱水性を付
与するための成分である。なお、(メタ)アクリレート
はメタクリレートないしはアクリレートを意味する。
【0012】(a)成分として使用される、フッ素原子
を持つエステル基としては、特に限定されないが、炭素
数1〜10のフルオロアルキル基であることが好まし
い。例えば、トリフルオロメチル(メタ)アクリレー
ト、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフ
ルオロブチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオ
ロデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、
これらは必要に応じて単独で使用しても良いし、2種以
上を併用して使用しても良いが、成形品の強度の点で、
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート
が好ましい。
【0013】フッ素原子を持つエステル基を有する(メ
タ)アクリレートは、本発明のアクリル系樹脂組成物
中、5〜90重量%の範囲で使用するのが好ましい。こ
れは、この範囲での使用によって、得られる成形品の光
沢ムラがなくなる傾向にあり、また、成形品の耐熱水性
が良好となる傾向にあるためである。より好ましくは1
0〜85重量%、さらに好ましくは15〜80重量%の
範囲である。
【0014】また、(a)成分として使用される、その
他の単量体としては、例えば、炭素数1〜20のアルキ
ル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸金属
塩、フマル酸、フマル酸エステル、マレイン酸、マレイ
ン酸エステル、芳香族ビニル、酢酸ビニル、(メタ)ア
クリル酸アミド、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニ
ル、無水マレイン酸等の単官能性単量体が挙げられる。
これらは、必要に応じて単独あるいは二種以上を併用し
て使用することができるが、(メタ)アクリル系単官能
性単量体が、得られる成形品の外観が良好となる傾向に
あり好ましく、中でもメチルメタクリレートが特に好ま
しい。
【0015】これら単官能性単量体は、本発明のアクリ
ル系樹脂組成物中に40重量%以下の範囲で含有させる
ことができる。より好ましくは35重量%以下の範囲で
あり、さらに好ましくは30重量%以下の範囲である。
【0016】さらに、本発明のアクリル系樹脂組成物
に、(a)成分として多官能性単量体を含有させると、
得られる成形品に優れた強度、耐溶剤性、耐熱性、寸法
安定性等が付与される傾向にあり好ましい。
【0017】多官能性単量体としては、例えば、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ
(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパン
ジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパ
ンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、及び、(メタ)アクリル酸とポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコー
ルとの多価エステル、ジビニルベンゼン、トリアリール
イソシアヌレート、アリールメタクリレート等の多官能
性単量体が挙げられる。これらは、必要に応じて単独で
あるいは二種以上を併用して使用することができる。
【0018】特に、多官能性単量体としてネオペンチル
グリコールジメタクリレート及び/又は1,3−ブチレ
ングリコールジメタクリレートを使用すると、きわめて
表面光沢の優れた成型品が得られる傾向にあり好まし
い。この場合、ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト及び/又は1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ートと他の多官能性単量体を併用しても良い。
【0019】これら多官能性単量体の使用量は特に限定
されないが、上記の効果を有効に得るためには、本発明
のアクリル系樹脂組成物中に1〜50重量%の範囲で使
用するのが好ましい。より好ましい範囲は3〜40重量
%、最も好ましい範囲は5〜30重量%の範囲である。
【0020】本発明のアクリル系樹脂組成物を構成する
(b)成分は、ポリメチルメタクリレート、又はアクリ
ル系共重合体である。
【0021】(b)成分の含有量は特に制限されるもの
ではないが、本発明のアクリル系樹脂組成物をアクリル
系プレミックスとして使用する場合の作業性、及び、こ
のアクリル系プレミックスをアクリル系人工大理石の原
料として使用した場合の機械的強度等の物性を考慮に入
れると10〜90重量%の範囲が好ましい。より好まし
くは15〜85重量%、さらに好ましくは20〜80重
量%の範囲である。
【0022】(b)成分は、架橋重合体でも非架橋重合
体でも良く、必要に応じて適宜選択することができる
が、得られる樹脂組成物の流動性や成形材料の機械的強
度を考慮に入れると、その重量平均分子量は、15,0
00〜2,000,000の範囲であることが好まし
い。より好ましくは、25,000〜1,000,00
0の範囲であり、最も好ましい範囲は30,000〜6
00,000である。
【0023】(b)成分のアクリル系重合体で使用され
る構成成分としては、例えば、上記の単官能性単量体を
そのまま適用することができる。該構成成分は、二種以
上を併用して使用することができ、必要に応じて上記の
多官能性単量体を共重合させることもできる。(b)成
分は、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重合
法等の公知の重合法により製造することができる。
【0024】本発明のアクリル系樹脂組成物で使用され
る(a)成分、及び(b)成分としては、(a)成分中
に(b)成分を溶解したものでも良いし、(a)成分を
部分重合することによって(a)成分中にその重合体で
ある(b)成分を生成したものでも良いし、あるいは、
この部分重合したものにさらに(a)成分を添加したも
の、又は部分重合したものにさらに(b)成分を添加し
たものでも良い。
【0025】本発明のアクリル系樹脂組成物は、さらに
無機充填剤、その他必要に応じて添加剤等を配合するこ
とによって、アクリル系人工大理石の原料として有用な
アクリル系プレミックスとして使用することができる。
【0026】本発明のアクリル系プレミックスにおいて
は、無機充填剤は、アクリル系樹脂組成物100重量部
に対して、50〜400重量部の範囲で使用するのが好
ましい。これは、無機充填剤の使用量を50重量部以上
とすることによって、得られる成型品の質感や耐熱性等
が良好となる傾向にあり、また、400重量部以下とす
ることによって、強度の高い成型品を得ることが可能と
なる傾向にあるためである。より好ましくは100〜3
00重量部の範囲である。
【0027】無機充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、溶融シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、リン酸カルシウム、タルク、クレー、
ガラスパウダー等の無機充填剤を必要に応じて適宜使用
することができる。特に、本発明のアクリル系プレミッ
クスを人工大理石用成形材料として使用する場合には、
無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、シリカ、溶
融シリカ、ガラスパウダーが好ましい。
【0028】また、本発明のアクリル系プレミックス
に、さらに無機充填剤含有樹脂粒子を配合し成形するこ
とにより、石目模様を有する御影石調人工大理石を得る
ことができる。
【0029】無機充填剤含有樹脂粒子の配合量は、特に
制限はないが、アクリル系プレミックス100重量部に
対して1〜200重量部の範囲であることが好ましい。
これは、無機充填剤含有樹脂粒子の配合量を1重量部以
上とすることによって、意匠性の良い石目模様が得られ
る傾向にあり、200重量部以下とすることによって、
アクリル系プレミックスの製造時における混練性が良好
となる傾向にあるためである。より好ましくは10〜1
00重量部の範囲である。
【0030】無機充填剤含有樹脂粒子を構成する樹脂
は、メチルメタクリレートに溶解しない樹脂ならば何で
も良く、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル樹脂、架
橋スチレン樹脂などを挙げることができるが、本発明の
アクリル系樹脂組成物との親和性が高く、美しい外観を
した成形品が得られることから、架橋アクリル樹脂が好
ましい。この架橋アクリル樹脂は、ポリメチルメタクリ
レート又はメチルメタクリレートを主成分とする非架橋
アクリル系重合体を含有するものでも良い。
【0031】無機充填剤含有樹脂粒子を構成する無機充
填剤は、樹脂100重量部に対して50〜400重量部
の範囲で使用されるのが好ましい。これは、無機充填剤
の使用量を50重量部以上とすることによって、得られ
る成型品の質感や耐熱性等が良好となり、また、無機充
填剤の使用量を400重量部以下とすることによって、
強度の高い成型品を得ることが可能となる傾向にあるた
めである。
【0032】無機充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、溶融シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、リン酸カルシウム、タルク、クレー、
ガラスパウダー等の無機充填剤を必要に応じて適宜使用
することができる。特に、御影石調人工大理石用を製造
する場合には、無機充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、溶融シリカ、ガラスパウダーが好ましい。
【0033】無機充填剤含有樹脂粒子の製造方法は特に
限定されないが、例えば、熱プレス法、注型法などによ
って重合硬化して得られる無機充填剤入りの樹脂成型物
を粉砕し、ふるいにより分級する方法が挙げられる。例
えば、アクリル系人工大理石を粉砕し、分級することに
より得られる無機充填剤含有樹脂粒子の使用が好まし
い。
【0034】本発明においては、1種類、あるいは色や
粒径の異なる2種類以上の無機充填剤含有樹脂粒子を使
用することができる。また、無機充填剤含有樹脂粒子の
粒径は、成型品の肉厚以下であれば特に限定されない。
【0035】本発明のアクリル系プレミックスはさらに
増粘剤を含有させることによって、アクリル系SMC又
はBMCとして使用することができる。増粘剤として
は、特に制限はなく、例えば、酸化マグネシウム粉末や
重合体粉末等を使用することができるが、成形物の耐水
性が優れる傾向にある点から、重合体粉末の使用が好ま
しい。
【0036】増粘剤として使用可能な重合体粉末として
は、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することが
でき、例えば、上記の無機充填剤含有樹脂粒子を増粘剤
として使用することもできるが、嵩密度が0.1〜0.
7g/mlの範囲であり、アマニ油に対する吸油量が6
0〜200ml/100gの範囲であり、メチルメタク
リレートに対する膨潤度が16倍以上である非架橋重合
体粉末の使用が好ましい。このような特定の重合体粉末
を増粘剤として使用すると、ハンドリング性や生産性に
優れたアクリル系SMC又はBMCが得られ、また、外
観の良好な成形品が得られる傾向にある。
【0037】これは、重合体粉末の嵩密度を0.1g/
ml以上とすることによって、重合体粉末が飛散しにく
くなり、その製造時における歩留まりが良好となり、重
合体粉末をアクリル系プレミックスに添加、混合する際
の粉立ちが減少し、作業性が良好になるためであり、ま
た、0.7g/ml以下とすることによって、少量の重
合体粉末の使用で十分な増粘効果を得ることが可能とな
り、さらに増粘が短時間で済むので、生産性が向上し、
コスト的にも有利になるためである。好ましくは、0.
15〜0.65g/mlの範囲であり、さらに好ましく
は、0.2〜0.6g/mlの範囲である。
【0038】また、重合体粉末のアマニ油に対する吸油
量を60ml/100g以上とすることによって、少量
の重合体粉末の使用で十分な増粘効果を得ることが可能
となり、さらに増粘が短時間で済むので、生産性が向上
し、コスト的にも有利になるためであり、200ml/
100g以下とすることによって、重合体粉末のアクリ
ル系プレミックスに対する分散性が良好となるために、
アクリル系SMC又はBMCを製造する際の混練性が良
好になるためである。好ましくは、70〜180ml/
100gの範囲であり、さらに好ましくは、80〜14
0ml/100gの範囲である。
【0039】さらに、重合体粉末のメチルメタクリレー
トに対する膨潤度を16倍以上とすることによって、ア
クリル系プレミックスを増粘させる効果が十分なものと
なるためである。より好ましくは20倍以上である。
【0040】また、重合体粉末が非架橋重合体粉末であ
ることによって、十分な増粘効果が短時間で得られ、こ
の重合体粉末を含むアクリル系SMC又はBMCを御影
石調人工大理石の製造に使用する際には、石目模様の鮮
明性が良くなり、また、石目の模様ムラがなくなる傾向
にあるためである。このような傾向は、非架橋重合体粉
末がアクリル系プレミックス中で膨潤した後、すみやか
にその一部または全部が、室温においても溶解すること
に起因すると考えられる。
【0041】なお、本発明において、非架橋重合体粉末
とは、少なくとも表層部が非架橋重合体から構成されて
いる重合体粉末のことである。
【0042】本発明で使用される重合体粉末の重量平均
分子量は、特に限定されるものではないが、10万〜2
00万の範囲であることが好ましい。
【0043】これは、重量平均分子量がこの範囲内であ
ることによって、十分な増粘効果が短時間で得られ、こ
の重合体粉末を含むアクリル系SMC又はBMCを御影
石調人工大理石の製造に使用する際には、石目模様の鮮
明性が良くなり、石目の模様ムラがなくなる傾向にある
ためである。さらに好ましくは、30万〜200万の範
囲であり、特に好ましくは40〜100万の範囲であ
る。
【0044】本発明で使用される重合体粉末の使用量
は、特に限定されないが、本発明のアクリル系樹脂組成
物100重量部に対して、重合体粉末が0.1〜100
重量部の範囲であることが好ましい。これは、重合体粉
末の使用量が0.1重量部以上で高い増粘効果が発現さ
れる傾向にあり、100重量部以下で重合体粉末の分散
性が良好になり、また、コスト的に有利になる傾向にあ
るためである。より好ましい重合体粉末の使用量は1〜
80重量部の範囲である。
【0045】また、本発明で使用される重合体粉末の比
表面積は、特に限定されるものではないが、1〜100
2/gの範囲であることが好ましい。
【0046】これは、重合体粉末の比表面積を1m2
g以上とすることによって、少量の重合体粉末の使用で
十分な増粘効果が得られ、増粘が短時間で可能となるた
めに、生産性が向上し、さらに、この重合体粉末を含む
アクリル系SMC又はBMCを御影石調人工大理石の製
造に使用する際には、石目模様の鮮明性が良くなり、石
目の模様ムラがなくなる傾向にあり、また、100m2
/g以下とすることによって、重合体粉末のアクリル系
プレミックスに対する分散性が良好となるために、アク
リル系SMC又はBMCを製造する際の混練性が良好と
なる傾向にあるためである。より好ましくは3〜100
2/gの範囲であり、さらに好ましくは5〜100m2
/gの範囲である。
【0047】また、重合体粉末の平均粒子径は、特に限
定されるものではないが、1〜250μmの範囲である
ことが好ましい。これは、平均粒子径を1μm以上とす
ることによって、粉末の粉立ちが減少し、重合体粉末の
取扱性が良好となる傾向にあり、250μm以下の場合
とすることによって、得られる成形材料の外観、特に光
沢と表面平滑性が良好となる傾向にあるためである。よ
り好ましくは、5〜150μmの範囲であり、さらに好
ましくは、10〜70μmの範囲である。
【0048】本発明で使用される重合体粉末は、一次粒
子同士が凝集した二次凝集体であることが好ましい。こ
れは、重合体粉末が二次凝集体の形状を有する場合に
は、本発明の(a)成分の吸収速度が速く、増粘性が極
めて良好となる傾向にあるためである。
【0049】また、この場合においては、重合体粉末の
一次粒子の平均粒子径は0.03〜1μmの範囲である
ことが好ましい。これは、一次粒子の平均粒子径を0.
03μm以上とすることによって、二次凝集体である重
合体粉末製造時の歩留まりが良好となる傾向にあり、1
μm以下とすることによって、少量の重合体粉末の使用
で十分な増粘効果が得られ、増粘が短時間で可能となる
ために、生産性が向上し、さらに、この重合体粉末を含
むアクリル系SMC又はBMCを御影石調人工大理石の
製造に使用する際には、石目模様の鮮明性が良くなり、
石目の模様ムラがなくなる傾向にあるためである。より
好ましくは、0.07〜0.7μmの範囲である。
【0050】重合体粉末を構成する重合体としては、種
々のものを必要に応じて適宜選択して使用でき、特に限
定されるものではないが、得られるアクリル系人工大理
石の外観等の点を考慮に入れると、アクリル系重合体で
あることが好ましい。
【0051】重合体粉末の構成成分としては、例えば、
炭素数1〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)
アクリル酸金属塩、フマル酸、フマル酸エステル、マレ
イン酸、マレイン酸エステル、芳香族ビニル、酢酸ビニ
ル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリロニト
リル、塩化ビニル、無水マレイン酸等が挙げられる。こ
れらは、必要に応じて単独で重合しても良いし、二種以
上を併用して共重合しても良いが、アクリル系プレミッ
クスを構成する単量体成分との親和性を考慮に入れると
(メタ)アクリル系単量体が好ましい。
【0052】さらに本発明で使用される重合体粉末は、
それらを形成する重合体の化学的組成、構造、分子量等
が互いに異なったコア相とシェル相から構成された、い
わゆるコア/シェル構造を有する重合体粉末とすること
もできる。この場合、コア相は非架橋重合体であっても
架橋性重合体であっても良いが、シェル相は非架橋重合
体であることが好ましい。
【0053】重合体粉末のコア相及びシェル相の構成成
分としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基を有
するアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸金属塩、フマル
酸、フマル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸エステ
ル、芳香族ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ア
ミド、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、無水マ
レイン酸等が挙げられる。これらは、必要に応じて単独
で重合しても良いし、二種以上を併用して共重合しても
良いが、アクリル系プレミックスを構成する単量体成分
との親和性が高まる点から、シェル相はメチルメタクリ
レートを主成分として用いることが好ましい。
【0054】また、コア相を架橋させる場合には、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールエタンジ
(メタ)アクリレート、1,1−ジメチロールプロパン
ジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチロールプロパ
ンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、及び、(メタ)アクリル酸とポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコー
ルとの多価エステル、ジビニルベンゼン、トリアリール
イソシアヌレート、アリールメタクリレート等の多官能
性単量体を構成成分として使用することができ、これら
は単独あるいは二種以上を併用して使用することができ
る。
【0055】また、本発明の重合体粉末は、無機充填剤
を含有していても良いが、増粘効果をより高いものにす
るためには、無機充填剤を含有しない方が好ましい。
【0056】重合体粉末の製造方法は特に制限されるも
のではなく、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、
乳化重合、分散重合等の公知の方法で得ることができ
る。中でも、乳化重合で得られたエマルションに噴霧乾
燥、フリーズドライ、塩/酸沈殿等の処理を行って重合
体粉末を得る方法が、製造効率が良好であり好ましい。
【0057】また、本発明のアクリル系プレミックスに
は、必要に応じて、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイ
ド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパー
オキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、アゾビスイソ
ブチロニトリル等の有機過酸化物やアゾ化合物等の硬化
剤、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材、着色剤、低収縮
剤、硬化剤、内部離型剤等の各種添加剤を添加すること
ができる。
【0058】本発明のアクリル系プレミックスを得るた
めの構成成分の混合方法は、高粘度の物質を効率よく混
合できる方法であれば特に限定されない。例えば、ニー
ダー、ミキサー、ロール、押出機等を使用することがで
きる。
【0059】本発明のアクリル系プレミックスをアクリ
ル系SMC又はBMCとした後に加熱加圧硬化させて人
工大理石を製造する場合には、圧縮成形法、射出成形
法、押出成形法等公知の方法で製造することができる。
【0060】この場合、加熱温度としては、特に制限は
ないが、100〜150℃の範囲が好ましい。これは、
加熱温度を100℃以上とすることによって、硬化時間
を短縮することができ、生産性が高くなる傾向にあり、
150℃以下とすることによって、得られる成形物の線
収縮率が低くなる傾向にあるからである。より好ましく
は、105〜145℃、特に好ましくは110〜140
℃の範囲である。また、上記の温度範囲内で上金型と下
金型に温度差をつけて加熱しても良い。
【0061】加圧圧力としては10〜200kg/cm
2の範囲が好ましい。これは、加圧圧力を10kg/c
2以上とすることによって、アクリル系SMC又はB
MCの金型内への充填性が良好となる傾向にあり、20
0kg/cm2以下とすることによって、白化のない良
好な成形外観が得られる傾向にあるためである。より好
ましくは、20〜150kg/cm2の範囲である。
【0062】なお、成形時間は成形品の厚みによって適
宜選択すればよい。
【0063】本発明のアクリル系BMC又はSMCを加
熱加圧硬化させることによって得られる人工大理石は、
成形外観や耐熱水性に優れている。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。例中の部および%は、全て重量基準である。
【0065】・重合体粉末の物性 平均粒子径:レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置
(LA−910、堀場製作所製)を用いて測定した。 嵩密度:JIS R 6126−1970に基づいて測
定した。 吸油量:JIS K 5101−1991に基づいて測
定し、パテ状塊がアマニ油の最後の一滴で急激に柔らか
くなる直前を終点とした。 比表面積:表面積計SA−6201(堀場製作所製)を
用いて、窒素吸着法で測定した。 重量平均分子量:GPC法による測定値(ポリスチレン
換算)。 膨潤度:100mlのメスシリンダーに重合体粉末を投
入し、数回軽くたたいて5ml詰めた後、10℃以下に
冷却したメチルメタクリレートを全量が100mlとな
るように投入し、全体が均一になるように素早く撹拌す
る。その後、メスシリンダーを25℃の恒温槽で1時間
保持し、膨潤後の重合体粉末層の体積を求めて、膨潤前
の体積(5ml)との比によって示した。
【0066】・成形品の物性 耐熱水性:成形した板を98℃の熱水中に120時間浸
漬し、浸漬前の板と色変化(白色度、色差、黄変度)を
比較した。
【0067】(1)重合体粉末(P−1)の製造例 冷却管、温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管を備え
た反応装置に、純水925部、アルキルジフェニルエー
テルジスルフォン酸ナトリウム(花王(株)製、商品名
ペレックスSS−H)5部、過硫酸カリウム1部を仕込
み、窒素雰囲気下で撹拌しながら70℃に加熱した。こ
れに、メチルメタクリレート500部及びジアルキルス
ルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、商品名ペレッ
クスOT−P)5部からなる混合物を3時間かけて滴下
した後、1時間保持し、さらに80℃に昇温して1時間
保持して乳化重合を終了し、ポリマーの一次粒子径が
0.08μmのエマルションを得た。
【0068】得られたエマルションを大川原化工機社製
L−8型噴霧乾燥装置を用いて入口温度/出口温度=1
50℃/90℃噴霧乾燥処理し、二次凝集体粒子の平均
粒子径が30μmの非架橋重合体粉末(P−1)を得
た。得られた(P−1)の嵩密度は0.40g/mlで
あり、アマニ油に対する吸油量は、100ml/100
gであり、メチルメタクリレートに対する膨潤度は20
倍以上であり、比表面積は51m2/gであり、重量平
均分子量は60万であった。
【0069】(2)重合体粉末(P−2)の製造例 冷却管、温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管を備え
た反応装置に、純水925部、アルキルジフェニルエー
テルジスルフォン酸ナトリウム(花王(株)製、商品名
ペレックスSS−H)5部、過硫酸カリウム1部を仕込
み、窒素雰囲気下で撹拌しながら70℃に加熱した。こ
れに、メチルメタクリレート149.85部、1,3−
ブチレングリコールジメタクリレート0.15部及びジ
アルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、商
品名ペレックスOT−P)5部からなる混合物を1.5
時間かけて滴下した後、1時間保持し、続いてメチルメ
タクリレート350部を3.5時間かけて滴下した後、
1時間保持し、さらに80℃に昇温後、1時間保持して
乳化重合を終了し、ポリマーの一次粒子径が0.10μ
mのエマルションを得た。
【0070】得られたエマルションを大川原化工機社製
L−8型噴霧乾燥装置を用いて入口温度/出口温度=1
50℃/90℃で噴霧乾燥処理し、二次凝集体粒子の平
均粒子径が20μmで、コア相が架橋重合体、シェル相
が非架橋重合体であるコア/シェル構造を有する重合体
粉末(P−2)を得た。得られた(P−2)の嵩密度は
0.38g/mlであり、アマニ油に対する吸油量は、
100ml/100gであり、メチルメタクリレートに
対する膨潤度は20倍以上であり、比表面積は51m2
/gであり、シェル相の重量平均分子量は60万であっ
た。
【0071】(3)重合体粉末(P−3)の製造例 過硫酸カリウムの仕込量が0.25部、滴下する単量体
がメチルメタクリレート497.5部、1,3−ブチレ
ングリコールジメタクリレート2.5部及びジアルキル
スルホコハク酸ナトリウム5部からなる混合物である以
外は、重合体粉末(P−1)の製造例と同様な方法で乳
化重合を行い、ポリマーの一次粒子径が0.18μmの
エマルションを得た。得られたエマルションを製造例
(1)と同様の方法で噴霧乾燥を行い、二次凝集体粒子
の平均粒子径が18μmの架橋重合体粉末(P−3)を
得た。得られた(P−3)の嵩密度は0.38g/ml
であり、アマニ油に対する吸油量は、95ml/100
gであり、メチルメタクリレートに対する膨潤度は20
倍以上であり、比表面積は24m2/gであった。
【0072】(4)ポリメチルメタクリレート(B−
1)の製造例 冷却管、温度計、撹拌機、窒素導入管を備えた反応装置
に、純水800部、ポリビニルアルコール(けん化度8
8%、重合度1000)1部を溶解させた後、メチルメ
タクリレート400部、ノルマルドデシルメルカプタン
2部、アゾビスイソブチロニトリル2部を溶解させた単
量体溶液を投入し、窒素雰囲気下、400rpmで撹拌
しながら1時間で80℃に昇温し、そのまま2時間加熱
した。その後、90℃に昇温し2時間加熱後、さらに1
20℃に加熱して残存モノマーを水と共に留去してスラ
リーを得て、懸濁重合を終了した。得られたスラリーを
濾過、洗浄した後、50℃の熱風乾燥機で乾燥し、一次
粒子の平均粒子径が93μmのポリメチルメタクリレー
ト(B−1)を得た。得られた(B−1)の嵩密度は
0.70g/mlであり、アマニ油に対する吸油量は、
45ml/100gであり、メチルメタクリレートに対
する膨潤度は1.2であり、比表面積は0.07m2
gであり、重量平均分子量は4万であった。
【0073】(5)無機充填剤含有樹脂粒子の製造例 メチルメタクリレート69%、エチレングリコールジメ
タクリレート2%、上記製造例(4)で得たポリメチル
メタクリレート(B−1)29%からなる混合物100
部に、硬化剤としてtーブチルパーオキシベンゾエート
(日本油脂(株)製、商品名パーブチルZ)2.0部、
内部離型剤としてステアリン酸亜鉛0.5部、白色無機
顔料又は黒色無機顔料0.25部を添加した後に、無機
充填剤として水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、
商品名ハイジライトH−310)200部を添加し、さ
らに上記製造例(1)で得た重合体粉末(P−1)30
部を添加し、ニーダーで10分間混練してアクリル系B
MCを得た。次にアクリル系BMCを200mm角の平
型成形用金型に充填し、金型温度130℃、圧力100
kg/cm2の条件で10分間加熱加圧硬化させ、厚さ
10mmのアクリル系人工大理石を得た。得られたアク
リル系人工大理石をクラッシャーで粉砕し、平均粒子径
が350μmの白色又は黒色の無機充填剤含有樹脂粒子
を得た。
【0074】[実施例1]2,2,2−トリフルオロエ
チルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名ア
クリエステル3FE)25%、メチルメタクリレート
(三菱レイヨン(株)製、商品名アクリエステルM)2
3%、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(新中
村化学工業(株)製、商品名NKエステルNPG)25
%、エチレングリコールジメタクリレート(三菱レイヨ
ン(株)製、アクリエステルED)2%及び上記製造例
(1)で得たポリメチルメタクリレート(B−1)25
%からなる(a)成分と(b)成分を含有するアクリル
系樹脂組成物100部に、硬化剤として1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン(日本油脂(株)製、商品名パーヘキサ3
M)2.0部、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛0.
5部を添加した後に、無機充填剤として水酸化アルミニ
ウム(昭和電工(株)製、商品名ハイジライトH−31
0)195部を添加し、さらに上記製造例(1)で得た
重合体粉末(P−1)25部を添加し、ニーダーで10
分間混練してアクリル系BMCを得た。得られたアクリ
ル系BMCは、混練直後でもべたつきがなく取り扱い性
が極めて良好であった。
【0075】次に、この得られたアクリル系BMCを成
形用金型に充填し、上金型温度140℃、下金型温度1
25℃、圧力100kg/cm2の条件で10分間加熱
加圧硬化させ、厚さ10mm、200mm角のアクリル
系人工大理石成形品を得た。
【0076】得られた成形品の表面には光沢ムラが全く
なく、光沢が極めて高く、外観が極めて良好であった。
また、成形品の熱水浸漬後の色変化は極めて小さく、耐
熱水性が極めて良好であった。
【0077】[実施例2]2,2,2−トリフルオロエ
チルメタクリレートが19%、メチルメタクリレートが
29%である以外は、実施例1と同様な方法で、アクリ
ル系BMCを得た。増粘性の結果を表1に示す。
【0078】次に、実施例1と同様な方法でアクリル系
人工大理石を得た。得られた成形品の外観及び耐熱水性
の評価結果を表1に示す。
【0079】[実施例3]2,2,2−トリフルオロエ
チルメタクリレートが15%、メチルメタクリレートが
33%である以外は、実施例1と同様な方法で、アクリ
ル系BMCを得た。増粘性の結果を表1に示す。
【0080】次に、実施例1と同様な方法でアクリル系
人工大理石を得た。得られた成形品の外観及び耐熱水性
の評価結果を表1に示す。
【0081】[実施例4]2,2,2−トリフルオロエ
チルメタクリレートが9%、メチルメタクリレートが3
9%である以外は、実施例1と同様な方法で、アクリル
系BMCを得た。増粘性の結果を表1に示す。
【0082】次に、実施例1と同様な方法でアクリル系
人工大理石を得た。得られた成形品の外観及び耐熱水性
の評価結果を表1に示す。
【0083】[実施例5]重合体粉末として(P−2)
を用いる以外は実施例1と同様な方法で、アクリル系B
MCを得た。増粘性の結果を表1に示す。
【0084】次に、実施例1と同様な方法でアクリル系
人工大理石を得た。得られた成形品の外観及び耐熱水性
の評価結果を表1に示す。
【0085】[実施例6]ネオペンチルグリコールジメ
タクリレートが15%、ポリメチルメタクリレート(B
−1)が35%、重合体粉末が(P−3)である以外は
実施例1と同様な方法で、アクリル系BMCを得た。増
粘性の結果を表1に示す。
【0086】次に、実施例1と同様な方法でアクリル系
人工大理石を得た。得られた成形品の外観及び耐熱水性
の評価結果を表1に示す。
【0087】[実施例7]2,2,2−トリフルオロエ
チルメタクリレート24%、メチルメタクリレート24
%、ネオペンチルグリコールジメタクリレート25%、
エチレングリコールジメタクリレート2%及び上記製造
例(1)で得たポリメチルメタクリレート(B−1)2
5%からなる(a)成分と(b)成分を含有するアクリ
ル系樹脂組成物100部に、硬化剤として1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン2.0部、内部離型剤としてステアリン酸亜
鉛0.5部を添加した後に、無機充填剤として水酸化ア
ルミニウム(昭和電工(株)製、商品名ハイジライトH
−310)170部と上記製造例(5)で得た黒色と白
色の無機充填剤含有樹脂粒子合わせて70部を添加し、
さらに上記製造例(1)で得た重合体粉末(P−1)2
5部を添加し、ニーダーで10分間混練した。得られた
石目調アクリル系BMCは、混練直後でもべたつきがな
く取り扱い性が極めて良好であった。
【0088】次に、実施例1と同様な方法で御影石調ア
クリル系人工大理石成形品を得た。得られた成形品の外
観及び耐熱水性の評価結果を表1に示す。
【0089】[比較例1]アクリル系樹脂組成物が、メ
チルメタクリレート48%、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート25%、エチレングリコールジメタクリ
レート2%及び上記製造例(1)で得たポリメチルメタ
クリレート(B−1)25%からなる混合物である以外
は、実施例1と同様な方法で、アクリル系BMCを得
た。増粘性の結果を表1に示す。
【0090】次に、実施例1と同様な方法でアクリル系
人工大理石を得た。得られた成形品には光沢ムラがあ
り、外観が悪かった。また、成形品の熱水浸漬後の色変
化は大きかった。
【0091】[比較例2]2,2,2−トリフルオロエ
チルメタクリレートの代わりにスチレンを用いる以外は
実施例1と同様な方法で、アクリル系BMCを得た。増
粘性の結果を表1に示す。
【0092】次に、実施例1と同様な方法でアクリル系
人工大理石を得た。得られた成形品は光沢ムラがひど
く、また光沢が低く、非常に外観が悪かった。
【0093】
【表1】
【0094】3FE:2,2,2−トリフルオロエチル
メタクリレート MMA:メチルメタクリレート NPGDMA:ネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト EDMA:エチレングリコールジメタクリレート ST:スチレン ・プレミックスの増粘性 A:混練後、直ちに増粘し、べたつきのない取扱性が良
好なプレミックスが得られた。 B:混練後、室温で熟成して必要な粘度まで増粘させる
のに24時間以上要した。
【0095】・成形品の光沢ムラ ◎:光沢ムラが全くなく、光沢が極めて高い。 ○+:光沢ムラがなく、光沢がかなり高い。 ○:光沢ムラがなく、光沢が高い。 △:光沢ムラがあり、光沢が低い。 ×:光沢ムラがひどく、光沢が極めて低い。
【0096】・成形品の耐熱水性 ◎:色変化が極めて小さかった。 ○+:色変化がかなり小さかった。 ○:色変化が小さかった。 ×:色変化が大きかった。
【0097】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、ア
クリル系樹脂組成物として特定構造のエステル基を有す
る(メタ)アクリレートを使用することによって、光沢
ムラのない成形外観が得られ、成形加工性に優れたアク
リル系樹脂組成物、耐熱水性に優れたアクリル系人工大
理石の原料として有用なアクリル系プレミックスを得る
ことが可能になり、さらに、このアクリル系プレミック
スに増粘剤として重合体粉末を含有させることによっ
て、高温成形に適し、成形加工性に優れた、アクリル系
人工大理石の原料として特に有用なアクリル系SMC又
はBMCを得ることが可能になり、さらに、これを用い
て得られるアクリル系人工大理石は、生産性が高く、外
観や耐熱水性に優れており、特にバスタブ用途に極めて
有用であり、工業上非常に有益なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C04B 111:54 (72)発明者 岸本 祐一郎 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素原子を持つエステル基を有する
    (メタ)アクリレート、又はこれを含有する単量体混合
    物(a)、ポリメチルメタクリレート、又はアクリル系
    共重合体(b)を含有することを特徴とするアクリル系
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 フッ素原子を持つエステル基が炭素数1
    〜10のフルオロアルキル基であることを特徴とする請
    求項1記載のアクリル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアクリル系樹脂組成物と
    無機充填剤を含有することを特徴とするアクリル系プレ
    ミックス。
  4. 【請求項4】 無機充填剤含有樹脂粒子をさらに含有す
    ることを特徴とする、請求項3記載のアクリル系プレミ
    ックス。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のアクリル系プレミックス
    と、増粘剤を含有することを特徴とするアクリル系SM
    C又はBMC。
  6. 【請求項6】 増粘剤が重合体粉末であることを特徴と
    する、請求項5記載のアクリル系SMC又はBMC。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のアクリル系SMC又はB
    MCを100〜150℃の範囲で加熱加圧硬化すること
    を特徴とする、アクリル系人工大理石の製造方法。
JP25993097A 1997-04-14 1997-09-25 アクリル系樹脂組成物、プレミックス、smc又はbmc、及び人工大理石の製造方法 Pending JPH1192616A (ja)

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US09/418,362 US6316548B1 (en) 1997-04-14 1999-10-14 (Meth)acrylic premix, (meth)acrylic SMC or BMC, and process producing (meth)acrylic artificial marble

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11343350A (ja) * 1998-06-01 1999-12-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 人工大理石成形体
JP2013107936A (ja) * 2011-11-17 2013-06-06 Asahi Kasei Chemicals Corp メタクリル系樹脂及びその溶融成形体

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