JPH1192597A - 高減衰積層体用ゴム組成物 - Google Patents

高減衰積層体用ゴム組成物

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JPH1192597A
JPH1192597A JP25169097A JP25169097A JPH1192597A JP H1192597 A JPH1192597 A JP H1192597A JP 25169097 A JP25169097 A JP 25169097A JP 25169097 A JP25169097 A JP 25169097A JP H1192597 A JPH1192597 A JP H1192597A
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JP
Japan
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rubber
diene
rubber composition
mercaptobenzimidazole
carbon
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JP25169097A
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Atsushi Shimada
島田  淳
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】弾性率の温度依存性が小さく、優れた減衰性能
を有する高減衰積層体用ゴム組成物の提供。 【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対して、2−
メルカプトベンツイミダゾール系化合物を5超〜30重
量部含有する高減衰積層体用ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性率の温度依存
性を悪化させずに、優れた減衰特性を有する高減衰積層
体用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、振動エネルギーの吸収装置、すな
わち、防振、除振、免震装置等が急速に普及しつつあ
る。このような吸収装置の一形態として、鋼板とゴム層
を交互に積層した免震用積層ゴムが挙げられる。免震用
積層ゴムは、鉛直方向には非常に硬い物体として振る舞
い、水平方向に対しては単体のゴム塊の場合と同様に大
きくずれて、柔らかい物体として振る舞うことから、例
えば建物等の支承体として用いた場合には、地面の揺れ
が直接建物等に伝わるのを抑制し、また、橋梁等のの支
承体として用いた場合には、橋梁を通行する車両等から
の震動を抑制し、共に建物、橋梁等の建造物を保護す
る。
【0003】このような用途に用いるゴム組成物には、
高減衰性と、減衰性能が発揮される適用温度範囲(特に
低温側)が広いことが求められる。従来、ゴム組成物の
減衰性能を上げるために樹脂を配合する、あるいは、ゴ
ム組成物中に使用するポリマーとしてTg(ガラス転移
点)の高いポリマーを用いることが行われてきた。しか
し、上述の方法により減衰性能を上げると、低温特性の
悪化が起こり、ゴム組成物が低温で硬くなり過ぎるた
め、寒冷地での性能が劣るという問題があった。
【0004】一般的に、高減衰性のゴム組成物には、上
述のような性能を有するゴムとして、天然ゴムを中心と
するジエン系ゴムが広く使用されている。しかしなが
ら、ジエン系ゴムは熱に弱く、熱雰囲気下で長時間使用
することにより、硬化もしくは劣化を起こし、弾性率が
大幅に変化してしまうという性質を持っている。この問
題を解決するために、特開平3−146537号公報に
は、従来よりゴム炭化水素の過酸化物分解に基づく劣化
を防ぐ老化防止剤として用いられる2−メルカプトベン
ツイミダゾールを、ジエン系ゴム材料100重量部に対
して、0.1〜5重量部配合する発明が開示されてい
る。しかし、この発明では、2−メルカプトベンツイミ
ダゾールを多過ぎる量で配合すると、加硫阻害が起こ
り、熱ヘタリを生ずることとなると記載され、5重量部
超配合することは全く考えられていない。また、高温
(例えば120℃)下でのゴム組成物の熱硬化は防止さ
れているものの、低温(例えば−20℃)下でのゴム組
成物の硬化による減衰性能の低下という問題について
は、検討されておらず、解決もされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決すべくなされたものであり、その目的
は、弾性率の温度依存性を悪化させることなく、特に低
温時でも弾性率が大きくなることがなく、温度の高低に
かかわらず、優れた減衰特性を有する高減衰積層体用ゴ
ム組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、従来EPDM等のゴムの過酸化物分解による劣
化を防止する老化防止剤として、また、高温時の硬化も
しくは劣化を防止する耐熱老化防止剤としても用いられ
る2−メルカプトベンツイミダゾール系化合物を、ジエ
ン系ゴムに従来考えられていなかった範囲の特定量、配
合することによって、ジエン系ゴムの低温時での弾性率
を低減し、弾性率の温度依存性を悪化させることなく、
優れた減衰特性を得られることを知見した。ジエン系ゴ
ムに作用する場合でも、特開平3−146537号公報
においては、熱雰囲気下での長時間使用における硬化も
しくは劣化による弾性率の変化抑制を目的としたもので
あり、本発明とは目的が異なる。さらにその際の配合量
としては、2−メルカプトベンツイミダゾールを、ジエ
ン系ゴム材料100重量部に対して、0.1〜5重量部
配合することが開示されているが、この発明では、2−
メルカプトベンツイミダゾールを多過ぎる量で配合する
と、加硫阻害が起こり、熱ヘタリを生ずることとなると
記載され、5重量部超配合することは全く考えられてい
ない。
【0007】すなわち、本発明は、ジエン系ゴム100
重量部に対して、2−メルカプトベンツイミダゾール系
化合物を5超〜30重量部含有する高減衰積層体用ゴム
組成物を提供する。
【0008】また、前記高減衰積層体用ゴム組成物が、
さらに、CTAB吸着比表面積が100〜250〔m2
/g〕のカーボンを含有する高減衰積層体用ゴム組成物
を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の高減衰積層体用
ゴム組成物(以下、本発明の組成物と記す)について詳
細に説明する。本発明の組成物は、ジエン系ゴムに2−
メルカプトベンツイミダゾール系化合物を含有し、これ
により、弾性率の温度依存性が悪化せずに、優れた減衰
特性を有することが特徴である。
【0010】本発明で用いるジエン系ゴムとしては、天
然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエン
ゴム(BR)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−
BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロ
プレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、アクリロ
ニトリル・ブタジエンゴム(NBR、NIR、NBI
R)、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−I
IR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)等の種
々のゴムをあげることができる。なかでも、減衰性、加
工性等のバランスが良いため、NRあるいはIRが好適
に用いられる。これらのジエン系ゴムは単独もしくは2
種以上を併用してもよい。
【0011】本発明の組成物には、上記ジエン系ゴムに
加え、一般にゴムに配合される樹脂を添加してもよい。
このような樹脂として、クマロンプラスチック、エチレ
ンプラントから得られるジオレフィン類等を重合した樹
脂等の石油系樹脂、セラック、アラビアゴム、アカロイ
ド等の天然系樹脂、ロジン系樹脂等が挙げられる。この
ような樹脂を併用することにより、さらに減衰性能を高
めることができる。
【0012】本発明で用いる2−メルカプトベンツイミ
ダゾール系化合物は、下記式で表される化学構造をもつ
化合物である。
【化1】 式中、Rは、メチル基等のアルキル基を表す。具体的に
は、2−メルカプトベンツイミダゾール、2−メルカプ
トメチルベンツイミダゾール等が挙げられる。2−メル
カプトベンツイミダゾール系化合物の配合量は、前記ジ
エン系ゴム100重量部に対して、5超〜30重量部で
ある。5重量部以下ではジエン系ゴムの温度依存性を十
分低減できず、また、30重量部超では、本発明の組成
物の加硫が遅延して加硫故障を起こし、さらに、混合時
の粘度が高くなり加工性が劣るからである。
【0013】本発明の組成物には、通常用いられるカー
ボンを配合してもよいが、好ましくは、特定の性質を有
する超微粒子のカーボンを配合する。本発明のゴム組成
物に用いるカーボンは、CTAB(セチルトリメチルア
ンモニウムブロミド)吸着比面積が100〜250〔m
2 /g〕であるのが好ましい。より好ましくは110〜
200〔m2 /g〕である。この範囲であれば、本発明
の組成物の弾性率が十分に低減され、ビルや戸建、橋梁
等の建造物の支承体に用いられる場合、優れた減衰性能
を発揮できるからである。上記範囲は、対応するAST
M旧分類で表せば、およそ、ISAF級以上のカーボン
が該当し、HAF級のカーボンではCTAB比表面積は
上記範囲に達しない。このようなカーボンの配合量は、
前記ジエン系ポリマー100重量部に対し、50〜10
0重量部であるのが、優れた減衰性能が得られるという
観点から好ましい。
【0014】上記成分に加え、本発明の組成物には、本
発明の特徴を損なわない範囲で、一般にゴムに配合され
る可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等の添加剤
を配合することができる。可塑剤としては、プロセスオ
イル、石油樹脂、ジオクチルフタレート、ジオクチルセ
バケート等の合成可塑剤、植物油、液状ゴム等が挙げら
れる。加硫剤としては、硫黄や、テトラメチルチウラム
ジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジス
ルフィド(TETD)、ジペンタメチレンチウラムジス
ルフィド(DPTT)等の有機含硫黄化合物、ジクミル
ペルオキシド等の有機過酸化物、亜鉛華、マグネシア等
の金属酸化物、キノンジオキシム等が挙げられる。加硫
促進剤としては、メルカプトベンゾチアゾール(MB
T)等のチアゾール類、N−シクロヘキシル−2−ベン
ゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)等のスルフェ
ンアミド類、ジフェニルグアニジン等のグアニジン類等
が挙げられる。老化防止剤としては、N−(1,3−ジ
メチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジア
ミン(6PPD)、N,N’−ジナフチル−p−フェニ
レンジアミン(DNPD)、N−イソプロピル−N’−
フェニル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、スチ
レン化フェノール(SP)等が挙げられる。上述の樹
脂、および、添加剤は、単独または2種以上の混合物と
して用いることができる。
【0015】本発明の組成物は、上記必須の成分を加
え、必要に応じてその他の添加剤を加えて、ニーダ、バ
ンバリーミキサ等の混練機を用いて混練し、成形し、加
硫することにより、得ることができる。
【0016】本発明の組成物は、ジエン系ゴムに2−メ
ルカプトベンツイミダゾール系化合物を特定量配合する
ことから、樹脂や軟化点の高いポリマーを添加する従来
の高減衰ゴムでは得られなかった弾性率の温度依存性が
改善され、優れた減衰性能を有する。さらに、特定の比
表面積をもつカーボンを配合する場合は、より優れた減
衰性能を示す。
【0017】本発明のゴム組成物を用いる高減衰積層体
とは、一般にゴム組成物と鉄板等の硬質板とを交互に積
層した積層体からなり、橋梁の支承やビルの基礎免震等
に用いられる構造体である。この積層体に用いる支承用
ゴム組成物には、高い減衰性をもつゴム組成物が好適で
ある。本発明の組成物は、弾性率の温度依存性が悪化す
ることなく、従来の高減衰ゴムより優れた減衰性能を持
つので、上述の高減衰積層体用ゴム組成物として好適に
用いることができる。
【0018】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明する。 (実施例1〜4、比較例1〜5)ゴム組成物の作製 下記表1に示した配合内容でゴム組成物を調整した。配
合量の単位は〔重量部〕である。なお、表中、MBは2
−メルカプトベンツイミダゾールを表す。ゴム成分と、
硫黄と加硫促進剤とを除く配合剤とを、バンバリーミキ
サー(1.8L)を用いて混合した後、この混合物に加
硫促進剤と硫黄とを8インチの試験用練りロール機で混
練してゴム組成物を得た。
【0019】ゴム特性の評価 1)加硫速度 下記表1に示す配合内容で混合して得られた未加硫のゴ
ム混合物を、レオメーターにて148℃で加硫速度の測
定を行い、最大トルクの95%に達するまでの時間を求
めた。 2)引張り試験による物性値 実施例1〜4および比較例1〜5で得られたゴム組成物
について、JIS K6301に記載の方法に準拠し
て、148℃で45分間プレス加硫し、加硫物の硬度
(HS )、伸び(EB )を測定した。 3)ヒステリシスロス ゴム組成物にかける応力と、応力増加期の歪み、応力減
少期の歪みとからヒステリシスカーブを得て、この結果
からヒステリシスロス(%)を算出して評価した。 4)E1温度依存性 測定温度−20℃と20℃において、ゴム組成物に、振
動数5〔Hz〕で10%の初期伸長を加えた上で、±2
%の変形を加え、荷重と変位とから複素弾性率を求め、
実数部の定数を動的弾性率として求め、得られた値の比
(−20℃での動的弾性率/20℃での動的弾性率)を
求めた。この値が1に近いほど、温度依存性が低い。 5)混合時のゴムのまとまり 表1に示す配合内容で混合した際に、バンバリーミキサ
ーよりゴムを排出した際のゴムのまとまり具合を目視で
確認した。 表中、◎は非常にまとまりが良かったこと ○はまとまりが良好で浮き粉もないこと △はゴムが2〜3分割で排出、浮き粉も若干あること ×はゴムがばらばらであり浮き粉も多いこと を示す。
【0020】なお、実施例1〜4および比較例1〜5で
使用した化合物は、下記のとおりである。 ジエン系ゴム:NR 2−メルカプトベンツイミダゾール系化合物: 2−メルカプトベンツイミダゾール カーボン :ISAFカーボン(昭和キャボット社製、SHOBLACK N220 ) CTAB比表面積118〔m2 /g〕 カーボン :HAFカーボン(三菱化学社製、DIA HA) CTAB比表面積82〔m2 /g〕 樹脂 :脂肪族/芳香族共重合樹脂、東邦化学社製、ハイレジン#120 オイル :アロマチックオイル、出光興産社製 加硫剤 :硫黄(軽井沢精練所製、粉末イオウ) 加硫促進剤 :CBS(大内新興社製、ノクセラーCZ)
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明の高減衰積層体用ゴム組成物は、
2−メルカプトベンツイミダゾール系化合物を含有する
ことにより弾性率の温度依存性が小さい。そのため、低
温時であっても、ゴム弾性が高くなることがなく、温度
に係わらず、優れた減衰特性を有する。さらに微粒子カ
ーボンを含有することにより優れた減衰特性を有する。
従って、このような特性を有する本発明の組成物は、気
温の差に係わらず、各種の防振、除振、免震装置用のゴ
ム材料として利用価値が高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジエン系ゴム100重量部に対して、2−
    メルカプトベンツイミダゾール系化合物を5超〜30重
    量部含有する高減衰積層体用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】前記高減衰積層体用ゴム組成物が、さら
    に、CTAB吸着比表面積が100〜250〔m2
    g〕のカーボンを含有する請求項1に記載の高減衰積層
    体用ゴム組成物。
JP25169097A 1997-09-17 1997-09-17 高減衰積層体用ゴム組成物 Ceased JPH1192597A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009544808A (ja) * 2006-07-25 2009-12-17 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリアミド類およびメルカプトベンゾイミダゾール類の振動減衰材料
CN102050966A (zh) * 2009-11-06 2011-05-11 住友橡胶工业株式会社 高阻尼组合物

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JP2009544808A (ja) * 2006-07-25 2009-12-17 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ポリアミド類およびメルカプトベンゾイミダゾール類の振動減衰材料
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