JPH1192585A - 発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡スチレン系樹脂成形体 - Google Patents
発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡スチレン系樹脂成形体Info
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- JPH1192585A JPH1192585A JP25669697A JP25669697A JPH1192585A JP H1192585 A JPH1192585 A JP H1192585A JP 25669697 A JP25669697 A JP 25669697A JP 25669697 A JP25669697 A JP 25669697A JP H1192585 A JPH1192585 A JP H1192585A
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Abstract
件の変更に容易に対応できる発泡性樹脂粒子を提供する
とともに、得られる発泡成形体の内部融着状態と表面状
態とに優れ、かつ熱伝導率の小さい優れた発泡成形体を
提供すること。 【解決手段】シアン化ビニル化合物単位が30〜50重
量と、芳香族ビニル化合物単位が70〜50重量%とか
らなる共重合体(A)と、N−置換マレイミド単位が2
0〜60重量%、芳香族ビニル化合物75〜10重量%
と、シアン化ビニル化合物5〜30重量%とからなる共
重合体(B)とを混合することにより得た基材樹脂に揮
発性発泡剤を含有してなる発泡性スチレン系樹脂粒子で
あって、前記基材樹脂に共重合体(A)を85〜98重
量%、共重合体(B)を2〜15重量%混合する。
Description
られる発泡性スチレン系樹脂粒子および成形して得られ
る発泡スチレン系樹脂成形体に関するものである。
重量%以上で、かつ50重量%以下である高アクリロニ
トリル含有量のアクリロニトリル・スチレン共重合体
(以下、これを高AN含AS樹脂という)に揮発性発泡
剤を含ませて得られる発泡体は耐薬品性に優れ、更に発
泡剤として熱伝導率特性に優れたものを選択した場合に
は、高AN含AS樹脂の持つガスバリア性によって、長
期にわたり熱伝導率を低く維持することができる。した
がって、非常に優れた断熱材として使用することができ
ることを見出し、本発明者等は、先に特開平8−598
77を提案した。
ようとすると、AS樹脂中のスチレン部分の分子量が低
下し、さらに発泡性樹脂粒子に含有される発泡剤の可塑
化現象とあいまって、従来の高AN含AS樹脂の発泡性
樹脂粒子は、発泡成形時の熱(一般的には水蒸気が使用
される。)に対して非常に敏感であるので、水蒸気圧を
多少変更させると発泡成形体の表面に溶融状態(いわゆ
る融け現象)を発生することを経験した。また、成形時
の蒸気圧を低圧にすると部分的に成形体の内部融着や表
面の伸びが不良になったり、逆に高圧にすると部分的に
発泡成形体の表面に溶融状態が発生する場合があった。
N含AS樹脂を基材樹脂とした発泡性樹脂粒子では、耐
熱性が不充分となる場合があり、大型や形状等が複雑な
発泡成形体や、同一金型で多数個の成形体を成形する場
合には、金型全体を均一な蒸気加熱することが難しくな
り、全体としての内部融着状態や外観等が良好な発泡成
形体を得ることが難しい場合があった。また、発泡成形
体の表面に溶融状態が発生したものは、商品価値の低下
をきたすだけでなく、この発泡成形体のもう一方の特徴
である熱伝導率の優れた、すなわち、断熱性能の優れる
特性をも発揮できないものとなる。本発明はかかる現状
から、耐熱性に優れ、発泡成形時の蒸気による加熱条件
の変更に容易に対応できる発泡性樹脂粒子を提供すると
ともに、得られる発泡成形体の内部融着状態と表面状態
とに優れ、かつ熱伝導率の小さい優れた発泡成形体を提
供することを目的とするものである。
を解決するために鋭意研究した結果、高AN含AS樹脂
に、特定のN−フェニルマレイミド変性樹脂を混練する
ことにより樹脂の耐熱性を向上させることができ、その
結果、成形可能な蒸気圧の範囲が広くなるので、得られ
た発泡成形体の内部融着状態は優れ、表面には溶融状態
のない発泡成形体を安定して得られること、さらに得ら
れた発泡成形体は熱伝導率が低く、断熱性能にも優れる
ことを見出し完成したものである。
0〜50重量%と、芳香族ビニル化合物単位が70〜5
0重量%とからなる共重合体(A)と、N−置換マレイ
ミド単位が20〜60重量%、芳香族ビニル化合物単位
が75〜10重量%と、シアン化ビニル化合物単位が5
〜30重量%とからなる共重合体(B)とを混合するこ
とにより得た基材樹脂に揮発性発泡剤を含有してなる発
泡性スチレン系樹脂粒子であって、前記基材樹脂には共
重合体(A)が85〜98重量%、共重合体(B)が2
〜15重量%混合されていることを特徴とする発泡性ス
チレン系樹脂粒子、及びこの発泡性スチレン系樹脂粒子
中に、揮発性発泡剤が5〜25重量%含有されてなる発
泡性スチレン系樹脂粒子であって、耐熱性に優れ、発泡
成形時の蒸気による加熱条件の変更に容易に対応できる
発泡性スチレン系樹脂粒子を提供することができる。ま
た、上記の発泡性樹脂粒子を発泡成形して得た独立気泡
率が85〜100%であることを特徴とする発泡スチレ
ン系樹脂成形体は、内部融着状態と表面状態とがともに
優れ、かつ熱伝導率の小さい優れた発泡スチレン系樹脂
成形体とすることができる。
位を構成する単量体としては、とは、アクリロニトリル
の他メタアクリロニトリル等であって、特に、アクリロ
ニトリルがより好ましい。また、これらを単独で、ある
いは2種以上を混合して使用することができる。また、
本発明で使用する芳香族ビニル化合物単位を構成する単
量体としては、スチレン、α(アルファ)−メチルスチ
レン、oーメチルスチレン、mーメチルスチレン、pー
メチルスチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼン、
ビニルナフタレン等のスチレン系誘導体であって、特
に、スチレン、α−メチルスチレンがより好ましい。ま
た、これらを単独で、あるいは2種以上混合して使用す
ることができる。
を構成する単量体としては、例えばN−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N
−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−オルソクロロフェニルマレイミド、N−オルソ
メチルフェニルマレイミド、N−オルソメトキシフェニ
ルマレイミド等が挙げられる。特に、N−フェニルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミドが好ましい。ま
た、これらを単独で、あるいは2種以上混合して使用す
ることができる。
樹脂の一つである共重合体(A)は、シアン化ビニル化
合物単位が30〜50重量%と、芳香族ビニル化合物単
位が70〜50重量%である共重合体が使用される。上
記のシアン化ビニル化合物単位の含有量は、好ましい範
囲として32〜45重量%、更に好ましい範囲として3
5〜41重量%である。この理由は、30重量%未満の
場合は共重合体(B)を混合しなくても良好な発泡成形
体を得ることは可能であるが、ガスバリア性が低いため
長期にわたり低い熱伝導率を維持することができないの
で好ましくない。また、50重量%を越えると樹脂の粘
度が高くなり、共重合体(A)を製造することが困難と
なるから好ましくない。
ミド化合物単位が20〜60重量%、芳香族ビニル化合
物単位が75〜10重量%と、シアン化ビニル化合物単
位が5〜30重量%とからなる共重合体が使用される。
さらに好ましくは、N−置換マレイミド化合物単位が3
0〜40重量%、芳香族ビニル化合物単位が65〜40
重量%、シアン化ビニル化合物単位が5〜20重量%で
ある。上記の割合が必要である理由は、N−置換マレイ
ミド化合物単位の含有量が20重量%未満では、耐熱向
上の効果が不十分となり、また、60重量%を越えると
ポリマーの流動性が悪くなることに加えて、共重合体
(A)との相溶性も悪くなるから好ましくない。
%を越えると耐熱性の向上効果が不十分となるから好ま
しくなく、10重量%未満では機械的強度が低くなるの
で好ましくない。シアン化ビニル化合物単位が5重量%
未満では共重合体(A)との相溶性が低下し、基材樹脂
としての耐熱性を充分に発揮できないので好ましくな
い。また、30重量%を越えると、相対的にN−置換マ
レイミド化合物単位が減少し、耐熱性の向上の効果が低
下するか、芳香族ビニル化合物単位が減少し、機械的強
度が低下するので好ましくない。
の基材樹脂は、共重合体(A)に対して共重合体(B)
の配合割合が2〜15重量%の範囲にあることが必要で
ある。共重合体(B)の好ましい配合割合としては3〜
13重量%、更に好ましい範囲としては4〜9重量%で
ある。これは、共重合体(B)が2重量%未満では成形
時の耐熱性の向上の効果は小さくなるので好ましくな
く、また、15重量%を越えると相溶性が悪くなるの
で、発泡スチレン系樹脂成形体の表面の伸びを悪くする
ため好ましくないからである。
する手段としては、特に限定されるものではないが、こ
れらの共重合体を所定の配合割合で、予めVブレンダ
ー、ナウタミキサー、スーパーミキサー等の混合機を使
用して混合した後、この混合物を押出機に投入し、充分
に加熱溶融して基材樹脂とする方法や、共重合体(A)
と共重合体(B)とを別々の押出機で加熱溶融させたも
のを所定配合割合になるように加熱溶融混合する方法等
がある。
機を通して、発泡性スチレン系樹脂粒子の直径が約0.
3〜2.0mmになるように押出して、ペレット形状等
に切断して、発泡性スチレン系樹脂粒子用の基材樹脂粒
子とすることができる。ここで使用できる押出機として
は、ベント付の単軸押出機、もしくは2軸押出機等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。
樹脂は、樹脂中に含まれるメタノール可溶分が3重量%
以下であることが好ましい。これは、メタノール可溶分
が多いと、発泡成形時の耐熱を下げ、発泡成形体の表面
に溶融状態を発生しやすくなるからである。ここで言う
メタノール可溶分とは、共重合体をメチルエチルケトン
に溶解し、ついで大量のメタノールによって再沈した際
の不溶分をガラスフィルターで濾過し、乾燥後精秤した
結果からメタノール可溶成分の重量分率を測定すること
によって得られるものである。なお、メタノール可溶分
とは主にN−置換マレイミドと芳香族ビニル化合物とか
らなる低分子量分である。
の基材樹脂のMFRは、0.1〜5g/10分であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.1〜2g/10分、
更に好ましくは0.15〜1.1g/10分である。こ
れは、MFRが5g/10分を越えたものでは、樹脂の
分子量が低下しているため発泡成形用の樹脂としては不
向きだからである。
記の基材樹脂粒子を密閉した攪拌機付耐圧容器に、必要
に応じて無機系分散剤等の分散助剤を含む水性媒体中に
分散させて、所定量の揮発性発泡剤を投入し、60〜1
30℃下で攪拌させて、基材樹脂粒子に発泡剤を含浸さ
せ、冷却・除圧した後、水性媒体から分離して得ること
ができる。その他の方法として、共重合体(A)と共重
合体(B)とを加熱溶融混合する途中で発泡剤を投入し
て、基材樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、冷却後所定の寸
法に切断する方法等であってもよい。
ピロリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、第三リン
酸カルシウム等水に難溶性の無機質微粉末を使用でき
る。分散助剤としては、ドデシルベンゼンスルフォン酸
ナトリウム等のアニオン界面活性剤を併用することかで
きる。この無機系分散剤の使用量は0.05〜5.0重
量%が好ましい。
には、必要に応じて各種添加剤、例えば発泡助剤(トル
エン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等)、充填剤
(シリカ、アルミナ、酸化チタン、タルク、クレー、炭
酸カルシウム等)、滑剤(流動パラフィン、脂肪酸エス
テル、金属セッケン等)、難燃剤、難燃助剤、帯電防止
剤等を適宜添加することができる。
ン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペン
タン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シ
クロペンタン等の環状脂肪族炭化水素、メチレンクロラ
イド、エチルクロライド等のハロゲン化炭化水素、モノ
クロロジフルオロエタン(Fー142b)、ジクロロフ
ルオロエタン(Fー141b)、トリクロロフロロメタ
ン、ジクロロジフロロメタン、ジクロロトリフルオロエ
タン(Fー123)、ジクロロテトラフロロメタン等の
ハロゲン化フッ素系炭化水素、テトラフルオロメタン
(F−134a)、ペンタフルオロエタン(Fー12
5)、ジフルオロブタン(Fー245fa、F−245
ca)、トリフルオロブタン(Fー236ea)等の2
以上のフッ素原子で置換された炭素数2〜6のフッ素系
炭化水素、またはこれらの混合物が挙げる。これらのう
ち、フッ素含有ハロゲン化炭化水素、フッ素系炭化水素
が断熱性能を高めることができる点で特に好ましい。
%含有させることが好ましく、より好ましくは10〜2
0重量%である。これは、5重量%未満では十分な発泡
力を得ることができず、また25重量%を越える発泡剤
を含浸させることは困難であるからである。
泡性スチレン系樹脂粒子を水蒸気等の加熱媒体で発泡性
樹脂の軟化温度以上に加熱して、所望の嵩密度を持った
予備発泡粒子を得、この予備発泡粒子を封鎖しうるが密
閉し得ない型内に充填したのち、水蒸気等の加熱媒体で
加熱発泡させ、冷却後金型より取り出すことにより得る
ことができる。なお、予備発泡粒子及び発泡成形体は必
要に応じて、熟成工程を取りうる。
度としては、0.10〜0.017(g/cm3)であ
る必要がある。ここで言う発泡成形体の嵩密度とは、発
泡体の重量をその体積で割った値であり、以下特に断り
のない限りこの表現を用いる。嵩密度が0.10(g/
cm3)以上では発泡粒子同士の融着が非常に悪くな
り、0.017(g/cm3)以下では成形体の熱伝導
率が大きくなり、断熱性能が低下するためである。
の独立気泡率は、85〜100%であることが好まし
い。この理由は、独立気泡率が85%未満になると物性
特に熱伝導率に悪影響をおよぼすからであり、独立気泡
率は、85%以上であればより高い方が好ましい。従来
の方法で成形を行うと成形時の蒸気の熱に耐えられず発
泡体の気泡は破泡し、独立気泡率は低下する。このよう
な状態では気泡内に残存する熱伝導率が小さい揮発性発
泡剤が逸散するとともに逆に熱伝導率が大きい空気で置
換されること等により熱伝導率は悪化し、熱の遮断効果
が減少すると考えられる。本発明による方法で得られた
発泡体は独立気泡率が高く、優れた熱伝導率を保持する
ことができる。
ための成形条件としては、加熱時間にもよるが金型内に
導入される水蒸気の圧力は0.3〜1.0(Kgf/c
m2ゲージ圧)が好ましい、より好ましくは0.4〜
0.8(Kgf/cm2ゲージ圧)である。0.3(K
gf/cm2ゲージ圧)未満では、成形品の外観に溶融
状態は発生し難いが、成形の融着度が低下し機械的物性
が劣る。1.0(Kgf/cm2ゲージ圧)以上では、
発泡成形体の溶融状態を制御することが難しい。前述し
た通り、大型の成型品や形状等が複雑な成形品であった
り、多数個の成型品を同一金型で成形する場合において
も、成形条件巾を広くすることができるため、内部融着
や外観が優れ且つ独立気泡率の高い良好な成形品を再現
良く安定して得ることができる。
体(A)のみからなる樹脂粒子に、揮発性発泡剤を含有
してなる発泡性樹脂粒子は、0.4(kgf/cm2ゲ
ージ圧)の蒸気圧でも発泡成形体の一部が溶融し、その
ため成形体の気泡は破泡し、独立気泡率が低下し、その
結果として諸物性が低下する。特に、熱伝導率が大きく
なり断熱性能が低下するのである。
ることなく、発泡成形時の耐熱を上げることができる点
で優れているとともに、発泡体の耐熱性をも向上させる
ことができる。例えば、本発明で共重合体(B)を5%
添加した発泡性樹脂粒子より得られた発泡スチレン系樹
脂成形体は、80℃の温度下で一週間恒温槽に放置した
時の寸法変化が0.5%以下であった。一方共重合体
(B)を添加しない共重合体(A)のみからなる発泡ス
チレン系樹脂成形体は、75℃の温度下で一週間恒温槽
に放置した時の寸法変化が0.5%を越えるものであっ
た。このように本発明により得られる発泡成形体の耐熱
温度を5〜10℃向上させることができるのである。
た熱伝導率特性を有しているので、この成形体をそのま
ま、もしくは他の未発泡樹脂、木材、コンクリート等で
挟んだ構造等とすることにより、非常に優れた断熱用構
造物とすることができる。また、AS成分を含んでいる
ため発泡体に接する他の物質に油が付着していたり、可
塑剤等を含んだ物質であっても、成形体はそれらに侵さ
れることがないため、耐薬品性をも備えた優れた断熱構
造物として使用することができる。
体的に説明する。 実施例1.アクリロニトリル(AN)含有量が40重量
%、スチレン(ST)含有量が60重量%の割合である
共重合体(A)(新日鐵化学(株)社製,AS−4C
P:以下、ASー4CPという)95重量%と、スチレ
ン含有量が50重量%、N−フェニルマレイミド(PM
I)含有量が40重量%、アクリロニトリル含有量が1
0重量%の割合である共重合体(B)(以下、N−フェ
ニルマレイミド変性樹脂という)5重量%を予めVブレ
ンダーでブレンドした後、ベント付き押出機で混練し、
相当直径で0.5mm、長さが1.2mmなる形状のペ
レットを得た。得られたペレットのMFRは0.73g
/10分、メタノール可溶分は1.1重量%であった。
このペレットは透明で曇りは見られなかった。
ートクレーブに、得られたペレット1500g、水25
00g、酸化マグネシウム30gとを投入し攪拌して樹
脂を水中に分散させた。次に攪拌しながらフロンHCF
C−123を225gとフロンHCFC−142bを1
50gとを投入した後、オートクレーブの内温を110
℃になるまで昇温した。この時のオートクレーブ内圧は
14kgf/cm2とした。110℃で6時間維持した
後、25℃まで冷却し、水性媒体と分離して発泡性樹脂
粒子を得た。この発泡性樹脂粒子は球状の粒子であっ
た。また、得られた発泡性樹脂粒子中には17重量%の
発泡剤を含んでいた。
ームによって、嵩密度が0.05g/cm3の予備発泡
粒子を得た。この予備発泡粒子を24時間室温に放置し
た後、内容寸法が(500×300×15mm)である
金型に充填し、金型内に0.5kg/cm2の水蒸気を
導入して、2次発泡させて発泡スチレン系樹脂成形体を
得た。得られた成形体は表面に溶けがなく、外観の良好
なものであった。この成形体は成形時の耐熱性及び成形
品の外観において、従来のAS樹脂を用いたときよりも
優れていた。また、物性特に熱伝導率を測定したとこ
ろ、従来のAS樹脂を用いたとき時よりも優れており、
フェニルマレイミドを混練することにより悪化すること
はなかった。得られた発泡成形体の物性を表1に示し
た。
測定した。 1.熱伝導率は、JISA1412に準拠して行った。 装置 :AUTOーΛ HC−072(英弘精機(株)
製) 方法 :熱流計法 1温度測定(20℃) 試験片:200×200×25t(mm) 2.独立気泡率はASTM D 2856に準拠して行
った。 装置 空気比較式比重計(東京サイエンス(株)製) 方法 :1−1/2−1気圧法 試験片:28×28×23t(mm) 樹脂密度:1.05g/cm3 3.MFRはJIS K 7210に準拠して行った。 装置:メルトインデクサー 条件:温度;200℃、荷重:5kg、試料重量:5g 4.成形体の表面状態の評価は下記方法で行い、下記の
基準で評価した。 成形装置:ACE−11成型機(積水工機社製) 基準:◎は成形表面に融け又は伸びの不良が見られな
い。 ○は成形表面の融け又は伸びの不良が表面全体の5%未
満である。 △は成形表面の融け又は伸びの不良が表面全体の5〜1
0%である。 ×は成形表面の融け又は伸びの不良が表面全体の10%
より大きい。
ニルマレイミド変性樹脂の混合比率を表2のように変え
た以外は、実施例1と同様にして発泡性スチレン系樹脂
粒子を得、これを嵩密度が0.05g/cm3の予備発
泡粒子とした。
充填した後、金型内に導入した蒸気圧力を0.3〜0.
8kgf/cm2に変えて成形した。得られた成形体の
評価を表2に示した。N−フェニルマレイミド変性樹脂
量の増加に伴い成形性の改善度合いは大きくなり、広い
成形幅を持たせることができた。
P)を100重量%とし、共重合体を(B)を使用しな
かった以外は、実施例2と同様に行った。結果を表2に
示す。N−フェニルマレイミド変性樹脂が0%では成形
可能範囲は極めて狭く実使用が困難であった。 比較例2.共重合体(A)(AS−4CP)と共重合体
(B)の混合比率を80/20とした以外は実施例2と
同様に行った。結果を表2に示す。N−フェニルマレイ
ミド変性樹脂が20重量%では発泡成形体の表面に溶融
状態を発生することはないが、全体的に伸び不良であっ
た。
リルが30重量%、スチレンが70重量%と変更した以
外は、実施例1と同様に実施した。得られたペレットの
MFRは1.05g/10分、メタノール可溶分は1.
4重量%であった。得られたペレットを実施例1と同様
に含浸し、発泡成形した結果、良好な成形品を得ること
ができた。得られた発泡成形体の物性を表1に示した。
リルが50重量%、スチレンが50重量%である樹脂に
変更した以外は、実施例1と同様に実施した。得られた
ペレットのMFRは0.16g/10分、メタノール可
溶分は1.6重量%であった。得られたペレットを実施
例1と同様に含浸し、発泡成形した結果、良好な成形品
を得ることができた。得られた発泡成形体の物性を表1
に示した。
P)を90重量%、共重合体(B)を10重量%の比率
に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。得られ
たペレットのMFRは0.66g/10分、メタノール
可溶分は1.3重量%であった。実施例1と同様にして
発泡成形を行ったところ、良好な成形品を得ることがで
き、また5%添加時よりもさらに成形時の耐熱が上昇
し、より高い水蒸気圧でも外観の良好な成形品を得るこ
とができた。得られた発泡成形体の物性を表1に示し
た。
P)を85重量%、共重合体(B)を15重量%の比率
に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。得られ
たペレットのMFRは0.46g/10分、メタノール
可溶分は1.3重量%であった。ペレットにわずかな曇
りが見られたがペレット製造上に問題はなかった。実施
例1と同様にして発泡成形を行ったところ実施例4より
は伸びが良くないがトケはなく、従来のAS樹脂より高
圧の水蒸気圧で成形することが可能であり、外観の良好
な成形品を得ることができた。また熱伝導率も変わらず
良好であった。得られた発泡成形体の物性を表1に示し
た。
(AS−4CP)を100重量%使用して、その他は実
施例1と同様に実施した。得られたペレットのMFRは
0.65g/10分、メタノール可溶分は1.2重量%
であった。実施例1と同様にして発泡成形を行ったとこ
ろ成形体の表面には融けが発生し良好な成形体を得るこ
とはできなかった。樹脂の耐熱が十分でなかったためと
考えられる。また、発泡成形体の内部にも溶融収縮が発
生し、独立気泡率が低下したため熱伝導率特性も悪化し
た。得られた発泡成形体の物性を表1に示した。
P)を80重量%、共重合体(B)を20%としたこと
以外は実施例1と同様に実施した。得られたペレットの
MFRは0.40g/10分、メタノール可溶分は1.
2重量%であった。ペレットには曇りが見られた。実施
例1と同様にして発泡成形を行ったところ発泡成形体の
表面伸びは悪く良好な発泡成形体を得ることはできなか
った。AS樹脂とフェニルマレイミド変性樹脂の相溶域
の範囲を越えた為と考えられる。得られた発泡成形体の
物性を表1に示した。
4CPの代わりにアクリロニトリルが25重量%、スチ
レンが75重量%である共重合体を使用した以外は、実
施例1と同様に実施した。得られたペレットのMFRは
1.22g/10分、メタノール可溶分は1.4重量%
であった。実施例1と同様にして発泡成形をした結果、
良好な発泡成形体を得ることができたが、ガスバリア性
に乏しいため、長期にわたり低い熱伝導率を維持するこ
とができなかった。得られた発泡成形体の物性を表1に
示した。
系樹脂粒子は、シアン化ビニル化合物単位が30〜50
重量%と、芳香族ビニル化合物単位が70〜50重量%
とからなる共重合体(A)と、N−置換マレイミド単位
が20〜60重量%、芳香族ビニル化合物75〜10重
量%と、シアン化ビニル化合物5〜30重量%とからな
る共重合体(B)とをこれらが相溶域となる特定範囲に
て混合することにより、耐熱性を向上でる。さらに、こ
れらの基材樹脂に発泡剤を含有させているので、成形可
能な蒸気圧の範囲が広く、また、得られた発泡成形体の
内部融着状態は優れ、表面には溶融状態のない発泡成形
体を安定して得ることができる。また、得られた発泡成
形体は、低熱伝導率の発泡剤を含ませて得ることが可能
であるので、耐油性、耐溶剤性、耐候性、低熱伝導率の
長期維持性に優れた発泡体とすることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 シアン化ビニル化合物単位が30〜50
重量%と、芳香族ビニル化合物単位が70〜50重量%
とからなる共重合体(A)と、N−置換マレイミド単位
が20〜60重量%、芳香族ビニル化合物単位が75〜
10重量%と、シアン化ビニル化合物単位が5〜30重
量%とからなる共重合体(B)とを混合することにより
得た基材樹脂に揮発性発泡剤を含有してなる発泡性スチ
レン系樹脂粒子であって、前記基材樹脂には共重合体
(A)が85〜98重量%、共重合体(B)が2〜15
重量%混合されていることを特徴とする発泡性スチレン
系樹脂粒子。 - 【請求項2】 揮発性発泡剤が樹脂粒子中に5〜25重
量%含有されてなることを特徴とする請求項1に記載の
発泡性スチレン系樹脂粒子。 - 【請求項3】 請求項1〜2に記載の発泡性樹脂粒子を
発泡成形して得た独立気泡率が85〜100%であるこ
とを特徴とする発泡スチレン系樹脂成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25669697A JP3427157B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡スチレン系樹脂成形体 |
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JP25669697A JP3427157B2 (ja) | 1997-09-22 | 1997-09-22 | 発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡スチレン系樹脂成形体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1192585A true JPH1192585A (ja) | 1999-04-06 |
JP3427157B2 JP3427157B2 (ja) | 2003-07-14 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008163181A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Kaneka Corp | 耐熱性熱可塑性樹脂発泡体 |
JP2013227537A (ja) * | 2012-03-27 | 2013-11-07 | Sekisui Plastics Co Ltd | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体 |
-
1997
- 1997-09-22 JP JP25669697A patent/JP3427157B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2013227537A (ja) * | 2012-03-27 | 2013-11-07 | Sekisui Plastics Co Ltd | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体 |
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