JPH119243A - 包装食品殺菌装置および殺菌方法 - Google Patents

包装食品殺菌装置および殺菌方法

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JPH119243A
JPH119243A JP21960397A JP21960397A JPH119243A JP H119243 A JPH119243 A JP H119243A JP 21960397 A JP21960397 A JP 21960397A JP 21960397 A JP21960397 A JP 21960397A JP H119243 A JPH119243 A JP H119243A
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Japan
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packaged food
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food
packaged
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JP21960397A
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English (en)
Inventor
Koji Yamamoto
康二 山本
Yoshio Akesaka
芳生 明坂
Junichi Kodama
順一 児玉
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Yamamoto Vinita Co Ltd
Original Assignee
Yamamoto Vinita Co Ltd
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 殺菌処理コストを低く抑えた上で効率的にか
つ確実に包装食品の殺菌処理を行うことができ、さらに
設備コストを安価に抑え得るようにする。 【解決手段】 包装食品Paを誘電加熱して殺菌処理す
る包装食品殺菌装置10aであって、内部に包装食品P
aを装填する複数の包装食品装填容器1aと、これら包
装食品装填容器1aを循環移動させるベルトコンベヤ1
1aとが備えられ、包装食品装填容器1aの循環移動経
路には、包装食品Paを包装食品装填容器1a内に装填
する包装食品装填機構5と、上記包装食品装填容器1a
内に装填された包装食品Paに誘電加熱を施して加熱殺
菌を行う誘電加熱部7と、上記包装食品装填容器1a内
の誘電加熱による加熱殺菌が完了した包装食品Paを包
装食品装填容器1aから外部に取り出す包装食品取出し
機構9とが順次配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の食品がプラ
スチック製の袋やトレイ等の包装容器内に密封された、
いわゆる密封包装食品の加熱殺菌に用いられる包装食品
殺菌装置および殺菌方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種の食品がプラスチック製の袋やトレ
イ等の包装容器内に密封された、いわゆる包装食品の普
及は目覚ましく、現在では包装食品が食生活における相
当の部分を担っているのが現状である。従来、かかる包
装食品は、所定の食品を包装容器に密封した後、最終段
階としての加熱殺菌処理が施される。なお、食品の種類
によっては、この加熱によって食品の風味向上を期す加
熱調理(熱熟成処理)が施される。
【0003】このょうな最終段階の加熱殺菌は、従来、
煮沸処理やスチーム付与によるものが一般的であった
が、処理時間が長くて殺菌効率が劣るという問題点を有
していた。そこで加熱殺菌の効率化を目指して、出願人
は、先に、複数の包装食品を偏平な円筒状容器内に装填
した状態でこの容器を高周波の対向電極間に接触配置す
るように構成した高周波加熱装置を提案した(特願平7
−329296号)。
【0004】このような高周波加熱装置によれば、包装
食品が装填された容器内は、容器の縁部に当接した対向
電極によって密閉状態になるため、包装食品を密封状態
の容器内(食品装填室)で100℃以上に加熱すること
が可能であり、これによって短時間で確実な殺菌処理を
施すことが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記高周波
加熱装置にあっては、包装食品の一連の殺菌処理操作、
すなわち、包装食品の食品装填室への装填操作、装填さ
れた包装食品の加熱処理操作、および加熱後の包装食品
の取出し操作等はバッチ処理で行われるため、処理効率
が劣るという問題点を有していた。
【0006】このような不都合を回避するために、いわ
ゆる工業用ロボット等を採用し、これに食品装填室に対
する包装食品の装填・取出し操作を行わせることが考え
られるが、工業用ロボットは高価なため設備コストが嵩
むという新たな問題点が提起される。
【0007】また、包装食品を装填する容器を大型のも
のにし、この大型の容器に包装食品を多数装填してそれ
らを100℃以上に加熱するためには、容器の耐圧構造
が複雑になり、これによって設備コストが嵩むという問
題点も有している。
【0008】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、処理コストを低く抑えた上
で包装食品を連続的に、かつ、確実に殺菌処理すること
ができ、しかも設備コストを安価に抑え得る包装食品殺
菌装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
包装食品を誘電加熱して殺菌処理する包装食品殺菌装置
であって、内部に包装食品を装填する複数の包装食品装
填容器と、これら包装食品装填容器を移動路に沿って移
動させる容器移動手段と、この容器移動手段によって移
動中の上記包装食品装填容器内に装填された包装食品に
誘電加熱を施して加熱殺菌を行う誘電加熱部とからなる
ことを特徴とするものである。
【0010】この発明によれば、容器移動手段の駆動で
移動路に沿って移動している包装食品装填容器に包装食
品を順次装填することにより、包装食品は移動路を移動
しながら誘電加熱部において順次誘電加熱されて殺菌さ
れ、ついで包装食品装填容器から順次取すことによっ
て、殺菌処理済みの包装食品が順次得られる。そして、
空になった包装食品装填容器は容器移動手段の駆動で包
装食品装填位置に戻される。
【0011】このように、包装食品を装填した複数の包
装食品装填容器を容器移動手段の駆動によって移動させ
ることにより、移動路に沿って配設された誘電加熱部に
おいて装填された包装食品の殺菌処理が順次連続的ある
いは間欠的に行われるため、従来のように対向電極間に
包装食品を逐一装填して殺菌処理を施した後、対向電極
間から包装食品を逐一取り出す従来のバッチ処理に比べ
て加熱殺菌処理が連続的に行われ、これによって殺菌処
理効率が向上する。
【0012】また、請求項1記載の発明においては、殺
菌処理と同時に包装食品に加熱調理処理を施すことが可
能であり、これによって包装食品の内容物がカレー料理
やシチュー料理等の煮込み料理である場合など、殺菌処
理と同時に最終的な煮込みの熟成処理を施すことによっ
て料理が風味の富んだものになる。また、包装食品が筑
前煮のようにだしの旨みを素材に移行させる含め煮であ
る場合であって、包装容器の中には単にゆがかれただけ
の素材にだし汁が添加されたものである場合など、殺菌
処理による加熱によって最終的な加熱調理が施され、包
装食品は風味に富んだ、いわゆる美味しいものになる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記誘電加熱部の上流側の移動路に沿って
上記包装食品を上記包装食品装填容器内に装填する包装
食品装填機構が設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0014】この発明によれば、複数の包装食品装填容
器を容器移動手段の駆動によって移動させるだけで、包
装食品の包装食品装填容器内への装填操作が移動路に沿
って配設された包装食品装填機構によって自動的に行わ
れ、手作業で装填作業を行う場合に比べて作業効率が向
上する。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、上記誘電加熱部の下流側の移動路
に沿って誘電加熱による加熱殺菌が完了した包装食品P
を包装食品装填容器内から外部に取り出す包装食品取出
し機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0016】この発明によれば、複数の包装食品装填容
器を容器移動手段の駆動によって移動させるだけで、殺
菌後の包装食品の取り出し操作が移動路に沿って配設さ
れた包装食品取出し機構によって自動的に行われ、手作
業で装填作業を行う場合に比べて作業効率が向上する。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の発明において、上記移動路を移動中の
包装食品装填容器の開放を規制する開放規制手段が設け
られていることを特徴とするものである。
【0018】この発明によれば、包装食品装填容器内の
包装食品が100℃以上に加熱され、これにより包装食
品内部が水分の気化で高圧になっても、開放規制手段の
作用によって包装食品の包装容器の破袋が阻止されるた
め、包装食品を100℃以上の高温で殺菌処理すること
が可能になる。
【0019】なお、開放規制手段としては、誘電加熱時
に閉蓋状態の包装食品装填容器を対向電極で押圧する容
器押圧方式や、閉蓋状態の蓋の開放を規制するロック機
構を包装食品装填容器自体に設けるようにするロック機
構方式がある。
【0020】請求項1乃至4のいずれかに記載の発明に
おいて、上記誘電加熱部の上流側に包装食品装填容器を
加熱する加熱機構を介設するのが好ましい(請求項5記
載の発明)。
【0021】こうすることによって、包装食品装填機構
で包装食品装填容器内に装填された包装食品は、誘電加
熱部に到達するまでに加熱機構によって予熱されるた
め、誘電加熱では昇温しない底板および上蓋も温めら
れ、誘電加熱部における加熱殺菌処理を短時間で行い得
るようになる。
【0022】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の
いずれかに記載の発明において、上記誘電加熱部と包装
食品取出し機構との間に誘電加熱による加熱殺菌処理が
完了した包装食品装填容器内の包装食品を冷却する冷却
機構が介設されていることを特徴とするものである。
【0023】この発明によれば、誘電加熱部による加熱
殺菌処理の完了した包装食品は、包装食品取出し機構に
移るまでに冷却機構によって冷却されるため、包装食品
装填容器から取り出された包装食品の取り扱いが容易に
なる。
【0024】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の
いずれかに記載の発明において、上記包装食品装填容器
は、上記包装食品を装填する装填室を備えた容器本体
と、この容器本体の開口を閉止する蓋体とからなり、か
つ、上記装填室内に包装食品を装填して上記蓋体を閉止
することにより誘電加熱可能に構成されているととも
に、上記装填室内に装填された包装食品を、誘電加熱以
外の補助加熱手段で加熱し得るように構成されているこ
とを特徴とするものである。
【0025】この発明によれば、包装食品装填容器内に
装填された包装食品において、誘電加熱が行われ難い部
分、すなわち、包装食品の装填室内壁面(電極)に接触
している部分および接触していない端部が加熱され、こ
れによって包装食品の均一加熱が実現し、殺菌処理が部
分的に不完全になるという不都合が解消する。
【0026】請求項8記載の発明は、請求項4記載の発
明において、上記開放規制手段は、上記包装食品装填容
器の上蓋の閉蓋状態をロックするロック機構であること
特徴とするものである。
【0027】この発明によれば、食品装填室内で包装食
品が100℃以上に加熱され、これによって包装食品内
の水分の蒸発によって食品装填室内が高圧になっても、
ロック機構によって上蓋の閉蓋状態をロックしておくこ
とにより、上蓋の開蓋が防止される。
【0028】請求項9記載の発明は、請求項6記載の発
明において、上記容器本体は、上記食品装填室内に外部
から冷却媒体を導入し得るように構成されていることを
特徴とするものである。
【0029】この発明によれば、食品装填室内に冷却媒
体を導入することにより包装食品は冷却媒体によって直
接冷却されるため、包装食品の冷却効率が向上する。
【0030】請求項10記載の発明は、内部を密閉空間
にし得る食品装填室を備えた複数の包装食品装填容器を
循環移動させつつ包装食品を食品装填室内に順次装填し
て誘電加熱で殺菌処理して排出する包装食品殺菌方法で
あって、包装食品装填容器の循環経路に沿って装填位
置、誘電加熱位置、冷却位置および取出し位置を設定
し、上記装填位置に位置した包装食品装填容器の食品装
填室に包装食品を装填して密閉し、上記誘電加熱位置に
位置した包装食品装填容器内の包装食品に包装食品装填
容器を介して高周波を印加して誘電加熱することにより
包装食品に殺菌処理を施し、上記冷却位置に位置した包
装食品装填容器内の包装食品を冷却し、上記取出し位置
に位置した包装食品装填容器の密封状態を解除して食品
装填室内の包装食品を取り出すことを特徴とするもので
ある。
【0031】この発明によれば、包装食品装填容器を循
環経路に沿って循環移動させることにより、包装食品装
填容器が装填位置に位置したときに包装食品装填容器の
食品装填室に包装食品が装填されて密閉され、この包装
食品の装填された包装食品装填容器が誘電加熱位置に位
置したときに密閉状態の食品装填室に装填された包装食
品が包装食品装填容器を介して誘電加熱され、このとき
の加熱によって包装食品に殺菌処理が施され、ついで包
装食品装填容器が冷却位置に位置した状態で包装食品装
填容器内の包装食品が冷却され、さらに包装食品装填容
器が取出し位置に位置したときに包装食品は食品装填室
内から外部に取り出される。
【0032】このように、包装食品装填容器を循環移動
させることによって、各位置において所定の処理が施さ
れて殺菌処理が完了した包装食品が包装食品装填容器か
ら順次取り出されるように連続処理が可能になっている
ため、従来のように包装食品装填容器を所定の位置に据
え付け、この動かない包装食品装填容器に対して包装食
品の装填操作を行い、ついで食品装填室内の包装食品に
誘電加熱処理を施し、引き続き冷却処理を行い、ついで
食品装填室内の包装食品を取り出すというバッチ処理の
場合には、据え付け場所の近傍にこのような複雑な操作
を行う装置を設けなければならず、装置が非常に複雑に
なり設備コストが嵩むという問題点が生じず、設備コス
トが安価に抑えられるとともに、殺菌処理効率が向上す
る。
【0033】
【発明の実施の形態】まず、本発明の包装食品殺菌装置
に適用される二つの基本タイプの包装食品装填容器につ
いて図1〜図6を基に説明し、ついで基本タイプの変形
例の包装食品装填容器について図7〜図10を基に説明
し、その後、図11〜図16を基に包装食品殺菌装置に
ついて説明する。また、図17を基に図11および図1
5の給電方式とは異なる給電方式について説明し、さら
に図18〜図22を基に他のタイプの包装食品装填容器
と、これら容器を対象とした包装食品殺菌装置について
説明する。
【0034】図1および図2は、本発明に係る包装食品
装填容器の第1実施形態を示す斜視図であり、図1は、
上蓋が開放された状態、図2は、上蓋が閉止された状態
をそれぞれ示している。また図3は、図2のA−A線断
面図であり、(イ)は上蓋が開放された状態、(ロ)は
上蓋が閉止された状態をそれぞれ示している。なお、以
下図1および図2におけるX−X方向を幅方向というと
ともに、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を
左方、+X方向を右方といい、−Y方向を前方、+Y方
向を後方という。
【0035】これらの図に示すように、包装食品装填容
器1は、非導電性材料からなる環状の容器本体2と、こ
の容器本体2の下部の開口を閉止する、導電性材料から
なる底板3と、上記容器本体2の上部開口を開閉自在に
閉止する上蓋4とからなる基本構成を有している。
【0036】上記容器本体2は、本実施形態において
は、耐熱性に優れ、かつ、極めて強靱な材料であるポリ
テトラフルオロエチレンによって形成されている。かか
る容器本体2の内周面と上記底板3によって囲繞された
空間に、包装食品Pを装填する食品装填室21が形成さ
れている。この食品装填室21は、上記上蓋4を閉止す
ることによって密閉空間になるようにしてある。
【0037】また、容器本体2の上縁部に合成ゴム製の
Oリング22が設けられ、食品装填室21が上蓋4によ
って閉止された状態で食品装填室21内のシール効果が
確実に得られるようにしている。なお、Oリング22の
装着は必須ではなく、Oリング22を装着しなくても容
器本体2内の機密性が十分に確保されるのであれば、O
リング22の装着を省略することができる。
【0038】上記包装食品Pは、本実施形態において
は、図1に示すような平面視で矩形状のトレイ状を呈し
た容器本体P1内に所定の食品を装填したものが採用さ
れている。容器本体P1は、上縁部に外方に向かって突
出した環状縁部P2を有しており、容器本体P1内に食
品を装填した後、上記環状縁部P2に合成樹脂シートP
3が熱融着等によって貼着され、これによって所定の食
品が容器本体P1内に密封された状態になっている。
【0039】そして、容器本体2の内周面は、上記容器
本体P1の外周面の形状に合致するように立体形状が設
定され、これによって包装食品Pを食品装填室21内に
装填した状態で包装食品Pの底部が底板3に当接すると
ともに、包装食品Pの外周面が容器本体2の内周面に当
接するようになっている。また、食品装填室21内に包
装食品Pが装填された状態で上蓋4を閉止することによ
り、上蓋4の天井面が包装食品Pの合成樹脂シートP3
に当接し、これによって包装食品Pは全ての外周面が包
装食品装填容器1の全内周面に当接した状態になるよう
にしている。
【0040】上記底板3は、図3に示すように、左側部
から突出した前後方向一対のL字形状の下部蝶番31を
有しているとともに、上記上蓋4は、上記下部蝶番31
に対向したL字形状の上部蝶番41を有しており、これ
ら各蝶番31,41の先端部が積層された状態でボルト
Bが貫通されてナットNで締結され、これによって上蓋
4はボルトB回りに回動自在に底板3に連結されてい
る。なお、上記各蝶番31,41は、非導電体である強
靱なエンジニアリングプラスチックによって形成され、
これによって底板3および上蓋4間が絶縁状態にされて
いる。
【0041】また、底板3内には、図2および図3に示
すように、内部で蛇行した下部流体通路32が設けられ
ているとともに、上蓋4内には下部流体通路32同様の
上部流体通路42が設けられている。そして、底板3の
右側面には、前方に図1に示すような下部流体通路32
に連通した流体導入用口金33が螺着されているととも
に、後方に下部流体通路32に連通した流体排出用口金
34が螺着され、流体導入用口金33から下部流体通路
32内に導入された流体は、蛇行した後流体排出用口金
34から導出されるようになっている。なお、上記各口
金33,34、43、44にはバルブが設けられ、この
バルブの開閉操作で各口金33,34,43,44と食
品装填室21内との間の連通および遮断の切り換えが可
能になっている。
【0042】同様に上蓋4にも上部流体通路42に連通
した流体導入用口金43および流体排出用口金44が設
けられ、流体導入用口金43から導入された流体は、上
部流体通路42内を通って流体排出用口金44から導出
されるようになっている。
【0043】これらの流体導入用口金33,43および
流体排出用口金34,44は、後述する包装食品Pの殺
菌処理工程において、誘電加熱前に熱水を各流体通路3
2,42内に導入して食品装填室21内の包装食品Pに
伝熱による補助加熱を施すとともに、誘電加熱後に冷却
水を各流体通路32,42内に導入して一旦上昇した食
品装填室21内の包装食品Pの温度を降下させるべく、
熱水源および冷却水源に接続されるものである。
【0044】また、底板3の幅方向両側部には、左右に
突出した一対の接続片35が設けられている。そして、
等ピッチで並んだ複数の包装食品装填容器1の各接続片
35が後述するコンベヤベルト13にボルトB止めで固
定され、コンベヤベルト13の周回駆動によって各包装
食品装填容器1が周回駆動するようになっている。そし
て、この周回するコンベヤベルト13によって本発明に
係る包装食品装填容器1の移動路が形成されている。
【0045】また、上蓋4の左方上縁部には、左方に向
かって突出した操作突片45が設けられ、この操作突片
45の先端側を下方に押圧することによって上蓋4が開
放され、上記押圧を解除することによって上蓋4によっ
て食品装填室21が閉止されるようになっている。
【0046】第1実施形態の包装食品装填容器1によれ
ば、包装食品Pを食品装填室21内に装填して上蓋4を
閉止することにより、容器本体P1の外周面が食品装填
室21の内周面に密着した状態になるとともに、底部お
よび頂部がそれぞれ底板3および上蓋4に密着した状態
になり、しかも環状縁部P2は、食品装填室21の上縁
部と上蓋4とによって挟持された状態になるため、蓋部
4が開かないように、例えば高周波用の対向電極によっ
て所定の押圧力で包装食品Pを挟持し、対向電極からの
高周波印加で包装食品Pを100℃以上に加熱しても、
包装食品P内の水分の沸騰蒸発で容器本体P1が破損
(破袋)するという不都合が回避される。
【0047】図4および図5は、本発明に係る包装食品
装填容器の第2実施形態を示す斜視図であり、図4は、
上蓋が開放された状態、図5は、上蓋が閉止された状態
をそれぞれ示している。また図6は、図5のB−B線断
面図であり、(イ)は上蓋4が開放された状態、(ロ)
は上蓋4が閉止された状態をそれぞれ示している。なお
図4および図5における方向の表記については図1およ
び図2と同様である。
【0048】第2実施形態の包装食品装填容器1aは、
容器本体2aの食品装填室21aが、必ずしも包装食品
Paの立体形状に対応した内周面を備えたものではない
点、上蓋4の閉止状態をロックするロック手段(開放規
制手段)36が設けられている点、および食品装填室2
1内にも流体(熱風や冷却水)を導入し得るように構成
されている点で第1実施形態の包装食品装填容器1と異
なっており、その他の構成については、第1実施形態の
包装食品装填容器1と同様である。
【0049】まず、上記容器本体2aは、食品装填室2
1aが直方体状に形成され、特定の包装食品の立体形状
に合わせた状態にはなっておらず、各種の形状の包装食
品に対応し得るようにしてある。因に図4においては袋
状の包装食品Paが採用されている。
【0050】また、上記ロック手段36は、底板3の幅
方向の右側部に設けられている。このロック手段36
は、底板3の幅方向右側面の中央部から外方に向かって
突設されたブラケット37と、このブラケット37を挟
持し、かつ、第1水平軸37a回りに回動自在に軸支さ
れた二股状の回動片38と、この回動片38の先端部を
挟持しかつ、第2水平軸38a回りに回動自在に軸支さ
れた二股状のロック片39とを備えて構成されている。
【0051】上記回動片38には、幅方向の右端部にロ
ック片39の二股部分を潜って外方に向けて突設された
操作片38bが突設されており、この操作片38bを操
作して回動片38を第1水平軸37a回りに正逆回動さ
せることによってロック片39が上下するようになって
いる。
【0052】上記ロック片39の先端部には、第2水平
軸38a回りに反時計方向に突設された係止爪39aが
設けられている一方、上蓋4の幅方向の右端上縁部には
上記係止爪39aに対応した部分に板状の絶縁体47が
設けられ、この絶縁体47の先端側には係止爪が係合す
る係止突片47aが突設されている。そして、上蓋4が
閉止された状態で係止爪39aを係止突片47aに係止
して操作片38bを第1水平軸37a回りに時計方向に
回動させることにより、絶縁体47による底板3と上蓋
4との絶縁状態が保持された状態で、図5および図6の
(ロ)に示すように、ロック片39の基端側が下降して
第2水平軸38aが第1水平軸37aより幅方向の若干
左方に位置したロック状態になり、これによって食品装
填室21a内が1気圧以上の高圧になっても高圧流体が
漏洩しない密閉空間になるようにしている。
【0053】逆に図5および図6の(ロ)に示す上蓋閉
止のロック状態において、操作片38bを第1水平軸3
7a回りに反時計方向に回動させると、ロック片39が
上昇して係止爪39aの係止突片47aに対する係合が
外れ、これによって閉じた上蓋4のロック状態が解除さ
れるようになっている。
【0054】そして、ロックが解除された状態では、図
4および図6の(イ)に示すように、上記回動片38
は、図略の付勢手段の付勢力によって水平姿勢が維持さ
れるとともに、ロック片39は図略の付勢手段の付勢力
によって垂直姿勢が維持されるように構成されており、
これによってロックが解除された状態でのロック手段3
6の姿勢を安定させ、ロック操作の自動化を行い易くし
てる。
【0055】本実施形態においては、ロック手段36
は、食品装填室21a内に装填された包装食品Pa内の
圧力が略3kg/cm2になっても耐え得るような耐圧
力を有するものにしてあり、これによって誘電加熱で包
装食品Paの温度が110℃〜140℃になっても包装
食品Paの膨張を抑えることができるようにしてある。
【0056】また、底板3には、幅方向の左側部に流体
導入用口金330および流体排出用口金340が設けら
れている一方、底板3の食品装填室21aに対応した上
面には上記流体導入用口金330に連通した流体導入孔
331および流体排出用口金340に連通した流体導出
孔341が開口され、これらの上記口金330,340
および孔331,341を通って食品装填室21a内に
対する流体の導入出を行うようにしている。なお、上記
口金330,340にはバルブが設けられ、このバルブ
の開閉操作で口金330,340と食品装填室21a内
との間の連通および遮断の切り換えが可能になってい
る。
【0057】また、包装食品装填容器1aを移送するた
めのコンベヤベルトとして、裏面に噛合歯が形成された
幅方向一対のタイミングベルト130が採用されてい
る。このタイミングベルト130によって本発明に係る
移動路が形成されている。そして、所定位置に移送され
た底板3のタイミングベルト130間の露出底面に、高
周波用の接続端子が接触され、これによって底板3が対
向電極の一方の電極として機能するようになされてい
る。
【0058】第2実施形態の包装食品装填容器1aによ
れば、食品装填室21a内に包装食品Paを装填した状
態で上蓋4を閉止してロック手段36によってロックす
るとともに、食品装填室21a内に高圧流体を導入した
状態で空気各口金330,340のバルブを閉止するこ
とにより、食品装填室21a内を密封状態にすることが
できるため、食品装填室21a内の包装食品Paが誘電
加熱で高温になり、これによって食品装填室21a内が
高圧になっても上蓋4が開放されないため、誘電加熱時
に対向電極によって底板3および上蓋4を押圧挟持する
必要がなくなり、誘電加熱部を簡素化することが可能に
なる。
【0059】また、密封状態の食品装填室21a内に流
体導入用口金330を介して高圧加熱気体を導入するこ
とにより包装食品Paの対向電極に当接していない周縁
部を加熱することが可能になり、この誘電加熱では加熱
が困難な包装食品Paの周縁部の補助加熱によって包装
食品Paは加熱温度の不均一が解消され、未殺菌部分が
残留しなくなる。
【0060】また、誘電加熱後に食品装填室21a内に
流体導入用口金330を介して冷却水を導入し、流体排
出用口金340を介して導出することにより、包装食品
Paの冷却が迅速に行われ、短時間で100℃以下にす
ることができるため、誘電加熱後の短時間で上蓋4を開
放し得るようになり、加熱殺菌処理の処理効率が向上す
る。
【0061】図7は、本発明に係る包装食品装填容器の
第3実施形態の要部を示す断面図である。第3実施形態
の包装食品装填容器1bは、図7に示すように、底板3
a、容器本体2bおよび上蓋4aのいずれもが非導電体
である合成樹脂を材料として形成されている。そして、
底板3a、容器本体2bおよび上蓋4aに囲繞された空
間に包装食品P,Paを装填する食品装填室21bが形
成されている。
【0062】一方、底板3aの食品装填室21b側の面
には高周波用の下部電極板30が取り付けられていると
ともに、上蓋4aの食品装填室21b側の面には高周波
用の上部電極板40が設けられており、食品装填室21
b内に包装食品P,Paを装填した状態で上蓋4aを閉
止することによって、包装食品P,Paが各電極30,
40間に挟持されるようになっている。包装食品装填容
器1bの上記以外の構造については、先の第1実施形態
または第2実施形態の包装食品装填容器1,1aと同様
に構成されている。
【0063】第3実施形態の包装食品装填容器1bによ
れば、包装食品装填容器1bのほとんどが合成樹脂製に
なっているため、包装食品装填容器1bの軽量化を図る
ことが可能になる。
【0064】図8は、本発明に係る包装食品装填容器の
第4実施形態の要部を示す断面図である。第4実施形態
の包装食品装填容器1cは、図8に示すように、容器本
体2cは、金属製でかつ底板3bと一体に形成されてい
る。従って、第4実施形態においては、容器本体2cの
内面自体が下部電極板の役割を果たすことができるた
め、第3実施形態のような下部電極板30は設けられて
いない。そして、容器本体2cの内面と上蓋4aの下面
とに囲繞された空間に包装食品P,Paを装填する食品
装填室21cが形成されている。食品装填室21b内に
包装食品P,Paを装填した状態で上蓋4aを閉止する
ことによって、包装食品P,Paは、上部電極板40
と、下部電極板としての容器本体2cの内面とに接触す
るようになっている。包装食品装填容器1cの上記以外
の構造については、先の第1実施形態または第2実施形
態の包装食品装填容器1,1aと同様に構成されてい
る。
【0065】第4実施形態の包装食品装填容器1cによ
れば、包装食品P,Paの側端縁部を、電極機能を有す
る容器本体2cの内周面に接触させることができ、これ
によって通常は誘電加熱が困難な包装食品P,Paの縁
部をも誘電加熱することが可能になり、包装食品P,P
aに均一加熱を施す上で有効である。また、容器本体2
cが金属製であるため耐圧強度が大きく、従って容器本
体2cの小型化を図ることが可能であり、その分、低コ
ストかが実現する。
【0066】図9は、本発明に係る包装食品装填容器の
第5実施形態の要部を示す断面図である。第5実施形態
の包装食品装填容器1dは、図9に示すように、上蓋4
bは金属製のものが採用され、この上蓋4bの裏面が上
部電極としての機能を果たすようになされている。これ
に対し容器本体2dは上面開放で有底容器状の合成樹脂
製のものが採用されている。そして、この容器本体2d
の底板3cには、食品装填室21c内に向かって突設さ
れた同一上下長の所定個数の支持部材200が設けられ
ているとともに、これら支持部材200の頂部に板状の
下部電極板201が支持されている。
【0067】上記支持部材200は、本実施形態では、
コイルばねや板ばね等の弾性材が適用され、これによる
支持部材200の弾性変形によって食品装填室21c内
に装填される包装食品P,Paの厚み寸法のバラツキに
対応し、包装食品P,Paの表面が上蓋4bに密着する
とともに、同裏面が下部電極板201の上面に密着する
ようになっている。包装食品装填容器1dのその他の構
造については、先の第1実施形態または第2実施形態の
包装食品装填容器1,1aと略同様に構成されている。
【0068】第5実施形態の包装食品装填容器1dによ
れば、容器本体2dの食品装填室21c内に包装食品
P,Paを装填した後、上蓋4bを閉止することによっ
て、食品装填室21c内の包装食品P,Paは、厚み寸
法で多少の変動があっても、この変動が弾性材からなる
支持部材200によって吸収されるため、包装食品P,
Paの食品装填室21c内での装着状態が安定するとと
もに、包装食品P,Paが上蓋4bおよび下部電極板2
01に押圧挾持された状態になり、これによって包装食
品P,Paの誘電加熱が確実に行われるようになる。
【0069】また、第2実施形態の包装食品装填容器1
bと同様に、容器本体2dの壁面に流体導入用口金33
0および流体排出用口金340を設け、誘電加熱前およ
び誘電加熱中は流体導入用口金330から食品装填室2
1c内に熱風を導入して流体排出用口金340から排出
するようにし、食品装填室21c内に熱風を流通させる
ことによって、包装食品P,Paの側端縁部等の誘電加
熱され難い部分も補助加熱され、これによって包装食品
P,Paの均一加熱が実現する。
【0070】図10は、本発明に係る包装食品装填容器
の第6実施形態の要部を示す断面図である。第6実施形
態に係る包装食品装填容器1eは、図10に示すよう
に、第3実施形態(図7)と同様の合成樹脂製の上蓋4
aと、第5実施形態と同様の容器本体2dとで包装食品
装填容器1eが形成されている。また、第5実施形態と
同様に容器本体2dの底板3cには、支持部材200を
介して下部電極板201が設けらている一方、上蓋4a
の裏面には下部電極板201に対向するように上部電極
板202が支持部材200を介して設けられている。そ
の他の構成は、第5実施形態のものと略同様である。
【0071】第6実施形態の包装食品装填容器1eによ
れば、上記第5実施形態の包装食品装填容器1dの作用
効果に加えて、包装食品装填容器1eが電極201,2
02を除いて全体的に合成樹脂製であるため、包装食品
装填容器1eの軽量化を図ることが可能であり、これに
よって循環移動させるときの動力を節約することもでき
る。また、包装食品P,Paを上下から電極201,2
02で挾持するようにしたため、包装食品P,Paの厚
み寸法の変動により柔軟に対応することができ、適用範
囲が拡大する。
【0072】また、食品装填室21c内に加熱媒体や冷
却媒体を導入して包装食品P,Paに補助加熱処理や冷
却処理を施すに際し、包装食品P,Paが食品装填室2
1c内で電極201,202に挟持された、いわゆる食
品装填室21cの内壁面から浮いた状態になっているた
め、良好な補助加熱効率および冷却効率を得ることがで
きる。
【0073】また、上記のように、食品装填室21c内
に加熱媒体や冷却媒体を導入することで、包装食品P,
Paは十分に補助加熱されたり冷却されるため、上蓋4
aや容器本体2d内に加熱用あるいは冷却用の媒体を通
すための流路を形成する必要がなくなり、その分包装食
品装填容器1eのコストダウンに寄与させることができ
る。
【0074】また、上記第6実施形態において、容器本
体2dを金属製にしてもよい。こうすることによって、
包装食品装填容器1eを、耐圧性に優れたものにするこ
とができるとともに、耐圧性能に優れた合成樹脂製のも
のより安価なものにすることができる。
【0075】図11は、第1実施形態の包装食品装填容
器1を用いた包装食品殺菌装置10(第1実施形態)を
示す斜視図である。なお、以下図11におけるX−X方
向を幅方向というとともに、Y−Y方向を前後方向とい
い、特に−X方向を左方、+X方向を右方といい、往き
ベルトの−Y方向を前方または下流方向、+Y方向を後
方または上流方向という。但し、返りベルトについて
は、−Y方向を上流側方向、+Y方向を下流方向とい
う。
【0076】図11に示すように、包装食品殺菌装置1
0は、搬送面が水平になるように配置設定され、かつ、
周回駆動で包装食品装填容器1を運ぶベルトコンベヤ1
1と、このベルトコンベヤ11に沿って上流側から下流
側に順次配設された包装食品装填機構5、予熱機構6、
誘電加熱部7、冷却機構8および包装食品取出し機構9
とを備えて構成されている。
【0077】上記ベルトコンベヤ11は、前後方向に互
いに対応して配設された一対の回転ドラム12と、これ
らの回転ドラム12間に張設されたコンベヤベルト13
と、上記回転ドラム12を駆動する電動モータ14とか
らなっている。上記回転ドラム12は、前方のものが駆
動ドラム12aとされているとともに、後方のものが従
動ドラム12bとされ、電動モータ14の駆動による駆
動ドラム12aの時計方向への駆動軸回りの回転によっ
てコンベヤベルト13が各ドラム12a,12b間で時
計方向に周回するようになっている。
【0078】かかるベルトコンベヤ11は、誘電損失が
極めて小さく、かつ、強靱な合成樹脂製の帯体が採用さ
れている。本実施形態では、ポリテトラフルオロエチレ
ン製のものが採用されている。このようなベルトコンベ
ヤ11の表面に、複数の包装食品装填容器1が、操作突
片45の突出方向とコンベヤベルト13の周回方向とが
直交するように等ピッチで並設されている。従って、電
動モータ14の駆動によって各包装食品装填容器1はコ
ンベヤベルト13に伴って回転ドラム12間を周回する
ことになる。
【0079】なお、以下周回するコンベヤベルト13の
内、上方側の前方に移動するものを往きベルト13aと
いい、下方側の後方に移動するものを返りベルト13b
という。
【0080】上記包装食品装填機構5は往きベルト13
aの上流側に設けられている。この包装食品装填機構5
は、包装食品Pを包装食品装填容器1の食品装填室21
内に送り込む装填装置51と、包装食品装填容器1の上
蓋4を開閉する蓋開閉手段52とからなっている。上記
装填装置51は、包装食品Pをストックする図略のスト
ック部と、ストックされた包装食品Pを所定個数ずつ取
り出して包装食品装填容器1の食品装填室21内に装填
する装填操作部とを備えている。本実施形態において
は、一度に3個の包装食品Pを3つの包装食品装填容器
1のそれぞれに1つずつ装填するようにしている。
【0081】上記蓋開閉手段52は、ピストンロッドが
下方に突出したシリンダ装置53と、上記ピストンロッ
ドに接続された操作ロッド54とを備えて形成されてい
る。上記操作ロッド54は、往きベルト13a上に並設
された3個分の包装食品装填容器1に亘る長さ寸法を有
しているとともに、3個の包装食品装填容器1の操作突
片45に同時に対向するように配置設定されている。こ
れによってピストンロッドが下降した状態では、操作ロ
ッド54によって3つの操作突片45が同時に下方に押
圧され、図11に示すように、3個の包装食品装填容器
1の上蓋4が同時に開放されるとともに、ピストンロッ
ドの上昇による押圧力の解除によって上蓋4が閉止され
るようになっている。
【0082】そして、電動モータ14の駆動・停止と、
蓋開閉手段52の駆動による包装食品装填容器1の上蓋
4の開閉動作と、装填装置51の駆動による包装食品P
の食品装填室21内への装填動作とが所定のタイミング
で同期されるように構成されており、これによって包装
食品装填位置R1に到達した包装食品装填容器1の食品
装填室21内に包装食品Pが自動的に装填されるように
なっている。
【0083】上記予熱機構6は、図略のボイラーや送出
ポンプを備えた熱水源61、この熱水源61と包装食品
装填位置R1の下流側の予熱位置R2に位置した3個の
包装食品装填容器1との間に配設された熱水配管62、
およびこの熱水配管62の先端部に設けられた接続手段
63とを備えて構成されている。
【0084】上記熱水配管62は、先端側が6本の熱水
支管62aに分岐されている。かかる熱水支管62a
は、2本ずつがペアーになって予熱位置R2にある3個
の包装食品装填容器1の底板3および上蓋4の各流体導
入用口金33,43(図3)に対向するように配置され
ている。
【0085】上記接続手段63は、熱水支管62aを対
応した流体導入用口金33,43に接続するための装置
であり、この装置の駆動によって熱水支管62aが流体
導入用口金33,43に対して離接されるとともに、流
体導入用口金33,43および流体排出用口金34,4
4の弁の所定の開閉操作が行われるようになっている。
これによって熱水源61からの熱水が底板3の下部流体
通路32および上蓋4の上部流体通路42に導入され、
底板3および上蓋4を介して食品装填室21内の包装食
品Pが熱水によって予熱されるようになっている。
【0086】上記誘電加熱部7は、高周波発生機71
と、この高周波発生機71からの高周波を包装食品装填
容器1内の包装食品Pに印加する上部電極72aおよび
下部電極72bからなる対向電極72と、上記上部電極
72aを昇降するシリンダ装置73とからなっている。
上記対向電極72は、予熱位置R2の下流側に設定され
た3個の包装食品装填容器1に対応する加熱・冷却位置
R3において、往きベルト13aを挟むように設けられ
ている。上記下部電極72bは、その上面が往きベルト
13aに当接するように配置設定されている。本実施形
態においては、上記対向電極が本発明に係る開放規制手
段としての役割を果たしている。
【0087】そして、上部電極72aがシリンダ装置7
3の駆動により上昇された状態で、予熱位置R2におい
て予熱された3個の包装食品装填容器1は、電動モータ
14の間欠駆動で加熱・冷却位置R3に送り込まれるよ
うにしている。送り込まれた3個の包装食品装填容器1
は、上部電極72aの下降で対向電極72間に押圧挟持
され、この状態で高周波発生機71からの高周波が対向
電極72並びに底板3および上蓋4を介して包装食品P
に印加され、これによる誘電加熱で包装食品Pが加熱殺
菌処理されるようになっている。
【0088】本実施形態においては、上部電極72aに
よる押圧力を、3個の包装食品装填容器1の食品装填室
21内に装填された包装食品P内の圧力が略3kg/c
2になっても耐え得るように設定してあり、これによ
って誘電加熱で包装食品Pの温度が110℃〜140℃
になっても包装食品Pの膨張を抑えることができるよう
にしてある。
【0089】上記冷却機構8は、加熱・冷却位置R3に
おいて誘電加熱部7による加熱殺菌処理が終了した包装
食品Pを同一位置で上部電極72aによる押圧操作を継
続しつつ冷却するものであり、冷却水源81と、この冷
却水源81と3個の包装食品装填容器1との間に配設さ
れた冷却水配管82と、この冷却水配管82の先端部に
設けられた接続手段83とを備えて構成されている。な
お、誘電加熱と同一位置で、しかも上部電極72aによ
る押圧状態を継続しながら包装食品Pに冷却処理を施す
のは、上部電極72aによる包装食品装填容器1の押圧
を解除することにより包装食品Pが膨張し、これによっ
て容器本体P1が破損するという不都合を防止するため
である。
【0090】上記冷却水配管82は、先端側が6本の冷
却水支管82aに分岐されている。かかる冷却水支管8
2aは、2本ずつがペアーになって加熱・冷却位置R3
にある3個の包装食品装填容器1の底板3および上蓋4
の各流体導入用口金33,43(図3)に対向するよう
に配置されている。
【0091】上記接続手段83は、冷却水支管82aを
対応した流体導入用口金33,43に接続するための装
置であり、この装置の駆動によって冷却水支管82aが
流体導入用口金33,43に対して離接されるととも
に、流体導入用口金33,43および流体排出用口金3
4,44の弁の所定の開閉操作が行われるようになって
いる。これによって冷却水源81からの冷却水が底板3
の下部流体通路32および上蓋4の上部流体通路42に
導入されて熱水と置換され、底板3および上蓋4を介し
て食品装填室21内の包装食品Pが冷却水によって冷却
されるようになっている。
【0092】上記冷却処理は、略130℃であった包装
食品Pの温度が100℃以下になるまで続けられ、10
0℃以下になった時点で上部電極72aによる押圧が解
除されるとともに、包装食品装填容器1は電動モータ1
4の駆動でつぎの包装食品取出し機構9に送られるよう
になっている。また、駆動ドラム12aの外方および包
装食品取出し機構9に到るまでの返りベルト13bの下
方には、コンベヤベルト13に平行なガイドカバー15
が所定の間隔を有して設けられ、包装食品装填容器1が
上下逆転しても上記ガイドカバー15に阻止されること
によって上蓋4が開放しないようにしてある。
【0093】上記包装食品取出し機構9は、上記冷却機
構8によって冷却された包装食品Pを包装食品装填容器
1から取り出して水冷するものであり、返りベルト13
bに沿い、かつ、その下部の取出し位置R4に設けられ
た冷却水槽91と、この冷却水槽91内に設けられた搬
出ベルト92とを備えている。上記搬出ベルト92は、
図略の駆動手段の駆動によろ冷却水槽91の内外に亘っ
て周回移動し、これによって冷却水槽91内の水中に沈
んだり浮遊したりしている包装食品Pを冷却水槽91外
に搬出するようになっている。
【0094】図12は、包装食品殺菌装置10の制御系
統の一例を示すブロック図である。この図に示すよう
に、包装食品殺菌装置10の制御系統100は、包装食
品殺菌装置10の運転を全体的に制御する制御手段11
0と、上記誘電加熱部7と、包装食品殺菌装置10の運
転操作に係る運転操作部120とから構成されている。
【0095】上記制御手段110は、運転操作部120
を介して入力された操業データを基に、誘電加熱部7の
高周波発生機71への電力の供給を制御するとともに、
包装食品装填機構5、予熱機構6および冷却機構8に所
定の制御信号を出力してこれらの駆動を制御するように
構成されている。
【0096】運転操作部120には、起動ボタン12
1、停止ボタン122からなる操作ボタン123が設け
られているとともに、包装食品Pの種類や重量、さらに
は電動モータ14の間欠駆動の周期、包装食品装填機構
5および予熱機構6の動作の周期等を入力するデータ入
力キー124が設けられている。
【0097】上記起動ボタン121および停止ボタン1
22からの操作信号は、制御手段110を介して制御信
号として制御手段110に向けて出力される。そして、
起動ボタン121が操作されたときには高周波発生機7
1の動作が開始されるとともに、電動モータ14、包装
食品装填機構5、予熱機構6、冷却機構8および包装食
品取出し機構9が所定の駆動や動作を開始し、停止ボタ
ン122が操作されたときには高周波発生機71の動作
が停止されるとともに、上記電動モータ14等の駆動等
が停止される。
【0098】上記高周波発生機71は、電源回路71
a、この電源回路71aから電力を得て高周波を発生す
る高周波発生回路71b、およびこの高周波発生回路7
1bの下流側に設けられた整合回路71cを備えて形成
されている。上記電源回路71aは、例えば220Vの
商用電源を所定レベルの直流電源に変換する働きをする
ものである。また、上記高周波発生回路71bは、電源
回路71aからの所定レベルの直流電圧を得て所要レベ
ルの高周波エネルギーを発生する自励発振式の高周波発
生回路である。さらに、上記整合回路71cは、高周波
発生回路71bと一対の対向電極72間を通過する負荷
(包装食品P)との整合をとる回路であり、変性器71
dの他、図略の整合用コンデンサを有している。
【0099】また、制御手段110は、包装食品Pの種
類や重量に応じて予め実験的に得られた電力供給量を演
算し得るようにプログラミングされている。この演算は
上記データ入力キー124からキーインされたデータに
基づき行われ、この演算結果によって電源回路71aか
らの出力電力が設定されるようにしている。
【0100】また、制御手段110からの制御信号に基
づいて、所定の時間ピッチで電動モータ14が駆動さ
れ、これによってコンベヤベルト13は間欠的に周回
し、1回の駆動によって包装食品装填容器1の3個分の
距離だけ移動するように設定されている。従って、コン
ベヤベルト13が間欠移動する度に、包装食品装填位置
R1にあった3個の包装食品装填容器1はつぎの予熱位
置R2に移動するとともに、予熱位置R2にあったもの
は加熱・冷却位置R3に移動する等、それぞれ3個ずつ
が下流側の操作位置に移動するようになっている。
【0101】そして、コンベヤベルト13の移動中は、
包装食品装填機構5、予熱機構6および冷却機構8は包
装食品装填容器1に対して動作しない待機状態に設定さ
れるとともに、誘電加熱部7の上部電極72aが上昇し
て包装食品装填容器1が対向電極72間を通過し得るよ
うに設定される。これに対してコンベヤベルト13が停
止しているときには、包装食品装填機構5、予熱機構6
および冷却機構8は包装食品装填容器1に対して所定の
動作を行うととともに、誘電加熱部7は、上部電極72
aの下降で対向電極72間に包装食品装填容器1を押圧
挟持した状態で高周波発生機71の駆動によって包装食
品装填容器1内の包装食品Pを加熱処理するようになっ
ている。なお、包装食品取出し機構9の搬出ベルト92
は、起動ボタン121がオンされた状態で常に駆動され
るようにしてある。
【0102】図13は、第1実施形態の包装食品殺菌装
置10に対応した包装食品Pの加熱殺菌処理方式を示す
説明図であり、(イ)は工程図、(ロ)は予熱工程Q2
〜冷却工程Q5における包装食品の温度の経時変化を示
すグラフである。まず図13の(イ)に示すように、包
装食品殺菌装置10の操業は、包装食品Pを包装食品装
填容器1の食品装填室21に装填する装填工程Q1、包
装食品Pの装填された包装食品装填容器1を予熱(補助
加熱)する予熱工程Q2、予熱された包装食品Pを昇温
する昇温工程Q3、昇温された温度を維持して包装食品
Pに殺菌処理を施す殺菌工程Q4、殺菌処理の終わった
包装食品Pを冷却する冷却工程Q5、および冷却後の包
装食品Pを食品装填室21から取り出す取出し工程Q6
を順次経ることによって行われる。
【0103】上記装填工程Q1は包装食品殺菌装置10
の包装食品装填位置R1において実行され、上記予熱工
程Q2は同予熱位置R2において実行され、上記昇温工
程Q3、殺菌工程Q4および冷却工程Q5は同加熱・冷
却位置R3において実行され、上記取出し工程Q6は同
取出し位置R4において実行される。
【0104】以下、コンベヤベルト13の間欠駆動によ
って周回移動する包装食品装填容器1の一つに注目して
上記各工程について説明する。包装食品装填容器1が包
装食品装填位置R1に到達すると上記装填工程Q1が実
行される。すなわち、シリンダ装置53の駆動によって
操作ロッド54が下降され、これによって停止状態の包
装食品装填容器1の操作突片45が下方に向けて押圧さ
れて上蓋4が開放される。ついで装填装置51の駆動に
よって包装食品Pが食品装填室21内に装填され、装填
後にシリンダ装置53の駆動で操作ロッド54が上昇
し、これによって上蓋4が閉じられ、包装食品Pが食品
装填室21内に装填された状態になる。
【0105】ついで、包装食品装填容器1はコンベヤベ
ルト13の駆動により下流側に移動して予熱位置R2に
到達する。到達後にコンベヤベルト13が停止され、停
止状態の包装食品装填容器1に向かって接続手段63が
動作し、これによって熱水支管62aが包装食品装填容
器1の底板3および上蓋4の各流体導入用口金33,4
3(図3)に接続された状態になる。
【0106】この状態で、熱水源61からの熱水が底板
3および上蓋4の流体通路32,42内に供給され、開
放された流体排出用口金34,44を通って系外に排出
される。この熱水の流通によって底板3および上蓋4を
介して食品装填室21内の包装食品Pが予熱される。こ
の予熱によって図13の(ロ)に示すように、常温であ
った包装食品Pは、略40℃にまで昇温される。予熱工
程Q2での予熱処理時間は240秒〜360秒である。
【0107】ついで、予熱工程Q2での予熱処理が完了
すると、包装食品装填容器1は、コンベヤベルト13の
駆動で加熱・冷却位置R3に移動され、コンベヤベルト
13の停止と同時のシリンダ装置73の駆動による上部
電極72aの下降によって対向電極72間に押圧挟持さ
れた状態になる。この状態で高周波発生機71の駆動に
よって予熱された包装食品Pを略130℃まで昇温する
昇温工程Q3が実行され、引き続き略130℃を維持す
る殺菌工程Q4が実行される。昇温工程Q3での昇温処
理時間は略90秒であり、殺菌工程Q4での殺菌処理時
間は30秒である。
【0108】そして、昇温工程Q3の後半および殺菌工
程Q4においては、食品装填室21内の包装食品Pは1
00℃以上に加熱されているが、包装食品Pは対向電極
72によって押圧されていること、および食品装填室2
1の内周面は包装食品Pの外周面に密着していることに
よって包装食品P内の水分の沸点が上昇し、これによっ
て上記水分の沸騰が防止され、包装食品Pの破損が阻止
される。
【0109】ついで、昇温工程Q3での殺菌処理が完了
すると、対向電極72に押圧挟持された状態で包装食品
Pに対して冷却工程Q5が施される。この工程では、ま
ず、接続手段83の駆動によって冷却水支管82aが流
体導入用口金33,43に接続され、ついで冷却水源8
1からの冷却水が流体通路32,42に導入され、これ
によって食品装填室21内の包装食品Pは底板3および
上蓋4を介して冷却水で100℃より若干低めにまで冷
却される。冷却工程Q5での冷却処理時間は120秒〜
180秒である。
【0110】ついで、冷却工程Q5での冷却処理が完了
すると、シリンダ装置73の駆動で上部電極72aが上
昇されると同時にコンベヤベルト13が駆動され、これ
によって包装食品装填容器1は往きベルト13aから返
りベルト13bの方に反転して移動する。そして、コン
ベヤベルト13の間欠周回駆動で包装食品装填容器1が
ガイドカバー15(図11)を外れた時点、すなわち取
出し位置R4に到達した時点に上蓋4が自重で開放さ
れ、食品装填室21内の包装食品Pは冷却水槽91内に
放出される。放出された包装食品Pは、冷却水槽91内
の水に浸かって略常温にまで冷却されて搬出ベルト92
によって運び出されるとともに、空になった包装食品装
填容器1はコンベヤベルト13の周回で包装食品装填位
置R1に戻される。
【0111】このように、第1実施形態の包装食品殺菌
装置10によれば、コンベヤベルト13を間欠的に周回
させることによる包装食品装填容器1の間欠周回移動に
よって、包装食品Pは、装填工程Q1で自動的に包装食
品装填容器1内にされ、予熱工程Q2で予熱され、昇温
工程Q3で昇温され、殺菌工程Q4で殺菌処理が施さ
れ、冷却工程Q5で100℃以下にまで冷却され、取出
し工程Q6で略常温で取り出されるという一連の処理が
自動的に順次施され、包装食品Pの殺菌処理の効率化を
計る上で有効である。
【0112】図14は、第2実施形態の包装食品装填容
器1aを用いた包装食品殺菌装置10a(第2実施形
態)を示す斜視図である。なお、以下図14におけるX
−X方向を幅方向というとともに、Y−Y方向を前後方
向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方とい
い、往きベルトの−Y方向を前方または下流方向、+Y
方向を後方または上流方向という。但し、返りベルトに
ついては、−Y方向を上流側方向、+Y方向を下流方向
という。
【0113】第2実施形態においては、上蓋4の閉蓋状
態をロック可能に構成した包装食品装填容器1aを採用
しているため、包装食品装填容器1aに包装食品Paを
装填した状態で閉蓋ロックすることにより、誘電加熱時
に上蓋4が開かないように押圧する必要がなく、従って
誘電加熱部7aにおける包装食品Paへの高周波印加構
造が簡単な構成になる一方、包装食品装填容器1aに対
するロックおよびロック解除の機構が付加されている。
また、包装食品装填容器1の食品装填室21内は、閉蓋
ロックによって密閉状態にすることができるため、食品
装填室21内に予熱用の高圧熱風を導入するようにして
いる。
【0114】本実施形態においては包装食品装填容器1
aを周回させるベルトコンベヤ(容器移動手段)11a
として、図14に示すように、駆動ドラム12aおよび
従動ドラム12b間に張設された幅方向一対のタイミン
グベルト130が採用されている。かかるタイミングベ
ルト130を幅方向一対で用いることにより、底板3の
底部がタイミングベルト130間で外部に露出するよう
にし、この露出部分に後述する高周波用の下部端子を接
触させ得るようにしている。
【0115】そして、タイミングベルト130の往きベ
ルト130aの部分には、上流側から包装食品装填容器
1aの3個ずつに順次対応するように装填ロック位置R
11、加圧予熱位置R12、および誘電加熱位置R13
が設定されているとともに、返りベルト130bの部分
に包装食品装填容器1aの3個ずつに順次対応した第1
冷却位置R14、第2冷却位置R15、および取出し位
置R16が設定されている。
【0116】上記装填ロック位置R11には、第1実施
形態と同様の包装食品装填機構5が設けられているとと
もに、上蓋4の閉蓋状態をロックするロック機構50が
設けられている。そして、包装食品Paが包装食品装填
機構5により包装食品装填容器1aの食品装填室21内
に装填されて閉蓋された後に、引き続きロック機構50
に所定の動作(具体的には水平姿勢に設定されたロック
手段36の操作片38b(図6の(イ))を第1水平軸
37a回りに反時計方向に一旦回動させてロック片39
の係止爪39aを上蓋4の係止突片47aに係合し、つ
いで操作片38bを反対方向に回して係止爪39aを係
止突片47aに係止させる動作)を行わせることによ
り、包装食品Paの装填された包装食品装填容器1aの
上蓋4の閉蓋状態がロックされるようにしている。
【0117】上記加圧予熱位置R12には、包装食品P
aが装填された密封状態の食品装填室21内に熱風を供
給する加圧予熱機構60が設けられている。この加圧予
熱機構60は、空気を加熱して熱風にするヒーター60
1と、得られた熱風を略3気圧に昇圧した加圧熱風に
し、この加圧熱風を圧送する圧縮機602と、上記加圧
熱風を送る熱風配管603と、この熱風配管603の下
流端で3個の包装食品装填容器1aに対応して3本に分
岐された熱風支管603aと、この熱風支管603aの
近傍に設けられた接続手段604とを備えて構成されて
いる。
【0118】上記接続手段604は、熱風支管603a
を流体導入用口金330に接続して開弁するとともに、
熱風支管603aを流体排出用口金340にも接続して
開弁するように動作し、これによって圧縮機602から
の加圧熱風が食品装填室21内に導入され、この加圧熱
風の流通によって包装食品Paが直接予熱されるように
なっている。
【0119】そして、予熱処理が完了すると、接続手段
604は流体導入用口金330および流体排出用口金3
40を閉弁するように動作し、これによって食品装填室
21内に加圧熱風が密封されるようになっている。
【0120】上記誘電加熱位置R13には、誘電加熱部
7aと、外部加熱機構80とが設けられている。上記誘
電加熱部7aは、高周波発生機71と、この高周波発生
機71からの高周波を上部電極としての上蓋4に伝える
上部端子720aと、同下部電極としての底板3に伝え
る下部端子720bとを備えて形成されている。上記上
部端子720aは、タイミングベルト130の周回方向
に延びるように長尺に形成され、誘電加熱位置R13に
位置した3個の包装食品装填容器1aの上蓋4に当接す
るようにしてある。また、上記下部端子720bは、上
記上部端子720aに上下で対向するようにタイミング
ベルト130間に設けられ、誘電加熱位置R13に位置
した3個の包装食品装填容器1aは、各底板3が下部端
子720bに当接するようになされている。
【0121】従って、タイミングベルト130の周回で
誘電加熱位置R13に到達した3個の包装食品装填容器
1は、上下の端子720a,420bに挟持され、これ
によって包装食品装填容器1a内の包装食品Paは、底
板3および上蓋4を介して誘電加熱されるようになって
いる。
【0122】上記外部加熱機構80は、水を加熱して蒸
気を発生させるボイラー801と、このボイラー801
からの蒸気を圧送するポンプ802と、このポンプ80
2から吐出された蒸気を、下流側で6つに分岐した蒸気
支管803aを介して誘電加熱位置R13に位置した3
個の包装食品装填容器1aの底板3および上蓋4内に送
る蒸気配管803と、上記蒸気支管803aの下流端に
設けられる接続手段804とからなっている。
【0123】上記接続手段804は、各蒸気支管803
aを3個の包装食品装填容器1aの流体導入用口金33
0および流体排出用口金340に接続して開弁するよう
に動作し、これによって蒸気配管803からの加熱蒸気
が食品装填室21内に導入され、この加熱蒸気の流通に
よって包装食品Paが伝熱加熱されるようになってい
る。そして、誘電加熱位置R13での加熱殺菌処理が完
了すると、接続手段804は流体導入用口金330およ
び流体排出用口金340から外されるようになってい
る。
【0124】上記第1冷却位置R14には、上記第1実
施形態の冷却機構8と同様の冷却水源81、冷却水配管
82、冷却水支管82aおよび接続手段83とからなる
上流側冷却機構8aが設けられているとともに、上記第
2冷却位置R15には、上流側冷却機構8aと同様の下
流側冷却機構8bが設けられている。これらの冷却機構
8a,8bは、包装食品装填容器1aの食品装填室21
a内に冷却水源81からの冷却水を供給して包装食品P
aを直接冷却するものである。これら冷却機構8a,8
bを直列に2設けることにより、包装食品装填容器1a
の間欠移動のインターバルを短くしても所期の冷却効果
が得られるようになっている。、系列で上流側と本実施
形態においては、冷却水源81は上流側冷却機構8aと
下流側冷却機構8bとで共用されている。
【0125】従って、誘電加熱位置R13で誘電加熱部
7aにより加熱殺菌処理が施され、タイミングベルト1
30の間欠周回によって第1冷却位置R14に到達した
3個の包装食品装填容器1aは、上流側冷却機構8aに
よる食品装填室21a内への冷却水の供給によって第1
段階目の冷却処理が施されて途中の中間的な冷却温度
(100℃より若干高めの温度)まで冷やされ、ついで
タイミングベルト130の周回によって第2冷却位置R
15に到達した3個の包装食品装填容器1aは、第2段
階目の冷却処理によって100℃以下にまで冷却される
ことになる。
【0126】上記取出し位置R16には、ロック解除機
構90と、第1実施形態と同様の冷却水槽91および搬
出ベルト92からなる包装食品取出し機構9とが設けら
れている。上記ロック解除機構90は、上蓋4の閉蓋ロ
ック状態を解除するものであり、第2冷却位置R15か
ら移動してきた3個の包装食品装填容器1aの上蓋4に
対して所定の動作(具体的には垂直姿勢に設定されたロ
ック手段36の操作片38b(図6の(ロ))を第1水
平軸37a回りに反時計方向に回動させてロック片39
の係止爪39aを上蓋4の係止突片47aから外す動
作)を行わせることによりロックを解除し、これによっ
て包装食品Paの装填された包装食品装填容器1aの上
蓋4を自重で開放させ、食品装填室21内の包装食品P
aを下方に落下させるようにしている。
【0127】そして、落下した包装食品Paは、冷却水
槽91の水中に浸漬され、この浸漬によって略常温にま
で冷される最終段階の冷却処理が施され、搬出ベルト9
2の駆動で系外に排出される一方、空になった包装食品
装填容器1aは、タイミングベルト130の巡回移動で
装填ロック位置R11に戻される。
【0128】図15は、包装食品殺菌装置10aの制御
系統の一例を示すブロック図である。この図に示すよう
に、包装食品殺菌装置10aの制御系統は、基本的には
図12に示す第1実施形態の包装食品殺菌装置10のも
のと同様であるが、第1実施形態においては、包装食品
装填容器1がロック手段36を備えたものでないため、
ロック手段36の操作に関する制御が行われないのに対
し、第2実施形態においては、包装食品装填容器1aに
ロック手段36が設けられており、このロック手段36
のロック操作およびロック解除操作に係る制御が行われ
る点が第1実施形態と異なっている。
【0129】また、第2実施形態においては、包装食品
装填容器1aへの高周波印加は昇降しない上部端子72
0aおよび下部端子720bによって行われるようにな
っているため、第1実施形態で行われるような上部電極
72aの昇降のための制御は行われない。
【0130】そして、制御手段110からは、電動モー
タ14に所定ピッチでの間欠駆動の制御信号が出力さ
れ、これによるタイミングベルト130の間欠的な周回
によって包装食品装填容器1aは間欠的に周回し、包装
食品装填容器1aの間欠的な周回移動の停止時に同期し
て包装食品装填機構5、ロック機構50、加圧予熱機構
60、誘電加熱部7a、上流側冷却機構8a、下流側冷
却機構8b、およびロック解除機構90に向けて制御手
段110からそれぞれ所定の制御信号が出力され、これ
によって上記包装食品装填機構5〜ロック解除機構90
が所定の動作を適正に行うことによって、包装食品Pa
に誘電加熱による殺菌処理が自動的に順次施されるよう
になっている。
【0131】なお、包装食品取出し機構9については、
起動ボタン121がオンされた時点で駆動を開始し、以
後タイミングベルト130の駆動・停止に拘らず駆動が
継続され、停止ボタン122が操作された時点に停止す
るようにしてある。
【0132】図16は、第2実施形態の包装食品殺菌装
置に対応した包装食品の加熱殺菌処理方式を示す説明図
であり、(イ)は工程図、(ロ)は予熱工程〜冷却工程
における包装食品の温度の経時変化を示すグラフであ
る。
【0133】まず図16の(イ)に示すように、包装食
品殺菌装置10aによる加熱殺菌処理の工程は、第1実
施形態の場合と同様に、包装食品Paを包装食品装填容
器1の食品装填室21aに装填する装填工程Q1′、包
装食品Paの装填された包装食品装填容器1aを予熱す
る予熱工程Q2′、予熱された包装食品Paを昇温する
昇温工程Q3′、昇温された温度を維持して包装食品P
aに殺菌処理を施す殺菌工程Q4′、殺菌処理の終わっ
た包装食品Paを冷却する冷却工程Q5′、および冷却
後の包装食品Paを食品装填室21aから取り出す取出
し工程Q6′からなっている。
【0134】上記装填工程Q1′は包装食品殺菌装置1
0aの装填ロック位置R11において実行され、上記予
熱工程Q2′は加圧予熱位置R12において実行され、
上記昇温工程Q3′および殺菌工程Q4′は、誘電加熱
位置R13において実行され、冷却工程Q5′は第1冷
却位置R14および第2冷却位置R15において実行さ
れ、上記取出し工程Q6′は取出し位置R16において
実行される。
【0135】以下、タイミングベルト130の間欠駆動
によって周回移動する包装食品装填容器1aの一つに注
目して上記各工程について説明する。包装食品装填容器
1aが装填ロック位置R11に到達すると上記装填工程
Q1′が実行される。すなわち、シリンダ装置53の駆
動によって操作ロッド54が下降され、これによって停
止状態の包装食品装填容器1aの操作突片45が下方に
向けて押圧されて上蓋4が開放される。ついで装填装置
51の駆動によって包装食品Paが食品装填室21a内
に装填され、装填後にシリンダ装置53の駆動で操作ロ
ッド54が上昇し、これによって上蓋4が閉じられ、包
装食品Paが食品装填室21a内に装填された状態にな
る。
【0136】ついで、ロック機構50が駆動され、ロッ
ク機構50の所定の動作によって上蓋4の閉蓋状態がロ
ックされる。この閉蓋状態のロックは、水平姿勢に設定
された操作片38bに対するロック機構50の所定の動
作操作によって行われる。具体的には水平姿勢に設定さ
れたロック手段36の操作片38b(図6の(イ))を
第1水平軸37a回りに反時計方向に一旦回動させてロ
ック片39の係止爪39aを上蓋4の係止突片47aに
係合し、ついで操作片38bを反対方向に回して係止爪
39aを係止突片47aに係止させる動作によって行わ
れる。こうすることでロック手段36は、係止爪39a
が係止突片47aに係合した図5に示すロック状態にな
り、これによって包装食品Paの装填された食品装填室
21a内は密閉状態になる。
【0137】ついで、包装食品装填容器1aはタイミン
グベルト130の駆動により下流側に移動して加圧予熱
位置R12に到達し、到達後にタイミングベルト130
が停止され、ここで予熱工程Q2′の処理が施される。
すなわち、停止状態の包装食品装填容器1aに向かって
接続手段604が動作し、これによって蒸気支管603
aが包装食品装填容器1aの底板3および上蓋4の各流
体導入用口金33,43(図6)に接続された状態にな
る。
【0138】この状態で、圧縮機602からの熱風が底
板3および上蓋4の流体通路32,42内に供給され、
開放された流体排出用口金34,44を通って系外に排
出される。この熱風の流通によって底板3および上蓋4
を介して食品装填室21a内の包装食品Paが予熱され
る。この予熱によって図16の(ロ)に示すように、常
温であった包装食品Paは、略40℃にまで昇温され
る。予熱工程Q2′での予熱処理時間は80秒〜120
秒である。なお、予熱時間が第1実施形態に比べて短縮
されるのは、高圧熱風が食品装填室21a内に導入さ
れ、これによって包装食品Paが直接予熱されるからで
ある。予熱工程Q2′の完了直前には第2流体導入用口
金330および第2流体排出用口金340が閉止され、
これによって食品装填室21a内は、高圧熱風が封入さ
れた状態になる。
【0139】予熱工程Q2′での予熱処理が完了する
と、包装食品装填容器1aは、タイミングベルト130
の駆動で加熱・冷却位置R3に移動される。タイミング
ベルト130が停止すると、上蓋4は上部端子720a
に接続されるとともに、底板3は下部端子720bに接
続された状態になり、これによって上蓋4および底板3
が実質的に対向電極になる。この状態で高周波発生機7
1の駆動によって予熱された包装食品Paを略130℃
まで昇温する昇温工程Q3′が実行され、引き続き略1
30℃を維持する殺菌工程Q4′が実行される。なお、
本実施形態においては、殺菌工程Q4′では誘電加熱は
停止され、後述する外部加熱機構80による熱供給のみ
で殺菌温度が維持される。上記昇温工程Q3′での昇温
処理時間は60秒〜90秒であり、殺菌工程Q4′での
殺菌処理時間は20秒〜30秒である。従って、誘電加
熱位置R13での処理時間は、昇温工程Q3′および殺
菌工程Q4′の合計で80秒〜120秒である(図16
の(ロ))。
【0140】また、昇温工程Q3′においては、包装食
品Paには、上記誘電加熱部7aによる誘電加熱に加え
て外部加熱機構80による補助加熱が施される。すなわ
ち、包装食品装填容器1aが誘電加熱位置R13に到達
すると、接続手段804の動作によって蒸気支管803
aが底板3および上蓋4の流体導入用口金33,43に
接続されて各流体通路32,42(図6)にボイラー8
01からの熱風が供給され、これによって包装食品装填
容器1aは底板3および上蓋4を介して補助加熱され
る。この補助加熱は、殺菌工程Q4′の終了まで継続さ
れる。
【0141】そして、昇温工程Q3′の後半および殺菌
工程Q4′においては、食品装填室21a内の包装食品
Paは100℃以上に加熱されるが、上蓋4の閉蓋状態
がロック手段36によってロックされて食品装填室21
a内は高圧に耐える密封状態になっているとともに、予
熱工程Q2′で供給された高圧高温の空気が充満してい
るため、包装食品Pa内の水分の沸点が上昇し、これに
よって上記水分の沸騰が防止され、包装食品Paの破損
が阻止される。
【0142】ついで、昇温工程Q3′での殺菌処理が完
了すると、包装食品装填容器1aはタイミングベルト1
30の周回によって第1冷却位置R14に到達し、上流
側冷却機構8aによる冷却工程Q5′での第1段階目の
冷却処理が実行される。上流側冷却機構8aにおいて
は、接続手段83の動作によって冷却水支管82aが第
2流体導入用口金330に接続されて冷却水源81から
の冷却水が第2流体導入用口金330を介して食品装填
室21a内に導入され、これによって食品装填室21a
内の包装食品Paは冷却水で100℃より若干低めにま
で冷却される第1段階の冷却処理が施される。上流側冷
却機構8aによる冷却処理時間は80秒〜120秒であ
る(図16の(ロ))。
【0143】ついで、包装食品装填容器1aはタイミン
グベルト130の駆動で第2冷却位置R15に移され、
ここで下流側冷却機構8bにより、上記上流側冷却機構
8aによるのと同様の第2段階目の冷却工程Q5′の冷
却処理が施される。包装食品Paはこの下流側冷却機構
8bによって略90℃に冷却される。下流側冷却機構8
bによる冷却処理時間は120秒〜180秒である(図
16の(ロ))。
【0144】ついで、冷却工程Q5′での冷却処理が完
了するとタイミングベルト130が駆動され、これによ
って包装食品装填容器1aは取出し位置R16に到達す
る。ここでロック解除機構90の動作によってロック手
段36が操作されて図6の(イ)に示すようにロック解
除状態とされ、包装食品装填容器1aの閉蓋状態の上蓋
4が自重で開放し、食品装填室21a内の包装食品Pa
が冷却水槽91内に放出される。放出された包装食品P
aは、冷却水槽91内の水に浸かって略常温にまで冷却
されて搬出ベルト92によって運び出されるとともに、
空になった包装食品装填容器1aはタイミングベルト1
30の周回で装填ロック位置R11に戻される。
【0145】このように、第2実施形態の包装食品殺菌
装置10aによれば、タイミングベルト130を間欠的
に周回させることによる包装食品装填容器1aの間欠周
回移動によって、包装食品Paは、装填工程Q1′で自
動的に包装食品装填容器1a内にされ、予熱工程Q2′
で予熱され、昇温工程Q3′で昇温され、殺菌工程Q
4′で殺菌処理が施され、冷却工程Q5′で100℃以
下にまで冷却され、取出し工程Q6′で略常温で取り出
されるという一連の加熱殺菌処理が自動的に順次施され
る。
【0146】そして、第2実施形態においては、ロック
手段36が設けられた包装食品装填容器1aが用いら
れ、上記ロック手段36によって上蓋4の閉蓋状態をロ
ックし、これによって食品装填室21a内を密封状態に
することができるため、予熱工程Q2′において食品装
填室21a内に熱媒体を導入して包装食品Paを直接加
熱したり冷却したりすることができるとともに、昇温工
程Q3′および殺菌工程Q4′において包装食品Paが
100℃以上に加熱されても、包装食品Pa内の水分が
沸騰することはなく、沸騰による水分の膨張で包装食品
Paが破損するという不都合が確実に防止される。
【0147】また、時間のかかる冷却工程Q5′での包
装食品Paの冷却処理を、上流側冷却機構8aによる第
1段階目の冷却処理と、下流側冷却機構8bによる第2
段階目の冷却処理との2段階の冷却処理で賄うようにし
たため、これによって上蓋4包装食品装填容器1aの間
欠移動の時間ピッチを短くすることが可能であり、加熱
殺菌処理の効率化を図る上で有効である。
【0148】図17は、第2実施形態における高周波電
力の給電方式の他の実施形態を示す説明図である。この
給電方式にあっては、包装食品装填容器1aの上蓋4
に、移動方向に直交して水平方向に突出した平板状の可
動電極板48が設けられている一方、この可動電極板4
8が隙間を非接触で通過する二股状の固定電極板74が
設けられ、この固定電極板74に高周波発生機71から
の高周波電力が供給されるようになっている。また底板
3は、包装食品殺菌装置10aの適宜の部材を介してア
ースされている。
【0149】この給電方式によれば、固定電極板74と
可動電極板48とは空気の層を介したそれぞれの対向面
間で容量結合されるため、高周波電極を包装食品装填容
器1aに接触させることなく高周波発生機71からの高
周波電力が包装食品P,Paに供給され、これによって
給電方式が簡素化されるとともに、電極の包装食品装填
容器1aへの接触状態を検査したり、調整するような面
倒なメンテナンス作業を省略することができる。
【0150】図18および図19は、本発明に係る包装
食品装填容器の第7実施形態を示す斜視図であり、図1
8は上蓋が開放された状態、図19は上蓋が閉止された
状態を示している。また、図20は、図19のC−C線
断面図である。なお、以下図18および図19における
X−X方向を幅方向というとともに、Y−Y方向を前後
方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方とい
い、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
【0151】これらの図に示すように、包装食品装填容
器1fは、上記の実施形態の容器本体2,2a,2b,
2c,2dと同一の強靱な絶縁材料からなる容器本体2
eと、この容器本体2eの食品装填室21dの底部に設
けられた底板3dと、上記容器本体2eの外周面および
底面を覆った金属製のケーシング210と、上記容器本
体2eの食品装填室21dを開閉自在に閉止する上蓋4
cと、この上蓋4cの閉止状態をロックするロック機構
500とを備えた構成を有している。
【0152】上記容器本体2eは、図18に示すよう
に、平面視で略正方形状を呈し、その中央部に平面視で
正方形状でかつ直方体状の食品装填室21dが凹設され
ている。この容器本体2eの上縁部には環状溝が形成さ
れ、この環状溝に上記同様のOリング22が、上半分を
外部に突出させた状態で装着されている。また、食品装
填室21dの底部中央には貫通孔25(図20)が貫設
されている。
【0153】上記底板3dは、金属製の平板によって形
成され、外周縁部が内壁面に摺接状態で食品装填室21
d内に嵌め込まれ得るように正方形状に形状設定されて
いる。かかる底板3dの下面側中央部には、図20に示
すように、上記貫通孔25に対応し、かつ、貫通孔25
の内径寸法より小さい外径寸法を備えた端子棒31dが
下方に向かって突設されている。
【0154】上記ケーシング210は、上部が開放した
平面視で正方形状の箱型のケーシング本体211と、こ
のケーシング本体211の幅方向両側部の上縁部から外
方に向かって突設された幅方向一対のウイング212と
を備えて形成されている。これらウイング212は、そ
れぞれ上面が水平面になるように面設定されているとと
もに、先端側に向かって厚み寸法が漸減するように厚み
設定されている。
【0155】また、ケーシング本体211の底部には、
上記容器本体2eの貫通孔25に対応した部分に貫通孔
25と同一径寸法の貫通孔213が穿設され、底板3d
が容器本体2eの食品装填室21d内の底部に装着され
た状態で、上記端子棒31dは、貫通孔25,211に
内嵌されるようになっており、これによってケーシング
210とは絶縁状態で包装食品装填容器1fの底部から
端子棒31dの先端部が突出するようになっている。そ
して、この端子棒31dの突出部分が高周波発生機71
からの高周波を接続する接続端子32dとして利用され
るようにしている。
【0156】このようなケーシング210にも、その上
縁部に環状溝が凹設されているとともに、この環状溝に
Oリング22が嵌め込まれ、上蓋4cが閉止された状態
でその裏面が容器本体2eおよびケーシング210に設
けられた2個のOリング22に当接し、これらOリング
22による二重のガードで食品装填室21d内の密閉状
態を確実に確保することができるようになっている。
【0157】また、ケーシング本体211の前方縁部に
は、食品装填室21d内に熱媒体を導入するための流体
導入用口金330と、食品装填室21d内の用済みの熱
媒体を外部に排出するための流体排出用口金340とが
設けられている。これら口金330,340にはそれぞ
れ開閉弁が設けられ、これら開閉弁の開閉操作によっ食
品装填室21d内と外部との間の連通と遮断とを切り換
えることができるようにしている。
【0158】上記上蓋4cは、図19に示すように、平
面視でケーシング210と同一の正方形状を呈し、か
つ、前方周縁部において蝶番41cを介してケーシング
210に取り付けられ、蝶番41cの水平軸回りに回動
して食品装填室21dに対し開閉し得るようになってい
る。また、上蓋4cは、図略の付勢手段の付勢力によっ
て、普段は閉止されるとともに、食品装填室21d内に
対して包装食品Pa(本実施形態では食品装填室21d
の内壁面に密着しないタイプの包装食品Paを例示して
いるが、内壁面密着タイプの包装食品Pでもかまわな
い)を挿脱するときのみ開放されるようにしている。
【0159】このために上蓋4cの前方縁部には操作突
片45が突設されている一方、包装食品装填容器1fの
移送経路の適所には図略の駆動手段の駆動によって出没
する操作ロッド54aが設けられ、この操作ロッド54
aが突出した状態で所定位置に位置した包装食品装填容
器1fの操作突片45が押圧されることにより、図18
に示すように、上蓋4cが開放されるようになってい
る。
【0160】かかる上蓋4cは、裏面側が平面状に形成
されているとともに、表面側の幅方向両縁部に厚み寸法
が先細りに漸減する傾斜部42cを有しており、これに
よって上蓋4cが閉止された状態で傾斜部42cと上記
傾斜部42cとで外方に向かって先細りに形成された、
上記ロック機構500によってロックされる被ロック部
214が形成されている。
【0161】上記ロック機構500は、ケーシング本体
211の幅方向両側部の前方寄りの部分に外方に向かっ
て突設された幅方向一対のヒンジ510と、各ヒンジ5
10に垂直軸511回りに回動自在に軸支された幅方向
一対のロック腕550とを備えて構成されている。上記
ロック腕550は、直方体状のロック腕本体551と、
このロック腕本体551の下端縁部からロック腕本体5
51の長手方向に延設された突出ロッド552と、上記
ロック腕本体551の一側面に上記被ロック部214に
対応して設けられた長手方向に延びる上下一対のロック
突条553とからなっている。そして上記ロック腕55
0は、図略の付勢手段の付勢力によって、普段は、図1
8に示すように、ケーシング210から幅方向に延びる
ロック解除姿勢に設定されているとともに、誘電加熱が
施されるときは、図19に示すように、閉止状態の上蓋
4cを係止するロック状態に設定されるようしている。
【0162】上記突出ロッド552は、その先端側が垂
直軸511に軸支されることによりロック腕550が垂
直軸511回りに回動し得るようになっているととも
に、上記ロック突条553は、右方(左方)のロック腕
550の場合、ロック腕本体551が垂直軸511回り
に反時計方向(時計方向)に回動することによって、図
19に示すように、上記左右の被ロック部214がそれ
ぞれ上下一対のロック突条553によって挟持され、こ
れによって上蓋4cの閉止状態がロックされるようにな
っている。
【0163】このような突出ロッド552は、互いの対
向面が上記被ロック部214の上下の傾斜面に面接触で
摺接し得るように傾斜設定され、これによって被ロック
部214がロック腕550によってロックされた状態で
上蓋4cによる食品装填室21dの閉止状態が確実に行
われるようになっている。
【0164】このような包装食品装填容器1fは、図1
8〜図20に示すように、ケーシング210の底部が包
装食品殺菌装置10bの幅方向一対のコンベヤベルト1
31に固定され、コンベヤベルト131の周回駆動で所
定の循環経路を循環移動しつつ食品装填室21dに装填
された包装食品Paに誘電加熱による殺菌処理が施され
るようになっている。
【0165】ところで、本実施形態においては、上記包
装食品殺菌装置10bは、その誘電加熱域R30にコン
ベヤベルト131に平行に配設された幅方向複数対の押
圧ローラ16が設けられている。各押圧ローラ16は、
前後方向に延びる支持部材17にその垂直軸16aが支
持され、これによって垂直軸16a回りに回転自在に軸
支されている。幅方向で互いに対向した各一対の押圧ロ
ーラ16の間の距離は、上記ケーシング本体211の一
対のヒンジ510の先端部間の距離と略同一に寸法設定
されているとともに、前後方向で隣接する押圧ローラ1
6間の間隔は、ロック腕本体551の前後長よりも短く
設定されている。
【0166】また、包装食品殺菌装置10bは、誘電加
熱域R30においてコンベヤベルト131より下部に長
手方向に向かって敷設された端子線18を有しており、
この端子線18には高周波発生機71からのプラスの高
周波電圧が印加されるようにしてあるとともに、押圧ロ
ーラ16を支持する支持部材17には高周波発生機71
からのマイナスの高周波電圧が印加されるようにしてあ
る。
【0167】従って、食品装填室21d内に包装食品P
aが装填され、かつ、上蓋4cの閉止された包装食品装
填容器1fがコンベヤベルト131の駆動によって前方
に向かって移動し、誘電加熱域R30に到達すると、ケ
ーシング本体211から突出してロック解除姿勢になっ
ている幅方向一対のロック腕550がまず最上流側の一
対の押圧ローラ16に当接し、包装食品装填容器1fの
前進に伴って各ロック腕550が垂直軸511回りに後
方に向かって回動する。
【0168】そして、包装食品装填容器1fが誘電加熱
域R30に突入した状態では、図19に示すように、上
蓋4cが閉止された状態の包装食品装填容器1fの被ロ
ック部214(図20)がロック腕550のロック突条
553によって押圧挟持された状態になるとともに、端
子棒31dの接続端子32dが端子線18に当接した状
態(図20)になり、これによって高周波発生機71か
らの高周波電圧が底板3dから食品装填室21d内の包
装食品Paに印加されて包装食品Paに誘電加熱が施さ
れる。
【0169】また、包装食品装填容器1fが誘電加熱域
R30に位置した状態では、流体導入用口金330を介
して食品装填室21d内に加圧熱風が供給されて食品装
填室21d内が3気圧以上に昇圧され、これによって包
装食品Paの破袋が阻止されるとともに、包装食品Pa
に対して補助加熱が施されて包装食品Pa内が均一な温
度分布になるようにしている。
【0170】第7実施形態の包装食品装填容器1fによ
れば、包装食品装填容器1fの誘電加熱域R30への移
動によるロック腕550の支持部材17に対する当接に
よって上蓋4cの閉止状態がロックされるとともに、包
装食品装填容器1fが誘電加熱域R30を抜け出ること
によってロックが解除されるように構成されているた
め、ロックおよびロック解除のためのロック機構500
が簡単な構造になり、その分設備コストの低減化に寄与
することができる。
【0171】図21および図22は、本発明に係る包装
食品装填容器の第8実施形態を示す説明図であり、図2
1は側面断面視の図であって、図22は図21のD−D
線矢視図である。この実施形態においては、包装食品装
填容器1gは、第1実施形態または第2実施形態のもの
と同様の容器本体2,2aと、この容器本体2,2aの
下部に積層された金属製の底板3eと、容器本体2,2
aの上部に積層された金属製の中間板220と、この中
間板220の上部に積層され、かつ、上記容器本体2,
2aと同一の材料からなる絶縁板230と、この絶縁板
230の上部に積層された金属製の上蓋4dとからなっ
ている。
【0172】上記容器本体2,2aには、包装食品P,
Paを装填する食品装填室21,21aが設けられ、こ
の食品装填室21,21a内に包装食品P,Paを装填
した状態で容器本体2,2a上に中間板220、絶縁板
230および上蓋4dが順次積層されることによって食
品装填室21,21a内に密閉空間が形成されるように
している。このような包装食品装填容器1gの底板3e
の底面には、幅方向(図22の紙面の左右方向)一対で
前後方向(図21の紙面の左右方向)に延びる下部ガイ
ド溝301が凹設されているとともに、上蓋4dの上面
にも同様の上部ガイド溝401が凹設されている。
【0173】一方、本実施形態の包装食品装填容器1g
に適用される包装食品殺菌装置10cは、幅方向で互い
に対向した複数対の下部ローラ191と、上方でこれら
下部ローラ19に対向した複数対の上部ローラ192
と、包装食品装填容器1gを誘電加熱域R31に押し込
むプッシャーラム193とを備えている。上記プッシャ
ーラム193は、図略の駆動機構の駆動によって前後方
向に往復動するように構成され、往動時には包装食品装
填容器1gを誘電加熱域R31に向けてそれを通過する
まで押圧するようになっている。
【0174】上記下部ローラ191の幅方向芯間の距離
は、上記下部ガイド溝301間の芯間距離に等しく寸法
設定され、これによって、図22に示すように、左右の
下部ローラ191は、左右の下部ガイド溝301に嵌ま
り込んだ状態で包装食品装填容器1gを前後方向に移動
可能に支持するようになっている。
【0175】また、誘電加熱域R31においては、上記
上部ローラ192の幅方向芯間の距離は、上記上部ガイ
ド溝401間の芯間距離に等しく寸法設定され、これに
よって下部ローラ191に支持されて誘電加熱域R31
を移動する包装食品装填容器1gは上部ガイド溝401
に嵌まり込んだ上部ローラ192に押圧されて食品装填
室21,21a内の加圧状態を維持し得るようになって
いる。
【0176】また、上部ローラ192は、誘電加熱域R
31より上流側(図21の右方)においては、上流に向
かって高さレベルが漸増するように高さ設定され、これ
によって誘電加熱域R31より上流側に位置した包装食
品装填容器1gは、プッシャーラム193によって前方
に向けて押圧されることにより、誘電加熱域R31に容
易に入り込み得るようになっている。
【0177】そして、包装食品装填容器1gが誘電加熱
域R31に押し込まれた状態で、図略の高周波発生機か
らの高周波電圧が中間板220および底板3eを介して
食品装填室21,21a内の包装食品P,Paに印加さ
れ、これによって包装食品P,Paが誘電加熱されると
ともに、内壁非密着タイプの包装食品Paの場合には食
品装填室21a内に加圧熱風が供給されて補助加熱が施
されるとともに、包装食品Paの破袋が防止されるよう
になっている。
【0178】第8実施形態の包装食品装填容器1gによ
れば、包装食品装填容器1gに複雑な構造のロック機構
を設けることなく誘電加熱域R31において食品装填室
21,21a内を密封空間にすることが可能であり、包
装食品装填容器1gの構造を簡単なものにすることがで
き、包装食品装填容器1gの製造コストの軽減化を図る
上で有効である。
【0179】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0180】(1)第1実施形態の包装食品装填容器1
には上蓋4の閉蓋状態をロックするロック手段が設けら
れていないが、第1実施形態の包装食品装填容器1にも
第2実施形態の包装食品装填容器1aと同様にロック手
段36を設けてもよい。こうすることによって、包装食
品Pが100℃以上に加熱されても、上蓋4の開蓋を防
止することできるため、第1実施形態の包装食品殺菌装
置10を用いて包装食品Pに加熱殺菌処理を施すに際
し、包装食品装填容器1を対向電極72間で押圧挟持し
つつ冷却処理を施す必要がなくなり、第1実施形態の包
装食品殺菌装置10の殺菌処理効率を向上させることが
可能になる。
【0181】(2)第2実施形態の包装食品殺菌装置1
0aにおいては、第1および第2冷却位置R14,R1
5での上流側および下流側冷却機構8a,8bにおける
包装食品Paの冷却処理は、底板3および上蓋4内に冷
却水源81からの冷却水を供給することにより行うよう
にしているが、こうする代わりに、食品装填室21a内
に冷却水を導入し、包装食品Paと冷却水との直接的な
熱交換で包装食品Paを冷却するようにしてもよい。
【0182】(3)第1実施形態の包装食品殺菌装置1
0においては、底板3および上蓋4を予熱する熱媒体と
して予熱機構6の熱水源61からの熱水が用いられてい
るが、熱媒体として熱水に代えて加熱蒸気や加熱空気
(熱風)を採用してもよい。
【0183】(4)第2実施形態の包装食品殺菌装置1
0aにおいては、外部加熱機構80のボイラー801か
らの加熱蒸気によって底板3および上蓋4が加熱される
ようにしているが、こうする代わりに底板3および上蓋
4に熱水や熱風を供給するように構成してもよい。
【0184】(5)第2実施形態の包装食品殺菌装置1
0aにおいては、加圧予熱機構60のヒーター601か
らの熱風が包装食品装填容器1aの食品装填室21a内
に供給され、これによって包装食品Paが予熱されるよ
うにしているが、これに代えて、あるいはこれに加えて
底板3および上蓋4内に熱媒体を供給して包装食品Pa
を予熱するようにしてもよい。
【0185】(6)上記の実施形態の包装食品殺菌装置
10,10aにおいては、包装食品装填容器1,1aを
上下で並設されたコンベヤベルト13やタイミングベル
ト130によって周回移動させるようにしているが、こ
うする代わりに同一水平面上で周回移動させるようにし
てもよい。
【0186】(7)第1および第2実施形態の包装食品
殺菌装置10,10aにおいては、冷却機構8,8a,
8bの下流側に包装食品取出し機構9が設けられ、この
包装食品取出し機構9は包装食品P,Paを浸漬して冷
却する冷却水槽91を有しているが、冷却水槽91の設
置を省略し、包装食品装填容器1,1aから取り出され
た包装食品P,Paのコンベヤベルト等による移送中に
包装食品P,Paを自然放冷させるように構成してもよ
い。
【0187】(8)第7実施形態の包装食品装填容器1
fにおいて、底板3dの内装されたケーシング210と
上蓋4cとを天地逆転させた状態にしてもよい。こうす
ることによって上蓋4c(天地逆転させることによって
上蓋4cは実際には下蓋になる)は通常は開放された状
態になるため、蓋開放のための機構を設ける必要がなく
なる。その代り蓋閉止機構を設ける必要があるが、通
常、蓋開放機構よりも蓋閉止機構の方が構造が簡である
ため(すなわち、移動している包装食品装填容器1fの
常開の蓋を閉めるためには移動経路に蓋に干渉する干渉
突片を設けるだけでよいため)、その分設備コストの軽
減に寄与することができる。
【0188】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、包装食品
殺菌装置は、内部に包装食品を装填する複数の包装食品
装填容器と、これら包装食品装填容器を移動経路に沿っ
て移動させる容器移動手段とを有し、上記移動経路に
は、包装食品を包装食品装填容器内に装填する包装食品
装填機構と、上記包装食品装填容器内に装填された包装
食品に誘電加熱を施して加熱殺菌を行う誘電加熱部と、
上記包装食品装填容器内の誘電加熱による加熱殺菌が完
了した包装食品Pを包装食品装填容器から外部に取り出
す包装食品取出し機構とを順次配設したため、容器移動
手段の駆動で移動経路に沿って循環移動している包装食
品装填容器に包装食品装填機構の動作により包装食品を
順次装填することにより、包装食品を循環経路を移動さ
せながら誘電加熱部において順次誘電加熱で殺菌するこ
とができ、つぎの包装食品取出し機構において包装食品
装填容器から順次取り出すことができる。
【0189】このように、複数の包装食品装填容器を容
器移動手段の駆動によって循環移動させることにより、
循環経路に沿って配設された包装食品装填機構、誘電加
熱部および包装食品取出し機構によって包装食品の包装
食品装填容器内への装填操作、装填された包装食品の殺
菌処理、および殺菌後の包装食品の取り出し操作が順次
自動的に行われるため、従来のように対向電極間に包装
食品を逐一装填して殺菌処理を施した後、対向電極間か
ら包装食品を逐一取り出すバッチ処理に比べて殺菌処理
を連続的に効率よく施すことができる。
【0190】請求項2記載の発明によれば、誘電加熱部
の上流側の移動路に沿って上記包装食品を上記包装食品
装填容器内に装填する包装食品装填機構を設けたため、
複数の包装食品装填容器を容器移動手段の駆動によって
移動させるだけで、包装食品の包装食品装填容器内への
装填操作が移動路に沿って配設された包装食品装填機構
によって自動的に行われ、手作業で装填作業を行う場合
に比べて作業効率を向上させることができる。
【0191】請求項3記載の発明によれば、誘電加熱部
の下流側の移動路に沿って誘電加熱による加熱殺菌が完
了した包装食品Pを包装食品装填容器内から外部に取り
出す包装食品取出し機構を設けたため、複数の包装食品
装填容器を容器移動手段の駆動によって移動させるだけ
で、殺菌後の包装食品の取り出し操作が移動路に沿って
配設された包装食品取出し機構によって自動的に行わ
れ、手作業で装填作業を行う場合に比べて作業効率を向
上させることができる。
【0192】請求項4記載の発明によれば、移動路を移
動中の包装食品装填容器内の開放規制する開放規制手段
を設けたため、包装食品装填容器内の包装食品が100
℃以上に加熱され、これにより包装食品内部が水分の気
化で高圧になっても、開放規制手段の作用によって包装
食品の包装容器の破損(破袋)が阻止され、包装食品を
100℃以上の高温で殺菌処理することができる。
【0193】請求項5記載の発明によれば、上記誘電加
熱部の上流側に包装食品装填容器を加熱する加熱機構を
介設したため、包装食品装填容器内に装填された包装食
品は、包装食品装填機構により誘電加熱部に到達するま
でに加熱機構によって予熱され、誘電加熱では昇温しな
い底板および上蓋も温められ、誘電加熱部における加熱
殺菌処理をより効率的に短時間で行うことができ、殺菌
処理効率を向上させる上で好都合である。
【0194】請求項6記載の発明によれば、誘電加熱部
と包装食品取出し機構との間に加熱殺菌処理が完了した
包装食品装填容器内の包装食品を冷却する冷却機構を介
設したため、誘電加熱部による加熱殺菌処理の完了した
包装食品は、包装食品取出し機構に移るまでに冷却機構
によって冷却され、これによって包装食品装填容器から
取り出された包装食品を手作業等によって容易に取り扱
うことができる。
【0195】請求項7記載の発明によれば、包装食品装
填容器は、非導電性材料からなる環状の容器本体と、こ
の容器本体の底面開口を閉止する導電性材料からなる底
板と、上記容器本体の上部開口を開閉自在に閉止する導
電性材料からなる上蓋とからなり、上記容器本体内に包
装食品を装填する食品装填室が形成され、上記底板およ
び上蓋には内部に熱媒体を流通させる熱媒体通路を設け
たため、熱媒体流通通路に所定の熱媒体を流通させるこ
とにより上蓋および底板を容易に加熱あるいは冷却する
ことができる。
【0196】請求項8記載の発明によれば、包装食品装
填容器に上蓋の閉蓋状態をロックするロック機構を設け
たため、食品装填室内で包装食品が100℃以上に加熱
され、これによって包装食品内の水分の蒸発によって食
品装填室内が高圧になっても、ロック機構によって上蓋
の閉蓋状態をロックしておくことにより、上蓋の開蓋を
確実に防止することができる。
【0197】請求項9記載の発明によれば、容器本体
を、上蓋が閉じられた状態で上記食品装填室内に冷却媒
体を導入し得るように構成したため、食品装填室内に熱
媒体を導入することにより包装食品は冷却媒体によって
直接冷却され、これによって包装食品の冷却効率を向上
させることができる。
【0198】請求項10記載の発明によれば、食品装填
室を備えた複数の包装食品装填容器を循環移動させつつ
包装食品を食品装填室内に順次装填して誘電加熱で殺菌
処理して排出するようにしてあり、包装食品装填容器の
循環経路に沿ってされた装填位置では包装食品装填容器
の食品装填室に包装食品を装填して密閉し、誘電加熱位
置では包装食品装填容器内の包装食品に包装食品装填容
器を介して高周波を印加し、冷却位置では包装食品装填
容器内の包装食品を冷却し、取出し位置では包装食品装
填容器の密封状態を解除して食品装填室内の包装食品を
取り出すようにしているため、各位置において所定の処
理が施されて殺菌処理が完了した包装食品が包装食品装
填容器から順次取り出されるように連続処理が可能にな
っており、従来のように包装食品装填容器を所定の位置
に据え付け、この動かない包装食品装填容器に対して包
装食品の装填操作を行い、ついで食品装填室内の包装食
品に誘電加熱処理を施し、引き続き冷却処理を行い、つ
いで食品装填室内の包装食品を取り出すというバッチ処
理の場合には、据え付け場所の近傍にこのような複雑な
操作を行う装置を設けなければならず、装置が非常に複
雑になり設備コストが嵩むという問題点が生じず、設備
コストを安価に抑えることができるとともに、殺菌処理
効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る包装食品装填容易の第1実施形態
を示す斜視図であり、上蓋が開放された状態を示してい
る。
【図2】本発明に係る包装食品装填容易の第1実施形態
を示す斜視図であり、上蓋が閉止された状態を示してい
る。
【図3】図2のA−A線断面図であり、(イ)は上蓋が
開放された状態、(ロ)は上蓋が閉止された状態をそれ
ぞれ示している。
【図4】本発明に係る包装食品装填容器の第2実施形態
を示す斜視図であり、上蓋が開放された状態を示してい
る。
【図5】本発明に係る包装食品装填容易の第2実施形態
を示す斜視図であり、上蓋が閉止された状態を示してい
る。
【図6】図5のB−B線断面図であり、(イ)は上蓋が
開放された状態、(ロ)は上蓋が閉止された状態をそれ
ぞれ示している。
【図7】本発明に係る包装食品装填容器の第3実施形態
の要部を示す断面図である。
【図8】本発明に係る包装食品装填容器の第4実施形態
の要部を示す断面図である。
【図9】本発明に係る包装食品装填容器の第5実施形態
の要部を示す断面図である。
【図10】本発明に係る包装食品装填容器の第6実施形
態の要部を示す断面図である。
【図11】第1実施形態の包装食品装填容器を用いた包
装食品殺菌装置を示す斜視図である。
【図12】第1実施形態の包装食品殺菌装置の制御系統
の一例を示すブロック図である。
【図13】第1実施形態の包装食品殺菌装置に対応した
包装食品の加熱殺菌処理方式を示す説明図であり、
(イ)は工程図、(ロ)は予熱工程〜冷却工程における
包装食品の温度の経時変化を示すグラフである。
【図14】第2実施形態の包装食品装填容器を用いた包
装食品殺菌装置を示す斜視図である。
【図15】第2実施形態の包装食品殺菌装置の制御系統
の一例を示すブロック図である。
【図16】第2実施形態の包装食品殺菌装置に対応した
包装食品の加熱殺菌処理方式を示す説明図であり、
(イ)は工程図、(ロ)は予熱工程〜冷却工程における
包装食品の温度の経時変化を示すグラフである。
【図17】第2実施形態における高周波電力の給電方式
の他の実施形態を示す説明図である。
【図18】本発明に係る包装食品装填容器の第7実施形
態を示す斜視図であり、上蓋が開放された状態を示して
いる。
【図19】本発明に係る包装食品装填容器の第7実施形
態を示す斜視図であり、上蓋が閉止された状態を示して
いる。
【図20】図19のC−C線断面図である。
【図21】本発明に係る包装食品装填容器の第8実施形
態を示す側面断面視の説明図である。
【図22】図21のD−D線矢視図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g 包装
食品装填容器1 10,10a,10b 包装食品殺菌装置 11,11a ベルトコンベヤ(容器移動手段) 12 回転ドラム 12a 駆動ドラム 12b 従動ドラム 13 コンベヤベルト 130 タイミングベルト 2,2a,2b,2c,2d,2d,2e 容器本体 21,21a,21c,21d 食品装填室 3,3a,3b,3c,3d,3e 底板 31 下部蝶番 32 下部流体通路 33,43,330 流体導入用口金 34,44,440 流体排出用口金 35 接続片 36 ロック手段 37 ブラケット 38回動片 39 ロック片 4,4a,4b,4c,4d 上蓋 41 上部蝶番 42 上部流体通路 43 流体導入用口金 45 操作突片 5 包装食品装填機構 50 ロック機構 51 装填装置 52 蓋開閉手段 53 シリンダ装置 54 操作ロッド 6 予熱機構 60 加圧予熱機構 7,7a 誘電加熱部 8 冷却機構 8a 上流側冷却機構 8b 下流側冷却機構 80 外部加熱機構 9 包装食品取出し機構 90 ロック解除機構 P,Pa 包装食品

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包装食品を誘電加熱して殺菌処理する包
    装食品殺菌装置であって、内部に包装食品を装填する複
    数の包装食品装填容器と、これら包装食品装填容器を移
    動路に沿って移動させる容器移動手段と、この容器移動
    手段によって移動中の上記包装食品装填容器内に装填さ
    れた包装食品に誘電加熱を施して加熱殺菌を行う誘電加
    熱部とからなることを特徴とする包装食品殺菌装置。
  2. 【請求項2】 上記誘電加熱部の上流側の移動路に沿っ
    て上記包装食品を上記包装食品装填容器内に装填する包
    装食品装填機構が設けられていることを特徴とする請求
    項1記載の包装食品殺菌装置。
  3. 【請求項3】 上記誘電加熱部の下流側の移動路に沿っ
    て誘電加熱による加熱殺菌が完了した包装食品Pを包装
    食品装填容器内から外部に取り出す包装食品取出し機構
    が設けられていることを特徴とする請求項1または2記
    載の包装食品殺菌装置。
  4. 【請求項4】 上記移動路を移動中の包装食品装填容器
    の開放を規制する開放規制手段が設けられていることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の包装食品
    殺菌装置。
  5. 【請求項5】 上記誘電加熱部の上流側に包装食品装填
    容器および包装食品のいずれが一方または双方を加熱す
    る加熱機構が介設されていることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の包装食品殺菌装置。
  6. 【請求項6】 上記誘電加熱部と包装食品取出し機構と
    の間に誘電加熱による加熱殺菌処理が完了した包装食品
    装填容器内の包装食品を冷却する冷却機構が介設されて
    いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の包装食品殺菌装置。
  7. 【請求項7】 上記包装食品装填容器は、上記包装食品
    を装填する装填室を備えた容器本体と、この容器本体の
    開口を閉止する蓋体とからなり、かつ、上記装填室内に
    包装食品を装填して上記蓋体を閉止することにより誘電
    加熱可能に構成されているとともに、上記装填室内に装
    填された包装食品を、誘電加熱以外の補助加熱手段で加
    熱し得るように構成されていることを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれかに記載の包装食品殺菌装置。
  8. 【請求項8】 上記開放規制手段は、上記包装食品装填
    容器の上蓋の閉蓋状態をロックするロック機構であるこ
    と特徴とする請求項4記載の包装食品殺菌装置。
  9. 【請求項9】 上記容器本体は、上記食品装填室内に外
    部から冷却媒体を導入し得るように構成されていること
    を特徴とする請求項6記載の包装食品殺菌装置。
  10. 【請求項10】 内部を密閉空間にし得る食品装填室を
    備えた複数の包装食品装填容器を循環移動させつつ包装
    食品を食品装填室内に順次装填して誘電加熱で殺菌処理
    して排出する包装食品殺菌方法であって、包装食品装填
    容器の循環経路に沿って装填位置、誘電加熱位置、冷却
    位置および取出し位置を設定し、上記装填位置に位置し
    た包装食品装填容器の食品装填室に包装食品を装填して
    密閉し、上記誘電加熱位置に位置した包装食品装填容器
    内の包装食品に包装食品装填容器を介して高周波を印加
    して誘電加熱することにより包装食品に殺菌処理を施
    し、上記冷却位置に位置した包装食品装填容器内の包装
    食品を冷却し、上記取出し位置に位置した包装食品装填
    容器の密封状態を解除して食品装填室内の包装食品を取
    り出すことを特徴とする包装食品殺菌方法。
JP21960397A 1997-04-30 1997-08-14 包装食品殺菌装置および殺菌方法 Withdrawn JPH119243A (ja)

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EP98937823A EP0968661A4 (en) 1997-08-14 1998-08-14 PROCESS AND DEVICE FOR PASTEURIZING PACKAGED FOOD PRODUCT
US09/284,494 US6323473B1 (en) 1997-08-14 1998-08-14 Packed food pasteurizing device and pasteurizing method

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000325056A (ja) * 1999-05-20 2000-11-28 Otsuka Chem Co Ltd 密封包装物品の加熱方法、密封包装物品収容ケース及び密封包装物品加熱装置
JP2007330272A (ja) * 2007-09-21 2007-12-27 Dainippon Printing Co Ltd 固形物の殺菌方法
CN111227157A (zh) * 2019-04-16 2020-06-05 石河子大学 带式无线射频杀菌装置

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