JPH1192438A - ニトリル類の製造法 - Google Patents

ニトリル類の製造法

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JPH1192438A
JPH1192438A JP26155097A JP26155097A JPH1192438A JP H1192438 A JPH1192438 A JP H1192438A JP 26155097 A JP26155097 A JP 26155097A JP 26155097 A JP26155097 A JP 26155097A JP H1192438 A JPH1192438 A JP H1192438A
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JP
Japan
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nitriles
trifluoroacetic acid
carboxamides
mol component
group
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JP26155097A
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English (en)
Inventor
Toshio Isobe
敏男 磯部
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SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 カルボキサミド類に、トリフルオロ酢酸
及び次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってそれぞれ低級
アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは2又
は3の整数を示す〕で表わされるハロイミニウム塩を反
応させることを特徴とするニトリル類の製造法。 【効果】 穏やかな条件下、工業的に有利な方法で有機
合成や有機合成の中間体等に有用なニトリル類を製造す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニトリル類の製造法
に関し、更に詳細にはカルボキサミド類にトリフルオロ
酢酸及び特定のハロイミニウム塩を反応させることによ
り工業上有利にニトリル類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニトリル類はアミン、カルボン酸、ケト
ンあるいはイミンなどの化合物に容易に変換できるた
め、有機合成における重要な中間体である。また、ニト
リル類は複素環化合物構築において構成単位として利用
されるため、医薬品や農薬の分野においても有用であ
る。
【0003】一方、カルボキサミド類の脱水反応により
ニトリル類を合成する方法は、ハロゲン化物から置換反
応によりニトリル類に変換する方法と並んで最も一般的
かつ重要な方法であり、脱水剤として五酸化リン、塩化
チオニル、ホスゲン、無水酢酸、五塩化リンあるいはト
リフェニルフォスフィン−無水トリフルオロスルホン酸
錯体、ジシクロヘキシルカルボジイミド等を用いる方法
が知られている。
【0004】しかしながら、五酸化リンを用いる方法
〔Org. Synth., IV, 144(1963)〕は、反応に170℃付
近の高温を必要とするうえ、加熱反応中に気泡が生じる
ので大きい反応容器を要する欠点がある。また、塩化チ
オニル〔Org. Synth., IV, 436(1963)〕、ホスゲン(J.
Chem. Soc., 1954, 3730)、五塩化リン〔Org. Synt
h., II, 379(1943)〕等のハロゲン化物を脱水剤に用い
る方法は、腐食性の強いハロゲン化水素を発生するため
工業的規模での実施に際しては特殊な反応容器を必要と
し、アルカリ洗浄塔等の設備を備えなければならなかっ
た。更に反応系が強酸性となるため酸に弱い官能基を有
するカルボキサミド類には適用できないか、適用できた
としても収率が低下するという欠点があった。トリフェ
ニルフォスフィン−無水トリフルオロスルホン酸錯体を
用いる方法(Tetrahedron Lett., 1975, 277)は、毒性
の強いトリフェニルフォスフィンを用いなければなら
ず、また反応終了後フォスフォニウム塩とトリフェニル
フォスフィンオキシドを大量に生ずるため分離精製が困
難であった。ジシクロヘキシルカルボジイミドを用いる
方法〔J. Org. Chem., 26, 3356(1961)〕は、DCCが
皮膚刺激性があることや副生するジシクロヘキシル尿素
の処理に問題があることが指摘されている。このよう
に、いずれの方法も工業的製法としては不向きなもので
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、穏やかな条件下で、特殊な装置や高温に加熱を必要
とすることなく、高収率でしかも工業的に有利なニトリ
ル類の製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者はニトリル類の新たな製造法を見出すべく鋭意研
究を行った結果、カルボキサミド類にトリフルオロ酢酸
及び下記一般式(1)で表わされるハロイミニウム塩を
反応させれば、穏やかな条件下で、しかも高収率でニト
リル類が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、カルボキサミド類
に、トリフルオロ酢酸及び次の一般式(1)
【0008】
【化2】
【0009】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
それぞれ低級アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示
し、nは2又は3の整数を示す〕で表わされるハロイミ
ニウム塩を反応させることを特徴とするニトリル類の製
造法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造法は、カルボキサミ
ド類にトリフルオロ酢酸及び一般式(1)で表わされる
ハロイミニウム塩を反応させるものであり、次の反応式
で示される。
【0011】
【化3】
【0012】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
それぞれ低級アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を、
nは2又は3の整数を示す。R3 は有機基を示し、Bは
塩基を示す〕
【0013】本発明に用いるハロイミニウム塩は一般式
(1)で表わされるものであり、式中、R1 及びR2
示される低級アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基等が挙げられる。また、Xで示されるハロ
ゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子が特に好ましい。
ハロイミニウム塩(1)の好ましい具体例としては、2
−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライ
ド、2−クロロ−1,3−ジメチル−3,4,5,6−
テトラヒドロピリミジニウムクロライド等を挙げること
ができる。
【0014】このハロイミニウム塩(1)は、例えば入
手容易な溶剤として知られている前記一般式(7)で表
わされる化合物に、オキザリルハロゲニド、三ハロゲン
化リン、五ハロゲン化リン、オキシハロゲン化リン、ホ
スゲン、トリクロロメチルクロロホルメート等の自体公
知のハロゲン化剤を反応せしめることにより容易に得ら
れる。この反応は、化合物(7)又はハロゲン化剤の何
れか一方を四塩化炭素等の適当な溶媒に溶かしておき、
これに他方を少量ずつ添加し、更に室温〜70℃で数時
間〜十数時間反応させることによって行われる。斯くし
て得られたハロイミニウム塩(1)は単離することもで
きるが、単離することなく、その反応液を本発明の反応
に使用することもできる。
【0015】本発明方法に用いる原料化合物であるカル
ボキサミド類(2)において、R3で示される有機基と
しては、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケ
ニル基、芳香族基若しくは複素環式基等が挙げられる。
更にカルボキサミド類がエーテル結合、オレフィン結
合、ニトロ基等を含む置換基を有していてもよい。
【0016】塩基としては、ピリジン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン等を使用することができる。
【0017】本発明方法を実施するには、カルボキサミ
ド類(2)1モルに対し、トリフルオロ酢酸(3)約1
モル、ハロイミニウム塩(1)約1モル及び塩基(4)
約2モルを加え、加熱して反応させればよい。反応溶媒
は用いなくともよいが、ジクロルメタン、ジクロルエタ
ン等のハロゲン化炭化水素、エーテル類、芳香族炭化水
素等の反応に関与しない溶媒を用いることもできる。本
発明方法では、ハロイミニウム塩(1)が水溶性化合物
(7)に変化するため分離精製も容易である。従って、
反応混合物から目的とするニトリル類の単離は、蒸留や
再結晶等の常法により簡便に行うことができる。
【0018】
【発明の効果】本発明方法によれば、穏やかな条件下
で、カルボキサミド類より有機合成や有機合成の中間体
等に有用なニトリル類を効率よく製造することができ
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。
【0020】実施例1 ベンゾニトリルの製造 アセトニトリル20ml中にベンズアミド2.00g(1
6.5mmol)、トリエチルアミン4.00g(39.6
mmol)及びトリフルオロ酢酸1.88g(16.5mmo
l)を加え、この中に2−クロロ−1,3−ジメチルイ
ミダゾリニウムクロライド3.35g(19.8mmol)
のアセトニトリル10ml溶液を滴下し、終了後4時間加
熱還流した。放冷後反応液に水を加え塩化メチレンで抽
出し、抽出液は炭酸カリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。次いで、減圧下溶媒を留去し
て得た残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:n
−ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し標記化合物を1.
51g(収率89%)得た。 IR;νmax neatcm-1:2230
【0021】実施例2 2−シアノチオフェンの製造 アセトニトリル20ml中に2−チオフェンカルボキサミ
ド2.00g(15.7mmol)、トリエチルアミン3.
81g(37.7mmol)及びトリフルオロ酢酸1.79
g(15.7mmol)を加え、この中に2−クロロ−1,
3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド3.19g
(18.9mmol)のアセトニトリル10ml溶液を滴下
し、終了後6時間加熱還流した。以下実施例1と同様の
操作を行い標記化合物を1.43g(収率84%)得
た。 IR;νmax neatcm-1:2220
【0022】実施例3 シクロヘキサンカルボニトリ
ルの製造 アセトニトリル20ml中にシクロヘキサンカルボキサミ
ド2.00g(15.7mmol)、トリエチルアミン3.
81g(37.7mmol)及びトリフルオロ酢酸1.79
g(15.7mmol)を加え、この中に2−クロロ−1,
3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド3.19g
(18.9mmol)のアセトニトリル10ml溶液を滴下
し、終了後4時間加熱還流した。以下実施例1と同様の
操作を行い標記化合物を1.36g(収率80%)得
た。 IR;νmax neatcm-1:2240

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキサミド類に、トリフルオロ酢酸
    及び次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってそれぞれ低級
    アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは2又
    は3の整数を示す〕で表わされるハロイミニウム塩を反
    応させることを特徴とするニトリル類の製造法。
JP26155097A 1997-09-26 1997-09-26 ニトリル類の製造法 Pending JPH1192438A (ja)

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