JPH119200A - 乳化剤組成物および乳化剤含有水溶液 - Google Patents
乳化剤組成物および乳化剤含有水溶液Info
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Abstract
に優れ、pH3.5〜7の酸性ないし中性域の飲料用に
使用可能な乳化剤組成物を提供する。また上記の乳化剤
組成物を使用した各種の水溶液製品を提供する。 【解決手段】(a)下記のA成分とB成分および/また
はC成分とを含有し、A成分に対するB成分および/ま
たはC成分の重量比が0.1〜100である乳化剤組成
物、並びに、(b)上記の乳化剤組成物を含有し、A成
分の含有量が2重量%以下である乳化剤含有水溶液。 A.構成脂肪酸が炭素数10〜24の飽和または不飽和
の脂肪酸であるジグリセリン脂肪酸エステル B.炭素数10〜14の飽和脂肪酸と平均重合度4以上
のポリグリセリンとの部分エステルから成るポリグリセ
リン脂肪酸酸エステル C.構成脂肪酸が炭素数10〜14の飽和脂肪酸である
ショ糖脂肪酸エステル
Description
び乳化剤含有水溶液に関し、詳しくは、ジグリセリン脂
肪酸エステルを含有する乳化剤組成物であって、特に、
酸性ないし中性条件においても沈殿を生じず、ジグリセ
リン脂肪酸エステルを安定に分散させることが出来る乳
化剤組成物および乳化剤含有水溶液に関する。
セリンと脂肪酸の比率、および、脂肪酸の種類を変える
ことにより、HLBが6〜10となり、O/W乳化など
に使用可能な乳化剤として、特に食品用途に広く応用が
期待されている。
は、水に対する溶解性が低く、モノエステル純品であっ
ても、100ppm程度の低濃度での添加で溶液に濁り
を生じ、経時的に沈殿を生じる。従って、食品中への均
一な分散と製品むらの防止のため、使用に際し、確実に
分散を行うための十分な予備撹拌が必要である。
拌が不適な場合もあり、使用できる食品の種類や乳化剤
の使用濃度には自ずと制限がある。また、ジグリセリン
脂肪酸エステルは、酸性pHや塩濃度などの条件によ
り、更に分散性が低下するため、ジグリセリンを飲料に
用いる場合においてはpH調整の操作が不可欠である。
すなわち、均一な外観や透明性が要求される酸性ないし
中性領域の食品においては、ジグリセリン脂肪酸エステ
ルを使用することは困難とされていた。
鑑みなされたものであり、その目的は、ジグリセリン脂
肪酸エステルを含有し、分散性に優れ、pH3.5〜7
の酸性ないし中性域の飲料用に使用可能な乳化剤組成物
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上
記の乳化剤組成物を使用した各種の水溶液製品を提供す
ることにある。
重ねた結果、ジグリセリン脂肪酸エステルに対し、特定
のポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又は特定のショ
糖脂肪酸エステルを特定の比率で混合した乳化剤組成物
によれば、水溶液中でも沈澱を生ずること無く分散し得
るとの知見を得た。
ものであり、その第1の要旨は、下記のA成分とB成分
および/またはC成分とを含有し、A成分に対するB成
分および/またはC成分の重量比が0.1〜100であ
ることを特徴とする乳化剤組成物に存する。
または不飽和の脂肪酸であるジグリセリン脂肪酸エステ
ル B.炭素数10〜14の飽和脂肪酸と平均重合度4以上
のポリグリセリンとの部分エステルから成るポリグリセ
リン脂肪酸酸エステル C.構成脂肪酸が炭素数10〜14の飽和脂肪酸である
ショ糖脂肪酸エステル
化剤組成物を含有し、A成分の含有量が2重量%以下で
あることを特徴とする乳化剤含有水溶液に存する。
本発明においては、以下のA成分とB成分および/また
はC成分とを使用する。
の飽和または不飽和の脂肪酸であるジグリセリン脂肪酸
エステルから成る。特に、全エステルに占めるモノエス
テル含量が50重量%以上であるジグリセリン脂肪酸エ
ステルが好ましい。
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ
酸、ベヘニン酸などが挙げられる。一方、ジグリセリン
としては、通常、グリセリンの蒸留残査などから回収さ
れる精製品が使用される。
肪酸の単独または2種以上の混合脂肪酸とジグリセリン
とのエステル化反応、または、上記の脂肪酸の低級アル
コールエステルとジグリセリンとのエステル交換反応に
よって得られる。エステル化やエステル交換の反応は、
通常、アルカリ触媒を使用し、150〜260℃に加熱
して行われる。反応生成物は、反応条件にもよるが、通
常、モノエステル以外に、ジ、トリ等のポリエステルを
含む。
テル含量を高める手段としては、有機溶媒を使用した各
種のクロマトグラフィーや向流分配装置などの種々の分
画方法が利用可能であるが、分子蒸留法が最も効率的で
ある。
ル含量は、有機溶媒系のGPCカラムを使用し、検出器
にRIを利用して分析することが出来る。溶離液がTH
F(テトラヒドロフラン)の場合の分析条件の一例は次
の表1に示す通りである。
guard column(6.0mmID×4.0cm) 温度 :40℃ 溶離液:THF0.5ml/min 検出器:RI 注入量:100μl
%濃度となる様にTHFに溶解して調製され、定量は各
ピークの面積分率を各エステルの含量(重量%)として
行われる。
ルであり、炭素数10〜14の飽和脂肪酸と平均重合度
4以上のポリグリセリンとの部分エステルから成る。特
に、脂肪酸の導入率がポリグリセリンの総水酸基に対し
15〜30モル%であるポリグリセリン脂肪酸エステル
が好ましい。
は、4以上であれば特に制限されないが、エステルの親
水性を十分に高める観点から、6〜12の範囲が好まし
い。平均重合度が4未満の場合は、A成分のジグリセリ
ン脂肪酸エステルに対する分散効果が期待できない。
リグリセリン脂肪酸エステルの疎水性が強くなり、ジグ
リセリン脂肪酸エステルに対する分散効果が低下する傾
向にある。一方、15%未満の場合は、ポリグリセリン
脂肪酸エステル自体の製造が難しく、また、多量の遊離
ポリグリセリンを含有するため、活性剤成分の濃度が低
く、遊離ポリグリセリン低減に高度な濃縮が必要であ
り、製造コスト的に不利となる。
導入率は、遊離のポリグリセリンを除いた純エステル分
に対し、次の方法で測定することが出来る。
の乳化剤について、定法(基準油脂分析試験法:日本油
化学協会制定)により、水酸基価、鹸化価、酸価を測定
する。
用し、ポリグリセリン脂肪酸エステルを保持し、遊離ポ
リグリセリンを通過させ、両者を完全に分離し、続いて
ゲルパーミエーションモードでポリグリセリンと低分子
不純物とを分離する。斯かる方法により、前処理なしに
遊離ポリグリセリンの正確な絶対量が求められる。そし
て、上記で測定した水酸基価から遊離ポリグリセリンに
由来する部分を差し引き、鹸化価と酸価値と合わせ、エ
ステル化されたポリグリセリン分子における総水酸基の
内の脂肪酸導入率を計算する。
特に制限されず、所定の脂肪酸導入率となる様に、ポリ
グリセリンと脂肪酸原料とを所定のモル比で反応させれ
ばよい。反応は、通常、アルカリ触媒の存在下に130
℃以上の高温で行われる。得られたポリグリセリン脂肪
酸エステルは、そのまま使用することが出来る。
リン脂肪酸エステルの量に制限がある場合は、未反応物
である遊離ポリグリセリンを分離して精製することによ
り、添加する乳化剤総量を低減させることが出来る。そ
して、分離・精製方法としては、有機溶媒/塩水溶液ま
たは非極性有機溶媒/極性有機溶媒による液液抽出、親
水性または疎水性担体を使用したクロマトグラフィー等
が挙げられる。
の飽和脂肪酸であるショ糖脂肪酸エステルから成る。特
に、モノエステル含量が70%以上であるショ糖脂肪酸
エステルが好ましい。モノエステル含量が70%未満の
場合は、ショ糖脂肪酸エステルの親水性が不十分とな
り、ジグリセリンエステルに対する分散効果が低下する
傾向にある。モノエステルの含量は、前記のジグリセリ
ン脂肪酸エステルと同様の方法で求めることが出来る。
びC成分のショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸である炭
素数10〜14の飽和脂肪酸の具体例としては、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸などが挙げられるが、
特にラウリン酸が好ましい。これらの構成脂肪酸は2種
類以上併用してもよい。
B成分および/またはC成分を含有して成り、そして、
A成分に対するB成分および/またはC成分の重量比が
0.1〜100でなければならない。斯かる組成範囲に
おいて、本発明の乳化剤組成物は、水溶液とした際に良
好な分散状態を呈する。上記の重量比の好ましい範囲は
1〜10である。
成分を混合して得られるが、混合方法は、粉体混合の
他、溶融混合であってもよい。そして、乳化剤組成物の
形態としては、粉体状の他、水に溶解したペースト状や
乳濁液状態を採り得る。また、別々に各成分の水分散溶
液を調製して水性製品に添加することも出来る。
剤組成物を含有し、A成分の含有量が2重量%以下でな
ければならない。A成分のジグリセリンエステルの含有
量(濃度)が2重量%を超える場合は、本発明の乳化剤
含有水溶液が応用される液状によっては安定な分散状態
を保つことが困難となる。
されないが、pH3.5〜7の範囲が好ましい。pHが
7を超える場合は、乳化剤成分のエステル結合の経時的
な加水分解により乳化剤の効力が持続せず、また、pH
が3.5未満の場合は、十分な分散が困難となる傾向に
ある。
に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸などの無機
酸類、酢酸、クエン酸、琥珀酸、リンゴ酸、酒石酸、フ
マル酸、マレイン酸、乳酸などの有機酸などが挙げられ
る。
ことが出来る。斯かる無機塩としては、特に制限されな
いが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム等の中性塩が挙げられる。塩濃度は、
特に制限されないが、0.1M以下が好ましい。塩濃度
が0.1Mを超える場合は、安定な分散状態を得るのが
困難な傾向にある。
れる食品への応用例としては、例えば、ブラックコーヒ
ー、ストレート紅茶、レモンティー、ウーロン茶、緑
茶、および麦茶など穀物系の飲料の様に透明性の高い飲
料、ミルクコーヒー、ミルク紅茶、ココア等を含めた飲
料、または、レトルト殺菌処理を行う総菜類、缶詰など
が挙げられる。
添加方法は、特に制限されないが、通常、A成分のジグ
リセリン脂肪酸エステルとB成分のポリグリセリン脂肪
酸エステル及び/又はC成分のショ糖脂肪酸エステルと
を別々に水分散溶液とした後に所定の比率で水性製品に
添加するか、または、予め混合された乳化剤組成物を水
に溶解して添加する方法が採用される。
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例により限定されるものではない。なお、以下の諸例に
おいては、表2に記載の試料を使用した。
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルを脱塩水に加えて
80℃で20分加熱溶解した後、放冷し、1重量%の均
一水溶液を調製した。これらを表3に示す比率で混合
し、所定濃度となる様、クエン酸水溶液、食塩水および
脱塩水を加え、乳化剤含有水溶液10mLを調製した。
得られた各水溶液を25℃で7日間保存した後、液性状
を目視で比較した。結果を表3に示す。
に示す通りである。
セリン脂肪酸エステルが使用不能とされていた酸性ない
し中性溶液中での使用が可能である。その結果、本発明
によれば、透明性および分散安定性が要求される幅広い
飲料へのジグリセリン脂肪酸エステルの添加が可能とな
った。
他の分野でのジグリセリン脂肪酸エステルの使用の可能
性を広げることが出来る。すなわち、本発明の乳化剤組
成物は、酸性領域において安定な分散状態を保ち得るこ
とから、食品の乳化という目的以外に、工業的分野にも
広く応用することが出来る。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記のA成分とB成分および/またはC
成分とを含有し、A成分に対するB成分および/または
C成分の重量比が0.1〜100であることを特徴とす
る乳化剤組成物。 A.構成脂肪酸が炭素数10〜24の飽和または不飽和
の脂肪酸であるジグリセリン脂肪酸エステル B.炭素数10〜14の飽和脂肪酸と平均重合度4以上
のポリグリセリンとの部分エステルから成るポリグリセ
リン脂肪酸酸エステル C.構成脂肪酸が炭素数10〜14の飽和脂肪酸である
ショ糖脂肪酸エステル - 【請求項2】 A成分のジグリセリン脂肪酸エステルの
モノエステル含量が50重量%以上である請求項1に記
載の組成物。 - 【請求項3】 B成分のポリグリセリン脂肪酸酸エステ
ルの脂肪酸の導入率がポリグリセリンの総水酸基に対し
て15〜30モル%である請求項1又は2に記載の組成
物。 - 【請求項4】 C成分のショ糖脂肪酸エステルのモノエ
ステル含量が70重量%以上である請求項1〜3の何れ
かに記載の組成物。 - 【請求項5】 請求項1に記載の乳化剤組成物を含有
し、A成分の含有量が2重量%以下であることを特徴と
する乳化剤含有水溶液。 - 【請求項6】 液のpHが3.5〜7である請求項5に
記載の水溶液。 - 【請求項7】 0.1M以下の中性無機塩を含有する請
求項5又は6に記載の水溶液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18070897A JP3475047B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 乳化剤組成物および乳化剤含有水溶液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18070897A JP3475047B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 乳化剤組成物および乳化剤含有水溶液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH119200A true JPH119200A (ja) | 1999-01-19 |
JP3475047B2 JP3475047B2 (ja) | 2003-12-08 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18070897A Expired - Lifetime JP3475047B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | 乳化剤組成物および乳化剤含有水溶液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3475047B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021028341A (ja) * | 2020-11-25 | 2021-02-25 | ポーラ化成工業株式会社 | 水中油型乳化組成物 |
-
1997
- 1997-06-19 JP JP18070897A patent/JP3475047B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021028341A (ja) * | 2020-11-25 | 2021-02-25 | ポーラ化成工業株式会社 | 水中油型乳化組成物 |
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