JPH1191609A - 車両の自動操舵装置 - Google Patents

車両の自動操舵装置

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JPH1191609A
JPH1191609A JP9258975A JP25897597A JPH1191609A JP H1191609 A JPH1191609 A JP H1191609A JP 9258975 A JP9258975 A JP 9258975A JP 25897597 A JP25897597 A JP 25897597A JP H1191609 A JPH1191609 A JP H1191609A
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steering
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Hiroyuki Kosho
裕之 古性
Hiroshi Mori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非常に正確な舵角フィードバック制御が要求さ
れる自動操舵において、検出される舵角のずれ,舵角中
立値ずれを高精度に検出する。 【解決手段】車速vや車線曲率ρ等から車両が達成すべ
き横変位yを、その他の状態量と共に推定するカルマン
フィルタ等の状態推定器に、本来、固定値である舵角中
立値ずれδfofst を外乱wで変化する一次遅れ系の状態
変数として組み込み、車両の走行中、随時推定すると共
に、推定される横変位yと検出される横変位yとの誤差
εに応じて補正することで真値に近づけてゆく。また、
推定回数の増加と共に、前記一次遅れ系の時定数τを大
きくするか、又は前記横変位誤差εに係るフィードバッ
クゲインベクトルKe を小さくすることで、外乱wの影
響が舵角中立値ずれδfofst に及ぼす影響を小さくし、
次第に定数化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両を車線
に沿って走行させるために当該車両の操舵を自動的に行
う車両の自動操舵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような従来の車両の自動操舵装置と
しては、例えば特開平7−81602号公報に記載され
るものがある。この従来例に記載される車両の自動操舵
装置は、操舵に係る種々の条件,特にカーブに沿って走
行するときに、より人為的な操舵が行われるように操舵
特性を規定するものである。これにより、乗員に、より
自然な走行感や快適な乗心地を与えるようにしている。
【0003】この従来技術は、カメラ等からの画像情報
から車線に対する車両の横変位を検出するものである
が、その一方で、磁気ネイルと呼ばれる磁石などの磁力
源を車線に沿って埋設し、これを車両に取付けた磁気セ
ンサで検出して、当該車両の横変位(磁力源に対する横
位置情報であり、つまり車線に対する自車位置情報であ
る)を検出し、この検出される横変位が例えば目標とす
る横変位に一致するように、前輪又は後輪をアクチュエ
ータで操舵制御することが考えられている。しかしなが
ら、前記従来技術の自動操舵装置を実際の車両に搭載し
て、この磁気ネイルによる車線追従式の自動操舵を行わ
せると、制御の正確性が低下してしまう恐れがある。こ
れは、検出される横変位のノイズが車両の走行状態に応
じて変化することに起因することや、こうした自動操舵
装置が離散化されたシステムで構築されていることが関
与しているためである。
【0004】そこで、本出願人は、この車両の横変位を
舵角制御の単純な結果とは考えないで、例えば車速や車
線曲率を含む車両モデルで発生する種々の状態変数の一
部と考えるものとし、これに基づいて行われる自動操舵
装置を提案した。そして、それらの状態変数をカルマン
フィルタ等のオブザーバ,即ち状態推定器(状態推定手
段)で推定しながら、既に追従していると考える現在の
定常舵角に対して補正すべき舵角を算出する。そして、
この補正すべき舵角と定常舵角との和からなる目標舵角
に実際の舵角を一致させるようにフィードバック制御す
る構成とし、これにより磁気ネイルによる安定した車線
追従式自動操舵を行うことができるようになる。ちなみ
に、カルマンフィルタは、夫々が独立してフィードバッ
ク制御される種々の状態変数をモデル化して組み込み、
結果的にそれらの連鎖的な応答をなくして、単独の状態
量のフィードバック制御を容易化,正確化するものであ
る。また、更に出力される推定状態変数と検出された状
態変数との出力誤差に応じてモデル,即ち推定される状
態量を補正可能としたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
車線追従式自動操舵装置を始めとする舵角のフィードバ
ック制御では、当然ながら検出される舵角と、真の舵角
との誤差について考慮しなければならない。特に自動操
舵装置では、非常に正確な舵角のフィードバック制御が
要求される。より具体的には、例えば舵角センサがエン
コーダ等で構成されている場合にあって、例えば平坦な
路面で車両を直進走行させるに足る舵角の中立状態を真
の舵角の中立値と定義すると、この真の舵角の中立値に
対して検出される舵角の中立値とのずれが、例えばドリ
フト成分として重畳されて検出される。従って、検出さ
れる舵角と真の舵角との誤差については、この舵角中立
値ずれを検出すればよいことになる。このような舵角中
立値ずれは、例えば舵角センサの個体差のみならず、組
付け誤差なども含まれているので、少なくともその検出
は、実際に車両を走行してみなければならない。
【0006】この舵角中立値ずれを検出する手法は種々
に開発されており、その一つとして、例えばエンジンを
始動した後、所定の時間間隔で舵角センサからの検出値
の平均値を算出し、それを舵角中立値ずれと見なすもの
もある。しかしながら、この手法では、例えば螺旋式の
駐車場等のようにエンジン始動後にカーブが連続するよ
うな状態では、ステアリングホイールを切った状態での
検出値を舵角中立値ずれと誤認識してしまうし、例え直
線路であっても操舵入力によって前記所定時間内の平均
値が真の舵角中立値ずれにならない恐れもある。勿論、
前記所定時間を長く設定すれば、舵角中立値ずれを真値
に近づけることも可能であるが、その間は舵角フィード
バック制御を行えないというトレードオフもある。ま
た、実際には直進走行に見合う車速以下のときや横加速
度を伴うときには舵角中立値ずれを算出しないようにす
ることで精度を高めてもいるが、何れの手法でも、前述
のような自動操舵装置に要求される高い精度には及ばな
い。
【0007】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、自動操舵に要求されるような舵角中立値
ずれを高い精度で検出して、舵角のフィードバック制御
を可能とする車両の自動操舵装置を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に係る車両の自動操舵装置
は、状態推定手段で車両の種々の状態変数を推定しなが
ら、車両を自動操舵するにあたり、車両を直進走行させ
る真の舵角の中立値と、検出される操舵輪の舵角の中立
値との舵角中立値ずれを、車両の状態変数の一つとして
モデル化して前記状態推定手段に組み込み、当該状態推
定手段で前記舵角中立値ずれを推定することを特徴とす
るものである。
【0009】また、本発明のうち請求項2に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項1に係る発明において、前
記舵角中立値ずれを外乱で変化する変数とし、次第に外
乱の影響を受けにくくして定数化することを特徴とする
ものである。
【0010】また、本発明のうち請求項3に係る自動操
舵装置は、前輪又は後輪を操舵する操舵アクチュエータ
と、この操舵アクチュエータによって操舵される前輪又
は後輪の舵角を検出する舵角検出手段と、走行車線に対
する車両の横変位を検出する横変位検出手段と、少なく
とも走行車線に対する車両の横変位を含む車両の状態変
数を車両モデルから推定する状態推定手段と、この推定
された車両の状態変数を用いて、前記検出された車両の
横変位と推定された車両の横変位との誤差が目標とする
値になるように、前記舵角検出手段で検出された舵角を
フィードバック制御しながら、前記操舵アクチュエータ
を制御する操舵制御手段とを備えた車両の自動操舵装置
において、前記状態推定手段は、車両を直進走行させる
真の舵角の中立値と、前記舵角検出手段で検出される舵
角の中立値との舵角中立値ずれを、モデル化された車両
の状態変数の一つとして推定し、前記操舵制御手段は、
この状態推定手段で推定された舵角の中立値とのずれを
用いて前記舵角をフィードバック制御することを特徴と
するものである。
【0011】また、本発明のうち請求項4に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項3に係る発明において、前
記状態推定手段は、直線又は略直線の車線を走行してい
るときに前記舵角中立値ずれを推定又は更新するもので
あることを特徴とするものである。
【0012】また、本発明のうち請求項5に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項3に係る発明において、前
記状態推定手段は、車両の走行状態情報を検出する手段
として、少なくとも車線曲率を検出する車線曲率検出手
段を備え、この車線曲率検出手段で検出された車線曲率
を用いて前記舵角中立値ずれを推定するものであること
を特徴とするものである。
【0013】また、本発明のうち請求項6に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項3乃至5に係る発明におい
て、前記状態推定手段は、車両の走行状態情報を検出す
る手段として、車速を検出する車速検出手段を備え、こ
の車速検出手段で検出された車速を用いて前記車両モデ
ルを補正しながら前記舵角中立値ずれを含む車両の状態
変数を推定するものであることを特徴とするものであ
る。
【0014】この発明では、車両モデルが車速依存の変
数を有する場合に、車速を検出してモデルを補正するこ
とにより、推定される状態変数の精度を向上させること
を目的としている。
【0015】また、本発明のうち請求項7に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項3乃至6に係る発明におい
て、前記舵角中立値ずれを外乱で変化する一次遅れ系と
してモデル化し、前記状態推定手段は、前記舵角中立値
ずれの推定回数の増加に伴って、前記外乱の分散を小さ
くするように補正することを特徴とするものである。
【0016】この発明で、外乱の分散を小さくするよう
にという表現は、外乱の変動によって受ける影響を小さ
くするようにという意味である。また、本発明のうち請
求項8に係る車両の自動操舵装置は、前記請求項3乃至
7に係る発明において、前記舵角中立値ずれを外乱で変
化する一次遅れ系としてモデル化し、前記状態推定手段
は、前記舵角中立値ずれの推定回数の増加に伴って、前
記一次遅れ系の時定数を大きくするように補正すること
を特徴とするものである。
【0017】また、本発明のうち請求項9に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項3乃至8に係る発明におい
て、前記操舵制御手段が、前記検出された車両の横変位
と推定された車両の横変位との誤差を目標とする値に最
適化する最適レギュレータを含んで構成されることを特
徴とするものである。
【0018】また、本発明のうち請求項10に係る車両
の自動操舵装置は、前記請求項1乃至9に係る発明にお
いて、前記状態推定手段がカルマンフィルタで構成され
ることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の効果】而して、本発明のうち請求項1に係る車
両の自動操舵装置によれば、検出される舵角中立値と真
の舵角中立値との舵角中立値ずれを、車両の状態変数の
一つとしてモデル化して状態推定手段に組み込んで推定
する構成としたため、その車両モデルが実際の車両走行
を適切に反映しているものであれば、例え操舵中であっ
ても舵角中立値ずれを高い精度で検出できる。勿論、状
態推定手段は、自動操舵装置の必須構成要件であるか
ら、格別に装置を追加したりする必要もなく、簡潔でコ
スト的にも有利である。
【0020】また、本発明のうち請求項2に係る車両の
自動操舵装置によれば、舵角中立値ずれを外乱で変化す
る変数とし、次第に外乱の影響を受けにくくして定数化
する構成としたため、例えば推定開始直後には外乱の影
響を受け易くすることで真値への収束性を早め、次第に
定数化して舵角フィードバック制御を安定化させること
ができる。
【0021】また、本発明のうち請求項3に係る車両の
自動操舵装置によれば、検出される舵角中立値と真の舵
角中立値との舵角中立値ずれを、車両の状態変数の一つ
としてモデル化して状態推定手段に組み込んで推定する
構成としたため、その車両モデルが実際の車両走行を適
切に反映しているものであれば、例え操舵中であっても
舵角中立値ずれを高い精度で検出でき、正確な舵角フィ
ードバック制御によって適正な自動操舵を行うことがで
きる。勿論、状態推定手段は、自動操舵装置の必須構成
要件であるから、格別に装置を追加したりする必要もな
く、簡潔でコスト的にも有利である。
【0022】また、本発明のうち請求項4に係る車両の
自動操舵装置によれば、直線又は略直線の車線を走行し
ているときに舵角中立値ずれを推定又は更新する構成と
したため、得られる車線曲率情報が曖昧なものであると
きに、それに基づいて不正確な舵角中立値ずれを推定し
たり更新したりすることがなく、その分だけ、制御性を
向上することができる。
【0023】また、本発明のうち請求項5に係る車両の
自動操舵装置によれば、検出された車線曲率を用いて舵
角中立値ずれを推定する構成としたため、車両が曲線車
線を走行しているときでも舵角中立値ずれを推定し続け
ることができ、これにより、舵角中立値ずれの定常化を
早めて制御性を早期に向上することができる。
【0024】また、本発明のうち請求項6に係る車両の
自動操舵装置によれば、検出された車速を用いて車両モ
デルを補正しながら車両の状態変数を推定する構成とし
たため、車両モデルの車速依存性を是正して、舵角中立
値ずれを含む推定される状態変数の精度を向上させるこ
とができる。
【0025】また、本発明のうち請求項7に係る車両の
自動操舵装置によれば、舵角中立値ずれを外乱で変化す
る一次遅れ系としてモデル化すると共に、その推定回数
の増加に伴って外乱の分散を小さくするように補正する
構成としたため、推定を重ねる度に、舵角中立値ずれの
推定値が外乱の変動の影響を受けにくくなって定数化さ
れ、例えば推定開始直後には外乱の影響を受け易くする
ことで真値への収束性を早め、次第に定数化して舵角フ
ィードバック制御を安定化させることができるようにな
る。
【0026】また、本発明のうち請求項8に係る車両の
自動操舵装置によれば、舵角中立値ずれを外乱で変化す
る一次遅れ系としてモデル化すると共に、その推定回数
の増加に伴って一次遅れ系の時定数を大きくするように
補正する構成としたため、推定を重ねる度に、舵角中立
値ずれの推定値が外乱の変動の影響を受けにくくなって
定数化され、例えば推定開始直後には外乱の影響を受け
易くすることで真値への収束性を早め、次第に定数化し
て舵角フィードバック制御を安定化させることができる
ようになる。
【0027】また、本発明のうち請求項9に係る車両の
自動操舵装置によれば、最適レギュレータによって、検
出された車両の横変位と推定された車両の横変位との誤
差を目標とする値に最適化する構成としたため、種々に
変動する車両の状態変数を適正な状態にしながら、車両
の横変位を目標とする推定横変位に一致させることが可
能となる。
【0028】また、本発明のうち請求項10に係る車両
の自動操舵装置によれば、前記状態推定手段をカルマン
フィルタで構成したため、当該カルマンフィルタには出
力誤差から車両モデルや状態変数を補正する作用がある
から、その作用を用いて舵角中立値ずれを次第に適正化
したり安定化したりすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ここでは、前輪を主として操舵す
る自動操舵装置について説明する。
【0030】図1は、本発明の第1実施形態の自動操舵
装置を示す概略構成図である。同図の符号12は前左右
輪、15は後左右輪を示し、前左右輪12にはごく一般
的なラックアンドピニオン式の操舵機構が付加されてい
る。この操舵機構は、前左右輪12の操舵軸(タイロッ
ド)に接続されるラック11と、これに噛合するピニオ
ン10と、このピニオン10をステアリングホイール1
4に与えられる操舵トルクで回転させるステアリングシ
ャフト9とを備えている。
【0031】また、前記ステアリングシャフト9には、
前左右輪12を自動操舵するための自動操舵機構も付加
されている。この自動操舵機構は、前記ステアリングシ
ャフト9に同軸に取付けられたドリブンギヤ8と、これ
に噛合するドライブギヤ7と、このドライブギヤ7を回
転駆動するモータ5である。なお、モータ5とドライブ
ギヤ7との間にはクラッチ機構6が介装されており、自
動操舵制御時にのみクラッチ機構6が接続され、そうで
ないときにはクラッチ機構6が離間してモータ5の回転
力がステアリングシャフト9に入力されないようにして
いる。そして、前記モータ5を含む自動操舵機構は、後
述する自動操舵コントロールユニット13からの制御信
号で制御される。
【0032】一方、本実施形態では、後左右輪15を補
助操舵するための補助操舵機構も付加されている。この
補助操舵機構は、後左右輪15を連結する操舵杆20と
同軸に取付けられたラック19と、このラック19に噛
合し且つモータ17の回転駆動力でラック19を往動さ
せて後左右輪15を補助操舵するギヤ18とを備えてな
る。このモータ17を含む補助操舵機構も、後述する自
動操舵コントロールユニット13からの制御信号で制御
される。
【0033】また、この車両には種々のセンサ類が取付
けられている。符号3は舵角センサであり、ステアリン
グシャフト9の回転角から前左右輪12の実前輪舵角δ
f を割出して自動操舵コントロールユニット13に出力
する。また、図中の符号4は車速センサであり、例えば
変速機の出力軸の回転速度から車両の移動速度(車速)
vを割出して自動操舵コントロールユニット13に出力
する。また、図中の符号16は車線の曲率を検出する車
線曲率検出装置であり、例えば車線脇から無線送信され
る車線曲率情報を得て、その車線曲率ρを自動操舵コン
トロールユニット13に出力する。なお、この車線曲率
検出装置は、コントロールユニット13内で実行される
演算処理によって構成されるようにソフト化してもよ
く、その簡潔な内容については後述する。また、図中の
符号21は補助舵角センサであり、前記操舵杆20の移
動量から後左右輪15の実後輪舵角δr を割出して自動
操舵コントロールユニット13に出力する。
【0034】一方、磁力源として車線に沿って埋設され
た磁石の磁力は、車両の前方下部に取付けられた磁気セ
ンサ1で検出される。この磁気センサ1は、単に磁石の
磁力の大きさだけでなく、その磁力ベクトルを、車両上
下方向に相当する縦成分と、車両幅方向に相当する横成
分とに分解して、その夫々の方向と大きさとを検出する
ことができる。
【0035】この磁気センサ1の検出信号は、横変位検
出手段を構成する横変位検出装置2に出力される。この
横変位検出装置2は、後述する原理に基づいて、検出さ
れる磁力ベクトルの縦横成分比から車両(厳密には磁気
センサ1)の車線(厳密には磁石)に対する横変位の方
向と大きさとを検出(算出)する。なお、この横変位検
出装置2は、図示されないマイクロコンピュータ等の離
散化したディジタルシステムで構成されているため、前
述したような横変位のサンプリングは、予め設定された
サンプリングタイミングでしか行われない。この横変位
検出装置2で検出された車両の横変位yは、制御手段を
構成し且つ自動操舵制御を司る自動操舵コントロールユ
ニット13に出力される。
【0036】前記自動操舵コントロールユニット13
は、マイクロコンピュータのような離散化されたディジ
タルシステムで構成されている。このディジタルシステ
ムは、既存のマイクロコンピュータと同様に、前記各セ
ンサ類からの検出信号を読込むための入力インタフェー
ス回路や、必要なプログラムや演算結果等を記憶するR
OM,RAM等の記憶装置や、実際に演算処理を行うと
共に或る程度のバッファ機構を備えたマイクロプロセサ
ユニット等の演算処理装置や、この演算処理装置で設定
した制御信号を前記自動操舵機構のモータ5や補助操舵
機構のモータ17に出力するための出力インタフェース
回路等を備えている。なお、本実施形態では、前記自動
操舵コントロールユニット13内のマイクロコンピュー
タ等のディジタルシステム中に、状態推定器(状態推定
手段)としてのカルマンフィルタが構築されている。こ
のカルマンフィルタの構成や作用については後段に詳述
する。
【0037】次に、前記コントロールユニット13内で
実行される本実施形態の演算処理について図2のフロー
チャートを用いて説明する。なお、このフローチャート
では、特に情報の授受のためのステップを設けていない
が、演算処理装置で読込まれた情報や物理量或いは演算
された演算結果は随時記憶装置に更新記憶されるし、演
算処理に必要なプログラムやマップ,テーブル等は随時
記憶装置から演算処理装置のバッファに読込まれる。ま
た、この演算処理中、舵角中立値ずれδfofst及び中立
値算出カウンタCNTは、イグニッションスイッチのO
N/OFFに係わらず、リセットされたりクリアされた
りしない不揮発性メモリに更新記憶される。
【0038】この演算処理は、例えば10msec. といっ
た予め設定されたサンプリング時間ΔT毎にタイマ割込
処理として実行され、まずステップS1で前記車速セン
サ4からの車速vを読込む。
【0039】次にステップS2に移行して、前記読込ま
れた車速vが予め設定された低速所定値v0 以上である
か否かを判定し、当該車速vが所定値v0 以上である場
合にはステップS3に移行し、そうでない場合にはメイ
ンプログラムに復帰してしまう。なお、この低速所定値
0 については後段に説明する。
【0040】前記ステップS3では、前記車線曲率検出
装置16からの情報を取り込むことによって車線曲率ρ
を検出する。次にステップS4に移行して、下記1式に
従って定常前輪舵角δf0を算出する。なお、下記1式の
算出原理については後段に詳述する。
【0041】 次にステップS5に移行して、下記2式に従って定常後
輪舵角δr0を算出する。なお、下記2式の算出原理につ
いては後段に詳述する。
【0042】 次にステップS6に移行して、前記舵角センサ3からの
前輪舵角δf 及び補助舵角センサ21からの後輪舵角δ
r を読込む。
【0043】次にステップS7に移行して、下記3式に
従って、実前輪舵角δf ,定常前輪舵角δf0及び記憶装
置に更新記憶されている舵角中立値ずれδfofst を用い
て前輪舵角偏差Δδf を算出する。なお、舵角中立値ず
れδfofst の導出原理については後段に詳述する。
【0044】 Δδf =δf −δf0+δfofst ……… (3) 次にステップS8に移行して、後述する12式に従っ
て、車速v,車線曲率ρから、後述する平衡点周りに相
当する定常横変位y0 を算出する。
【0045】次にステップS9に移行して、前記横変位
検出装置2からの横変位yを読込む。次にステップS1
0に移行して、下記4式に従って、前記検出された実横
変位y,定常横変位y0 から横変位偏差Δyを算出す
る。なお、既に状態推定による前輪自動操舵が開始され
ている場合には、前記ステップS8で算出される定常横
変位y0 は略零であり、検出される横変位yは、前述し
たモデル誤差を補正すべきフィードバック分でしかない
ことから、検出される横変位yをそのまま横変位偏差Δ
yに直接設定してもよい。
【0046】 Δy=y−y0 ……… (4) 次にステップS11に移行して、後述する図3の制御マ
ップ等に従って中立値算出カウンタCNTから時定数τ
を設定する。この図3の制御マップで設定される時定数
τは、後述する中立値算出カウンタ(回数)CNTの増
加に伴って増加傾きが次第に小さくなる単純増加関数と
して設定される。
【0047】次にステップS12に移行して、後述する
11式から構成されるカルマンフィルタによって状態推
定を行って、前記舵角中立値ずれδfofst を含む状態推
定ベクトルxを算出(推定)する。
【0048】次にステップS13に移行して、前記車線
曲率ρが予め設定された近似直線所定値ρ0 以下である
か否かを判定し、当該車線曲率ρが所定値ρ0 以下であ
る場合にはステップS14に移行し、そうでない場合に
はステップS16に移行する。
【0049】前記ステップS14では、前記ステップS
12で推定された舵角中立値ずれδ fofst を新たな舵角
中立値ずれδfofst として記憶装置に更新記憶してから
ステップS15に移行する。
【0050】前記ステップS15では、前記中立値算出
カウンタCNTをインクリメントしてから前記ステップ
S16に移行する。前記ステップS16では、後述する
14式から補正前輪舵角Δδfdを算出するための補正状
態ベクトルΔxを算出する。
【0051】次にステップS17に移行して、後述する
18式乃至21式から補正前輪舵角Δδfdを算出する。
次にステップS18に移行して、下記5式及び6式に従
って、前記算出された補正前輪舵角Δδfd,定常前輪舵
角δf0から目標前輪舵角δfdを、或いは定常前輪舵角δ
r0から目標後輪舵角δrdを、夫々算出する。
【0052】 δfd=δf0+Δδfd ……… (5) δrd=δr0 ……… (6) 次にステップS19に移行して、前記設定された目標前
輪舵角δfdに真の前輪舵角δfRを一致させるフィードバ
ック制御の制御信号を創成し出力する。なお、真の前輪
舵角δfRとは、前記舵角センサ3からの前輪舵角δf
舵角中立値ずれδfofst との和であって、その導出原理
については後段に詳述する。
【0053】次にステップS20に移行して、前記設定
された目標後輪舵角δrdに前記後輪舵角δr を一致させ
るフィードバック制御の制御信号を創成し出力してから
メインプログラムに復帰する。
【0054】次に、前記カルマンフィルタについて説明
する。カルマンフィルタは、現代制御理論に基づいた状
態量(本発明で言う状態変数であり、物理量とのバラン
スをとって状態量と記す)を、予め設定されたモデルに
従って幾つか推定し、その夫々にフィードバック制御を
行うことを前提として、結果的に種々の連鎖的な応答を
なくして、単独の状態量のフィードバック制御を容易
化,正確化する場合に、出力される推定状態量と検出さ
れた状態量との出力誤差に応じてモデル,即ち推定され
る状態量を補正可能としたものである。具体的には図4
aに示す構成となる。
【0055】ここで、本実施形態のカルマンフィルタ中
のモデルは、車両の二輪モデルであるから、これを状態
空間表現を用いて下記11’式に示す。但し、この1
1’式に示す二輪モデルは、後輪を操舵可能とし、更に
後輪のトラクションによってヨーモーメントを制御可能
としたものであるから、本実施形態のように前輪を主と
して操舵して車両の横変位を制御する共に、後輪を補助
操舵して、前記磁気センサ12の位置における対磁石横
方向速度,つまりセンサ横滑り速度を低減するだけのも
のの場合にはヨーモーメントTr を零に設定すればよ
い。また、前記図2の演算処理のステップS12で用い
られる11式からなるカルマンフィルタは、この11’
式に、更に個別の外乱モデルを加えたものであって、そ
れについては更に後段に詳述する。
【0056】 但し、 a11=−(Cr +Cf )/(m・v) ………(11-1) a12=(−1+(Cr ・b−Cf ・a))/(m・v2 ) ………(11-2) a21=(Cr ・b−Cf ・a)/I ………(11-3) a22=−(Cr ・b2 +Cf ・a2 )/(I・v) ………(11-4) b11=Cf /(m・v) ………(11-5) b12=Cr /(m・v) ………(11-6) b21=Cf ・a/I ………(11-7) b22=−Cr ・b/I ………(11-8) b23=1/I ………(11-9) である。また、 β :車両重心点の横滑り角 r :ヨーレイト Δψ:車線を基準とするヨー角 Ls :磁気センサと車両重心点との平面視における距離 Cr :後左右二輪のコーナリングスティフネス Cf :前左右二輪のコーナリングスティフネス m :車両質量 b :後輪軸と車両重心点との平面視における距離 a :前輪軸と車両重心点との平面視における距離 I :車両の慣性モーメント である。
【0057】ここで、各係数中の分母に車速vが介在し
ていることから、これらが車速依存性のモデルであるこ
とが分かり、同時に車速vが“0”ではモデルが成立し
ないことから、前述のように車速vが低速所定値v0
上であるときに限って、状態推定を行うことが分かる。
【0058】そして、前記11式で、定常的な走行状態
では左辺,つまり車両重心点の横滑り角速度β' (’は
時間微分値を示す)も、ヨー角加速度r' も、ヨーレイ
トΔψ' も、横変位速度y' も全て零になると考えられ
るから、このときの各物理量,或いは状態量に添字
“0”を付けて下記12式を得る。なお、このような定
常走行状態における各状態量を平衡点周りの状態量と定
義する。
【0059】 すると、実際に必要な舵角やヨーモーメントは、この平
衡点周りの定常的な舵角やヨーモーメントを与えたとき
に、更にモデル誤差等によって発生する補正分をフィー
ドバックした値になるから、下記13−1〜3式が与え
られ、更に同様のことが他の各状態量にも言えることか
ら、ヨー角や横変位等の状態量についても下記14−1
〜4式が成立する。
【0060】 δf =δf0+Δδf ………(13-1) δr =δr0+Δδr ………(13-2) Tr =Tr0+ΔTr ………(13-3) β=β0 +Δβ ………(14-1) r=r0 +Δr ………(14-2) Δψ=Δψ0 +Δ2 ψ ………(14-3) y=y0 +Δy ………(14-4) これらから下記13式,14式で表れる二つの補正ベク
トルΔu,Δxを得ることができる。
【0061】 次に、車線曲率ρには補正分がないことから、Δρが実
質的に零である(即ちρ0 =ρ)ことを考慮して以上を
総合して解くと、下記15式を得る。つまり、ここで得
られる状態量の補正ベクトルx(補正横滑り角Δβ,補
正ヨーレイトΔr,補正ヨー角Δ2 ψ、補正横変位Δ
y)が正確なものであるとすると、このベクトルから補
正すべき前輪舵角,つまり補正前輪舵角Δδfdや、補正
後輪舵角Δδrdや補正ヨーモーメントΔTrd等を算出可
能となる。なお、前述と同様に、ヨーモーメントを補正
しない本実施形態のような場合には、前記定常ヨーモー
メントTr0或いは補正ヨーモーメントΔTrd等を全て
“0”に設定すればよいだけである。
【0062】 この15式を、例えば前記図4aのカルマンフィルタの
構成図に合わせて略記すると下記16’式のように表れ
る。
【0063】 dΔx/dt=A’Δx+B’Δu ……… (16') なお、この16式で用いられる各ベクトル,A’,B’
は夫々、以下のように纏められる。
【0064】 ここで、一旦、カルマンフィルタの構成の説明から離れ
て、前記状態量の補正ベクトルΔxから車線追従,つま
り補正横変位Δy=0を実現するための補正前輪舵角Δ
δfdや、補正後輪舵角Δδrdや補正ヨーモーメントΔT
rdを設定するために、最適レギュレータを用いた最適化
制御を考える。ここで、拘束条件は前記16’式であ
り、評価関数Jは下記17式で与えられる。
【0065】 J=∫(ΔxT QΔx+ΔuT RΔu)dt ………(17) なお、ΔxT は補正ベクトルΔxの転置ベクトルを、Δ
T は補正ベクトルΔuの転置ベクトルを示す。また、
Qは対称非負定行列、Rは対称正定行列で、一般に重み
と呼ばれる。補正ベクトルΔxにおける補正横変位Δy
は4行目であるので、当該補正横変位Δyを小さくする
ためには、前記対称非負定行列Qの4行4列要素を大き
くすればよい。但し、ゲインを上げれば、その分だけノ
イズを拾い易くなるというトレードオフを考慮しなけれ
ばならないことは言うまでもない。
【0066】結論として得られるフィードバック則は、
図4bに示すブロック図に合わせて下記18式で表さ
れ、各要素を列記すると19式が得られる。なお、KR
は定数行列である。
【0067】 Δu=−KR ・Δx ………(18) ここで、目標横変位をΔyd とすると、ΔyをΔyd
するためには、 となる。
【0068】つまり、本実施形態では、制御可能な後輪
舵角δr であっても、このフィードバック分までは補正
しない,つまり目標後輪舵角δrdは前記定常後輪舵角δ
r0に設定されるため、推定される補正横滑り角Δβ、補
正ヨーレイトΔr、補正ヨー角Δ2 ψ、補正横変位Δy
に対して、補正前輪舵角Δδfdは下記21式で端的に与
えられることになる。
【0069】 Δδfd=k11・Δβ+k12・Δr+k13・Δ2 ψ+k14・(Δy−Δyd ) ………(21) なお、前述の状態推定器で補正横変位Δyを除く補正横
滑り角Δβ、補正ヨーレイトΔr、補正ヨー角Δ2 ψが
検出できない場合には、逆に補正横変位Δyと補正前輪
舵角Δδf を用いて状態推定器を構成すれば、それらの
状態量を推定することができる。
【0070】一方、再びカルマンフィルタの説明に戻っ
て、本実施形態では、前述したような舵角センサ3で検
出される前輪舵角δf と真の前輪舵角δfRとの誤差を両
者の舵角の中立値のずれ,即ち舵角中立値ずれδfofst
と表し、三者の関係を下記22式で定義する。
【0071】 δfR=δf +δfofst ………(22) また、本実施形態では、前記舵角中立値ずれδfofst
外乱wによって変化する一次遅れ系の状態量(状態変
数)と見なし、下記23式で、その挙動を定義する。な
お、式中のτは一次遅れ系の遅れ時間を設定する時定数
である。
【0072】 dδfofst /dt=−δfofst /τ+w ………(23) この23式の関係を、前記二輪運動モデルを表す11’
式に組み込んで、新たなカルマンフィルタを構築する
と、それは下記11式で表される。
【0073】 この11式を、前記図4aのカルマンフィルタの構成図
に合わせて略記すると下記24式のように表れる。
【0074】 dx/dt=Ax+Bu+Gw ………(24) そして、この24式で用いられる各ベクトル,x,A,
B,u,G(外乱係数)は夫々、以下のように纏められ
る。
【0075】 このようにして車両の各種の状態量を同時に推定するこ
とができるのであるが、前述したモデルと実際の車両と
は、必ず誤差がある。そこで、図4aに示すように、こ
の推定された横変位yと検出された横変位yとの偏差
(以下、単に出力誤差とも記す)εを求め、この出力誤
差εに出力誤差フィードバックゲインベクトルKe をか
けて、前記状態推定器内のモデルを補正する。ここで
は、理解を容易化するために、モデルを補正するという
表記を用いるが、実質的には各状態量を直接補正しても
何ら問題がないことから、広義には状態量を補正すると
して取扱う。また、前記出力であるベクトルxから推定
された横変位yを抽出するために図4aの構成図に合わ
せて下記25式を設定し、ベクトルCを下記25−1式
で定義する。
【0076】 y=Cx ………(25) 前記出力誤差フィードバックゲインベクトルKe は、ベ
クトルの特性上、単純に大小の比較ができないが、以上
の説明から明瞭なように、そのゲイン特性が大きければ
状態量の補正を速やかにして制御の応答性を高めること
ができるが、その反面、ノイズ成分の影響を受け易いこ
とが分かる。逆に、出力誤差フィードバックゲインベク
トルKe のゲイン特性が小さければ、状態量の補正効果
は低下するが、ノイズ成分の影響を抑制防止して制御の
正確性が向上可能であることが分かる。本実施形態で
は、この出力誤差フィードバックゲインベクトルKe
よって、特に前記舵角中立値ずれδfofst をフィードバ
ック補正するものとし、他のモデル構成については補正
しない。従って、本実施形態の出力誤差フィードバック
ゲインベクトルKe は、外乱の変動或いはその分散とい
ったものの影響を、補正される舵角中立値ずれδfofst
に如何に与えるかを規定するものであると言える。な
お、このような出力誤差フィードバックゲインベクトル
e の設計法については一般の制御理論で提示されてい
る。
【0077】次に、前記1式及び2式の算出原理につい
て説明する。本実施形態のように後輪を操舵する場合の
運動方程式は、二輪モデルを用いて下記26式及び27
式で表される。
【0078】 m・v・(r+β' )=Cf ・(δf −(a・r+v・β)/v) +Cr ・(δr −(v・β−b・r)/v) ………(26) I・r' =a・Cf ・(δf −(a・r+v・β)/v) −b・Cr ・(δr −(v・β−b・r)/v) ………(27) 但し、 β' :車両重心点の横滑り角速度 r' :ヨー角加速度 である。
【0079】また、旋回運動の定常状態におけるヨーレ
イトrは車線曲率ρと車速vとから下記28式で表され
る。 r=ρ・v ………(28) また、旋回運動の定常状態では車両重心点の横滑り角速
度β' もヨー角加速度r' も共に零であるから、それを
下記29式で表す。
【0080】 β' =r' =0 ………(29) また、磁気センサ位置での横滑り速度vs は、ヨーレイ
トψ' 及び横滑り角βを用いて下記20式で与えられる
ものである。
【0081】 vs =Ls ・r+v・β ………(30) 前記26式及び27式の前輪舵角δf を前記定常状態に
おける定常前輪舵角δ f0とすると共に、後輪舵角δr
前記定常状態における定常後輪舵角δr0とし、これらの
夫々について前記26式乃至30式を解けば前記1式及
び2式を得る。このような算出原理は、前記変更点周り
の状態量,つまり定常状態における各状態量を導出する
ための原理と同じであるから、前記12式の定常前輪舵
角δf0や定常後輪舵角δr0と1式や2式のそれらとが夫
々等価であることが理解できる。これは車両の線形性に
よるものである。
【0082】なお、補正前輪舵角Δδfdについては、前
記定常前輪舵角δf0を与えたときの横変位yのフィード
バック制御による補正分と考えて、古典制御理論にいう
所謂PID制御に応じて設定してもよい。
【0083】次に、本実施形態の作用について説明す
る。ここで、車線に沿って埋設する磁力源として磁石を
用いた場合、当該磁石からの磁力に基づいて車線に対す
る車両の横変位を検出する原理について簡潔に説明す
る。磁石からの磁力線が図10のように発生していると
き、磁気センサのレベル(高さ)は一定であるから、検
出される磁力ベクトルの縦横成分の比が分かれば、磁気
センサ,つまり車両は磁石,つまり車線に対してどの程
度横方向にずれているかが分かる。即ち、磁気センサが
磁石の真上にあれば、検出される磁力ベクトルの縦横成
分の比は1:0になるし、それが横方向にずれればずれ
るほど、検出される磁力ベクトルの横成分が大きくな
り、縦成分は小さくなる。また、磁力ベクトルの横成分
の発生方向から、磁気センサ,つまり車両が磁石,つま
り車線に対して、どちらにずれているかも分かる。
【0084】次に、この原理を用いて車線に対する車両
の横変位を検出するタイミングについて簡潔に説明す
る。今、車両に取付けられた磁気センサが、図10で説
明したように磁石に対して横方向にずれていないとした
とき(ずれていても横変位が同じなら結局は同じ)、図
11aに示すように磁気センサと磁石との距離をDとす
ると、距離Dと磁力との関係は図11bのように表れ
る。つまり、磁気センサが磁石に最も接近したときに、
検出される磁力も最大になる。従って、検出される磁力
が最大になったとき、その磁力ベクトルの縦横成分比か
ら車両の横変位を正確に検出することが可能となる。
【0085】そこで、この検出された横変位を用いて前
述のように目標とする横変位に一致するように操舵アク
チュエータを制御する場合に、本実施形態では、前述の
ように出力誤差を補正できるカルマンフィルタのような
オブザーバ(状態推定器)を用いてノイズ成分を除去す
る。
【0086】次に、前述のようにして検出される横変位
yのノイズ成分について説明する。このような車線に沿
って埋設された磁石等の磁力源の磁力を磁気センサで検
出して車線に対する車両の横変位を検出する手法では、
実際の車両で検出される横変位にノイズ(誤差成分を含
む)が多い。これについては、例えば図12に示すよう
に、車線の幅を示す二本の白線の中央に相当する車線中
央に磁石等の磁力源が正確に埋設されていないせいだと
考えられてきた。つまり、本来、車線中央にあるべき磁
石等の磁力源が横方向にずれて埋設されていれば、検出
される横変位は図13に示すように、車両(正確には磁
気センサ)が仮に車線中央に沿って移動したとしても、
恰も横方向にずれているかのように誤認識してしまう。
【0087】しかしながら、この検出される横変位yの
ノイズ成分には、この他に、以下のようなノイズ成分も
ある。即ち、前述のような車両の自動操舵装置は、一般
に高度な演算処理を必要とすることから離散化したディ
ジタルシステムで構成される。従って、例えば前述のよ
うに磁気センサで磁石の磁力を検出する,そのサンプリ
ングタイミングと、実際に磁気センサが磁石に最も近づ
くタイミングとがずれてしまう可能性がある。この可能
性は、磁石と磁気センサ,つまり車両との相対速度が大
きくなればなるほど大きくなる。
【0088】これを実際の車両で再現すると、例えば車
速vが大きくなるほど、或いは車線曲率ρが大きくなる
ほど、検出される横変位のノイズ成分が大きくなり、結
果的に自動操舵制御の正確性が低下する。このうち、車
線曲率ρが大きくなるということは、車線中心線に沿っ
て移動しようとする車両の移動方向と実際に車両が向い
ている方向との角度,つまりヨー角が大きいということ
であり、それは同時に磁気センサの横滑り速度が大きい
ということである。定常的な旋回運動中であれば、両者
は互いに等価であると評価できるが、前述した磁力のサ
ンプリングタイミングと磁気センサの最接近タイミング
とのずれは、磁石と磁気センサ,つまり車両との相対速
度に起因すると考えると、磁気センサの横滑り速度が大
きくなるほど、検出される横変位のノイズ成分が大きく
なる。
【0089】こうした磁石と磁気センサ,つまり車両と
の相対速度のうち、車両の前後方向,つまり前記センサ
横滑り速度と直交する方向の速度成分であって、所謂車
速に相当する成分は、車両が所望する速度移動するため
に変更できない、或いは変更すべきでない速度成分であ
る。そこで、本実施形態では、前記センサ横滑り速度を
低減し、望ましくは零として、検出される横変位のノイ
ズ成分を低減しようとする。ところが、通常の車両のよ
うに、前輪のみを操舵する車両にあっては、車両特性に
よっては、磁気センサの位置におけるセンサ横滑り速度
を制御することができない。つまり、センサ横滑り速度
(車両の横滑り速度と同じ)は、舵角と車速が与えられ
ると、車両特性によって一意に決まってしまう(勿論、
路面μや路面の形状等の外乱要素は個別の要素であ
る)。
【0090】そこで、本実施形態では、主として操舵さ
れる前輪が、あくまでも車線追従制御を司り、更に後輪
を補助操舵することで、前記センサ横滑り速度を低減
し、好ましくは零とする。このとき、補助操舵される後
輪の目標とする舵角には、前記定常後輪舵角δr0を用い
て前記センサ横滑り速度を零に近づけながら車両の挙動
を安定させ、一方で前輪には定常前輪舵角δf0を与えて
車線に大まかに追従できるようにしながら、更に補正前
輪舵角Δδfdを与えて微小横変位Δyを補正して完全な
車線追従を達成する。つまり、本実施形態の車両では、
図5に示すように一般的な車両とはやや異なる車両旋回
運動が達成される。勿論、センサ横滑り速度は零又は略
零となるために、その分だけ、検出される横変位yのノ
イズ成分が低減し、結果的に自動操舵制御の正確性が向
上する。
【0091】一方、本実施形態では、前記カルマンフィ
ルタで推定する状態量の一つとして舵角センサ3からの
舵角中立値ずれδfofst を、車両の走行中に随時推定し
続ける。ここでは、車両の走行そのものを二輪モデルと
して同時並行的に推定しているので、それと共に推定さ
れる舵角中立値ずれδfofst は、例えば操舵しようとす
まいと,或いは曲線路面であろうとなかろうと、車両挙
動に伴う変動が補正されながら、あらゆる走行状態で正
確な値であろうとし続ける。これは、前記出力誤差フィ
ードバックゲインベクトルKe の影響によるものであ
る。即ち、推定される状態量の一つである横変位yと検
出される横変位yとの誤差εに応じて、出力誤差フィー
ドバックゲインベクトルKe の影響によって舵角中立値
ずれδfofs t が補正されるので、例えば車両の走行開始
直後には、推定される舵角中立値ずれδfofst が真値か
ら大きく離れていたとしても、横変位yの誤差εでこれ
を補正する度に舵角中立値ずれδfofst は真値に近づい
てゆくのである。
【0092】しかも本実施形態では、舵角中立値ずれδ
fofst を推定する度に、即ち前記中立値算出カウンタC
NTが大きくなるにつれて、当該舵角中立値ずれδ
fofst を外乱wに対する一次遅れ系に規定する時定数τ
が次第に大きくなるので、舵角中立値ずれδfofst は次
第に外乱の影響を受けにくくなることになる。つまり、
一次遅れ系の時定数τが大きくなれば、外乱wによって
到達する目標値までの到達所要時間が長くなることにな
るから、次の外乱wを考えれば,即ち次回のサンプリン
グ時刻までの変化量を考えれば、舵角中立値ずれδ
fofst は次第に安定化又は定常化,或いは数値的には定
数化してゆくことになる。従って、例えば車両の走行開
始直後には、推定される舵角中立値ずれδfofst が真値
から大きく離れているものとするならば、この一次遅れ
系の時定数τを小さくすることによって、推定サンプリ
ング時刻毎の真値への収束性を高め、次第に時定数τを
大きくすることによって、これを真値に向けて定数化
し、制御の正確性を得ることができるようになる。
【0093】また、本実施形態では、各サンプリング時
刻毎に舵角中立値ずれδfofst を推定するものの、実際
の演算処理に用いられる舵角中立値ずれδfofst は、前
記図2の演算処理のステップS13乃至ステップS15
において、車線曲率ρが近似直線所定値ρ0 以下のと
き,即ちほぼ直線車線を走行しているときにしか更新さ
れない。即ち、少なくとも現段階で、例えば車線脇から
の無線情報として得られる車線曲率ρは比較的曖昧なも
のが多く、車両の自動操舵そのものは、あくまでも磁
石,即ち車線に対する横変位yをフィードバック補正し
ながら行われるので、車線曲率ρの情報が曖昧でもさほ
ど問題はないが、前述のように非常に正確な舵角フィー
ドバック制御が要求される中での舵角中立値ずれδ
fofst は、曖昧な車線曲率ρでは不完全なものとなり易
い。そこで、本実施形態では、車線曲率ρが近似直線所
定値ρ0 以下の略直線車線走行時にのみ、演算処理に用
いられる舵角中立値ずれδfofst を更新することで、制
御の正確性を確保するようにしている。
【0094】また、前述のようにカルマンフィルタを構
成する各パラメータは車速vに依存しており、実際のカ
ルマンフィルタの駆動時には、車速vで各パラメータを
補正しながら状態量の推定を行うので、舵角中立値ずれ
δfofst を含む,推定される各状態量をより正確なもの
とすることができる。
【0095】以上より、前記自動操舵機構が本発明の操
舵アクチュエータを構成し、以下同様に、前記舵角セン
サ3及び図2の演算処理のステップS6が舵角検出手段
を構成し、前記横変位検出装置2及び図2の演算処理の
ステップS9が横変位検出手段を構成し、図2の演算処
理のステップS12乃至ステップS15がカルマンフィ
ルタを含む状態推定手段を構成し、図2の演算処理のス
テップS16乃至ステップS20が最適レギュレータを
含む操舵制御手段を構成し、車線曲率検出装置16及び
図2の演算処理のステップS3が車線曲率検出手段及び
走行状態情報検出手段を構成し、車速センサ4及び図2
の演算処理のステップS1が車速検出手段及び走行状態
情報検出手段を構成している。
【0096】なお、前記第1実施形態では、後輪を補助
操舵する機構を持ち、更に前記図2の演算処理では、横
変位偏差に対する当該後輪の補正後輪舵角まで算出可能
としながら、横変位偏差の補正に対しては後輪舵角を制
御せず、センサ横滑り速度を零とするための定常後輪舵
角のみを目標後輪舵角に設定したが、勿論、横変位を補
正するために後輪舵角を補正してもよい。但し、この場
合には、定常後輪舵角がセンサ横滑り速度を零とするた
めの値に設定されたのに対して、更に横変位を補正する
ためにこれを補正するのであるから、センサ横滑り速度
の収束性が低下する虞れがあることに留意したい。この
場合には、センサ横滑り速度の出力誤差に対する状態量
の補正か、若しくはセンサ横滑り速度に対する最適レギ
ュレータが必要となろう。
【0097】次に、本発明の第2実施形態の自動操舵装
置について説明する。まず、車両に設けられた自動操舵
装置としての概要は、前記第1実施形態の後輪の補助操
舵機構に代えて、横運動量調整手段を構成するトラクシ
ョン調整機構が取付けられている。このトラクション調
整機構は、図6に示すように、例えば各車輪に設けられ
たトラクションコントロールアクチュエータ22によっ
て構成され、各車輪のトラクション(駆動及び制動力)
を調整することで車両に発生するヨーモーメントを調整
するものである。より具体的には、本出願人が先に提案
した特開平6−321087号公報に記載される制動力
制御装置や、特開平8−127258号公報に記載され
る後左右輪の駆動力制御装置や、或いは公知の前後輪間
駆動力配分制御装置等を単独で或いは適宜に組み合わせ
て用いることができる。これらのトラクションコントロ
ールアクチュエータ22の具体的な制御の詳細について
は、これらの文献を参照されるものとして、ここでは目
標とするヨーモーメントT rdを達成するための制御信号
が、前記コントロールユニット13から各トラクション
コントロールアクチュエータ22に供給されると、各ア
クチュエータは単独で或いは相互に作動して、当該目標
とするヨーモーメントTrdを達成するものとする。それ
以外の構成は、前記第1実施形態のものと同様又は略同
様であり、同等の構成部材には同等の符号を附してその
詳細な説明を省略する。
【0098】また、本実施形態でも、前記第1実施形態
と同様に、前記自動操舵コントロールユニット13内の
マイクロコンピュータ等のディジタルシステム中に、状
態推定器としてのカルマンフィルタが構築されている。
但し、前記11式に示す二輪モデルは、後輪を操舵可能
とし、更にヨーモーメントを制御可能としたものである
から、本実施形態のように前輪を主として操舵して車両
の横変位を制御する共に、ヨーモーメントを制御して、
前記磁気センサ12の位置における対磁石横方向速度,
つまりセンサ横滑り速度を低減するだけのものの場合に
は前記11式中の後輪舵角δr を零に設定すればよい。
また、後輪舵角を補正しない本実施形態のような場合に
は、前記12式,14式,15式,17式等における定
常後輪舵角δr0や補正後輪舵角Δδrd等を全て“0”に
設定すればよいだけである。また、本実施形態では、前
記最適レギュレータ及びカルマンフィルタの説明と同様
に、前記11式からなる状態推定器によって、横変位y
と前輪舵角ΔδfdとからヨーモーメントTr を推定可能
な構成となっている。
【0099】次に、前記自動操舵コントロールユニット
13内で実行される本実施形態の演算処理について図7
のフローチャートを用いて説明する。なお、このフロー
チャートでも、特に情報の授受のためのステップを設け
ていないが、第1実施形態と同様に、情報の授受は随時
実行される。また、この演算処理は、第1実施形態と同
様に、例えば10msec. といった予め設定されたサンプ
リング時間ΔT毎にタイマ割込処理として実行される。
【0100】この実施形態の演算処理は、前記図3に示
す第1実施形態の演算処理のステップS13が削除さ
れ、同じくステップS4,S5,S6,S11,S1
8,S20の夫々が、ステップS4’,S5’,S
6’,S11’,S18’,S20’に代わっている他
は、全て第1実施形態と同様であるので、同等のステッ
プには同等の符号を附してその詳細な説明を省略する。
【0101】この変更になったステップのうち、ステッ
プS4’では、下記31式に従って定常前輪舵角δf0
算出する。なお、下記31式の算出原理については後段
に詳述する。また、この定常前輪舵角δf0は、車両の線
形性により、定常後輪舵角δ r0=0としたときの前記1
2式で表れる平衡点周りの状態量と等価である。
【0102】 また、ステップS5’では、下記32式に従って定常ヨ
ーモーメントTr0を算出する。なお、下記32式の算出
原理についても後段に詳述する。また、この定常ヨーモ
ーメントTr0は、車両の線形性により、定常後輪舵角δ
r0=0としたときの前記12式で表れる平衡点周りの状
態量と等価である。
【0103】 Tr0=(a+b)・ρ・Cr (b+Ls )+a・m・ρ・v2 ………(32) また、ステップS6’では、単に、前記舵角センサ3か
らの前輪舵角δf のみを読込む。
【0104】また、ステップS11’では、後述する図
8の制御マップ等に従って中立値算出カウンタCNTか
ら前記出力誤差フィードバックゲインベクトルKe を設
定する。この図3の制御マップで設定される出力誤差フ
ィードバックゲインベクトルKe は、それ自身が複数の
要素からなるベクトルであることから単純な1変数では
ないが、各要素の変化の様子を示しており、全要素は前
記中立値算出カウンタ(回数)CNTの増加に伴って減
少傾きが次第に小さくなる単純減少関数として設定され
る。
【0105】また、ステップS18’では、前記24式
に従って目標前輪舵角δfdを算出すると共に、下記33
式に従って目標ヨーモーメントTrdを算出する。 Trd=Tr0 ………(33) また、ステップS20’では、前記設定された目標ヨー
モーメントTrdに実ヨーモーメントTr を一致させるフ
ィードバック制御の制御信号を創成し出力してからメイ
ンプログラムに復帰する。
【0106】次に、前記31式及び32式の算出原理に
ついて説明する。本実施形態のように車両のヨーモーメ
ントを制御する場合の運動方程式は、二輪モデルを用い
て下記34式及び35式で表される。
【0107】 m・v・(r+β' )=Cf ・(δf −(a・r+v・β)/v) +Cr ・(−(v・β−b・r)/v) ………(34) I・r' =a・Cf ・(δf −(a・r+v・β)/v) −b・Cr ・(−(v・β−b・r)/v)+Tr ………(35) 但し、 Tr :車両に発生する四輪分のヨーモーメント である。
【0108】次に、本実施形態の作用について説明す
る。まず、検出される横変位yのノイズ成分について
は、前記第1実施形態での説明と同様であるために、こ
こでの説明を省略する。
【0109】本実施形態では、主として操舵される前輪
で車線追従制御を行い、更に各車輪のトラクションを調
整して車両に発生するヨーモーメントを調整すること
で、前記センサ横滑り速度を低減し、好ましくは零とす
る。このとき、目標とするヨーモーメントTrdには、前
記定常ヨーモーメントTr0を用いて前記センサ横滑り速
度を零に近づけながら車両の挙動を安定させ、一方で前
輪には定常前輪舵角δf0を与えて車線に大まかに追従で
きるようにしながら、更に補正前輪舵角Δδfdを与えて
微小横変位Δyを補正して完全な車線追従を達成する。
つまり、本実施形態の車両でも、理想的な旋回運動とし
て、図9に示すように磁気センサの横滑り速度もヨー角
速度も零であり、一定のヨー角を保ったまま、車両は旋
回する。勿論、センサ横滑り速度は零又は略零となるた
めに、その分だけ、検出される横変位yのノイズ成分が
低減し、結果的に自動操舵制御の正確性が向上する。
【0110】一方、前記カルマンフィルタでは、前記第
1実施形態と同様に、正確な舵角中立値ずれδfofst
推定されるが、本実施形態では、前記時定数τに代えて
出力誤差フィードバックゲインベクトルKe を変更して
いる。前述のように、この出力誤差フィードバックゲイ
ンベクトルKe は、検出される横変位yと推定された横
変位yとの出力誤差に応じて、外乱wの影響を補正され
る舵角中立値ずれδfo fst に如何に与えるかを規定する
ものであるから、そのゲインが大きければ舵角中立値ず
れδfofst は外乱wの影響を受け易く、小さければ受け
にくい。ここでは、舵角中立値ずれδfofst を推定する
度に、即ち前記中立値算出カウンタCNTが大きくなる
につれて、当該出力誤差フィードバックゲインベクトル
e が次第に小さくなるので、舵角中立値ずれδfofst
は次第に外乱の影響を受けにくくなることになる。つま
り、舵角中立値ずれδfofst は次第に安定化又は定常
化,或いは数値的には定数化してゆくことになる。従っ
て、例えば車両の走行開始直後には、推定される舵角中
立値ずれδfofst が真値から大きく離れているものとす
るならば、この出力誤差フィードバックゲインベクトル
e を大きくすることによって、推定サンプリング時刻
毎の真値への収束性を高め、次第に出力誤差フィードバ
ックゲインベクトルKe を小さくすることによって、こ
れを真値に向けて定数化し、制御の正確性を得ることが
できるようになる。
【0111】また、本実施形態では、第1実施形態と異
なり、各サンプリング時刻毎に推定された舵角中立値ず
れδfofst を、実際の演算処理に用いられる舵角中立値
ずれδfofst として、そのまま更新する。現段階におけ
る車線曲率ρ情報が比較的曖昧であることは否めない
が、前述のように舵角中立値ずれδfofst は次第に真値
に近づくように補正され続けるのであるし、自動操舵そ
のものは、車線に対する横変位yをフィードバック補正
しながら行われるので、ここでは舵角中立値ずれδ
fofst のサンプリング数をできるだけ増やして自動操舵
制御の正確性を向上させることを目的としている。ま
た、将来的に得られる車線曲率ρ情報が正確なものとな
れば、舵角中立値ずれδfofst のサンプリング数を早め
ることは、それ自身を速やかに真値に近づけることに繋
がる。
【0112】また、第1実施形態と同様に、カルマンフ
ィルタ中の各パラメータを車速vで補正することによ
り、推定される各状態量を正確なものとすることができ
る。以上より、前記自動操舵機構が本発明の操舵アクチ
ュエータを構成し、以下同様に、前記舵角センサ3及び
図7の演算処理のステップS6’が舵角検出手段を構成
し、前記横変位検出装置2及び図7の演算処理のステッ
プS9が横変位検出手段を構成し、図7の演算処理のス
テップS12乃至ステップS15がカルマンフィルタを
含む状態推定手段を構成し、図7の演算処理のステップ
S16乃至ステップS20’が最適レギュレータを含む
操舵制御手段を構成し、車線曲率検出装置16及び図7
の演算処理のステップS3が車線曲率検出手段及び走行
状態情報検出手段を構成し、車速センサ4及び図7の演
算処理のステップS1が車速検出手段及び走行状態情報
検出手段を構成している。
【0113】なお、前記第2実施形態では、横運動量と
してヨーモーメントを調整する機構を持ち、更に前記図
7の演算処理では、横変位偏差に対する補正ヨーモーメ
ントまで算出可能としながら、横変位偏差の補正に対し
てはヨーモーメントを制御せず、センサ横滑り速度を零
とするための定常ヨーモーメントのみを目標ヨーモーメ
ントに設定したが、勿論、横変位を補正するためにヨー
モーメントを補正してもよい。但し、この場合には、前
記定常ヨーモーメントがセンサ横滑り速度を零とするた
めの値に設定されたのに対して、更に横変位を補正する
ためにこれを補正するのであるから、センサ横滑り速度
の収束性が低下する虞れがあることに留意したい。この
場合には、センサ横滑り速度の出力誤差に対する状態量
の補正か、若しくはセンサ横滑り速度に対する最適レギ
ュレータが必要となろう。
【0114】また、上記二つの実施形態を組合わせて車
両運動を制御することも勿論可能であるが、制御すべき
状態量が二つだとしたら、制御する入力も二つにしてお
いたほうが、所謂連鎖的な反応を回避して制御の正確性
を確保し易い。
【0115】また、前記第1及び第2実施形態では、共
に車線曲率ρを、外部からの情報として読込む場合につ
いてのみ詳述したが、この車線曲率ρは、前述した横変
位やヨーレート,ヨー角,車速等の運動方程式で表れる
ことは周知であるから、これらを用いて推定することも
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の自動操舵装置の第1実施形態を
示す車両概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は
平面図である。
【図2】図1の車両の自動操舵装置で実行される演算処
理を示すフローチャートである。
【図3】図2の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図4】(a)はカルマンフィルタの一例を示すブロッ
ク図、(b)は推定された状態量から制御量を出力する
演算装置の一例を示すブロック図である。
【図5】図1の車両で達成される横滑り速度の説明図で
ある。
【図6】本発明の車両の自動操舵装置の第2実施形態を
示す車両概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は
平面図である。
【図7】図6の車両の自動操舵装置で実行される演算処
理を示すフローチャートである。
【図8】図7の演算処理で用いられる制御マップであ
る。
【図9】図6の車両で達成される横滑り速度の説明図で
ある。
【図10】車線に埋設された磁石からの磁力ベクトルの
説明図である。
【図11】車両に取付けられた磁気センサで磁石の磁力
を検出する説明図である。
【図12】車線に埋設された磁石の説明図である。
【図13】検出された磁力に応じて得られる車両横変位
の説明図である。
【符号の説明】
1は磁気センサ 2は横変位検出装置(横変位検出手段) 3は舵角センサ(舵角検出手段) 4は車速センサ(車速検出手段) 5はモータ 6はクラッチ機構 7はドライブギヤ 8はドリブンギヤ 9はステアリングシャフト 10はピニオン 11はラック 12は前左右輪 13は自動操舵コントロールユニット 14はステアリングホイール 15は後左右輪 16は車線曲率検出装置(車線曲率検出手段) 17はモータ 18はギヤ 19はラック 20は操舵杆 21は補助舵角センサ 22はトラクションコントロールアクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 113:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 状態推定手段で車両の種々の状態変数を
    推定しながら、車両を自動操舵するにあたり、車両を直
    進走行させる真の舵角の中立値と、検出される操舵輪の
    舵角の中立値との舵角中立値ずれを、車両の状態変数の
    一つとしてモデル化して前記状態推定手段に組み込み、
    当該状態推定手段で前記舵角中立値ずれを推定すること
    を特徴とする車両の自動操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記舵角中立値ずれを外乱で変化する変
    数とし、次第に外乱の影響を受けにくくして定数化する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動操舵装置。
  3. 【請求項3】 前輪又は後輪を操舵する操舵アクチュエ
    ータと、この操舵アクチュエータによって操舵される前
    輪又は後輪の舵角を検出する舵角検出手段と、走行車線
    に対する車両の横変位を検出する横変位検出手段と、少
    なくとも走行車線に対する車両の横変位を含む車両の状
    態変数を車両モデルから推定する状態推定手段と、この
    推定された車両の状態変数を用いて、前記検出された車
    両の横変位と推定された車両の横変位との誤差が目標と
    する値になるように、前記舵角検出手段で検出された舵
    角をフィードバック制御しながら、前記操舵アクチュエ
    ータを制御する操舵制御手段とを備えた車両の自動操舵
    装置において、前記状態推定手段は、車両を直進走行さ
    せる真の舵角の中立値と、前記舵角検出手段で検出され
    る舵角の中立値との舵角中立値ずれを、モデル化された
    車両の状態変数の一つとして推定し、前記操舵制御手段
    は、この状態推定手段で推定された舵角の中立値とのず
    れを用いて前記舵角をフィードバック制御することを特
    徴とする車両の自動操舵装置。
  4. 【請求項4】 前記状態推定手段は、直線又は略直線の
    車線を走行しているときに前記舵角中立値ずれを推定又
    は更新するものであることを特徴とする請求項3に記載
    の車両の自動操舵装置。
  5. 【請求項5】 前記状態推定手段は、車両の走行状態情
    報を検出する手段として、少なくとも車線曲率を検出す
    る車線曲率検出手段を備え、この車線曲率検出手段で検
    出された車線曲率を用いて前記舵角中立値ずれを推定す
    るものであることを特徴とする請求項3に記載の車両の
    自動操舵装置。
  6. 【請求項6】 前記状態推定手段は、車両の走行状態情
    報を検出する手段として、車速を検出する車速検出手段
    を備え、この車速検出手段で検出された車速を用いて前
    記車両モデルを補正しながら前記舵角中立値ずれを含む
    車両の状態変数を推定するものであることを特徴とする
    請求項3乃至5の何れかに記載の車両の自動操舵装置。
  7. 【請求項7】 前記舵角中立値ずれを外乱で変化する一
    次遅れ系としてモデル化し、前記状態推定手段は、前記
    舵角中立値ずれの推定回数の増加に伴って、前記外乱の
    分散を小さくするように補正することを特徴とする請求
    項3乃至6の何れかに記載の車両の自動操舵装置。
  8. 【請求項8】 前記舵角中立値ずれを外乱で変化する一
    次遅れ系としてモデル化し、前記状態推定手段は、前記
    舵角中立値ずれの推定回数の増加に伴って、前記一次遅
    れ系の時定数を大きくするように補正することを特徴と
    する請求項3乃至7の何れかに記載の車両の自動操舵装
    置。
  9. 【請求項9】 前記操舵制御手段が、前記検出された車
    両の横変位と推定された車両の横変位との誤差を目標と
    する値に最適化する最適レギュレータを含んで構成され
    ることを特徴とする請求項3乃至8の何れかに記載の車
    両の自動操舵装置。
  10. 【請求項10】 前記状態推定手段がカルマンフィルタ
    で構成されることを特徴とする請求項1乃至9の何れか
    に記載の車両の自動操舵装置。
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