JPH1189573A - アポトーシス関与遺伝子 - Google Patents

アポトーシス関与遺伝子

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JPH1189573A
JPH1189573A JP6249226A JP24922694A JPH1189573A JP H1189573 A JPH1189573 A JP H1189573A JP 6249226 A JP6249226 A JP 6249226A JP 24922694 A JP24922694 A JP 24922694A JP H1189573 A JPH1189573 A JP H1189573A
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Yutaka Shindo
裕 進藤
Tsutomu Nishida
勉 西田
Shoichi Adachi
正一 足立
Hiroto Naora
博人 直良
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    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、図1に示されるアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列を含むことを特徴とするアポトーシス関
与遺伝子を提供するものである。 【効果】本発明遺伝子は、アポトーシス関与蛋白の発現
及び検出に利用でき、かくしてアポトーシスの関与する
各種の疾患の診断、病態解明等や、アポトーシスの誘導
乃至抑制によるアポトーシス関連疾患の予防及び治療に
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,アポトーシス(apopto
sis )関与遺伝子、より詳しくはアポトーシスの過程に
おいて高発現する新規な遺伝子に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】アポトーシスは、細胞及び個体
の発生、分化、成熟におけるプログラムされた細胞死に
おいて、或は種々の状況下に誘導される細胞死におい
て、認められる細胞が死に至る過程を意味し[Br. J. Ca
ncer, 265, p239 (1972)]、これは生理学上の種々の条
件下に起こるとされている。その形態学的特徴として
は、周囲の細胞との接触の欠乏、細胞質の濃縮化、エン
ドヌクレアーゼの活性に関連したクロマチンの凝縮及び
核凝縮、核の分節化等を挙げることができ、更に細胞表
面の微絨毛の消失、細胞表面の平滑化(細胞表面の水泡
形成:membranece blebbing )等も観察される。またエ
ンドヌクレアーゼ活性により、DNAフラグメンテーシ
ョンも観察され、アポプティック体の細胞の最終断片
は、隣接する細胞により貪食される機構として論じられ
ている[Immunology Today, 7(4), 115-119 (1986); Sci
ence, 245, 301-305 (1989)]。
【0003】かかるアポトーシスは、各種多様な疾患に
おいて重要な係わりを有することが明らかにされてきて
おり、これらの疾患の診断における利用価値及び細胞の
アポトーシスを誘導ないし抑制することによりこれら疾
患の予防及び治療を図る試みが近年殊に注目されてい
る。
【0004】その遺伝子発現或は遺伝子産物によって細
胞のアポトーシスを制御するアポトーシス関与遺伝子が
提供できれば、各細胞での発現レベルやその構造及び機
能解析或はその発現物に関する解析等により、上記アポ
トーシス或は関連疾患の病態解明やその診断と治療方法
も確立可能となると考えられる。
【0005】しかしながら、アポトーシスに関するこれ
らの解析は、現在アポトーシス関与遺伝子が単離されて
おらず未知であるが故に不可能である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、アポト
ーシスに至る過程においてその関与が必要な特定遺伝子
が明らかにされる。かかる遺伝子はその一過的な発現後
にアポトーシスの特徴であるDNAフラグメンテーショ
ンが観察され、その一時的な発現増大とその後の減少が
細胞のアポトーシスの過程に必要であることが明らかに
された。
【0007】しかして、本発明はかかる特定のアポトー
シス関与遺伝子を提供するものである。また、本発明は
かかる遺伝子或はその発現物の検出やそれらの人工的制
御等により、アポトーシスの関与する各種の疾患の診
断、病態解明、アポトーシスの誘導乃至抑制を行なうた
めの上記遺伝子の利用を提供するものである。
【0008】本発明によれば、図1に示されるアミノ酸
配列をコードする塩基配列を含むアポトーシス関与遺伝
子が提供される。
【0009】以下、本明細書におけるアミノ酸、ペプチ
ド、塩基配列、核酸等の略号による表示は、IUPA
C、IUBの規定、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む
明細書等の作成のためのガイドライン」(特許庁編)及
び当該分野における慣用記号に従うものとする。
【0010】本発明により提供される遺伝子は、細胞の
アポトーシスの過程において一過的に発現される遺伝子
であることにおいて特徴付けられる。かかる遺伝子の1
具体例は、図1に示される塩基配列を有するcDNAク
ローンであり、これは264アミノ酸をコードする79
2ヌクレオチド(核酸)のオープンリーディングフレー
ムを有している。
【0011】本発明遺伝子は、例えば図1に示されるよ
うに、一本鎖DNA配列で表されるが、本発明はかかる
一本鎖DNA配列に相補的なDNA配列やこれらの両者
を含むコンポーネントもまた包含する。尚、第1図に示
す本発明遺伝子の配列は、これによりコードされる各ア
ミノ酸残基を示すコドンの一つの組合わせ例であり、本
発明遺伝子はこれに限らず、各アミノ酸残基に対して任
意のコドンを組合わせ選択したDNA塩基配列を有する
ことも勿論可能である。該コドンの選択は常法に従うこ
とができ、例えば利用する宿主のコドン使用頻度を考慮
することができる[Ncl.Acids Res., 9, 43-74 (1981)
]。
【0012】更に本発明遺伝子には、上記で示されるア
ミノ酸配列の一部のアミノ酸乃至アミノ酸配列を置換、
欠失、付加等により改変してなり、同様の機能を有する
同効物をコードするDNA配列もまた包含される。これ
らポリペプチドの製造、改変(変異)等は天然に生じる
こともあり、また翻訳後の修飾により、或は遺伝子工学
的手法により天然の遺伝子(本発明遺伝子)を、例えば
サイトスペシフィック・ミュータゲネシス[Methods in
Enzymology, 154, p350, 367-382 (1987);同100, p46
8 (1983) ;Nucleic Acids Research, 12, p9441 (198
4);続生化学実験講座1「遺伝子研究法II」、日本生
化学会編, p105 (1986) ]等の方法により改変したり、
リン酸トリエステル法やリン酸アミダイト法等の化学合
成手段[J. Am. Chem. Soc.,89, p4801 (1967);同91,
p3350 (1969);Science, 150, p178 (1968) ;Tetrahed
ron Lett.,22, p1859 (1981);同24, p245 (1983) ]に
より変異させたDNAを合成したり、それらの組合せに
より収得することができる。
【0013】実際に、v-fos トランスフォーメーション
エフェクター遺伝子として知られているラットFte−
1遺伝子[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 2200-220
4 (1992)]に対応するヒトFte−1遺伝子(GenBank
Accession No. M84711)は、図1の塩基配列においてそ
の620番目の塩基が(A)である、従って対応する1
96番目のアミノ酸が Aspである、同効物であり、本発
明におけるアポトーシス関与遺伝子に包含される。
【0014】本発明遺伝子は、これを利用して、即ち例
えばこれを微生物のベクターに組込み、形質転換された
微生物を培養することによって、上記アポトーシス関与
蛋白を容易にかつ安定して発現できる。
【0015】また本発明の遺伝子を利用して得られるア
ポトーシス関与蛋白は、これを用いて、特異抗体を作成
することもできる。ここで抗原として用いられるコンポ
ーネントは、上記遺伝子工学的手法に従って大量に産生
される蛋白を用いることができ、得られる抗体はポリク
ローナル抗体及びモノクローナル抗体のいずれでもよ
く、之等抗体はアポトーシス関与蛋白の精製、測定、識
別等に有利に利用できる。
【0016】殊に、本発明遺伝子は、その一部又は全部
の塩基配列を利用することによって、各種ヒト組織/細
胞におけるアポトーシス関与遺伝子の発現を検出する上
で極めて良好に使用できる点で特徴付けられる。
【0017】本発明遺伝子の製造は、本発明によって開
示された本発明遺伝子についての配列情報によれば、一
般的遺伝子工学的手法により容易に実施できる[Molecu
larCloning 2nd Ed, Cold Spring Harbor Laboratory P
ress (1989);続生化学実験講座「遺伝子研究法I、I
I、III」、日本生化学会編 (1986) 等参照]。
【0018】これは例えばヒトcDNAライブラリー
(アポトーシス関与遺伝子の発現される適当な起源細胞
より常法に従い調製されたもの)から、本発明遺伝子に
特有の適当なプローブや抗体を用いて所望クローンを選
択することにより実施できる[Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 78, 6613 (1981) ; Science, 222, 778 (1983)
等]。
【0019】上記方法において、起源細胞としては、ア
ポトーシス関与遺伝子を発現する各種の細胞、組織や之
等に由来する培養細胞等が例示され、これからの全RN
Aの分離、mRNAの分離や精製、cDNAへの変換
(合成)とそのクローニング等はいずれも常法に従い実
施できる。また、cDNAライブラリーは市販されても
おり、本発明においてはそれらcDNAライブラリー、
例えばクローンテック社(Clontech Lab. Inc.)より市
販の各種cDNAライブラリー等を用いることもでき
る。
【0020】cDNAライブラリーからの本発明遺伝子
のスクリーニングは、前記通常の方法に従い実施するこ
とができる。該スクリーニング方法としては、例えばc
DNAの産生する蛋白質に対して、アポトーシス関与蛋
白特異抗体を使用した免疫的スクリーニングにより、対
応するcDNAクローンを選択する方法、目的のDNA
配列に選択的に結合するプローブを用いたプラークハイ
ブリダイゼーション、コロニーハイブリダイゼーション
等や之等の組合せを例示できる。ここで用いられるプロ
ーブとしては、本発明遺伝子のDNA配列に関する情報
をもとにして化学合成されたDNA配列等を用いるのが
一般的であり、勿論既に取得された本発明遺伝子やその
断片もかかるプローブとして利用できる。
【0021】また、本発明遺伝子の取得に際しては、P
CR法[Science, 230, 1350-1354(1985)]によるDN
A/RNA増幅法が好適に利用できる。殊にライブラリ
ーから全長のcDNAが得られ難いような場合にレース
法(RACE:Rapid amplification of cDNA ends;実
験医学、12(6), 35-38 (1994))の採用が好適である。か
かるPCR法の採用に際して使用されるプライマーは、
既に本発明によって明らかにされた本発明遺伝子の配列
情報に基づいて適宜設定することができ、これは常法に
従い合成することができる。
【0022】尚、増幅させたDNA/RNA断片の単離
精製は前記のとうり常法に従うことができ、例えばゲル
電気泳動法等によればよい。
【0023】上記で得られる本発明遺伝子或は各種DN
A断片等の塩基配列の決定も、常法に従うことができ、
例えばジデオキシ法[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 7
4, 5463-5467 (1977)]やマキサム−ギルバート法[Met
hod in Enzymology, 65, 499(1980)]等により行なうこ
とができる。かかる塩基配列の決定は、市販のシークエ
ンスキット等を用いても容易に行ない得る。
【0024】本発明遺伝子の利用によれば、通常の遺伝
子組換え技術[例えば、Science, 224, p1431 (1984) ;
Biochem. Biophys. Res. Comm., 130, p692 (1985) ;
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 80, p5990 (1983)及び前
記引用文献等参照]に従うことにより、組換え体アポト
ーシス関与蛋白を得ることができる。該アポトーシス関
与蛋白の製造は、より詳細には、本発明遺伝子が宿主細
胞中で発現できる組換えDNAを作成し、これを宿主細
胞に導入して形質転換し、該形質転換体を培養すること
により行なわれる。
【0025】ここで宿主細胞としては、真核生物及び原
核生物のいずれも用いることができる。該真核生物の細
胞には、脊椎動物、酵母等の細胞が含まれ、脊椎動物細
胞としては、例えばサルの細胞であるCOS細胞[Cel
l, 23, 175-182 (1981)]やチャイニーズ・ハムスター
卵巣細胞及びそのジヒドロ葉酸レダクターゼ欠損株[Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA, 77, 4216-4220 (1980)]等
がよく用いられているが、之等に限定される訳ではな
い。
【0026】脊椎動物の発現ベクターとしては、通常発
現しようとする遺伝子の上流に位置するプロモーター、
RNAのスプライス部位、ポリアデニル化部位及び転写
終了配列等を保有するものを使用でき、これは更に必要
により複製起点を有していてもよい。該発現ベクターの
例としては、例えば、SV40の初期プロモーターを保
有するpSV2dhfr[Mol. Cell. Biol., 1, 854-764]
等を例示できる。また、真核微生物としては、酵母が一
般によく用いられ、中でもサッカロミセス属酵母を有利
に利用できる。該酵母等の真核微生物の発現ベクターと
しては、例えば酸性ホスフアターゼ遺伝子に対するプロ
モーターを有するpAM82[Proc. Natl. Acad. Sci.
USA, 80, 1-5 (1983)]等を利用できる。
【0027】原核生物の宿主としては、大腸菌や枯草菌
が一般によく用いられる。之等を宿主とする場合、本発
明では、例えば該宿主菌中で複製可能なプラスミドベク
ターを用い、このベクター中に本発明遺伝子が発現でき
るように該遺伝子の上流にプロモーター及びSD(シヤ
イン・アンド・ダルガーノ)塩基配列、更に蛋白合成開
始に必要な開始コドン(例えばATG)を付与した発現
プラスミドを利用するのが好ましい。上記宿主としての
大腸菌としては、エシエリヒア・コリ(Escherichia co
li)K12株等がよく用いられ、ベクターとしては一般
にpBR322及びその改良ベクターがよく用いられる
が、之等に限定されず公知の各種の菌株及びベクターを
も利用できる。プロモーターとしては、例えばトリプト
ファン(trp) プロモーター、lpp プロモーター、lac プ
ロモーター、PL/PR プロモーター等を使用できる。
【0028】かくして得られる所望の組換えDNAの宿
主細胞への導入方法及びこれによる形質転換方法として
は、一般的な各種方法を採用できる。また得られる形質
転換体は、常法に従い培養でき、該培養により本発明遺
伝子によりコードされる目的のアポトーシス関与蛋白が
生産、発現される。該培養に用いられる培地としては、
採用した宿主細胞に応じて慣用される各種のものを適宜
選択利用でき、その培養も宿主細胞の生育に適した条件
下で実施できる。
【0029】上記により、形質転換体の細胞内、細胞外
乃至は細胞膜上に目的とする組換えアポトーシス関与蛋
白が発現、生産、蓄積乃至分泌される。
【0030】組換えアポトーシス関与蛋白は、所望によ
り、その物理的性質、化学的性質等を利用した各種の分
離操作[「生化学データーブックII」、1175-1259
頁、第1版第1刷、1980年 6月23日株式会社東京化学同
人発行;Biochemistry, 25(25), 8274-8277 (1986); Eu
r. J. Biochem., 163, 313-321 (1987) 等参照]により
分離、精製できる。該方法としては、具体的には例えば
通常の再構成処理、蛋白沈澱剤による処理(塩析法)、
遠心分離、浸透圧ショック法、超音波破砕、限外濾過、
分子篩クロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマト
グラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニ
ティクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)等の各種液体クロマトグラフィー、透析
法、之等の組合せ等を例示できる。
【0031】本発明は、アポトーシスの過程において、
その発現による関与が必要な特定遺伝子を明らかにする
ものであり、かかる新規な機能の解明にその貢献の基礎
をおくものである。
【0032】しかして、本発明は、殊に診断及び医薬分
野において有用である。
【0033】例えば、本発明によって明らかにされた本
発明遺伝子の配列情報を基にすれば、例えば該遺伝子の
一部又は全部の塩基配列を利用することにより、各種の
ヒト組織におけるアポトーシス関与遺伝子の発現の検出
を行うことができる。これは常法に従い行うことがで
き、例えばRT−PCR[Kawasaki, E.S., Amplificat
ion of RNA. In PCR Protocol, A Guide to methods an
d applications, Academic Press, Inc., SanDiego, 21
-27 (1991)]によるRNA増幅により、またノーザンブ
ロッティング解析[Molecular Cloning, Cold Spring H
arbor Laboratory(1989) ]等によりいずれも良好に実
施し得る。
【0034】尚、PCR法を採用する場合において、プ
ライマーは、本発明遺伝子のみを特異的に増幅できる本
発明遺伝子に特有のものである限りにおいて、何等制限
はなく、本発明情報に基づき適宜設定することができ
る。これは常法に従い、通常、20〜30ヌクレオチド
程度の部分配列を有するものであることができる。
【0035】しかして、本発明はかかるアポトーシス関
与遺伝子の検出に有用なプライマー及び/又はプローブ
をも提供するものである。
【0036】また、本発明遺伝子の発現制御或は遺伝子
産物の活性の制御によれば、アポトーシスを制御するこ
とができ、アポトーシスが関与する各種の疾患の処置に
利用できる。
【0037】各種の病態・病因に冠する組織・細胞にお
いて、本発明遺伝子(産物)の発現が高い場合には、こ
れを阻害することによりアポトーシスを誘導することが
できる。例えば、本発明遺伝子の発現が高い腫瘍に対し
ては、この発現を抑制することにより、或はこの遺伝子
産物の活性を阻害することにより、腫瘍に対して所望の
アポトーシスを誘導することができる。一方、アポトー
シスが病態・病因であり、アポトーシスを抑制すること
が治療に結びつく場合は、本発明遺伝子(産物)の減少
を抑制することにより、従って、本発明遺伝子の発現を
誘導或は促進することにより、或はこの遺伝子産物の活
性を保持することにより、アポトーシスを抑制すること
ができる。
【0038】これら本発明遺伝子の発現の抑制及び誘導
乃至促進は、常法に従うことができ、対象とする遺伝子
が明らかにされている以上、当業者が適宜選択採用し得
るであろう。例えば、遺伝子抑制には、アンチセンスヌ
クレオチドによる方法、例えばmRNAからの翻訳を阻
害する方法[Science, 261, 1004-1012 (1993)]や、D
NAからRNAへの転写を阻害するトリプルヘリックス
法[Trend Biotech.,10, 132-136 (1992)]等による手
段が、また、誘導乃至促進には、ウイルスベクター等に
よる遺伝子導入[Science, 260, 926-932 (1993)]等に
より本発明遺伝子を発現させる手段等が採用し得る。遺
伝子産物の活性阻害には、前記した特異抗体の使用も有
利であろう。
【0039】しかして、本発明は、本発明遺伝子を人工
的に制御することを特徴とするアポトーシスの制御方法
をも提供するものである。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、アポトーシス関与遺伝
子が提供され、該遺伝子を用いれば、アポトーシス関与
遺伝子の各組織での発現の検出やアポトーシス関与蛋白
の遺伝子工学的製造ができ、これらにより各種アポトー
シス関与疾患の診断及びアポトーシス誘導剤或は抑制剤
のスクリーニング並びに評価に良好に採用することがで
きる。
【0041】更に、本発明遺伝子の発現を制御すること
によりアポトーシスの誘導又は抑制ができ、これにより
アポトーシスが関与する各種疾患の予防及び治療に有用
である。
【0042】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げる。
【0043】(1)nbl cDNAのクローニング: ナマルバ・バーキット・リンパ腫(Namalwa Burkit
t Lymphoma)細胞より、グアニジウム・セシウムクロラ
イド法により全RNAを抽出後、オリゴ(dT)−セル
ロースのカラムクロマトグラフィーによりポリ(A)+
RNAを調整した(Molecular Cloning, p.196-198, Co
ld Spring Harbor Laboratory, 1982 )。
【0044】上記ポリ(A)+RNAからオリゴ(d
T)をプライマーにして、逆転写酵素及びDNAポリメ
ラーゼIを用いて2本鎖cDNAを調整し、dC・dG
テイル法に従いcDNAのクローニングを行った(Mole
cular Cloning, p.239-242, Cold Spring Harbor Labor
atory, 1982 )。
【0045】即ち、2本鎖cDNAの3’末端にターミ
ナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼを
用いてdCテイリングを行ない、一方、プラスミドベク
ターpBR322を制限酵素PstIで切断後3’末端
にターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェ
ラーゼを用いてdGテイリングを行なった。かくして得
たdCテイリングcDNAとdGテイリングpBR32
2をアニーリングさせた後、大腸菌HB101のコンピ
テント・セルに形質転換し、テトラサイクリン耐性クロ
ーンを1700個得た。cDNAの長さが0.3kb以
上のクローンをランダムに149個選択し、それらにつ
いて制限酵素HinfIで切断し、その切断断片のパタ
ーンより最も多いcDNAクローン(149クローン当
たり8クローン)を選択しこれを「nbl」と命名し
た。nblの内でcDNAの長さが約880bpのクロ
ーンを「Na880」と命名した。
【0046】該Na880は、図1の塩基配列におい
て、65番目の塩基から3′末端までの配列を有するこ
とが確認された。
【0047】 前記ポリ(A)+RNAの2μgより
オリゴ(dT)をプライマーにして464ngのcDN
Aを合成した(cDNA合成システム・プラス:Amersh
am社製)。このcDNAの37ngより、市販キット
(cDNAクローニングシステムλgt10・アダプタ
ー法:Amersham社製及び Gigapack II Gold : Stratag
ene 社製)により、205000pfuのλgt10c
DNAライブラリーを作成した。
【0048】このライブラリーの110000クローン
で、大腸菌MN514を宿主にプラークを作り、ハイボ
ンドN+フィルター(Amersham社製)に固定した。これ
を5×SSC(SSC:150mM NaCl-15mM クエン酸ナト
リウム(pH7.0) )、10×デンハルト(Denhardt's) 溶
液(デンハルト溶液:0.02% 牛血清アルブミン−0.02%
フィコール−0.02% ポリビニルピロリドン)、0.1%
SDS及び100μg/mlサケ精子DNAの溶液中で
65℃約20時間のプレハイブリダイゼーションを行な
った。更に、5×SSC、10×デンハルト溶液、0.
1%SDS、100μg/mlサケ精子DNA及びプロ
ーブの溶液中で、65℃約20時間のハイブリダイゼー
ションを行なった。
【0049】尚、プローブは、40ngのNa880D
NAフラグメントをマルチ・プライマーラベルキット
(Amersham社製)で標識したものを用いた。
【0050】ハイブリダイゼーション後、フィルターを
2×SSC及び0.1%SDSの溶液中、室温15分間
2回、0.1×SSC及び0.1%SDSの溶液中で6
5℃30分間2回、それぞれ洗浄した。風乾後、X線フ
ィルム(XAR-5 :Kodak 社製) に露光した。フィルム上
のポジティブシグナルの位置に相当するプラーク領域を
かき取り、SM溶液に懸濁し、ファージ溶液とした。こ
のファージ溶液を用いて、再度上記の条件によりプラー
クハイブリダイゼーションを行ない、38個のポジティ
ブクローンを単離した。この38個のファージ溶液の一
部を煮沸水浴中で2分間インキュベートし、λgt10
プライマー及びLA−PCRキット(宝酒造社製)によ
りPCRを行なった。尚、PCRは、94℃−30秒、
55℃−30秒、72℃−30秒(extension timeは各
サイクルにつき4秒)の条件で30サイクル行なった。
PCR産物は、クロロホルム抽出後、1%アガロースゲ
ル電気泳動にかけ、cDNAクローンを幾つか選びその
塩基配列を決定した(Sequencing PCR Kit:東洋紡社
製)。
【0051】かくして得たNa880に相当する全長ク
ローン「nbl−8」の5′側と3′側の配列の確認に
より、図1に示す塩基配列が決定された。
【0052】(2)DNAフラグメンテーションの分
析:組織を溶解緩衝液(50mM Tris-Hcl(pH8.0), 10mM E
DTA, 0.5% SDS 中でホモジナイズ後、200μg/ml
のプロテイネースK(Proteinase K)存在下に50℃で
一晩インキュベートした。DNAは、フェノール・クロ
ロホルムにより抽出し、エタノール沈殿後、RNase
AによりRNAを分解し、DNAフラグメンテーション
の解析に用いた。
【0053】DNA10μgを40mMトリスアセテー
ト(Tris-acetate)(pH7.8 )及び1mM EDTAか
らなる1%アガロース・ゲルで電気泳動を行ない、泳動
終了後のゲルの写真のネガをデンシトメーターで測定す
ることによりDNAフラグメンテーションの定量化を行
なった。
【0054】(3)ノーザンブロット分析:全RNA
は、酸性グアニジウム・チオシアネート・フェノール・
クロロホルム抽出による1段階抽出法(Anal. Bioche
m., 162, 156-159 (1987) )に従って調整した。
【0055】即ち、組織を4Mグアニジウム・イソチオ
シアネート−25mMクエン酸ナトリウム−0.2M酢
酸ナトリウム(pH4.0 )でホモジナイズ後、1容量のフ
ェノール及び 1/5容量のクロロホルム−イソアミルアル
コール(49:1)を加え振盪後、遠心して得られた水
層にイソプロパノール(1容量)を加え、遠心によりR
NAペレットを得た。これを再度、4Mグアニジウム・
イソチオシアネート−25mMクエン酸ナトリウム−
0.2M酢酸ナトリウム(pH4.0 )に溶解し、1容量の
イソプロパノールを加え、遠心によりRNAペレットを
得、80%エタノールで洗浄後、乾燥し、水に溶解し
た。
【0056】全RNAのアガロース電気泳動は、20m
M 3−(N−モルフォリノ)プロパンスルホン酸(3-
(N-Morphorino)-propane sulfonic acid)(pH7.0 )−
5mM酢酸ナトリウム−1mM EDTA−2.2Mホ
ルムアルデヒドを含む1.2%アガロース・ゲルで20
μgのRNAを用いて行なった。電気泳動終了後、ニト
ロセルロース・フィルターへRNAを移した。
【0057】ハイブリダイゼーションは、50%ホルム
アミド−25mMKH2 PO4 (pH7.4 )−5×SSC
−5×デンハルト溶液及び200μg/mlサケ精子D
NAの溶液中で、32P−標識DNAプローブ(約2×1
6 cpm/ml、42℃で一晩行なった。
【0058】尚、32P−標識DNAプローブは、ランダ
ム・プライマー法にて[α−32P]デオキシアデノシン
三リン酸を用いて調製した。用いたDNAプローブは、
次のとうりである。
【0059】nblプローブ:Na880の0.9kb
のPstI断片。
【0060】mycプローブ:9kbのヒトmyc染色
体DNAクローンに由来する1.3kbのClaI−E
coRI断片。
【0061】ユビキチンプローブ:ヒトUbB遺伝子の
1.04kbのDraI−BamHI断片。
【0062】18SリボゾームDNAプローブ:プラス
ミドpX1r14Fに由来する0.77kbのPstI
断片。
【0063】ハイブリダイゼーション後、フィルターを
1×SSC−0.1%SDS、続いて0.1×SSC−
0.1%SDS溶液中で65℃30分間それぞれ洗浄し
た。洗浄後、増感スクリーンを用いて−70℃でオート
ラジオグラフィーを行なった。ハイブリダイゼーション
のシグナルの相対的強度は、レーザー・デンシトメータ
ーにより定量化し、またホスホイメージャー分析機も使
用した。
【0064】(4)マウス組織におけるアポトーシスと
nbl遺伝子発現:マウスの種々の正常組織と腫瘍組織
について、アポトーシスの程度を前記DNAフラグメン
テーションの分析に従い調べた。
【0065】正常組織として、4週令のマウス(Balb/
c、オス)より摘出した小脳、胸腺、肺及び肝臓組織を
採用した。腫瘍組織としては、変異を有するヒトc−H
−ras遺伝子でトランスフォームしたマウスNIH3
T3細胞由来のフィブロザルコーマ(Fibrosarcoma)株
1−6並びに1−5及びリンパ腫の細胞株AKR−2を
用いた。フィブロザルコーマ1−6及び1−5は、オス
のヌードマウスの皮下に植えられた。一方、AKR−2
はAKRマウスの腹腔に植えられた。
【0066】DNAフラグメンテーションを調べた結
果、正常組織では認められず、フィブロザルコーマ1−
6では、腫瘍の増殖後期及び1−6を複数ヶ所に植えた
場合に初期の増殖期に認められた。また1−5では程度
は弱いが、はっきりとDNAフラグメンテーションが認
められた。AKR−2においてもDNAフラグメンテー
ションが認められた。
【0067】一方、上記の各種組織におけるnbl遺伝
子の発現をノーザン・ブロット法で解析した結果、正常
組織(小脳、肝臓、胸腺、肺)ではその発現が低いこと
が認められた。これに対して、アポトーシスが誘導され
ている、フィブロザルコーマ1−5及びAKR−2並び
に1−6の腫瘍小塊(small nodule)においては、いず
れもnblmRNAの発現が高いことが、また増殖後期
の1−6においても上昇していることが認められた。
【0068】以上のことから、nbl遺伝子の発現とD
NAフラグメンテーションの関係は、必ずしも比例的で
はないが、アポトーシスの過程においてこの遺伝子の発
現が関与していると考えられる。
【0069】(5)グルココルチコイド誘導アポトーシ
スとnbl遺伝子の発現: 250μgのデキサメサゾンをPBSに溶解し、4
週令のオスのBalb/cマウスの腹腔に投与した。投
与前(0時間)、投与3、6、9、12、18、24及
び48時間後に胸腺を摘出し、前記に従いDNAフラグ
メンテーションの解析を行なった。また、前記に従いn
bl、myc及びユビキチンのmRNA発現をノーザン
・ブロット法で分析した。
【0070】その結果のまとめを図2に示す。図2にお
いて黒丸はDNAフラグメンテーションの結果(%)
を、白丸はnblmRNAのレベルを、黒三角はmyc
mRNAのレベルをそれぞれ示す。
【0071】DNAフラグメンテーションは、デキサメ
サゾン投与9後時間後にピークに達し、その後減少し、
24時間後にはわずかに認められる程度となった。nb
lmRNAの発現は、デキサメサゾン投与後著しく増大
し、6時間後にピークに達し、その後の3時間で急激に
減少し、そして24時間後には未処理のマウス胸腺に見
られるレベルに回復した。mycmRNAの発現は、デ
キサメサゾン投与後に減少し、その後DNAフラグメン
テーションが減少(9時間以降)するにつれて上昇し
た。
【0072】 アクチノマイシンDは、インビボ(in
vivo )では特定の臓器、例えば腎臓にすぐに取り込ま
れ尿として排泄される。従って、血中でのアクチノマイ
シンDの効果濃度も、投与後すぐに減少する。このこと
は、アクチノマイシンDを invivoで一過的な阻害剤と
して使用できることを示している。
【0073】nblmRNAの前記一過的な発現が、デ
キサメサゾン誘導胸腺アポトーシスに関係するかどうか
をアクチノマイシンDを用いて調べた。
【0074】即ち、アクチノマイシンDを水に溶解し、
体重1g当たり1.5μgを腹腔に、デキサメサゾン投
与の15分前、3時間後、5.75時間後又は8時間後
に、それぞれ投与した。デキサメサゾン投与9時間後に
胸腺を摘出し、DNAフラグメンテーションの分析を行
なった。
【0075】その結果、デキサメサゾン投与の5.75
時間後にアクチノマイシンDを投与すると、DNAフラ
グメンテーションが強く阻害された。
【0076】一方、アクチノマイシンDをデキサメサゾ
ン投与時及び5.5時間後に投与し、デキサメサゾン投
与6時間後に胸腺を摘出し前記に従いnblmRNA発
現を分析した。
【0077】その結果、アクチノマイシンDをデキサメ
サゾン投与の5.5時間後に投与すると、nblmRN
Aの発現が抑制された。従って、グルココルチコイド誘
導胸腺の in vivoアポトーシスには、nbl遺伝子の一
過的な発現が関与していると考えられた。
【0078】 以上の結果によれば以下のことが分か
る。
【0079】マウスにステロイド剤であるデキサメサゾ
ンを投与することにより生じる胸腺のアポトーシスで
は、nbl遺伝子の一過的な発現(一時的に急激な増大
とその後の減少)後に、アポトーシスの特徴であるDN
Aフラグメンテーションが認められる。この結果によれ
ば、アポトーシスに至る過程においてnbl遺伝子(遺
伝子産物)の一時的な関与が必要であると考えられる。
【0080】また、正常組織では、nbl遺伝子の発現
が低いのに対し腫瘍組織・細胞では同遺伝子の発現が高
い場合が認められる。このことは、nbl遺伝子の発現
が高い腫瘍組織・細胞では、上記胸腺のアポトーシスに
至る過程でのnbl遺伝子の一過的な発現時のピーク時
に相当し、該遺伝子の発現が維持されている為にアポト
ーシスが誘導されないものと考えられる。従って、腫瘍
組織・細胞では、この場合nbl遺伝子の発現を抑制す
れば、胸腺の場合と同様に、腫瘍組織・細胞にアポトー
シスを誘導できるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明アポトーシス遺伝子の有する塩基配列及
びこれによりコードされる対応アミノ酸配列を示す。
【図2】本発明実施例(5)のに従うデキサメサゾン
誘導アポトーシスをDNAフラグメンテーション、nb
lmRNの発現レベル及びmycmRNAの発現レベル
にて調べた結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12Q 1/68 C12N 5/00 B (71)出願人 594169798 ナオラ ヒロト オーストラリア国 エー.シー.ティ. 2611 ウエストン ヒルダーストリート 89 (72)発明者 進藤 裕 徳島県板野郡松茂町中喜来稲本68−9 (72)発明者 西田 勉 徳島県鳴門市大津町大代245−1 (72)発明者 足立 正一 群馬県高崎市石原町3493−9 (72)発明者 直良 博人 オーストラリア国 エー.シー.ティ. 2611 ウエストン ヒルダーストリート 89

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】図1に示されるアミノ酸配列をコードする
    塩基配列を含むことを特徴とするアポトーシス関与遺伝
    子。
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