JPH1187737A - 加速度センサ及び加速度センサの製造方法 - Google Patents

加速度センサ及び加速度センサの製造方法

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JPH1187737A
JPH1187737A JP23984997A JP23984997A JPH1187737A JP H1187737 A JPH1187737 A JP H1187737A JP 23984997 A JP23984997 A JP 23984997A JP 23984997 A JP23984997 A JP 23984997A JP H1187737 A JPH1187737 A JP H1187737A
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substrate
weight
acceleration sensor
weight portion
gravity
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JP23984997A
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English (en)
Inventor
Shogo Suzuki
章悟 鈴木
Kenichi Nodera
健一 野寺
Akihiro Azuma
晃広 吾妻
Takashi Kunimi
敬 国見
Masahiro Nezu
正弘 根津
Masatomo Mori
雅友 森
Tadao Matsunaga
忠雄 松永
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Akebono Brake Industry Co Ltd
Nihon Inter Electronics Corp
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
Nihon Inter Electronics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切り粉が侵入する切断部等がほとんどなく、
正確に加速度を検出することができる加速度センサとそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 第1重錘部17と、第1重錘部17の周
りに形成され、かつ、抵抗素子15が設けられているダ
イヤフラム部14と、ダイヤフラム部14の周りに形成
されている支持部24とからなる第1基板11と、支持
部24の下部に固着され、中央部に内空部16を有し枠
体である第2基板12と、内空部16内において第2基
板12との間に隙間16aがある状態で、第1重錘部1
7の下部に固着されている第2重錘部18と、第2重錘
部18の下方への変位を規制し隙間16aと連続する凹
部19と、貫通孔20が設けられ、第2基板12の下部
に固着されている第3基板13とからなる加速度センサ
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗素子が設けら
れている加速度センサ及び加速度センサの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】物体、例えば自動車やカメラ等に組み込
まれて、それらの移動、衝突などで生じる加速度を、抵
抗素子の抵抗値の変化に基づいて検出する加速度センサ
が知られている。このような加速度センサを図9に示
す。図9(a)は、加速度センサ30の外観斜視図であ
り、同(b)は断面図である。加速度センサ30は、第
1基板31、第2基板32、第3基板33からなり、第
1基板31の中央部には第1重錘部37、その周囲に、
可撓性を有するダイヤフラム部34が形成されていて、
このダイヤフラム部34に抵抗素子35が複数設けられ
ている。また、ダイヤフラム部34の周りは、支持部4
0となっている。第1基板31の支持部40の下部に第
2基板32が固着され、第1重錘部37の下部には第2
重錘部38が固着されている。この第2基板32と第2
重錘部38との間には切断部36が形成されている。第
2基板32の下には、凹部39を有する第3基板33が
固着されている。
【0003】次に、この加速度センサ30の製造方法に
ついて、図10〜図13を用いて説明する。加速度セン
サ30は、第1基板31、第2基板32、第3基板33
それぞれが多数形成されている3枚のシリコンウェーハ
を、ウェーハごと固着して、最後に個々の加速度センサ
に切断して、製造される。図10〜図12は、第1基板
〜第3基板になる、それぞれのウェーハ、第1ウェーハ
41、第2ウェーハ42、第3ウェーハ43の一部(加
速度センサ4個分)を示したもので、それぞれ(a)は
平面図、(b)は断面図である。図10に示すように、
第1ウェーハ41には抵抗素子(図示せず)が設けられ
たダイヤフラム部34、34…等が形成されている。ま
た、図11に示すように、第2ウェーハ42のウェーハ
全体の表面には、縦横に溝部36a、36a…が形成さ
れている。第2重錘部38は第2基板32と共に第2ウ
ェーハ42から得られ、この溝部36aは、第2基板3
2と第2重錘部38とを分離する位置に形成される。図
12に示すように、第3ウェーハ43には、凹部39
が、個々の加速度センサに対応する位置に形成されてい
る。
【0004】図13は、これらのウェーハを用いた加速
度センサの製造方法の工程を示す断面図である。図13
で示される工程を説明すると、まず、溝部36a、36
a…を指標にして、第1重錘部37の重心と第2重錘部
38の重心それぞれを通る重力方向の直線が一致するよ
うに、第1ウェーハ41と第2ウェーハ42とを位置合
わせをしてから、第1ウェーハ41の下部に第2ウェー
ハ42を固着する。そして、第2ウエーハ42の溝部3
6a、36a…の下部を、ダイシングソーによって切り
込んで、切断部36、36…を形成し、第2重錘部38
が分離され、(a)の状態になる。(b)では、(a)
の状態の第2ウェーハ42の下に、第3ウェーハ43を
固着し、(c)において、ダイシングソーによって個々
の加速度センサ30に切り離す。このようにして、加速
度センサ30は製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図13
(a)において、第2重錘部38がむき出しの状態で、
溝部36a、36a…の下部を切り込んでいる。よっ
て、このとき発生する切り粉が第1重錘部37や第2重
錘部38の周りに付着することがある。また、図13
(c)において、ダイシングソーによって切り離す工程
においても切り粉が生じ、加速度センサ30は、図9に
示すように、切断部36が外側面に露出してしまってい
ることから、切り粉が切断部36を通って、加速度セン
サ30内部に侵入してしまうことがある。これらの切り
粉は、ある程度はクリーニングによって取り除くことは
できるが、切断部36、36…の下部の幅は、数10μ
m〜100μm程度であり、完全に取り除くことは困難
である。そして、切り粉が加速度センサ30内部に侵入
すると、第2重錘部38の変位が制限されるので、適切
に加速度を検出することができないなどの不具合の原因
となる。
【0006】この問題を解決するためには、第2ウェー
ハ42に切断部36のようなものを全く形成せず、加速
度センサ全体を密閉構造にすればよい。しかし、上記の
各基板同士の固着は溶融等で行われることから、かなり
高温になる。密閉構造で高温固着が行われると、室温に
戻ったときに、内部が空気圧に対して減圧になるので、
薄いダイヤフラム部34が常に内部に引っ張られた状態
になり、適切に加速度を検出することができなくなる。
すなわち、切り粉が侵入する切断部36、36…があっ
ても、逆に切り粉が侵入しないような密閉構造であって
も、不良の原因となり得るのである。
【0007】また、密閉構造については製造工程時の問
題点もある。加速度センサ30は重錘の揺れによって加
速度を検出するもので、外部から加速度が加わえられて
いない状態、すなわち重力のみが加えられているとき、
第1重錘部37と第2重錘部38それぞれの重心を通る
重力方向の直線が一致するように、第1ウェーハ41と
第2ウェーハ42との位置を合わせなければならない。
前述のように、従来の第2ウェーハ42においては、溝
部36a、36a…が縦横に形成されていて、溝部36
a、36a…の断面を見て、第1重錘部が形成されてい
る第1ウェーハ41と第2重錘部が形成されている第2
ウェーハ42を合わせることで、容易に重心の位置合わ
せを行うことができた。しかし、密閉構造にするという
ことは、第2ウェーハ42に縦横に走る溝部36aを形
成しないということになるから、位置合わせの指標とな
るものがなく、従来の方法では位置合わせができない。
【0008】本発明の目的は、密閉構造ではないが、切
り粉が侵入する切断部等がほとんどなく、正確に加速度
を検出することができる加速度センサを提供することに
ある。また、そのような加速度センサを製造することが
でき、各重錘部の位置合わせが容易である加速度センサ
の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべ
く、本発明の請求項1に記載の発明は、第1重錘部と、
前記第1重錘部の周りに形成され、かつ、抵抗素子が設
けられているダイヤフラム部と、前記ダイヤフラム部の
周りに形成されている支持部とからなる第1基板と、前
記支持部の下部に固着され、中央部に空間を有する第2
基板と、前記空間内において前記第2基板との間に隙間
がある状態で、前記第1重錘部の下部に固着されている
第2重錘部と、前記第2重錘部の下方への変位を規制し
前記隙間と連続する凹部が中央部に形成され、前記第2
基板の下部に固着されている第3基板とからなる加速度
センサにおいて、前記第2基板は枠体であって、外部と
前記隙間とを連通し、前記第1基板の上部または前記第
3基板の下部のいずれか一方を貫通する貫通孔が設けら
れていることを特徴とする。
【0010】請求項1に記載の加速度センサによれば、
第2基板は枠体であることから、加速度センサには、従
来の加速度センサの外側面に形成されていた切断部のよ
うな切り粉が侵入できる部分がない。したがって、第2
重錘部の変位が切り粉によって妨げられることはない。
加えて、この加速度センサには、外部と前記隙間とを連
通し、前記第1基板の上部または前記第3基板の下部の
いずれか一方を貫通する貫通孔が設けられていることか
ら、加速度センサは密閉構造にはならない。したがっ
て、各基板同士の固着が溶融等の高温下で行われたとし
ても、冷却後に内部は減圧にならず、ダイヤフラム部が
悪影響を受けることはない。そして、製造工程時に、ウ
ェーハが積層された状態から個々の加速度センサ単位ご
とにダイシングソーなどによって切り離すときに、この
貫通孔が形成されている側にウェーハを固定するための
ダイシングテープを貼り付ければ、貫通孔が塞がれるこ
とになり、切断時に切り粉が侵入することはない。した
がって、この加速度センサならば、切り粉等による不具
合の発生を防いで、正確に加速度の検出を行うことがで
きる。
【0011】ここで、抵抗素子とは、ダイヤフラム部が
歪むと抵抗値が変化する素子のことであり、ピエゾ抵抗
素子等が挙げられる。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、第1重錘
部と、前記第1重錘部の周りに形成され、かつ、抵抗素
子が設けられているダイヤフラム部と、前記ダイヤフラ
ム部の周りに形成されている支持部とからなる第1基板
の、前記支持部の下部に、中央部に空間を有する枠体で
ある第2基板を固着する第1の工程と、前記第1重錘部
の下部に、第2重錘部を、前記空間内において前記第2
基板との間に隙間がある状態で、固着する第2の工程
と、前記第2基板の下部に、前記第2重錘部の下方への
変位を規制するための凹部が中央部に形成されている第
3基板を、前記凹部が前記隙間に連続するように、固着
する第3の工程とを有する加速度センサの製造方法であ
って、前記空間は直方体形状であって、前記第2重錘部
は、その側部の任意の箇所に対して、互いに直交する2
つの平面が同時に接触した場合、前記第2重錘部の重心
から、前記2つの平面に対してそれぞれ同じ長さの垂線
を引くことが可能であるような形状であり、前記第1の
工程では、前記第1重錘部に重力以外の力が加えられて
いないとき、前記第1重錘部の重心を通る重力方向の直
線が、前記空間を上下方向から見た場合の4つの角から
等距離にある点を通るように、前記支持部の下部に前記
第2基板を固着することを特徴とする。上記において、
直方体形状の中には、立方体形状も含む。
【0013】請求項2に記載の加速度センサの製造方法
によれば、第1重錘部と、第1重錘部の周りに形成さ
れ、かつ、抵抗素子が設けられているダイヤフラム部
と、ダイヤフラム部の周りに形成されている支持部とか
らなる第1基板と、支持部の下部に固着され、中央部に
空間を有する枠体である第2基板と、空間内で第2基板
との間に隙間がある状態で、第1重錘部の下部に固着さ
れている第2重錘部と、第2重錘部の下方への変位を規
制し前記隙間と連続する凹部が中央部に形成され、第2
基板の下部に固着されている第3基板とからなる加速度
センサを製造することができる。この加速度センサの第
2基板は枠体であることから、従来の加速度センサの外
側面に形成されていた切断部のような切り粉が侵入でき
る部分がない。したがって、この加速度センサならば、
切り粉による加速度検出の不具合は起こらず、正確に加
速度の検出を行うことができる。
【0014】上記の製造方法の場合、第2基板が枠体で
あり、第2重錘部は第2基板とは別途、第2の工程にお
いて第1重錘部に固着することから、第1重錘部と第2
重錘部の重心を合わせる、すなわち、それぞれの重心を
通る重力方向の直線を一致させるための位置合わせが必
要になる。請求項2に記載の加速度センサの製造方法に
よれば、この位置合わせを容易に行うことができるよう
になる。つまり、本発明の製造方法の第1の工程によっ
て、第1重錘部に重力以外の力が加えられていないと
き、第1重錘部の重心を通る重力方向の直線が、第2基
板の直方体形状の空間を上下方向から見た場合の4つの
角から等距離にある点を通るようになる。そこで、第2
重錘部の重心を通る重力方向の直線も、同様に、前記の
4つの角から等距離にある点を通るように位置合わせす
ればよい。一方、本発明の製造方法において用いられる
第2重錘部は、その側部の任意の箇所に対して、互いに
直交する2つの平面が同時に接触した場合、第2重錘部
の重心から、前記2つの平面に対してそれぞれ同じ長さ
の垂線を引くことが可能であるような形状、例えば、上
下方向から見た形状が正方形である直方体形状(立方体
形状も含む)、球状、円柱状等である。したがって、1
個ずつ加速度センサを製造する場合は勿論のこと、ウェ
ーハから一度に複数の加速度センサを製造するような場
合であっても、第2基板の空間1つの中に、第2重錘部
を置いた状態で、第2基板(あるいは第2基板となるウ
ェーハ)を第1基板(あるいは第1基板となるウェー
ハ)ごと少し持ち上げて、適宜移動させれば、前記空間
を画成している上下方向に平行で互いに直交する2つの
側面に第2重錘部が当接した状態で、前記空間内の同じ
角に第2重錘部をそれぞれ寄せることができる。この状
態では、第2重錘部の重心を通る重力方向の直線から、
前記空間を上下方向から見た場合の4つの角から等距離
にある点への距離は明らかであるから、その距離が分か
れば、第2基板(ウェーハ)を移動させることによっ
て、容易に第2重錘部の重心を通る重力方向の直線と第
1重錘部の重心を通る重力方向の直線とを一致させるこ
とができる。
【0015】この請求項2の作用は、本発明の実施の形
態の図面である図7及び図8において、具体的に示すこ
とができる。図7及び図8中、21は第1基板となる第
1ウェーハ、22は第2基板となる第2ウェーハ、16
は第2基板の空間である内空部、17は第1重錘部、1
8は第2重錘部、M1は第1重錘部の重心、M2は第2
重錘部の重心である。また、内空部16及び第2重錘部
18の上下方向から見た形状は正方形である。図7
(a)は、第1ウェーハ21(省略)に固着されている
第2ウェーハ22の全ての内空部16に第2重錘部18
を置いた状態を示している。この状態から、図8に示す
ように、第2ウェーハ22を第1ウェーハ21ごと少し
持ち上げて、図7の+Y方向に移動させると(b)の状
態になる。次に、持ち上げた状態のままで、+X方向に
移動させる。これによって、同(c)のように、全ての
第2重錘部18は、内空部16を画成し互いに直交する
2つの側面に当接する状態になる。この状態では、重心
M2を通る重力方向の直線から、内空部16を上下方向
から見た場合の4つの角から等距離にある点への距離が
全て等しいことになり、該点に重心M2が一致するよう
に第2ウェーハ22全体を移動させれば、同(d)のよ
うに、全ての重心M2を通る重力方向の直線は、第1重
錘部の重心を通る重力方向の直線に一致するようにな
る。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の加速度センサの製造方法において、前記第1の工程
は、前記第1基板の上部を貫通する貫通孔を予め形成し
た後に、前記貫通孔によって外部と前記隙間が連通する
ように、前記支持部の下部に前記第2基板を固着するこ
とを特徴とする。
【0017】請求項3に記載の加速度センサの製造方法
によれば、請求項2に記載の製造方法によって製造され
る加速度センサであって、さらに第1基板の上部には、
外部と前記隙間を連通させる貫通孔が設けられている加
速度センサを製造することができる。したがって、この
加速度センサならば、密閉構造ではないので、各基板同
士の固着が高温下で行われたとしても、冷却後に内部は
減圧にはならず、ダイヤフラム部が悪影響を受けること
はない。この場合、第3の工程の後に、ウェーハが積層
された状態から個々の加速度センサ単位ごとにダイシン
グソーなどによって切り離すときには、第1基板の上面
にウェーハを固定するためのダイシングテープを貼り付
ければ、貫通孔が塞がれることから切断時に切り粉が侵
入することはない。したがって、この加速度センサなら
ば、切断時に発生する切り粉等による不具合の発生を防
ぐことができる。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の加速度センサにおいて、前記第3の工程は、前記第3
基板の下部を貫通する貫通孔を予め形成した後に、前記
貫通孔によって外部と前記隙間が連通するように、前記
第2基板の下部に前記第3基板を固着することを特徴と
する。
【0019】請求項4に記載の加速度センサの製造方法
によれば、請求項2に記載の製造方法によって製造され
る加速度センサであって、さらに第3基板の下部には、
外部と前記空間を連通させる貫通孔が設けられている加
速度センサを製造することができる。したがって、この
加速度センサならば、密閉構造ではないので、各基板同
士の固着が高温下で行われたとしても、冷却後に内部は
減圧にはならず、ダイヤフラム部が悪影響を受けること
はない。この場合、第3の工程の後に、ウェーハが積層
された状態から個々の加速度センサ単位ごとにダイシン
グソーなどによって切り離すときには、第3基板の下面
にウェーハを固定するためのダイシングテープを貼り付
ければ、貫通孔が塞がれることから切断時に切り粉が侵
入することはない。したがって、この加速度センサなら
ば、切断時に発生する切り粉等による不具合の発生を防
ぐことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の加速度センサ及び
加速度センサの製造方法について図面に基づいて説明す
る。
【0021】まず、加速度センサについて説明する。図
1は、本発明の加速度センサの一例を示すもので、
(a)は外観斜視図であり、(b)は(a)のA−A線
に沿った断面図である。加速度センサ1は、上下方向か
ら見た形状が一辺が5mm程度の正方形で、側面から見
た形状が厚み方向が2〜3mm程度の長方形で、全体と
して直方体形状をなす。この加速度センサ1は、第1基
板11、第2基板12、第2重錘部18、及び第3基板
13とからなり、これらは全てシリコン基板から作製さ
れる。
【0022】第1基板11は、例えば全体の厚みが30
0μm程度である。第1基板11の中央部は第1重錘部
17をなしている。この第1重錘部17の上下方向から
見た形状はほぼ円である。また、第1重錘部17の周り
には、第1基板11の下面を異方性エッチングすること
により、10〜30μm程度の厚さの肉薄で可撓性を有
するダイヤフラム部14がドーナツ状に形成されてい
る。ダイヤフラム部14の上面には、複数の抵抗素子1
5、15…が配設されている。抵抗素子15、15…は
ダイヤフラム部14が歪むと、ピエゾ抵抗効果によって
抵抗値が変化する素子である。ダイヤフラム部14の周
囲は、支持部24をなす。
【0023】第1基板11の下面には第2基板12が設
けられている。第2基板12は、厚みが300μm〜2
mm程度である。この第2基板12の中央部には、上下
方向から見た形状がダイヤフラム部14を形成している
外円の直径とほぼ同じ一辺の長さを有する正方形であ
る、直方体形状の空間である、内空部16が形成されて
いて(図3参照)、第2基板12全体は枠体となってい
る。この第2基板12は、第1基板11の支持部24の
下部に、第1重錘部M1を通る重力方向の直線Lがこの
内空部16の中心、すなわち上下方向から見れば正方形
の4つの角から等距離にある点を通るように、枠体の上
面において固着している。第2基板12として枠体のも
のを用いたことにより、図1(a)が示すように、この
第2基板12の外側面には、従来例の第2基板32の切
断部36のような切り粉が侵入できる部分は、一切形成
されていない。
【0024】第2基板12の内空部16の中には、第2
重錘部18が設けられている。この第2重錘部18は、
第2基板12と同じ厚みの直方体形状であって、上下方
向から見ると、一辺の長さが、内空部16より短い正方
形である。よって、第2重錘部18の側面部の周囲には
第2基板との間に隙間16aがあり、第2重錘部18は
横方向に変位することができるようになっている。そし
て、第2重錘部18は、第1重錘部17の下部に、前述
の中心線Lが第2重錘部18の重心M2を通る重力方向
の直線と一致するように、固着されている。したがっ
て、第1重錘部17と第2重錘部18それぞれの重心を
通る重力方向の直線は一致していることになる。第1重
錘部17及び第2重錘部18により、加速度センサ1の
重錘10となる。
【0025】第2基板12の下面には、第3基板13が
設けられている。第3基板13は、厚みが300μm〜
2mm程度である。その上面に、上方向から見た形状が
内空部16に対応する一辺の長さを有する略正方形状で
ある、凹部19が形成されている。この凹部19は5μ
m〜15μm程度である。この凹部19によって、第2
重錘部18の下方向の変位が規制される。すなわち、凹
部19の深さ分、第2重錘部18の下方への変位は許容
されるが、それ以上の変位は制限される。この結果、重
錘10全体が下方に変位することによるダイヤフラム部
14の撓みも規制されることになり、ダイヤフラム部1
4が撓み過ぎることで破損することを防止している。こ
の凹部19は、隙間16aに連続し、一体の空間をなし
ている。
【0026】さらに、凹部19のほぼ中央には、貫通穴
20が形成されている。これは、以下の理由により設け
られている。加速度センサ1の製造工程時において各基
板等を固着は溶融等で行われ、かなりの高温になる。も
し、この貫通穴20が設けられていなければ、加速度セ
ンサ1は密閉構造になることから、固着後冷えると内部
が大気圧に対して減圧になり、非常に薄いダイヤフラム
部14が常に内部に引っ張られ、加速度センサとして不
具合の原因となる。この貫通穴20は、外部と、隙間1
6a及び凹部19とを連通させる、空気穴の役割を果た
すものであり、これにより、加速度センサ1の内部は冷
却後に減圧になることはない。
【0027】上記の加速度センサ1は、外部から加速度
が加えられると、重錘10全体が揺れ、それによってダ
イヤフラム部14が歪み、各抵抗素子15、15…の抵
抗値が変化する。そして、抵抗値の変化により生じる電
気的な変位を検出することによって、加速度を検出する
ものである。
【0028】上記の本発明の加速度センサ1によれば、
第1重錘部17と、第1重錘部17の周りに形成され、
かつ、抵抗素子15、15…が設けられているダイヤフ
ラム部14と、ダイヤフラム部14の周りに形成されて
いる支持部24とからなる第1基板11と、支持部24
の下部に固着され、中央部に内空部16を有する第2基
板12と、前記内空部16内において第2基板12との
間に隙間16aがある状態で、第1重錘部17の下部に
固着されている第2重錘部18と、第2重錘部18の下
方への変位を規制し隙間16aと連続する凹部19が中
央部に形成され、第2基板12の下部に固着されている
第3基板13とからなる加速度センサにおいて、第2基
板12は枠体であることから、加速度センサ1には、従
来の加速度センサ30の外側面に形成されていた切断部
36のような、切り粉が侵入できる部分がない。したが
って、第2重錘部18の変位が切り粉によって妨げられ
ることはない。
【0029】加えて、この加速度センサ1には、外部と
隙間16aとを連通し、第3基板13の下部を貫通する
貫通孔20が設けられていることから、加速度センサ1
は密閉構造にはならない。したがって、各基板同士の固
着が高温下で行われたとしても、冷却後に内部が減圧に
なることはないので、ダイヤフラム部14が悪影響を受
けることはない。そして、この加速度センサ1が積層さ
れたウェーハから個々の加速度センサ単位ごとにダイシ
ングソーなどによって切り離して製造されるときには、
第3基板13の下面にウェーハを固定するダイシングテ
ープを貼り付ければ、貫通孔20は塞がれ、切断時に切
り粉が侵入することもない。以上のように、この加速度
センサ1ならば、切り粉等による不具合の発生を防い
で、正確に加速度の検出を行うことができる。
【0030】なお、上記の実施の形態例において記載し
た本発明の加速度センサの各部の大きさ、形状等は適宜
変更可能である。
【0031】次に、加速度センサ1の製造方法について
図2〜図8に基づいて説明する。加速度センサ1は、第
1基板11、第2基板12、第3基板13それぞれが多
数形成されている3枚のシリコンウェーハを、ウェーハ
ごと固着して、最後に個々の加速度センサに切断して、
製造される。したがって、以下ではウェーハ単位で製造
方法を説明する。図2、図3及び図5は、第1基板〜第
3基板になる、それぞれのシリコンウェーハ、第1ウェ
ーハ21、第2ウェーハ22、第3ウェーハ23の一部
(加速度センサ4個分に相当する)を示したもので、そ
れぞれ(a)は平面図、(b)は断面図である。また、
図4は第2重錘部18の(a)平面図と(b)断面図を
示したものである。
【0032】まず、これらのウェーハは、加速度センサ
として組み立てられる前に、以下に述べるように、あら
かじめ必要な部位がそれぞれ形成される。図2に示すよ
うに、第1ウェーハ21は、ダイヤフラム部14の所定
の場所に不純物を拡散により打ち込み、抵抗素子15、
15…(図示せず)を配設する。次に、その下面側をフ
ォトリソグラフィ技術を利用した異方性エッチングによ
りエッチングして、ドーナツ状で肉薄のダイヤフラム部
14、14…を形成する。またこのダイヤフラム部1
4、14…の形成により、個々の第1基板11の中央部
には、下方向から見た形状がほぼ円である第1重錘部1
7が形成されることになる。また、ダイヤフラム部1
4、14…の周囲の部分は、支持部24、24…とな
る。
【0033】第2ウェーハ22には、上下方向から見た
形状がダイヤフラム部14、14…の外円の直径とほぼ
同じ一辺の長さを有する正方形である、直方体形状の空
間である内空部16、16…を、フォトリソグラフィ技
術と異方性エッチングを用いて形成する。これにより、
図3に示すように、第2ウェーハ22の加速度センサ1
個に相当する部分は、枠状に形成されることになる。
【0034】第2重錘部18は、第2ウェーハ22(第
2基板12)と同じ厚みを有し、上下方向から見ると一
辺の長さが内空部16の一辺の長さより短い正方形であ
るように、シリコンウェーハからダイシングソーによっ
て切り出されて形成される。
【0035】第3ウェーハ23には、上方向から見ると
内空部16に対応する一辺の長さを有する略正方形であ
る、凹部19、19…を、フォトリソグラフィ技術と異
方性エッチングにより形成する。そして、凹部19、1
9…の中央部には、貫通穴20、20…をフォトリソグ
ラフィ技術と異方性エッチングによって形成する。
【0036】上記の各ウェーハ21、22、23と第2
重量部18を用いて加速度センサを製造する。図6に
は、上記の各ウェーハ21〜23及び第2重錘部18を
用いて、加速度センサ1を製造する際の工程を示す。
【0037】まず、(a)に示すように、第1ウェーハ
21の支持部24の下部に、ダイヤフラム部14、14
…と内空部16、16…の位置を合わせて、第2ウェー
ハ22を固着する。この場合、第1重錘部17の重心M
1を通る重力方向の直線Lが内空部16の中心、すなわ
ち上下方向から見て正方形の4つの角から等距離にある
点を通るように、固着する。
【0038】次に、(b)に示すように、第1重錘部1
7それぞれの下部に、つまり内空部16の中に、第2重
錘部18を1個ずつ置く。この状態では第1重錘部17
の重心M1と第2重錘部18の重心M2はずれた状態に
あるので、2つの重錘部の重心を合わせる、すなわち重
心M1と重心M2それぞれを通る重力方向の直線が一致
するようにする工程が必要である。上記の(a)におい
て、第1重錘部17の重心M1を通る重力方向の直線L
が内空部16の中心を通ることから、重心M2を通る重
力方向の直線も、直線Lと同様に、内空部16の中心を
通るように位置合わせすればよい。第2重錘部18は、
均質のシリコン基板からなり、上下方向から見た形状が
正方形の直方体形状であることから、重心M2を通る重
力方向の直線は、正方形である上下の面の中心を通って
いる。この重心合わせの工程を図7及び図8に基づいて
説明する。
【0039】図7では、第1ウェーハ21は省略して第
2ウェーハ22と第2重錘部18との位置関係を示して
いる。図7(a)は、図6の(b)の状態を示してい
る。この状態から、図8に示すように、第2ウェーハ2
2を第1ウェーハ21ごと少し持ち上げて、図7の+Y
方向に移動させる。これによって、図7(b)のよう
に、個々の第2重錘部18は、第2ウェーハ22の内空
部16、16…の側面に当接する状態になる。次に、持
ち上げた状態のままで、+X方向に移動させる。これに
よって、同(c)のように、全ての第2重錘部18は、
第2ウェーハ22の内空部16、16…を画成し上下方
向に平行で互いに直交する2つの側面に当接した状態に
なる。それぞれの内空部16には+X方向にΔX分、+
Y方向にはΔY分の空間がある。この状態から、持ち上
げた状態のままで、第2ウェーハ22を−X方向にΔX
の半分の長さ移動させ、次に−Y方向にΔYの半分の長
さ移動させる。以上の作業によって、同(d)に示すよ
うに、それぞれの内空部16の中心に第2重錘部18の
上下の面の中心が位置し、重心M1と重心M2とを通る
重力方向の直線が一致するようになる。この状態で、第
1重錘部17の下部に第2重量部18を固着し、図6
(c)の状態になる。また、それぞれの第2重量部18
の周りには、隙間16aができる。
【0040】次に、同(d)に示すように、内空部1
6、16…に凹部19、19…がほぼ対応し、隙間16
a、16a…に凹部19、19…が連続するように、第
2ウェーハ22の下部に、第3ウェーハ23を固着す
る。そして、同(e)に示すように、貫通孔20、20
…を被うようにして、ダイシングテープ25を第3ウェ
ーハ23に張り合わせ、ダイシングソーによって切断
し、個々のチップごとに切り離し、加速度センサ1が完
成する。ここで、ダイシングテープは、切断時のウェー
ハの固定のために用いられるものだが、貫通孔20を塞
ぐことになるので、切断時に生じる切り粉が貫通孔20
を通って、加速度センサ内部に入り込むことはほとんど
ない。
【0041】以上の工程において、固着は、例えば、溶
融法、あるいは陽極接合法によって行う。
【0042】以上の加速度センサの製造方法によれば、
第1重錘部17と、第1重錘部17の周りに形成され、
かつ、抵抗素子15、15…が設けられているダイヤフ
ラム部14と、ダイヤフラム部14の周りに形成されて
いる支持部24とからなる第1基板11と、支持部24
の下部に固着され、中央部に内空部16を有する枠体で
ある第2基板12と、内空部16内において第2基板1
2との間に隙間16aがある状態で、第1重錘部17の
下部に固着されている第2重錘部18と、第2重錘部1
8の下方への変位を規制し隙間16aと連続する凹部1
9が中央部に形成され、第2基板18の下部に固着され
ている第3基板13とからなる加速度センサ1を製造す
ることができる。
【0043】この加速度センサ1には、第2基板12が
枠体であることから、従来の加速度センサの外側面に形
成されていた切断部のような切り粉が侵入できる部分が
なく、第2重錘部18の変位が切り粉によって妨げられ
ることはない。加えて、第3基板13の下部に、外部と
隙間16aを連通させる貫通孔20が設けられているこ
とから、加速度センサ1は密閉構造にはならない。した
がって、各基板同士を高温下で固着しても、冷却後に内
部が減圧になることはないので、ダイヤフラム部14が
悪影響を受けることはない。ここでは、加速度センサ単
位ごとにダイシングソーによって切り離すときには、第
3基板13の下面にダイシングテープを貼り付け、貫通
孔20が塞がれることから切断時に切り粉が侵入するこ
とがない。さらに、この本発明の製造方法によれば、従
来の製造工程における、第2基板を第1基板に固着した
後に、重錘の部分がむき出しの状態で第2基板に形成さ
れている溝部を完全に切り離すという工程が不要にな
り、その工程による切り粉の発生はなくなる。以上のよ
うに、上記の方法で製造された加速度センサ1ならば、
切り粉による不具合の発生を防いで、正確に加速度の検
出を行うことができる。
【0044】また、上記の製造方法の場合、第2基板1
2が枠体であり、第2重錘部18は第2基板12とは別
途、第1重錘部17に固着することから、第1重錘部1
7と第2重錘部18の重心を合わせる、すなわち、それ
ぞれの重心を通る重力方向の直線を一致させるための位
置合わせが必要になるが、本発明の製造方法によれば、
この位置合わせを容易に行うことができる。第1重錘部
18の重心M1を通る重力方向の直線Lが、内空部16
を上下方向から見た場合に4つの角から等距離にある点
(中心)を通るように、第1基板11の支持部24に第
2基板12は固着されている。したがって、第2重錘部
12の重心M2を通る重力方向の直線も、同様に、内空
部16の中心を通るように位置合わせすればよい。第2
重錘部18は、上下方向から見ると正方形で、全体が直
方体形状である。したがって、第2ウェーハ22に複数
形成されている内空部16の中に、第2重錘部18を置
いた状態で、第2ウェーハ22を第1ウェーハ21ごと
少し持ち上げて、適宜移動させることによって、全ての
第2重錘部18は、第2ウェーハ22の内空部16を画
成し互いに直交する2つの側面に当接した状態になる。
この状態では、重心M2を通る重力方向の直線から内空
部16の中心までの距離は明らかであり、所定の距離、
第2ウェーハ22を移動させることによって、容易に第
2重錘部18の重心M2を通る重力方向の直線を、内空
部16の中心、すなわち直線Lに一致させることができ
る。
【0045】なお、上記の位置合わせが可能な第2重錘
部は、本実施の形態例の第2重錘部18のような形状で
なくてもよく、例えば、円柱状や球状であっても可能で
ある。要は、内空部16を画成し互いに直交する2つの
側面が同時に接触するそれぞれの部分において、前記第
2重錘部の重心から前記2つの側面に対して垂線を引く
ことが可能であって、前記垂線の、前記重心から前記2
つの側面までの長さが同じであるような形状であれば、
第2重錘部18を内空部16内に置いて第2ウェーハを
移動させることによって、1つの第2ウェーハに多数形
成されている内空部それぞれの同じ角に、第2重錘部の
重心を通る重力方向の直線から内空部の中心までの距離
が明らかな状態で、第2重錘部を寄せることができる。
そして、適宜第2ウェーハを移動させることによって、
容易に第2重錘部の重心を通る重力方向の直線と第1重
錘部の重心を通る重力方向の直線とを一致させることが
できる。
【0046】なお、本発明の加速度センサの製造方法
は、上記実施の形態例に限定されるものではなく、適宜
変更可能であることは勿論である。
【0047】また、上記の加速度センサ及びその製造方
法においては、貫通孔は第3基板に設けたが、第1基板
に設けてもよく、例えばダイヤフラム部14の抵抗素子
15が配設されていない領域に形成される。また、第2
基板、第3基板は、シリコンを材料として形成される
が、その他の金属やガラスを材料にして形成されていて
もよい。さらに、第2重錘部として、シリコンからなる
ものを用いたが、これに限られるものではなく、第1重
錘部と固着することができるものであればよく、例え
ば、タングステン等の金属やガラスが挙げられる。
【0048】
【発明の効果】請求項1に記載の加速度センサによれ
ば、切断部のような切り粉が侵入できる部分がない。し
たがって、第2重錘部の変位が切り粉によって妨げられ
ることはない。また、この加速度センサには貫通孔が設
けられていることから、加速度センサは密閉構造にはな
らない。したがって、各基板同士の固着が高温下で行わ
れたとしても、冷却後に内部は減圧にならず、ダイヤフ
ラム部が悪影響を受けることはない。したがって、この
加速度センサならば、切り粉等による不具合の発生を防
いで、正確に加速度の検出を行うことができる。
【0049】請求項2に記載の加速度センサの製造方法
によれば、切断部のような切り粉が侵入できる部分がな
い加速度センサを製造することができる。したがって、
第2重錘部の変位が切り粉によって妨げられることがな
く、正確に加速度の検出を行うことができる加速度セン
サを得ることができる。また、この製造方法によれば、
第1重錘部と第2重錘部の重心の位置合わせを容易に行
うことができるようになる。
【0050】請求項3に記載の加速度センサの製造方法
によれば、請求項2の効果に加えて、貫通孔が設けられ
ている加速度センサを製造することができる。このよう
な、加速度センサは密閉構造にはならないことから、各
基板同士の固着が高温下で行われたとしても、冷却後に
内部は減圧にならず、ダイヤフラム部が悪影響を受ける
ことはない。
【0051】請求項4に記載の加速度センサの製造方法
によれば、請求項2の効果に加えて、貫通孔が設けられ
ている加速度センサを製造することができる。このよう
な、加速度センサは密閉構造にはならないことから、各
基板同士の固着が高温下で行われたとしても、冷却後に
内部は減圧にならず、ダイヤフラム部が悪影響を受ける
ことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加速度センサの一例を示したもので、
(a)は外観斜視図であり、(b)は(a)のA−A線
に沿った断面図である。
【図2】図1の加速度センサの製造に用いられる第1ウ
ェーハの一部を示したもので、(a)は平面図、(b)
は(a)のB−B線に沿った断面図である。
【図3】図1の加速度センサの製造に用いられる第2ウ
ェーハの一部を示したもので、(a)は平面図、(b)
は(a)のC−C線に沿った断面図である。
【図4】図1の加速度センサの製造に用いられる第2重
錘部を示したもので、(a)は平面図、(b)は(a)
のD−D線に沿った断面図である。
【図5】図1の加速度センサの製造に用いられる第3ウ
ェーハの一部を示したもので、(a)は平面図、(b)
は(a)のE−E線に沿った断面図である。
【図6】図1の加速度センサの製造方法の工程を示す断
面図である。
【図7】図6の製造方法の工程の中の、第2重錘部の位
置合わせの工程を示し、第1ウェーハを省略した平面図
である。
【図8】図7の重心合わせの工程において、第1基板と
第2基板を持ち上げた状態を示した断面図である。
【図9】従来の加速度センサを示したもので、(a)は
外観斜視図であり、(b)は(a)のM−M線に沿った
断面図である。
【図10】図9の加速度センサの製造に用いられる第1
ウェーハの一部を示したもので、(a)は平面図、
(b)は(a)のN−N線に沿った断面図である。
【図11】図9の加速度センサの製造に用いられる第2
ウェーハの一部を示したもので、(a)は平面図、
(b)は(a)のZ−Z線に沿った断面図である。
【図12】図9の加速度センサの製造に用いられる第3
ウェーハの一部を示したもので、(a)は平面図、
(b)は(a)のW−W線に沿った断面図である。
【図13】図9の加速度センサの製造方法の工程を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 加速度センサ 11 第1基板 12 第2基板 13 第3基板 14 ダイヤフラム部 15 抵抗素子 16 内空部(空間) 17 第1重錘部 18 第2重錘部 19 凹部 20 貫通孔 21 第1ウェーハ 22 第2ウェーハ 23 第3ウェーハ 24 支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吾妻 晃広 神奈川県秦野市曽屋1204番地 日本インタ ー株式会社内 (72)発明者 国見 敬 東京都中央区日本橋小網町19番5号 曙ブ レーキ工業株式会社内 (72)発明者 根津 正弘 東京都中央区日本橋小網町19番5号 曙ブ レーキ工業株式会社内 (72)発明者 森 雅友 東京都中央区日本橋小網町19番5号 曙ブ レーキ工業株式会社内 (72)発明者 松永 忠雄 東京都中央区日本橋小網町19番5号 曙ブ レーキ工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1重錘部と、前記第1重錘部の周りに
    形成され、かつ、抵抗素子が設けられているダイヤフラ
    ム部と、前記ダイヤフラム部の周りに形成されている支
    持部とからなる第1基板と、 前記支持部の下部に固着され、中央部に空間を有する第
    2基板と、 前記空間内において前記第2基板との間に隙間がある状
    態で、前記第1重錘部の下部に固着されている第2重錘
    部と、 前記第2重錘部の下方への変位を規制し前記隙間と連続
    する凹部が中央部に形成され、前記第2基板の下部に固
    着されている第3基板とからなる加速度センサにおい
    て、 前記第2基板は枠体であって、 外部と前記隙間とを連通し、前記第1基板の上部または
    前記第3基板の下部のいずれか一方を貫通する貫通孔が
    設けられていることを特徴とする加速度センサ。
  2. 【請求項2】 第1重錘部と、前記第1重錘部の周りに
    形成され、かつ、抵抗素子が設けられているダイヤフラ
    ム部と、前記ダイヤフラム部の周りに形成されている支
    持部とからなる第1基板の、前記支持部の下部に、中央
    部に空間を有する枠体である第2基板を固着する第1の
    工程と、 前記第1重錘部の下部に、第2重錘部を、前記空間内に
    おいて前記第2基板との間に隙間がある状態で、固着す
    る第2の工程と、 前記第2基板の下部に、前記第2重錘部の下方への変位
    を規制するための凹部が中央部に形成されている第3基
    板を、前記凹部が前記隙間に連続するように、固着する
    第3の工程とを有する加速度センサの製造方法であっ
    て、 前記空間は直方体形状であって、 前記第2重錘部は、その側部の任意の箇所に対して、互
    いに直交する2つの平面が同時に接触した場合、前記第
    2重錘部の重心から、前記2つの平面に対してそれぞれ
    同じ長さの垂線を引くことが可能であるような形状であ
    り、 前記第1の工程では、前記第1重錘部に重力以外の力が
    加えられていないとき、前記第1重錘部の重心を通る重
    力方向の直線が、前記空間を上下方向から見た場合の4
    つの角から等距離にある点を通るように、前記支持部の
    下部に前記第2基板を固着することを特徴とする加速度
    センサの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程は、前記第1基板の上部
    を貫通する貫通孔を予め形成した後に、前記貫通孔によ
    って外部と前記隙間が連通するように、前記支持部の下
    部に前記第2基板を固着することを特徴とする請求項2
    に記載の加速度センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第3の工程は、前記第3基板の下部
    を貫通する貫通孔を予め形成した後に、前記貫通孔によ
    って外部と前記隙間が連通するように、前記第2基板の
    下部に前記第3基板を固着することを特徴とする請求項
    2に記載の加速度センサの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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