JPH1185159A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JPH1185159A
JPH1185159A JP9265094A JP26509497A JPH1185159A JP H1185159 A JPH1185159 A JP H1185159A JP 9265094 A JP9265094 A JP 9265094A JP 26509497 A JP26509497 A JP 26509497A JP H1185159 A JPH1185159 A JP H1185159A
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JP
Japan
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main body
switch
sensor
pitch bend
pitch
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JP9265094A
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Inventor
Tomonobu Sugimoto
智伸 杉本
Yuichiro Suenaga
雄一朗 末永
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長棒状の本体部および口操作部を有し、演奏
者が演奏中に操作子を容易に操作できるとともに、操作
量が感覚的に把握しやすい電子楽器を提供する。 【解決手段】 本体部1の前面側に複数のキースイッチ
3a〜3pが配置され、リップセンサ6およびウィンド
センサが内蔵されたマウスピース2を有する。本体部1
の背面側であって長手方向の略中央の軸線上に背面側か
ら突出して設けられ右手の親指で本体部1を支持するた
めのフィンガーレスト9と、これに対しマウスピース2
とは反対側の近傍であって幅方向にずれた位置にピッチ
ベンドホイール10が配設され、このピッチベンドホイ
ール10によりMIDI信号をリアルタイムに出力し、
音源を有する外部機器から楽音を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、奏法が自然管楽器
に類似する電子楽器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子楽器として、管楽器的な楽音を発生
するのに適していると共に、自然管楽器に類似する外観
および類似する奏法を有する電子管楽器が商品化されて
いる。この電子管楽器は、長棒状であって音高指定用の
複数のキーが前面側に配置された本体部とウィンドセン
サが配置されたマウスピースを備え、複数のキーおよび
ウィンドセンサの両操作情報により楽音信号を発生する
ものである。一方、自然管楽器に類似する外観を有する
電子管楽器において、ピッチベンドレバーを有するもの
が、例えば、特公平6−97396号公報等で知られて
いる。ピッチベンドレバーの具体的構造としては種々の
ものが考えられるが、その一構成例を説明する。
【0003】図14は、従来のピッチベンドレバーの一
構成例の説明図である。図中、1は本体部、141は操
作部,141aは突部,141bは押圧部、142は感
圧センサである。本体部1の背面部側の凹部にピッチベ
ンドレバーの操作部141が設けられ、この操作部は、
突部141aが本体部1の底面に当接する。突部141
aの左右には押圧部141bがあり、本体部1の底面の
左右には感圧センサ(FSR)142が設けられ、左右
の押圧部141bにより押圧される。感圧センサ142
は、シートスイッチ状のもので押圧力によってその抵抗
値が変化する。ピッチベンドレバーの操作部141は、
突部141aを支点としてシーソ状に揺動し、各感圧セ
ンサ142の抵抗値は、操作部141の押圧力に応じて
変化する。この抵抗値変化に応じた操作情報を生成し、
この操作情報でピッチベンド量を制御することができ
る。
【0004】しかし、このピッチベンドレバーは、押圧
力で操作情報を出力するものであり、押圧中の変位量も
少ないため、演奏者は操作量が感覚的にわかりにくいと
いう問題がある。しかも、演奏中に本体部1を指で支持
しながらピッチベンドレバー141を操作することがむ
ずかしいという問題があった。また、感圧センサ142
は、素子自体の特性のばらつきが比較的大きいと共に、
押圧力に対する抵抗値の変化がリニアでなく、演奏制御
のための操作情報を得るには扱いにくいものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するためになされたもので、長棒状の本体部
および口操作部を有する電子楽器であって、演奏者が演
奏中に操作子を容易に操作することができるとともに、
操作子の操作量が感覚的に把握しやすい構造の電子楽器
を提供することを目的とするものである。この電子楽器
によれば、特性のばらつきが少なく操作に対する抵抗値
の変化を自由に設計できる回転型可変抵抗器が使用可能
となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、長棒状であって前面側に音高指定用の複数の
キーが配置された本体部、および、口操作子が配置され
た口操作部を有する電子楽器において、前記本体部の背
面側であって長手方向の略中央の軸線上に前記本体部の
背面側から突出して設けられ指で本体部を支持するため
の被支持部と、該被支持部に対し前記口操作部とは反対
側の近傍でかつ前記本体部の幅方向にずれた位置に設け
られ、楽音制御信号をリアルタイムに生成する回転型操
作子と、を有するものである。したがって、演奏中にお
いて、演奏者は本体部を指で支持しながらこの指で操作
子を容易に操作することができるとともに、操作子が回
転型操作子であるために、操作子の操作量が感覚的に把
握しやすい。また、特性のばらつきが少なく操作に対す
る抵抗値の変化を自由に設計できる回転型可変抵抗器が
使用可能である。
【0007】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の電子楽器において、前記回転型操作子は、回
転型操作部を有し、該回転型操作部は、前記指の腹で操
作するための凹部を有し操作方向が前記軸線の方向と略
同一であるというものである。したがって、指による回
転操作が容易であるとともに、操作子の操作量が凹部の
回転角によって視覚的にも把握しやすい。また、凹部が
形成されているために回転型操作部の突き出し量が少な
くなり、その結果、指を回転操作部から離しやすいた
め、回転型操作子に触れないで本体部を支持することも
容易である。
【0008】請求項3に記載の発明においては、請求項
2に記載の電子楽器において、前記被支持部は、前記長
手方向の回転型操作部側に湾曲部を有するものである。
したがって、被支持部の湾曲部に指を掛けることによっ
て本体部の支持が容易となる。被支持部の湾曲部に掛け
た指をわずかに移動させることによって回転型操作子の
凹部を指の腹で操作することができ、演奏者は本体部を
指で支持しながら、この指で操作子を容易に操作するこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、本発明の実施
の一形態の電子管楽器の外観を示す説明図である。図1
(a)は正面図、図1(b)は右側面図である。図2は
裏面図、図3は下面図である。図4は、オクターブ指定
用スイッチの部分図である。図1中、1は本体部、2は
マウスピース、3,3a〜3pはキースイッチ、4は第
1のLED(発光ダイオード)、5は第2のLED(発
光ダイオード)、6はリップセンサ、7はストラップリ
ング、8はセットアップスイッチ、9はフィンガーレス
ト、10はピッチベンドホイール、11はケーブルクラ
ンプである。図2中、12,12a〜12dは設定ボリ
ューム、13はディップスイッチ、14はオクターブ指
定用スイッチ、15はキーホールドスイッチ、16はプ
ログラムチェンジスイッチ、17は電源スイッチ、18
は電源端子、19はMIDIOUT端子、20はWX
OUT端子、21は呼気ドレインである。図3中、22
はキーシャフト、23はロッドである。図4中、14a
はサムレスト、14b,14cはオクターブシフトアッ
プ用スイッチ、14d,14eはオクターブシフトダウ
ン用スイッチである。
【0010】図1(a)に示すように、この実施の形態
の電子管楽器は、長棒状の本体部1の前面側に複数のキ
ースイッチ3a〜3pが配置され、そのマウスピース2
に図1(b)にそのリード部分を示すリップセンサ6お
よびウィンドセンサ(ブレスセンサ)が内蔵されてい
る。このような構造において、中点復帰ボリュームを用
いたピッチベンドホイール10を設置し、電子管楽器演
奏におけるピッチ下降、ピッチ上昇といったピッチベン
ド奏法の指操作による実現を可能とする。
【0011】具体的には、図1(b)および図2に示す
ように、本体部1の背面側であって長手方向の略中央の
軸線上に背面側から突出して設けられ右手の親指で本体
部1を支持するためのフィンガーレスト(指掛けフッ
ク)9と、このフィンガーレスト9に対しマウスピース
2とは反対のテール側の近傍であって本体部1の幅方向
左側にずれた位置にピッチベンドホイール10が配設さ
れている。このピッチベンドホイール10によりMID
I信号等の楽音制御信号をリアルタイムに生成し、音源
を有する外部機器から楽音を発生させる。
【0012】まず最初に、この実施の形態の電子管楽器
の全体構成を説明することとし、ピッチベンドホイール
10およびフィンガーレスト9の構造については、図5
ないし図7を参照して説明する。図1(a)に戻って説
明する。音高指定用のキースイッチ3a〜3pは、両手
の指で演奏操作を行うのに便利なように、マウスピース
2に近い側が左手用のキースイッチ3a〜3hとされ、
テール側が右手用のキースイッチ3i〜3pとされて、
本体部1の表の面に沿うように並んで配置されている。
本体部1の前面側の上部はマウスピース2に沿うように
傾斜し、この傾斜部分に、第1,第2の発光ダイオード
4,5が配設されている。これらの点灯および消灯状態
によって、演奏者は、ウィンドセンサやリップセンサ6
などの操作状態を視認できる。
【0013】マウスピース2の内部には、ウィンドセン
サおよびリップセンサ6が配設されている。図1(b)
の側面図に示すように、リップセンサ6は、そのリード
部がマウスピースの裏側に出ている。ウィンドセンサは
マウスピース2内に吹き込まれた息圧を検出し、リップ
センサは、リード部の噛み合い度合いを検出する。図1
(b)および図2に示すように、本体部1の裏側には演
奏者の首にかけたベルトの金具を係合するストラップリ
ング7、ケーブルが嵌合,保持されるケーブルクランプ
11が設けられている。
【0014】図2に示すように、本体部1の裏側には種
々の操作子も配設されている。複数の設定ボリューム1
2a〜12dは、例えば、それぞれ、ウインドゲイン、
ウインドゼロ(ウインド基準強度)、リップゲイン、リ
ップゼロ(リップ基準位置)の調整用ボリュームとする
ことができ、アナログ量の設定に適する。ディップ(D
IP:Dual Inline Package)スイ
ッチ13も設けられ、オンオフ状態で各種の設定をす
る。オクターブ指定用スイッチ14は、図4の部分拡大
図を参照して後述するように、左手親指の当接する位置
に配設され、親指の動きに応じて複数のスイッチのオン
オフ状態の組み合わせが変化するもので、キースイッチ
3a〜3pにより指定された音高のオクターブを上下さ
せるのに用いる。
【0015】セットアップスイッチ8は、他の操作子と
同時またはほぼ同時に操作して各種の機能設定を行い、
例えば、ピッチベンドホイール10とともに連携動作さ
せてオーディションモードにするために使用する。この
オーディションモードにおいては、ピッチベンドホイー
ル10の出力を息圧値とみなし、ピッチベンドホイール
10が操作されているときに楽音が発生するように楽音
制御信号を出力する。すなわち、オーディションモード
とは、ウインドセンサ、リップセンサ6等の口操作子を
操作することなしにピッチベンドホイール10など、非
口操作子によって発音試聴するモードをいう。また、オ
クターブ指定用スイッチ14とともに操作して、ウイン
ドセンサのウィンドゲインを設定したり、キースイッチ
3とともに操作して、押されたキースイッチ3に対応さ
せてMIDI出力の通常の出力チャンネルを変更した
り、セットアップスイッチ8を押した瞬間に、ウインド
センサの圧力値を0にリセットするのに用いることがで
きる。
【0016】キーホールドスイッチ15は、演奏中の音
を鳴らしたままにするものである。プログラムチェンジ
スイッチ16は、音源の音色を切り換えるものである。
本体部1の裏面には、操作子の他にも、電源スイッチ1
7、電源端子18、生成した楽音制御信号を音源などの
外部機器に出力するためのMIDI OUT端子19、
楽音制御信号を専用の音源に接続すると同時に電源供給
を受けるWX OUT端子20、マウスピース2に吹き
込まれた息を排出するとともに,唾液や水を抜くための
呼気ドレイン21が設けられている。
【0017】図3の下面図を参照し、キースイッチ3お
よびキーセンサの構造を説明する。キースイッチ3a〜
3pは個々に形状が異なるが、ここでは説明用のキース
イッチ3を示している。キースイッチ3は、略L字型で
あり、そのL字型の屈曲部に通されたキーシャフト22
により本体部1に回動自在に支持されている。ロッド2
3が本体部1の表側から突き出している。キースイッチ
3は、図示しないリターンスプリングによりその押圧部
下面がロッド23に当接しないように付勢されている。
【0018】演奏者がキースイッチ3を押下すると、そ
の押圧部下面がロッド23に当接し、図5を参照して後
述するように、ロッド23の下端のアクチューエータ4
1が本体部1内に設けられたキーセンサ40を押圧す
る。キーセンサ40としては、例えば、弾性を有し押圧
力に応じて抵抗値が変化するシート状の感圧センサを用
いる。したがって、キーセンサ40を用いた分圧回路の
電圧を閾値と比較することにより、キースイッチ3のO
N/OFF操作状態を検出する。同時に、その電圧値に
よってキーセンサ40に対する演奏者の押圧力を検出し
て、後述するようなアフタータッチ制御等に用いること
ができる。なお、運指表は、従来の電子管楽器の運指表
と同様のもので、自然管楽器のサックスやリコーダに類
似したものである。
【0019】図4の部分拡大図を参照して、オクターブ
指定用スイッチ14の形状および機能について説明す
る。図示の構成例では、本体部1の裏側の中心線上にサ
ムレスト14aが形成され、通常左手の親指が当接され
る。このサムレスト14aを囲む斜め上方に略円形状の
オクターブシフトアップ用スイッチ14bと略扇状のオ
クターブシフトアップ用スイッチ14cとが密接して形
成されている。
【0020】さらに、サムレスト14aの斜め下方に略
円形状のオクターブシフトダウン用スイッチ14dと、
略扇形状のオクターブシフトダウン用スイッチ14eと
が密接して形成されている。そして、サムレスト14a
の形状はこれらオクターブシフトアップ用スイッチ14
b,14c、オクターブシフトダウン用スイッチ14
d,14eの内周縁に沿った略円形の形状とされてい
る。これらのスイッチは、図示のようにその形状と位置
がそれぞれ異なる。例えば、サムレスト14aに当接さ
せた親指を回転させながら順次各スイッチの上面に接触
させた時、その形状および位置によって演奏者がオクタ
ーブ指定用スイッチ14のどのスイッチであるかが明確
に判断できるような変化が付与される。
【0021】オクターブ指定用スイッチ14のうち、い
ずれのスイッチも操作しない場合に発音される楽音の音
高は、この電子管楽器に適用される所定の運指表の通り
であり、オクターブシフトしない。オクターブシフトダ
ウン用スイッチ14dだけを操作した場合は、発生され
る楽音は1オクターブ下にシフトされる。さらに、オク
ターブシフトダウン用スイッチ14d,14eの2つを
同時に操作した場合は、2オクターブ下にシフトされ、
さらに、オクターブシフトダウン用スイッチ14eだけ
を操作した場合は、3オクターブ下にシフトされる。同
様に、オクターブシフトアップ用スイッチ14bだけを
操作した場合は、発生される楽音は1オクターブ上にシ
フトされ、オクターブシフトアップ用スイッチ14b,
14cの2つを同時に操作した場合は、2オクターブ上
にシフトされ、オクターブシフトアップ用スイッチ14
cだけを操作した場合は、3オクターブ上にシフトされ
る。
【0022】すなわち、各スイッチ14b,14c,1
4d,14eを押下するように操作したときを1、操作
しないときを0として、これらの操作状態の組み合わせ
に応じて、−3から+3までの7レベルを出力する。そ
の結果、オクターブ指定用スイッチ14は、親指の動き
に応じ、その操作量を段階的に異なる操作情報として出
力することができる。
【0023】図5は、本発明の実施の一形態の電子管楽
器の本体部断面構造図である。図中、図1と同様な部分
には同じ符号を付して説明を省略する。10aは凹部、
10bは摺動部、10cは突起部、10dは中空凹部、
31は表ケース部、31aは凹部、31bはガイド板、
32は裏ケース部、33はカバーケース部、34はキー
ユニット取付台、35はメイン基板、36は中点復帰式
ボリューム、36aは回転軸、37は排水パイプ、38
は電池、39はシート置き台、40はキーセンサ、41
はアクチュエータである。
【0024】図1に示した本体部1は、表ケース部3
1、裏ケース部32、カバーケース部33が組立てられ
て構成され、表ケース部31と裏ケース部32による内
部空間には、メイン基板35、中点復帰式ボリューム3
6、排水パイプ37等が収容されている。排水パイプ3
7は図2に示したマウスピース2の内部の息排出部を呼
気ドレイン21に接続するもので、息抜きと唾液を排出
するためのパイプである。また、表ケース部31の上面
部中央には長手方向に沿って凹部31aが形成されこの
中に、例えば、単4の電池38が6本収容される。
【0025】中点復帰式ボリューム36には中点復帰用
の戻りばねが内蔵され、その回転軸36aにピッチベン
ドホイール10がはめ込まれて結合されている。ピッチ
ベンドホイール10の回転操作部の円弧状外周面は、裏
ケース部32の背面部から外方に出ている。回転操作部
の上部には突起部10cを有する摺動部10bが設けら
れている。一方、表ケース部31の上面部の天井部分か
らは下方向に2枚のガイド板31bが設けられている。
この2枚のガイド板31bの間にはピッチベンドホイー
ル10の摺動部10bが挟み込まれ、突起部10cによ
り、ピッチベンドホイール10の回動操作時に適度な摩
擦力を与えている。
【0026】ピッチベンドホイール10の回転操作部の
円弧状外面部の下方には凹部10aが形成され、ここに
親指の腹を当接させることができる。ピッチベンドホイ
ール10の回転操作部の内面には中空凹部10dが形成
されている。裏ケース部32の背面部にはフィンガーレ
スト9が取り付けられている。表ケース部31の上面部
には、平面状のシート置き台39が配設されこの上にキ
ーセンサ40が配置される。キースイッチ3(図3)の
押圧によりロッド23が下降しその先端のアクチュエー
タ41がキーセンサ40を押圧する。これらはカバーケ
ース部33で覆われ、カバーケース部33にはキーユニ
ット取付台34が取り付けられる。
【0027】図6は、本発明の実施の一形態の電子管楽
器のピッチベンドホイールの動作説明図である。図6
(a)は図5の矢示A,Aの切断線で裏ケース部32,
フィンガーレスト9の断面を示すと共に、ピッチベンド
ホイール10とフィンガーレスト9との位置関係を示す
説明図である。図6(b)は本体部1の背面部側の部分
拡大図である。図6(c)はピッチベンドホイール10
の説明図である。図中、図1,図5と同様な部分には同
じ符号を付して説明を省略する。42はねじ取付穴であ
る。なお、図6(b),図6(c)の本体部1は、図6
(a)の符号32に対応する裏ケース部であるが、符号
を図2に合わせた。
【0028】図6(a)に示すように、裏ケース部32
に設けられた凹部にフィンガーレスト9がはめ込まれ、
ねじ取付穴42に挿入されたねじにより固定される。フ
ィンガーレスト9は、裏ケース部32から外方に突出す
る。フィンガーレスト9は図示右側において緩やかに傾
斜し、図示左側において緩やかな湾曲部9aになってい
る。裏ケース部32は、フィンガーレスト9に対しテー
ル側の近傍の領域においてテール側から肉厚が若干盛り
上がって平坦となり、フィンガーレスト9のテール側の
湾曲部9aになだらかに連なっている。図6(b)に示
すように、盛り上がって平坦となった領域は、幅方向両
側部に対しても若干盛り上がり、本体部1(裏ケース部
32)の背面中央部において略矩形をなす。この平坦領
域から幅方向にずれた位置、図では上にずれた位置に幅
方向に短い略矩形の穴があいており、ここからピッチベ
ンドホイール10の回転操作部の一部が外方に出てい
る。
【0029】図6(c)に示すように、ピッチベンドホ
イール10は、上半部が中心部および下半部側と構造が
異なる。下半部の円弧状周面には最下部に凹部10aが
形成され、ここに指の頭を当接して回転操作がなされ
る。下半部および中心部の内面側は、回転軸36aが差
し込まれる中央部と周縁部を除き、中空凹部10dとな
っている。図5にも示したように上半部は薄い扇状の摺
動部10bとなっており、その両面には突起部10cが
円弧状に形成されている。
【0030】図6(a)に戻ってピッチベンドホイール
10の回転操作を説明する。ピッチベンドホイール10
の操作方向は、図示左右方向である本体部1の長手方向
と同一方向にしている。右手親指で凹部10aを操作
し、ピッチベンドホイール10を時計回りあるいは反時
計回り方向に回転させると、ピッチベンドホイール10
は、摺動部10bがガイド板31bにより位置規制され
ながら回転軸36aを回転させる。ガイド板31bの傾
斜した左右端はストッパとなる。回転によりピッチベン
ドホイール10の下半部の左右端がこのストッパに当接
して回転が規制される。図示の例では、中点から時計回
りおよび反時計回り方向に±30度の回転が可能となっ
ている。なお、操作時の摩擦感を与える突起部10c
は、必ずしも必要でない。摺動部10b全体がガイド板
31bに対して摺動するようにしたり、あるいは、突起
部10cをなくし摺動部10bを摩擦力の少ない単なる
位置規制板にしてもよい。
【0031】右手親指は、フィンガーレスト9の湾曲部
9aに当接して本体部1を支持することができるととも
に、ピッチベンドホイール10を回転させることができ
る。そのため、ピッチベンドホイール10を回転させる
と、右手親指がフィンガーレスト9の湾曲部9aに対す
る当接角度が変化する。そのため、湾曲部9aには幅方
向に十分な丸みを付けており、図6(b)に図示するよ
うなフィンガーレスト9の先端部近傍だけでなく根本部
まで丸みをつけている。
【0032】図7は、本発明の実施の一形態の電子管楽
器のピッチベンドホイールの操作例の説明図である。図
7(a)はピッチベンドホイールを反時計回り方向に回
転させたときの状態、図7(b)はピッチベンドホイー
ルを中点位置にしたときの状態、図7(c)はピッチベ
ンドホイールを時計回り方向に回転させたときの状態の
説明図である。いずれも、図6(b)の部分拡大図に右
手親指の位置を書き込んだ図である。
【0033】図7(a)において、右手親指の腹の部分
でピッチベンドホイール10を図示上方向に回転させて
いる。右手親指の右側部をフィンガーレスト9の湾曲部
9a内に当接させて本体部1を支持している。なお、こ
の当接する部分における湾曲部9aの外周も破線で図示
するように幅方向に丸みが付けられている。そのため、
ピッチベンドホイール10を回転させる際に、右手親指
を滑らかに動かすことができる。図7(b)において、
右手親指の腹の部分は、中点位置のピッチベンドホイー
ル10の凹部10a(図6(b))に置かれ、右手親指
の右側部をフィンガーレスト9の湾曲部9a内に当接さ
せて本体部1を支持している。図7(c)において、右
手親指の腹の部分でピッチベンドホイール10を図示下
方向に回転させている。このとき、右手親指の右側部は
フィンガーレスト9の湾曲部9aからはずれるが、本体
部1(裏ケース部32)の背面中央部に当接して本体部
1を支持することができる。上述した操作例は一例であ
り、演奏者の指の大きさによってフィンガーレスト9へ
の当接状態も異なる。しかし、同じ右手親指により本体
部1を支持することと、ピッチベンドホイール10の回
転操作とが容易になる構造である。
【0034】図8は、本発明の実施の一形態の電子管楽
器のハードウエアの全体構成を示すブロック図である。
図中、図1,図2,図5と同様な部分には同じ符号を付
して説明を省略する。バス51には、論理演算機能を有
するCPU(中央処理装置)57、プログラムを格納し
ているROM(リード・オンリ・メモリ)56、各種レ
ジスタ領域,CPU56が処理時に使用するワークエリ
ア等が設定されるRAM(ランダム・アクセス・メモ
リ)55が接続されている。
【0035】バス51には、A/D変換部52を介して
アナログ操作系の入力部として、キーセンサ40、ウイ
ンドセンサ53、リップセンサ6、ピッチベンドホイー
ル10、設定ボリューム12が接続され、A/D変換部
52は、各出力を適宜走査して検出し、ディジタル信号
に変換してバス51に供給する。スイッチ操作系の入力
部としては、オクターブ指定用スイッチ14、セットア
ップスイッチ8、その他のスイッチ類54が接続されて
いる。ここで、キーセンサ40は、図3を参照して説明
したようにキースイッチ3の押圧力に応じた抵抗値を示
すものであり、例えば、キーセンサ40と固定抵抗器と
の直列回路に所定電圧を印加したときの分圧電圧をA/
D変換部52に出力する。出力部としては、第1,第2
の発光ダイオードを駆動制御するLED駆動回路58お
よびMIDI信号などの楽音制御信号を出力する出力イ
ンターフェース59が接続されている。
【0036】ROM56内に記憶されたプログラムが、
CPU57において実行されることにより信号処理が行
われ、楽音制御信号が出力インターフェース59を介し
てMIDI OUT端子19およびWX OUT端子2
0に出力される。外部の音源およびサウンドシステムで
は、MIDIデータを受信して楽音波形を生成し楽音を
出力する。また、演奏操作に先立ち種々のパラメータを
設定ボリューム12等により設定する。
【0037】本体部1上に設けられた音高指定用の複数
のキースイッチ3を演奏操作すると、キー操作の押圧力
をキーセンサ40で検出し、A/D変換部52でディジ
タル値に変換してキースイッチ3のON/OFF状態や
押圧力の検出を行う。また、オクターブ指定用スイッチ
14やセットアップスイッチ8の操作も検出される。C
PU57は、ROM56のプログラムにしたがって、こ
れらの操作部にアクセスし、その操作情報を受取り、こ
れらの情報に基づいて楽音制御信号を生成して出力す
る。
【0038】図9ないし図13は、本発明の実施の一形
態の電子管楽器における楽音制御のフローチャートであ
る。主として、ピッチベンドホイールの機能を説明する
ためのもので、他の機能については処理ステップの記載
を適宜省略している。図9は、楽音制御のメインルーチ
ンにおける発音開始時に実行される処理のフローチャー
ト、図10は楽音制御のメインルーチンの発音持続中に
実行される処理のフローチャートである。また、図11
は、図9のS61におけるディップスイッチ設定処理の
フローチャートである。図12は、図9のS64,図1
0のS83におけるリップ表示制御のフローチャートで
ある。図13は、図10におけるS74の具体例のフロ
ーチャートである。通常演奏モードでは、ウインドセン
サ53が発音動作を制御する。マウスピース2に息を吹
き込んで所定値以上の息圧をウインドセンサ53が検出
しているときに発音動作をするように、音高指定用のキ
ースイッチ3とウインドセンサ53などによってMID
I信号などの楽音制御信号を出力する。図9,図10の
フローチャートでは、そのような仕様としたが、リップ
センサ6が所定値以上の噛圧を検出しているときに発音
動作をするように、リップセンサ6と音高指定用のキー
スイッチ3などによってMIDI信号などの楽音制御信
号を出力するようにしてもよい。
【0039】図9において、電源の投入によりメインル
ーチンがスタートすると、レジスタの初期化等が行われ
た後、ディップスイッチ設定処理の一環としてリップセ
ンサ6の制御態様をセットし、S62に処理を進める。
図11を参照し、図9のS61の処理を説明する。S9
1において、図2のディップスイッチ13の入力取り込
みを行う。S92ないしS95においては1番目のディ
ップスイッチにより、ピッチベンドホイール10の制御
態様の設定を行い、S96ないしS99においては2番
目のディップスイッチにより、リップ制御態様の設定を
行う。3番目以降のディップスイッチによる設定は、こ
のフローチャートにおいてはS100としてまとめてい
るが、1番目,2番目と同様な処理を行う。なお、1番
目からn番目までの全てのディップスイッチの入力取り
込みを一度に行うものとしたが、各制御態様設定の処理
ステップにおいて、個別に各ディップスイッチ13の入
力を取り込んでもよい。
【0040】S92においては、1番目のスイッチにO
N/OFFイベントがあるか否か、言い換えれば、スイ
ッチ状態がOFFからONに変化したか、ONからOF
Fに変化したか否かを判定し、イベントがあるときには
次のS93に処理を進め、ないときにS96に処理を進
める。なお、電源をオンにした後の最初にこのステップ
の処理を行うときには、イベントありと判定する。S9
3において、ピッチベンドホイール10により何を制御
するかを決めるために、スイッチがONであるときには
S94に処理を進めOFFであるときにはS95に処理
を進める。S94においては、ピッチベンドホイールの
コントロールチェンジナンバレジスタCCNに定数gを
取り込みS96に処理を進める。定数gは、例えばピッ
チベンドに対応するコントロールチェンジナンバとす
る。一方、S95においては、このコントロールチェン
ジナンバレジスタCCNに定数fを取り込みS96に処
理を進める。定数fは、例えばビブラート深さに対応す
るコントロールチェンジナンバとする。ピッチベンドホ
イール10の制御態様を、音量、音色等の任意の演奏制
御用に用いてもよく、演奏制御に対応した定数をコント
ロールチェンジナンバレジスタCCNに取り込めばよ
い。
【0041】S96においては、2番目のスイッチにO
N/OFFイベントがあるか否かを判定し、イベントが
あるときには次のS97に処理を進め、ないときにS1
00に処理を進める。S97において、リップセンサ操
作情報の変換テーブルを選択するために、スイッチがO
NであるときにはS98に処理を進めOFFであるとき
にはS99に処理を進める。S98においては、変換テ
ーブルTBL(m)のmに1をセットすることによりテ
ーブル1を選択しS100に処理を進める。一方、S9
9においては、変換テーブルTBL(m)のmに2をセ
ットすることによりテーブル2を選択しS100に処理
を進める。S100においては、3番目以降n番目のデ
ィップスイッチによる各種制御態様を設定して図9のメ
インルーチンのS62に処理を戻す。
【0042】変換テーブルTBL(m)によって、リッ
プセンサ6を用いた種々の操作態様を選択設定すること
ができる。リップセンサ6を用いた操作態様としては、
例えば、リードを常に噛み、噛んだ状態を基準位置(こ
の位置で基準値を出力する)としてコントロールするタ
イトリップと、リードを噛まない状態を基準位置として
コントロールするルーズリップの2種類の操作態様があ
る。さらに、制御の可変範囲を広くするか否か(ワイド
/ノーマル)、入出力変換特性として、基準位置の前後
の不感帯の有無、不感帯の幅、不感帯を設けるレベル
(基準値や基準値以外の任意のレベル)、飽和領域の有
無、噛まない状態(始点)と最も強く噛んだ状態(終
点)のレベル、変換特性のカーブ(リニア特性、指数関
数特性、対数関数特性など)は、制御対象に応じて適宜
変更した別の変換テーブルTBL(m)を用いることに
よって設定が可能である。図示の例では、2種類のうち
1種類しか選択できないが、複数のスイッチのON/O
FF状態の組合せによって多種類の内から1種類を選択
することができる。
【0043】図9に処理を戻し、S62においては、ウ
インドセンサ53(図8)の出力をA/D変換した入力
を息圧値レジスタに取り込む。S63においては、息圧
値レジスタの息圧値が0であるか否かを判定する。息圧
値が0でなければS64に処理を進めるが、0であれば
S65に処理を進める。S64の処理は図12を参照し
て説明する。
【0044】図12のS111においては、リップセン
サ6(図1,図8)の出力をA/D変換した入力をリッ
プレジスタLPに取り込みS111に処理を進める。S
112において、変換テーブルにリップレジスタの値L
Pを入力して変換した操作出力値TBL(m,LP)の
値が、AからBの範囲内、すなわち基準値の範囲内にあ
るか否かを判定し、この範囲内であればS113に処理
を進め、範囲外であればS114に処理を進める。S1
13においては第1の発光ダイオード4(図1)を消灯
させ、一方、S114においてはこれを点灯させて、い
ずれの場合も図9のメインルーチンにリターンする。
【0045】その結果、タイトリップの制御態様におい
ては、噛み合い度合いの中間位置の基準位置およびこの
近傍の位置で第1のLED4を消灯状態とし、これ以外
の位置でこの第1のLED4を点灯状態となるように制
御する。ルーズリップの制御態様においては、リップセ
ンサの非噛み合い位置の基準位置およびこの近傍で第1
のLED4を消灯状態とし、これ以外の位置でこの第1
のLED4を点灯状態となるように制御する。このよう
に、演奏者は、基準位置におけるリップセンサの入力値
を変換テーブルで変換した出力値によって第1のLED
4を点灯,消灯状態とすることによりリップセンサ6の
基準位置およびその近傍位置を知ることができる。ま
た、図2に示した設定ボリューム12dによりリップゼ
ロの調整を可能とする場合にも、ゼロ点(基準位置)の
調整が容易になる。なお、上述した、設定値A,Bの値
は、図11のリップ制御態様設定によって選択された変
換テーブルTBLの番号mに応じて異なる値を採用する
こともできる。
【0046】再び、図9のメインルーチンに戻って説明
する。S64におけるリップ表示制御は、息を吹き込ん
でいない状態の処理であるため、非発音状態でリップセ
ンサの操作状態を第1のLED4の表示状態によって確
かめることができる。S65においては、複数のキース
イッチ3a〜3pに対応する複数のキーセンサ40のA
/D変換された入力値を順次取り込み、S66において
は、各A/D変換された入力値をそれぞれのON/OF
F情報に換算する。このON/OFF情報から、この電
子管楽器の運指表の規則に従ってノート・ナンバnot
e numberを求め、S67に処理を進める。
【0047】音高指定用のキースイッチ3a〜3pの押
圧によるON/OFFの組み合わせと、運指表の規則に
従ってノートナンバとの対応関係を示す対応テーブルが
予めROM56(図8)に記憶されている。ノートナン
バの決定に際しては、キーセンサのA/D変換された入
力値が0から10までの値をとるものとすると、0であ
る場合をOFF、1〜10である場合をONと判断す
る。音高によっては、同じ音高すなわち、同じノートナ
ンバの音を発音するのに、複数の替え指ができる。した
がって、押圧するキースイッチ3を替えても、替え指間
の変更であれば、ノートナンバは変更されない。
【0048】このフローチャートでは説明が煩雑になる
ために、オクターブ指定用スイッチ14の入力処理につ
いて省略した。しかし、実際には、オクターブ指定用ス
イッチ14の操作によって、ノート・ナンバnote
numberがオクターブ単位でシフトするようにして
いる。S67においては、求めたノート・ナンバnot
e numberをレジスタlast noteに収納
し、S68に処理を進める。S68においては、「ノー
ト・オン」のチャンネル・ボイス・メッセージをMID
I OUTに出力し、図10のS69に処理を進める。
以上が、非発音状態の処理である。
【0049】図10を参照し、発音開始以降の処理ステ
ップを説明する。S69においては、図9のS62と同
様に、ウィンドセンサ53のA/D変換された入力値を
息圧値レジスタに取り込み、S70に処理を進める。S
70においては、息圧値が0であるか否かを判定し、0
であればS71に処理を進め、0でなければS73に処
理を進める。S71においては、第2の発光ダイオード
5(図1,図8)を消灯させ、S72において「ノート
・オフ」のチャネル・ボイス・メッセージをMIDI出
力し、図9のS61に処理を戻す。S73においては、
第2の発光ダイオード5(図1,図8)を点灯させ、S
74においてこの息圧値を伝送する「コントロール・チ
ェンジ」のチャンネル・ボイス・メッセージをMIDI
OUT端子19に出力し、S75に処理を進める。
【0050】上述した第2のLED5の点灯,消灯状態
によって、演奏者は、マウスピースに息を吹き込んでみ
て、発音状態となる息圧、すなわち、楽音が鳴り始める
息圧を知ることが容易となる。設定ボリューム12bに
よりウインドゼロ、すなわち、ウインドセンサで制御さ
れて楽音が鳴り出す基準強度を調整することができるよ
うにした場合にも、調整が容易になる。
【0051】S75においては、各キーのA/D入力値
を取り込み、次のS76においては各A/D入力値をO
N/OFF情報に換算して、運指表の規則にしたがって
ノート・ナンバ(note number)を求め、S
77に処理を進める。このS75,S76のステップ
は、図9のS65およびS66のステップと同様であ
る。S77においては、求めたノート・ナンバnote
numberがラスト・ノートlast noteと
同じか否かを判定し、同じであればS78に処理を進
め、同じでなければS79に処理を進める。ここで、ラ
スト・ノートlastnoteとは、図9のS67ある
いは、後述するS79においてレジスタlast no
teに収納したノート・ナンバの値である。
【0052】S79に処理が進むのは、音高指定用のキ
ースイッチ3の押し換えがあったときである。S79に
おいては、求めたノート・ナンバnote numbe
r(新たにキーオンされたノート・ナンバ)をレジスタ
last noteに収納し、S80においては、「ノ
ート・オフ」のチャンネル・ボイス・メッセージを、S
81においては、「ノート・オン」のチャンネル・ボイ
ス・メッセージをMIDI OUT端子19に出力し、
S78に処理を進める。S80におけるノート・オフ
は、S79において書き換えられる前のラスト・ノート
last noteのノート・オフであり、S81にお
けるノート・オンは、S79において書き換えられた後
のラスト・ノートlast noteのノート・ナン
バ、すなわち、上述した新たにキーオンされたノート・
ナンバである。音楽的に表現すれば、S81のノート・
オンは、スラー表記された楽譜を表現する場合である。
【0053】S78においては、ON状態のキースイッ
チ3のうち、一番下のキースイッチ3を探し、そのキー
センサ40のA/D変換された入力値を求め、S82に
処理を進める。図1における複数のキースイッチ3a〜
3pの中で、3pに近いテール側が下方のキースイッチ
である。S82においては、一番下のキースイッチのA
/D変換された入力値をアフタータッチ情報とし、この
情報を伝送するチャンネル・ボイス・メッセージをMI
DI出力し、S83に処理を進める。
【0054】上述したアフタータッチ制御により、MI
DI信号を受信する音源側においては、楽音に任意のア
フタータッチ(例えば、ビブラート,ピッチや音色等の
変化など)の効果を付けることができる。上述した説明
では、ON状態のキースイッチ3の内、一番下のものを
アフタータッチ制御の操作子として用いた。これは一番
下のキースイッチ3が通常は最も操作しやすい操作子で
あるからである。もちろん、アフタータッチの操作子と
して他の任意のキースイッチ3を用いることも、また、
全てのキースイッチ3の押圧力の統計値、例えば、平均
値をアフタータッチ情報とすることもできる。各キース
イッチ3a〜3pが個別にアフタータッチ情報を出力す
ることも可能である。
【0055】S83においては、既に説明した図12の
リップセンサ6の表示制御を行い、S84に処理を進め
る。S84においては、A/D変換された入力値に基づ
いて出力された操作出力値TBL(m,LP)をリップ
情報として、ディップスイッチ13等により予め設定さ
れたコントロールチェンジナンバーをつけた「コントロ
ール・チェンジ」のチャンネル・ボイス・メッセージと
してMIDI OUTに出力し、S85に処理を進め
る。S85においては、ピッチベンドホイール10のA
/D変換された入力値をレジスタに取り込み、S86に
おいて、このレジスタのデータに、図11のS94,S
95においてコントロールチェンジナンバレジスタCC
Nに取り込まれた定数を付してMIDI信号を出力す
る。なお、「コントロール・チェンジ」のチャンネル・
ボイス・メッセージ以外のメッセージ、例えば、「ピッ
チベンド」のチャンネル・ボイス・メッセージを出力す
るように設定してもよい。
【0056】図13は、S86における息圧値をMID
I出力するステップを説明するためのフローチャートで
ある。図10では詳しく説明しなかったが、S86の処
理ステップに来たときに常にMIDI出力する必要はな
く、息圧値が変化したときに息圧値をMIDI出力す
る。具体的には、S121において、息圧値レジスタの
値は前回の同じS86の処理ステップにおける息圧値レ
ジスタの値と同じ値か否かを判定し、同じであればMI
DI出力をすることなくS74に処理を進め、同じでな
ければ、S122に処理を進める。S122において
は、新たな息圧値とコントロールチェンジナンバとを
「コントロール・チェンジ」のチャンネル・ボイス・メ
ッセージでMIDI出力する。
【0057】コントロールチェンジ・ナンバは、図11
のフローチャートでは示さなかったが、ディップスイッ
チ13で設定することができる。例えば、息圧値を音量
等の制御対象と対応づけたり、ブレス・コントローラや
フット・コントローラ等のコントローラに対応づけるこ
とができる。MIDI信号を受信した音源側では、コン
トロールチェンジナンバを受信し、制御対象やコントロ
ーラの種類を決め、設定値を制御対象やコントローラの
具体的数値として取り込んで楽音を発生する。コントロ
ーラの種類にどのような制御対象を割り当てるかは、音
源側で決めることができる。
【0058】なお、図13を用いて、息圧値のMIDI
出力について補足説明したが、図10のS82における
アフタータッチ情報、同じくS84おけるリップ情報、
S86におけるピッチベンドホイールの操作情報をMI
DI出力する処理においても、常にMIDI出力をする
必要はなく、操作情報が変化したときにこの操作情報を
MIDI出力すればよい。
【0059】上述した説明では、回転型操作子を中点復
帰式回転型ボリュームを用いたピッチベンドホイールと
したが、操作情報の基準点が中点にではなく、基準点が
一方の回転限界の角度位置にあるようなホイール型操作
子であってもよい。上述した説明では、音高指定手段と
して押圧力に対応したアナログ量を出力するキースイッ
チ3を採用した。しかし、従来の電子管楽器のように、
単にON/OFFを出力する機械接点式のスイッチでも
よい。また、本発明の実施の形態の電子管楽器は、楽音
信号のコントロール部のみを有し、MIDIケーブルあ
るいは専用のWXケーブルを介して音源等の外部機器に
接続するタイプのものである。しかし、音源を内蔵しヘ
ッドホンから楽音を発生させるタイプのものや、さらに
スピーカを内蔵して楽音信号を発生するタイプのもので
もよい。
【0060】図1ないし図3に示した電子楽器の外観形
状は、自然管楽器に似ているが、本発明の電子楽器は、
形状を特に自然管楽器形状に限定するものではない。音
高指定方法は、自然管楽器に合ったものを採用したが、
鍵盤楽器と同様な押圧操作で音高を指定するようなもの
でもよい。
【0061】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、本発
明によれば、長棒状の本体部および口操作部を有する電
子楽器において、楽音制御信号をリアルタイムに生成す
る回転型操作子を用いることができる。演奏者は本体部
を指で支持しながらこの指で操作子を容易に操作できる
とともに、操作量が回転角によって変化するので感覚的
に把握しやすいという効果がある。その結果、電子管楽
器演奏におけるピッチベンド奏法を、中点復帰ボリュー
ムに連結されたホイールの指操作でピッチ下降、ピッチ
上昇させてることにより実現可能である。従来のピッチ
ベンドレバーに比べ、押圧力に対する抵抗値変化の特性
のばらつきが少なく操作に対する抵抗値の変化をリニア
特性を含め、自由に設計できる回転型可変抵抗器が使用
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態の電子管楽器の外観を
示す説明図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は
右側面図である。
【図2】 本発明の実施の一形態の電子管楽器の裏面図
である。
【図3】 本発明の実施の一形態の電子管楽器の底面図
である。
【図4】 本発明の実施の一形態の電子管楽器のオクタ
ーブ指定用スイッチの部分図である。
【図5】 本発明の実施の一形態の電子管楽器の本体部
断面構造図である。
【図6】 本発明の実施の一形態の電子管楽器のピッチ
ベンドホイールの動作説明図である。
【図7】 本発明の実施の一形態の電子管楽器のピッチ
ベンドホイールの操作例の説明図である。
【図8】 本発明の実施の一形態の電子管楽器のハード
ウエアの全体構成を示すブロック図である。
【図9】 本発明の実施の一形態の電子管楽器における
楽音制御のメインルーチンの発音開始時に実行される処
理のフローチャートである。
【図10】 本発明の実施の一形態の電子管楽器におけ
る楽音制御のメインルーチンの発音持続中に実行される
処理のフローチャートである。
【図11】 図9のS61におけるディップスイッチ設
定処理のフローチャートである。
【図12】 図9のS64,図10のS83におけるリ
ップ表示制御のフローチャートである。
【図13】 図10におけるS74の具体例のフローチ
ャートである。
【図14】 従来のピッチベンドレバーの一構成例の説
明図である。
【符号の説明】 1 本体部、2 マウスピース、3,3a〜3p キー
スイッチ、4 第1の発光ダイオード、5 第2の発光
ダイオード、6 リップセンサ、9 フィンガーレス
ト、10 ピッチベンドホイール、10a 凹部、10
b 摺動部、10c 突起部、10d 中空凹部、13
ディップスイッチ、14 オクターブ指定用スイッ
チ、19 MIDI OUT端子、31 表ケース部、
31a 凹部、31b ガイド板、32 裏ケース部、
33 カバーケース部、34 キーユニット取付台、3
5 メイン基板、36 中点復帰式ボリューム、36a
回転軸、37 排水パイプ、38 電池、39 シー
ト置き台、40 キーセンサ、41 アクチュエータ、
42 ねじ取付穴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長棒状であって前面側に音高指定用の複
    数のキーが配置された本体部、および、口操作子が配置
    された口操作部を有する電子楽器において、前記本体部
    の背面側であって長手方向の略中央の軸線上に前記本体
    部の背面側から突出して設けられ指で本体部を支持する
    ための被支持部と、該被支持部に対し前記口操作部とは
    反対側の近傍でかつ前記本体部の幅方向にずれた位置に
    設けられ、楽音制御信号をリアルタイムに生成する回転
    型操作子と、を有することを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 前記回転型操作子は、回転型操作部を有
    し、該回転型操作部は、前記指の腹で操作するための凹
    部を有し操作方向が前記軸線の方向と略同一であること
    を特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
  3. 【請求項3】 前記被支持部は、前記長手方向の回転型
    操作部側に湾曲部を有することを特徴とする請求項2に
    記載の電子楽器。
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