JPH1184741A - 電子写真現像剤用キャリア、電子写真用現像剤及び電子写真現像方法 - Google Patents

電子写真現像剤用キャリア、電子写真用現像剤及び電子写真現像方法

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JPH1184741A
JPH1184741A JP25931697A JP25931697A JPH1184741A JP H1184741 A JPH1184741 A JP H1184741A JP 25931697 A JP25931697 A JP 25931697A JP 25931697 A JP25931697 A JP 25931697A JP H1184741 A JPH1184741 A JP H1184741A
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JP
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carrier
toner
electrophotographic developer
electrophotographic
resin
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JP25931697A
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Inventor
Kimitoshi Yamaguchi
公利 山口
Akiyoshi Sugiyama
明美 杉山
Hiroaki Matsuda
浩明 松田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分なトナー帯電量が得られ、現像能力が高
く、高画質の現像を行うことができ、また繰り返し使用
においてトナー帯電量の低下が少なく、トナー飛散の少
ない、長寿命の電子写真現像剤用キャリアおよび電子写
真用現像剤を提供する。 【解決手段】 キャリア芯材の表面にキャリア芯材より
も低い抵抗を有する樹脂コート層を有し、キャリア芯材
そのものの抵抗よりも低い抵抗を有する電子写真現像剤
用キャリア、およびこのキャリアとトナーからなる電子
写真用現像剤。キャリア抵抗率(LogR)が5.0〜
9.5Ωcmであり且つキャリア芯材の飽和磁気モーメ
ントが40emu/g以上であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷などに使用される電子写真現像剤用キャリ
ア、そのキャリアを用いた現像剤およびその現像剤を用
いた電子写真現像方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真などにより形成された静電荷潜
像を現像剤によって現像する方式を用いた複写、記録、
印刷などの画像形成装置は、省資源、小型化、高速化、
デジタル化およびカラー化などが進み、これに対応する
ために、ますます高品質、高信頼の現像剤が必要となっ
てきている。静電荷潜像を現像する現像方式には、トナ
ーのみを使用する一成分現像方式と、キャリアとトナー
を使用する二成分現像方式があり、特に、高速の画像形
成装置に対しては現像追随性(即ち、静電荷像現像領域
へのトナーの供給性)などの点から、二成分現像方式が
使用されることが多い。従って、二成分現像方式におい
ては、信頼性が高く、且つ高現像能力を有する静電荷潜
像現像システムおよびその現像システムに適した現像剤
(キャリアおよびトナーからなる現像剤)の開発が重要
となる。
【0003】電子写真方式の画像形成装置において、高
い画像濃度を出すための現像システム条件としては、従
来から、電子写真感光体の表面電位を上げる方法、現像
スリーブの速度を上げる方法、現像ギャップ(感光体と
現像スリーブとの間の距離)を狭くする方法、ACバイ
アスを印加する方法などが知られている。これらのう
ち、電子写真感光体の表面電位を上げる方法は、感光体
を通過する電荷量が多くなり、感光体の寿命に悪影響を
与えるので好ましくない。また、現像スリーブの速度を
上げる方法は、トナー飛散を増加させたり、現像剤の寿
命を縮めるので好ましくない。ACバイアスを印加する
方法は効果が大きいが、それでも充分な現像能力がある
とは言い難いのが現状である。
【0004】一方、現像剤側から画像濃度を上げる方法
としては、トナー濃度上げること、トナー帯電量を低く
すること、また、キャリアの低抵抗化などが行われてい
る。しかし、トナー濃度を上げたり、トナー帯電量を低
くすると、トナーに対するキャリアの束縛力が小さくな
り、静電荷潜像現像領域にトナーが搬送されにくくなっ
たり、地汚れやトナー飛散を生じ易く、現像システムの
信頼性を落とすという問題があった。また、キャリアの
低抵抗化のためには、キャリア芯材をコート処理せずに
使用すれば良いが、その場合には、トナースペントし易
い、抵抗が低い為に十分なトナー帯電量が得られない、
現像剤を製造したのち時間が経過するとトナー帯電量の
低下を起こしやすいなどの不具合があった。
【0005】従来、二成分現像剤の長寿命化のために、
キャリア芯材表面にトナースペントを起こしにくい素材
をコートしていたが、そのような素材をコートすると電
気抵抗が上がるために、現像電界が弱められ、静電荷潜
像に対するトナーの現像量が減少し、画像濃度が充分に
上がらないという問題があった。そこで、コート層に導
電材を含有させる対策もとられているが、そうした場合
でもトナーの現像量が不十分であり、画像濃度を充分に
上げることが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、十分なトナー帯電量が得ら
れ、且つ現像能力が高く、高画質の現像を行うことがで
きる電子写真現像剤用キャリアおよび電子写真用現像剤
を提供することにある。また、本発明の課題は、繰り返
し使用においてトナー帯電量の低下が少なく、トナー飛
散の少ない、長寿命の電子写真現像剤用キャリアおよび
電子写真現像剤を提供することにある。また、本発明の
課題は、トナー帯電量の放置低下が少ない(現像剤の保
管時におけるトナー帯電量の低下が少ない)電子写真現
像剤用キャリアおよび電子写真現像剤を提供することに
ある。更に、本発明の課題は、低い現像ポテンシャル
で、充分な画像濃度が出せる電子写真現像方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、キャリア芯材の表面にキャリア芯材よりも低い抵抗
を有する樹脂コート層を有し、キャリア芯材そのものの
抵抗よりも低い抵抗を有することを特徴とする電子写真
現像剤用キャリアが提供される。第二に、上記第一に記
載の電子写真現像剤用キャリアにおいて、樹脂コート層
が抵抗調整剤を含有することを特徴とする電子写真現像
剤用キャリアが提供される。第三に、上記第一または第
二に記載の電子写真現像剤用キャリアにおいて、樹脂コ
ート層がシリコーン変性レジンを主成分とすることを特
徴とする電子写真現像剤用キャリアが提供される。第四
に、上記第一、第二または第三に記載の電子写真現像剤
用キャリアにおいて、キャリア抵抗率(LogR)が
5.0〜9.5Ωcmであり且つキャリア芯材の飽和磁
気モーメントが40emu/g以上であることを特徴と
する電子写真現像剤用キャリアが提供される。第五に、
上記第一、第二、第三または第四に記載の電子写真現像
剤用キャリアにおいて、トナーに対して絶対値15μc
/g以上の帯電量付与能力を有することを特徴とする電
子写真現像剤用キャリアが提供される。第六に、上記第
一乃至第五のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリ
アにおいて、樹脂コート層が帯電制御剤を含有すること
を特徴とする電子写真現像剤用キャリアが提供される。
第七に、上記第一乃至第六のいずれかに記載の電子写真
現像剤用キャリアにおいて、樹脂コート層が海島構造か
らなり、且つ海または島のどちらか一方に抵抗調整剤が
含有されていることを特徴とする電子写真現像剤用キャ
リアが提供される。第八に、上記第七に記載の電子写真
現像剤用キャリアにおいて、海および島がシリコーン系
樹脂からなることを特徴とする電子写真現像剤用キャリ
アが提供される。第九に、上記第七または第八に記載の
電子写真現像剤用キャリアにおいて、抵抗調整剤を含む
海または島中にアミノシランカップリング剤が含有され
ていることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアが提
供される。また、本発明によれば、第十に、トナーと上
記第一乃至第九のいずれかに記載の電子写真現像剤用キ
ャリアからなることを特徴とする電子写真用現像剤が提
供される。第十一に、上記第十に記載の電子写真用現像
剤において、トナーが6.0μm以下の体積平均粒径を
もつ小粒径トナーであることを特徴とする電子写真用現
像剤が提供される。第十二に、上記第十または第十一に
記載の電子写真用現像剤において、トナーがカラートナ
ーであることを特徴とする電子写真用現像剤が提供され
る。第十三に、上記第十二に記載の電子写真用現像剤に
おいて、カラートナーが重合法によって作られたカラー
トナーであることを特徴とする電子写真用現像剤が提供
される。更に、本発明によれば、第十四に、静電荷潜像
を電子写真用現像剤によって現像する電子写真現像方法
において、電子写真用現像剤として上記第十乃至第十三
のいずれかに記載の電子写真用現像剤を用いることを特
徴とする電子写真現像方法が提供される。
【0008】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明によれば、キャリア芯材の表面にキャリア芯材より
も低い抵抗を有する樹脂コート層を有し、キャリア芯材
そのものの抵抗よりも低い抵抗を有する電子写真現像剤
用キャリアを用いることによって、キャリア抵抗が低い
にも関わらず、静電荷潜像を現像するのに実用上十分な
トナー帯電量が得られ、且つ現像能力が高く、また、繰
り返し使用においてもトナー帯電量の低下が少なく、ト
ナー飛散が防止され、長期にわたり高画質の画像を得る
ことができる。また、この電子写真現像剤用キャリアを
用いることによって、電子写真現像剤の保管時における
トナー帯電量の低下を少なくすることができる。
【0009】本発明におけるキャリア芯材としては、従
来より公知のものが使用でき、例えば、鉄、コバルトな
どの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェ
ライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェラ
イト、Ni−Zn系フェライト、Baフェライトなどが
挙げられる。
【0010】キャリア芯材の抵抗よりも低い抵抗を有す
る樹脂コート層をキャリア芯材の表面に形成するには、
抵抗調整剤を含有する樹脂溶液または分散液を用い、ス
プレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティン
グ法など公知の方法によって行えばよい。
【0011】低抵抗化のための抵抗調整剤の代表例とし
ては、カーボンブラック、導電性ZnO、Al等の金属
粉、各種の方法で作られたSnO2および種々の元素を
ドープしたSnO2、ホウ化物、例えばTiB2、ZnB
2、MoB2、または炭化ケイ素、或いは導電性高分子、
例えばポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パ
ラ−フェニレンスルフィド)、ポリピロールなどが挙げ
られ、これらを1種または2種以上組み合わせて適当な
量で使用すればよい。樹脂コート層の膜厚については、
使用する抵抗調整剤の種類、量などにより最適厚みが決
まるが、耐久性の点から、膜のはがれや削れを考慮する
と、0.05μm以上であることが望ましい。
【0012】樹脂コート層に用いる樹脂としてはシリコ
ーン樹脂や変性シリコーン樹脂が好ましく、シリコーン
樹脂や変性シリコーン樹脂としては公知のものを用いる
ことができる。これらの樹脂としては、例えば、下記一
般式で表される繰り返し単位(a)、(b)及び/また
は(c)を含むものが挙げられる。
【化1】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、
メトキシ基、炭素数1〜4の低級アルキル基またはフェ
ニル基を表す。)
【0013】ストレートシリコーン樹脂の具体例として
は、例えば、信越化学工業社製の商品名KR271、K
R272、KR282、KR252、KR255、KR
152、東レダウコーニングシリコーン社製の商品名S
R2400、SR2411、SR2406などが挙げら
れる。
【0014】変性シリコーン樹脂としては、例えば、エ
ポキシ変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹
脂、フェノール変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリ
コーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、アルキ
ッド変性シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0015】変性シリコーン樹脂の具体例としては、例
えば、信越化学工業社製の商品名ES−100IN(エ
ポキシ変性シリコーン樹脂)、KR−5208(アクリ
ル変性シリコーン樹脂)、KR−5203(ポリエステ
ル変性シリコーン樹脂)、KR−206(アルキッド変
性シリコーン樹脂)、KR−305(ウレタン変性シリ
コーン樹脂)、東レダウコーニングシリコーン社製の商
品名SR2115(エポキシ変性シリコーン樹脂)、S
R2110(アルキッド変性シリコーン樹脂)などが挙
げられる。樹脂コート層用の樹脂としては、特に変性シ
リコーン樹脂が好ましく、変性シリコーン樹脂を用いる
ことにより、さらに現像能力が高く、樹脂コート層の削
れが改善された長寿命の電子写真現像剤用キャリアを得
ることができる。
【0016】また、樹脂コート層用の樹脂として、以下
のものを単独または、上記シリコーン樹脂または変性シ
リコーン樹脂と混合して用いてもよい。すなわち、ポリ
スチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチ
レン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−
プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−
アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メ
チル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、
スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アク
リル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニ
ル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル
共重合体等)スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エス
テル共重合体などのスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹
脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン
樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、メラミン樹脂などを単独または、上記シリコ
ーン樹脂または変性シリコーン樹脂と混合して用いても
よい。
【0017】上記のような本発明の電子写真現像剤用キ
ャリアをトナーと共に用いることにより、静電荷潜像を
現像するのに実用上十分なトナー帯電量が得られ、且つ
現像能力が高く、高画質の現像を行うことができるが、
更に本発明の電子写真現像剤用キャリアにおいては、キ
ャリア抵抗率(LogR)が5.0〜9.5Ωcm(印
加電圧100V)であり且つキャリア芯材の飽和磁気モ
ーメントが40emu/g以上であることが好ましい。
【0018】キャリア抵抗率は、図1に示すフッ素樹脂
容器1の中に間隔2mmで配置された電極2(面積20
mm×30mm)間に電子写真現像剤用キャリア3を入
れ、50回タッピングしてキャリアを充填した後、10
0ボルトの直流電圧を印加して1分後の値を測定し、そ
の値を30倍して抵抗率(Ωcm)を求めることができ
る。
【0019】キャリア芯材の表面にキャリア芯材よりも
低い抵抗を有する樹脂コート層を有し、キャリア芯材そ
のものの抵抗よりも低い抵抗を有する電子写真現像剤用
キャリアにおいて、キャリア抵抗率が5.0Ωcm以下
で且つ飽和磁気モーメントが40emu/g以下になる
と、現像ポテンシャルによりキャリアに誘導された電荷
により、キャリアは磁気束縛力に打ち勝って、電子写真
感光体上に付着するようになり(誘導によるキャリア付
着)、キャリア抵抗が上昇するにつれて、キャリア付着
は改善されるが、飽和磁気モーメントが40emu/g
以下の場合、キャリア付着の改善は十分ではない。キャ
リア抵抗率が5.0Ωcm以上でかつ飽和磁気モーメン
トが40emu/g以上ならば、キャリア付着は発生し
ない。キャリア抵抗率が9.5Ωcm以上になると現像
能力が落ちてくるため、キャリア抵抗率は9.5Ωcm
以下が好ましい。
【0020】また、トナー帯電量の絶対値が10μc/
g以下になるとトナー飛散が増大するため、電子写真用
現像剤(初期剤)におけるトナー帯電量の絶対値は15
μc/g以上が望ましく、従ってトナーに対して絶対値
15μc/g以上の帯電量付与能力を有する電子写真現
像剤用キャリアが特に好ましい。また、本発明の電子写
真現像剤用キャリアは現像能力が高いため、これをトナ
ーと共に用いることにより、トナーの帯電量が大きくて
も、充分な画像濃度の得られる現像を行うことができ
る。
【0021】また、キャリア芯材の表面に形成される樹
脂コート層に帯電制御剤を含有させることにより、トナ
ー帯電性を更に良好にすることことができ、トナー飛散
量を更に少なくすることができる。コート層に含有させ
る帯電制御剤としては、例えば以下のものを挙げること
ができる。
【0022】すなわち、負極性帯電制御剤としては、モ
ノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩.サ
リチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のCo,Cr,F
e等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔
料、ニトロ基、ハロゲンを導入したスチレンオリゴマ
ー、塩素化パラフィン、メラミン樹脂などが挙げられ、
また、正極性帯電制御剤の具体例としては、例えば、ニ
グロシン、商品名スミゾールブラックAR(住友化学社
製、油溶性染料)、オイルブラックHBB(オリエント
化学社製、C.I.26150、C.I.ソルベントブ
ラック3)、ミケスレンブルーRSN(三井東圧化学社
製、C.I.69800、C.I.バットブルー4)、
セレスブルーR(バイエル社、C.I.61500、
C.I.ソルベントブルー78)、バリファストブルー
1605(オリエント化学社製、油溶性染料、C.I.
74180)、オイルブルー2N(オリエン化学社製、
油溶性染料、C.I.61555)、ルラフィックスル
ビンB(BASF社製、C.I.11115、C.I.
ディスパーズレッド13)、ルラフィックスブルーFF
R(BASF社製、C.I.61505、C.I.ディ
スパーズブルー3)、ルラフィックスピンクFF3B
(BASF社製、C.I.62015、C.I.ディス
パーズレッド11)などが挙げられる。
【0023】さらに、キャリア芯材の表面に形成される
樹脂コート層を海島構造とし、且つ海または島のどちら
か一方に抵抗調整剤を含有させた電子写真現像剤用キャ
リアを用いることにより、このキャリアにおける樹脂コ
ート層の海または島の抵抗が高いために、電子写真現像
剤の保管時におけるトナー帯電量の低下を一段と改善す
ることができる。
【0024】海島を構造を作るには、非相溶の2種以上
の樹脂が分散された樹脂コート層用塗布液をキャリア芯
材の表面に塗布し乾燥させればよい。海または島の一方
に抵抗調整剤を含有させるには、例えば、非相溶の樹脂
の一方に、あらかじめカーボンブラックなどの抵抗調整
剤を分散しておき、その後に他の非相溶の樹脂と共に溶
剤中に分散して樹脂コート層用塗布液を調製すればよ
い。
【0025】海島を作ることができる樹脂の組み合わせ
は多数存在するが、例えば、(スチレンアクリル系樹
脂、メチルメタアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂など)と(フッ素アクリル系樹脂、シリコ
ーン樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)との組
み合わせ、あるいは、シリコーン樹脂とシリコーン変性
有機レジンとの組み合わせなどが挙げられる。海および
島を構成する樹脂が両者共にシリコーン系樹脂であるこ
とが好ましい。
【0026】また、抵抗調整剤を含む海または島中にア
ミノシランカップリング剤を含有させることが好まし
く、特に海島を構成する樹脂が両者共にシリコーン系樹
脂であり、抵抗調整剤を含有する海または島どちらか一
方に、アミノシランカップリング剤を含有させることが
好ましい。シリコーン樹脂に対しては、特にアミノシラ
ンカップリング剤の使用が有効であり、これにより電子
写真現像剤用キャリアのトナーに対する帯電量付与能力
を向上させることができる。アミノシランカップリング
剤の具体例としては、例えば、表1〜表3に示すものが
挙げられる。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】本発明の電子写真用現像剤、すなわちトナ
ーと上記の電子写真現像剤用キャリアからなる電子写真
用現像剤においては、トナーとして、6.0μm以下の
体積平均粒径をもつ小粒径トナーを用いることが特に好
ましい。本発明の電子写真現像剤用キャリアは、トナー
として6.0μm以下の体積平均粒径をもつ小粒径トナ
ーを使用する場合に特にその効果が発揮される。すなわ
ち、従来の電子写真現像剤用キャリアを用いた場合に
は、トナー粒径が小さくなると、現像されるトナー量が
少なくなる。これはキャリアに対するトナーの付着力が
強くなっていることによると考えられるが、本発明の電
子写真現像剤用キャリアを使用すると、現像能力が上が
り、小さな現像ポテンシャルで充分な量のトナーが現像
される。
【0031】また、カラートナーはカーボン含有トナー
に比べ、誘電率が小さいため、現像電界が弱められて、
現像能力が小さくなるが、カラートナーを本発明の電子
写真現像剤用キャリアと共に用いることにより、充分な
現像能力を確保でき、充分な濃度の現像を行うことがで
きる。特に、重合法によって作られた小粒径カラートナ
ーは、キャリアに対する付着力が強いためか、現像が不
十分となりやすいが、重合法によって作られたカラート
ナーを本発明の電子写真現像剤用キャリアと共に用いる
ことにより、充分な画像濃度を得ることができる。
【0032】更に、静電荷潜像を電子写真用現像剤によ
って現像する電子写真現像方法において、電子写真用現
像剤としてトナーと前記本発明の電子写真現像剤用キャ
リアとからなる電子写真用現像剤を用いることによっ
て、小さな現像ポテンシャルで高画像濃度を得ることが
できる。例えば、電子写真感光体を一様に帯電させたの
ち画像部に当たる個所を露光し、そのあと現像するネガ
・ポジ現像方式の場合には、現像ポテンシャル=潜像電
位(Vl)−現像バイアス電位(Vb)であるから、現
像ポテンシャルが小さいと言うことは、小さいVbで充
分な画像濃度が出せることを意味する。その場合、Vb
が小さくなった分に応じて、露光前の電子写真感光体の
帯電電位を低くしても、地汚れなどの不具合は発生しな
い。また、電子写真感光体の帯電電位を低くして使用す
ると、経時の帯電電位低下も起こりにくいので、帯電電
位低下による地汚れの発生が防げ、電子写真感光体の寿
命を延ばすことができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説
明する。なお実施例中の「部」は重量部を表す。
【0034】実施例1 メチルメタクリレート樹脂(分子量約30万)に対して
カーボンブラック(ケッチェンブラックEC一DJ60
0、ライオン・アクゾ社製)30重量%を加え、トルエ
ンを溶媒にしてボールミルで10時間分散し、この分散
液を固形分が5重量%になるように希釈してコート層形
成用塗布液を調製した。キャリア芯材抵抗率(Log
R)が10.3Ωcm、キャリア芯材の飽和磁気モーメ
ントが43esu/g、体積平均粒径が50μmのキャ
リア芯材A(リチウム系フェライト)に上記コート層形
成用塗布液を塗布し平均膜厚0.12μmのコート層を
有するキャリアCを得た。キャリアCの抵抗率(Log
R)は5.3Ωcmであった。
【0035】実施例2 メチルメタクリレート樹脂に対してカーボンブラック1
5重量%を加えた以外は実施例1同様にしてコート層形
成用塗布液を調製し、実施例1同様にしてキャリア芯材
Aに塗布して平均膜厚0.12μmのコート層を有する
キャリアDを得た。キャリアDの抵抗率(LogR)は
9.1Ωcmであった。
【0036】実施例3 メチルメタクリレート樹脂に対してカーボンブラック3
5重量%を加えた以外は実施例1同様にしてコート層形
成用塗布液を調製し、実施例1同様にしてキャリア芯材
Aに塗布して平均膜厚0.12μmのコート層を有する
キャリアEを得た。キャリアEの抵抗率(LogR)は
4.6Ωcmであった。
【0037】実施例4 キャリア芯材として、キャリア芯材抵抗率(LogR)
が9.7Ωcm、キャリア芯材の飽和磁気モーメントが
35esu/g、体積平均粒径が50μmのキャリア芯
材B(リチウム系フェライト)を用いたこと以外は実施
例1同様にして平均膜厚0.12μmのコート層を有す
るキャリアFを得た。キャリアFの抵抗率(LogR)
は5.3Ωcmであった。
【0038】比較例1 メチルメタクリレート樹脂に対してカーボンブラック1
0重量%を加えた以外は実施例1同様にしてコート層形
成用塗布液を調製し、実施例1同様にしてキャリア芯材
Aに塗布して平均膜厚0.12μmのコート層を有する
キャリアGを得た。キャリアGの抵抗率(LogR)は
11.2Ωcmであった。
【0039】実施例5 シリコーン樹脂(SR2411、トーレ・ダウコーニン
グシリコーン社製)の固形分に対して、カーボンブラッ
ク(ケッチェンブラックEC−DJ600、ライオン・
アクゾ社製)30重量%を加え、ボールミルを使用して
10時間分散し、この分散液を固形分が5重量%になる
ように希釈してコート層形成用塗布液を調製した。この
コート層形成用塗布液をキャリア芯材Aに塗布し、更に
200℃で2時間焼成して、平均膜厚0.12μmのコ
ート層を有するキャリアHを得た。キャリアHの抵抗率
(LogR)は5.3Ωcmであった。
【0040】実施例6 メチルメタアクリレート樹脂(分子量約30万)に対し
て、カーボンブラック(ケッチェンブラックEC−DJ
600、ライオン・アクゾ社製)30重量%およびニグ
ロシン染料3重量%を加え、トルエンを溶媒にしてボー
ルミルで10時間分散し、この分散液を固形分が5重量
%になるように希釈してコート層形成用塗布液を調製し
た。このコート層形成用塗布液をキャリア芯材Aに塗布
し、平均膜厚0.12μmのコート層を有するキャリア
Iを得た。キャリアIの抵抗率(LogR)は5.3Ω
cmであった。
【0041】実施例7 シリコーン変性ポリエステルレジン(KR−5203、
信越化学工業社製)の固形分に対して、カーボンブラッ
ク(ケッチェンブラックEC−DJ600、ライオン・
アクゾ社製)20重量%を加え、ボールミルを使用して
10時間分散し、この分散液を固形分が5重量%になる
ように希釈してコート層形成用塗布液を調製した。この
コート層形成用塗布液をキャリア芯材Aに塗布し、更に
220℃で2時間焼成して、平均膜厚0.06μmのコ
ート層を有するキャリアJを得た。キャリアJの抵抗率
(LogR)は5.6Ωcmであった。
【0042】実施例8 メチルメタアクリレート樹脂(分子量約30万)に対し
てカーボンブラック(ケッチェンブラックEC−DJ6
00、ライオン・アクゾ社製)35重量%を加え、トル
エンを溶媒にしてボールミルで10時間分散した。次
に、この分散液の固形分に対して、シリコーン樹脂(S
R2411、トーレ・ダウコーニングシリコーン社製)
の固形分が40重量%となるようにこのシリコーン樹脂
を加え、全体の固形分が5重量%になるようにトルエン
で希釈した。更に、それをホモミキサーを使用して50
00rpmで20分攪拌してコート層形成用塗布液を調
製した。このコート層形成用塗布液をキャリア芯材Aに
塗布し、更に180℃で2時間焼成して、平均膜厚0.
11μmの海島構造をもったコート層を有するキャリア
Kを得た。キャリアKの抵抗率(LogR)は5.9Ω
cmであった。
【0043】実施例9 メチルメタアクリレート樹脂の代わりにシリコーン変性
ポリエステルレジン(KR−5203、信越化学工業社
製)を用いた以外は、実施例8と同様にしてコート層形
成用塗布液を調製した。このコート層形成用塗布液をキ
ャリア芯材Aに塗布し、更に200℃で2時間焼成し
て、平均膜厚0.12μmの海島構造をもったコート層
を有するキャリアLを得た。キャリアLの抵抗率(Lo
gR)は5.8Ωcmであった。
【0044】実施例10 シリコーン変性ポリエステルレジン(KR−5203、
信越化学工業社製)の固形分に対して、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシランを20重量%添加した以外は、
実施例9と同様にして平均膜厚0.12μmの海島構造
をもったコート層を有するキャリアMを得た。キャリア
Mの抵抗率(LogR)は6.2Ωcmであった。
【0045】実施例11 スチレン−n−ブチルメタアクリレート樹脂(重量平均
分子量約11万)100部、カーボンブラック5部及び
下記の構造式(d)の含クロムアゾ染料2部を熱ロール
により140℃で混練した後、冷却固化し、粉砕、分級
して体積平均粒径7.3μmのブラックトナーを得た。
更に、このトナー100部に対して、シリカ(R97
2、日本アエロジル社製)を0.5重量%添加混合して
トナーBを得た。
【化2】
【0046】前記実施例1により得られたキャリアC1
00部に対して、上記トナーB5部を加え、ボールミル
で20分間攪拌してトナー濃度5重量%の電子写真用現
像剤を得た。この電子写真用現像剤におけるトナー帯電
量は、−13μc/gであった。トナー帯電量はブロー
オフ法により測定した。
【0047】比較例2 実施例11においてキャリアCの代わりに、前記実施例
1において用いたキャリア芯材A(リチウム系フェライ
ト)を用いた以外は、実施例11と同様にして電子写真
用現像剤を得た。この電子写真用現像剤におけるトナー
帯電量は、−10μc/gであった。
【0048】実施例12 実施例11においてキャリアCの代わりに前記実施例3
により得られたキャリアEを用いた以外は、実施例11
と同様にして電子写真用現像剤を得た。この電子写真用
現像剤におけるトナー帯電量は、−12μc/gであっ
た。
【0049】実施例13 実施例11においてキャリアCの代わりに前記実施例4
により得られたキャリアFを用いた以外は、実施例11
と同様にして電子写真用現像剤を得た。この電子写真用
現像剤におけるトナー帯電量は、−14μc/gであっ
た。
【0050】実施例14 実施例11においてキャリアCの代わりに前記実施例2
により得られたキャリアDを用いた以外は、実施例11
と同様にして電子写真用現像剤を得た。この電子写真用
現像剤におけるトナー帯電量は、−14μc/gであっ
た。
【0051】比較例3 実施例11においてキャリアCの代わりに前記比較例1
により得られたキャリアGを用いた以外は、実施例11
と同様にして電子写真用現像剤を得た。この電子写真用
現像剤におけるトナー帯電量は、−17μc/gであっ
た。
【0052】実施例15 実施例11においてキャリアCの代わりに前記実施例5
により得られたキャリアHを用いた以外は、実施例11
と同様にして電子写真用現像剤を得た。この電子写真用
現像剤におけるトナー帯電量は、−17μc/gであっ
た。
【0053】実施例16 実施例11においてキャリアCの代わりに前記実施例6
により得られたキャリアIを用いた以外は、実施例11
と同様にして電子写真用現像剤を得た。この電子写真用
現像剤におけるトナー帯電量は、−18μc/gであっ
た。
【0054】実施例17 実施例11においてキャリアCの代わりに前記実施例7
により得られたキャリアJを用いた以外は、実施例11
と同様にして電子写真用現像剤を得た。この電子写真用
現像剤におけるトナー帯電量は、−19μc/gであっ
た。
【0055】実施例18 スチレン−n−ブチルメタアクリレート樹脂(重量平均
分子量約11万)100部、カーボンブラック5部及び
前記実施例11における構造式(d)の含クロムアゾ染
料2部を熱ロールにより140℃で混練した後、冷却固
化し、粉砕、分級して体積平均粒径3.3μmのブラッ
クトナーを得た。更に、このトナー100部に対して、
シリカ(R972、日本アエロジル社製)を1.0重量
%添加混合してトナーCを得た。前記実施例7により得
られたキャリアJ100部に対して、上記トナーC5部
を加え、ボールミルで20分間攪拌してトナー濃度5重
量%の電子写真用現像剤を得た。この電子写真用現像剤
におけるトナー帯電量は、−23μc/gであった。
【0056】比較例4 実施例18においてキャリアJの代わりに、前記実施例
1において用いたキャリア芯材A(リチウム系フェライ
ト)を用いた以外は、実施例18と同様にして電子写真
用現像剤を得た。この電子写真用現像剤におけるトナー
帯電量は、−15μc/gであった。
【0057】実施例19 ポリエステル(重量平均分子量12000)100部、
鋼フタロシアニン顔料2部及び3,5−ジ−t−ブチル
サリチル酸亜鉛塩2部を、熱ロールにより120℃で混
練した後、冷却固化し、粉砕、分級して体積平均粒径
3.2μmのフルカラー用シアントナーを得た。更に、
このトナー100部に対して、シリカR972(R97
2、日本アエロジル社製)を0.5重量%添加混合して
トナーAを得た。前記実施例7により得られたキャリア
J100部に対して、上記トナーA5部を加え、ボール
ミルで20分間攪拌してトナー濃度5重量%の電子写真
用現像剤を得た。この電子写真用現像剤におけるトナー
帯電量は、−22μc/gであった。
【0058】比較例5 実施例19においてキャリアJの代わりに、前記実施例
1において用いたキャリア芯材A(リチウム系フェライ
ト)を用いた以外は、実施例19と同様にして電子写真
用現像剤を得た。この電子写真用現像剤におけるトナー
帯電量は、−19μc/gであった。
【0059】実施例20 スチレンモノマー30部、鋼フタロシアニン3.5部及
び2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.25部を混
合し、窒素置換後80℃で6時間加熱した。冷却後、ス
チレン92部およびメタクリル酸n−ブチル53部を加
え均一に溶解した。このモノマー混合物に、3,5−ジ
−t−ブチルサリチル酸亜鉛塩3.5部を加え、ボール
ミルで20時間分散した。この分散液40部に2,2−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1部を添
加して油相を調製した。一方、イオン交換水156.8
部に部分ケン化ポリビニルアルコール(クラレポバール
217、クラレ社製)3.2部を溶解し、水相を調製し
た。油相を水相に添加し、TKホモミキサー(特殊機化
工業社製)を用いて15000rpmで20分間分散し
た後、攪拌装置、冷却水、温度計を備えたセパラブルフ
ラスコに移し、窒素置換後60℃で8時間加熱攪拌し
た。重合後、保留粒子1μmの濾紙を用いて吸引濾過
し、更に3回蒸留水で洗浄したのち、40℃で真空乾燥
を行い、体積平均粒径3.1μmのシアントナーを得
た。更に、このトナー100部に対して、シリカ(R9
72、日本アエロジル社製)を1.0重量%添加混合し
て重合シアントナーDを得た。前記実施例7により得ら
れたキャリアJ100部に対して、上記重合シアントナ
ーD5部を加え、ボールミルで20分間攪拌してトナー
濃度5重量%の電子写真用現像剤を得た。この電子写真
用現像剤におけるトナー帯電量は、−21μc/gであ
った。
【0060】比較例6 実施例20においてキャリアJの代わりに、前記実施例
1において用いたキャリア芯材A(リチウム系フェライ
ト)を用いた以外は、実施例20と同様にして電子写真
用現像剤を得た。この電子写真用現像剤におけるトナー
帯電量は、−13μc/gであった。
【0061】実施例21 実施例11においてキャリアCの代わりに前記実施例8
により得られたキャリアKを用いた以外は、実施例11
と同様にして電子写真用現像剤を得た。この電子写真用
現像剤におけるトナー帯電量は、−16μc/gであっ
た。
【0062】実施例22 実施例11においてキャリアCの代わりに前記実施例9
により得られたキャリアLを用いた以外は、実施例11
と同様にして電子写真用現像剤を得た。この電子写真用
現像剤におけるトナー帯電量は、−18μc/gであっ
た。
【0063】実施例23 実施例11においてキャリアCの代わりに前記実施例1
0により得られたキャリアMを用いた以外は、実施例1
1と同様にして電子写真用現像剤を得た。この電子写真
用現像剤におけるトナー帯電量は、−24μc/gであ
った。
【0064】次に、上記実施例11〜18、比較例2〜
4、および実施例21〜23の電子写真用現像剤を用い
て、電子写真複写機(リコー社製デジタル複写機イマジ
オDA355)により複写画像出しを行った。現像条件
は、帯電電位が−800Vであり、画像部(黒べた原
稿)にあたる部分の露光後の電位が−100Vになるよ
うに設定した。現像バイアスを外部から印加し、複写物
における画像濃度が1.5となる時の現像バイアスを求
め、露光後電位から現像バイアス電位を差し引いて、画
像濃度1.5を出すのに必要な現像ポテンシャル(V)
とした。現像ポテンシャルの値が小さいほど、現像剤の
現像能力が高いこを示す。3万枚のランニングを行いト
ナー飛散の発生の有無を観察し、また、3万枚ランニン
グ後のトナー帯電量の測定を行った。さらに、複写画像
における地汚れなどの異常画像の発生の有無により、画
像品質の評価を行った。それらの結果を表4に示す。
【0065】実施例9および10、比較例5および6の
電子写真用現像剤(カラー現像剤)については、カラー
電子写真複写機(リコー社製デジタルフルカラー複写機
プリテール500)を使用し、シアンの単色モードで複
写画像出しを行った。現像条件は、帯電電位が−750
Vであり、画像部にあたる部分の露光後の電位が−10
0Vになるように設定した。現像バイアスを外部から印
加し、複写物における画像濃度が1.5となる時の現像
バイアスを求め、露光後電位から現像バイアス電位を差
し引いて、画像濃度1.5を出すのに必要な現像ポテン
シャル(V)とした。なお、現像バイアスは4KHZの
矩形波を用いた。バイアスの値は、AC電圧の積分平均
値で表示した。
【0066】3万枚のランニングを行いトナー飛散の発
生の有無を観察し、また、3万枚ランニング後のトナー
帯電量の測定を行った。さらに、複写画像における地汚
れなどの異常画像の発生の有無により画像品質の評価を
行った。それらの結果を表4に示す。なお、トナー飛散
については、下記○、△、×の内容で示した。 ○:3万枚ランニング後も現像装置カバーへのトナー付
着がほとんど見られない。 △:3万枚ランニング後、現像装置カバーにトナーが少
し積もっている。 ×:3万枚ランニング後、現像装置カバーにトナーが大
量に積もっており、更に周辺にも多量に飛散している。
【0067】更に、トナー帯電量の放置低下量(μc/
g)を下記のようにして測定し、またキァリア付着を下
記のようにして評価した。それらの結果を表4に示す。 1)トナー帯電量の放置低下量の測定 実施例および比較例で得られた現像剤(初期剤)におけ
るトナーの帯電量を測定したのち、その現像剤(初期
剤)を24℃、60%RHの環境でポリエチレンの容器
に入れ、ふたをして密封した状態で上記環境下に保管
し、1ヶ月後のトナーの帯電量を測定して初期剤との差
(トナー帯電量の低下量)を求めた。 2)キァリア付着の評価 ○:キァリア付着による画像の白抜け(大きさ数ミリの
蛍状の画像白抜け)なし。 △:キァリア付着による画像の白抜けが発生している
(白抜け個数10個以内)。
【0068】
【表4】
【0069】表4から明らかなように、実施例において
は、実用上現像するのに十分なトナー帯電量が得られ、
高い現像能力、特に低い現像ポテンシャルで高い現像能
力を有しており、異常画像の発生がない高画質の画像が
得られる。また、ランニング後のトナー帯電量の変化が
少なく、トナー飛散やキァリア付着が防止され、長期に
わたり高画質の画像が得られる。また、実施例の現像剤
は、長期保管時におけるトナー帯電量の低下が少ないも
のである。
【0070】実施例24 実施例23において、キァリアMとトナーBを使用した
場合、画像濃度1.5を出すのに必要な、現像ポテンシ
ャルが170Vであった。そこで、帯電電位を−400
Vと低く設定し直し、更に露光部電位が−100Vにな
るようにレーザーパワーを調整し、バイアス電圧を−2
70ボルトにして電子写真複写機(リコー社製デジタル
複写機イマジオDA355)により複写画像出しを行っ
た。引き続き5万枚のランニングを行った。その結果、
5万枚後の画質も良好であり、また初期のトナー帯電量
は−24(μc/g)、5万枚のランニング後のトナー
帯電量は−22(μc/g)、トナー帯電量の放置低下
量は1(μc/g)であった。またトナー飛散がなく、
キァリア付着もなかった。さらに、感光体の静電特性も
初期とほとんど変化していなかった。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、十分なトナー帯電量が
得られ、且つ現像能力が高く、高画質の画像が得られる
現像を行うことができる電子写真現像剤用キャリアおよ
び電子写真用現像剤を得ることができる。特に、抵抗が
低いにも関わらず関わらず、十分なトナー帯電量が得ら
れ、低い現像ポテンシャルで高い現像能力を有し、異常
画像の発生がない高画質の画像が得られる現像を行うこ
とができる電子写真現像剤用キャリアおよび電子写真用
現像剤を得ることができる。
【0072】また、本発明によれば、繰り返し使用にお
いてトナー帯電量の低下が少なく、トナー飛散の少な
い、長寿命の電子写真現像剤用キャリアおよび電子写真
現像剤を得ることができる。また、本発明によれば、ト
ナー帯電量の放置低下が少ない(現像剤の保管時におけ
るトナー帯電量の低下が少ない)電子写真現像剤用キャ
リアおよび電子写真現像剤を得ることができる。更に、
本発明によれば、低い現像ポテンシャルで、充分な画像
濃度が出せ、高画質の画像が得られる現像を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャリア抵抗率の測定に用いるセルを模式的に
示す説明図である。
【符号の説明】
1 フッ素樹脂容器 2 電極 3 電子写真現像剤用キャリア

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリア芯材の表面にキャリア芯材より
    も低い抵抗を有する樹脂コート層を有し、キャリア芯材
    そのものの抵抗よりも低い抵抗を有することを特徴とす
    る電子写真現像剤用キャリア。
  2. 【請求項2】 樹脂コート層が抵抗調整剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子写真現像剤用キャリ
    ア。
  3. 【請求項3】 樹脂コート層がシリコーン変性レジンを
    主成分とすることを特徴とする請求項1または2記載の
    電子写真現像剤用キャリア。
  4. 【請求項4】 キャリア抵抗率(LogR)が5.0〜
    9.5Ωcmであり且つキャリア芯材の飽和磁気モーメ
    ントが40emu/g以上であることを特徴とする請求
    項1、2または3記載の電子写真現像剤用キャリア。
  5. 【請求項5】 トナーに対して絶対値15μc/g以上
    の帯電量付与能力を有することを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載の電子写真現像剤用キャリア。
  6. 【請求項6】 樹脂コート層が帯電制御剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子
    写真現像剤用キャリア。
  7. 【請求項7】 樹脂コート層が海島構造からなり、且つ
    海または島のどちらか一方に抵抗調整剤が含有されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
    電子写真現像剤用キャリア。
  8. 【請求項8】 海および島がシリコーン系樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項7記載の電子写真現像剤用キャ
    リア。
  9. 【請求項9】 抵抗調整剤を含む海または島中にアミノ
    シランカップリング剤が含有されていることを特徴とす
    る請求項7または8記載の電子写真現像剤用キャリア。
  10. 【請求項10】 トナーと請求項1乃至9のいずれかに
    記載のキャリアからなることを特徴とする電子写真用現
    像剤。
  11. 【請求項11】 トナーが6.0μm以下の体積平均粒
    径をもつ小粒径トナーであることを特徴とする請求項1
    0記載の電子写真用現像剤。
  12. 【請求項12】 トナーがカラートナーであることを特
    徴とする請求項10または11記載の電子写真用現像
    剤。
  13. 【請求項13】 カラートナーが重合法によって作られ
    たカラートナーであることを特徴とする請求項12記載
    の電子写真用現像剤。
  14. 【請求項14】 静電荷潜像を電子写真用現像剤によっ
    て現像する電子写真現像方法において、電子写真用現像
    剤として請求項10乃至13のいずれかに記載の電子写
    真用現像剤を用いることを特徴とする電子写真現像方
    法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005195755A (ja) * 2004-01-05 2005-07-21 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成方法、該方法に用いる補給用現像剤およびキャリア、並びに現像剤補給用カートリッジ
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JP2021131481A (ja) * 2020-02-20 2021-09-09 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 現像剤用キャリア、現像剤、画像形成装置、及び画像形成方法

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