JPH1184019A - 物体検出装置 - Google Patents

物体検出装置

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JPH1184019A
JPH1184019A JP9240622A JP24062297A JPH1184019A JP H1184019 A JPH1184019 A JP H1184019A JP 9240622 A JP9240622 A JP 9240622A JP 24062297 A JP24062297 A JP 24062297A JP H1184019 A JPH1184019 A JP H1184019A
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electric signal
obstacle
detection
capacitance
sensor electrode
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JP9240622A
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English (en)
Inventor
Manabu Tsuruta
田 学 鶴
Yuichi Murakami
上 裕 一 村
Akemasa Yoshida
田 明 正 吉
Shinya Ito
藤 新 也 伊
Shigemitsu Hamashima
島 茂 充 浜
Hitoshi Ishikawa
川 均 石
Seiichi Ieda
田 清 一 家
Hisashi Inaba
奈 波 恒 井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサ電極周りの水,汚れによる誤検出の防
止。突発的な水濡れによる誤検出の低減。長期的な汚れ
による誤検出の防止。 【解決手段】 静電センサ電極10a,発振手段2〜4
および発振レベルVLをしきい値Vrと比較し物体有無
を検知する監視手段OBD;VL補正手段34;VL変
化速度検出手段51,52;変化速度が設定範囲外のと
き補正手段34を起動する手段53〜61;および、物
体有りを検知しているときのVLに対応してしきい値V
rを、VLに近い値に更新するしきい値調整手段31;
を備える。変化速度が設定範囲外のとき、補正手段34
はVLを基準値Vxに校正し、物体有無検知35〜38
をスキップ。しきい値調整手段31は、物体有りを検知
中のVLの最低値に対応してしきい値Vrをシフトし、
物体有りから無しに切換わると、しきい値Vrを基準値
VAに戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極と物体との間
に形成される静電容量に基づいて物体を検出する物体検
出装置に関し、特に、これに限定する意図ではないが、
車両上にて車外の物体を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両周辺の障害物を検出する装
置としては、導体板に高周波電圧を印加し、障害物の接
近に伴い変化する導体板の入力インピーダンスの変化か
ら障害物の有無を検知する装置が多数あり、例えば、特
開昭58−115384号公報,特開昭60−1119
83号公報,特開平3−233390号公報あるいは米
国特許第3,689,814号明細書に開示されてい
る。
【0003】それらの検出原理の代表的なものの1つ
は、発振回路の出力をR,C直列回路に出力する。ここ
でCは検出電極と障害物との間に形成される静電容量で
ある。障害物が有る場合にはそれと検出電極との間に、
両者間の距離D,検出電極の面積S及び誘電率ε0,非
誘電率εrに対応する静電容量C(C=ε0・εr・S/
D)が形成される。検出電極と障害物との距離Dが変化
すると、静電容量Cが変化し、検出電極の端子電圧が変
化する。この端子電圧の変化を監視して障害物の接近を
感知する。
【0004】検出原理のもう1つのものでは、発振回路
の発振定数に上述の静電容量Cを導入している。障害物
が接近すると静電容量Cが変化し発振周波数が変化す
る。この周波数変化を監視して障害物の接近を感知す
る。
【0005】ところが、静電容量Cは、障害物以外の周
囲条件によっても変化する。例えば温度,湿度,天候,
地形,周囲の建造物,あるいは他車両の遠近などにより
変化する。特に、車両上で障害物検知を行なう場合、検
出電極は車両上に限られるので、車の外周りの環境によ
って静電容量Cが大きく変化し易く、検出電極直近への
障害物の接近のみを正確に検知するのが難かしい。
【0006】そこで特開平9−96678号公報の障害
物検出装置は、センサ電極に結合した発振回路の静電容
量対応の発振レベルを一定にして、温度,湿度等の環境
条件ならびに検出対象物体との間に静電容量を形成する
センサ電極周りの環境(汚れ,水濡れ等)の変化による
物体検出精度の変動を抑制する。
【0007】また障害物検出装置の機能が正常であるこ
とを確認した後に障害物検出を行なう為に、特開昭61
−120077号公報に開示されている方法では、メイ
ンスイッチのオンで働くタイマ−により、予め設定した
一定時間だけ周波数の変化を強制的に作り出し、それに
より装置が正常に動作するか否かのチェックを自動的に
行なう。
【0008】必要時にのみ効率良く障害物検出を行なう
ために、特開平3−237386号公報に於いては、車
速測定手段により測定された車速が、予め設定された制
御速度以上となると自動車用物体検知装置の動作を停止
することを提案している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、障害物が接
近する場合、発振レベルは図11の(a)に示すように
緩やかに変化する。センサ電極周りに突発的に水がかか
ったときには、図11の(b)に示すように、発振レベ
ルの低下が急激に起こる。また、どしゃぶりの雨がセン
サ電極周りに当ると、図11の(c)に示すように、発
振レベルが急激かつ大きな変動の昇降変化を示す。図1
1の(a),(b)および(c)のいずれの場合にも、
発振レベルが、障害物有無判定のためのしきい値より低
くなる時点があり、図11の(b)および(c)の場合
の発振レベルの低下は、誤検出を招く。
【0010】また、物体検出装置の電源投入後、時間が
経過すると使用環境の変化により、センサ電極の対地静
電容量が変化してしまうことがある。例えば、センサ電
極を収納した絶縁体ケ−スをバンパの裏側に装着した場
合、走行中に該絶縁体ケ−スに長期に水滴や泥等が付着
し、それがセンサ電極の障害物探知側の面(対物面)に
対向する位置であると発振器の発振レベルが低下する。
この低下は障害物が接近した場合の低下よりかなり小さ
いので、障害物有り信号を誤発生することはない。しか
し、発振レベルが定常的に低下しているので、障害物有
無検知が障害物有りから無しに切換るのが遅れる。この
ようなセンサ電極周りの長期的な汚れと前記突発的な環
境変化が重なると、障害物がセンサ電極近くにないにも
かかわらず、障害物有りと誤検出しこれが比較的に長く
継続するという不具合が考えられる。
【0011】本発明は、センサ電極周りの環境変化によ
る障害物誤検出を回避することを第1の目的とし、突発
的な環境変化による障害物誤検出を低減することを第2
の目的とし、長期的な環境変化による障害物誤検出を低
減することを第3の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、物体との間に静電容量を形成するため
のセンサ電極(10a,10c);該センサ電極と基準電位の間
の静電容量に対応する電気信号を発生するための発振手
段(2〜4);および、前記センサ電極への物体の接近によ
る前記発振手段が発生する電気信号の変化を検出し、物
体検知情報を発生する監視手段(1;OBD);を備える物体
検出装置において:前記電気信号(VL)の変化速度を検出
する手段(1;図8の51,52);および、該変化速度が設定範
囲を外れるとき、前記監視手段(OBD)による物体検知処
理(35〜38)を保留する検知制御手段(1;53〜61,33-34-
);を備えることを特徴とする。なお、理解を容易に
するためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の
対応要素又は対応事項に付した記号等を、参考までに付
記した。
【0013】これによれば、発振手段(2〜4)が発生する
電気信号(VL)の変化速度が設定範囲を外れると(53〜6
1)、検知制御手段が、監視手段(OBD)による物体検知処
理(35〜38)を保留する(33-34-)。設定範囲を、検知対
象物のセンサ電極に対する接近,離反による電気信号(V
L)の変化速度の範囲に設定しておくことにより、検知対
象物外の環境変化があると、その間物体検知処理(35〜3
8)が保留され(33-34-)、したがって検知対象物外の環
境変化を物体有,無と誤検知する可能性が低減する。
【0014】
【発明の実施の形態】
(2)物体との間に静電容量を形成するためのセンサ電
極(10a,10c);該センサ電極と基準電位(ア-ス)の間の静
電容量に対応する電気信号(VL)を発生するための発振手
段(2〜4);および、前記センサ電極への物体の接近によ
る前記発振手段が発生する電気信号(VL)の変化を検出
し、物体検知情報(I/O-5:H)を発生する監視手段(1;OB
D);を備える物体検出装置において:前記センサ電極と
基準電位の間の静電容量に対する前記発振手段が発生す
る電気信号(VL)を補正する補正手段(1;34);前記電気信
号(VL)の変化速度を検出する手段(1;図8の51,52);およ
び、該変化速度が設定範囲を外れるとき前記補正手段を
起動する補正制御手段(1;図8の53〜61);を備えること
を特徴とする物体検出装置。
【0015】これによれば、発振手段(2〜4)が発生する
電気信号(VL)の変化速度が設定範囲を外れると、補正制
御手段が補正手段(1;34)を起動し、補正手段(1;34)が、
センサ電極と基準電位の間の静電容量に対する発振手段
が発生する電気信号(VL)を補正する。設定範囲を、検知
対象物のセンサ電極に対する接近,離反による電気信号
(VL)の変化速度の範囲に設定しておくことにより、検知
対象物外の環境変化があると、センサ電極の静電容量に
対する電気信号(VL)の関係が補正される。この補正を、
電気信号(VL)を物体検知と見なされないものに調整する
ものに予め定めておくことにより、検知対象物外の環境
変化を物体有りと誤検知する可能性が低減する。
【0016】(3)物体との間に静電容量を形成するた
めのセンサ電極(10a,10c);該センサ電極と基準電位の
間の静電容量に対応する電気信号を発生するための発振
手段(2〜4);および、前記センサ電極への物体の接近に
よる前記発振手段が発生する電気信号をしきい値(Vr)と
比較して物体有無を検知する監視手段(1;OBD);を備え
る物体検出装置において:前記監視手段が物体有りを検
知しているときの前記電気信号に対応して前記しきい値
(Vr)を、それを用いて前記監視手段が物体有りと検知す
るが、該電気信号に、より近い値に更新する(72〜80)、
しきい値調整手段(1;図9の31);を備えることを特徴と
する物体検出装置。
【0017】センサ電極周りに水滴や泥等が付着してい
た場合、物体有りと検出しているときの発振レベル(VL)
は比較的に低いが、しきい値調整手段がしきい値(Vr)
を、発振レベル(VL)に更新するので、物体がセンサ電極
から離れるときに物体有無検知が物体有りから無しにす
みやかに切換り、物体無しの検知遅れが低減する。
【0018】(4)物体との間に静電容量を形成するた
めのセンサ電極(10a,10c);該センサ電極と基準電位の
間の静電容量に対応する電気信号を発生するための発振
手段(2〜4);および、前記センサ電極への物体の接近に
よる前記発振手段が発生する電気信号をしきい値(Vr)と
比較して物体有無を検知する監視手段(1;OBD);を備え
る物体検出装置において:前記センサ電極と基準電位の
間の静電容量に対する前記発振手段が発生する電気信号
(VL)を補正する補正手段(1;34);前記電気信号の変化速
度を検出する手段(1;51,52);該変化速度が設定範囲を
外れるとき前記補正手段を起動する補正制御手段(1;53
〜61);および、前記監視手段が物体有りを検知してい
るときの前記電気信号に対応して前記しきい値(Vr)を、
それを用いて前記監視手段が物体有りと検知するが該電
気信号により近い値に更新する、しきい値調整手段(1;3
1);を備えることを特徴とする物体検出装置。
【0019】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0020】
【実施例】図1に、本発明の一実施例のシステム構成を
示す。この実施例は、それぞれが2電極を装備した4台
の、それぞれが物体検出装置である検出処理装置DET
1〜DET4を備えている。検出処理装置DET1の2
電極は車両の前部バンパ−の右コ−ナ部に、DET2の
2電極は左コ−ナ部に、DET3の2電極は後部バンパ
−の右コ−ナ部に、DET4の2電極は左コ−ナ部に装
備されている。検出処理装置DET1〜DET4は同一
構造,同一機能である。
【0021】検出処理装置DET1〜DET4には、車
上指令器である検知コントロ−ラCNTが指令信号であ
る制御信号Scを与える。制御信号Scの高レベルHは
物体検出を指示し、低レベルLは物体検出非指示すなわ
ち物体検出の停止を指示する。
【0022】検知コントロ−ラCNTには、エンジンへ
の燃料供給を制御する燃料噴射制御装置EFIに接続さ
れた車速パルス発生器SPsより、車輪の所定小角度の
回転につき1個の割合いで発生する電気パルス(車速パ
ルス)が与えられる。操作子の1つである、AT(自動
変速機)のシフトレバ−が、パ−キングPの位置のとき
に閉じる、状態センサの1つであるパ−キングスイッチ
ATsと、操作子のもう1つであるパ−キングブレ−キ
レバ−がブレ−キ位置のときに閉じる、状態センサのも
う1つであるパ−キングブレ−キスイッチPKsが、検
知コントロ−ラCNTに接続されている。図示しない車
両上バッテリに、エンジンキ−スイッチを介して接続さ
れる電源回路Pが、エンジンキ−スイッチが閉の間、各
部に定電圧Vccを与える。また、図1上のブザ−Bzに
は、エンジンキ−スイッチを介して直接にバッテリ電圧
Vbが印加される。
【0023】車速パルス発生器SPsが発生する車速パ
ルスは、検知コントロ−ラCNTの、速度検出手段であ
る周波数/電圧コンバ−タFvcに与えられ、該コンバ−
タFvcが、車速パルスの周波数(車速に比例)をアナログ
電圧(レベルが車速に比例)に変換してこれを比較器Cmp
1およびCmp2に与える。比較器Cmp1は、該アナログ
電圧が10Km/h以上の速度値を表わすものであると
きには高レベルH、10Km/h未満の速度値を表わす
ものであるときには低レベルLの2値信号を発生してフ
リップフロップFfのセット入力端Sに与える。比較器
Cmp2は、車速を示すアナログ電圧が7Km/h以下の
速度値を表わすものであるときには高レベルH、7Km
/h超の速度値を表わすものであるときには低レベルL
の2値信号を発生してフリップフロップFfのリセット
入力端Rに与える。フリップフロップFfは、セット入
力端Sの信号がLからHに立上ったとき(車速が10K
m/h未満から10Km/h以上に切換わったとき)に
セットされてそのQ出力SsrをHとし、リセット入力端
Rの信号がLからHに立上ったとき(車速が7Km/h
超から7Km/h以下に切換わったとき)にリセットさ
れてそのQ出力SsrをHからLに切換える。これによ
り、フリップフロップFfの出力Ssrは、車速に応じ
て図2の(a)に示すように変化する。
【0024】この出力Ssrは、レベルを反転されてアン
ドゲ−トAngに印加される。アンドゲ−トAngのもう1
つの入力は、パ−キングスイッチATsと、パ−キング
ブレ−キスイッチPKsとが同時に開(走行設定)のと
きにHであり、少くとも一方が閉(停止設定)のときに
はLである。したがって、アンドゲ−トAngの出力であ
る制御信号Scは、パ−キングスイッチATsとパ−キ
ングブレ−キスイッチPKsとが同時に開(走行設定)
であって車速が7Km/h以下(減速中のとき)又は1
0Km以下(加速中のとき)のときにのみ、物体検出を
指示するHとなり、車速がそれより高いときもしくはパ
−キングスイッチATsとパ−キングブレ−キスイッチ
PKsの少くとも一方が閉(停止設定)のときには、制
御信号Scは、検出非指示を意味するLとなる。
【0025】図2の(b)に、検知コントロ−ラCNT
の、上述の制御信号Scのレベル制御機能を、フロ−チ
ャ−トで示す。検出処理装置DET1は、制御信号Sc
がL(検出不指示:検出停止を指示)からH(検出指
示)に切換わると物体検知の前処理(発振レベルの校
正)を行ない、これにおいて異常を検知すると出力信号
Sa1をL(異常)とする。この異常信号に応答して発
光ダイオ−ドLe1が点灯し、インバ−タIn1の出力
がHとなって、これがダイオ−ドD3を通してブザ−ド
ライバBdに与えられ、ブザ−Bzが通電されて警報音
を発生する。異常を検知しなかったときには出力信号S
a1をHに留め、物体検出を行ない(物体の接近を監視
し)、物体を検知すると、出力信号S1をL(物体有
り)とする。この信号に応答して発光ダイオ−ドLe2
が点灯し、インバ−タIn2の出力がHとなって、これ
がダイオ−ドD4を通してブザ−ドライバBdに与えら
れ、ブザ−Bzが通電されて警報音を発生する。物体検
知から非検知に変わると出力信号S1をH(物体無し)
とする。これにより発光ダイオ−ドLe2が消灯し、イ
ンバ−タIn2の出力がLとなって、ブザ−Bzの付勢
が停止する。他の検出処理装置DET2〜DET4も同
様に動作する。
【0026】図3に、検出処理装置DET1の回路構成
を示し、図4には、図3に示した共振/結合回路2の構
成を示す。先に言及したが、検出処理装置DET1は、
車両前部バンパの右コ−ナ部に装備された、2個のセン
サ電極10a,10cを有し、センサ電極10aより約
40〜50cm以内の範囲における障害物を検知する。
まず、この検出処理装置DET1の主要構成及び障害物
検出機能の概要を説明する。
【0027】水晶発振器を含む発振回路3は、共振/結
合回路2に接続されており、高周波の交流電圧v1を発
生して、共振/結合回路2内部の誘導コイルL(図4)
の1次側に印加する。誘導コイルLの2次側には、電極
ユニット10のセンサ電極10aが接続されている。電
極ユニット10は、相互に平行な第1電極10aおよび
第2電極10cで構成される。
【0028】図3に、電極ユニット10周りの電気力線
の分布を示す。図3においては、第1電極10aと接地
(グランド接続)されている第2電極10cとの間に交
流電圧vnが印加される。第1電極10aと第2電極1
0cは平行平板であり、2枚の電極を一組で、一種のコ
ンデンサと考えると、第1電極10aと第2電極10c
の間の静電容量Co1は、両者間の距離をdとし、真空
の誘電率をε0,電極の比誘電率をεrとするととも
に、互いに向い合う面積をSとすれば、 Co1=〔ε0・εr・S〕/d で表される。第1電極10aの遠方に仮想境界LLを想
定し、仮想境界LLまでの第1電極10aからの放射電
界における静電容量をCsとすれば、第1電極10aと
グランド(接地された第2電極10c)との間のインピ
ーダンスZin1は、第1電極10aと第2電極10c
間のインピーダンス〔−1/(jωCo1)〕と、第1
電極10aと仮想境界LL間のインピーダンス〔−1/
(jωCs)の合成となり、 Zin1=−1/〔jω(Co1+Cs)〕 で示される。ここで、仮想境界LLと第1電極10aの
間に、人,建造物,金属等の障害物が存在すると、仮想
境界LLと第1電極10a間の放射電界の静電容量Cs
が変化する。これにより、インピーダンスZin1が変
化する。なお、第1電極10aと第2電極10cの間の
静電容量Co1は、第2電極10cが接地されているこ
とにより一定となる。
【0029】再び図3を参照する。コントロ−ラCON
Tの電源回路Pから供給された直流の定電圧Vccを、
電気回路各要素に印加する。障害物検出装置DET1の
検出制御を行うのは、CPU(中央演算処理装置)1で
ある。CPU1は、まず発振回路3の発振を安定させ
る。発振回路3の発振を安定させる為にCPU1は、交
流電圧v1の発振レベルを表す直流電圧信号である発振
レベルVLをI/OポートのIO−1から読み込む。次
に、発振レベルVLに応じて、共振/結合回路2が発振
回路3の発振条件を満たすようなデジタルデータ制御電
圧Vmを算出する。 そして、I/OポートのIO−2
からラダー抵抗RAを介してデジタルデータ制御電圧V
mをD/A変換し、共振/結合回路2に与える。
【0030】制御電圧Vmは共振/結合回路2内部のバ
リキャップダイオード(可変容量ダイオード)VD(図
4)の直列コンデンサCz1側に印加され、制御電圧V
mの電圧レベルに応じたバリキャップダイオードVDの
容量変化により、共振/結合回路2の2次側の静電容量
が変化し、発振回路3の発振条件が満たされて発振が安
定する。
【0031】発振回路3の発振が安定している場合にお
いて、電極ユニット10(電極10a)に、人,建造
物,金属等の障害物が接近すると、電極ユニット10の
インピーダンスZin1が変化し、インピーダンスZi
n1の変化に応じて共振/結合回路2の2次側の容量が
変化する。これに伴い発振回路3の発振条件が影響さ
れ、発振回路3の発生する交流電圧v1の発振レベルが
変化する。
【0032】発振回路3には、検波/増幅回路4が接続
されており、交流電圧v1を検波・増幅し、交流電圧v
1の発振レベルの変化に応じて増減する直流の電圧であ
る発振レベルVLに変換してCPU1のI/Oポートの
IO−1に与える。CPU1は、発振レベルVLとしき
い値とを比較して、比較結果に従ってI/OポートのI
O−5からON/OFF信号すなわち障害物の有無を表
わす2値信号を出力する。この2値信号の反転信号が出
力信号S1であり、障害物有無を表わし、出力信号S1
が低レベルLのとき、これによってインバ−タIn2
(図1)がブザ−ドライバBdにオン電圧Hを与え、ブ
ラ−ザライバBdが警報ブザ−Bzに通電し、警報ブザ
−Bzが鳴動する。
【0033】図6及び図7に、CPU1の制御動作を示
す。まず図6を参照する。電源Vccがコントロ−ラC
NTから供給され、電源オンリセット回路6がリセット
パルスを発生すると、CPU1は、ステップ11におい
て初期化、すなわち内部レジスタ,フラグ等、メモリの
クリアを実行する。以下、カッコ内には「ステップ」と
いう言葉を省略してステップ番号のみを示す。
【0034】初期化が終了するとCPU1は、コントロ
−ラCNTからの検出指示(Sc=HすなわちI/O−
4=L)を待つ(12)。
【0035】検出指示が到来すると、すなわちSc=H
(I/O−4=L)になると、センサ初期化DZCを実
行して、共振/結合回路2を、発振レベルVLが基準レ
ベルである設定値Vxとなる回路動作に設定し、この設
定の過程で電極ユニット10,共振/結合回路2,発振
回路3および検波/増幅回路4でなる回路全体としての
動作異常の有無をチェックする。詳細は後述する。
【0036】センサ初期化DZCにおいて設定値Vxの
設定が出来ると、作動制御OPCに進み、そこでは、制
御信号Scのレベル変化と、障害物検出有か否か(I/
O−5の出力レベル)に対応して、障害物検出OBDを
継続する(繰返す)か、あるいは、それを停止して、制
御信号Scが検出指示Hになるのを待つ(12)かを決
定する。詳細は後述する。
【0037】作動制御OPCから障害物検出OBDに進
むと、微分処理30を実行する。この微分処理30は、
電極ユニット10周りの、水はねなどによる突発的な環
境変化による発振レベルVLの低下を検出するものであ
る。この実施例では、車速が10Km/h以下を障害物
検出を行なう条件にしており、電極ユニット10に対す
る障害物の接近速度は10Km/h以下の低速であり、
障害物が接近する場合、発振レベルVLは図11の
(a)に示すように緩やかに変化する。電極ユニット1
0周りに水がかかったときには、図11の(b)に示す
ように、発振レベルVLの低下が急激に起こる。また、
どしゃぶりの雨が電極ユニット10周りに当ると、図1
1の(c)に示すように、発振レベルVLが急激かつ大
きな変動の昇降変化を示す。図11の(a),(b)お
よび(c)のいずれの場合にも、発振レベルVLが、障
害物有無判定のためのしきい値(Vr)より低くなる時
点があり、図11の(b)および(c)の場合の発振レ
ベルVLの低下は、誤検出を招く。そこでこの微分処理
30では、発振レベルVLの変化速度に着目して、発振
レベルVLの変化が図11の(a)に示すような緩やか
な変化(障害物)か否かを判定する。
【0038】この微分処理30の詳細も後述するが、こ
こで発振レベルVLの変化が図11の(a)に示すよう
な緩やかな変化と判定すると、初期設定フラグをOFF
(発振レベルVLの校正不要:零点補正34の実行不
要)とし、発振レベルVLの変化が急激(外乱あり)と
判定すると、初期設定フラグをON(発振レベルVLの
校正要:零点補正34の実行要)とする。
【0039】次に実行するしきい値制御31は、電極ユ
ニット10廻りの長期的な環境変化(例えばバンパ−の
水濡れ,泥などの異物の付着)による障害物の誤検出又
は検出漏れを防止するために、発振レベルVLの偏倚に
対応して障害物判定のためのしきい値Vrを調整するも
のである。このしきい値制御31の詳細も後述する。し
きい値制御31を終えると、初期設定フラグがOFF
(レベル校正不要)であると障害物有無判定(35〜3
8)を行なうが、初期設定フラグがON(レベル校正
要)であると、零点補正34を行ない、障害物有無判定
(35〜38)は行なわない。そして、詳細は後述する
が、零点補正34では、発振レベルVLを基準値Vxに
調整する。
【0040】なお、作動制御OPCから障害物検出OB
Dに進み、障害物検出OBDを実行すると作動制御OP
Cに進むので、条件が整えば、作動制御OPCと障害物
検出OBDが、所定周期で繰返し実行される。したがっ
てその場合、作動制御OPCと障害物検出OBD共に、
該所定周期Tsで繰返えされる点に注意されたい。次に
詳細を説明する。
【0041】センサ初期化DZC:ステップ13〜22 ここではまず、回数フラグF1の内容に1を加算する
(13)。初回であれば回数フラグF1にはデータが存
在しないので、0+1=1となる。そして、ポートI/
O−1より、発振レベルVLを読み込んで(14)、デ
ジタル変換し、その値がセンサ初期化DZCの第1設定
値Vxであるかを判定する(15)。
【0042】ここで、発振レベルVLが第1設定値Vx
でなければ、ステップ16に進み、発振レベルVLと第
1設定値Vxの偏差を算出し、CPU1の内部メモリに
記憶する。そして、今回のセンサ初期化DZCのルーチ
ン(13〜22)実行においてステップ16で算出し
た、発振レベルVLと第1設定値Vxの偏差と、やはり
CPU1の内部メモリに記憶されている、前回のセンサ
初期化DZCのルーチン実行においてステップ16で算
出した、発振レベルVLと第1設定値Vxの偏差とを比
較し、今回算出した発振レベルVLと第1設定値Vxの
偏差が、前回算出した偏差より小さければ、発振レベル
VLは安定しつつあると判断して、ステップ20に進
む。
【0043】しかし、今回算出した発振レベルVLと第
1設定値Vxの偏差が、前回算出した偏差以上(同値も
含む)であれば(17)、発振レベルVLは発散の傾向
にあると判断して、ステップ18に進む。ここで、今回
のセンサ初期化DZCの実行が初回であり、内部メモリ
に前回の偏差が記憶されていなければ、CPU1はその
ままステップ20に進む。
【0044】発振レベルVLが発散の傾向にあると判断
すると、CPU1は、回数フラグF1をチェックする
(18)。ここで、センサ初期化DZCの実行回数を示
す回数フラグF1の内容が、所定数Fnに達していない
場合には、CPU1はステップ20に戻る。しかし、回
数フラグF1の内容が所定数Fnに達していることを示
すFnである場合には、CPU1は「異常判定」(1
9)に進み、そこでCPU1は、異常を示すHをポート
I/O−6から出力する。これにより、出力信号Sa1
がLとなって、発光ダイオ−ドLe1(図1)が点灯
し、警報ブザ−Bzが鳴動する。。
【0045】発振レベルVLが収束しつつある場合ある
いは、発振レベルVLが発散の傾向にあっても、ルーチ
ン実行の回数を示す回数フラグF1の内容が、所定数F
nに達していない場合には、CPU1はステップ16で
算出した偏差を補償する(零とする)ための制御電圧V
mの補正値を算出し、この補正値を現在出力中の制御電
圧に加えた値を算出し(20)、算出値に制御電圧Vm
を変更する(21)。すなわち算出したデジタルデータ
制御電圧Vmを、ポートI/O−2より共振/結合回路
2に出力する。そしてステップ13に戻る。
【0046】こうしてCPU1は、発振レベルVLが第
1設定値Vxになるまでステップ13〜ステップ21の
処理を繰り返し、発振レベルVLが第1設定値Vxとな
ると、初期設定フラグをOFF(零点補正不要)に設定
して(22)、作動制御OPCに進む。また、ステップ
13〜ステップ21の実行ルーチンを回数フラグF1の
内容が、所定数Fnに達するまで繰り返しても発振レベ
ルVLが第1設定値Vxに一致しない場合には、ステッ
プ19の異常判定の処理を行い、そこで異常と判定する
と信号Sa1をH(正常)からL(異常)に切換える。
【0047】作動制御OPC:ステップ23〜29 始めてこの作動制御OPCに進んだときには出力ポ−ト
I/O−5の出力は、初期化(11)によりL(障害物
なし)となっている。そして制御信号Scは障害物検出
を指示するHである。作動制御OPCに進むとCPU1
はまず、I/O−5の出力レベルがH(障害物検知中)
かをチェックして(23)、そうでないとすなわちL
(障害物非検知)であると、制御信号ScがH(検出指
示)かをチェックして(25)、そうであると、障害物
検出OBDに進む。制御信号ScがL(検出不指示)で
あると、I/O−5にL(障害物非検知)を設定(クリ
アと同義)して(29)、検出指示待ち(12)に戻
る。
【0048】作動制御OPCに進んだときにI/O−5
の出力レベルがH(障害物検知中)であったときには、
CPU1は、制御信号ScがH(検出指示)かをチェッ
クして(24)、そうであると、障害物検出OBDに進
む。制御信号ScがL(検出不指示)であると、前回も
Lであったかをチェックして(26)、前回はH(検出
指示)であったときには、制御信号ScがH(検出指
示)からL(検出不指示)に切換わったことになるの
で、所定時間の時限値TrのタイマTrをスタ−トし
て、障害物検出OBDに進む(27)。その後タイマT
rがタイムオ−バすると、I/O−5にL(障害物非検
知)を設定して(26,28,29)、検出指示待ち
(12)に戻る。すなわち、制御信号ScがH(検出指
示)からL(検出不指示)に切換わっても、障害物検知
中のときには、即座に障害物検出は停止せず、所定時間
Trが経過したときに障害物検出を停止する。I/O−
5にL(障害物非検知)が設定されるので、I/O−5
のH(障害物検知中)によって付勢されていた警報ブザ
−Bzの鳴動が止まる。
【0049】障害物検出OBD:ステップ30〜38 まず微分処理30を実行する。その内容を図8を参照し
て説明する。微分処理30でCPU1は、発振レベルV
Lを、1msec周期でA回、デジタル変換して読込んで、
読込みデ−タの平均値を算出する(51)。次に、今回
算出した平均値−前回算出した平均値=差値、を算出す
る(52)。前回の算出から今回の算出までの経過時間
をTsとすると、該差値は、Tsの間の発振レベルVL
の変化量であり、発振レベルVLの変化速度である。正
確には、変化速度は、差値/Tsである。物体検知中
(I/O−5:H)か否か(53)と、差値が負(発振
レベルVLの立下り)か否(立上り)かをチェックして
(54,57)、 (a)物体検知中であって、しかも、差値が負(発振レ
ベルVLが立下り)の場合は、B(負値)を参照値に定
める(53〜55)。この場合は、障害物が電極ユニッ
ト10の近くにあるので、その監視を継続するために、
Bは最低設定値(負値)としている。これにより、この
場合には、初期設定フラグをON(発振レベルVLの校
正要)とする(後述のステップ61)可能性が低く、障
害物監視の継続性が高い。
【0050】(b)物体検知中であって、しかも、差値
が正(零を含む:発振レベルVLが立上り又は変化な
し)の場合は、C(正値)を参照値に定める(53,5
4,56)。この場合も、障害物が電極ユニット10の
近くにあるので、その監視を継続するために、Cは最高
設定値(正値)としている。これにより、この場合に
も、初期設定フラグをON(発振レベルVLの校正要)
とする(後述のステップ61)可能性が低く、障害物監
視の継続性が高い。
【0051】(c)物体非検出中であって、しかも、差
値が負(発振レベルVLが低下している)の場合は、D
(負値)を参照値に定める(53,57,58)。この
場合は、障害物があっても電極ユニット10から遠いの
で、障害物監視の緊急性は低い。そこで外乱を障害物と
誤検知する可能性を低くするために、Dは、Bよりもや
や高い負値としている。これにより、初期設定フラグを
ON(発振レベルVLの校正要)とする(後述のステッ
プ61)可能性が高く、外乱原因の発振レベル変動をキ
ャンセルする信頼性が高い。
【0052】(d)物体非検出中であって、しかも、差
値が正(零を含む:発振レベルVLが立上り又は変化な
し)の場合は、Eを参照値に定める(53,57,5
9)。この場合も、障害物監視の緊急性は低い。そこで
外乱を障害物と誤検知する可能性を低くするために、E
は、Cよりもやや低い正値としている。これにより、初
期設定フラグをON(発振レベルVLの校正要)とする
(後述のステップ61)可能性が高く、外乱原因の発振
レベル変動をキャンセルする信頼性が高い。
【0053】なお、車速10Km/h未満のときのみ障害物検
出を行なうので、「(外乱原因のVLの下り変化速度)<B
<D<(10Km/hの障害物接近速度でのVLの変化速度)<0
<(10Km/hの障害物離反速度でのVLの変化速度)<E<C
<(外乱原因のVLの立上り変化速度)」なる関係となって
いる。
【0054】以上のように参照値を設定すると、ステッ
プ52で算出した差値が参照値より大きいかをチェック
して(60)、大きいと初期設定フラグをON(零点補
正要)とし(61)、そうでないと初期設定フラグをO
FF(零点補正不要)とする(61)。
【0055】しきい値制御31の内容を図9に示す。図
9を参照すると、ここでCPU1は、初期設定フラグが
ON(零点補正要)であるかをチェックして(71)、
そうであると、後に発振レベルVLの校正を行ない、こ
こでのしきい値設定は無意味となるので、次のステップ
32に進む。
【0056】しかし初期設定フラグがOFFであると、
ステップ51で算出した平均値VLが、現在設定中のし
きい値Vr以下かをチェックして(72)、平均値VL
がしきい値Vrより大きい場合である(平均値VLが障
害物非検出レベルである)としきい値Vrを、比較的に
高い基準設定値VAに戻す(76)。この設定値VA
は、障害物非検出時の発振レベルが基準値Vxにあると
きの、障害物有無判定用のしきい値である。図12に、
VxとVAならびに次に触れる多くの基準値の、相対関
係を示す。
【0057】平均値VLが、現在設定中のしきい値Vr
を越える(平均値VLが障害物検出レベルである)と、
ステップ51で読込んだA回のデ−タの最低値が、基準
値C以下であるかをチエックして(73)、そうである
と、しきい値Vrに、最低の基準設定値VDを設定する
(77)。A回のデ−タの最低値が基準値Cを越える
と、それが中間の基準値B以下であるかをチェックして
(74)、そうであると、しきい値Vrに、VDよりや
や高い基準設定値VCを設定する(78)。A回のデ−
タの最低値が基準値Bを越えると、それが基準値A以下
であるかをチェックして(75)、そうであると、しき
い値Vrに、VCよりやや高くVAよりはやや低い基準
設定値VBを設定する(79)。A回のデ−タの最低値
が基準値Aを越えると、しきい値Vrに、基準設定値V
Aを設定する(80)。
【0058】このしきい値制御31の実行により、障害
物検知中の発振レベルVLの最低値に対応してしきい値
Vrがシフトする。すなわち発振レベルVLが低下傾向
のときにはそれに対応してしきい値Vrが下げられる。
図12に太い実線で示すように、障害物検知中の発振レ
ベルVLの最低値が基準値BとAの間にあるときには、
しきい値Vrは上述の処理によりVBに設定される。そ
してこのしきい値Vr=VBよりも発振レベルVLが上
昇すると、すなわち障害物非検知になると、ステップ7
2,76でしきい値VrはVAに戻される。電極ユニッ
ト10周りに泥などが付着して発振レベルVLが低下し
た後、障害物の接近により発振レベルVLが更に低下す
ると、障害物検知状態となって、障害物検知状態になっ
てからの発振レベルVLの最低値対応でしきい値Vrが
下がるので、泥などの付着によって発振レベルVLが低
下した分、しきい値Vrも下がることになる。したがっ
て、障害物が電極ユニット10から離れるときの、障害
物有りから無しへの切換わり検出のばらつきが小さくな
る。つまり障害物検知の信頼性が高い。なお、このよう
なしきい値のシフトを行わない場合には、泥などが付着
していない場合よりも遠方に障害物が離れないと、障害
物無しに切換わらないことになる。
【0059】図7を再度参照する。上述のしきい値制御
(31)を実行するとCPU1は、発振レベルVLを読
込み(32)、そして初期設定フラグがON(零点補正
要)かチェックして(33)、そうであると零点補正3
4を実行する。その内容を図10に示す。零点補正34
に進むと、CPU1は、ポートI/O−1より、発振レ
ベルVLを読み込んで(81)、デジタル変換し、その
値が設定値Vxであるかを判定する(82)。ここで、
発振レベルVLが第1設定値Vxでなければ、ステップ
84に進み、発振レベルVLと第1設定値Vxの偏差を
算出する。そして、該偏差を補償する(零とする)ため
の制御電圧Vmの補正値を算出し、この補正値を現在出
力中の制御電圧に加えた値を算出し(85)、算出値に
制御電圧Vmを変更する(86)。すなわち算出したデ
ジタルデータ制御電圧Vmを、ポートI/O−2より共
振/結合回路2に出力する。そしてステップ81に戻
る。こうしてCPU1は、発振レベルVLが第1設定値
Vxになるまでステップ81〜ステップ86の処理を繰
り返し、発振レベルVLが第1設定値Vxとなると、初
期設定フラグをOFF(零点補正不要)に設定して(8
3)、作動制御OPCに戻る。
【0060】障害物有無の判定と判定結果対応の処理:
ステップ35−38再度図7を参照する。ステップ33
で初期設定フラグがOFF(零点補正不要)であること
を認知した場合には、CPU1は、ステップ32で読込
んだ発振レベルVLしきい値Vrと比較する(35)。
発振レベルVLがしきい値Vr以下であると、ポートI
/O−5に、障害物有りを示すHを設定する(36)。
これにより信号S1がHからLに切換わり、ブザ−Bz
が鳴動する。発振レベルVLがしきい値Vrを越えてい
たときには、ポートI/O−5を障害物無しを示すHレ
ベルに設定し(37)、そして所定周期で、発振レベル
VLが第1設定値Vxに合致する方向に、制御電圧Vm
を小値Y分づつ変更し、発振レベルVLをVxに合わせ
る(38)。そして、作動制御OPCに進む。
【0061】作動制御OPCでは前述のように、障害物
検出の有/無(I/O−5:H/L)と、制御信号Sc
の検出指示/不指示(H/L)に応じて、制御信号Sc
が検出指示(H)である間、障害物検出OBDを繰返し
実行する(23−24−/23−25−)。すなわ
ち障害物検出を継続する。
【0062】制御信号Scが検出指示(H)から検出非
指示(L)に切換わると、このとき障害物非検知(I/
O−5:L)であると、障害物検出は停止し、制御信号
Scが検出非指示(L)から検出指示(H)に切換わる
のを待つ(12)。
【0063】しかし、障害物検知中(I/O−5:H)
であったときには、所定時間の時限値TrのタイマTr
をスタ−トして(23−24−26−27)、障害物検
出OBDに進み、障害物検出は継続する。そしてタイマ
Trがタイムオ−バすると、つまり所定時間が経過する
と、出力ポ−トI/O−5をL(障害物検出無)にし
て、障害物検出は停止し、制御信号Scが検出非指示
(L)から検出指示(H)に切換わるのを待つ(1
2)。
【0064】なお、上述の実施例では、上述の障害物有
無の判定と判定結果対応の処理(35〜38)により、
現在障害物検知中か否かにかかわらず、現発振レベルV
Lが障害物有りレベルか障害物無しレベルかを判定し
(35)、判定結果に応じた出力デ−タの操作(36,
37)を行ない、そして、現発振レベルVLが障害物無
しレベルである限り、現発振レベルVLを基準値Vxに
校正する(35−37−38)。
【0065】第2実施例では、図13に示すように、現
在障害物検知中であると現発振レベルVLが障害物無し
レベルに変化したかを判定して(35a,35b)、そ
うであると出力ポ−トI/O−5をHからLに切換える
(37)。すなわち障害物有りデ−タをクリアする。そ
して現発振レベルVLを基準値Vxに校正する(3
8)。現在障害物非検知中であったときには現発振レベ
ルVLが障害物有りレベルに変化したかを判定して(3
5a,35c)、そうであると出力ポ−トI/O−5を
LからHに切換える(36)。すなわち障害物有りデ−
タをセットする。発振レベルVLが障害物有りから無し
に、またその逆に変化したときのみ、出力ポ−トI/O
−5に対するデ−タ設定処理(36,38)を行ない、
該変化がないときには、これが省略となっている。
【0066】また第2実施例では、現在障害物非検知中
であったときに現発振レベルVLが障害物有りレベルに
変化しないと、作動制御OPCに進むので(35a−3
5c−)、現発振レベルVLが障害物無しレベルであ
っても、現発振レベルVLを基準値Vxに校正しない。
この校正(38)は、現発振レベルVLが障害物有りレ
ベルから無しレベルに切換わった直後のみに行なわれ、
校正(38)の実行頻度が低い。なお、上述の詳細に説
明した実施例(図7)と同様に、現発振レベルVLが障
害物無しレベルである限り、現発振レベルVLを基準値
Vxに校正するには、すなわち校正(38)の実行頻度
を高くするには、図13のステップ130cでVL>V
rと認知すると、ステップ38に進む(つまりステップ
35cのNOのラインの行先をステップ37と38の間
とする)ように、処理の流れを変更すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例のシステム構成を示すブ
ロック図である。
【図2】 (a)は図1に示す検知コントロ−ラCNT
の車速判定の範囲を示すグラフであり、(b)は検知コ
ントロ−ラCNTが発生する物体検出指示(Sc=Hす
なわちI/O−4=L)を示すフロ−チャ−トである。
【図3】 図1に示す検出処理装置DET1の構成を示
すブロック図である。
【図4】 図3に示す共振/結合回路2の回路構成を示
す電気回路図である。
【図5】 図3に示す電極ユニット10周りの電気力線
の分布の概要(推定)を示す平面図である。
【図6】 図3に示すCPU1の制御動作の一部である
センサ初期化DZCと作動制御OPCの内容を示すフロ
ーチャートである。
【図7】 図3に示すCPU1の制御動作の一部である
障害物検出OBDの内容を示すフロ−チャ−トである。
【図8】 図7に示す微分処理30の内容を示すフロ−
チャ−トである。
【図9】 図7に示すしきい値制御31の内容を示すフ
ロ−チャ−トである。
【図10】 図7に示す零点補正34の内容を示すフロ
−チャ−トである。
【図11】 図3に示す発振レベルVLの、レベル校正
を施さない場合のレベル変化を示すグラフであり、
(a)は障害物が電極ユニット10に接近している過程
のものを、(b)は電極ユニット10周りに水がかかっ
たときのものを、(c)はどしゃぶりの雨相当の水しぶ
きが電極ユニット10周りに当っているときのものを示
す。
【図12】 図9に示すしきい値制御31の処理におけ
るレベル判定参照値としきい値として設定する値の相対
レベルを示すグラフである。
【図13】 本発明の第2実施例の、第1実施例と異な
る処理を示すフロ−チャ−トである。
【符号の説明】
DET1:障害物検出装置 Le1,Le
2:発光ダイオ−ド In1,I2:インバ−タ D1,D2,D
3,D4:ダイオード Bd:ブザ−ドライバ Bz:ブザ− CNT:検知コントロ−ラ Fvc:F/V
コンバ−タ Cmp1,Cmp2:比較器 Ff:フリップ
フロップ Amp:バッファ Ang:アンドゲ
−ト SPs:速度検出パルス発生器 PKs:パ−キ
ングブレ−キスイッチ ATs:シフトレバ−スイッチ P:電源回路 1:CPU 2:共振/結合
回路 3:発振回路 4:検波/増幅
回路 5:温度補償回路 6:リセット回
路 10:電極ユニット 10a,10
c:第1,第2電極 VL:発振レベル相当直流電圧 Vm:制御電圧 v1:高周波発振電圧 V7:7km/
h相当電圧 V10:10km/h相当電圧 C,Cc,Cz
1:コンデンサ L:誘導コイル VD:バリキャ
ップダイオード LL:仮想境界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊 藤 新 也 愛知県刈谷市昭和町2丁目3番地 アイシ ン・エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 浜 島 茂 充 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 石 川 均 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 家 田 清 一 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 井 奈 波 恒 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体との間に静電容量を形成するためのセ
    ンサ電極;該センサ電極と基準電位の間の静電容量に対
    応する電気信号を発生するための発振手段;および、前
    記センサ電極への物体の接近による前記発振手段が発生
    する電気信号の変化を検出し、物体検知情報を発生する
    監視手段;を備える物体検出装置において:前記電気信
    号の変化速度を検出する手段;および、該変化速度が設
    定範囲を外れるとき、前記監視手段による物体検知処理
    を保留する検知制御手段;を備えることを特徴とする物
    体検出装置。
  2. 【請求項2】物体との間に静電容量を形成するためのセ
    ンサ電極;該センサ電極と基準電位の間の静電容量に対
    応する電気信号を発生するための発振手段;および、前
    記センサ電極への物体の接近による前記発振手段が発生
    する電気信号の変化を検出し、物体検知情報を発生する
    監視手段;を備える物体検出装置において:前記センサ
    電極と基準電位の間の静電容量に対する前記発振手段が
    発生する電気信号を補正する補正手段;前記電気信号の
    変化速度を検出する手段;および、該変化速度が設定範
    囲を外れるとき、前記補正手段を起動する補正制御手
    段;を備えることを特徴とする物体検出装置。
  3. 【請求項3】物体との間に静電容量を形成するためのセ
    ンサ電極;該センサ電極と基準電位の間の静電容量に対
    応する電気信号を発生するための発振手段;および、前
    記センサ電極への物体の接近による前記発振手段が発生
    する電気信号をしきい値と比較して物体有無を検知する
    監視手段;を備える物体検出装置において:前記監視手
    段が物体有りを検知しているときの前記電気信号に対応
    して前記しきい値を、前記物体監視手段が物体有りと検
    知するが、該電気信号に対し近い値に更新する、しきい
    値調整手段;を備えることを特徴とする物体検出装置。
  4. 【請求項4】物体との間に静電容量を形成するためのセ
    ンサ電極;該センサ電極と基準電位の間の静電容量に対
    応する電気信号を発生するための発振手段;および、前
    記センサ電極への物体の接近による前記発振手段が発生
    する電気信号をしきい値と比較して物体有無を検知する
    監視手段;を備える物体検出装置において:前記センサ
    電極と基準電位の間の静電容量に対する前記発振手段が
    発生する電気信号を補正する補正手段;前記電気信号の
    変化速度を検出する手段;該変化速度が設定範囲を外れ
    るとき前記補正手段を起動する補正制御手段;および、 前記監視手段が物体有りを検知しているときの前記電気
    信号に対応して前記しきい値を、それを用いて前記監視
    手段が物体有りと検知するが該電気信号により近い値に
    更新する、しきい値調整手段;を備えることを特徴とす
    る物体検出装置。
JP9240622A 1997-09-05 1997-09-05 物体検出装置 Pending JPH1184019A (ja)

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