JPH1183261A - 油圧制御式ファン駆動システム - Google Patents

油圧制御式ファン駆動システム

Info

Publication number
JPH1183261A
JPH1183261A JP23562797A JP23562797A JPH1183261A JP H1183261 A JPH1183261 A JP H1183261A JP 23562797 A JP23562797 A JP 23562797A JP 23562797 A JP23562797 A JP 23562797A JP H1183261 A JPH1183261 A JP H1183261A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic
pressure
oil
pump
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23562797A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaharu Ishii
隆治 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UD Trucks Corp
Original Assignee
UD Trucks Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UD Trucks Corp filed Critical UD Trucks Corp
Priority to JP23562797A priority Critical patent/JPH1183261A/ja
Publication of JPH1183261A publication Critical patent/JPH1183261A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧モータにキャビテーションが発生し難く
して異音の発生を防止すると共に、油圧ポンプの特性を
変更することでシステム効率を向上し、システム品質を
向上する。 【解決手段】 ファン3を駆動する油圧モータ4aと、油
圧モータ4aに作動油を供給する可変容量型油圧ポンプ5b
と、冷却水温度に基づいて油圧ポンプユニット5からの
吐出油圧を変化させる主圧力制御弁5cと、油圧モータ4a
が停止又は減速状態のときに、油圧モータ5bから吐出さ
れる作動油流量を絞る流量切換弁4cと、流量切換弁4cの
出口側の作動油圧が油圧モータ4aの入口側の作動油圧よ
り所定圧以上高くなったときに、流量切換弁4cの出口側
の作動油を油圧モータ4aの入口側に導入するばね付きチ
ェック弁8と、油圧ポンプ5bの入口側の作動油圧が出口
側の作動油圧より所定圧以上高くなったときに、油圧ポ
ンプ5bの入口側の作動油を出口側に導入するばね付きチ
ェック弁5gと、を油圧回路に介装して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被冷却体を冷却す
るファンの作動を油圧によって制御する油圧制御式ファ
ン駆動システムにおいて、特に、システム品質を向上さ
せる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、社会的要請が高まっている低床バ
ス等においては、低床化を実現するためエンジンを横置
きに載置する必要があり、このエンジンレイアウトで
は、被冷却体としてのラジエータの設置位置が限定され
てしまう。このため、本出願人は、ラジエータを冷却す
るファンの作動を油圧によって制御する油圧制御式ファ
ン駆動システムを提案した(特願平9−16745号参
照)。なお、油圧制御式ファン駆動システムの特徴は、
大容量ファンが駆動可能なこと、及び、ラジエータの設
置レイアウトの自由度が高いことにある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる油圧
制御式ファン駆動システムでは、油圧モータの停止時又
は減速時(以下「停止時等」という)におけるファンの
慣性による油圧モータの衝撃(キャビテーション)を緩
和するため、油圧モータと並列に設けられるばね付きチ
ェック弁に加え、油圧モータの停止時等に油圧モータか
ら吐出される作動油流量を絞る流量切換弁を設けるよう
にした。
【0004】しかしながら、かかる構成を採用すること
で、油圧モータの停止時等におけるキャビテーションは
低減したが、次のような問題は依然として解決されない
ことに気が付いた。即ち、油圧ポンプを駆動するエンジ
ンが停止すると、ファンの慣性や油圧ポンプの逆回転に
より、油圧モータの入口側(上流側)が出口側(下流
側)より低圧になってしまう。このため、油圧モータ
に、キャビテーションが発生して異音が発生してしま
い、システム品質が低下してしまうおそれがある。
【0005】また、従来の油圧制御式ファン駆動システ
ムでは、油圧ポンプは、ポンプの回転速度に応じてその
吐出流量が略直線的に増大する固定容量型のものであっ
たため、ポンプの高回転域において油圧モータが要求す
る以上の作動油(以下「余剰流量」という)を吐出して
しまい、余剰流量によって配管が破裂しないように、配
管を大径化しなければならなかった。このため、システ
ム効率が低下し、システム品質の向上が困難であるとい
う問題があった。
【0006】そこで、本発明は以上のような従来の問題
点に鑑み、油圧モータにキャビテーションが発生し難く
して異音の発生を防止すると共に、油圧ポンプの特性を
変更することでシステム効率を向上し、システム品質を
向上した油圧制御式ファン駆動システムを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、被冷却体を冷却するためのファンを駆動する
油圧モータと、オイルタンクから該油圧モータに作動油
を供給する油圧ポンプと、前記被冷却体の温度に基づい
て前記油圧モータに供給する作動油圧を制御する作動油
圧制御手段と、該油圧モータが停止或いは減速状態のと
きに、油圧モータから吐出される作動油流量を絞る流量
切換弁と、を含む構成要素を油圧回路に介装して備えた
油圧制御式ファン駆動システムであって、前記流量切換
弁の出口側の作動油圧が前記油圧モータの入口側の作動
油圧より所定圧以上高くなったときに、該流量切換弁の
出口側の作動油を油圧モータの入口側に導入する第1の
導入手段と、前記油圧ポンプの入口側の作動油圧が出口
側の作動油圧より所定圧以上高くなったときに、該油圧
ポンプの入口側の作動油を出口側に導入する第2の導入
手段と、の少なくとも一方を油圧回路に介装した。
【0008】かかる構成によれば、流量切換弁の出口側
の作動油を油圧モータの入口側に導入する第1の導入手
段を備えることによって、流量切換弁の出口側の作動油
圧が油圧モータの入口側の作動油圧より所定圧以上高く
なると、流量切換弁の出口側の作動油が油圧モータの入
口側に導入される。従って、油圧ポンプが停止したとき
に、ファンの慣性により油圧モータが油圧ポンプとして
作用しても、流量制御弁の出口側の作動油が油圧モータ
の入口側に供給されるため、油圧モータの出口側の作動
油圧が入口側の作動油圧より所定圧以上高くなることが
防止され、油圧モータにキャビテーションが発生するこ
とが防止される。
【0009】また、油圧ポンプの入口側の作動油を出口
側に導入する第2の導入手段を備えることによって、油
圧ポンプの入口側の作動油圧が出口側の作動油圧より所
定圧以上高くなると、油圧ポンプの入口側の作動油が出
口側に導入される。従って、油圧ポンプが停止したとき
に、ファンの慣性により油圧モータが油圧ポンプとして
作用しても、油圧モータには、油圧ポンプをバイパスし
てオイルタンクから作動油が供給されるため、油圧モー
タの出口側の作動油圧が入口側の作動油圧より所定圧以
上高くなることが防止され、油圧モータにキャビテーシ
ョンが発生することが防止される。
【0010】請求項2記載の発明は、前記第1の導入手
段は、前記油圧モータと並列に油圧回路に介装されるば
ね付きチェック弁である構成とした。かかる構成によれ
ば、流量切換弁の出口側の作動油圧が油圧モータの入口
側の作動油圧より所定圧以上高くなると、ばねの付勢力
に抗してチェック弁が自動的に開弁し、流量切換弁の出
口側の作動油が油圧モータの入口側に導入される。従っ
て、第1の導入手段は、一般的な油圧機器のみをもって
構成することができると共に、作動油圧に基づく制御を
電気的に行う必要がなく、耐久性、信頼性の向上及びコ
スト増加の抑制が図られる。
【0011】請求項3記載の発明は、前記第2の導入手
段は、前記油圧ポンプと並列に油圧回路に介装されるば
ね付きチェック弁である構成とした。かかる構成によれ
ば、油圧ポンプの入口側の作動油圧が出口側の作動油圧
より所定圧以上高くなると、ばねの付勢力に抗してチェ
ック弁が自動的に開弁し、油圧ポンプの入口側の作動油
が出口側に導入される。従って、請求項2記載の発明と
同様に、第2の導入手段は、一般的な油圧機器のみをも
って構成することができると共に、作動油圧に基づく制
御を電気的に行う必要がなく、耐久性、信頼性の向上及
びコスト増加の抑制が図られる。
【0012】請求項4記載の発明は、前記油圧ポンプ
は、該油圧ポンプの入口側と出口側とにおける作動油の
差圧が所定値未満のときには、ポンプの回転速度に応じ
てその吐出流量が略直線的に増大し、前記作動油の差圧
が所定値以上のときには、前記油圧ポンプの出口側の作
動油の一部を入口側に還流させて、吐出流量を制限する
可変容量型ポンプである構成とした。
【0013】かかる構成によれば、油圧ポンプの入口側
と出口側とにおける作動油の差圧が所定値未満、換言す
ると、油圧ポンプの吐出流量が所定流量未満のときに
は、ポンプ回転速度に応じて吐出流量が増大する。一
方、作動油の差圧が所定値以上、換言すると、油圧ポン
プの吐出流量が所定流量以上になると、所定流量を越え
る作動油流量が油圧ポンプの入口側に導入されるので、
油圧ポンプの吐出量は所定流量に制限される。従って、
システムには、必要以上の作動油が流れることがなくな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付された図面を参照して
本発明を詳述する。図1は、本発明に係る油圧制御式フ
ァン駆動システムを、車両のラジエータ冷却システムに
適用した一実施形態を示している。ラジエータ冷却シス
テムは、作動油としてのオイルを所定量貯溜するオイル
タンク1と、被冷却体としてのラジエータ2を冷却する
ファン3を駆動する油圧モータユニット4と、オイルタ
ンク1に貯溜されているオイルを油圧モータユニット4
に供給する圧力制御機構付き油圧ポンプユニット(以下
「油圧ポンプユニット」という)5と、油圧モータユニ
ット4を作動させたオイルを冷却するオイルクーラ6
と、被冷却体温度としての冷却水温度に基づいて出力信
号としての圧力を変化させる水温検出弁7と、油圧モー
タユニット4と並列に設けられるばね付きチェック弁8
(第1の導入手段)と、を含む構成要素を油圧回路に介
装して構成される。
【0015】油圧ポンプユニット5は、オイルタンク1
から油圧モータユニット4にオイルを供給する油圧回路
の配管9に介装され、また、オイルクーラ6は、油圧モ
ータユニット4からオイルタンク1にオイルを戻す油圧
回路の配管10に介装される。一方、水温検出弁7は、
油圧ポンプユニット5の圧力制御を行う圧力制御ポート
5aと配管10とを接続する油圧回路の配管11に介装
される。
【0016】なお、以上説明しなかった符号12は、油
圧モータユニット4内でリークしたオイルをオイルタン
ク1に戻す油圧回路のドレン配管である。図2は、本発
明の一実施形態としてのラジエータ冷却システムを詳細
に示した油圧系統図である。オイルタンク1内には、油
圧モータユニット4から戻って来たオイルを濾過するフ
ィルタ1aと、油圧ポンプユニット5に供給されるオイ
ルを濾過するフィルタ1bと、が設けられる。さらに、
フィルタ1aと並列に、油圧が所定圧以上になったとき
に、フィルタ1aをバイパスするばね付きチェック弁1
cが併設されており、フィルタ1aの耐圧性を向上させ
ている。
【0017】このようにオイルタンク1内にフィルタ1
a,1bを設けると、フィルタ1a,1bによってオイ
ル中の不純物が除去されるので、油圧ポンプユニット5
や油圧モータユニット4への不純物の導入が防止され、
油圧ポンプユニット5及び油圧モータユニット4の故障
低減,寿命延長等を図ることができる。油圧ポンプユニ
ット5は、エンジン13の出力を駆動源としてオイルを
加圧供給する可変容量型の油圧ポンプ5bと、油圧ポン
プ5bから吐出されるオイルの所定量を油圧ポンプ5b
の入力側に戻す主圧力制御弁5cと、主圧力制御弁5c
のドレン側に供給されるオイルの流量を絞る絞り弁5d
と、油圧ポンプ5bから吐出される油圧が所定圧以上に
なったときに開弁するリリーフ弁5eと、リリーフ弁5
eに供給されるオイルの流量を絞る絞り弁5fと、油圧
ポンプ5bと並列に設けられるばね付きチェック弁5g
(第2の導入手段)と、を含んで構成される。
【0018】油圧ポンプ5bは、図3に示すように、油
圧ポンプ5bの入口側と出口側とにおけるオイルの差圧
が所定値未満、換言すると、油圧ポンプ5bの吐出流量
が所定値Q0 未満のときには、ポンプの回転速度Np に
応じてその吐出流量Qが略直線的に増大し、油圧ポンプ
5bの入口側と出口側とにおけるオイルの差圧が所定値
以上、換言すると、油圧ポンプ5bの吐出流量が所定値
0 以上のときには、油圧ポンプ5bの出口側のオイル
の一部を入口側に還流させて、吐出流量を制限する可変
容量型ポンプである。
【0019】ばね付きチェック弁5gは、油圧ポンプ5
bの入口側の油圧が出口側の油圧より所定圧以上高くな
ったときに、ばねの付勢力に抗してチェック弁を開弁さ
せ、オイルタンク1に貯溜されるオイルをばね付きチェ
ック弁5gを介して、油圧ポンプ5bの入口側に導入す
る。油圧ポンプ5bから吐出されるオイルは、絞り弁5
dを通過して圧力制御ポート5aから吐出されると共
に、各種油圧機器に油圧を供給する油圧供給ポート5h
から吐出される。圧力制御ポート5aからオイルが吐出
されると、絞り弁5dの前後に圧力差Δpが生じ、この
圧力差Δpが主圧力制御弁5cの入口側及びパイロット
側に作用する。すると、主圧力制御弁5cの弁体が圧力
差Δpに応じた開度で開弁し、油圧ポンプ5bから吐出
されるオイルは、主圧力制御弁5cを通過して油圧ポン
プ5bの入口側に戻される。従って、油圧供給ポート5
hから吐出されるオイルの流量が減少し、油圧ポンプユ
ニット5として供給する油圧が減少する。一方、油圧制
御ポート5aからオイルが吐出されないようにオイル通
路を閉鎖すると、絞り弁5dの前後に圧力差が生じない
ので、主圧力制御弁5cの弁体は閉弁したままとなり、
油圧ポンプ5bから吐出されるオイルの全量が油圧供給
ポート5hから吐出し、油圧ポンプユニット5として供
給する油圧が最大となる。
【0020】要するに、圧力制御ポート5aから吐出さ
れるオイルの流量を制御することによって、油圧ポンプ
ユニット5が各種油圧機器に供給する油圧を間接的に制
御できるわけである。なお、主圧力制御弁5c及び絞り
弁5dを含んで圧力制御機構が構成されている。また、
リリーフ弁5eは、油圧ポンプ5bが吐出する油圧が所
定圧以上になったときに開弁し、オイルが絞り弁5d及
び5fを通過するようにすることで、主圧力制御弁5c
を開弁させて油圧の過大な上昇を防止するものである。
【0021】油圧モータユニット4は、供給される油圧
に応じた回転トルクを発生させる油圧モータ4aと、油
圧モータ4aの作動が停止又は減速するときに、慣性に
よる衝撃を防止して油圧モータ4aを保護するためのば
ね付きチェック弁4bと、油圧モータ4aの入力側の油
圧に基づき吐出流量を変えるパイロット式流量切換弁4
cと、を含んで構成されている。
【0022】ばね付きチェック弁4bは、油圧モータ4
aの慣性により油圧モータ4aが油圧ポンプとして作用
して、油圧モータ4aの出口側の油圧が上昇した場合に
開弁し、オイルを油圧モータ4aの入口側に戻すことで
油圧の急激な低下に伴うキャビテーションを防止するも
のである。また、流量切換弁4cは、油圧モータ4aの
入口側の油圧が所定値未満のときは、吐出流量を絞るこ
とによって油圧モータ4aの駆動抵抗を増大させ、油圧
モータ4aが油圧ポンプとして作用している時間を短縮
し、キャビテーション発生を効果的に防止するものであ
る。
【0023】水温検出弁7は、ベローズ式,ワックス
式,バイメタル式等の温度検出部7aが冷却水温度Tw
に応じて変形し、パイロット圧力制御弁7bの弁体の押
付力を変化させることで、パイロット圧力制御弁7bを
通過するオイルの圧力Pを変化させるものである。パイ
ロット圧力制御弁7bは、冷却水温度Tw が低いときに
は温度検出部7aによる押付力が最小となっているが、
冷却水温度Tw の上昇に伴いその押付力が徐々に増加
し、最終的には最大となる特性を有している。なお、水
温検出弁7及び圧力制御機構(主圧力制御弁5c,絞り
弁5d)により作動油圧制御手段が構成される。
【0024】即ち、パイロット圧力制御弁7bの圧力特
性は、図4(a) に示すように、冷却水温度Tw が所定値
1 未満では最小圧力P=Pmin であるが、冷却水温度
wが所定値T1 以上になると冷却水温度Tw の上昇に
伴って圧力Pが徐々に上昇し、所定値T2 以上で最大圧
力P=Pmax となる。ここで、冷却水温度Tw の上昇時
と下降時とでは圧力特性が異なるのは、温度検出部7a
を機械式としたために、ヒステリシスが生じたためであ
る。
【0025】油圧モータユニット4と並列に設けられる
ばね付きチェック弁8は、油圧モータユニット4の出口
側、即ち、流量切換弁4cの出口側の油圧が油圧モータ
ユニット4の入口側の油圧より所定圧以上高くなったと
きに、ばねの付勢力に抗してチェック弁を開弁させ、流
量切換弁4cの下流側の配管10及びオイルタンク1内
のオイルをばね付きチェック弁8を介して、油圧モータ
ユニット4の入口側に導入する。
【0026】次に、かかるラジエータ冷却システムの作
用について、図4を参照しつつ説明する。冷却水温度T
w が所定値T1 未満のときには、水温検出弁7における
オイルの圧力Pは最小圧力P=Pmin となっているの
で、油圧ポンプユニット5の圧力制御ポート5aの圧力
も最小になる。従って、油圧ポンプユニット5の供給油
圧pは最小となるので、油圧モータ4aの駆動トルクが
最小となり、この駆動トルクが油圧モータ4aの内部抵
抗より小さい場合には、油圧モータ4aが作動せず、ラ
ジエータの冷却能力が最小となる。
【0027】そして、冷却水温度TW が上昇して所定値
1 に達すると、冷却水温度Tw の上昇に伴って水温検
出弁7におけるオイルの圧力Pが徐々に増加する。する
と、油圧ポンプユニット5の圧力制御ポート5aから吐
出されるオイルの圧力が、冷却水温度Tw の上昇に伴っ
て増加し、油圧ポンプユニット5の供給油圧pが徐々に
上昇する。従って、油圧モータユニット4の駆動トルク
が上昇し、徐々にファン3の回転速度が上昇するので、
ラジエータの冷却能力が向上する。
【0028】さらに、冷却水温度Tw が上昇して所定値
2 に達すると、水温検出弁7におけるオイルの圧力が
P=Pmax となり、油圧ポンプユニット5の圧力制御ポ
ート5aの圧力は最大となる。従って、油圧ポンプユニ
ット5の供給油圧pが最大となるので、油圧モータユニ
ット4が最大能力で作動し、ラジエータの冷却能力が最
大となる。
【0029】以上説明した内容をまとめると、冷却水温
度Tw に基づいて水温検出弁7におけるオイルの圧力P
が変化し(図4(a) 参照)、この圧力Pに基づいて油圧
モータユニット4に供給される油圧pが変化する(図4
(b) 参照)。そして、油圧モータユニット4は供給され
た油圧pに応じた回転速度Nでファン3を駆動する。即
ち、図4(c) に示すように、冷却水温度Tw とファン回
転速度Nとの特性でもって、ファン3の駆動制御が行わ
れる。
【0030】また、油圧モータユニット4に設けた流量
切換弁4cは、油圧モータ4aの作動が停止又は減速す
るとき、換言すれば、油圧ポンプ5bの作動が停止又は
減速するときに、油圧モータ4aに供給される油圧が低
下することを検出して、吐出流量を絞ったポジションに
切り換える。そして、油圧モータ4aの慣性によって油
圧モータ4aが油圧ポンプとして作用しても、吐出流量
が絞られているために油圧ポンプとしての作動が短時間
の内に終了する。従って、油圧モータ4a内にキャビテ
ーションが発生する状態が短時間のみ持続することとな
るので、キャビテーション発生をより効果的に防止する
ことができ、油圧モータ4aの耐久性及び信頼性を向上
することができる。
【0031】油圧モータユニット4と並列して設けられ
たばね付きチェック弁8は、油圧モータユニット4の出
口側、即ち、流量切換弁4cの出口側の油圧が、油圧モ
ータユニット4の入口側の油圧より所定圧以上高くなっ
たときに開弁するので、例えば、油圧ポンプ5bの停止
により、慣性によって油圧モータ4aが油圧ポンプとし
て作用しても、ばね付きチェック弁8を介して流量切換
弁4cの下流側の配管10及びオイルタンク1内のオイ
ルが、油圧モータユニット4の入口側に導入される。従
って、油圧ポンプ5bが停止したときに、慣性により油
圧モータ4aが油圧ポンプとして作用しても、油圧モー
タ4aの入口側には、流量切換弁4cの下流側からオイ
ルが供給されるため、油圧モータ4aにキャビテーショ
ンが発生することが防止される。このため、キャビテー
ションに起因する異音発生が防止されると共に、キャビ
テーションの発生による油圧ポンプ5b、油圧モータ4
aの耐久性、信頼性の低下が防止され、システム品質の
向上を図ることができる。
【0032】また、油圧ポンプ5bと並列して設けられ
たばね付きチェック弁5gは、油圧ポンプ5bの入口側
の圧力が出口側の圧力より所定圧以上高くなったときに
開弁するので、油圧ポンプ5bが停止したときに、慣性
により油圧モータ4aが油圧ポンプとして作用しても、
油圧モータ4aには、油圧ポンプ5bをバイパスしてオ
イルタンク1から作動油が供給されるため、油圧モータ
4aの出口側の作動油圧力が入口側の作動油圧力より高
くなることがなく、油圧モータ4aのキャビテーション
が防止される。このため、キャビテーションに起因する
異音発生が防止されると共に、キャビテーションの発生
による油圧ポンプ5b、油圧モータ4aの耐久性、信頼
性の低下が防止され、商品力の向上を図ることができ
る。
【0033】即ち、油圧モータユニット4と並列に設け
られたばね付きチェック弁8と、油圧ポンプ5bと並列
に設けられたばね付きチェック弁5gと、の少なくとも
一方を備えることで、油圧モータ4aのキャビテーショ
ンが抑制され、異音発生及び信頼性の低下が防止される
ので、その結果としてシステム品質を向上することがで
きる。この作用及び効果を奏する構成は、従来のシステ
ム構成にばね付きチェック弁を追加するだけであるた
め、コスト上昇を極力抑制しつつ、簡単にシステムの信
頼性を向上させることができる。
【0034】さらに、システム効率の向上を図るために
は、油圧ポンプ5bを固定容量型ポンプから可変容量型
ポンプに変更するだけであるので、現在のシステムを大
幅に変更することなく、簡単にシステム効率を向上する
ことができる。なお、以上説明した本実施形態の構成に
おいては、油圧ポンプ5bと並列に設けられるばね付き
チェック弁5gは、油圧ポンプユニット5内部に内蔵し
たが、油圧ポンプユニット5と並列に、具体的には、油
圧ポンプユニット5の入口側と出力側との間の油圧回路
に介装する構成としてもよい。
【0035】また、本実施例では、被冷却体としてラジ
エータを対象としたが、例えば、自動変速機の作動油を
冷却するオイルクーラーの冷却ファン、或いは、キャビ
ンクーラーのコンデンサの冷却ファン等に適用すること
も可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、流量切換弁の出口側の作動油を油圧モータ
の入口側に導入する第1の導入手段と、油圧ポンプの入
口側の作動油を出口側に導入する第2の導入手段と、の
少なくとも一方を油圧回路に備えるようにすれば、油圧
モータにキャビテーションが発生することがなく、キャ
ビテーションに起因する異音の発生、及び、キャビテー
ションの発生による油圧ポンプ、油圧モータの耐久性、
信頼性の低下を防止することができ、システム品質を向
上することができる。
【0037】請求項2記載の発明によれば、第1の導入
手段は、一般的な油圧機器のみをもって構成できると共
に、電気的な制御が不要であるので、耐久性、信頼性の
向上及びコスト上昇を抑制しつつ、システム品質を向上
することができる。請求項3記載の発明によれば、第2
の導入手段は、請求項2記載の発明と同様に、一般的な
油圧機器のみをもって構成できると共に、電気的な制御
が不要であるので、耐久性、信頼性の向上及びコスト上
昇を抑制しつつ、システム品質を向上することができ
る。
【0038】請求項4記載の発明によれば、余剰流量を
還流させる可変容量型の油圧ポンプを使用することで、
配管には必要以上の作動油が流れることがなく、システ
ムを構成する配管を細くすることができ、また、配管に
予期せぬ作動油流量が流れず、システムの耐久性及び信
頼性が向上し、システム品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を車両のラジエータ冷却システムに適
用した一実施形態を示すシステム構成図
【図2】 同上の詳細を示した油圧系統図
【図3】 同上の可変容量型油圧ポンプの特性を説明す
る線図
【図4】 同上の作用を説明する図で、(a) は冷却水温
度とパイロット圧力制御弁の圧力との関係を示す線図、
(b) はパイロット圧力制御弁の圧力と油圧モータに供給
される油圧との関係を示す線図、(c) は冷却水温度とフ
ァンの回転速度との関係を示す線図
【符号の説明】
1 オイルタンク 2 ラジエータ 3 ファン 4 油圧モータユニット 4c 流量切換弁 5 油圧ポンプユニット 5b 油圧ポンプ 5c 主圧力制御弁 5d 絞り 5g ばね付きチェック弁 7 水温検出弁 8 ばね付きチェック弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被冷却体を冷却するためのファンを駆動す
    る油圧モータと、オイルタンクから該油圧モータに作動
    油を供給する油圧ポンプと、前記被冷却体の温度に基づ
    いて前記油圧モータに供給する作動油圧を制御する作動
    油圧制御手段と、該油圧モータが停止或いは減速状態の
    ときに、油圧モータから吐出される作動油流量を絞る流
    量切換弁と、を含む構成要素を油圧回路に介装して備え
    た油圧制御式ファン駆動システムであって、 前記流量切換弁の出口側の作動油圧が前記油圧モータの
    入口側の作動油圧より所定圧以上高くなったときに、該
    流量切換弁の出口側の作動油を油圧モータの入口側に導
    入する第1の導入手段と、前記油圧ポンプの入口側の作
    動油圧が出口側の作動油圧より所定圧以上高くなったと
    きに、該油圧ポンプの入口側の作動油を出口側に導入す
    る第2の導入手段と、の少なくとも一方を油圧回路に介
    装して備えたことを特徴とする油圧制御式ファン駆動シ
    ステム。
  2. 【請求項2】前記第1の導入手段は、前記油圧モータと
    並列に油圧回路に介装されるばね付きチェック弁である
    ことを特徴とする請求項1記載の油圧制御式ファン駆動
    システム。
  3. 【請求項3】前記第2の導入手段は、前記油圧ポンプと
    並列に油圧回路に介装されるばね付きチェック弁である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の油圧制御式フ
    ァン駆動システム。
  4. 【請求項4】前記油圧ポンプは、該油圧ポンプの入口側
    と出口側とにおける作動油の差圧が所定値未満のときに
    は、ポンプの回転速度に応じてその吐出流量が略直線的
    に増大し、前記作動油の差圧が所定値以上のときには、
    前記油圧ポンプの出口側の作動油の一部を入口側に還流
    させて、吐出流量を制限する可変容量型ポンプであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の油
    圧制御式ファン駆動システム。
JP23562797A 1997-09-01 1997-09-01 油圧制御式ファン駆動システム Pending JPH1183261A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23562797A JPH1183261A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 油圧制御式ファン駆動システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23562797A JPH1183261A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 油圧制御式ファン駆動システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1183261A true JPH1183261A (ja) 1999-03-26

Family

ID=16988822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23562797A Pending JPH1183261A (ja) 1997-09-01 1997-09-01 油圧制御式ファン駆動システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1183261A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002004842A1 (de) * 2000-07-12 2002-01-17 Brueninghaus Hydromatik Gmbh Hydrostatisches getriebe
JP2002339906A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Komatsu Ltd 冷却用ファンの駆動制御装置
CN102011757A (zh) * 2010-11-22 2011-04-13 莱芜钢铁股份有限公司 液压系统

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002004842A1 (de) * 2000-07-12 2002-01-17 Brueninghaus Hydromatik Gmbh Hydrostatisches getriebe
JP2004502912A (ja) * 2000-07-12 2004-01-29 ブルーニンガウス ハイドロマティック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク 液圧トランスミッション
DE10033739B4 (de) * 2000-07-12 2006-10-26 Brueninghaus Hydromatik Gmbh Hydrostatisches Getriebe
JP2002339906A (ja) * 2001-05-16 2002-11-27 Komatsu Ltd 冷却用ファンの駆動制御装置
JP4663910B2 (ja) * 2001-05-16 2011-04-06 株式会社小松製作所 冷却用ファンの駆動制御装置
CN102011757A (zh) * 2010-11-22 2011-04-13 莱芜钢铁股份有限公司 液压系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7360357B2 (en) Hydraulic steering system with input horsepower limiting circuit and increased fan speeds at low engine RPM
US6016774A (en) Total cooling assembly for a vehicle having an internal combustion engine
US20090266072A1 (en) Hydraulic reversing fan valve and machine using same
JP3459265B2 (ja) 自動車の油圧ファンシステム
US20070240776A1 (en) Hydraulic pressure control system for automatic transmission device
EP0969189B1 (en) Total cooling assembly for a vehicle having an internal combustion engine
US5950431A (en) Tandem pump apparatus
JPH10212952A (ja) 油圧制御式ファン駆動システム
JPH1183261A (ja) 油圧制御式ファン駆動システム
WO2024051800A1 (zh) 用于混动变速箱的液压系统及汽车
JPH10212951A (ja) 油圧制御式ファン駆動システム
JP4109402B2 (ja) 車両の油圧式パワーステアリング装置
JP4553800B2 (ja) 冷却ファン駆動装置
JPH10259728A (ja) 油圧駆動ファン装置付き冷却装置
JP4107454B2 (ja) 油圧駆動冷却ファン装置
CN217873509U (zh) 一种比例控制的散热器液压马达
JP7456064B2 (ja) 車両用駆動装置
JP3487090B2 (ja) ポンプ/モータの冷却回路
US11401856B2 (en) Pump device for a cooling circuit of an internal combustion engine of a commercial or motor vehicle
CN110608083B (zh) 冷却剂压力调节器系统
JP2685177B2 (ja) 車両用油圧システム
JPH09119404A (ja) 冷却ファンの油圧駆動装置
JP2006009966A (ja) 冷却システム
JPH0623713Y2 (ja) 冷却ファンの駆動装置
JP2002039117A (ja) 油圧回路装置

Legal Events

Date Code Title Description
A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20040129

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20040427

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040525

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040623

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20040811

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Effective date: 20040917

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912