JPH10212952A - 油圧制御式ファン駆動システム - Google Patents
油圧制御式ファン駆動システムInfo
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- JPH10212952A JPH10212952A JP9016715A JP1671597A JPH10212952A JP H10212952 A JPH10212952 A JP H10212952A JP 9016715 A JP9016715 A JP 9016715A JP 1671597 A JP1671597 A JP 1671597A JP H10212952 A JPH10212952 A JP H10212952A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被冷却体を冷却するファンの作動を油圧によ
って制御する油圧制御式ファン駆動システムにおいて、
システムの耐久性及び信頼性を向上させる。 【解決手段】 油圧制御式ファン駆動システムを、ラジ
エータを冷却するファン3を駆動する油圧モータ4a
と、オイルタンク1から油圧モータ4aに作動油を供給
する油圧ポンプ5bと、冷却水温度に応じて圧力が変化
する水温検出弁7の作動により油圧ポンプユニット5か
らの吐出油圧を変化させる主圧力制御弁5cと、油圧モ
ータ4aへの供給油温が所定値未満のときに、主圧力制
御弁5cを作動させて油圧モータ4aへの作動油の供給
を停止する作動油供給停止弁8と、油圧モータ4aへの
供給油圧が所定圧未満のときに、油圧モータ4aからの
吐出流量を絞る流量切換弁4cと、オイルクーラ6aへ
の供給油圧が所定圧以上になったときに、オイルクーラ
6aをバイパスするばね付きチェック弁6bと、を含ん
で構成した。
って制御する油圧制御式ファン駆動システムにおいて、
システムの耐久性及び信頼性を向上させる。 【解決手段】 油圧制御式ファン駆動システムを、ラジ
エータを冷却するファン3を駆動する油圧モータ4a
と、オイルタンク1から油圧モータ4aに作動油を供給
する油圧ポンプ5bと、冷却水温度に応じて圧力が変化
する水温検出弁7の作動により油圧ポンプユニット5か
らの吐出油圧を変化させる主圧力制御弁5cと、油圧モ
ータ4aへの供給油温が所定値未満のときに、主圧力制
御弁5cを作動させて油圧モータ4aへの作動油の供給
を停止する作動油供給停止弁8と、油圧モータ4aへの
供給油圧が所定圧未満のときに、油圧モータ4aからの
吐出流量を絞る流量切換弁4cと、オイルクーラ6aへ
の供給油圧が所定圧以上になったときに、オイルクーラ
6aをバイパスするばね付きチェック弁6bと、を含ん
で構成した。
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、被冷却体を冷却す
るファンの作動を油圧によって制御する油圧制御式ファ
ン駆動システムにおいて、特に、システムの耐久性及び
信頼性を向上する技術に関する。
るファンの作動を油圧によって制御する油圧制御式ファ
ン駆動システムにおいて、特に、システムの耐久性及び
信頼性を向上する技術に関する。
【従来の技術】近年、社会的要請が高まっている低床バ
ス等においては、低床化を実現するためエンジンを横置
きに載置する必要があり、このエンジンレイアウトで
は、被冷却体としてのラジエータの設置位置が限定され
てしまう。このため、ラジエータを冷却するファンを油
圧モータで駆動する油圧駆動方式のラジエータ冷却シス
テムが採用されている。なお、油圧駆動方式の特徴は、
大容量ファンが駆動可能なこと、及び、ラジエータの設
置レイアウトの自由度が高いことにある。
ス等においては、低床化を実現するためエンジンを横置
きに載置する必要があり、このエンジンレイアウトで
は、被冷却体としてのラジエータの設置位置が限定され
てしまう。このため、ラジエータを冷却するファンを油
圧モータで駆動する油圧駆動方式のラジエータ冷却シス
テムが採用されている。なお、油圧駆動方式の特徴は、
大容量ファンが駆動可能なこと、及び、ラジエータの設
置レイアウトの自由度が高いことにある。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
油圧駆動方式のラジエータ冷却システムにおいては、次
のような問題点があった。 (1) 冬期におけるエンジン始動直後のような作動油が低
温のときには、作動油の粘性が高いので、システムにお
ける供給油圧が高くなり、油圧機器のバーストのおそれ
がある。このため、油圧モータや配管等の耐圧性を向上
させなければならず、重量及びコストの増加を伴ってい
た。 (2) 油圧モータの停止時又は減速時における慣性による
衝撃( キャビテーション)を緩和するため、油圧モータ
と並列にばね付きチェック弁が併設されているが、これ
だけでは慣性による衝撃を十分緩和できない。 (3) 油圧モータを駆動した作動油を冷却するオイルクー
ラを備えるものにあっては、作動油の圧力が急激に上昇
した場合の対策が施されていないので、耐圧性が十分と
は言い難い。 そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、被
冷却体を冷却するファンの作動を油圧によって制御する
油圧制御式ファン駆動システムにおいて、システムの耐
久性及び信頼性を向上させることを目的とする。
油圧駆動方式のラジエータ冷却システムにおいては、次
のような問題点があった。 (1) 冬期におけるエンジン始動直後のような作動油が低
温のときには、作動油の粘性が高いので、システムにお
ける供給油圧が高くなり、油圧機器のバーストのおそれ
がある。このため、油圧モータや配管等の耐圧性を向上
させなければならず、重量及びコストの増加を伴ってい
た。 (2) 油圧モータの停止時又は減速時における慣性による
衝撃( キャビテーション)を緩和するため、油圧モータ
と並列にばね付きチェック弁が併設されているが、これ
だけでは慣性による衝撃を十分緩和できない。 (3) 油圧モータを駆動した作動油を冷却するオイルクー
ラを備えるものにあっては、作動油の圧力が急激に上昇
した場合の対策が施されていないので、耐圧性が十分と
は言い難い。 そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、被
冷却体を冷却するファンの作動を油圧によって制御する
油圧制御式ファン駆動システムにおいて、システムの耐
久性及び信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、被冷却体を冷却するためのファンを駆動する
油圧モータと、オイルタンクから該油圧モータに作動油
を供給する油圧ポンプと、前記被冷却体の温度に基づい
て前記油圧モータに供給する作動油圧を制御する作動油
圧制御手段と、を含んで構成された油圧制御式ファン駆
動システムであって、前記油圧モータに供給される作動
油の温度が所定値未満のときに、油圧モータへの作動油
の供給を停止する作動油供給停止弁と、前記油圧モータ
の作動状態が停止又は減速状態のときに、油圧モータか
ら吐出される作動油流量を絞る流量切換弁と、前記油圧
モータを作動させた作動油を冷却するオイルクーラに供
給される油圧が所定圧以上のときに、該オイルクーラを
バイパスさせて作動油を流すバイパス弁と、の少なくと
も1つを含んで構成した。かかる構成によれば、油圧ポ
ンプから油圧モータに供給される作動油圧は、被冷却体
の温度に基づいて制御される。従って、被冷却体温度の
上昇に伴って油圧モータに供給される作動油圧が徐々に
上昇するように設定すれば、被冷却体の温度に応じた冷
却能力が発揮される。また、油圧モータへの作動油の供
給を停止する作動油供給停止弁を備えれば、作動油温度
が所定値未満のときに、油圧ポンプから油圧モータへの
作動油供給が停止されるので、粘性が高いために供給油
圧が高くなった作動油が供給されることによるシステム
の耐久性及び信頼性の低下が防止される。油圧モータか
ら吐出される作動油流量を絞る流量切換弁を備えれば、
油圧モータの作動が停止又は減速するときに、油圧モー
タから吐出される作動油流量が絞られるので、油圧モー
タの作動抵抗が増大し、油圧モータの慣性による油圧ポ
ンプ作用が短時間の内に終了し、油圧モータ内に発生す
るキャビテーションが効果的に防止される。オイルクー
ラをバイパスするバイパス弁を備えるようにすれば、オ
イルクーラに供給される作動油圧が所定値以上になった
ときに、作動油がオイルクーラを通過せずバイパス弁を
介して流通するので、オイルクーラの耐圧性が向上す
る。請求項2記載の発明は、前記作動油供給停止弁を、
前記作動油温度に応じて変形する感温部材からなる温度
検出部材と、該温度検出部材の変形により弁体が駆動さ
れる切換弁と、を含んで構成し、前記作動油温度が所定
値未満のときに、前記切換弁によって前記油圧モータに
作動油を供給する経路を切り換えて、油圧モータへの作
動油供給を停止する構成とした。かかる構成によれば、
作動油温度に応じて変形する感温部材からなる温度検出
部材によって切換弁の弁体が駆動されるので、作動油供
給停止弁の制御は機械的に行われる。従って、作動油供
給停止弁は、一般的な油圧機器のみをもって構成でき、
また、作動油温度に基づく作動油供給制御を電気的に行
う必要がなく、耐久性,信頼性の向上及びコスト増加の
防止が図られる。請求項3記載の発明は、前記流量切換
弁を、前記油圧モータに供給される作動油圧をパイロッ
ト圧として弁体が駆動するパイロット式切換弁とした。
かかる構成によれば、油圧モータに供給される作動油圧
によって流量制御弁の弁体が駆動されるので、流量制御
弁の制御は機械的に行われる。従って、流量制御弁は、
一般的な油圧機器のみをもって構成でき、また、作動油
圧に基づく流量制御を電気的に行う必要がなく、耐久
性,信頼性の向上及びコスト増加の防止が図られる。請
求項4記載の発明は、前記バイパス弁を、前記オイルク
ーラと並列に設けられ、オイルクーラに供給される作動
油圧が所定圧以上になったときに開弁するばね付きチェ
ック弁である構成とした。かかる構成によれば、オイル
クーラに供給される油圧が所定圧以上になると、ばね付
きチェック弁が自動的に開弁するので、バイパス弁の制
御は機械的に行われる。従って、バイパス弁は、一般的
な油圧機器のみをもって構成でき、また、作動油圧に基
づくバイパス制御を電気的に行う必要がなく、耐久性,
信頼性の向上及びコスト増加の防止が図られる。
の発明は、被冷却体を冷却するためのファンを駆動する
油圧モータと、オイルタンクから該油圧モータに作動油
を供給する油圧ポンプと、前記被冷却体の温度に基づい
て前記油圧モータに供給する作動油圧を制御する作動油
圧制御手段と、を含んで構成された油圧制御式ファン駆
動システムであって、前記油圧モータに供給される作動
油の温度が所定値未満のときに、油圧モータへの作動油
の供給を停止する作動油供給停止弁と、前記油圧モータ
の作動状態が停止又は減速状態のときに、油圧モータか
ら吐出される作動油流量を絞る流量切換弁と、前記油圧
モータを作動させた作動油を冷却するオイルクーラに供
給される油圧が所定圧以上のときに、該オイルクーラを
バイパスさせて作動油を流すバイパス弁と、の少なくと
も1つを含んで構成した。かかる構成によれば、油圧ポ
ンプから油圧モータに供給される作動油圧は、被冷却体
の温度に基づいて制御される。従って、被冷却体温度の
上昇に伴って油圧モータに供給される作動油圧が徐々に
上昇するように設定すれば、被冷却体の温度に応じた冷
却能力が発揮される。また、油圧モータへの作動油の供
給を停止する作動油供給停止弁を備えれば、作動油温度
が所定値未満のときに、油圧ポンプから油圧モータへの
作動油供給が停止されるので、粘性が高いために供給油
圧が高くなった作動油が供給されることによるシステム
の耐久性及び信頼性の低下が防止される。油圧モータか
ら吐出される作動油流量を絞る流量切換弁を備えれば、
油圧モータの作動が停止又は減速するときに、油圧モー
タから吐出される作動油流量が絞られるので、油圧モー
タの作動抵抗が増大し、油圧モータの慣性による油圧ポ
ンプ作用が短時間の内に終了し、油圧モータ内に発生す
るキャビテーションが効果的に防止される。オイルクー
ラをバイパスするバイパス弁を備えるようにすれば、オ
イルクーラに供給される作動油圧が所定値以上になった
ときに、作動油がオイルクーラを通過せずバイパス弁を
介して流通するので、オイルクーラの耐圧性が向上す
る。請求項2記載の発明は、前記作動油供給停止弁を、
前記作動油温度に応じて変形する感温部材からなる温度
検出部材と、該温度検出部材の変形により弁体が駆動さ
れる切換弁と、を含んで構成し、前記作動油温度が所定
値未満のときに、前記切換弁によって前記油圧モータに
作動油を供給する経路を切り換えて、油圧モータへの作
動油供給を停止する構成とした。かかる構成によれば、
作動油温度に応じて変形する感温部材からなる温度検出
部材によって切換弁の弁体が駆動されるので、作動油供
給停止弁の制御は機械的に行われる。従って、作動油供
給停止弁は、一般的な油圧機器のみをもって構成でき、
また、作動油温度に基づく作動油供給制御を電気的に行
う必要がなく、耐久性,信頼性の向上及びコスト増加の
防止が図られる。請求項3記載の発明は、前記流量切換
弁を、前記油圧モータに供給される作動油圧をパイロッ
ト圧として弁体が駆動するパイロット式切換弁とした。
かかる構成によれば、油圧モータに供給される作動油圧
によって流量制御弁の弁体が駆動されるので、流量制御
弁の制御は機械的に行われる。従って、流量制御弁は、
一般的な油圧機器のみをもって構成でき、また、作動油
圧に基づく流量制御を電気的に行う必要がなく、耐久
性,信頼性の向上及びコスト増加の防止が図られる。請
求項4記載の発明は、前記バイパス弁を、前記オイルク
ーラと並列に設けられ、オイルクーラに供給される作動
油圧が所定圧以上になったときに開弁するばね付きチェ
ック弁である構成とした。かかる構成によれば、オイル
クーラに供給される油圧が所定圧以上になると、ばね付
きチェック弁が自動的に開弁するので、バイパス弁の制
御は機械的に行われる。従って、バイパス弁は、一般的
な油圧機器のみをもって構成でき、また、作動油圧に基
づくバイパス制御を電気的に行う必要がなく、耐久性,
信頼性の向上及びコスト増加の防止が図られる。
【発明の実施の形態】以下、添付された図面を参照して
本発明を詳述する。図1は、本発明に係る油圧制御式フ
ァン駆動システムを、車両のラジエータ冷却システムに
適用した一実施例を示している。ラジエータ冷却システ
ムは、作動油としてのオイルを所定量貯溜するオイルタ
ンク1と、被冷却体としてのラジエータ2を冷却するフ
ァン3を駆動する油圧モータユニット4と、オイルタン
ク1に貯溜されているオイルを油圧モータユニット4に
供給する圧力制御機構付き油圧ポンプユニット(詳細は
後述する。以下「油圧ポンプユニット」という)5と、
油圧モータユニット4を作動させたオイルを冷却するオ
イルクーラユニット6と、被冷却体温度としての冷却水
温度に基づいて出力信号としての圧力を変化させる水温
検出弁7と、作動油温度としてのオイル温度に基づいて
オイル通路を開閉する油温検出弁8と、を含んで構成さ
れる。油圧ポンプユニット5は、オイルタンク1から油
圧モータユニット4にオイルを供給する配管9に介装さ
れ、また、オイルクーラユニット6は、油圧モータユニ
ット4からオイルタンク1にオイルを戻す配管10に介
装されている。一方、水温検出弁7は、油圧ポンプユニ
ット5の圧力制御を行う圧力制御ポート5aと配管10
とを接続する配管11に介装され、また、油温検出弁8
は、圧力制御ポート5aとオイルタンク1とを接続する
配管12に介装されている。なお、以上説明しなかった
符号13は、油圧モータユニット4内でリークしたオイ
ルをオイルタンク1に戻すドレン配管である。図2は、
本発明の一実施例としてのラジエータ冷却システムを詳
細に示した油圧系統図である。オイルタンク1内には、
油圧モータユニット4から戻って来たオイルを濾過する
フィルタ1aと、油圧ポンプユニット5に供給されるオ
イルを濾過するフィルタ1bと、が設けられている。さ
らに、フィルタ1aと並列に、油圧が所定圧以上になっ
たときに、フィルタ1aをバイパスするばね付きチェッ
ク弁1cが併設されており、フィルタ1aの耐圧性を向
上させている。このようにオイルタンク1内にフィルタ
1a,1bを設けると、フィルタ1a,1bによってオ
イル中の不純物が除去されるので、油圧ポンプユニット
5や油圧モータユニット4への不純物の導入が防止さ
れ、油圧ポンプユニット5及び油圧モータユニット4の
故障低減,寿命延長等を図ることができる。油圧ポンプ
ユニット5は、エンジン14の出力を駆動源としてオイ
ルを加圧供給する油圧ポンプ5bと、油圧ポンプ5bか
ら吐出されるオイルの所定量を油圧ポンプ5bの入力側
に戻す主圧力制御弁5cと、主圧力制御弁5cのドレン
側に供給されるオイルの流量を絞る絞り弁5dと、油圧
ポンプ5bから吐出される油圧が所定圧以上になったと
きに開弁するリリーフ弁5eと、リリーフ弁5eに供給
されるオイルの流量を絞る絞り弁5fと、を含んで構成
されている。油圧ポンプ5bから吐出されるオイルは、
絞り弁5dを通過して圧力制御ポート5aから吐出され
ると共に、各種油圧機器に油圧を供給する油圧供給ポー
ト5gから吐出される。圧力制御ポート5aからオイル
が吐出されると、絞り弁5dの前後に圧力差Δpが生
じ、この圧力差Δpが主圧力制御弁5cの入口側及びパ
イロット側に作用する。すると、主圧力制御弁5cの弁
体が圧力差Δpに応じた開度で開弁し、油圧ポンプ5b
から吐出されるオイルは、主圧力制御弁5cを通過して
油圧ポンプ5bの入力側に戻される。従って、油圧供給
ポート5gから吐出されるオイルの流量が減少し、油圧
ポンプユニット5として供給する油圧が減少する。一
方、油圧制御ポート5aからオイルが吐出されないよう
にオイル通路を閉鎖すると、絞り弁5dの前後に圧力差
が生じないので、主圧力制御弁5cの弁体は閉弁したま
まとなり、油圧ポンプ5bから吐出されるオイルの全量
が油圧供給ポート5gから吐出し、油圧ポンプユニット
5として供給する油圧が最大となる。要するに、圧力制
御ポート5aから吐出されるオイルの流量を制御するこ
とによって、油圧ポンプユニット5が各種油圧機器に供
給する油圧を間接的に制御できるわけである。なお、主
圧力制御弁5c及び絞り弁5dを含んで圧力制御機構が
構成されている。また、リリーフ弁5eは、油圧ポンプ
5bが吐出する油圧が所定圧以上になったときに開弁
し、オイルが絞り弁5d及び5fを通過するようにする
ことで、主圧力制御弁5cを開弁させて油圧の過大な上
昇を防止するものである。油圧モータユニット4は、供
給される油圧に応じた回転トルクを発生させる油圧モー
タ4aと、油圧モータ4aの作動が停止又は減速すると
きに、慣性による衝撃を防止して油圧モータ4aを保護
するためのばね付きチェック弁4bと、油圧モータ4a
の入力側の油圧に基づき吐出流量を変えるパイロット式
流量切換弁4c(流量切換弁)と、を含んで構成されて
いる。ばね付きチェック弁4bは、油圧モータ4aの慣
性により油圧モータ4aが油圧ポンプとして作用して、
油圧モータ4aの吐出側の油圧が上昇した場合に開弁
し、オイルを油圧モータ4aの入力側に戻すことで油圧
の急激な低下に伴うキャビテーションを防止するもので
ある。また、流量切換弁4cは、油圧モータ4aの入力
側の油圧が所定値未満のときは、吐出流量を絞ることに
よって油圧モータ4aの駆動抵抗を増大させ、油圧モー
タ4aが油圧ポンプとして作用している時間を短縮し、
キャビテーション発生を効果的に防止するものである。
オイルクーラユニット6は、周囲の空気と熱交換してオ
イルを冷却するオイルクーラ6aと、オイルクーラ6a
に供給される油圧が所定圧以上になったときに、オイル
クーラ6aをバイパスするばね付きチェック弁6b(バ
イパス弁)と、を含んで構成される。なお、本実施例に
ようにオイルクーラ6aとばね付きチェック弁6bとを
一体化してオイルクーラユニット6とせずに、ばね付き
チェック弁6bをオイルクーラ6aと別体に設ける構成
としてもよい。水温検出弁7は、ベローズ式,ワックス
式,バイメタル式等の温度検出部7aが冷却水温度Tw
に応じて変形し、パイロット圧力制御弁7bの弁体の押
付力を変化させることで、パイロット圧力制御弁7bを
通過するオイルの圧力Pを変化させるものである。パイ
ロット圧力制御弁7bは、冷却水温度Tw が低いときに
は温度検出部7aによる押付力が最小となっているが、
冷却水温度Tw の上昇に伴いその押付力が徐々に増加
し、最終的には最大となる特性を有している。なお、水
温検出弁7及び圧力制御機構(主圧力制御弁5c,絞り
弁5d)により作動油圧制御手段が構成されている。即
ち、パイロット圧力制御弁7bの圧力特性は、図3(a)
に示すように、冷却水温度Tw が所定値T1 未満では最
小圧力P=Pmin であるが、冷却水温度Twが所定値T
1 以上になると冷却水温度Tw の上昇に伴って圧力Pが
徐々に上昇し、所定値T2 以上で最大圧力P=Pmax と
なる。ここで、冷却水温度Tw の上昇時と下降時とでは
圧力特性が異なるのは、温度検出部7aを機械式とした
ために、ヒステリシスが生じたためである。油温検出弁
8は、ベローズ式,ワックス式,バイメタル式等の温度
検出部8a(温度検出部材)が作動油温度としてのオイ
ル温度To に応じて変形し、開閉弁8b(切換弁)の弁
体を駆動させることで、配管12の流路を開閉するもの
である。即ち、オイル温度To が所定値未満のときには
配管12を開通し、油圧ポンプユニット5の圧力制御ポ
ート5aからオイルが吐出するようにすることで、油圧
ポンプユニット5からオイルが各種油圧機器に供給され
ないようにする。一方、オイル温度To が所定値以上の
ときには配管12を閉塞し、油圧ポンプユニット5の圧
力制御ポート5aからオイルが吐出しないようにするこ
とで、油圧ポンプユニット5からオイルが各種油圧機器
に供給されるようにする。要するに、油温検出弁8の作
用は、オイル温度To が低いときに、粘性が高いために
供給油圧が高くなったオイルの供給を防止することで、
システムの低温時保護を行うことである。なお、油温検
出弁8及び圧力制御機構(主圧力制御弁5c,絞り弁5
d)により作動油供給停止弁が構成されている。次に、
かかるラジエータ冷却システムの作用について、図3を
参照しつつ説明する。冷却水温度Tw が所定値T1 未満
のときには、水温検出弁7におけるオイルの圧力Pは最
小圧力P=Pmin となっているので、油圧ポンプユニッ
ト5の圧力制御ポート5aの圧力も最小になる。従っ
て、油圧ポンプユニット5の供給油圧pは最小となるの
で、油圧モータ4aの駆動トルクが最小となり、この駆
動トルクが油圧モータ4aの内部抵抗より小さい場合に
は、油圧モータ4aが作動せず、ラジエータの冷却能力
が最小となる。そして、冷却水温度TW が上昇して所定
値T1 に達すると、冷却水温度Tw の上昇に伴って水温
検出弁7におけるオイルの圧力Pが徐々に増加する。す
ると、油圧ポンプユニット5の圧力制御ポート5aから
吐出されるオイルの圧力が、冷却水温度Tw の上昇に伴
って増加し、油圧ポンプユニット5の供給油圧pが徐々
に上昇する。従って、油圧モータユニット4の駆動トル
クが上昇し、徐々にファン4の回転速度が上昇するの
で、ラジエータの冷却能力が向上する。さらに、冷却水
温度Tw が上昇して所定値T2 に達すると、水温検出弁
7におけるオイルの圧力がP=Pmax となり、油圧ポン
プユニット5の圧力制御ポート5aの圧力は最大とな
る。従って、油圧ポンプユニット5の供給油圧pが最大
となるので、油圧モータユニット4が最大能力で作動
し、ラジエータの冷却能力が最大となる。以上説明した
内容をまとめると、冷却水温度Tw に基づいて水温検出
弁7におけるオイルの圧力Pが変化し(図3(a) 参
照)、この圧力Pに基づいて油圧モータユニット4に供
給される油圧pが変化する(図3(b) 参照)。そして、
油圧モータユニット4は供給された油圧pに応じた回転
速度Nでファン3を駆動する。即ち、図3(c) に示すよ
うに、冷却水温度Tw とファン回転速度Nとの特性でも
って、ファン3の駆動制御が行われる。また、低温時保
護を行う油温検出弁8は、例えば、冬期におけるエンジ
ン始動直後のようなオイル温度が低いときに、油圧ポン
プユニット5からオイル供給されないように圧力制御を
行うので、粘性が高いために供給圧力が高いオイルが各
種油圧機器に供給されることが防止され、システムの耐
久性及び信頼性を向上させることができる。この効果
は、システムを構成する油圧モータユニット4,オイル
クーラユニット6等の耐圧性を向上させなくとも享受で
きるため、システムの重量及びコストの増加を抑制する
ことができる。油圧モータユニット4に設けた流量切換
弁4cは、油圧モータ4aの作動が停止又は減速すると
き、換言すれば、油圧ポンプ5bの作動が停止又は減速
するときに、油圧モータ4aに供給される油圧が低下す
ることを検出して、吐出流量を絞ったポジションに切り
換える。そして、油圧モータ4aの慣性によって油圧モ
ータ4aが油圧ポンプとして作用しても、吐出流量が絞
られているために油圧ポンプとしての作動が短時間の内
に終了する。従って、油圧モータ4a内にキャビテーシ
ョンが発生する状態が短時間のみ持続することとなるの
で、キャビテーション発生をより効果的に防止すること
ができ、油圧モータ4aの耐久性及び信頼性を向上する
ことができる。オイルクーラ6aと並列して設けられた
ばね付きチェック弁6bは、オイルクーラ6aに供給さ
れる油圧が所定圧以上になったときに開弁するので、オ
イルクーラ6a内の油圧を制限することができる。従っ
て、オイルクーラ6aの耐圧性を必要以上に向上させな
くとも、オイルクーラユニット6としての耐圧性が向上
し、オイルクーラ6aの耐久性及び信頼性を向上するこ
とができる。なお、本実施例では、システムの耐久性及
び信頼性を向上させるために、低温時保護を行う油温検
出弁8,油圧モータのキャビテーションを防止する流量
切換弁4c,オイルクーラの耐圧性を向上させるばね付
きチェック弁6bを全て使用したが、これらは単独でも
各作用・効果を奏することができるので、要求される性
能等を考慮して適宜選択して使用すればよい。例えば、
熱帯地方で使用される車両には、低温時保護は不要であ
るので、油圧モータのキャビテーション防止のみを採用
すればよい。また、本実施例では、被冷却体としてラジ
エータを対象としたが、例えば、自動変速機の作動油を
冷却するオイルクーラーの冷却ファン、或いは、キャビ
ンクーラーのコンデンサの冷却ファン等に適用すること
も可能である。
本発明を詳述する。図1は、本発明に係る油圧制御式フ
ァン駆動システムを、車両のラジエータ冷却システムに
適用した一実施例を示している。ラジエータ冷却システ
ムは、作動油としてのオイルを所定量貯溜するオイルタ
ンク1と、被冷却体としてのラジエータ2を冷却するフ
ァン3を駆動する油圧モータユニット4と、オイルタン
ク1に貯溜されているオイルを油圧モータユニット4に
供給する圧力制御機構付き油圧ポンプユニット(詳細は
後述する。以下「油圧ポンプユニット」という)5と、
油圧モータユニット4を作動させたオイルを冷却するオ
イルクーラユニット6と、被冷却体温度としての冷却水
温度に基づいて出力信号としての圧力を変化させる水温
検出弁7と、作動油温度としてのオイル温度に基づいて
オイル通路を開閉する油温検出弁8と、を含んで構成さ
れる。油圧ポンプユニット5は、オイルタンク1から油
圧モータユニット4にオイルを供給する配管9に介装さ
れ、また、オイルクーラユニット6は、油圧モータユニ
ット4からオイルタンク1にオイルを戻す配管10に介
装されている。一方、水温検出弁7は、油圧ポンプユニ
ット5の圧力制御を行う圧力制御ポート5aと配管10
とを接続する配管11に介装され、また、油温検出弁8
は、圧力制御ポート5aとオイルタンク1とを接続する
配管12に介装されている。なお、以上説明しなかった
符号13は、油圧モータユニット4内でリークしたオイ
ルをオイルタンク1に戻すドレン配管である。図2は、
本発明の一実施例としてのラジエータ冷却システムを詳
細に示した油圧系統図である。オイルタンク1内には、
油圧モータユニット4から戻って来たオイルを濾過する
フィルタ1aと、油圧ポンプユニット5に供給されるオ
イルを濾過するフィルタ1bと、が設けられている。さ
らに、フィルタ1aと並列に、油圧が所定圧以上になっ
たときに、フィルタ1aをバイパスするばね付きチェッ
ク弁1cが併設されており、フィルタ1aの耐圧性を向
上させている。このようにオイルタンク1内にフィルタ
1a,1bを設けると、フィルタ1a,1bによってオ
イル中の不純物が除去されるので、油圧ポンプユニット
5や油圧モータユニット4への不純物の導入が防止さ
れ、油圧ポンプユニット5及び油圧モータユニット4の
故障低減,寿命延長等を図ることができる。油圧ポンプ
ユニット5は、エンジン14の出力を駆動源としてオイ
ルを加圧供給する油圧ポンプ5bと、油圧ポンプ5bか
ら吐出されるオイルの所定量を油圧ポンプ5bの入力側
に戻す主圧力制御弁5cと、主圧力制御弁5cのドレン
側に供給されるオイルの流量を絞る絞り弁5dと、油圧
ポンプ5bから吐出される油圧が所定圧以上になったと
きに開弁するリリーフ弁5eと、リリーフ弁5eに供給
されるオイルの流量を絞る絞り弁5fと、を含んで構成
されている。油圧ポンプ5bから吐出されるオイルは、
絞り弁5dを通過して圧力制御ポート5aから吐出され
ると共に、各種油圧機器に油圧を供給する油圧供給ポー
ト5gから吐出される。圧力制御ポート5aからオイル
が吐出されると、絞り弁5dの前後に圧力差Δpが生
じ、この圧力差Δpが主圧力制御弁5cの入口側及びパ
イロット側に作用する。すると、主圧力制御弁5cの弁
体が圧力差Δpに応じた開度で開弁し、油圧ポンプ5b
から吐出されるオイルは、主圧力制御弁5cを通過して
油圧ポンプ5bの入力側に戻される。従って、油圧供給
ポート5gから吐出されるオイルの流量が減少し、油圧
ポンプユニット5として供給する油圧が減少する。一
方、油圧制御ポート5aからオイルが吐出されないよう
にオイル通路を閉鎖すると、絞り弁5dの前後に圧力差
が生じないので、主圧力制御弁5cの弁体は閉弁したま
まとなり、油圧ポンプ5bから吐出されるオイルの全量
が油圧供給ポート5gから吐出し、油圧ポンプユニット
5として供給する油圧が最大となる。要するに、圧力制
御ポート5aから吐出されるオイルの流量を制御するこ
とによって、油圧ポンプユニット5が各種油圧機器に供
給する油圧を間接的に制御できるわけである。なお、主
圧力制御弁5c及び絞り弁5dを含んで圧力制御機構が
構成されている。また、リリーフ弁5eは、油圧ポンプ
5bが吐出する油圧が所定圧以上になったときに開弁
し、オイルが絞り弁5d及び5fを通過するようにする
ことで、主圧力制御弁5cを開弁させて油圧の過大な上
昇を防止するものである。油圧モータユニット4は、供
給される油圧に応じた回転トルクを発生させる油圧モー
タ4aと、油圧モータ4aの作動が停止又は減速すると
きに、慣性による衝撃を防止して油圧モータ4aを保護
するためのばね付きチェック弁4bと、油圧モータ4a
の入力側の油圧に基づき吐出流量を変えるパイロット式
流量切換弁4c(流量切換弁)と、を含んで構成されて
いる。ばね付きチェック弁4bは、油圧モータ4aの慣
性により油圧モータ4aが油圧ポンプとして作用して、
油圧モータ4aの吐出側の油圧が上昇した場合に開弁
し、オイルを油圧モータ4aの入力側に戻すことで油圧
の急激な低下に伴うキャビテーションを防止するもので
ある。また、流量切換弁4cは、油圧モータ4aの入力
側の油圧が所定値未満のときは、吐出流量を絞ることに
よって油圧モータ4aの駆動抵抗を増大させ、油圧モー
タ4aが油圧ポンプとして作用している時間を短縮し、
キャビテーション発生を効果的に防止するものである。
オイルクーラユニット6は、周囲の空気と熱交換してオ
イルを冷却するオイルクーラ6aと、オイルクーラ6a
に供給される油圧が所定圧以上になったときに、オイル
クーラ6aをバイパスするばね付きチェック弁6b(バ
イパス弁)と、を含んで構成される。なお、本実施例に
ようにオイルクーラ6aとばね付きチェック弁6bとを
一体化してオイルクーラユニット6とせずに、ばね付き
チェック弁6bをオイルクーラ6aと別体に設ける構成
としてもよい。水温検出弁7は、ベローズ式,ワックス
式,バイメタル式等の温度検出部7aが冷却水温度Tw
に応じて変形し、パイロット圧力制御弁7bの弁体の押
付力を変化させることで、パイロット圧力制御弁7bを
通過するオイルの圧力Pを変化させるものである。パイ
ロット圧力制御弁7bは、冷却水温度Tw が低いときに
は温度検出部7aによる押付力が最小となっているが、
冷却水温度Tw の上昇に伴いその押付力が徐々に増加
し、最終的には最大となる特性を有している。なお、水
温検出弁7及び圧力制御機構(主圧力制御弁5c,絞り
弁5d)により作動油圧制御手段が構成されている。即
ち、パイロット圧力制御弁7bの圧力特性は、図3(a)
に示すように、冷却水温度Tw が所定値T1 未満では最
小圧力P=Pmin であるが、冷却水温度Twが所定値T
1 以上になると冷却水温度Tw の上昇に伴って圧力Pが
徐々に上昇し、所定値T2 以上で最大圧力P=Pmax と
なる。ここで、冷却水温度Tw の上昇時と下降時とでは
圧力特性が異なるのは、温度検出部7aを機械式とした
ために、ヒステリシスが生じたためである。油温検出弁
8は、ベローズ式,ワックス式,バイメタル式等の温度
検出部8a(温度検出部材)が作動油温度としてのオイ
ル温度To に応じて変形し、開閉弁8b(切換弁)の弁
体を駆動させることで、配管12の流路を開閉するもの
である。即ち、オイル温度To が所定値未満のときには
配管12を開通し、油圧ポンプユニット5の圧力制御ポ
ート5aからオイルが吐出するようにすることで、油圧
ポンプユニット5からオイルが各種油圧機器に供給され
ないようにする。一方、オイル温度To が所定値以上の
ときには配管12を閉塞し、油圧ポンプユニット5の圧
力制御ポート5aからオイルが吐出しないようにするこ
とで、油圧ポンプユニット5からオイルが各種油圧機器
に供給されるようにする。要するに、油温検出弁8の作
用は、オイル温度To が低いときに、粘性が高いために
供給油圧が高くなったオイルの供給を防止することで、
システムの低温時保護を行うことである。なお、油温検
出弁8及び圧力制御機構(主圧力制御弁5c,絞り弁5
d)により作動油供給停止弁が構成されている。次に、
かかるラジエータ冷却システムの作用について、図3を
参照しつつ説明する。冷却水温度Tw が所定値T1 未満
のときには、水温検出弁7におけるオイルの圧力Pは最
小圧力P=Pmin となっているので、油圧ポンプユニッ
ト5の圧力制御ポート5aの圧力も最小になる。従っ
て、油圧ポンプユニット5の供給油圧pは最小となるの
で、油圧モータ4aの駆動トルクが最小となり、この駆
動トルクが油圧モータ4aの内部抵抗より小さい場合に
は、油圧モータ4aが作動せず、ラジエータの冷却能力
が最小となる。そして、冷却水温度TW が上昇して所定
値T1 に達すると、冷却水温度Tw の上昇に伴って水温
検出弁7におけるオイルの圧力Pが徐々に増加する。す
ると、油圧ポンプユニット5の圧力制御ポート5aから
吐出されるオイルの圧力が、冷却水温度Tw の上昇に伴
って増加し、油圧ポンプユニット5の供給油圧pが徐々
に上昇する。従って、油圧モータユニット4の駆動トル
クが上昇し、徐々にファン4の回転速度が上昇するの
で、ラジエータの冷却能力が向上する。さらに、冷却水
温度Tw が上昇して所定値T2 に達すると、水温検出弁
7におけるオイルの圧力がP=Pmax となり、油圧ポン
プユニット5の圧力制御ポート5aの圧力は最大とな
る。従って、油圧ポンプユニット5の供給油圧pが最大
となるので、油圧モータユニット4が最大能力で作動
し、ラジエータの冷却能力が最大となる。以上説明した
内容をまとめると、冷却水温度Tw に基づいて水温検出
弁7におけるオイルの圧力Pが変化し(図3(a) 参
照)、この圧力Pに基づいて油圧モータユニット4に供
給される油圧pが変化する(図3(b) 参照)。そして、
油圧モータユニット4は供給された油圧pに応じた回転
速度Nでファン3を駆動する。即ち、図3(c) に示すよ
うに、冷却水温度Tw とファン回転速度Nとの特性でも
って、ファン3の駆動制御が行われる。また、低温時保
護を行う油温検出弁8は、例えば、冬期におけるエンジ
ン始動直後のようなオイル温度が低いときに、油圧ポン
プユニット5からオイル供給されないように圧力制御を
行うので、粘性が高いために供給圧力が高いオイルが各
種油圧機器に供給されることが防止され、システムの耐
久性及び信頼性を向上させることができる。この効果
は、システムを構成する油圧モータユニット4,オイル
クーラユニット6等の耐圧性を向上させなくとも享受で
きるため、システムの重量及びコストの増加を抑制する
ことができる。油圧モータユニット4に設けた流量切換
弁4cは、油圧モータ4aの作動が停止又は減速すると
き、換言すれば、油圧ポンプ5bの作動が停止又は減速
するときに、油圧モータ4aに供給される油圧が低下す
ることを検出して、吐出流量を絞ったポジションに切り
換える。そして、油圧モータ4aの慣性によって油圧モ
ータ4aが油圧ポンプとして作用しても、吐出流量が絞
られているために油圧ポンプとしての作動が短時間の内
に終了する。従って、油圧モータ4a内にキャビテーシ
ョンが発生する状態が短時間のみ持続することとなるの
で、キャビテーション発生をより効果的に防止すること
ができ、油圧モータ4aの耐久性及び信頼性を向上する
ことができる。オイルクーラ6aと並列して設けられた
ばね付きチェック弁6bは、オイルクーラ6aに供給さ
れる油圧が所定圧以上になったときに開弁するので、オ
イルクーラ6a内の油圧を制限することができる。従っ
て、オイルクーラ6aの耐圧性を必要以上に向上させな
くとも、オイルクーラユニット6としての耐圧性が向上
し、オイルクーラ6aの耐久性及び信頼性を向上するこ
とができる。なお、本実施例では、システムの耐久性及
び信頼性を向上させるために、低温時保護を行う油温検
出弁8,油圧モータのキャビテーションを防止する流量
切換弁4c,オイルクーラの耐圧性を向上させるばね付
きチェック弁6bを全て使用したが、これらは単独でも
各作用・効果を奏することができるので、要求される性
能等を考慮して適宜選択して使用すればよい。例えば、
熱帯地方で使用される車両には、低温時保護は不要であ
るので、油圧モータのキャビテーション防止のみを採用
すればよい。また、本実施例では、被冷却体としてラジ
エータを対象としたが、例えば、自動変速機の作動油を
冷却するオイルクーラーの冷却ファン、或いは、キャビ
ンクーラーのコンデンサの冷却ファン等に適用すること
も可能である。
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、作動油供給停止弁を備えることにより作動
油温度が低温時のシステムの低温時保護ができ、流量切
換弁を備えることにより油圧モータの作動停止又は減速
時のキャビテーション発生が防止でき、また、バイパス
弁を備えることによりオイルクーラの耐圧性を向上する
ことができる。従って、システムの耐久性及び信頼性が
向上する。請求項2〜4記載の発明によれば、一般的な
油圧機器を使用することで、耐久性,信頼性を高めつつ
コスト増加を抑制することができる。
明によれば、作動油供給停止弁を備えることにより作動
油温度が低温時のシステムの低温時保護ができ、流量切
換弁を備えることにより油圧モータの作動停止又は減速
時のキャビテーション発生が防止でき、また、バイパス
弁を備えることによりオイルクーラの耐圧性を向上する
ことができる。従って、システムの耐久性及び信頼性が
向上する。請求項2〜4記載の発明によれば、一般的な
油圧機器を使用することで、耐久性,信頼性を高めつつ
コスト増加を抑制することができる。
【図1】 本発明を車両のラジエータ冷却システムに適
用した一実施例を示すシステム構成図
用した一実施例を示すシステム構成図
【図2】 同上の詳細を示した油圧系統図
【図3】 同上の作用を説明する図で、(a) は冷却水温
度とパイロット圧力制御弁の圧力との関係を示す線図、
(b) はパイロット圧力制御弁の圧力と油圧モータに供給
される油圧との関係を示す線図、(c) は冷却水温度とフ
ァンの回転速度の関係を示す線図
度とパイロット圧力制御弁の圧力との関係を示す線図、
(b) はパイロット圧力制御弁の圧力と油圧モータに供給
される油圧との関係を示す線図、(c) は冷却水温度とフ
ァンの回転速度の関係を示す線図
1 オイルタンク 2 ラジエータ 3 ファン 4 油圧モータユニット 4c 流量切換弁 5 油圧ポンプユニット 5b 油圧ポンプ 5c 主圧力制御弁 5d 絞り 6 オイルクーラユニット 6a オイルクーラ 6b ばね付きチェック弁 7 水温検出弁 8 油温検出弁
Claims (4)
- 【請求項1】被冷却体を冷却するためのファンを駆動す
る油圧モータと、オイルタンクから該油圧モータに作動
油を供給する油圧ポンプと、前記被冷却体の温度に基づ
いて前記油圧モータに供給する作動油圧を制御する作動
油圧制御手段と、を含んで構成された油圧制御式ファン
駆動システムであって、 前記油圧モータに供給される作動油の温度が所定値未満
のときに、油圧モータへの作動油の供給を停止する作動
油供給停止弁と、前記油圧モータの作動状態が停止又は
減速状態のときに、油圧モータから吐出される作動油流
量を絞る流量切換弁と、前記油圧モータを作動させた作
動油を冷却するオイルクーラに供給される油圧が所定圧
以上のときに、該オイルクーラをバイパスさせて作動油
を流すバイパス弁と、の少なくとも1つを含んで構成さ
れたことを特徴とする油圧制御式ファン駆動システム。 - 【請求項2】前記作動油供給停止弁は、前記作動油温度
に応じて変形する感温部材からなる温度検出部材と、該
温度検出部材の変形により弁体が駆動される切換弁と、
を含んで構成され、前記作動油温度が所定値未満のとき
に、前記切換弁によって前記油圧モータに作動油を供給
する経路を切り換えて、油圧モータへの作動油供給を停
止することを特徴とする請求項1記載の油圧制御式ファ
ン駆動システム。 - 【請求項3】前記流量切換弁は、前記油圧モータに供給
される作動油圧をパイロット圧として弁体が駆動するパ
イロット式切換弁であることを特徴とする請求項1又は
2記載の油圧制御式ファン駆動システム。 - 【請求項4】前記バイパス弁は、前記オイルクーラと並
列に設けられ、オイルクーラに供給される作動油圧が所
定圧以上になったときに開弁するばね付きチェック弁で
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記
載の圧力制御式ファン駆動システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9016715A JPH10212952A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 油圧制御式ファン駆動システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9016715A JPH10212952A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 油圧制御式ファン駆動システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10212952A true JPH10212952A (ja) | 1998-08-11 |
Family
ID=11923974
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9016715A Pending JPH10212952A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | 油圧制御式ファン駆動システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10212952A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2017053438A (ja) * | 2015-09-09 | 2017-03-16 | 株式会社クボタ | 作業機の油圧システム |
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-
1997
- 1997-01-30 JP JP9016715A patent/JPH10212952A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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