JPH1182683A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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JPH1182683A
JPH1182683A JP25110197A JP25110197A JPH1182683A JP H1182683 A JPH1182683 A JP H1182683A JP 25110197 A JP25110197 A JP 25110197A JP 25110197 A JP25110197 A JP 25110197A JP H1182683 A JPH1182683 A JP H1182683A
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JP
Japan
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gear
pinion
pinion gear
gears
tooth
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Application number
JP25110197A
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English (en)
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Satoshi Aiba
智 相場
Masahiko Asahi
雅彦 朝日
Shuichi Kozuka
修一 小塚
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピニオンギヤの倒れによる片当たりとピッチ
ングとを充分に防止するために、歯すじの大きな角度補
正を可能にする。 【解決手段】 エンジンの駆動力により回転駆動される
デフケース3の内部に配置された出力側サイドギヤ1
7、19と、ギヤ17、19の径方向外側に周方向配置
され、ギヤ17、19と各別に噛み合う第1ギヤ部4
3、49及び互いに噛み合う第2ギヤ部45、51を有
する4組のピニオンギヤ39、41と、デフケース3に
形成されギヤ39、41を摺動回転自在に収容する収容
孔35、37とを備え、車両のドライブ時に相手側ギヤ
41と接触するピニオンギヤ39のドライブ側歯面にだ
け、倒れと反対方向の歯すじ角補正を施した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両のデファレ
ンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平8−291853号公報にデファ
レンシャル装置が記載されている。
【0003】このデファレンシャル装置は、デフケース
と、同軸配置された一対の出力側のヘリカルサイドギヤ
と、各サイドギヤの径方向外側に周方向配置された一対
のヘリカルピニオンギヤからなる複数組のピニオンギヤ
組などを備えている。各ピニオンギヤはそれぞれデフケ
ースの収容孔に外周を摺動回転自在に収容されており、
各収容孔とピニオンギヤの外周との間には適度なクリア
ランスが形成されている。
【0004】各ピニオンギヤには第1ギヤ部と第2ギヤ
部とが設けられており、各ピニオンギヤはそれぞれの第
2ギヤ部で互いに噛み合っている。又、各サイドギヤは
各ピニオンギヤの第1ギヤ部と各別に噛み合うことによ
って互いに連結されている。
【0005】エンジンの駆動力はデフケースを回転さ
せ、ピニオンギヤからサイドギヤを介して車輪側に伝達
される。又、トルクを伝達している間、ピニオンギヤの
噛み合い反力によりピニオンギヤと収容孔との間に生じ
る摩擦抵抗や、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によ
りサイドギヤとピニオンギヤとデフケースとの間に生じ
る摩擦抵抗などによってトルク感応型の差動制限機能を
得ている。
【0006】各ピニオンギヤはデフケースの回転方向
(ピニオンギヤの公転方向)に配置されており、デフケ
ースの回転方向に後行配置されたピニオンギヤは、第1
ギヤ部と第2ギヤ部の両方で収容孔から掛かる駆動トル
クによってほぼ同方向の反力が生じ、高反力側になる。
又、デフケースの回転方向に先行配置されたピニオンギ
ヤの場合、第1ギヤ部には収容孔からの駆動トルクによ
る反力が生じると共に、第2ギヤ部には相手側ピニオン
ギヤの第2ギヤ部から受ける駆動トルクによって第1ギ
ヤ部と方向の異なる反力が生じ、低反力側になる。
【0007】このように、先行配置されたピニオンギヤ
では、第1ギヤ部に生じる反力と第2ギヤ部に生じる反
力の方向が異なるから、収容孔とのクリアランスだけ収
容孔の中心軸に対する倒れが生じる。なお、この従来例
の場合ピニオンギヤの倒れはヘリカルギヤの歯すじ角が
大きくなる方向に生じる。
【0008】又、デフケースが反対方向に回転すると、
低反力側であったピニオンギヤが高反力側になると共
に、高反力側であったピニオンギヤが低反力側になって
倒れが生じる。
【0009】又、サイドギヤの周囲に等間隔で配置され
ている複数組のピニオンギヤ組では、ピニオンギヤとそ
の収容孔との間に適度なクリアランスが設定されている
が、各収容孔の中心軸の傾きや内径の加工誤差によって
もピニオンギヤ(長短のピニオンギヤが用いられている
場合は、特に、長いピニオンギヤ)に倒れが生じること
がある。更に、このような収容孔の誤差によってピニオ
ンギヤの倒れ角が大きく異なる。
【0010】このようにピニオンギヤが倒れると、倒れ
たピニオンギヤと相手側のピニオンギヤとの間、及び、
倒れたピニオンギヤと相手側のサイドギヤとの間に局部
的に強く当たる箇所が生じ、これらの箇所にピッチング
(荷重を受けて金属の表面から薄片が剥脱する現象)が
発生し、耐久性が低下する。
【0011】ピッチングを防止するにはピニオンギヤの
強度を高める必要があるが、強度を高めると、ピニオン
ギヤの製作がそれだけ困難になり、高価になる。
【0012】そこで、上記公報のデファレンシャル装置
では、トルク伝達時に生じる倒れ角だけ倒れと反対方向
に歯すじ角を(例えば、ピニオンギヤの歯すじ角が30
°であれば、29.85°のように)補正し、トルク伝
達時のピニオンギヤの倒れを相殺することによって各ギ
ヤの片当たりを防止し、ギヤの強度を特に高くせずに、
片当たりによるピッチングを防止し、耐久性を向上さ
せ、コストを低減させている。
【0013】又、このデファレンシャル装置は、デフケ
ースの回転方向に対する各ピニオンギヤの配列順序、ピ
ニオンギヤの支持点間隔やピニオンギヤと収容孔とのク
リアランス、歯すじ角に対するピニオンギヤの倒れの方
向などに応じた歯すじ角補正を施している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図7乃至図11は従来
のピニオンギヤの第2ギヤ部を示している。
【0015】図7、図8は歯すじ角補正をしていない従
来のピニオンギヤの第2ギヤ部201、203を示して
おり、図9、図10、図11は上記公報のデファレンシ
ャル装置で歯すじ角を補正したピニオンギヤの第2ギヤ
部205と歯すじ角補正をしないピニオンギヤの第2ギ
ヤ部207を示している。
【0016】第2ギヤ部201、205を有するピニオ
ンギヤは、それぞれの第1ギヤ部と第2ギヤ部201、
205との間に小径の軸部を持った長いピニオンギヤで
あり、第2ギヤ部203、207を有するピニオンギヤ
は、このような軸部を持たない短いピニオンギヤであ
る。
【0017】図7、図9、図10は、各ピニオンギヤが
無負荷であり、倒れが発生していない状態を示してい
る。又、図8、11は、各ピニオンギヤに負荷が掛か
り、第2ギヤ部201、205側の長いピニオンギヤに
倒れ角θの倒れが発生した状態を示している。
【0018】図7乃至図11の矢印209は車両が前進
走行(ドライブ)するときのデフケースの回転方向を示
し、このとき、ギヤ部201、205はそれぞれのドラ
イブ面211、213で相手側のギヤ部203、207
と接触する。又、車両が後進走行(コースト)すると
き、ギヤ部201、205はそれぞれのコースト面21
5、217で相手側のギヤ部203、207と接触す
る。
【0019】図7と図8によって歯すじ角補正をしない
場合の歯当たりを説明すると、図7のように無負荷であ
れば、ドライブ面211と相手側ギヤ部203との当た
り部219は高さが歯幅にわたって均等になるが、図8
のように、負荷が掛かってピニオンギヤに倒れが発生す
ると、当たり部221の高さが歯幅方向に不均等になる
と共に、コースト面215にも当たり部223が発生す
る。
【0020】そこで、図9のように、上記公報のデファ
レンシャル装置では、倒れが発生するピニオンギヤの第
2ギヤ部205に歯すじ角補正を行っている。
【0021】ところが、この歯すじ角補正は歯すじ全体
(ドライブ面213とコースト面217の両方)に施さ
れるから、図10の矢印225が示すように、無負荷状
態で補正角を大きくするとコースト面217と相手側ギ
ヤ部207との間に局部的な当たりが発生する。
【0022】補正角は、このような理由である程度以上
大きくすることができず、例えば、−0.15°程度に
制限されている。
【0023】しかし、ピニオンギヤの倒れ角θはこれを
超えることがある。図11は、このように歯すじの補正
角が倒れ角θに対して不充分な場合を示しており、ピニ
オンギヤが負荷を受けるとドライブ面213と相手側ギ
ヤ部207との当たり部227の高さが歯幅方向に不均
等になり、コースト面217にも当たり部229が発生
すると共に、各当たり部227、229で局部的に当た
りの強い箇所231、233が生じピッチングが発生す
る恐れがある。
【0024】このように、コースト面の当たりによって
補正角度が制限され、歯すじに充分大きな角度補正を施
すことができないから、従来例のデファレンシャル装置
では、上記のような各ピニオンギヤの配列順序、ピニオ
ンギヤの支持点間隔や収容孔とのクリアランス、ピニオ
ンギヤの倒れの方向などに応じた歯すじ角補正の効果が
不充分になり易い。
【0025】そこで、この発明は、デフケースの収容孔
で支承されたピニオンギヤを介して出力側のサイドギヤ
を連結するように構成されたデファレンシャル装置にお
いて、ピニオンギヤの倒れによる各ギヤの片当たりと片
当たりによるピッチングとを充分に防止するために、歯
すじの大きな角度補正を可能にしたデファレンシャル装
置の提供を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるデ
フケースと、デフケースの内部に回転自在に支承された
一対の出力側サイドギヤと、これらサイドギヤの径方向
外側に配置され、サイドギヤと各別に噛み合う第1ギヤ
部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する複数対のピニ
オンギヤと、デフケースに形成され各ピニオンギヤを摺
動回転自在に収容する収容孔とを備え、ピニオンギヤに
生じる倒れと反対方向に、車両の前進走行時に相手側ギ
ヤと接触するピニオンギヤの回転方向側歯面にだけ、歯
すじ角補正が施されていることを特徴とする。
【0027】このように、請求項1のデファレンシャル
装置は、第1と第2の各ギヤ部の噛み合い反力によるピ
ニオンギヤの倒れ、あるいは、収容孔の加工誤差による
ピニオンギヤの倒れと反対方向にピニオンギヤの歯すじ
角を補正すると共に、この歯すじ角補正を、車両の前進
走行(ドライブ)時に相手側ギヤと接触する回転方向側
歯面だけに施した。
【0028】このように、ピニオンギヤの歯すじには、
トルク伝達時の倒れ、あるいは、収容孔の加工誤差によ
る倒れを相殺する歯すじ角補正が予め施されているか
ら、各ギヤの噛み合いはピニオンギヤが倒れた状態で正
常になる。
【0029】又、従来例と異なって、ドライブ時に相手
側ギヤと接触する歯面にだけ歯すじ角補正を施し、コー
スト側の歯面には歯すじ角補正を加えないから、有負荷
状態でコースト面と相手側ギヤとの局部的な当たりが避
けられる。
【0030】こうして、コースト面での当たりによる補
正角制限から解放されるから、ピニオンギヤの倒れ角が
大きくても、これに応じて歯すじに大きな角度補正を施
すことが可能になり、ピニオンギヤの倒れによる各ギヤ
の片当たりと片当たりによるピッチングとを充分に防止
することが可能になり、耐久性が大きく向上する。
【0031】従って、ピッチング防止のために各ギヤの
強度を特に高くする必要がなく、それだけ低コストに構
成できる。
【0032】このように、補正角の制限から解放された
本発明のデファレンシャル装置では、下記のように、デ
フケースの回転方向に対する各ピニオンギヤの配列順
序、ピニオンギヤの支持点間隔やピニオンギヤと収容孔
とのクリアランス、歯すじ角に対するピニオンギヤの倒
れの方向などの条件に応じて必要なだけの角度補正を施
すことができるから、従来例と異なって、それぞれの条
件下で充分なピッチング防止効果が得られる。
【0033】請求項2の発明は、請求項1記載のデファ
レンシャル装置であって、対のピニオンギヤのうちデフ
ケースの回転方向に先行配置されたピニオンギヤにおい
て、前記歯すじ角補正が施されたことを特徴とし、請求
項1の構成と同等の効果を得る。
【0034】又、大きな駆動トルクが掛かる前進走行時
の回転方向に先行配置されたピニオンギヤに歯すじ角補
正を施すことによって、後行配置のピニオンギヤに歯す
じ角補正を施さないでも、ギヤの片当たりとピッチング
とを実質的に防止することが可能であり、低コストで充
分な耐久性の向上効果が得られる。
【0035】これに加えて、上記のように、ドライブ時
に相手側ギヤと接触する歯面にだけ歯すじ角補正を施す
ことによって、コースト面での当たりによる補正角制限
から解放されたから、先行配置されたピニオンギヤの倒
れ角が大きくても、これに応じて大きな歯すじ角補正を
行えるから、片当たりによるピッチングを充分効果的に
防止できる。
【0036】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
記載のデファレンシャル装置であって、前記歯すじの補
正角を、収容孔によるピニオンギヤの支持点間隔とピニ
オンギヤと収容孔との径方向間隔(クリアランス)とか
ら決定したことを特徴とし、請求項1又は請求項2の構
成と同等の効果を得る。
【0037】ピニオンギヤの倒れ角は収容孔とのクリア
ランスで決まると共に、ピニオンギヤの支持点間隔が大
きい程倒そうとするトルクも大きく、又、倒れた時にピ
ッチングが発生する箇所はこれらの支持点間隔とクリア
ランスとで変わるから、これらの因子に基づいて歯すじ
の補正角を決めることによって、ギヤの片当たりとピッ
チングとを効果的に防止することができる。
【0038】これに加えて、コースト面での当たりによ
る補正角制限から解放されたことにより、ピニオンギヤ
の支持点間隔と収容孔とのクリアランスが大きくても、
これに応じて大きな歯すじ角補正を行えるから、片当た
りによるピッチングを効果的に防止できる。
【0039】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
のいずれか一項に記載のデファレンシャル装置であっ
て、対のピニオンギヤが、第1ギヤ部と第2ギヤ部とを
それぞれ一個有することを特徴とし、請求項1乃至請求
項3のいずれかと同等の効果を得ると共に、各ピニオン
ギヤが1個づつの第1ギヤ部と第2ギヤ部とを有するか
ら、各ギヤ部に掛かる力によって傾斜トルクを受けて
も、歯すじ角の補正によって、ギヤの片当たりと片当た
りによるピッチングとを防止できる。
【0040】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
のいずれか一項に記載のデファレンシャル装置であっ
て、ピニオンギヤ対を構成するピニオンギヤの内の少な
くとも一方のピニオンギヤが中間軸部を有することを特
徴とし、請求項1乃至請求項4のいずれかと同等の効果
を得る。
【0041】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
のいずれか一項に記載のデファレンシャル装置であっ
て、中間軸部を有するピニオンギヤの該軸部の一方側に
第1ギヤ部が形成され、他方側に第2ギヤ部が形成され
ると共にこれら第1ギヤ部と第2ギヤ部のいずれか一方
に前記歯すじ角補正が施されたことを特徴とし、請求項
1乃至請求項5のいずれかと同等の効果を得る。
【0042】又、このように、片当たりが生じるギヤ部
で歯すじ角を補正することにより、他側のギヤ部には歯
すじ角補正を施さないでも、ギヤの片当たりとピッチン
グとを実質的に防止することが可能であり、それだけ低
コストで充分な耐久性の向上効果が得られる。
【0043】又、他側のギヤ部に歯すじ角補正を施さな
いから、倒れたときのピニオンギヤと収容孔との摺動面
をより多く確保することができ、耐久性が更に向上す
る。
【0044】これに加えて、補正角の制限から解放され
たことにより、片当たりが強い場合でも、これに応じて
大きな歯すじ角補正を行えるから、ギヤの片当たりとピ
ッチングとを効果的に防止できる。
【0045】更に、対のいずれのピニオンギヤも、傾斜
トルクや倒れ角の条件によってピッチングの発生箇所が
変化する。しかし、例えば請求項3の歯すじ角補正によ
れば、ギヤの片当たりとピッチングとを効果的に防止で
きる。
【0046】これに加えて、補正角の制限から解放され
たことにより、中間軸部の両側の第1ギヤ部と第2ギヤ
部とに掛かる力によってピニオンギヤが大きな倒れトル
クを受けても、これに応じて大きな歯すじ角補正を行え
るから、ギヤの片当たりとピッチングとを効果的に防止
できる。
【0047】
【発明の実施の形態】図1乃至図6によって本発明の一
実施形態を説明する。図1はこの実施形態のデファレン
シャル装置1を示しており、デファレンシャル装置1は
請求項1、2、3、4、5、6の特徴を備えている。な
お、左右の方向は図1での左右の方向であり、符号を与
えていない部材等は図示されていない。
【0048】図1のように、デファレンシャル装置1の
デフケース3はケーシング本体5の左端にカバー7をボ
ルト9で固定し、右端に抜け止めプレート11をボルト
で固定して構成されている。
【0049】デファレンシャル装置1はデフキャリヤの
内部に配置されており、デフケース3の左右のボス部1
3、15はベアリングを介してデフキャリヤに支承され
ている。デフキャリヤにはオイル溜りが設けられてお
り、デファレンシャル装置1は、静止状態で下部がこの
オイル溜りに浸されており、回転するとオイル溜りから
オイルを撥ね上げる。
【0050】デフケース3の内部には、それぞれヘリカ
ルギヤで構成された左右のサイドギヤ17、19(出力
側サイドギヤ)が配置されている。
【0051】各サイドギヤ17、19はそれぞれの中空
のボス部21、23を介してデフケース3の軸支部2
5、27に回転自在に支承されている。左右の車輪側出
力軸はそれぞれデフケース3のボス部13、15を貫通
し、サイドギヤ17、19のボス部21、23にスプラ
イン連結されている。サイドギヤ17、19とデフケー
ス3との間にはそれぞれワッシャ29、31が配置さ
れ、サイドギヤ17、19の間にはワッシャ33が配置
されている。
【0052】デフケース3には長短の収容孔35、37
が周方向等間隔に4組形成されている。これらの収容孔
35、37にはそれぞれヘリカルギヤで構成された長短
一対のピニオンギヤ39、41が摺動回転自在に収容さ
れている。
【0053】長いピニオンギヤ39は、第1ギヤ部43
と第2ギヤ部45及びこれらを連結する小径の中間軸部
47とからなり、第1ギヤ部43は左のサイドギヤ17
と噛み合っている。又、短いピニオンギヤ41は、第1
ギヤ部49と第2ギヤ部51からなり、第1ギヤ部49
は右のサイドギヤ19と噛み合い、第2ギヤ部51はピ
ニオンギヤ39の第2ギヤ部45と噛み合っている。各
サイドギヤ17、19はピニオンギヤ39、41との噛
み合いによって径方向外側から支持されている。
【0054】又、サイドギヤ17、19は、それぞれの
歯すじの方向性により、ピニオンギヤ39、41の第1
ギヤ部43、49との噛み合いによって軸方向内側向き
の噛み合いスラスト力を受ける。
【0055】デフケース3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンギヤ39、41からサイドギヤ17、1
9を介して左右の出力軸側に分配される。又、例えば悪
路走行中に、各出力軸間に駆動抵抗差が生じるとピニオ
ンギヤ39、41の自転によってエンジンの駆動力は左
右各側に差動分配される。
【0056】トルクの伝達中、各ピニオンギヤ39、4
1の歯先はサイドギヤ17、19との噛み合い反力によ
り収容孔35、37の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が
発生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によ
って、ピニオンギヤ39の左端はスラストワッシャ29
を介してカバー7に押し付けられ、右端は抜け止めプレ
ート11に押し付けられる。又、ピニオンギヤ41の左
端はケーシング本体5に押し付けられ、右端は抜け止め
プレート11に押し付けられる。更に、サイドギヤ17
はスラストワッシャ29を介してカバー7に押し付けら
れ、サイドギヤ19はスラストワッシャ31を介してケ
ーシング本体5に押し付けられる。又、各サイドギヤ1
7、19はスラストワッシャ33を介して互いに押圧し
合う。
【0057】こうして、各摺動部で摩擦抵抗が発生し、
これらの摩擦抵抗によってトルク感応型の差動制限力が
得られる。
【0058】デフケース3には開口53、55が設けら
れており、ボス部13、15の内周には螺旋状のオイル
溝57、57が形成されている。デファレンシャル装置
1が回転するとオイル溜りから撥ね上げられたオイル
が、又静止時にはオイル溜りのオイルが、開口53、5
5とオイル溝57、57とからデフケース3に流出入
し、収容孔35、37や各ギヤの噛み合い部などに供給
され、これらを潤滑する。
【0059】図2、図3、図5は、長いピニオンギヤ3
9と短いピニオンギヤ41の各第2ギヤ部45、51を
示している。
【0060】又、図2、図3、図4は、例えば、停車中
のように各ギヤに負荷が掛からないときのピニオンギヤ
39、41とそれぞれの収容孔35、37の状態を示し
ており、無負荷であるから長いピニオンギヤ39に倒れ
は生じていない。又、図5と図6は、各ギヤに負荷が掛
り、長いピニオンギヤ39に倒れが生じた状態を示して
いる。
【0061】図2乃至図6の矢印59は車両が前進走行
するときのデフケースの回転方向を示している。長いピ
ニオンギヤ39は短いピニオンギヤ41に対してデフケ
ース3の回転方向59に先行配置されており、短いピニ
オンギヤ41は回転方向59に後行配置されている。
【0062】図2、図3、図5のように、車両が前進走
行(ドライブ)するとき、ピニオンギヤ39の第2ギヤ
部45はドライブ面61でピニオンギヤ41の第2ギヤ
部51と接触し、車両が後進走行(コースト)すると
き、第2ギヤ部45はコースト面63で第2ギヤ部51
と接触する。
【0063】上記のように、サイドギヤ17、19には
ピニオンギヤ39、41との噛み合いによってそれぞれ
軸方向内側向きの噛み合いスラスト力が掛かるから、長
いピニオンギヤ39には第1と第2のギヤ部43、45
に受ける噛み合い反力によって、図6のように、倒れ角
θの倒れが生じる。
【0064】サイドギヤ17、19とピニオンギヤ3
9、41の歯すじの方向によって、このピニオンギヤ3
9の倒れは歯すじ角が大きくなる方向に生じており、こ
の倒れによって図6の矢印65のように第2ギヤ部4
5、51の間で局部的に強く当たる箇所が生じる。
【0065】そこで、倒れが発生するピニオンギヤ39
の第2ギヤ部45には、この倒れ角θだけ歯すじ角が小
さくなるように歯すじ角を補正して歯切りが行われてい
る。
【0066】更に、この歯すじ角補正は、図3のよう
に、ドライブ面61にだけ行われており、コースト面6
3は基本的な諸元の歯すじ角で歯切りされている。
【0067】なお、図3の破線67は、従来例のように
ドライブ面と同一角度で歯すじ補正したコースト面を示
している。
【0068】又、ピニオンギヤ39の倒れ角θは、ピニ
オンギヤ39と収容孔35とのクリアランスで決まると
共に、ピニオンギヤ39を倒そうとするトルクはピニオ
ンギヤ39の支持点間隔(第1ギヤ部43と第2ギヤ部
45の間隔)が広い程大きい。又、倒れた時にピッチン
グが発生する箇所はこれらのクリアランスと支持点間隔
とで変化する。
【0069】そこで、ドライブ面61の歯すじ補正角は
これらのクリアランスと支持点間隔とから決められ、更
に、加工公差を加えて決定されている。
【0070】こうして、ピニオンギヤ39の第2ギヤ部
45のドライブ面61を歯すじ角補正したから、図2の
ように無負荷状態では、ドライブ面61と相手側ギヤ部
51との当たり部69の高さが歯幅方向に不均等になる
と共に、コースト面63では相手側ギヤ部51との間に
当たり部71が発生する。
【0071】なお、無負荷であるから当たり部69、7
1にピッチングは生じない。
【0072】又、従来例のようにコースト面にも角度補
正を行うと、図3の破線67が示すように、相手側ギヤ
部51との当たりが生じるが、上記のように、デファレ
ンシャル装置1ではコースト面63の角度補正はしない
から相手側ギヤ部51との間で当たりが発生することは
ない。
【0073】こうして、コースト面63の当たりによる
補正角の制限から解放され、ドライブ面61に必要なだ
け大きな補正角を与えることが可能になる。
【0074】ドライブ面61に必要な角度補正を施した
ことによって、図5のように、負荷を受けてピニオンギ
ヤ39が倒れても、ドライブ面61では当たり部73の
高さが歯幅方向に均等になり、局部的に強く当たる箇所
が生じない。又、コースト面63では僅かな当たり部7
5が生じるだけであり、ドライブ面61とコースト面6
3共に、片当たり及び片当たりによるピッチングが防止
され、耐久性が大幅に向上する。
【0075】このような歯すじ角補正を行った結果、車
両が前進走行する時、長いピニオンギヤ39の歯すじで
は倒れ分が相殺され、倒れた状態でサイドギヤ17及び
ピニオンギヤ41との正常な噛み合いが行われる。又、
後行配置の短いピニオンギヤ41には倒れが生じないか
ら、サイドギヤ19及びピニオンギヤ39との噛み合い
が正常に保たれる。
【0076】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0077】上記のように、デファレンシャル装置1で
は、ピニオンギヤ39のドライブ面61にだけ歯すじ角
補正を施し、コースト面63には歯すじ角補正を行わな
いから、従来例と異なって、コースト面での当たりによ
る補正角制限から解放され、歯すじに充分大きな角度補
正を施すことができるから、ピニオンギヤ39の倒れ角
θが大きくても、ギヤの片当たりとピッチングとが防止
され、耐久性が大幅に向上する。
【0078】又、ピニオンギヤ39だけでなく、各ギヤ
の全ての噛み合い部で片当たりや片当たりによるピッチ
ングが防止され、耐久性が向上する。
【0079】デファレンシャル装置1を搭載した車両
は、そのトルク感応型差動制限機能によって、発進時や
加速時のように大きなトルクを掛けた時の車体の挙動が
安定すると共に、ギヤのピッチングを防止したデファレ
ンシャル装置1の優れた耐久性によって長期にわたり優
れた操縦性と安定性とが得られる。
【0080】従って、ピッチング防止のために各ギヤの
強度を高める必要がないから、デファレンシャル装置1
はそれだけ低コストに構成することができる。
【0081】又、大きな倒れトルクを受ける長いピニオ
ンギヤ39にだけ歯すじ角補正を行ったことによって、
低コストで大きなピッチング防止効果が得られる。
【0082】又、ピニオンギヤ39の各ギヤ部43、4
5は同方向、同角度の歯すじを持っているから、これら
を同時に歯切り加工することができると共に、歯すじ角
を補正したドライブ面61の歯切りと、歯すじ角補正を
行わないコースト面63の歯切りは、共にこの歯切り時
に行われるものであって、現行の設備と工具で歯切り可
能であると共に、歯切り加工されたものに対して補正加
工を施すものではないから、コストの上昇を伴わない。
【0083】又、上記のように、大きな駆動トルクが掛
かるドライブ時の回転方向に先行配置されたピニオンギ
ヤ39に歯すじ角補正を施したから、後行配置のピニオ
ンギヤ41に歯すじ角補正を施さないでも、ギヤの片当
たりとピッチングとを実質的に充分防止することが可能
であり、それだけコストを低減できる。
【0084】又、長いピニオンギヤ39は支持点間隔が
広いが、上記のように、収容孔35とのクリアランスと
支持点間隔に基づいて歯すじの補正角を決めるから、片
当たりとピッチングとが効果的に防止される。
【0085】又、上記のように、ピニオンギヤ39の第
1ギヤ部43と第2ギヤ部45のうち、片当たりが生じ
る第2ギヤ部45の歯すじ角を補正するから、第1ギヤ
部43には歯すじ角補正を施さないでも、ギヤの片当た
りとピッチングとを実質的に防止することが可能であ
り、低コストで充分な耐久性の向上効果が得られる。
【0086】又、第1ギヤ部43に歯すじ角補正を施さ
ないから、ピニオンギヤ39が倒れたときのピニオンギ
ヤ39と収容孔35との摺動面をより多く確保すること
ができ、耐久性が更に向上する。
【0087】これに加えて、コースト面63での当たり
による補正角制限から解放されたことにより、デフケー
ス3の回転方向に対するピニオンギヤ39、41の配列
順序、ピニオンギヤ39の支持点間隔やピニオンギヤ3
9と収容孔35とのクリアランス、歯すじ角に対するピ
ニオンギヤ39の倒れの方向などの条件に応じて必要な
大きさの角度補正を施すことができるから、上記のよう
に、それぞれの条件下で充分なピッチング防止効果が得
られる。
【0088】なお、本発明でピニオンギヤに施される歯
すじの補正角は、歯当たりの改善を目的とする微小なも
のであり、ヘリカルギヤ構成の場合は噛み合いスラスト
力に影響を与えるものではなく、スパーギヤ構成の場合
は噛み合いスラスト力を発生させるものではない。
【0089】又、本発明において、ピニオンギヤとサイ
ドギヤはヘリカルギヤでなくスパーギヤで構成してもよ
い。この場合、歯すじ角補正はピニオンギヤが倒れたと
きに歯すじが軸方向になるように行えばよい。
【0090】又、本発明において、歯すじ角補正は、歯
すじを大きくする方向にも小さくする方向にも行える。
【0091】又、本発明において、一対のピニオンギヤ
は実施形態のような長短のピニオンギヤに限らない。例
えば、第1ギヤ部と第2ギヤ部との間に中間軸部を持た
ない短い2本のピニオンギヤで一対のピニオンギヤを構
成してもよく、この場合、それぞれの第2ギヤ部は両サ
イドギヤの軸方向内側で噛み合わせる。又、第1ギヤ部
の両側に第2ギヤ部を持った長い2本のピニオンギヤで
構成してもよく、この場合、各ピニオンギヤの2個の第
2ギヤ部は両サイドギヤの軸方向外側で噛み合わせる。
【0092】又、この発明のデファレンシャル装置はフ
ロントデフ(前輪側の車軸デフ)や、リヤデフ(後輪側
の車軸デフ)や、センターデフ(エンジンの駆動力を前
輪と後輪に分配するデファレンシャル装置)のいずれに
も用いられる。
【0093】
【発明の効果】上記のように、請求項1のデファレンシ
ャル装置は、車両のドライブ時に相手側ギヤと接触する
ドライブ側の歯面にだけピニオンギヤの倒れを補正する
歯すじ角補正を施し、コースト側の歯面には歯すじ角補
正を行わない。
【0094】こうして、コースト面での相手側ギヤとの
当たりによる補正角制限から解放され、充分大きな角度
補正を施すことが可能になるから、ピニオンギヤの倒れ
による各ギヤの片当たりと片当たりによるピッチングと
が充分に防止され、耐久性が大きく向上すると共に、ピ
ッチング防止のために各ギヤの強度を特に高くする必要
がなく、それだけ低コストに構成できる。
【0095】このように、補正角の制限から解放された
本発明のデファレンシャル装置は、デフケースの回転方
向に対する各ピニオンギヤの配列順序、ピニオンギヤの
支持点間隔やピニオンギヤと収容孔とのクリアランス、
歯すじ角に対するピニオンギヤの倒れの方向などの条件
に応じて必要なだけの角度補正を施すことができるか
ら、従来例と異なって、それぞれの条件下で充分なピッ
チング防止効果が得られる。
【0096】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1の構成と同等の効果を得ると共に、大きな駆動トル
クが掛かるドライブ時の回転方向に先行配置されたピニ
オンギヤに歯すじ角補正を施すことにより、後行配置の
ピニオンギヤに歯すじ角補正を施さないでも、ギヤの片
当たりとピッチングとを実質的に防止することが可能で
あり、それだけ低コストで充分な耐久性の向上効果が得
られる。
【0097】又、補正角制限から解放されたことによ
り、先行配置されたピニオンギヤの倒れ角が大きくて
も、これに応じて大きな歯すじ角補正を行えるから、ギ
ヤの片当たりとピッチングとを効果的に防止できる。
【0098】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1又は請求項2の構成と同等の効果を得ると共に、歯
すじの補正角を、ピニオンギヤと収容孔とのクリアラン
ス及びピニオンギヤの支持点間隔に基づいて決めること
により、ギヤの片当たりとピッチングとを効果的に防止
することができる。
【0099】又、補正角制限から解放されたことによ
り、ピニオンギヤの支持点間隔と収容孔とのクリアラン
スが大きくても、これに応じて大きな歯すじ角補正を行
えるから、ギヤの片当たりとピッチングとを効果的に防
止できる。
【0100】請求項4のデファレンシャル装置は、請求
項1乃至請求項3のいずれかと同等の効果を得る。
【0101】請求項5のデファレンシャル装置は、請求
項1乃至請求項4のいずれかと同等の効果を得る。
【0102】又、請求項4と請求項5のデファレンシャ
ル装置は、第1ギヤ部と第2ギヤ部とに掛かる力により
倒れトルクを受けるピニオンギヤの片当たりとピッチン
グが、歯すじ角の補正によって効果的に防止できる。
【0103】更に、請求項5のデファレンシャル装置に
おいて、中間軸部を有し支持点間隔が広く、倒れトルク
が大きくなるピニオンギヤも、支持点間隔が狭く収容孔
とのクリアランスによる倒れ角が大きくなるピニオンギ
ヤも、請求項3の歯すじ角補正によれば、片当たりとピ
ッチングとを効果的に防止できる。
【0104】又、請求項4と請求項5のデファレンシャ
ル装置は、補正角の制限から解放されたことにより、第
1ギヤ部と第2ギヤ部とに掛かる力によってピニオンギ
ヤが大きな倒れトルクを受けても、これに応じて大きな
歯すじ角補正を行えるから、ギヤの片当たりとピッチン
グとを効果的に防止できる。
【0105】請求項6のデファレンシャル装置は、請求
項1乃至請求項3のいずれかと同等の効果を得ると共
に、片当たりが生じる方のギヤ部で歯すじ角を補正する
ことにより、他側のギヤ部には歯すじ角補正を施さずに
ギヤの片当たりとピッチングとを実質的に防止すること
が可能であるから、それだけ低コストで充分な耐久性の
向上効果が得られる。
【0106】又、他側のギヤ部に歯すじ角補正を施さな
いから、倒れたときのピニオンギヤと収容孔との摺動面
をより多く確保することができ、耐久性が更に向上す
る。
【0107】又、補正角の制限から解放されたことによ
り、片当たりが強い場合でも、これに応じて大きな歯す
じ角補正を行えるから、ギヤの片当たりとピッチングと
を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の実施形態において、歯すじに角度補正を
施したピニオンギヤと角度補正を施さないピニオンギヤ
との噛み合いを示す展開図であり、無負荷の状態を示し
ている。
【図3】図2のピニオンギヤを歯丈に沿って切断した断
面図である。
【図4】図1の実施形態に用いられた一対のピニオンギ
ヤとそれぞれの収容孔とを示す斜視図であり、無負荷の
状態を示している。
【図5】図2のピニオンギヤに負荷が掛かった状態を示
す展開図である。
【図6】図1の実施形態に用いられた一対のピニオンギ
ヤとそれぞれの収容孔とを示す斜視図であり、負荷が掛
かった状態を示している。
【図7】歯すじに角度補正を施していない一対のピニオ
ンギヤの噛み合いを示す展開図であり、無負荷の状態を
示している。
【図8】図7のピニオンギヤに負荷が掛かった状態を示
す展開図である。
【図9】従来例において、歯すじに角度補正を施したピ
ニオンギヤと角度補正を施さないピニオンギヤとの噛み
合いを示す展開図であり、無負荷の状態を示している。
【図10】図9のピニオンギヤを歯丈に沿って切断した
断面図である。
【図11】図9のピニオンギヤに負荷が掛かった状態を
示す展開図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 デフケース 17、19 出力側サイドギヤ 35、37 収容孔 39 長いピニオンギヤ(先行配置されたピニオンギ
ヤ) 41 短いピニオンギヤ(後行配置されたピニオンギ
ヤ) 43、49 第1ギヤ部 45 ドライブ面61にだけ歯すじに角度補正を施した
第2ギヤ部 51 第2ギヤ部 47 中間軸部 59 デフケースの回転方向(車両のドライブ時) 61 ピニオンギヤ39の第2ギヤ部45のドライブ面
(車両のドライブ時に相手側ギヤと接触する歯面) 63 ピニオンギヤ39の第2ギヤ部45のコースト面
(車両のコースト時に相手側ギヤと接触する歯面)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    デフケースと、デフケースの内部に回転自在に支承され
    た一対の出力側サイドギヤと、これらサイドギヤの径方
    向外側に配置され、サイドギヤと各別に噛み合う第1ギ
    ヤ部及び互いに噛み合う第2ギヤ部を有する複数対のピ
    ニオンギヤと、デフケースに形成され各ピニオンギヤを
    摺動回転自在に収容する収容孔とを備え、ピニオンギヤ
    に生じる倒れと反対方向に、車両の前進走行時に相手側
    ギヤと接触するピニオンギヤの回転方向側歯面にだけ、
    歯すじ角補正が施されていることを特徴とするデファレ
    ンシャル装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、対のピニ
    オンギヤのうちデフケースの回転方向に先行配置された
    ピニオンギヤにおいて、前記歯すじ角補正が施されたこ
    とを特徴とするデファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、前記歯すじの補正角を、収容孔によるピニオンギヤ
    の支持点間隔とピニオンギヤと収容孔との径方向間隔と
    から決定したことを特徴とするデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    記載の発明であって、対のピニオンギヤが、第1ギヤ部
    と第2ギヤ部とをそれぞれ一個有することを特徴とする
    デファレンシャル装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    記載の発明であって、ピニオンギヤ対を構成するピニオ
    ンギヤの内の少なくとも一方のピニオンギヤが中間軸部
    を有することを特徴とするデファレンシャル装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載の発明であって、中間軸部を有するピニオンギヤの
    該軸部の一方側に第1ギヤ部が形成され、他方側に第2
    ギヤ部が形成されると共にこれら第1ギヤ部と第2ギヤ
    部のいずれか一方に前記歯すじ角補正が施されたことを
    特徴とするデファレンシャル装置。
JP25110197A 1997-09-16 1997-09-16 デファレンシャル装置 Pending JPH1182683A (ja)

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