JPH1182682A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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Publication number
JPH1182682A
JPH1182682A JP25109797A JP25109797A JPH1182682A JP H1182682 A JPH1182682 A JP H1182682A JP 25109797 A JP25109797 A JP 25109797A JP 25109797 A JP25109797 A JP 25109797A JP H1182682 A JPH1182682 A JP H1182682A
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JP
Japan
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differential
differential case
shaft
spacer
pinion
Prior art date
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Application number
JP25109797A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Usui
弘至 臼井
Isao Hirota
功 広田
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一体型のデフケースを用いて部品点数とコス
トとを低減させながら、特殊な工具を用いずに、組付け
を容易にする。 【解決手段】 一体型のデフケース3と、ピニオンシャ
フト25上に支承されたピニオンギヤ27を介して出力
側サイドギヤ29、31を連結する差動機構5と、差動
制限用の摩擦クラッチ7、7と、互いの間でシャフト2
5の係合孔47を形成するスペーサ13、13と、各ス
ペーサ13とギヤ29、31との間に配置され、各摩擦
クラッチ7を押圧する皿ばね9、9とを備え、デフケー
ス3にシャフト25の係合孔23と部材組付け用の開口
55とを設け、前記各部材を開口55から組付けた後、
シャフト25を係合孔23から各スペーサ13の係合孔
47に差し込むと、各スペーサ13が移動して各皿ばね
9に設定荷重が与えられ、各摩擦クラッチ9にイニシャ
ルトルクが発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両のデファレ
ンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】公開実用平成1−171947号公報に
図5のようなデファレンシャル装置201が記載されて
いる。
【0003】このデファレンシャル装置201は、ベベ
ルギヤ式の差動機構203と、一対のカム205、20
5と、一対の多板クラッチ207、207と、これらの
多板クラッチ207、207にイニシャルトルクを与え
る予圧ばね209などから構成されている。
【0004】ベベルギヤ式差動機構203は、一対のケ
ーシング部材211、213を通しボルト215で固定
したデフケース217と、中空のボス部219を介して
放射状に配置され、外側の端部がデフケース217に固
定されたピニオンシャフト221と、ピニオンシャフト
221上に回転自在に支承されたピニオンギヤ223
と、ピニオンギヤ223を介して連結された出力側サイ
ドギヤ225、227と、カム205を介して各サイド
ギヤ225、227に連結されると共に、それぞれの出
力軸229、231にスプライン連結されたハブ23
3、235などから構成されている。
【0005】デフケース217を回転させるエンジンの
駆動力は、サイドギヤ225、227から各カム205
と出力軸229、231とを介して各車輪に配分され
る。
【0006】多板クラッチ207、207は各ハブ23
3、235とデフケース217との間に配置されてお
り、カム205のスラスト力とサイドギヤ225、22
7の噛み合い反力とを受けて締結され、そのトルク感応
型差動制限機能によって差動機構203の差動を制限す
る。
【0007】又、予圧ばね209は、ボス部219の内
側に配置されており、リテーナ237、239とハブ2
33、235を介して多板クラッチ207、207を押
圧し、トルク感応型差動制限機能が低下したとき、その
イニシャルトルクによって車両の発進性や加速性、悪路
走破性などを向上させる。
【0008】このデファレンシャル装置201は、上記
のように、2分割のデフケース217に多板クラッチ2
07、207とイニシャルトルクを与える予圧ばね20
9などを配置した例である。
【0009】この他に、一体型のデフケースに、差動制
限用のクラッチとイニシャルトルクを与える予圧ばねな
どを配置したデファレンシャル装置がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デファレンシ
ャル装置201は、サイドギヤ225、227の間に予
圧ばね209を配置するように構成されているから、そ
の組付けは、ハブ233、235、多板クラッチ20
7、207、サイドギヤ225、227などをそれぞれ
組付けたケーシング部材211、213で、ピニオンギ
ヤ223及びピニオンシャフト221と、ボス部219
の内側に配置した予圧ばね209と、リテーナ237、
239などを挟み込みながら、ケーシング部材211、
213をボルト215で固定することによって、ピニオ
ンシャフト221が固定されると共に、予圧ばね209
を撓めて設定荷重を与え、各多板クラッチ207にイニ
シャルトルクを発生させる。
【0011】組付けをこのような手順で行うから、デフ
ケース217はケーシング部材211、213の2分割
構造にする必要があり、2分割構造にしたことによっ
て、部品点数が増加する上に、各ケーシング部材21
1、213で加工工数が嵩み、コストが大幅に上昇す
る。
【0012】又、一体型のデフケースを用いた従来のデ
ファレンシャル装置では、その構造上の理由から予圧ば
ねをサイドギヤの間に配置することが困難であり、予圧
ばねはクラッチ手段の背面に配置されている。
【0013】従って、ピニオンシャフトとピニオンギヤ
とをデフケースに組付ける際は、特殊な工具を用いてサ
イドギヤを軸方向両側に引き寄せて予圧ばねを圧縮しな
ければならず、組付け作業性が悪い。
【0014】そこで、この発明は、一体型のデフケース
を用いて部品点数とコストとを低減させながら、特殊な
工具を用いずに、各部材の組付けを容易にしたデファレ
ンシャル装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のデファレ
ンシャル装置は、エンジンの駆動力によって回転駆動さ
れるデフケースと、デフケースと一体に回転するピニオ
ンシャフトと、このピニオンシャフト上に回転自在に支
承されたピニオンギヤと、このピニオンギヤと噛み合う
と共に、それぞれの出力軸にスプライン連結された一対
の出力側サイドギヤとを有する差動機構と、各サイドギ
ヤとデフケースとの間に配置された差動制限用の摩擦ク
ラッチと、ピニオンシャフトを挟んで配置され、互いの
間でピニオンシャフトの係合孔を形成する一対のスペー
サと、各スペーサと係合して廻り止めをする廻り止め部
材と、各スペーサとサイドギヤとの間に配置され、サイ
ドギヤを介して前記摩擦クラッチを押圧する一対の予圧
ばねとを備え、デフケースが一体に成形されていると共
に、デフケースにピニオンシャフトの係合孔と部材組付
け用の開口とが設けられており、前記の摩擦クラッチ、
ピニオンギヤ、サイドギヤ、予圧ばね、スペーサがこの
部材組付け用開口からデフケース内部に組付けられた
後、ピニオンシャフトをデフケースの係合孔から各スペ
ーサの係合孔に差し込むと、各スペーサが移動して各予
圧ばねに設定荷重が与えられ、各摩擦クラッチにイニシ
ャルトルクが生じることを特徴とする。
【0016】このように、請求項1記載のデファレンシ
ャル装置では、サイドギヤの噛み合い反力によって摩擦
クラッチが押圧され、トルク感応型の差動制限機能が得
られる。
【0017】各部材の組付けは、デフケースに設けた部
材組付け用の開口から、サイドギヤと摩擦クラッチ、予
圧ばね、廻り止め部材で廻り止めしたスペーサ、ピニオ
ンギヤなどを組付けた後、ピニオンシャフトをデフケー
スの係合孔からスペーサ間の係合孔に差し込むことによ
って行われる。
【0018】又、スペーサ間の係合孔にピニオンシャフ
トを差し込むことによって各スペーサが移動し、各予圧
ばねが撓んで設定荷重が与えられ、各予圧ばねによって
各摩擦クラッチが押圧されてイニシャルトルクが発生す
る。
【0019】上記のトルク感応型差動制限機能が低下し
たときは、このイニシャルトルクによって車両の発進性
や加速性、あるいは、悪路走破性などが向上する。
【0020】上記のように、部材を組み込むためにデフ
ケースを分割構造にする必要がないから、本発明のデフ
ァレンシャル装置ではデフケースを一体型にすることが
可能になり、デフケースを分割構造にした従来のデファ
レンシャル装置と較べて、部品点数が低減し、加工工数
とコストとが大幅に低減される。
【0021】又、デフケースを一体構造にした従来のデ
ファレンシャル装置と異なって、部材組付け用の特殊工
具が不要であると共に、組付けが容易で作業性がよいか
ら、組付けコストが大きく低減される。
【0022】上記のように、サイドギヤの間に予圧ばね
を配置し一体構造のデフケースを用いたデファレンシャ
ル装置が、本発明によって初めて成立した。
【0023】請求項2記載の発明は、請求項1記載のデ
ファレンシャル装置であって、ピニオンシャフトに凸部
が設けられ、ピニオンシャフトを自転させると、この凸
部と各スペーサの係合孔との当たりによって各スペーサ
の間隔が変化することにより、各予圧ばねの設定荷重を
調整可能にしたことを特徴とし、請求項1の構成と同等
の効果を得る。
【0024】これに加えて、ピニオンシャフトを自転さ
せると、ピニオンシャフトに設けた凸部が各スペーサに
当たってスペーサを移動させるから、予圧ばねの設定荷
重を調整することができる。
【0025】こうして、デフケースの外部からイニシャ
ルトルクを調整することが可能になったから、例えば、
車両に搭載された状態でイニシャルトルクを修正するこ
とができる。又、予圧ばねや摩擦クラッチなどを変更せ
ずに、同一のデファレンシャル装置を異なった車種に適
用することが可能になった。
【0026】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2記載のデファレンシャル装置であって、各スペーサ
をリング状にし、その内側に各サイドギヤ側の出力軸を
突き当てるスラストブロックを配置すると共に、このス
ラストブロックにピニオンシャフトの係合孔を設けたこ
とを特徴とし、請求項1又は請求項2の構成と同等の効
果を得る。
【0027】これに加えて、各スペーサをリング状に
し、その内側にピニオンシャフトの係合孔を設けたスラ
ストブロックを配置したことにより、スラストブロック
を介して各サイドギヤ側の出力軸を突き当てることが可
能になったから、このデファレンシャル装置はスラスト
ブロックが必要な車種にも適用範囲が広がった。
【0028】
【発明の実施の形態】図1乃至図3によって本発明の第
1実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、3の
特徴を備えている。図1はこの実施形態のデファレンシ
ャル装置1を示し、左右の方向は図1乃至図3での左右
の方向である。又、符号を与えていない部材等は図示さ
れていない。
【0029】デファレンシャル装置1は、一体に形成さ
れたデフケース3と、ベベルギヤ式の差動機構5と、多
板クラッチ7、7(摩擦クラッチ)と、皿ばね(予圧ば
ね)9、9と、ワッシャ11、11と、スペーサ13、
13と、スペーサ13、13を廻り止めするピン15
(廻り止め部材)と、スラストブロック17などを備え
ている。
【0030】デファレンシャル装置1はオイル溜りが設
けられたデフキャリヤの内部に配置されている。デフケ
ース3はボス部19、21をベアリングによってデフキ
ャリヤに支承され、エンジンの駆動力によって回転駆動
される。
【0031】ベベルギヤ式差動機構5は、両端部がデフ
ケース3の係合孔23に係合した1本のピニオンシャフ
ト25と、ピニオンシャフト25上に回転自在に配置さ
れたピニオンギヤ27と、ピニオンギヤ27と噛み合っ
た一対の出力側サイドギヤ29、31とから構成されて
いる。
【0032】サイドギヤ29、31の各ボス部33、3
5はデフケース3の支承部37、39によって回転自在
に支承されており、各ボス部33、35はそれぞれの出
力軸にスプライン連結されている。
【0033】各多板クラッチ7は各サイドギヤ29、3
1(ボス部33、35)とデフケース3との間に配置さ
れており、外側のプレート41はデフケース3の内周に
移動自在に係合し、内側のプレート43は各ボス部3
3、35の外周に移動自在に係合している。各プレート
41、43の間には適度な初期隙間が設けられている。
【0034】図2と図3のように、スペーサ13、13
はピニオンシャフト25の両側に配置されており、それ
ぞれの係合孔45に係合するピン15によって廻り止め
されている。又、各スペーサ13の間にはピニオンシャ
フト25が貫通する貫通孔47(係合孔)が設けられて
いる。
【0035】ワッシャ11、11は各スペーサ13の左
右両側に配置されており、皿ばね9、9は各ワッシャ1
1とサイドギヤ29、31との間に配置されている。各
ワッシャ11とサイドギヤ29、31には互いに噛み合
う鍔49、51が設けられている。
【0036】これらの鍔49、51によって皿ばね9の
潰れが防止されると共に、各ワッシャ11とサイドギヤ
29、31とが皿ばね9を挟んで相対回転することが防
止され、皿ばね9の焼き付きや異常摩耗などが防止され
る。
【0037】各スペーサ13はリング状に形成されてお
り、これらの内側にスラストブロック17が配置されて
いる。スラストブロック17にもピニオンシャフト25
が貫通する貫通孔53(係合孔)が設けられている。各
サイドギヤ29、31の出力軸はこのスラストブロック
17を介してそれぞれの端面を突き当てている。
【0038】各皿ばね9はサイドギヤ29、31を多板
クラッチ7側に押圧して締結し、多板クラッチ7にイニ
シャルトルクを与えている。
【0039】又、デフケース3には、各部材を組み込む
ための大きな開口55が設けられている。
【0040】各部材の組付けは、この開口55から、サ
イドギヤ29、31と、多板クラッチ7、7と、皿ばね
9、9と、ピン15で廻り止めしたスペーサ13、13
と、ピニオンギヤ27などを組付けた後、ピニオンシャ
フト25をデフケース3の係合孔23からスペーサ13
間の貫通孔47とスラストブロック17の貫通孔53と
に差し込むことによって行われる。
【0041】又、このように貫通孔47にピニオンシャ
フト25を差し込むと、図3の矢印57が示すようにス
ペーサ13、13が左右両側に移動し、各皿ばね9が撓
んで設定荷重が与えられる。
【0042】各皿ばね9に設定荷重が与えられると、各
多板クラッチ7が押圧されてイニシャルトルクが発生す
る。
【0043】又、デフケース3には、開口59、61、
63とボス部19、21の内周に設けられた螺旋溝など
が設けられており、デフキャリヤのオイル溜りからこれ
らの開口などを介してオイルが流出入し、差動機構3の
各ギヤの噛み合い部や、各多板クラッチ7などの摺動部
を充分に潤滑し、耐久性を向上させている。
【0044】デフケース3を回転させるエンジンの駆動
力は、ピニオンシャフト25とピニオンギヤ27からサ
イドギヤ29、31を介して各車輪側に分配される。
又、車輪間に駆動抵抗差が生じるとエンジンの駆動力は
ピニオンギヤ27の自転によって各車輪側に差動分配さ
れる。
【0045】差動機構3のトルク伝達中は、サイドギヤ
29、31の噛み合い反力によって各多板クラッチ7が
押圧され締結される。この噛み合い反力は伝達トルクに
比例するから、各多板クラッチ7の摩擦抵抗によってト
ルク感応型の差動制限機能が得られる。
【0046】車両は、このトルク感応型差動制限機能に
より、発進時や加速時に左右輪の差動回転が防止され、
車体の挙動が安定し操縦性が向上する。
【0047】又、発進時や加速時、あるいは、悪路など
で片輪が大きく空転し、グリップ側の駆動輪にトルクが
逃げてトルク感応型の差動制限力が低下するような場合
は、各多板クラッチ7のイニシャルトルクによる一定の
差動制限力が、トルク感応型差動制限機能の低下を補っ
て、車両の発進性や加速性、悪路走破性などを向上させ
る。
【0048】こうして、デファレンシャル装置1が構成
されている。
【0049】上記のように、デファレンシャル装置1
は、デフケース3に設けた開口55から各部材を組付け
た後、ピニオンシャフト25を係合孔23からスペーサ
13、13の貫通孔47とスラストブロック17の貫通
孔53とに差し込むことによって組付けが終了し、イニ
シャルトルクが得られる。
【0050】従って、部材を組み込むためにデフケース
を分割構造にする必要がないから、一体型のデフケース
3を用いることが可能になり、デフケースを分割構造に
した従来のデファレンシャル装置201と較べて、部品
点数が低減し、加工工数とコストとが大幅に低減され
る。
【0051】又、デフケースを一体構造にした従来のデ
ファレンシャル装置と異なって、部材組付け用の特殊工
具が不要であると共に、組付けが容易で作業性がよいか
ら、組付けコストが大きく低減される。
【0052】又、各スペーサ13をリング状にし、その
内側にスラストブロック17を配置したことにより、デ
ファレンシャル装置1はスラストブロックが必要な車種
にも適用範囲が広がった。
【0053】上記のように、サイドギヤ29、31の間
に皿ばね9、9を配置し一体型のデフケース3を用いた
デファレンシャル装置1が、本発明によって初めて成立
した。
【0054】次に、図4によって本発明の第2実施形態
を説明する。この実施形態は請求項1、2、3の特徴を
備えている。
【0055】なお、図4と第2実施形態の説明の中で、
第1実施形態のデファレンシャル装置1と同機能の部材
は同一の符号で引用すると共に、これら同機能部材の重
複説明は省略する。
【0056】図4は、第2実施形態のデファレンシャル
装置に用いられるピニオンシャフト65とスペーサ6
7、67とを示している。
【0057】このように、スペーサ67、67の間に形
成された係合孔69には平行面71、71が設けられて
いる。又、これらのスペーサ67、67はピン15で廻
り止めされる。
【0058】又、ピニオンシャフト65は、上記のピニ
オンシャフト25のようにデフケース3を径方向に貫通
する長さではなく、デフケース3の係合孔23からスペ
ーサ67、67の係合孔69までの長さである。図4の
ように、このピニオンシャフト65は、係合孔69を貫
通する部分の断面を楕円形にすることにより、長径部に
2箇所の凸部73、73を形成している。
【0059】第2実施形態のデファレンシャル装置の組
付けは、第1実施形態と同様に、デフケース3の開口5
5からサイドギヤ29、31と、多板クラッチ7、7
と、皿ばね9、9と、ピン15で廻り止めしたスペーサ
67、67と、ピニオンギヤ27などを組付けた後、ピ
ニオンシャフト65をデフケース3の係合孔23からス
ペーサ67間の係合孔69に差し込むことによって行わ
れる。
【0060】係合孔69にピニオンシャフト65を差し
込むと、図4の矢印75のように、スペーサ67、67
が左右両側に移動し、各皿ばね9が撓んで設定荷重が与
えられ、各多板クラッチ7が押圧されてイニシャルトル
クが発生する。
【0061】又、ピニオンシャフト65を矢印のように
回転させると、各凸部73が係合孔69の平行面71、
71に当たり、スペーサ67、67が更に左右両側に移
動して、皿ばね9の設定荷重を調整することができる。
【0062】こうして、第2実施形態のデファレンシャ
ル装置が構成されている。
【0063】このデファレンシャル装置は、上記のよう
に、ピニオンシャフト65を回転させることにより、デ
フケース3の外部からイニシャルトルクを調整すること
ができるから、例えば、車両に搭載された状態でイニシ
ャルトルクを修正することができる。又、皿ばね9や多
板クラッチ7などを変更せずに、異なった車種に適用す
ることも可能になった。
【0064】なお、本発明において、摩擦クラッチは多
板クラッチに限らず、例えば、円錐クラッチのように他
の形式の摩擦クラッチでもよい。
【0065】又、本発明のデファレンシャル装置は、フ
ロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分する
デファレンシャル装置)とリヤデフ(エンジンの駆動力
を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)とセン
ターデフ(エンジンの駆動力を前輪と後輪に配分するデ
ファレンシャル装置)のいずれにも用いることができ
る。
【0066】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、上
記のように、デフケースに設けた部材組付け用の開口か
ら各部材を組付けた後、ピニオンシャフトをデフケース
の係合孔からスペーサ間の係合孔に差し込むことによっ
て組付けが行えると共に、イニシャルトルクが得られ
る。
【0067】こうして、デフケースを一体型にすること
が可能になり、デフケースを分割構造にした従来のデフ
ァレンシャル装置と較べて、部品点数が低減し、加工工
数とコストとが大幅に低減される。
【0068】又、デフケースを一体構造にし特殊な工具
を用いる従来のデファレンシャル装置と異なって、部材
組付け用の特殊工具が不要であり、組付けが容易で作業
性がよいから、組付けコストが大きく低減される。
【0069】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1の構成と同等の効果を得ると共に、ピニオンシャフ
トを回転させることにより、デフケースの外部からイニ
シャルトルクを調整することが可能であるから、例え
ば、車両に搭載された状態でイニシャルトルクを修正す
ることができると共に、予圧ばねや摩擦クラッチなどを
変更せずに、同一のデファレンシャル装置を異なった車
種に適用することが可能になった。
【0070】請求項3のデファレンシャル装置は、請求
項1又は請求項2の構成と同等の効果を得ると共に、各
スペーサをリング状にし、その内側にスラストブロック
を配置したことにより、スラストブロックが必要な車種
にも適用範囲が広がった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態に用いられた主要部材の分解斜視
図である。
【図3】第1実施形態の要部断面図である。
【図4】第2実施形態の要部断面図である。
【図5】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 デファレンシャル装置 3 一体型のデフケース 5 差動機構 7 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 9 皿ばね(予圧ばね) 13、67 スペーサ 15 スペーサの廻り止め部材 17 スラストブロック 23 デフケースに設けられたピニオンシャフト差し込
み用の係合孔 25、65 ピニオンシャフト 27 ピニオンギヤ 29、31 出力側サイドギヤ 47、69 スペーサ間に設けられたピニオンシャフト
の貫通孔(係合孔) 53 スラストブロックに設けられたピニオンシャフト
の貫通孔(係合孔) 55 デフケースに設けられた部材組付け用の開口 71 係合孔69に設けられた平面部 73 ピニオンシャフト65に設けられた凸部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力によって回転駆動され
    るデフケースと、デフケースと一体に回転するピニオン
    シャフトと、このピニオンシャフト上に回転自在に支承
    されたピニオンギヤと、このピニオンギヤと噛み合うと
    共に、それぞれの出力軸にスプライン連結された一対の
    出力側サイドギヤとを有する差動機構と、各サイドギヤ
    とデフケースとの間に配置された差動制限用の摩擦クラ
    ッチと、ピニオンシャフトを挟んで配置され、互いの間
    でピニオンシャフトの係合孔を形成する一対のスペーサ
    と、各スペーサと係合して廻り止めをする廻り止め部材
    と、各スペーサとサイドギヤとの間に配置され、サイド
    ギヤを介して前記摩擦クラッチを押圧する一対の予圧ば
    ねとを備え、デフケースが一体に成形されていると共
    に、デフケースにピニオンシャフトの係合孔と部材組付
    け用の開口とが設けられており、前記の摩擦クラッチ、
    ピニオンギヤ、サイドギヤ、予圧ばね、スペーサがこの
    部材組付け用開口からデフケース内部に組付けられた
    後、ピニオンシャフトをデフケースの係合孔から各スペ
    ーサの係合孔に差し込むと、各スペーサが移動して各予
    圧ばねに設定荷重が与えられ、各摩擦クラッチにイニシ
    ャルトルクが生じることを特徴とするデファレンシャル
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、ピニオン
    シャフトに凸部が設けられ、ピニオンシャフトを自転さ
    せると、この凸部と各スペーサの係合孔との当たりによ
    って各スペーサの間隔が変化することにより、各予圧ば
    ねの設定荷重を調整可能にしたことを特徴とするデファ
    レンシャル装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発明であっ
    て、各スペーサをリング状にし、その内側に各サイドギ
    ヤ側の出力軸を突き当てるスラストブロックを配置する
    と共に、このスラストブロックにピニオンシャフトの係
    合孔を設けたことを特徴とするデファレンシャル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021240592A1 (ja) * 2020-05-25 2021-12-02 ジーケーエヌ オートモーティブ リミテッド デファレンシャル装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021240592A1 (ja) * 2020-05-25 2021-12-02 ジーケーエヌ オートモーティブ リミテッド デファレンシャル装置
US11879533B2 (en) 2020-05-25 2024-01-23 Gkn Automotive Limited Differential device

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