JPH1182537A - 冷却用油捕集機能を有する湿式多板クラッチ - Google Patents

冷却用油捕集機能を有する湿式多板クラッチ

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JPH1182537A
JPH1182537A JP25411897A JP25411897A JPH1182537A JP H1182537 A JPH1182537 A JP H1182537A JP 25411897 A JP25411897 A JP 25411897A JP 25411897 A JP25411897 A JP 25411897A JP H1182537 A JPH1182537 A JP H1182537A
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JP
Japan
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clutch
cylindrical holder
plate
pressure plate
washer
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JP25411897A
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Shihou Kan
志鵬 韓
Nagatomo Kitabayashi
永有 北林
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Dynax Corp
Original Assignee
Dynax Corp
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  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦係合部の冷却のために潤滑油の供給ポン
プが具えられていない湿式多板クラッチにおいて、クラ
ッチの回転自体を利用して摩擦係合部に潤滑油を供給
し、摩擦係合部を冷却できるようにすること。 【解決手段】 プレッシャープレート10は、切欠12
1が施された筒状ホルダ12内に配置されたばねSを介
して、開口部110を有する座金11及びボルト13に
よってクラッチハブ104に取付けられている。回転に
よって掻き揚げられたプレッシャープレート10外面の
潤滑油は、油捕集壁16によって座金11付近に捕集さ
れ、座金11の開口部110から筒状ホルダ12内に導
かれる。筒状ホルダ12内の潤滑油は、切欠121及び
クラッチハブ104に形成された油穴104aを通っ
て、多板クラッチ105に達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油を供給する
ためのポンプが具えられていない、比較的小型で簡単な
構造の、主として自動二輪車に使用される湿式多板クラ
ッチの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動二輪車の湿式多板クラッチ8
00を図10及び図11によって説明する。図10
(a)は、従来の湿式多板クラッチ800の正面図、図
10(b)は、図10(a)のb−b線縦断面図であ
る。この湿式多板クラッチ800のクラッチアウタ80
1は、ダンパ802とともにギヤ803に組み付けら
れ、エンジンのクランク軸ギヤ(図示せず。)により駆
動される。クラッチアウタ801の内部には、変速機の
入力軸に連結されたクラッチハブ804との間に、摩擦
係合部805が配置されている。この湿式多板クラッチ
805は、クラッチアウタ801にスプライン嵌合され
たクラッチディスク806と、クラッチハブ804にス
プライン嵌合されたクラッチプレート807が交互に配
設されてなる。
【0003】クラッチハブ804にはボルト83及び座
金81によって拘束されたばねSを介して、クラッチデ
ィスク806及びクラッチプレート807の方向に移動
可能にプレッシャープレート80が配置されている。ば
ねSの弾性力によって、プレッシャープレート80が多
板クラッチ805を押圧し、摩擦係合部805を構成す
るクラッチディスク806及びクラッチプレート807
がそれぞれ係合して、摩擦力によりトルクが伝達され
る。
【0004】図11は、図10の湿式多板クラッチ80
0を構成するプレッシャープレート80を示し、図11
(a)はこのプレッシャープレート80の正面図、図1
1(b)は、図11(a)のb−b線縦断面図、図11
(c)は図11(a)の背面図である。このプレッシャ
ープレート80の図11(a)に示す面には、面に対し
て直角に延びる筒状ホルダ82が形成されており、この
筒状ホルダ82内に、ばねSが配置される。このプレッ
シャープレート80は、図11(a)に示す面を内側
に、図11(b)に示す面を外側にして、クラッチハブ
804に取付けられる(図10(b)参照)。
【0005】以上に説明した従来の自動二輪車の湿式多
板クラッチ800では、スプリングSによる押し付け力
によって、クラッチディスク806とクラッチプレート
807を係合させ、摩擦力によってトルクが伝達され
る。一方、摩擦係合部805は、図示しないカムリン
ク、又は油圧機構を介して、運転者の握力によって、係
合状態から切り離されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の自
動二輪車の湿式多板クラッチ800では、摩擦係合部8
05に外部から潤滑油を供給するための特別なポンプ等
は具えられていない。図10に、エンジン停止時の油面
とエンジン回転中の油面を示す。エンジン停止時には、
クラッチ800の下部が潤滑油に浸っているので摩擦係
合部805に潤滑油が自然に浸入するが、エンジン回転
中には、回転部品による掻き揚げにより、クラッチの下
端面よりも油面が低下して、摩擦係合部805には潤滑
油が殆ど供給されなくなる。しかも、遠心力によって、
潤滑油はクラッチ800内部から排出される傾向にな
る。ハウジング(図示せず。)内部では、潤滑油は飛沫
になって飛散しているが、これがクラッチ800の周囲
から摩擦係合部805に迄達する確率は低い。従って、
この湿式多板クラッチ800は、回転が進むにつれてク
ラッチ800内部の潤滑油が減少して、十分に冷却効果
を奏することができなくなる。冷却効果が不十分である
と、摩擦熱によって摩擦面が破壊され、動力が伝達でき
ない状態となる。従って、摩擦熱は効果的に放熱されな
ければならないが、その為には、回転部品の厚さ、径、
枚数等を大きくする必要があり、その結果、装置が大型
化するという問題がある。
【0007】また、この湿式多板クラッチ800は、上
述したように、運転者の握力によって摩擦係合を切り離
す構造である。しかし、運転者の握力による操作には限
界があるので、伝達トルクを大きくする必要がある場合
は、摩擦係合部805を大径とし、クラッチディスク8
06とクラッチプレート807の枚数を多くすることに
よって対応することになるが、クラッチディスク806
とクラッチプレート807の枚数を多くした場合には摩
擦面の隙間が小さくなるので、摩擦面間に介在する潤滑
油によるクラッチディスク806及びクラッチプレート
807の連れ廻りが発生し、摩擦係合部805の切り離
れが悪くなるという問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のクラッ
チディスクとクラッチプレートが交互に配置されてなる
摩擦係合部と、前記クラッチディスクとクラッチプレー
トを軸方向に押し付けるプレッシャープレートとを有
し、前記プレッシャープレートが筒状ホルダを具え、該
筒状ホルダ内にばねが配され該ばねの端部が座金及びボ
ルトによって拘束されることにより、前記クラッチプレ
ートを支持するクラッチハブと前記プレッシャープレー
トが連結される湿式多板クラッチにおいて、前記プレッ
シャープレートの外面に前記筒状ホルダに潤滑油を導く
油捕集壁が形成され、前記座金は前記プレッシャープレ
ートの外面と前記筒状ホルダ内部とを連通させる開口部
を有し、前記筒状ホルダ内部と前記摩擦係合部を連通さ
せる流路が前記筒状ホルダと前記クラッチハブに形成さ
れていることを特徴とする湿式多板クラッチによって、
前記の課題を解決した。
【0009】油捕集壁は、筒状ホルダ開口部の接線方向
外側に延びる油捕集部とその油捕集部から反対方向に筒
状ホルダ開口部の接線方向に沿って延びる中心壁部とか
らなるものが好適である。
【0010】筒状ホルダ内部と摩擦係合部を連通させる
流路としては、筒状ホルダ底部に切欠を施したり、筒状
ホルダの側壁に油通過孔を形成するとよい。
【0011】なお、請求項5のように、座金に軸方向断
面形状が凹凸となる段部が形成され、プレッシャープレ
ートが摩擦係合部の押し付けを解放したとき座金の開口
部が閉じられるようになっていると、クラッチ空転時の
クラッチの切り離れがよい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1実施形態の湿
式多板クラッチ100を構成するプレッシャープレート
10を示し、図1(a)はこのプレッシャープレート1
0の正面図、図1(b)は、図1(a)のb−b線縦断
面図、図1(c)は図1(a)の背面図である。このプ
レッシャープレート10は図1(a)に示す面を内側
に、図1(c)に示す面を外側にして、開口部14を介
して湿式多板クラッチ100に取付けられるので、図1
(a)に示す面を内面、図1(c)に示す面を外面と呼
ぶこととする。
【0013】プレッシャープレート10の内面には、従
来のプレッシャープレートと同様に、筒状ホルダ12が
形成されている。この筒状ホルダ12の底部には、切欠
121が形成されている。プレッシャープレート10の
外面には、筒状ホルダ12の開口部14に対してその接
線方向外側に延びる油捕集部16aと、この油捕集部1
6aから反対方向に開口部14の接線方向に延び全体と
してプレッシャープレート10と同心となるように形成
された星型形状の中心壁部16bとからなる油捕集壁1
6が形成されている。1つの中心壁部16bは、隣の筒
状ホルダ12の油捕集部16aとも、つながっている。
【0014】図2は図1のプレッシャープレート10を
取付けた本発明の第1実施形態の自動二輪車の湿式多板
クラッチ100を示し、図2(a)はこの湿式多板クラ
ッチ100の正面図であり、図2(b)は、図2(a)
のb−b線縦断面図である。この湿式多板クラッチ10
0の動作については、従来のものと同様であるので説明
を省略する。
【0015】この湿式多板クラッチ100のプレッシャ
ープレート10は、筒状ホルダ12内に取付けられたば
ねSを介して、座金11及びボルト13によって、クラ
ッチハブ104と連結されている。座金11には、筒状
ホルダ12内部に通じる開口部110が設けられてい
る。クラッチハブ104等の回転によって掻き揚げられ
たプレッシャープレート10の外面周辺を流れる潤滑油
は、プレッシャープレート10に設けられた油捕集用壁
16によって捕集され、座金11に形成された開口部1
10を通って筒状ホルダ12の内部に導かれる。油の流
れは図2(a)に太い矢印で示したとおりである。筒状
ホルダ12内部に導かれた潤滑油は、筒状ホルダ12に
形成された切欠121からクラッチハブ104の内周面
に流出し、さらに、クラッチハブ104に形成された流
路である油穴104aによって摩擦係合部105へと導
かれる。
【0016】次に、図3は本発明の第2実施形態の湿式
多板クラッチ200を構成するプレッシャープレート2
0を示し、図3(a)はこのプレッシャープレート20
の正面図、図3(b)は、図3(a)のb−b線縦断面
図、図3(c)は図3(a)の背面図である。このプレ
ッシャープレート20は図3(a)に示す面を内側に、
図3(c)に示す面を外側にして、開口部24を介して
湿式多板クラッチに取付けられるので、図3(a)に示
す面を内面、図3(c)に示す面を外面と呼ぶこととす
る。
【0017】プレッシャープレート20の内面には、従
来のプレッシャープレートと同様に、筒状ホルダ22が
形成されている。この筒状ホルダ22の側壁には、径方
向に複数の油通過孔221が形成されている。プレッシ
ャープレート20の外面には、筒状ホルダ22の開口部
24に対してその接線方向外側に延びる油捕集部26a
と、この油捕集部26aから反対方向に開口部24の接
線方向に延び全体としてプレッシャープレート20と同
心となるように形成された星型形状の中心壁部26bと
からなる油捕集壁26が形成されている。
【0018】図4は図3のプレッシャープレート20を
取付けた本発明の第2実施形態の自動二輪車の湿式多板
クラッチ200を示し、図4(a)は、湿式多板クラッ
チ200の正面図、図4(b)は図4(a)のb−b線
縦断面図である。この湿式多板クラッチ200の動作に
ついても、従来のものと同様であるので説明を省略す
る。
【0019】この湿式多板クラッチ200のプレッシャ
ープレート20は、筒状ホルダ22内のばねSを介して
座金21及びボルト23によってクラッチハブ104と
連結されている。座金21には、筒状ホルダ22内部に
通じる開口部210が設けられている。クラッチハブ1
04等の回転によって掻き揚げられたプレッシャープレ
ート20の外側面周辺を流れる潤滑油は、プレッシャー
プレート20に設けられた油捕集壁26によって捕集さ
れ、座金21に形成された開口部210を通って筒状ホ
ルダ22の内部に導かれる。筒状ホルダ22内部に導か
れた潤滑油は、筒状ホルダ22の側壁に形成された油通
過孔221からクラッチハブ104の内周面に流出し、
さらに、クラッチハブ104に形成された油穴104a
によって摩擦係合部105へと導かれる。
【0020】次に、図5に本発明の第3実施形態の自動
二輪車の湿式多板クラッチ300を示し、図5(a)は
湿式多板クラッチ300の正面図、図5(b)は図5
(a)のb−b線縦断面図である。また、図5(c)は
この湿式多板クラッチ300に使用される座金31の正
面図、図5(d)は図5(c)のd−d線の縦断面図で
ある。この実施形態で使用されるプレッシャープレート
は、本発明の第2実施形態で使用されるプレッシャープ
レート20と同様のものであり、また、この湿式多板ク
ラッチ300の動作についても、従来のものと同様であ
るので、これらの説明は省略する。
【0021】この実施形態で使用される座金31には、
図5(c)及び図5(d)に示すように、軸方向断面形
状が凹凸となるように段部31aが形成されている。こ
の湿式多板クラッチ300のプレッシャープレート20
は、筒状ホルダ22内のばねSを拘束する座金31及び
ボルト33によって、クラッチハブ104に連結されて
いる。クラッチの回転によって掻き揚げられてプレッシ
ャープレート20の外側面周辺を流れる潤滑油は、プレ
ッシャープレート20に設けられた油捕集壁26によっ
て捕集され、座金31に形成された凹凸とプレッシャー
プレート20との間に形成される開口部310を通って
筒状ホルダ22の内部に導かれる。筒状ホルダ22内部
に導かれた潤滑油は、筒状ホルダ22の側壁に形成され
た油通過孔221からクラッチハブ104の内周面に流
出し、さらに、ハブ104に形成された油穴104aに
よって摩擦係合部105へと導かれる。
【0022】図6は、摩擦係合部105の係合時及び空
転時のプレッシャープレート20と座金31の位置関係
を示し、図6(a)は係合時、図6(b)は空転時であ
る。この実施形態では、プレッシャープレート20が摩
擦係合部105を係合させている状態では、座金31は
プレッシャープレート20の端面よりも突出した位置に
あるので、プレッシャープレート20と座金31の間に
は開口部310が形成されるが(図6(a)参照)、プ
レッシャープレート20が摩擦係合部105を切り離し
ている状態、すなわち、クラッチが空転している状態で
は、前記開口部310は閉じられ(図6(b)参照)、
筒状ホルダ22内へ潤滑油は取り込まれないようになっ
ている。
【0023】摩擦係合部105の空転中に潤滑油が取り
込まれると、クラッチの連れ廻りが起き、クラッチの切
り離れが悪くなるが、この実施形態では、クラッチの空
転中には潤滑油の供給が行なわれないので、連れ廻りの
発生が防止され、クラッチ切り離れの悪さを改善するこ
とができる。
【0024】次に、図7(a)乃至図7(e)は、本発
明の湿式多板クラッチに使用される座金の他の実施形態
を示している。これらの座金には、いずれも開口部があ
り、油捕集壁によって捕集された油をプレッシャープレ
ートの筒状ホルダ内に導くことができる。なお、これら
の座金は、前述の第1実施形態乃至第3実施形態の湿式
多板クラッチにおいて、適宜選択・使用される。
【0025】次に、図8は、クラッチの使用回数と伝達
トルクの関係を示し、図中のaは従来のクラッチ80
0、bは本発明の第1実施形態のクラッチ100、cは
本発明の第2実施形態のクラッチ200、dは本発明の
第3実施形態のクラッチ300について、それぞれ示し
ている。aに示される従来のクラッチ800では、クラ
ッチの係合(使用)回数が増加するに従って伝達トルク
が低下、すなわち、性能が低下するが、b乃至dに示さ
れる本発明のクラッチではクラッチの係合(使用)回数
が増加しても、性能が低下する割合が小さいことが分か
る。従って、本発明の湿式多板クラッチでは、プレッシ
ャープレートの外面を流れる潤滑油が摩擦係合部に供給
されて摩擦面の冷却が行なわれるので、摩擦係合部の摩
擦材の寿命が延びることを示している。
【0026】最後に、図9は、多板クラッチの空転状態
におけるクラッチ回転数と連れ廻りトルクの関係を示
し、aは従来のクラッチ800、bは本発明の第1実施
形態のクラッチ100、cは本発明の第2実施形態のク
ラッチ200、dは本発明の第3実施形態のクラッチ3
00の場合である。多板クラッチ空転中の切り離れ悪さ
はクラッチの連れ廻りによって発生し、この連れ廻り
は、クラッチの空転中に摩擦係合部へ潤滑油が供給され
ることが原因で発生する。
【0027】図9によると、aで示される摩擦係合部へ
の潤滑油の供給が不十分な従来のクラッチの連れ廻りト
ルクが最も低く、切り離れの良いことを示す。b及びc
で示される本発明の第1実施形態及び第2実施形態のク
ラッチでは、プレッシャープレートの外周面を流れる潤
滑油を捕集して、常に摩擦係合部へ導く構造であるの
で、空転時に発生する連れ廻りトルクは大きくなるが、
dで示される本発明の第3実施形態のクラッチでは、段
部が形成された座金によって、クラッチ空転時には摩擦
係合部への潤滑油の供給を停止することができるので、
空転時の連れ廻りトルクは従来のものとほぼ同程度の水
準となり、空転時のクラッチの切り離れが良いことが分
かる。
【0028】なお、本発明の湿式多板クラッチは、当
然、片貼り式と両貼り式のいずれの湿式多板クラッチに
も応用することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の湿式多板クラッチでは、プレッ
シャープレートに形成された油捕集壁によってプレッシ
ャープレートの外面を流れる潤滑油を捕集し、捕集され
た潤滑油を摩擦係合部に供給できるようにしたから、ポ
ンプ等の格別の部材を設けることなく、クラッチの回転
それ自体を利用して摩擦係合部の冷却を行なうことがで
きるという顕著な効果を奏する。
【0030】また、段部が形成された座金を使用して、
クラッチの空転時には潤滑油の供給を停止する構成とす
れば、空転時の連れ廻りを少なくし、クラッチの切り離
れを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の湿式多板クラッチに
おけるプレッシャープレートを示し、図1(a)は正面
図、図1(b)は図1(a)のb−b線縦断面図、図1
(c)は図1(a)の背面図。
【図2】 図1のプレッシャープレートを使用した本発
明の第1実施形態の湿式多板クラッチを示し、図2
(a)は湿式多板クラッチの正面図、図2(b)は図2
(a)のb−b線縦断面図。
【図3】 本発明の第2実施形態の湿式多板クラッチに
おけるプレッシャープレートを示し、図2(a)は正面
図、図2(b)は図2(a)のb−b線縦断面図、図2
(c)は図2(a)の背面図。
【図4】 図3のプレッシャープレートを使用した本発
明の第2実施形態の湿式多板クラッチを示し、図4
(a)は正面図、図4(b)は図4(a)のb−b線縦
断面図。
【図5】 本発明の湿式多板クラッチの第3実施形態を
示し、図5(a)は正面図、図5(b)は図5(a)の
b−b線縦断面図、図5(c)はこの湿式多板クラッチ
に使用される座金の正面図、図5(d)は図5(c)の
d−d線縦断面図。
【図6】 図5の湿式多板クラッチのプレッシャープレ
ートと座金の位置関係を示す図で、図6(a)はクラッ
チの係合時、図6(b)はクラッチの空転時の状態であ
る。
【図7】 本発明の湿式多板クラッチに使用される座金
の異なる実施形態の平面図。
【図8】 クラッチの係合回数と伝達トルクの関係図。
【図9】 クラッチ空転中のクラッチ回転数と連れ廻り
トルクの関係図。
【図10】 従来の湿式多板クラッチを示し、図9
(a)は正面図、図9(b)は図9(a)のb−b線縦
断面図。
【図11】従来の湿式多板クラッチに使用されるプレッ
シャープレートを示し、図10(a)は正面図、図10
(b)は図10(a)のb−b線縦断面図、図10
(c)は図10(a)の背面図。
【符号の説明】
10,20:プレッシャープレート 12,24:筒状ホルダ 14,24:筒状ホルダ開口部 16,26:油捕集壁 16a,26a:油捕集部 16b,26b:中心壁部 11,21,31:座金 S:ばね 100,200,300:湿式多板クラッチ 104:クラッチハブ 104a:油穴(流路) 105:摩擦係合部 110,210,310:座金開口部 121:切欠 221:油通過孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のクラッチディスクとクラッチプレ
    ートが交互に配置されてなる摩擦係合部と、前記クラッ
    チディスクとクラッチプレートを軸方向に押し付けるプ
    レッシャープレートとを有し、前記プレッシャープレー
    トが筒状ホルダを具え、該筒状ホルダ内にばねが配され
    該ばねの端部が座金及びボルトによって拘束されること
    により、前記クラッチプレートを支持するクラッチハブ
    と前記プレッシャープレートが連結される湿式多板クラ
    ッチにおいて、 前記プレッシャープレートの外面に前記筒状ホルダに潤
    滑油を導く油捕集壁が形成され、 前記座金は前記プレッシャープレートの外面と前記筒状
    ホルダ内部とを連通させる開口部を有し、 前記筒状ホルダ内部と前記摩擦係合部を連通させる流路
    が前記筒状ホルダと前記クラッチハブに形成されている
    ことを特徴とする、 湿式多板クラッチ。
  2. 【請求項2】 前記油捕集壁が前記筒状ホルダ開口部の
    接線方向外側に延びる油捕集部と該油捕集部から反対方
    向に前記筒状ホルダ開口部の接線方向に沿って延びる中
    心壁部とからなる、請求項1の湿式多板クラッチ。
  3. 【請求項3】 前記筒状ホルダ内部と前記摩擦係合部を
    連通させる流路として、前記筒状ホルダ底部に切欠が形
    成されている、請求項1の湿式多板クラッチ。
  4. 【請求項4】 前記筒状ホルダ内部と前記摩擦係合部を
    連通させる流路として、前記筒状ホルダの側壁に油通過
    孔が形成されている、請求項1の湿式多板クラッチ。
  5. 【請求項5】 前記座金に軸方向断面形状が凹凸となる
    段部が形成され、前記プレッシャープレートが前記摩擦
    係合部の押し付けを解放したとき前記座金の開口部が閉
    じられるようになっている、請求項1乃至4のいずれか
    の湿式多板クラッチ。
JP25411897A 1997-09-04 1997-09-04 冷却用油捕集機能を有する湿式多板クラッチ Withdrawn JPH1182537A (ja)

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