JPH1180943A - マグネトロンスパッタカソード - Google Patents

マグネトロンスパッタカソード

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JPH1180943A
JPH1180943A JP23638197A JP23638197A JPH1180943A JP H1180943 A JPH1180943 A JP H1180943A JP 23638197 A JP23638197 A JP 23638197A JP 23638197 A JP23638197 A JP 23638197A JP H1180943 A JPH1180943 A JP H1180943A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短いT/S距離でも膜厚分布の経時変化が起
こっても、常に良好な膜厚均一性を得るとともに保持で
き、成膜速度や材料利用率が向上できるマグネトロンス
パッタカソードを提供する。 【解決手段】 一部または全部がターゲットの裏側にあ
る主磁気回路30と、主磁気回路とはつながっておらず
ターゲット表面より基板側にある補助磁気回路40,5
0とからなり、ターゲット上での磁場の磁力線が、プラ
ズマの陰極シース上で少なくとも2ヵ所以上の包含関係
を持たない磁気トンネルを構成するように主磁気回路3
0および補助磁気回路40,50を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク、電子
部品等の基板上に薄膜を形成するマグネトロンスパッタ
リング装置に用いられるマグネトロンスパッタカソード
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年では、光ディスクや電子部品などの
基板上に薄膜を堆積させる場合、その技術としてマグネ
トロンスパッタ技術を利用したマグネトロンスパッタリ
ング装置が広く用いられている。このマグネトロンスパ
ッタ技術は、低温でかつ高速なスパッタが可能であり、
現在のスパッタリング技術を用いる成膜装置での主流に
なっている。
【0003】マグネトロンスパッタ技術は、放電により
ターゲット付近にプラズマを発生させ、このプラズマ中
のイオンをターゲットに衝突させることによってターゲ
ットの構成粒子をスパッタさせ、スパッタした粒子を基
板上に付着させる方法により、その基板上に薄膜を形成
する。
【0004】以下、マグネトロンスパッタ技術を用いた
従来のマグネトロンスパッタリング装置のカソード部に
ついて説明する。図7は平板ターゲットを用いた従来の
マグネトロンスパッタリング装置のカソード部の構成を
示す断面図である。図7において、1は中心軸であり、
カソード部はこの中心軸1に対して回転対称な形をして
いる。2は平板状のターゲット、3はターゲット2の裏
面に配置された磁気回路、4は磁気回路3により形成さ
れる磁場で発生する磁力線である。磁気回路3は、その
磁場により発生した磁力線4が、ターゲット2の表面上
に発生するプラズマ5の陰極シース上で、中心6を有す
る磁気トンネルを形成するように、構成が工夫されてい
る。
【0005】上記のように構成されたカソード部を、そ
のターゲット2の表面が薄膜形成対象である基板11に
対向するようにして、その基板11とともに真空処理室
(図示せず)内に設置し、スパッタガス導入後、ターゲ
ット2へグロー放電用の高圧電源により電力を供給する
と、中心6を有する磁気トンネル内に閉じこめられたス
パッタ用の高密度なプラズマ5が発生する。
【0006】このプラズマ5中のイオンが、陰極シース
で加速されターゲット2の表面にぶつかると、ターゲッ
ト2からその構成原子がスパッタされ、その原子が基板
11のターゲット2と対向する側の表面に付着して薄膜
が形成される。
【0007】通常、磁場によって閉じこめられた高密度
なプラズマ5のプラズマ密度(電子密度またはイオン密
度)は、ターゲット2上で一様ではなく、ターゲット2
表面上の磁場によって決まるプラズマ密度分布を持って
いる。例えば図7においては、磁気トンネルの中心6の
付近のプラズマ密度が特に大きい。
【0008】一方、ターゲット2のある点からスパッタ
される原子の数は、その点に入射するイオンの数に比例
するため、その点の直上のプラズマ密度に比例すること
になる。このため、ターゲット2は、その浸食もプラズ
マ密度に比例し、一様でない形状を持つ。これをエロー
ジョン形状とよび、図7に示すように、プラズマ密度が
特に大きくなる磁気トンネルの中心6付近のターゲット
2に、エロージョン7が存在する。
【0009】基板11上に堆積する薄膜の膜厚分布は、
ターゲット2上の各点からスパッタされた原子の重ね合
わせで決まるため、結果的に、膜厚分布もプラズマ密度
分布によって決まることになる。
【0010】さて、産業上のマグネトロンスパッタ技術
では、図7において、ターゲット2と基板11との間の
距離(以下、T/S距離)を近づけることによって、タ
ーゲット2からスパッタされた原子からなる粒子が基板
11以外の場所へ付着しないようにすることが、成膜速
度や材料利用率(基板上の薄膜となったターゲット材料
と使用前のターゲットの重量比)を向上させる上で望ま
しい。また、基板11以外の場所へ付着してダストとな
る粒子を低減する上でも、T/S距離を近づけることが
望ましい。
【0011】しかしながら、カソード部が図7に示すよ
うな構成の場合には、T/S距離を短くした状態で、膜
厚均一性を確保できるようなプラズマ密度分布を実現す
ることはできないという問題があった。
【0012】この問題を解決すべく種々の努力がなされ
てきたが、なかでも特公平3−6990号公報や特開平
5−209267号公報に記載されたもので代表される
ように、ターゲット裏面で永久磁石を回転させる方式が
一般的である。これらの方式では、ターゲット表面上の
時間平均的なプラズマ密度分布がエロージョン形状と膜
厚分布を決定している。これらの方式は、比較的容易
に、短いT/S距離で良好な膜厚均一性を得ることがで
きるような時間平均的なプラズマ密度分布を実現するこ
とができる。
【0013】このような方式を実現するため、ターゲッ
ト裏面で回転させる永久磁石の形状として多くの提案が
なされている。実際のエロージョン形状は、特公平3−
6990号公報における図1や特開平5−209267
号公報における図4に示されており、回転させる永久磁
石の形状は、特公平3−6990号公報における図1や
特開平5−209267号公報における図2および図3
に示されている。
【0014】しかしながら、それらの方式でも、回転部
分を持つため構造が複雑であるという問題点を持ってい
る。さらに、T/S距離が短くなると、ターゲットの浸
食が膜厚分布の変化に及ぼす影響が大きくなるが、これ
ら方式では、この経時変化を補正する機構を付加するの
が困難で、さらにT/S距離を短くすると良好な膜厚分
布を維持できないという問題点も持っている。
【0015】また特開平6−340972号公報に記載
されたものに代表されるように、多重磁石を用いる方法
も提案されており、電磁石などを用いて経時変化にも対
応できるよう工夫されている。しかし、これらの方式
は、磁極の直上のプラズマ密度をコントロールすること
が困難で、実現できるプラズマ密度分布に制限が存在す
る。そのため、ある程度の短いT/S距離でしか良好な
膜厚分布を得ることができないという問題点や、複数の
電磁石を用いるなど構造が複雑になるという問題点を持
っている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のマ
グネトロンスパッタ技術では、T/S距離を短くした状
態で良好な膜厚均一性を得るためのプラズマ密度分布を
実現できなかったり、実現できたとしても構造が複雑で
あるという問題点を有していた。
【0017】また、膜厚分布の経時変化に対応できず、
T/S距離をさらに近づけると良好な均一性を維持でき
ないという問題点をも有していた。本発明は、上記従来
の問題点を解決するもので、簡単な構造で、短いT/S
距離でも、また膜厚分布の経時変化が起こっても、常に
良好な膜厚均一性を得るとともに保持することができ、
成膜速度や材料利用率を向上することができるマグネト
ロンスパッタカソードを提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明のマグネトロンスパッタカソードは、スパ
ッタリングにより薄膜を良好な状態に形成するために、
その薄膜形成の際に適正なプラズマ密度分布を可能とす
ることを特徴とする。
【0019】また、磁気トンネルを形成する磁場の垂直
成分を低減し、磁気トンネルに閉じこめられる高密度プ
ラズマの径方向の幅を広げることを特徴とする。さら
に、ターゲットの浸食により膜厚分布の経時変化が起こ
っても、プラズマ密度分布が常に良好となるように調整
することを特徴とする。
【0020】以上により、簡単な構造で、短いT/S距
離でも、また膜厚分布の経時変化が起こっても、常に良
好な膜厚均一性を得るとともに保持することができ、成
膜速度や材料利用率を向上することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載のマグネ
トロンスパッタカソードは、マグネトロンスパッタ技術
を利用してターゲットからスパッタさせた原子を前記タ
ーゲットと対向する基板上に付着させ、前記基板上に薄
膜を形成するマグネトロンスパッタリング装置におい
て、前記薄膜を構成する原子の前記ターゲットからのス
パッタを発生させるためのマグネトロンスパッタカソー
ドであって、前記ターゲットの基板側に対してその裏側
に一部または全部が配置され、前記ターゲット上に磁場
を発生する主磁気回路と、前記主磁気回路とは分離され
て前記ターゲットの基板側に配置され、前記主磁気回路
とは別の磁場を発生する補助磁気回路とを備え、前記主
磁気回路および補助磁気回路を、それらの各磁場により
発生する前記ターゲット上の磁力線が、前記ターゲット
上に発生するプラズマの陰極シース上で、互いに包含関
係を持たない少なくとも2ヵ所以上の磁気トンネルを形
成するように構成する。
【0022】この構成によると、スパッタリングにより
薄膜を良好な状態に形成するために、その薄膜形成の際
に適正なプラズマ密度分布を可能とする。請求項2に記
載のマグネトロンスパッタカソードは、請求項1記載の
ターゲットをリング状でかつ平板状に構成し、主磁気回
路を、前記ターゲットの表面と同じ位置に磁極を有しそ
の内周側と外周側とで極性が異なるように構成し、補助
磁気回路を、前記ターゲットより基板側に少なくとも1
つ設けられ、前記ターゲットの径方向に磁化されかつそ
の内側の極性が前記主磁気回路の内周側磁極の極性と同
じになるように構成する。
【0023】この構成によると、磁気トンネルを形成す
る磁場の垂直成分を低減し、磁気トンネルに閉じこめら
れる高密度プラズマの径方向の幅を広げる。請求項3に
記載のマグネトロンスパッタカソードは、請求項1また
は請求項2記載の主磁気回路を、電磁石構造とし、その
電磁石に流す電流の大きさを調整して発生する磁場を制
御するように構成する。
【0024】この構成によると、ターゲットの浸食によ
って膜厚分布の経時変化が起こっても、プラズマ密度分
布が常に良好となるように調整する。以下、本発明の実
施の形態を示すマグネトロンスパッタカソードについ
て、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0025】図1は本実施の形態のマグネトロンスパッ
タカソードの構成を示す断面図である。ここで説明する
カソード部の構造は中心軸1に対して回転対称であり、
真空チャンバ8はA1(アルミニウム)など非磁性の物
質で構成されている。また、他の構成要素として、排気
機構やスパッタガスのガス導入機構などを持つが、それ
らの図示は省略した。
【0026】ターゲット2は、内径20mm,外形17
8mm,厚さ6mmのリング状をしたA1(純度99.
99%)であり、内径20mm,外形194mm,厚さ
8mmの銅のプレート9にボンディングされている。こ
のプレート9は冷却ジャケット10に固定されており、
冷却ジャケット10に水を流すことでターゲット2を冷
却している。なお、水の導入排出手段は図では省略して
いる。また、水冷式の冷却ジャケット10には、ターゲ
ット2にDCまたはRFの電力を印加するための端子が
ついているが図では省略している。DCまたはRFの電
力を印可するための電源も図では省略してある。
【0027】本実施の形態のマグネトロンスパッタカソ
ードにより薄膜が形成される薄膜形成対象である基板1
1は、光ディスクの基板のように、内径40mm,外径
120mmの成膜範囲をもつリング状の基板である。こ
の基板11は、その中心軸がターゲット2の中心軸1と
一致するとともに、その表面がターゲット2と対向する
ように、T/S距離20mmで設置されている。
【0028】主磁気回路30は、銅のパイプを90回巻
いた電磁石コイル32と、S10C相当の鉄でできたヨ
ーク31とから成り立っている。電磁石コイル32を形
成する銅のパイプには冷却用の水を流しているが、水の
導入排出手段は図では省略している。また、電磁石コイ
ル32には90A程度の直流電流を流すが、その導入端
子及び電源も図では省略している。
【0029】ヨーク31は、電力の印加される部分から
テフロンでできた絶縁リング21,22で絶縁されてい
る。ヨーク31は真空チャンバ内では、アースシールド
の役目も担っており、電力の印加される部分との間で放
電が起こらない距離に保ってある。なお、本実施の形態
では2mmに保ってある。
【0030】補助磁気回路40は、残留磁束密度13k
ガウス,保持力12kエルステッド,内径50mm,外
径60mm,厚さ6mmの永久磁石41と、その内側の
内径40mm,外径50mm,厚さ6mmのS10C相
当のヨーク42とからなり、ターゲット2の表面より2
5mmの位置にある。永久磁石41は、径方向に磁化さ
れており、内側の極性が主磁気回路30の内周の極性と
同じになるようにしている。
【0031】また、補助磁気回路50は、残留磁束密度
13kガウス,保持力12kエルステッド,内径105
mm,外径115mm,厚さ6mmの永久磁石51と、
その内側の内径85mm,外径105mm,厚さ6mm
のS10C相当のヨーク52とからなり、ターゲット2
の表面より30mmの位置にある。永久磁石51は、径
方向に磁化されており、内側の極性が主磁気回路30の
内周の極性と同じになるようにしている。
【0032】主磁気回路30,補助磁気回路40,補助
磁気回路50を以上のように構成することによって、タ
ーゲット2上での磁場により発生する磁力線が、プラズ
マの陰極シース上で少なくとも2ヵ所以上の包含関係を
持たない磁気トンネルを構成するように調整することが
できた。
【0033】図2は図1に示す実施の形態におけるター
ゲット上の磁力線を、コンピュータシミュレーションに
よって描いたものである。磁力線は中心軸1を通る平面
上で描いてある。ただし、磁力線は中心軸に対し対称に
形成されるので片側は図示を省略する。図2において、
ターゲットから3mmの位置にあるシース位置A−A’
上で、点Bと点Cを中心とした2つの磁気トンネルが存
在する。
【0034】図3は図2に示すシース位置A−A’上で
の磁場の垂直成分の実測値である。図3において、垂直
成分が0である点が3点存在し、2つの磁気トンネルの
存在を示している。
【0035】以上のように構成されたカソード部は、マ
グネトロンスパッタリング装置内で以下のように動作す
る。ガス導入機構から真空チャンバ8内にスパッタガス
Arを導入すると同時に、排気機構で排気する。このと
き、真空チャンバ8内の圧力は5mTorrに保たれ
る。この状態でDCまたはRF電力を投入すると、磁力
線に閉じこめられたスパッタ用の高密度プラズマが発生
する。このプラズマ中のイオンが、陰極シースで加速さ
れターゲット2の表面にぶつかると、ターゲット2を構
成する原子がスパッタされ、その原子が基板11のター
ゲット2に対向する側の表面に付着して薄膜が形成され
る。
【0036】図4は図1に示す電磁石コイル32の電流
が90Aの時のプラズマ密度分布の実測値(図4
(a))と膜厚分布の実測値(図4(b))を示してい
る。それぞれ中心軸を含む断面で描いており、片側は図
示を省略している。
【0037】図4から見られるように、膜厚の分布は5
%以内で均一に分布していることがわかる。このとき、
成膜速度は400オングストローム/秒であり、材料利
用率は15%であった。一方、従来では、T/S距離お
よそ40mmで5%以内の均一性を確保していた。この
とき、成膜速度はおよそ200オングストローム/秒で
あり、材料利用率はおよそ10%であったので、それぞ
れ大幅に改善されている。
【0038】また、図5および図6には、それぞれ図1
に示す電磁石コイル32の電流が80Aおよび100A
の時のプラズマ密度分布の実測値(図5(a)および図
6(a))と膜厚分布の実測値(図5(b)および図6
(b))を示している。これら図5および図6より、電
磁石コイル32の電流を制御することによって、プラズ
マ密度分布を制御できることがわかる。また、それによ
って膜厚の分布をも制御できることがわかる。この機能
を使って本発明のカソードでは、ターゲットの浸食によ
る膜厚分布の経時変化にあわせて、プラズマ密度分布を
制御することで、ターゲット寿命まで良好な膜厚分布を
維持することができる。
【0039】なお、膜厚分布の経時変化は、ターゲット
の材質や成膜条件による。例えば、浸食が進むにつれて
膜厚の内周部が薄くなる場合は、電磁石コイル32の電
流を減らし、図4(a)における内側のプラズマピーク
Plのプラズマ密度を増せばよい。また、浸食が進むに
つれて膜厚の外周部が薄くなる場合は、電磁石コイル3
2の電流を増やし、図4(a)における外側のプラズマ
ピークP2のプラズマ密度を増せばよい。
【0040】以上により、簡単な構造で、短いT/S距
離でも、また膜厚分布の経時変化が起こっても、常に良
好な膜厚均一性を得るとともに保持することができ、成
膜速度や材料利用率を向上することができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、スパッタ
リングにより薄膜を良好な状態に形成するために、その
薄膜形成の際に適正なプラズマ密度分布を得ることがで
きる。
【0042】また、磁気トンネルを形成する磁場の垂直
成分を低減し、磁気トンネルに閉じこめられる高密度プ
ラズマの径方向の幅を広げることができる。また、ター
ゲットの浸食により膜厚分布の経時変化が起こっても、
プラズマ密度分布が常に良好となるように調整すること
ができる。
【0043】以上のため、簡単な構造で、短いT/S距
離でも、また膜厚分布の経時変化が起こっても、常に良
好な膜厚均一性を得るとともに保持することができ、成
膜速度や材料利用率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のマグネトロンスパッタカ
ソードの構成を示す断面図
【図2】同実施の形態における磁力線の分布状態説明図
【図3】同実施の形態における磁場の垂直成分の状態説
明図
【図4】同実施の形態の電磁石電流90A時におけるプ
ラズマ密度分布と膜厚分布の説明図
【図5】同実施の形態の電磁石電流80A時におけるプ
ラズマ密度分布と膜厚分布の説明図
【図6】同実施の形態の電磁石電流100A時における
プラズマ密度分布と膜厚分布の説明図
【図7】従来のマグネトロンスパッタリング装置におけ
るカソード部の構成図
【符号の説明】
1 中心軸 2 ターゲット 3 磁気回路 4 磁力線 5 プラズマ 6 磁気トンネルの中心 7 エロージョン 8 真空チャンバ 9 プレート 10 冷却ジャケット 11 基板 21,22 絶縁リング 30 主磁気回路 31 ヨーク 32 電磁石コイル 40 補助磁気回路 41 磁石 42 ヨーク 50 補助磁気回路 51 磁石 52 ヨーク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネトロンスパッタ技術を利用してタ
    ーゲットからスパッタさせた原子を前記ターゲットと対
    向する基板上に付着させ、前記基板上に薄膜を形成する
    マグネトロンスパッタリング装置において、前記薄膜を
    構成する原子の前記ターゲットからのスパッタを発生さ
    せるためのマグネトロンスパッタカソードであって、前
    記ターゲットの基板側に対してその裏側に一部または全
    部が配置され、前記ターゲット上に磁場を発生する主磁
    気回路と、前記主磁気回路とは分離されて前記ターゲッ
    トの基板側に配置され、前記主磁気回路とは別の磁場を
    発生する補助磁気回路とを備え、前記主磁気回路および
    補助磁気回路を、それらの各磁場により発生する前記タ
    ーゲット上の磁力線が、前記ターゲット上に発生するプ
    ラズマの陰極シース上で、互いに包含関係を持たない少
    なくとも2ヵ所以上の磁気トンネルを形成するように構
    成したマグネトロンスパッタカソード。
  2. 【請求項2】 ターゲットをリング状でかつ平板状に構
    成し、主磁気回路を、前記ターゲットの表面と同じ位置
    に磁極を有しその内周側と外周側とで極性が異なるよう
    に構成し、補助磁気回路を、前記ターゲットより基板側
    に少なくとも1つ設けられ、前記ターゲットの径方向に
    磁化されかつその内側の極性が前記主磁気回路の内周側
    磁極の極性と同じになるように構成した請求項1記載の
    マグネトロンスパッタカソード。
  3. 【請求項3】 主磁気回路を、電磁石構造とし、その電
    磁石に流す電流の大きさを調整して発生する磁場を制御
    するように構成した請求項1または請求項2記載のマグ
    ネトロンスパッタカソード。
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