JPH1180936A - ブラックマトリクス用薄膜およびブラックマトリクス成膜用ターゲット - Google Patents
ブラックマトリクス用薄膜およびブラックマトリクス成膜用ターゲットInfo
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- JPH1180936A JPH1180936A JP24225797A JP24225797A JPH1180936A JP H1180936 A JPH1180936 A JP H1180936A JP 24225797 A JP24225797 A JP 24225797A JP 24225797 A JP24225797 A JP 24225797A JP H1180936 A JPH1180936 A JP H1180936A
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- thin film
- film
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 クロムに変わることができる優れた光学特性
および耐食性を兼ね備えたブラックマトリクス用薄膜お
よびそのための成膜用ターゲットを提供する。 【解決手段】 Ta0.5〜35wt%、あるいはさら
にBを5wt%以下を添加し、残部が実質的にNiから
なるブラックマトリクス用薄膜である。この薄膜は、T
a0.5〜35wt%、あるいはさらにB5wt%以下
添加し、残部が実質的にNiからなる成膜用ターゲット
によって得ることができる。
および耐食性を兼ね備えたブラックマトリクス用薄膜お
よびそのための成膜用ターゲットを提供する。 【解決手段】 Ta0.5〜35wt%、あるいはさら
にBを5wt%以下を添加し、残部が実質的にNiから
なるブラックマトリクス用薄膜である。この薄膜は、T
a0.5〜35wt%、あるいはさらにB5wt%以下
添加し、残部が実質的にNiからなる成膜用ターゲット
によって得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】液晶やプラズマディスプレイ
などの表示装置に用いられる遮光膜であるブラックマト
リクスおよびこれを形成するためのターゲットに関す
る。
などの表示装置に用いられる遮光膜であるブラックマト
リクスおよびこれを形成するためのターゲットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶やプラズマディスプレイなどでは、
光源からの光を赤、青、緑の色材を透過させることによ
り、カラー表示を可能とする部材をカラーフィルターと
呼ぶ。このカラーフィルターにある遮光膜は、一般的に
ブラックマトリクスと呼ばれており、コントラストの向
上や色材の混色防止を目的としてガラス基板などに成膜
される。ブラックマトリクスの特性で最も重要な特性は
光学特性である。光学特性とは、光源からの必要のない
光を十分に遮蔽することと、表示側で反射率が高いと外
部からの反射光が表示画像のコントラストを低下させる
ので反射率を低くすることの2点である。
光源からの光を赤、青、緑の色材を透過させることによ
り、カラー表示を可能とする部材をカラーフィルターと
呼ぶ。このカラーフィルターにある遮光膜は、一般的に
ブラックマトリクスと呼ばれており、コントラストの向
上や色材の混色防止を目的としてガラス基板などに成膜
される。ブラックマトリクスの特性で最も重要な特性は
光学特性である。光学特性とは、光源からの必要のない
光を十分に遮蔽することと、表示側で反射率が高いと外
部からの反射光が表示画像のコントラストを低下させる
ので反射率を低くすることの2点である。
【0003】従来からブラックマトリクスは、スパッタ
リング法で成膜を行い、フォトリソグラフィー法により
パターニングする製造方法が主流である。また、特開平
8−220326号公報に記載されるように、化学組成
的には金属クロム、酸化クロム、モリブデン、カーボン
などが用いられるが、金属クロムおよび酸化クロムが遮
光性、成膜性などから好適であるとされている。
リング法で成膜を行い、フォトリソグラフィー法により
パターニングする製造方法が主流である。また、特開平
8−220326号公報に記載されるように、化学組成
的には金属クロム、酸化クロム、モリブデン、カーボン
などが用いられるが、金属クロムおよび酸化クロムが遮
光性、成膜性などから好適であるとされている。
【0004】ブラックマトリクス形成後のカラーフィル
ターの製造工程について以下に説明する。まず、上述し
たようなブラックマトリクスを形成した後に色材を形成
する。この工程はブラックマトリクスが形成されている
ガラス基板上に、着色樹脂をスピン塗布し、その上にポ
ジレジストをスピン塗布する。その状態でマスクを介し
て露光し、現像によりポジレジストをパターニングし
て、アルカリ水溶液などを用いてエッチング加工を行い
着色樹脂をパターニングする。その後酸性水溶液、温水
を用いた洗浄と有機溶液によりポジレジストの剥離を行
う。カラーフィルターの場合は、赤、緑、青の3種類の
色材膜を形成する必要があるので、上述の工程を3回繰
り返す。さらに保護膜を塗布し、最後にITO透明電極
膜を形成してカラーフィルターの完成となる。
ターの製造工程について以下に説明する。まず、上述し
たようなブラックマトリクスを形成した後に色材を形成
する。この工程はブラックマトリクスが形成されている
ガラス基板上に、着色樹脂をスピン塗布し、その上にポ
ジレジストをスピン塗布する。その状態でマスクを介し
て露光し、現像によりポジレジストをパターニングし
て、アルカリ水溶液などを用いてエッチング加工を行い
着色樹脂をパターニングする。その後酸性水溶液、温水
を用いた洗浄と有機溶液によりポジレジストの剥離を行
う。カラーフィルターの場合は、赤、緑、青の3種類の
色材膜を形成する必要があるので、上述の工程を3回繰
り返す。さらに保護膜を塗布し、最後にITO透明電極
膜を形成してカラーフィルターの完成となる。
【0005】上述した製造方法はフォトリソグラフィー
法であり、種々のカラーフィルター製造方法が提案され
ている中の1つである。しかし、多くの製造方法では、
ブラックマトリクスをエッチング加工で形成するため、
ブラックマトリクスには特定のエッチング液に対してエ
ッチング性が要求される。一方で、色材膜を形成する際
などに、ブラックマトリクスがアルカリや酸性溶液など
に触れるので、ブラックマトリクスにはある程度の耐食
性が製造上要求される。
法であり、種々のカラーフィルター製造方法が提案され
ている中の1つである。しかし、多くの製造方法では、
ブラックマトリクスをエッチング加工で形成するため、
ブラックマトリクスには特定のエッチング液に対してエ
ッチング性が要求される。一方で、色材膜を形成する際
などに、ブラックマトリクスがアルカリや酸性溶液など
に触れるので、ブラックマトリクスにはある程度の耐食
性が製造上要求される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】クロム膜は、反射率が
低く、かつ光を透過しにくい膜となり、ブラックマトリ
クスとして非常に良い光学特性を有する。また、クロム
は上述した色材膜を形成する際などに使用される腐食性
溶液に対して優れた耐食性も合わせ持っている。しか
し、クロムは、ブラックマトリクスをエッチング加工を
行う際に六価クロムが発生するために、環境問題上クロ
ムを用いることは好ましくない。このような問題から、
クロムに変えてモリブデンや樹脂によってブラックマト
リクスを形成することも検討されているが、十分に光学
特性と要求される耐食性と加工精度を兼ね備えるに至っ
ていない。本発明の目的は、クロムに変わることができ
る優れた光学特性および要求される耐食性を兼ね備えた
ブラックマトリクス用薄膜およびそのための成膜用ター
ゲットを提供することである。
低く、かつ光を透過しにくい膜となり、ブラックマトリ
クスとして非常に良い光学特性を有する。また、クロム
は上述した色材膜を形成する際などに使用される腐食性
溶液に対して優れた耐食性も合わせ持っている。しか
し、クロムは、ブラックマトリクスをエッチング加工を
行う際に六価クロムが発生するために、環境問題上クロ
ムを用いることは好ましくない。このような問題から、
クロムに変えてモリブデンや樹脂によってブラックマト
リクスを形成することも検討されているが、十分に光学
特性と要求される耐食性と加工精度を兼ね備えるに至っ
ていない。本発明の目的は、クロムに変わることができ
る優れた光学特性および要求される耐食性を兼ね備えた
ブラックマトリクス用薄膜およびそのための成膜用ター
ゲットを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題に
鑑み、種々の検討を行った。その結果、Ni−Ta系と
いう従来にない合金系の薄膜で、クロムと同等の光学特
性と特定の腐食液に対する耐食性を合わせもつブラック
マトリクスが得られることを見いだした。
鑑み、種々の検討を行った。その結果、Ni−Ta系と
いう従来にない合金系の薄膜で、クロムと同等の光学特
性と特定の腐食液に対する耐食性を合わせもつブラック
マトリクスが得られることを見いだした。
【0008】すなわち本発明は、Ta0.5〜35wt
%、残部が実質的にNiからなるブラックマトリクス用
薄膜である。好ましくは、さらにBを5wt%以下を添
加する。上述した本発明のブラックマトリクス用薄膜
は、Ta0.5〜35wt%、あるいはさらにBを5w
t%以下添加し、残部が実質的にNiからなるブラック
マトリクス成膜用ターゲットによって得ることができ
る。
%、残部が実質的にNiからなるブラックマトリクス用
薄膜である。好ましくは、さらにBを5wt%以下を添
加する。上述した本発明のブラックマトリクス用薄膜
は、Ta0.5〜35wt%、あるいはさらにBを5w
t%以下添加し、残部が実質的にNiからなるブラック
マトリクス成膜用ターゲットによって得ることができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の重要な特徴は、ブラック
マトリクスとしてニッケル(Ni)にタンタル(Ta)
を0.5〜35wt%含有させた新しい合金系の薄膜を
用いたことにある。このNi−Ta系の適用により、ク
ロム(Cr)に匹敵する光学特性と要求される耐食性を
得ることができる。さらにNi−Ta系合金ターゲット
にホウ素(B)を5wt%以下含有させることにより、
光学特性を損なうことなく薄膜の耐食性を向上させるこ
とが可能である。耐食性向上のために好ましいB量は、
0.0005wt%以上である。
マトリクスとしてニッケル(Ni)にタンタル(Ta)
を0.5〜35wt%含有させた新しい合金系の薄膜を
用いたことにある。このNi−Ta系の適用により、ク
ロム(Cr)に匹敵する光学特性と要求される耐食性を
得ることができる。さらにNi−Ta系合金ターゲット
にホウ素(B)を5wt%以下含有させることにより、
光学特性を損なうことなく薄膜の耐食性を向上させるこ
とが可能である。耐食性向上のために好ましいB量は、
0.0005wt%以上である。
【0010】さらに詳細な説明を加えると、ブラックマ
トリクスに求められる光学特性は、反射率と光学濃度で
ある。反射率は、たとえば特定波長の光を薄膜に特定角
度で入射させ、反射する光を測定することで評価するこ
とができる。また、光学濃度は透過光の減衰量を示す値
であり、光学濃度D=−log(I/I0)で表すこと
ができる。Iは透過光の強度、I0は入射光の強度であ
る。すなわち、この光学濃度の数値が高いほど光を遮蔽
している。Alなどを用いると反射率が高く光学濃度も
高くなるが、反射率が高いと、画像のコントラストを低
下させる。したがって、できるだけ反射率が低く、光学
濃度が高いことがブラックマトリクスとして有利であ
る。
トリクスに求められる光学特性は、反射率と光学濃度で
ある。反射率は、たとえば特定波長の光を薄膜に特定角
度で入射させ、反射する光を測定することで評価するこ
とができる。また、光学濃度は透過光の減衰量を示す値
であり、光学濃度D=−log(I/I0)で表すこと
ができる。Iは透過光の強度、I0は入射光の強度であ
る。すなわち、この光学濃度の数値が高いほど光を遮蔽
している。Alなどを用いると反射率が高く光学濃度も
高くなるが、反射率が高いと、画像のコントラストを低
下させる。したがって、できるだけ反射率が低く、光学
濃度が高いことがブラックマトリクスとして有利であ
る。
【0011】Niだけでは、反射率が高くなり、ブラッ
クマトリクスとしての光学特性が得られないため、本発
明ではタンタルを含有させた。本発明者によれば、Ni
へのTaの含有により、反射率を低下させ、かつ光学濃
度の高いブラックマトリクスを得ることができる。ま
た、Ni,Taの組み合わせは、Crのように有害物質
を発生しないという利点がある。本発明において、Ta
の含有量を0.5wt%以上としたのは、これ以下だと
明確な光学特性の改善が確認できないためである。ま
た、上限の35wt%を越えて含有させると、耐食性が
著しく低下するので35wt%以下とした。
クマトリクスとしての光学特性が得られないため、本発
明ではタンタルを含有させた。本発明者によれば、Ni
へのTaの含有により、反射率を低下させ、かつ光学濃
度の高いブラックマトリクスを得ることができる。ま
た、Ni,Taの組み合わせは、Crのように有害物質
を発生しないという利点がある。本発明において、Ta
の含有量を0.5wt%以上としたのは、これ以下だと
明確な光学特性の改善が確認できないためである。ま
た、上限の35wt%を越えて含有させると、耐食性が
著しく低下するので35wt%以下とした。
【0012】本発明者は、Taが35wt%を越えて含
有すると耐食性が低下するメカニズムは以下のように考
えている。Taの含有量が多くなると、平衡状態ではN
iTa8などの金属間化合物が生成するが、スパッタリ
ングで成膜した場合は強制的にNiにTaが固溶され
る。平衡状態の固溶限界を大きく越えた場合、ニッケル
に固溶できる程度のタンタル含有量の場合と比較して、
歪みを多く持った薄膜となり、耐食性の低下をもたら
す。
有すると耐食性が低下するメカニズムは以下のように考
えている。Taの含有量が多くなると、平衡状態ではN
iTa8などの金属間化合物が生成するが、スパッタリ
ングで成膜した場合は強制的にNiにTaが固溶され
る。平衡状態の固溶限界を大きく越えた場合、ニッケル
に固溶できる程度のタンタル含有量の場合と比較して、
歪みを多く持った薄膜となり、耐食性の低下をもたら
す。
【0013】さらに、Bを5wtppm含有させると耐
食性が向上の効果が認められる。本発明者は、Bを含有
させることより耐食性が向上するメカニズムは次のよう
に考えている。Bは結晶粒界、格子欠陥や表面に偏析し
やすく、またNi−Ni間の金属結合を強くする効果が
あることが知られている。Ni−Ta系合金にホウ素を
添加した場合も同様に、BがNi−Ta系合金の耐食性
の弱い結晶粒界、格子欠陥部分、表面に偏析し、欠陥部
分の歪みを緩和し、さらに結合の弱い部分の結合を強め
る効果を持つためである。ただし、Bが5wt%を越え
て含有させると、耐食性が低下した。このメカニズム
は、Bが5wt%を越えて含有すると格子欠陥などの歪
みを緩和するのではなく、Bを含有するために歪みを生
じることになり、耐食性が低下すると考えている。好ま
しいB量は0.0005%以上であり、より好ましくは
0.002〜0.5wt%である。
食性が向上の効果が認められる。本発明者は、Bを含有
させることより耐食性が向上するメカニズムは次のよう
に考えている。Bは結晶粒界、格子欠陥や表面に偏析し
やすく、またNi−Ni間の金属結合を強くする効果が
あることが知られている。Ni−Ta系合金にホウ素を
添加した場合も同様に、BがNi−Ta系合金の耐食性
の弱い結晶粒界、格子欠陥部分、表面に偏析し、欠陥部
分の歪みを緩和し、さらに結合の弱い部分の結合を強め
る効果を持つためである。ただし、Bが5wt%を越え
て含有させると、耐食性が低下した。このメカニズム
は、Bが5wt%を越えて含有すると格子欠陥などの歪
みを緩和するのではなく、Bを含有するために歪みを生
じることになり、耐食性が低下すると考えている。好ま
しいB量は0.0005%以上であり、より好ましくは
0.002〜0.5wt%である。
【0014】本発明者が検討したところによると、上述
したブラックマトリクス薄膜を製造するためのターゲッ
トにおいて、上述した膜組成に対応する組成のターゲッ
トをスパッタリング用ターゲットとして使用することに
より、ほぼターゲット組成に一致した薄膜が得られるこ
とを確認した。すなわち、本発明の薄膜を得ようとする
場合、膜組成にほぼ一致したターゲットを使用すること
ができる。
したブラックマトリクス薄膜を製造するためのターゲッ
トにおいて、上述した膜組成に対応する組成のターゲッ
トをスパッタリング用ターゲットとして使用することに
より、ほぼターゲット組成に一致した薄膜が得られるこ
とを確認した。すなわち、本発明の薄膜を得ようとする
場合、膜組成にほぼ一致したターゲットを使用すること
ができる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。表1に示す化
学組成のターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッ
タリング装置を用いて、コーニング社製#7059ガラ
ス基板に、約100nmの膜厚の薄膜を成膜した試料で
評価を行った。表2に得られた膜の組成を示す。表3に
光学特性、表4に耐食性の評価結果を示す。
学組成のターゲットを用いて、DCマグネトロンスパッ
タリング装置を用いて、コーニング社製#7059ガラ
ス基板に、約100nmの膜厚の薄膜を成膜した試料で
評価を行った。表2に得られた膜の組成を示す。表3に
光学特性、表4に耐食性の評価結果を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】ここで、光学特性は600nmの波長を行
なった。反射率は、5度の入射角で測定した。また、光
学濃度は光を膜に入射させ、透過光を測定することで評
価した。耐食性の評価方法としては、アルカリ溶液とし
ては10wt%の水酸化カルシウム水溶液であり、酸性
溶液は10wt%塩酸水溶液を用い、それぞれの水溶液
に常温で10分間浸漬して、浸漬前後での光学濃度の変
化量で評価した。これは、光学濃度は膜厚と材質に依存
するので、耐食試験の前後で光学濃度の変化は薄膜の厚
み変化あるいはごく表層の化学的な変質によって変化す
るため、耐食性の評価として使用できるからである。
なった。反射率は、5度の入射角で測定した。また、光
学濃度は光を膜に入射させ、透過光を測定することで評
価した。耐食性の評価方法としては、アルカリ溶液とし
ては10wt%の水酸化カルシウム水溶液であり、酸性
溶液は10wt%塩酸水溶液を用い、それぞれの水溶液
に常温で10分間浸漬して、浸漬前後での光学濃度の変
化量で評価した。これは、光学濃度は膜厚と材質に依存
するので、耐食試験の前後で光学濃度の変化は薄膜の厚
み変化あるいはごく表層の化学的な変質によって変化す
るため、耐食性の評価として使用できるからである。
【0021】表1と表2を比較するとわかるように、ほ
ぼターゲットと同じ組成の薄膜を得ることができたこと
がわかる。また、表3から分かるように、Ni−Ta
系、Ni−Ta−B系、および比較のために示したMo
は従来から用いられるCrと同等の光学特性を有してい
る。
ぼターゲットと同じ組成の薄膜を得ることができたこと
がわかる。また、表3から分かるように、Ni−Ta
系、Ni−Ta−B系、および比較のために示したMo
は従来から用いられるCrと同等の光学特性を有してい
る。
【0022】一方、表4の耐食性の評価から分かるよう
に、Moの薄膜はアルカリ性の水酸化カルシウム水溶液
と酸性の塩酸水溶液の両方で剥離する程強く腐食され好
ましくないことがわかる。Ni−Taでは本発明品の組
成範囲である試料No1〜5ではCrと同程度の耐食性
を示す。しかし、本発明品の範囲のタンタル含有量を越
えているNo8では、耐酸性が劣化することが分かる。
また、Ni−Ta−B系では、本発明品であるNo6で
はNi−Ta系でTaの含有量が同程度の20wt%で
あるNo.4よりもさらに耐食性が向上し、Crと全く
同一の価となっている。しかし、ホウ素の含有量が多い
No.7では、No.6に比べてやや耐酸性が低下する
傾向が見られる。
に、Moの薄膜はアルカリ性の水酸化カルシウム水溶液
と酸性の塩酸水溶液の両方で剥離する程強く腐食され好
ましくないことがわかる。Ni−Taでは本発明品の組
成範囲である試料No1〜5ではCrと同程度の耐食性
を示す。しかし、本発明品の範囲のタンタル含有量を越
えているNo8では、耐酸性が劣化することが分かる。
また、Ni−Ta−B系では、本発明品であるNo6で
はNi−Ta系でTaの含有量が同程度の20wt%で
あるNo.4よりもさらに耐食性が向上し、Crと全く
同一の価となっている。しかし、ホウ素の含有量が多い
No.7では、No.6に比べてやや耐酸性が低下する
傾向が見られる。
【0023】
【発明の効果】従来からブラックマトリクスとして用い
られているCrを変更して、本発明のNi−Ta系ある
いはNi−Ta−B系のブラックマトリクスを使用して
薄膜のエッチング加工などを行うことにより、六価Cr
の発生なく液晶のカラーフィルターなどの生産が可能に
なる。このことは、近年懸念されている環境問題を解決
するためには重要である。
られているCrを変更して、本発明のNi−Ta系ある
いはNi−Ta−B系のブラックマトリクスを使用して
薄膜のエッチング加工などを行うことにより、六価Cr
の発生なく液晶のカラーフィルターなどの生産が可能に
なる。このことは、近年懸念されている環境問題を解決
するためには重要である。
Claims (4)
- 【請求項1】 Ta0.5〜35wt%、残部が実質的
にNiからなることを特徴とするブラックマトリクス用
薄膜。 - 【請求項2】 Bを5wt%以下含有することを特徴と
する請求項1に記載のブラックマトリクス用薄膜。 - 【請求項3】 Ta0.5〜35wt%、残部が実質的
にNiからなるブラックマトリクス成膜用ターゲット。 - 【請求項4】 Bを5wt%以下含有することを特徴と
する請求項3に記載のブラックマトリクス成膜用ターゲ
ット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24225797A JPH1180936A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | ブラックマトリクス用薄膜およびブラックマトリクス成膜用ターゲット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24225797A JPH1180936A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | ブラックマトリクス用薄膜およびブラックマトリクス成膜用ターゲット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1180936A true JPH1180936A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17086586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24225797A Pending JPH1180936A (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | ブラックマトリクス用薄膜およびブラックマトリクス成膜用ターゲット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1180936A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002107537A (ja) * | 2000-07-27 | 2002-04-10 | Asahi Glass Co Ltd | 液晶表示装置用ブラックマトリクスおよびカラーフィルタ |
WO2004063420A1 (ja) * | 2003-01-10 | 2004-07-29 | Nikko Materials Co., Ltd. | ニッケル合金スパッタリングターゲット |
-
1997
- 1997-09-08 JP JP24225797A patent/JPH1180936A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002107537A (ja) * | 2000-07-27 | 2002-04-10 | Asahi Glass Co Ltd | 液晶表示装置用ブラックマトリクスおよびカラーフィルタ |
JP4569016B2 (ja) * | 2000-07-27 | 2010-10-27 | 旭硝子株式会社 | 液晶表示装置用ブラックマトリクスおよびカラーフィルタ |
WO2004063420A1 (ja) * | 2003-01-10 | 2004-07-29 | Nikko Materials Co., Ltd. | ニッケル合金スパッタリングターゲット |
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