JPH1180212A - 塩化ビニル系重合体の製造法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造法

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JPH1180212A
JPH1180212A JP24522297A JP24522297A JPH1180212A JP H1180212 A JPH1180212 A JP H1180212A JP 24522297 A JP24522297 A JP 24522297A JP 24522297 A JP24522297 A JP 24522297A JP H1180212 A JPH1180212 A JP H1180212A
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vinyl chloride
polymerization
chloride polymer
monomer
diameter
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Masao Sawano
正雄 澤野
Toshihiko Tanaka
利彦 田中
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合時間4時間以下で、粒子径が細かく、嵩
比重も高く、フィッシュアイも良好な塩化ビニル系重合
体をえる製造方法を提供する。 【解決手段】塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤及
び分散安定剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合を行い塩
化ビニル系重合体を4時間以下で重合する方法におい
て、塩化ビニル系単量体の塩化ビニル系重合体への転化
率0.3〜3.0%の範囲で、Sauter径として表
される塩化ビニル系単量体の液滴の平均液滴径の最小値
を30〜60μmの範囲内とすることを特徴とする塩化
ビニル系重合体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系重合
体の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、重
合時間を短縮することで、塩化ビニル系重合体の生産性
を高くし、かつ粒子径が細かく、嵩比重も高く、フィッ
シュアイも少ない塩化ビニル系重合体の製造法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリマーの製造においては、重合時間を
短縮化することにより、生産性を向上させる技術がさま
ざまな分野で検討されている。
【0003】しかし、塩化ビニル系重合体の製造におい
ては、重合極初期の重合速度が速くなることが原因と考
えられる粗粒化,嵩比重の低下、フィッシュアイの悪化
等の品質の低下が起こることが知られている。そして、
このような品質の低下を防止する方法として、特開平5
−295008号公報には、ケン化度15〜55モル%
の部分ケン化ポリビニルアルコール(以下、PVAとい
う。)あるいはHLB2〜10の非イオン系界面活性剤
を分散安定助剤として用いることが記載されている。ま
た、一般的にこのような品質の低下を防ぐためには、分
散剤を増量する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、重合時間を
短縮すれば時間当たりの重合発熱量が多くなり、還流凝
縮器等の冷却装置の負荷比率を高くすることが必要とな
る。
【0005】特開平5−295008号公報に記載の分
散安定助剤を用いる場合、あるいは分散剤を増量させた
場合、重合反応器内の懸濁液の激しい発泡が起こり、そ
の結果として気液界面のスケールが増大し、このスケー
ルの剥離が原因と考えられるフィッシュアイの悪化が起
こる。
【0006】そこで、本研究の目的は、短縮化された重
合時間で、品質に優れる塩化ビニル系重合体を製造する
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の転化率
までに、塩化ビニル系単量体の液滴の平均液滴径の最小
値を特定の範囲内にすることにより、重合時間が4時間
以下でも、品質に優れる塩化ビニル系重合体を製造でき
ることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、塩化ビニル系単量体
を油溶性重合開始剤及び分散安定剤の存在下、水性媒体
中で懸濁重合を行い塩化ビニル系重合体を4時間以下で
重合する方法において、塩化ビニル系単量体の塩化ビニ
ル系重合体への転化率0.3〜3.0%の範囲で、Sa
uter径として表される塩化ビニル単量体液滴の平均
液滴径の最小値を30〜60μmの範囲内とすることを
特徴とする塩化ビニル系重合体の製造法に関するもので
ある。
【0009】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明は、塩化ビニル系単量体の塩化ビニ
ル系重合体への転化率(以下、転化率という。)0.3
〜3.0%の範囲で、Sauter径として表される塩
化ビニル単量体液滴の平均液滴径の最小値を30〜60
μmの範囲内とすることにより、短時間で、品質の優れ
た塩化ビニル系重合体を製造するものである。ここで、
転化率0.3〜3.0%の範囲で、Sauter径とし
て表される塩化ビニル単量体液滴の平均液滴径の最小値
が30μm未満の場合、得られる塩化ビニル系重体の嵩
比重の低下が起こり好ましくない。また、該平均液滴径
の最小値が60μmを越える場合、得られる塩化ビニル
系重合体の粗粒化,フィッシュアイの悪化が起こり好ま
しくない。
【0011】本発明において塩化ビニル系単量体液滴の
平均液滴径を表すSauter径を求める方法は任意で
あるが、例えば重合途中の懸濁液を取り出し、該懸濁液
を顕微鏡等により直接観察し、その結果を下記一般式
(1)に挿入することにより求めることができる。
【0012】 Sauter径=ΣDi3/ΣDi2 (1) (ここで、Diは観察による液滴径を示す。) 本発明において用いられる水性媒体とは、水又は水を主
成分とする媒体であり、本発明の目的を逸脱しない限り
においていかなるものを含んでも問題ない。そして、生
産効率よく、品質の優れた塩化ビニル系重合体が得られ
ることから該水性媒体は、温度が30℃以上であること
が好ましい。
【0013】本発明の方法において用いられる塩化ビニ
ル系単量体としては、塩化ビニル単量体、塩化ビニル単
量体と塩化ビニル単量体との共重合可能な単量体からな
る混合物が挙げられる。
【0014】ここで、塩化ビニル単量体との共重合可能
な単量体としては、塩化ビニル単量体との共重合が可能
であればいかなるものでもよく、例えばエチレン,プロ
ピレン等のオレフィン類、酢酸ビニル,ステアリン酸ビ
ニル等のビニルエステル類、エチルビニルエーテル,セ
チルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリル酸
メチル,アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル類、
マレイン酸,フマル酸等のエステル類若しくは無水物、
スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル等
が挙げられる。そして、該共重合可能な単量体は、塩化
ビニル単量体に対し、通常20重量%以下の割合で使用
することが好ましい。
【0015】本発明の方法において用いられる油溶性重
合開始剤としては、特に限定はなく、一般的に油溶性重
合開始剤として使用されているものでよく、例えばジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチル
ヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチル
パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネイト
化合物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−ク
ミルパーオキシネオデカネート等のパーオキシエステル
化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシ
ド等の過酸化物:アゾビスイソブチロニトリル、アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビス(4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ
化合物等が挙げられ、これらは一種単独または二種以上
組合せて使用することも可能である。また、該油溶性重
合開始剤の使用量は、高速重合が可能となることから塩
化ビニル系単量体100重量部に対し、0.05重量部
以上使用することが望ましい。
【0016】本発明の方法において用いられる分散安定
剤としては特に限定はなく、一般的に懸濁重合の分散安
定剤として使用されているもので良く、例えばメチルセ
ルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプ
ロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス等のセルロース誘導体、PVA,アクリル酸重合体,
ゼラチン等の水溶性ポリマー、ノニオン界面活性剤、ア
ニオン界面活性剤等が挙げられ、これらは一種単独また
は二種以上組合わせ使用することも可能である。そし
て、本発明においては、特に、短時間の重合時間で安定
的に品質に優れる塩化ビニル系重合体が得られることか
ら、分散安定剤として、(A)ケン化度75〜90モル
%、かつ、平均重合度2000〜4000であるPVA
(以下、分散安定剤Aという。)及び(B)ケン化度6
0〜85モル%、かつ、平均重合度300〜1500で
あるPVA(以下、分散安定剤Bという。)を塩化ビニ
ル系単量体100重量部に対して、該分散安定剤の合計
量を0.04〜0.08重量部の範囲で、分散安定剤A
/分散安定剤B(重量比率)=5/1〜20/1の範囲
内で用いることが好ましい。
【0017】本発明の方法においては、正味攪拌動力に
ついては特に限定するものではないが、効率よく、品質
に優れる塩化ビニル系重合体が得られることから、塩化
ビニル系単量体及び水性媒体の重合反応器への仕込時の
正味攪拌動力を2.00〜4.00kw/m3の範囲と
し、転化率0.5%〜3.0%の範囲で、正味攪拌動力
を1.50〜2.00kw/m3の範囲にすることが特
に好ましい。
【0018】本発明においては、重合反応時の重合発熱
による熱量の除去を効率よくできることから、還流凝縮
器を付設した重合反応器を用いることが好ましい。
【0019】本発明の方法において、転化率0.3〜
3.0%の範囲で、Sauter径として表される塩化
ビニル系単量体の液滴の平均液滴径の最小値を30〜6
0μmとすることにより、重合時間4時間以下でも、粒
子径が細かく、嵩比重も高いなど品質が良好な塩化ビニ
ル系重合体が得られる効果の発現機構は明確ではない
が、以下のように考えられる。
【0020】塩化ビニル系単量体の重合は、転化率0.
3〜3.0%の範囲で塩化ビニル系単量体の液滴表面に
スキンが形成され、スキンが形成されることにより塩化
ビニル系単量体の液滴表面の粘性が上がり、液滴同士の
凝集が起こる。ここで、転化率0.3〜3.0%の範囲
で塩化ビニル系単量体の液滴のSauter径の最小値
が60μmを越えるような場合、良好な凝集は起こる
が、凝集前の液滴が大きいために、粗粒化が起こること
と考えられる。また、転化率0.3〜3.0%の範囲で
塩化ビニル系単量体の液滴のSauter径の最小値が
30μm未満の場合、液滴の数が非常に増えることか
ら、塩化ビニル系単量体の液滴同士の衝突頻度が増加
し、液滴同士の凝集が盛んに起こり、その結果として、
粗粒になると考えられる。そして、本発明においては、
転化率0.3〜3.0%の範囲で塩化ビニル系単量体の
液滴のSauter径の最小値が30〜60μmの範囲
内であれば、良好な凝集が起こり、その結果として重合
時間4時間以下でも、粒子径が細かく、嵩比重も高いな
ど品質が良好な塩化ビニル系重合体が得られたと考えら
れる。
【0021】本発明の塩化ビニル系単量体を油溶性重合
開始剤及び分散安定剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合
を行い塩化ビニル系重合体を4時間以下で重合する方法
において、転化率0.3〜3.0%の範囲で塩化ビニル
系単量体の液滴のSauter径の最小値を30〜60
μmの範囲内にすることを除けば、その他の重合条件、
例えば反応器への水性媒体,塩化ビニル系単量体、油溶
性重合開始剤、分散安定剤等の仕込み方法及び重合温度
条件等は従来の方法と同様にして行なえば良く、格別の
制限を受けない。また、必要に応じて、pH調整剤、重
合度調節剤等を本発明の目的に影響しない範囲内であれ
ば使用して差し支えない。
【0022】
【実施例】以下、本発明の製造方法を実施例および比較
例にもとづき説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0023】得られた塩化ビニル系重合体の評価は下記
の方法により行った。
【0024】〜重合体の平均粒子径〜 得られた塩化ビニル系重合体の50%の重合体粒子が通
過するふるいの目の大きさ(μm)を平均粒子径とし
た。
【0025】〜嵩比重〜 JIS K−6721に示される方法に準じて測定し
た。
【0026】〜フィッシュアイ〜 得られた塩化ビニル系重合体100重量部、Ca−Zn
系粉末複合安定剤1.5重量部、有機燐系安定化助剤
0.5重量部、群青3重量部およびDOP(ジオクチル
フタレート)50重量部を混合し、150℃のロールで
厚さ0.35mmとして5分間混練し、0.35mmの
シートを分取し、シート50cm2中の透明粒子の数を
もって示した。
【0027】〜昇温時の塩化ビニル単量体の転化率測定
〜 内容積3リットルの撹拌翼付きステンレス製重合容器に
分散剤,水150重量部(1430g)を仕込み、真空
にしてから、塩化ビニル単量体100重量部(980
g)を仕込み、35℃にした後攪拌し、実施例及び比較
例と同じ昇温速度、つまり35℃から57℃まで40分
かけ昇温し、重合を行った。開始剤として、クミルパー
オキシネオデカノエート0.045重量部とt−ブチル
パーオキシネオデカノエート0.045重量部用いた。
そして、所定の時間(昇温開始2.5分後,5分,10
分,20分,30分、40分)になったところで、ヒン
ダードフェノール系の重合禁止剤を用い重合を停止し
た。そして、得られた塩化ビニル重合体の重量から転化
率を測定した。
【0028】転化率は、昇温開始2.5分後,5分,1
0分,20分,30分、40分について測定した。その
結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】〜重合中の液滴変化〜 実施例及び比較例の重合について、重合容器内の懸濁液
を圧力差0.5kg/cm3の条件下で抜き取り、この
懸濁液を希釈し、耐圧セルに入れ、セル内の液滴を80
倍の顕微鏡を用いて、写真撮影し、この写真から500
個以上液滴を測定し、この結果から、下記に示す式より
Sauter径を計算し、Sauter径を平均液滴径
とした。
【0031】Sauter径=ΣDi3/ΣDi2 (ここで、Diは液滴径を示す。) 転化率0.1%,0.4%,0.7%,1.1%,1.
4%,2.8%,4.8%の時の液滴について、液滴径
を測定した。
【0032】実施例1 内容積1.6m3の逆流コンデンサーを設置した重合反
応器に分散安定剤として、(A)ケン化度80モル%,
平均重合度2600であるPVA0.05重量部及び
(B)ケン化度73モル%、平均重合度850であるP
VA0.005重量部、重合開始剤としてクミルパーオ
キシネオデカノエート0.045重量部及びt−ブチル
パーオキシネオデカノエート0.045重量部、塩化ビ
ニル単量体100重量部(603kg),40℃の水1
10重量部(663kg)を正味攪拌動力を1.75k
w/m3で攪拌しながら、反応器に仕込んだ。その時の
懸濁液の温度は35℃であった。その後、正味攪拌動力
を1.75kw/m3のまま40分間で57℃まで昇温
した。その際、Sauter径の最小値は、転化率0.
4%における50μmであった。そして、57℃到達後
から3.0時間重合を行い、その後、未反応の塩化ビニ
ル単量体を回収し、塩化ビニル重合体スラリーを取り出
し、脱水乾燥して得られた塩化ビニル重合体を得た。得
られた塩化ビニル系重合体の評価結果を表2に示す。
【0033】得られた塩化ビニル重合体は、嵩比重が高
く、粒径も細かく、フィッシュアイも少なかった。
【0034】実施例2 正味攪拌動力を2.00kw/m3とし、Sauter
径の最小値を転化率0.4%における40μmとした以
外は、実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体を
得た。得られた塩化ビニル系重合体の評価結果を表2に
示す。
【0035】得られた塩化ビニル重合体は、嵩比重が高
く、粒径も細かく、フィッシュアイも少なかった。
【0036】実施例3 正味攪拌動力を2.50kw/m3とし、Sauter
径の最小値を転化率0.4%における31μmとした以
外は、実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体を
得た。得られた塩化ビニル系重合体の評価結果を表2に
示す。
【0037】得られた塩化ビニル重合体は、嵩比重が高
く、粒径も細かく、フィッシュアイも少なかった。
【0038】実施例4 分散安定剤をケン化度80モル%,平均重合度2600
であるPVA0.05重量部、正味攪拌動力を2.50
kw/m3とし、Sauter径の最小値を転化率0.
7%における56μmとした以外は、実施例1と同様の
方法により塩化ビニル重合体を得た。得られた塩化ビニ
ル系重合体の評価結果を表2に示す。
【0039】得られた塩化ビニル重合体は、嵩比重が高
く、粒径も細かく、フィッシュアイも少なかった。
【0040】実施例5 分散安定剤をケン化度88モル%,平均重合度2600
であるPVA0.05重量部、正味撹拌動力を3.00
kw/m3とし、Sauter径の最小値を転化率0.
7%における39μmとした以外は、実施例1と同様の
方法により塩化ビニル重合体を得た。得られた塩化ビニ
ル系重合体の評価結果を表2に示す。
【0041】得られた塩化ビニル重合体は、嵩比重が高
く、粒径も細かく、フィッシュアイも少なかった。
【0042】実施例6 分散安定剤ケン化度80モル%,平均重合度2600で
あるPVA0.05重量部、塩化ビニル単量体と水の仕
込み時の正味攪拌動力を4.00kw/m3、転化率
0.7%(昇温開始10分後)の時点で正味攪拌動力を
1.75kw/m3とし、Sauter径の最小値を転
化率0.7%における31μmとした以外は、実施例1
と同様の方法により塩化ビニル重合体を得た。得られた
塩化ビニル系重合体の評価結果を表2に示す。
【0043】得られた塩化ビニル重合体は、嵩比重が高
く、粒径も細かく、フィッシュアイも少なかった。
【0044】比較例1 分散安定剤をケン化度80モル%,平均重合度2600
であるPVA0.05重量部とし、Sauter径の最
小値を転化率0.4%における85μmとした以外は、
実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体を得た。
得られた塩化ビニル系重合体の評価結果を表2に示す。
【0045】転化率0.3〜3.0%の範囲のSaut
er径の最小値は、60μmを越えるものであった。ま
た、得られた塩化ビニル重合体は、嵩比重が低く、粒径
も粗く、フィッシュアイも多かった。
【0046】比較例2 分散安定剤をケン化度88モル%,平均重合度2600
であるPVA0.05重量部とし、Sauter径の最
小値を転化率0.7%における65μmとした以外は、
実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体を得た。
得られた塩化ビニル系重合体の評価結果を表2に示す。
【0047】転化率0.3〜3.0%の範囲のSaut
er径の最小値は、60μmを越えるものであった。ま
た、得られた塩化ビニル重合体は、嵩比重が低く、粒径
も粗く、フィッシュアイも多かった。
【0048】比較例3 正味撹拌動力を1.25kw/m3とし、Sauter
径の最小値を転化率0.7%における68μmとした以
外は、実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体を
得た。得られた塩化ビニル系重合体の評価結果を表2に
示す。
【0049】転化率0.3〜3.0%の範囲のSaut
er径の最小値は、60μmを越えるものであった。ま
た、得られた塩化ビニル重合体は、粒径も粗く、フィッ
シュアイも多かった。
【0050】比較例4 正味撹拌動力を4.50kw/m3とし、Sauter
径の最小値を転化率0.4%における21μmとした以
外は、実施例1と同様の方法により塩化ビニル重合体を
得た。得られた塩化ビニル系重合体の評価結果を表2に
示す。
【0051】転化率0.3〜3.0%の範囲のSaut
er径の最小値は、30μm未満であった。また、得ら
れた塩化ビニル重合体は、嵩比重が低く、粒径も粗く、
フィッシュアイも多かった。
【0052】比較例5 分散安定剤を(A)ケン化度80モル%,平均重合度2
600であるPVA0.05重量部と(B)ケン化度7
3モル%,平均重合度850であるPVA0.05重量
部とし、Sauter径の最小値を転化率0.4%にお
ける21μmとした以外は、実施例1と同様の方法によ
り塩化ビニル重合体を得た。得られた塩化ビニル系重合
体の評価結果を表2に示す。
【0053】転化率0.3〜3.0%の範囲のSaut
er径の最小値は、30μm未満であった。また、得ら
れた塩化ビニル重合体は、嵩比重が低く、粒径も粗く、
フィッシュアイも多かった。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、転化率0.3〜3.0
%までの範囲で、Sauter径として表される塩化ビ
ニル系単量体液滴の平均液滴径の最小値を30〜60μ
mの範囲内にすることにより、重合時間4時間以下で
も、粒子径が細かく、嵩比重も高く、フィッシュアイも
良好な塩化ビニル系重合体を製造することができるの
で、工業的効果が極めて大である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系単量体を油溶性重合開始剤及
    び分散安定剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合を行い塩
    化ビニル系重合体を4時間以下で重合する方法におい
    て、塩化ビニル系単量体の塩化ビニル系重合体への転化
    率0.3〜3.0%の範囲で、Sauter径として表
    される塩化ビニル系単量体の液滴の平均液滴径の最小値
    を30〜60μmの範囲内とすることを特徴とする塩化
    ビニル系重合体の製造法。
  2. 【請求項2】分散安定剤として、(A)ケン化度75〜
    90モル%、かつ、平均重合度2000〜4000であ
    る部分ケン化ポリビニルアルコール及び(B)ケン化度
    60〜85モル%、かつ、平均重合度300〜1500
    である部分ケン化ポリビニルアルコールを用い、塩化ビ
    ニル系単量体100重量部に対して、該分散安定剤の合
    計量を0.04〜0.08重量部、分散安定剤(A)/
    分散安定剤(B)(重量比率)=5/1〜20/1の範
    囲内で用いることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビ
    ニル系重合体の製造法。
  3. 【請求項3】塩化ビニル系単量体及び水性媒体の重合反
    応器への仕込時の正味攪拌動力を2.00〜4.00k
    w/m3の範囲とし、塩化ビニル系単量体の塩化ビニル
    系重合体への転化率0.5%〜3.0%の範囲で正味攪
    拌動力を1.50〜2.00kw/m3の範囲とするこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の塩化ビニル系重
    合体の製造法。
  4. 【請求項4】還流凝縮器を付設した重合反応器を用いる
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の塩化ビニル系重
    合体の製造法。
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