JPH1180061A - α、α′−ビス(ビニルオキシアルコキシ)キシレンおよびその製造法並びにその硬化物 - Google Patents

α、α′−ビス(ビニルオキシアルコキシ)キシレンおよびその製造法並びにその硬化物

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JPH1180061A
JPH1180061A JP25268397A JP25268397A JPH1180061A JP H1180061 A JPH1180061 A JP H1180061A JP 25268397 A JP25268397 A JP 25268397A JP 25268397 A JP25268397 A JP 25268397A JP H1180061 A JPH1180061 A JP H1180061A
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JP
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xylene
bis
compound
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vinyloxyalkoxy
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JP25268397A
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Seiichi Hayashi
誠一 林
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】芳香族と脂肪族の両方の性質をもつものと期待
される新規なビニルエーテルを提供すること。 【解決手段】式(1) 【化1】 (式中、nは1から4の整数を表す。)で表されるα、
α′−ビス(ビニルオキシアルコキシ)キシレン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成高分子原料と
して有用な芳香環と脂肪族ビニルエーテルがメチレンを
介して結合しているモノマーおよびその製造法並びに該
マノマーを含有する重合性組成物およびその硬化物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】インキ、染料、接着剤、レジスト、製版
材等多種多様な分野で用いられている紫外線硬化型樹脂
や電子線硬化型樹脂などの重合性組成物は、主としてア
クリル系モノマーやオリゴマーが最も一般的であるが、
同じような分野に使用可能な光カチオン重合性のビニル
エーテルへの要望が高まりつつある。ビニルエーテルの
合成は、古くからレッペ反応として知られているアルコ
ール類にアセチレンを付加する方法が知られており、さ
らにこうして得られたビニルエーテルを使って更に官能
基置換し、より有用な官能基を持つビニルエーテル誘導
体を製造する方法も知られているが、芳香環と脂肪族ビ
ニルエーテル基がメチレン基を介して結合している(ビ
ニルオキシアルコキシ)キシレン類は、芳香族と脂肪族
の両方の性質をもつものと期待され、その重合硬化物も
新規な性質を持つと期待できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なモノ
マーとして期待される脂肪族ビニルエーテルと芳香環が
メチレン基を介して結合している(ビニルオキシアルコ
キシ)キシレン類及びその製造法並びに重合性組成物及
びその硬化物を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討、研究した結果、低皮膚刺激性であり、種々
の分野において極めて有用である下記式(1)で表され
る化合物を見いだし、本発明を完成した。すなわち、本
発明は、 (1)一般式(1)
【0005】
【化6】
【0006】(式中、nは1から4の整数を表す。)で
表されるα、α′−ビス(ビニルオキシアルコキシ)キ
シレン、(2)一般式(2)
【0007】
【化7】
【0008】(式中、X1 、X2 はそれぞれ独立してフ
ッ素、塩素、臭素、沃素原子またはスルホニルオキシ残
基を表す。)で表される化合物と一般式(3)
【0009】
【化8】
【0010】(式中、Mはアルカリ金属原子を表し、n
は1から4の整数を表す。)で表される金属アルコキシ
ドとを非プロトン性極性溶媒もしくはグライム系溶媒ま
たは両者の混合溶媒中で反応させることを特徴とする前
記一般式(1)で表されるα、α′−ビス(ビニルオキ
シアルコキシ)キシレンの製造法、(3)一般式(4)
【0011】
【化9】
【0012】(式中、Mはアルカリ金属原子を表す。)
で表される化合物と一般式(5)
【0013】
【化10】
【0014】(式中、Yはフッ素、塩素、臭素、沃素原
子またはスルホニルオキシ残基を表し、nは1から4の
整数を表す。)で表される化合物とを非プロトン性極性
溶媒もしくはグライム系溶媒または両者の混合溶媒中ま
たはアルカリ水溶液中で反応させることを特徴とする前
記一般式(1)で表されるα、α′−ビス(ビニルオキ
シアルコキシ)キシレンの製造法、(4)上記(1)に
記載のα、α′−ビス(ビニルオキシアルコキシ)キシ
レンを含有する重合性組成物、(5)上記(4)に記載
の重合性組成物を硬化してなる硬化物に関するものであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のα、α′−ビス(ビニルオキシアルコキシ)キ
シレンは、前記一般式(2)で表される化合物と一般式
(3)で表される化合物とを反応させるか、前記一般式
(4)で表される化合物と一般式(5)で表される化合
物とを反応させ得ることができる。また、前記において
式(2)または式(5)におけるスルホニルオキシ残基
としては、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスル
ホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフル
オロメタンスルホニルオキシ基等が好ましい基として挙
げられる。使用しうる式(2)の化合物の具体例として
は、α、α′−ジハロゲノオルトキシレン、α、α′−
ジハロゲノメタキシレン、α、α′−ジハロゲノパラキ
シレンが挙げられる。ここでハロゲン基としてはフッ
素、塩素、臭素、沃素原子を挙げることができる。
【0016】本発明において使用する式(3)で表され
る化合物は、アルカリ金属とアルコール、アルカリ金属
水素化物とアルコール、アルカリ金属水酸化物とアルコ
ールから調製できるが、好ましくは水素化ナトリウムを
適当な溶媒に分散させておき、そこにアルコールを滴下
して調製する。溶媒としてペンタン、ヘキサンやベンゼ
ン、トルエンを用いることもできるが、非プロトン性極
性溶媒もしくはグライム系溶媒または両者の混合溶媒が
好ましい。また、非プロトン性極性溶媒もしくはグライ
ム系溶媒以外のを用いた場合は、式(3)の化合物を調
製してから溶媒を減圧下に留去し、非プロトン性極性溶
媒もしくはグライム系溶媒または両者の混合溶媒に変換
してから式(2)の化合物との反応に用いるのが好まし
い。
【0017】用いうる式(3)の化合物の具体例として
は、ナトリウムビニルオキシエトキシド、カリウム ビ
ニルオキシエトキシド、リチウムビニルオキシエトキシ
ド、ナトリウム ビニルオキシエトキシエトキシド、カ
リウムビニルオキシエトキシエトキシド、リチウムビニ
ルオキシエトキシエトキシド等が挙げられる。本発明の
α、α′−ビス(ビニルオキシアルコキシ)キシレンを
得る際の式(3)の化合物の使用量は、式(2)の化合
物に対して通常2〜20倍モル、好ましくは2〜8倍モ
ルである。
【0018】本発明において使用する式(4)の化合物
は、キシリレングリコールとアルカリ金属、アルカリ金
属水素化物、アルカリ金属水酸化物とを溶媒中で反応さ
せ調製できるが、式(1)の化合物を得る反応に非水系
の溶媒を使用するときは、アルカリ金属またはアルカリ
金属水素化物とから予め調製した後、式(4)の化合物
を単離してから反応に用い、水系溶媒を使用するとき
は、アルカリ金属の水溶液にキシリレングリコールを溶
かして反応させ得られる式(4)の化合物を含む溶液を
そのまま反応に使用することができる。後者の場合は、
相関移動触媒を式(1)の化合物を得る反応に併用して
もよい。
【0019】用いうる式(4)の化合物の具体例として
は、o−、m−、p−キシレングリコールのジアルカリ
金属塩等を挙げることができる。前記において、アルカ
リ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム塩が
挙げられる。
【0020】本発明において使用しうる式(5)の化合
物の具体例としては、ビニルオキシエチルハライド、
(ビニルオキシエトキシ)エチルハライドなどを挙げる
ことができる。ここでハロゲンとしてはフッ素、塩素、
臭素、沃素原子を挙げることができる。式(1)の化合
物を得る反応において式(5)の化合物の使用量は、式
(4)の化合物0.5モルに対して通常1〜10倍モ
ル、好ましくは1〜4倍モルである。
【0021】本発明のα、α′−ビス(ビニルオキシア
ルコキシ)キシレンを得る際の溶媒としては、水、アル
コール等の水系溶媒や、ペンタン、ヘキサンやベンゼ
ン、トルエン等の非水系溶媒を挙げることができるが、
目的とする化合物の収率が高くなるため非プロトン性極
性溶媒もしくはグライム系溶媒または両者の混合溶媒が
好ましい。用いうる非プロトン性極性溶媒の具体例とし
ては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセ
トアミド(DMAc)、N−メチルホルムアニリド(M
FA)、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等のアミド系
溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラメチ
レンスルホキシド(TMSO)、テトラメチレンスルホ
ン(スルホラン、TMSO2 )等の硫黄系溶媒、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド(HMPA)等のリン系溶媒を
挙げることができる。また、用いうるグライム系溶媒の
具体例としては、1,2−ジメトキシエタン(モノグラ
イム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグ
ライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル
(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチル
エーテル(テトラグライム)等の溶媒やジエチレングリ
コールジブチルエーテルやジエチレングリコールージt
ert−ブチルエーテル等の溶媒を用いることができ
る。使用する溶媒は、適当な脱水剤、たとえば、モレキ
ュラーシーブ等で乾燥したものが好ましい。反応溶媒の
使用量は、式(2)または式(4)の化合物1モルに対
して通常1〜50リットル、好ましくは、2〜20リッ
トルである。これら非プロトン性極性溶媒またはグライ
ム系溶媒は、それぞれ単独または2種以上を混合して使
用することもできるし、それぞれから選ばれる1種以上
を混合して使用することもできる。
【0022】反応温度としては、通常20〜250℃、
好ましくは、50〜200℃である。反応時間は、0.
5〜30時間で、好ましくは、0.5〜5時間である。
【0023】反応生成物は、通常の減圧蒸留精製するこ
とがも可能であるが、重合禁止剤を加えて蒸留した方が
好ましい。また、カラムクロマトグラフィーによる精製
も可能だし、結晶性の生成物には、適当な溶媒からの再
結晶精製も可能である。
【0024】次に本発明の重合性組成物につき説明す
る。本発明の重合性組成物は、本発明の式(1)の化合
物と重合開始剤、及びその他必要に応じて種々の重合性
化合物、染料、顔料、可塑剤、無機充填剤、溶剤などを
所定量混合して得ることができる。重合開始剤として
は、熱重合開始剤、光重合開始剤などのラジカル重合や
イオン(カチオン)重合を起こしうるものであれば特に
制限はない。
【0025】用いられる熱重合開始剤の具体例として
は、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロ
イル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシ
クロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
【0026】用い得る光ラジカル重合開始剤の具体例と
しては、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾフェ
ノン、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエート、4
−ジメチルアミノエチルベンゾエート等が挙げられる。
【0027】用い得る光カチオン重合開始剤の具体例と
しては、特公昭53−32831号、特公昭52−14
277号、特公昭52−14278号、特公昭52−1
4279号、特公昭52−25686号、特公昭61−
34752号、特開昭54−53181号、特開昭54
−95686号、特公昭61−36530号、特公昭5
9−19581号、特公昭63−65688号、特開昭
55−164204号、特公昭60−30690号、特
公昭63−36332号、特公平1−39423号、特
公平2−10171号、特公平5−15721号、特公
平4−62310号、特公昭62−57653号、特公
平3−12081号、特公平3−12082号、特公平
3−16361号、特公昭63−12092号、特公昭
63−12093号、特公昭63−12095号、特公
昭63−12094号、特公平2−37924号、特公
平2−35764号、特公平4−13374号、特公平
4−75908号、特公平4−73428号、特公昭5
3−32831号、特開平2−150848号、特開平
2−296514号、米国特許第4,069,055
号、米国特許第4,069,056号、米国特許第3,
703,296号等に記載されているスルホニウム塩、
ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨ
ードニウム塩、アルソニウム塩、鉄・アレーン錯体など
が挙げられる。これらの重合開始剤は式(1)の化合物
に対して、通常0.01〜50重量%、好ましくは0.
1〜20重量%使用され、本発明の硬化物を得る際に式
(1)の化合物と混合してもよいし、本発明の重合性組
成物中に混合してもよい。
【0028】本発明の硬化物は、本発明の式(1)の化
合物をそのまま、好ましくは本発明の重合性組成物とし
て、紫外線、電子線または放射線の照射もしくは加熱し
て得ることができる。
【0029】以下に、実施例に基づいて本発明をさらに
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0030】実施例1 塩化カルシウム管を付けたジムロート冷却管、温度計、
滴下ロートを備え付けた100mlの三つ口丸底フラス
コに、60%水素化ナトリウム6.4gを計り取り、n
−ペンタンで洗浄して油分を取り除いた。そこに無水D
MAc40mlを加え、滴下ロートからヒドロキシエチ
ルビニルエーテル14.4gのDMAc20ml溶液を
ゆっくり滴下した。その後、α、α′−ジブロモ−m−
キシレン10.6gのDMAc20ml溶液を加え、1
00℃まで加温し、同温度で1時間反応させた。放冷
後、反応混合物を水にあけ、ジエチルエーテルで抽出し
た。抽出液を水でよく洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。次いでジエチルエーテルを減圧下に留去して
目的とするα、α′−ビス(ビニルオキシエトキシ)−
m−キシレン10.4gを得た。収率92%。更に生成
物を減圧蒸留して沸点142〜143℃/0.4mmH
gの精製品を得、構造確認をIR、NMR,マススペク
トルから行ったところ、以下の測定値が得られ、目的物
と同定できた。 IR:1618cm-1(CH=CH2 1 HNMR(CDCl3 ):δ3.71(t,C
2 ),3.86(t,CH2),4.01(dd,=
CH),4.19(dd,=CH),4.58(s,C
2 ),6.51(m,−OCH=),7.31(m,
Ar−H)ppm13 CNMR(CDCl3 ):δ67.25(CH2 ),
68.42(CH2 ),73.16(Ar−CH
2 O),86.65(=CH2 ),127.06(Ar
−H),128.51(Ar−H),138.20(A
r−H),151.76(OCH=)ppm Mass:m/z278(M+
【0031】実施例2 実施例1においてDMAcの代わりに無水スルホランを
用い、50℃で30分間させた他は実施例1と同様に処
理して目的とするα、α′−ビス(ビニルオキシエトキ
シ)−m−キシレンを収率88%で得た。
【0032】実施例3 実施例1においてDMAcの代わりに無水ジグライムを
用い、85℃で30分間させた他は実施例1と同様に処
理して目的とするα、α′−ビス(ビニルオキシエトキ
シ)−m−キシレンを収率95%で得た。
【0033】実施例4 実施例1と同様な反応装置を用い、そこに60%水素化
ナトリウム6.4gを計り取り、n−ペンタンで洗浄し
て油分を取り除いた。そこに無水ジグライム50mlを
加え、さらに滴下ロートからヒドロキシエチルビニルエ
ーテル14.4gのジグライム10ml溶液をゆっくり
滴下した。その後、α、α′−ジブロモ−p−キシレン
10.6gのジグライム30ml溶液を加え、87〜9
0℃で30分間反応させた。放冷後、反応混合物を水に
あけ、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を水でよく
洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ジエチルエ
ーテルを減圧下に留去して目的とするα、α′−ビス
(ビニルオキシエトキシ)−p−キシレン10.4gを
定量的に得た。粗生成物を減圧蒸留して沸点173〜1
76℃/0.32mmHgの精製品を得、構造確認をN
MR,マススペクトルから行ったところ、以下の測定値
が得られ、目的物と同定できた。1 HNMR(CDCl3 ):δ3.69(t,C
2 ),3.85(t,CH2),4.01(dd,=
CH),4.19(dd,=CH),4.57(s,C
2 ),6.51(dd,−CH=),7.33(s,
Ar−H)ppm13 CNMR(CDCl3 ):δ67.23,68.3
0,73.03,86.63,127.84,131.
47,151.76ppm Mass:m/z278(M+
【0034】実施例5 実施例1と同様な反応装置を用い、そこに60%水素化
ナトリウム6.4gを計り取り、n−ペンタンで洗浄し
て油分を取り除いた。そこに無水ジグライム60mlを
加え、さらに滴下ロートからヒドロキシエチルビニルエ
ーテル14.4gのジグライム20ml溶液をゆっくり
滴下した。その後、α、α′−ジブロモ−ο−キシレン
10.6gのジグライム20ml溶液を加え、85〜9
3℃で一時間反応させた。放冷後、反応混合物を水にあ
け、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を水でよく洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ジエチルエー
テルを減圧下に留去して目的とするα、α′−ビス(ビ
ニルオキシエトキシ)−ο−キシレン10.4gを定量
的に得た。粗生成物を減圧蒸留して沸点176〜179
℃/0.65mmHgの精製品を得、構造確認をNM
R,マススペクトルから行ったところ、以下の測定値が
得られ、目的物と同定できた。1 HNMR(CDCl3 ):δ3.70(t,C
2 ),3.84(t,CH2),4.00(dd,=
CH),4.18(dd,=CH),4.65(s,C
2 ),6.50(dd,−CH=),7.07(m,
Ar−H),7.39(m,Ar−H)ppm13 CNMR(CDCl3 ):δ67.07,68.0
3,70.94,86.49,127.51,128.
49ppm Mass:m/z278(M+
【0035】
【発明の効果】本発明のα、α′−ビス(ビニルオキシ
アルコキシ)キシレンは、皮膚刺激性が低く、本発明の
重合組成物として光カチオン重合開始剤を含有せしめた
ものは、硬化速度が速く、酸素による重合阻害がほとん
ど無いという優れた特徴をもつ。また、本発明の製造方
法により、コーティング剤、インキ、塗料、接着剤、レ
ジスト、製版材といった種々の分野で極めて重要な芳香
環がメチレン鎖を介して結合している脂肪族ビニルエー
テル類を簡便に製造できるようになった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、nは1から4の整数を表す。)で表されるα、
    α′−ビス(ビニルオキシアルコキシ)キシレン。
  2. 【請求項2】一般式(2) 【化2】 (式中、X1 、X2 はそれぞれ独立してフッ素、塩素、
    臭素、沃素原子またはスルホニルオキシ残基を表す。)
    で表される化合物と一般式(3) 【化3】 (式中、Mはアルカリ金属原子を表し、nは1から4の
    整数を表す。)で表される金属アルコキシドとを非プロ
    トン性極性溶媒もしくはグライム系溶媒または両者の混
    合溶媒中で反応させることを特徴とする前記一般式
    (1)で表されるα、α′−ビス(ビニルオキシアルコ
    キシ)キシレンの製造法。
  3. 【請求項3】一般式(4) 【化4】 (式中、Mはアルカリ金属原子を表す。)で表される化
    合物と一般式(5) 【化5】 (式中、Yはフッ素、塩素、臭素、沃素原子またはスル
    ホニルオキシ残基を表し、nは1から4の整数を表
    す。)で表される化合物とを非プロトン性極性溶媒もし
    くはグライム系溶媒または両者の混合溶媒中で反応させ
    ることを特徴とする前記一般式(1)で表されるα、
    α′−ビス(ビニルオキシアルコキシ)キシレンの製造
    法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のα、α′−ビス(ビニル
    オキシアルコキシ)キシレンを含有する重合性組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の重合性組成物を硬化し
    てなる硬化物。
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