JPH117839A - フラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブル - Google Patents
フラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブルInfo
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Abstract
り高い耐熱性を有し、かつ、低コストで製造可能なフラ
ットケ−ブル用被覆材およびそれを使用したフラットケ
−ブルを提供することである。 【解決手段】 可撓性を有する耐熱性基材の片面に、導
体への密着性と自己接着性とを有し、かつ、ガラス転移
温度が異なる樹脂のいずれかを主成分として含有し、更
に、難燃性付与剤を含有する2種類の樹脂組成物による
第1の樹脂層と第2の樹脂層との2層からなる接着性樹
脂層を設けたことを特徴とするフラットケ−ブル用被覆
材およびそれを用いたフラットケ−ブルに関するもので
ある。
Description
用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブルに関し、
更に詳しくは、パソコン、液晶表示装置、携帯電話、プ
リンタ−、複写機、その他等の電子・電気機器、自動
車、その他等の内部配線に用いられるフラットケ−ブル
に適用される難燃性、耐熱性、接着性等に優れた電気絶
縁性のフラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフ
ラットケ−ブルに関するものである。
体にポリ塩化ビニル樹脂等を被覆した、いわゆる、塩ビ
被覆線が主に使用されている。このものは、例えば、電
子・電気機器、あるいは、自動車、その他等の物品の電
気配線に使用すると、その回線数が多くなると、その重
量がかなりのものになるという問題点がある。このた
め、近年、電気配線材の本数が増加するにしたがい、被
覆線のコンパクト化が要求されるようになり、接着剤層
が形成された一対の絶縁性フラットケ−ブル用被覆材で
複数の導体を挟み込んで形成した、いわゆる、フラット
ケ−ブルが、注目され、種々の形態のものが開発されて
いる。而して、上記のフラットケ−ブル用被覆材として
は、例えば、二軸延伸ポリエステルフィルム等の耐熱性
基材の片面に、ヒ−トシ−ラント層としてポリ塩化ビニ
ル樹脂のフィルムをドライラミネ−ションにて積層して
なるフラットケ−ブル用被覆材、あるいは、二軸延伸ポ
リエステルフィルム等の耐熱性基材に熱硬化型接着促進
剤層を介して飽和ポリエステル樹脂と難燃化剤とを含む
ヒ−トシ−ラント層をコ−ティング法により形成してな
るフラットケ−ブル用被覆材等が用いられている。而し
て、上記のようなフラットケ−ブル用被覆材は、金属ケ
−ブルを、そのヒ−トシ−ラント層を対峙させて挟み込
んだ後、熱ロ−ル法等によりヒ−トシ−ラント層を溶融
して金属ケ−ブルをヒ−トシ−ラント層中に嵌合しつ
つ、ヒ−トシ−ラント層どうしを熱接着して、金属ケ−
ブルを被覆する構成となっている。
ットケ−ブル用被覆材において、二軸延伸ポリエステル
フィルム等の耐熱性基材の片面に、ヒ−トシ−ラント層
としてポリ塩化ビニル樹脂のフィルムをドライラミネ−
ションにて積層してなるフラットケ−ブル用被覆材の場
合、ヒ−トシ−ラント層としてのポリ塩化ビニル樹脂の
フィルムは、金属ケ−ブルと熱接着性に乏しく、高温の
環境下ではポリ塩化ビニル樹脂のフィルムと金属ケ−ブ
ルとの間に空隙が発生したり、あるいは空隙の圧力によ
りヒ−トシ−ラント層がデラミネ−ションを起こすとい
う問題点がある。更に、上記のフラットケ−ブル用被覆
材の場合、屈曲性に乏しく、また、ポリ塩化ビニル樹脂
のフィルムを使用していることから、環境破壊の問題に
もなり兼ねないものである。また、上記の二軸延伸ポリ
エステルフィルム等の耐熱性基材に熱硬化型接着促進剤
層を介して飽和ポリエステル樹脂と難燃化剤とを含むヒ
−トシ−ラント層をコ−ティング法により形成してなる
フラットケ−ブル用被覆材の場合、高い耐ブロッキング
性能とヒ−トシ−ル性能との両立を図るために、高いガ
ラス転移温度を有する樹脂を使用してヒ−トシ−ラント
層を形成する必要がある。しかしながら、上記のような
従来の仕様においては、高温高湿環境下で、耐熱性基材
とヒ−トシ−ラント層との密着力が著しく低下し、それ
に伴い、高いヒ−トシ−ル強度を得られないという問題
点がある。そこで本発明は、導体との密着性、難燃性等
に優れ、更に,より高い耐熱性を有し、かつ、低コスト
で製造可能なフラットケ−ブル用被覆材およびそれを使
用したフラットケ−ブルを提供することである。
な問題点を解決すべく種々研究の結果、可撓性を有する
耐熱性基材の片面に、導体への密着性と自己接着性を有
し、かつ、ガラス転移温度が低い樹脂、または高い樹脂
を主成分として含有し、更に、難燃性付与剤を含有する
2種類の樹脂組成物による第1の樹脂層と第2の樹脂層
との2層からなる接着性樹脂層を形成してフラットケ−
ブル用被覆材を製造し、而して、該フラットケ−ブル用
被覆材を、その第2の樹脂層からなる接着性樹脂層を対
向させて重ね合わせ、更に、その層間に導体を介して加
熱加圧してヒ−トシ−ルし、該フラットケ−ブ用被覆材
および導体等を密接着させてフラットケ−ブルを製造し
たところ、導体への加熱密着性(接着性)を損なうこと
なく、しかも、難燃性、耐熱性、絶縁性、屈曲性、耐ブ
ロッキング性等の諸性能に優れ、更に、高温高湿環境下
においても諸性能の劣化のないフラットケ−ブル用被覆
材およびそれを用いたフラットケ−ブルを製造し得るこ
とができることを見出して本発明を完成したものであ
る。
性基材の片面に、導体への密着性と自己接着性とを有
し、かつ、ガラス転移温度が異なる樹脂のいずれかを主
成分として含有し、更に、難燃性付与剤を含有する2種
類の樹脂組成物による第1の樹脂層と第2の樹脂層との
2層からなる接着性樹脂層を設けたことを特徴とするフ
ラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ
−ブルに関するものである。
詳しく説明する。まず、本発明にかかるフラットケ−ブ
ル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブルについ
てその二三を例示して図面を用いて説明すると、図1お
よび図2は、本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材
の層構成を示す概略的断面図であり、図3は、本発明に
かかるフラットケ−ブルの層構成を示す概略的断面図で
ある。
被覆材についてその一例を例示すると、本発明にかかる
フラットケ−ブル用被覆材Aは、図1に示すように、可
撓性を有する耐熱性基材1の片面に、導体への密着性と
自己接着性とを有し、かつ、ガラス転移温度が低い樹
脂、または高い樹脂を主成分として含有し、更に、難燃
性付与剤を含有する2種類の樹脂組成物による第1の樹
脂層2と第2の樹脂層3との2層からなる接着性樹脂層
4を設けた構成からなるものである。また、本発明にか
かるフラットケ−ブル用被覆材について別の形態のもの
を例示すると、本発明にかかる別の形態のフラットケ−
ブル用被覆材Bは、図2に示すように、上記の図1に示
すフラットケ−ブル用被覆材Aにおいて、可撓性を有す
る耐熱性基材1と、第1の樹脂層2と第2の樹脂層3と
の2層からなる接着性樹脂層4との間に、硬化型接着促
進剤層5を設けた構成からなるものである。上記におい
て、2層からなる接着性樹脂層の形成順序としては、上
記の図示のように、先に、ガラス転移温度が低い樹脂を
主成分として含有する樹脂組成物による第1の樹脂層を
形成し、次に、ガラス転移温度が高い樹脂を主成分とし
て含有する樹脂組成物による第2の樹脂層を形成して、
2層からなる接着性樹脂層を構成してもよく、あるい
は、この逆で、先に、ガラス転移温度が高い樹脂を主成
分として含有する樹脂組成物による第2の樹脂層を形成
し、次に、ガラス転移温度が低い樹脂を主成分として含
有する樹脂組成物による第1の樹脂層を形成して、2層
からなる接着性樹脂層を構成してもよい。而して、本発
明においては、上記の前者のような形成順序が、ヒ−ト
シ−ル性樹脂層である第2の樹脂層が、優れた耐ブロッ
キング性能を有するためには、高いガラス転移温度であ
る必要があり、また、基材と第2の樹脂層との接着に
は、低分子量で密着性に富む低いガラス転移温度の、や
わらかい樹脂を第1の樹脂層として用いることが望まし
いものである。ところで、上記の例示は、本発明にかか
るフラットケ−ブル用被覆材につて、その一二例を示し
たものであり、これによって本発明は限定されるもので
はないことは言うまでもないことである。
明にかかるフラットケ−ブル用被覆材を使用した本発明
にかかるフラットケ−ブルについて説明すると、本発明
にかかるフラットケ−ブルCは、上記の図1に示すフラ
ットケ−ブル用被覆材Aを使用した場合の例をあげる
と、図3に示すように、可撓性を有する耐熱性基材1の
片面に、導体への密着性と自己接着性とを有し、かつ、
ガラス転移温度が低い樹脂、または高い樹脂を主成分と
して含有し、更に、難燃性付与剤を含有する2種類の樹
脂組成物による第1の樹脂層2と第2の樹脂層3との2
層からなる接着性樹脂層4を設けたフラットケ−ブル用
被覆材A、Aを、その第2の樹脂層3からなる接着性樹
脂層4を対向させて重ね合わせ、更に、その間に、例え
ば、金属等の導体6を介して加熱加圧してヒ−トシ−ル
し、該フラットケ−ブル用被覆材A、A、および導体6
等を相互に密接着させた構成からなるものである。勿
論、本発明においては、上記の図2に示すフラットケ−
ブル用被覆材Bを使用し、上記と同様にして、本発明に
かかるフラットケ−ブルを製造することがてきることは
言うまでもないことである。
明にかかるフラットケ−ブル用被覆材を構成する材料、
あるいは、その製造法等について説明すると、まず、本
発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材において、可撓
性を有する耐熱性基材としては、機械的強度、寸法安定
性等に優れ、かつ耐熱性、可撓性、耐薬品性、耐溶剤
性、屈曲性、絶縁性等に富む樹脂のフィルムないしシ−
トを使用することができ、例えば、ポリエチレンテレフ
タレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン
ナフタレ−ト、ポリテトラメチレンテレフタレ−ト等の
ポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹
脂、ナイロン12、ナイロン66等のポリアミド系樹
脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエ−テルイミ
ド等のポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニル等のフッ素含有樹脂、ポリエ−テ
ルスルフォン、ポリエ−テルケトン、ポリフェニレンサ
ルファイド、ポリアリレ−ト、ポリエステルエ−テル、
全芳香族ポリアミド、ポリカ−ボネ−ト等の、いわゆる
エンジニアリングプラスチック、その他等の各種の樹脂
のフィルムないしシ−トを使用することができる。而し
て、これらの樹脂のフィルムは、未延伸、あるいは一軸
方向または二軸方向に延伸したフィルム等のいずれでも
よく、また、その厚さは、6μmないし100μm位、
好ましくは、10μmないし50μm位が望ましい。
ル用被覆材において、第1の樹脂層と第2の樹脂層との
2層からなる接着性樹脂層を構成する樹脂としては、加
熱溶融して金属等の導体への蜜接着性(接着性)に優
れ、更に、加熱溶融して相互に自己接着性を有する各種
の樹脂もしくはプレポリマ−等を使用することができ、
例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
アイオノマ−樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、エチ
レン−アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル系樹脂、アクリル系またとメタクリル系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリル
ニトリル系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリペンテン系樹
脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
ビニルアセタ−ル系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリカ−ボ
ネ−ト系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、フッ素系
樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、熱可塑性ポリイミ
ド系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂、あるいは、例え
ば、フエノ−ル系樹脂、エポキシ系樹脂、けい素系樹
脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル
系樹脂、ジアリルフタレ−ト系樹脂、キシレン系樹脂、
その他等の熱硬化性樹脂もしくはそのプレポリマ−の一
種ないしそれ以上を使用することができる。
から、ガラス転移温度が低い樹脂、具体的には、ガラス
転移温度が−20〜25℃の範囲内からなる樹脂を選択
し、これを主成分として含有する樹脂組成物を調整し、
他方、ガラス転移温度が高い樹脂、具体的には、ガラス
転移温度が30〜75℃の範囲内からなる樹脂を選択
し、これを主成分として含有する樹脂組成物を調整し、
而して、上記の2種類の樹脂組成物を使用し、まず、前
者の樹脂組成物による被膜層を形成して第1の樹脂層と
し、次に、後者の樹脂組成物による被膜層を形成して第
2の樹脂層とし、このような第1の樹脂層と第2の樹脂
層の2層からなる接着性樹脂層を形成して、本発明にか
かるフラットケ−ブル用被覆材を製造することができ
る。
脂の中で、ガラス転移温度が低い樹脂のガラス転移温度
が−20以下であると、分子量も非常に小さいものとな
り、高温環境下での基材との接着力が著しく低下するの
で好ましくなく、また、ガラス転移温度が25℃以上で
あると、環境温度に依らず、基材との密着力不足が発生
し、界面剥離等が発生することがあるので好ましくない
ものである。また、上記において、上記のような樹脂の
中で、ガラス転移温度が高い樹脂のガラス転移温度が3
0℃以下であると、高温高湿環境下におけるブロッキン
グが発生し、かつ、樹脂の熱溶融が過剰に発生し、耐熱
接着性能が劣化するので好ましくなく、また、ガラス転
移温度が75℃以上であると、ヒ−トシ−ル時に、樹脂
の熱溶融が不十分となり、低温シ−ル性に悪影響を及ぼ
すので好ましくないものである。
脂を主成分として含有する樹脂組成物を調整する際に、
難燃性付与剤を添加することができる。而して、上記の
難燃性付与剤としては、例えば、塩素化パラフィン、塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、パ−クロルペ
ンタシクロデカン、無水ヘット酸、クロルエンド酸等の
塩素系、テトラブロモエタン、テトラブロモブタン、テ
トラブロモビスフェノ−ルA、ヘキサブロモベンゼン、
デカブロモビスフェニルエ−テル、テトラブロモ無水フ
タ−ル酸、ポリジブロモフェニレンオキサイド、キサブ
ロモシクロデカン、臭化アンモニウム等の臭素系等の含
ハロゲン有機化合物または無機化合物、赤リン、トリア
リルフォスフェ−ト、アルキルアリルフォスフェ−ト、
アルキルフォスフェ−ト、ジメチルメチルフォスフェ−
ト、フォスフォリネ−ト、ハロゲン化フォスフォネ−ト
エステル、トリメチルフォスフェ−ト、トリエチルフォ
スフェ−ト、トリブチルフォスフェ−ト、トリオクチル
フォスフェ−ト、トリブトキシエチルフォスフェ−ト、
オクチルジフェニルフォスフェ−ト、トリクレジルフォ
スフェ−ト、クレジルジフェニルフォスフェ−ト、トリ
フェニルフォスフェ−ト、トリス(クロロエチル)フォ
スフェ−ト、トリス(2−クロロプロピル)フォスフェ
−ト、トリス(2.3−ジクロロプロピル)フォスフェ
−ト、トリス(2.3−ジブロモプロピル)フォスフェ
−ト、トリス(ブロモクロロプロピル)フォスフェ−
ト、ビス(2.3−ジブロモプロピル)2.3−ジクロ
ロプロピルフォスフェ−ト、ビス(クロロプロピル)モ
ノオクチルフォスフェ−ト、ポリフォスホネ−ト、ポリ
フォスフェ−ト、芳香族ポリフォスフェ−ト、ジブロモ
ネオベンチルグリコ−ル等のリン酸エステルまたはリン
化合物、フォスフォネ−ト型ポリオ−ル、フォスフェ−
ト型ポリオ−ル、含ハロゲンポリオ−ル等のポリオ−ル
化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三
酸化アンチモン、三塩化アンチモン、五酸化アンチモ
ン、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンチモン、ホウ酸、モリブデ
ン酸アンチモン、モリブデン酸化物、酸化モリブデン、
リン−窒素化合物、カルシウム−アルミ−シリケ−ト、
ジルコニウム化合物、錫化合物、ド−ソナイト、アルミ
ン酸カルシウム水和物、酸化銅、銅粉末、炭酸カルシウ
ム、メタホウ酸バリウム等の金属粉または無機化合物、
その他、シリコ−ン系ポリマ−、フェロセン、フマ−ル
酸、マレイン酸、トリアジン、イソシアヌレ−ト、尿
素、グアニジン化合物等の窒素含有化合物等の各種の難
燃剤を使用することができる。
脂の一種ないしそれ以上を主成分とし含有し、更に、上
記のような難燃付与剤の一種またはそれ以上を加え、更
に、必要ならば、その他の添加剤を加え、例えば、トル
エン、酢酸エチル、アルコ−ル類、メチルエチルケトン
等の溶剤、希釈剤等にて混練して可溶化または分散化し
て樹脂組成物を製造し、これを、例えば、ナイフコ−
ト、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、キスコ−ト、バ−
コ−ト、ロッドコ−ト、コンマコ−ト等のコ−ティング
方式でコ−ティングし、厚さ20ないし60μm/dr
y位の難燃付与剤を含有する第1の樹脂層と第2の樹脂
層との2層からなる接着性樹脂層を形成することができ
る。なお、上記において、樹脂の一種またはそれ以上
と、難燃性付与剤の一種またはそれ以上との配合割合と
しては、耐ブロッキング性、層間接着性、残留溶剤量等
の点を考慮して、前者が約20ないし60重量部に対
し、後者を約40ないし80重量部位の割合で配合して
使用することが望ましいものである。また、上記におい
て、その他の添加剤としては、例えば、充填剤、安定
剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、着色
剤、その他等を使用することができる。特に、本発明に
おいては、その他の添加剤としては、例えば、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミ
ニウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の体質顔料または白色
顔料、その他の無機化合物の粉末、ガラスフリット、フ
ッ素系樹脂粉末、ポリオレフィン樹脂粉末、その他等を
使用することができる。
な樹脂の一種ないしそれ以上と、更に、難燃性付与剤の
一種ないしそれ以上を添加し、更にまた、その他の添加
剤等を任意に選択して加え、これらを十分に溶融混練し
て、2種類からなる樹脂組成物を調整し、しかる後該樹
脂組成物を溶融状態で細い孔またはスリット等から樹脂
温度120〜260℃位、押し出し速度(ライン速度)
20〜50m/min位の条件で基材上に連続的に共押
し出して、第1の樹脂層と第2の樹脂層との2層からな
る接着性樹脂層としての溶融押し出し被膜を形成するこ
とによって、本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆材
を製造することもできる。上記の樹脂組成物において、
樹脂と難燃性付与剤との配合割合としては、前述と同様
である。
トケ−ブル用被覆材を構成する硬化型接着促進剤層とし
ては、上記の可撓性を有する耐熱性基材と、接着性樹脂
層との密着力を向上させてデラミネ−ションを抑制し、
更に熱接着加工速度を向上させ、また、耐熱接着性を向
上させるために設けるものである。而して、本発明にお
いて、硬化型接着促進剤層を構成する硬化型接着促進剤
としては、例えば、ポリエチレンイミン系化合物、有機
チタン系化合物、ポリオレフィン系化合物、ポリブタジ
エン系化合物、イソシアネ−ト系化合物、ポリエステル
ウレタン系化合物、ポリエ−テルウレタン系化合物等を
使用することができる。
適性、および30〜40℃位の低温にて硬化可能である
という点から、主剤であるポリオ−ル成分と硬化剤であ
るイソシアネ−ト成分との組み合わせからなる2液硬化
型接着促進剤を使用することが望ましい。上記におい
て、主剤としては、例えば、エチレングリコ−ル、ジエ
チレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、1.4−
ブタンジオ−ル、1.6−ヘキサンジオ−ル、ネオペン
チルグリコ−ル等のジオ−ル成分と、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバチン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等
の二塩基成分とから合成されるポリエステルポリオ−ル
もしくはその変性物、ポリエチレングリコ−ル、ポリオ
キシプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレネ−テル
グリコ−ル等のポリエ−テルポリオ−ルもしくはその変
性物、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジ
プロピレングリコ−ル、1.4−ブタンジオ−ル、1.
6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、トリ
メチロ−ルプロパン等の低分子ポリオ−ル等を使用する
ことができる。
えば、トリレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イ
ソホリンジイソシアネ−ト、トリス(イソシアネ−トフ
ェニル)、メタン−トリス(イソシアネ−トフェニル)
チオホスフェ−ト等のイソシアネ−トモノマ−、トリレ
ンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト
等のイソシアネ−トモノマ−をトリメチロ−ルプロパン
に付加したウレタンプレポリマ−、ヘキサメチレンジイ
ソシアネ−トビュ−レット、ヘキサメチレンジイソシア
ネ−トおよびイソホロンジイソシアネ−トトリマ−等の
イソシアネ−ト変性体等を使用することができる。な
お、本発明においては、上記のような硬化型接着促進剤
に対し、例えば、接着促進力、耐熱接着性、高速熱接着
性等を向上させるために、チタンカップリング剤、シラ
ンカップリング剤、無機フィラ−等の助剤を任意に加え
ることができる。
さとしては、可撓性を有する耐熱性基材と、接着性樹脂
層との密着力を向上させることができれば、適宜選択し
て設定することができ、例えば、0.01ないし2μm
位が好ましい。また、本発明において、硬化型接着促進
剤層の形成は、予め、可撓性を有する耐熱性基材の上に
形成することが好ましく、その形成法としては、上記の
ような硬化型接着促進剤をトルエン、酢酸エチル、アル
コ−ル類、メチルエチルケトン等の溶剤に可溶化または
分散した状態で組成物を構成し、これを可撓性を有する
耐熱性基材上に、例えば、グラビアリバ−ス法、ロ−ル
コ−ト法、グラビアダイレクト法等のコ−ティング方式
を用いて形成することができる。
かかるフラットケ−ブル用被覆材を使用し、該フラット
ケ−ブル用被覆材を、その第2の樹脂層からなる接着性
樹脂層面を対向させて重ね合わせ、更に、その層間に、
金属等の導体を介在させ、しかる後該フラットケ−ブル
用被覆材、導体等を加熱加圧してヒ−トシ−ルすること
により、該フラットケ−ブル用被覆材を構成する接着性
樹脂層と導体とを蜜接着させ、更に、該接着性樹脂層自
身も相互に自己接着させ、かかることによって、フラッ
トケ−ブル用被覆材と導体とが蜜接着して一体化してな
るフラットケ−ブルを製造することができるものであ
る。
に詳しく本発明を説明する。 実施例1 (1).第1の樹脂層を形成する第1の樹脂組成物の調
整。 熱可塑性線状飽和ポリエステル樹脂(ガラス転移温度、
4℃、軟化点、114℃、比重、1.24)100重量
部に対し、〔臭化エチレン系難燃剤(初期溶融温度、3
45℃)+三酸化アンチモン+水酸化アルミニウム〕7
0重量部とトルエン100重量部とメチルエチルケトン
100重量部を添加し、これらを十分に混練し、難燃性
付与剤を含有する第1の樹脂組成物を製造した。 (2).第2の樹脂層を形成する第2の樹脂組成物の調
整。 熱可塑性線状飽和ポリエステル樹脂(ガラス転移温度、
45℃、軟化点、155℃、比重、1.25)100重
量部に対し、難燃性付与剤〔臭化エチレン系難燃剤(初
期溶融温度、345℃)+三酸化アンチモン+水酸化ア
ルミニウム〕80重量部とトルエン100重量部とメチ
ルエチルケトン100重量部を添加し、これらを十分に
混練し、難燃性付与剤を含有する第1の樹脂組成物を製
造した。 (3).フラットケ−ブル用被服材の製造 厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフ
ィルム〔引っ張り強さ(MD)26Kg/mm2 、(T
D)28Kg/mm2 、伸び(MD)140%、(T
D)130%、低熱収縮タイプ〕からなる耐熱性基材の
上に、硬化型接着促進剤(主剤/硬化剤=ポリエステル
ポリオ−ル/ジフェニルメタンジイソシアネ−ト=4/
1からなる促進剤)をグラビアリバ−スコ−ト法により
厚さ0.5μm/dry塗工し、乾燥し、更に、50℃
の雰囲気中にて5日間のエ−ジング処理を行い、硬化型
接着促進剤層を形成した。次いで、上記で形成した硬化
型接着促進剤層の上に、上記で製造した第1の樹脂組成
物を使用し、これをコンマコ−ト法によりコ−ティング
し、乾燥して、厚さ20μm/dryの第1の樹脂層を
形成した。次に、上記で形成した第1の樹脂層の上に、
更に、上記で製造した第2の樹脂組成物を使用し、これ
を、上記と同様に、コンマコ−ト法によりコ−ティング
し、乾燥して、厚さ25μm/dryの第2の樹脂層を
形成した。而して、上記の第の樹脂層と第2の樹脂層と
からなる総コ−ト厚45μmの2想からなる接着性樹脂
層を形成して、本発明にかかるフラットケ−ブル用被覆
材を製造した。 (4).フラットケ−ブルの製造 上記で製造したフラットケ−ブル用被覆材を使用し、厚
さ35μmの導体の両面に、ラインスピ−ド、約5.0
m/min、シ−ル温度、170℃の条件にて加熱圧着
させて、フラットケ−ブルを製造した。
ング性、金属等の導体との接着性、シ−ル強度等につい
て測定した。その結果を下記の表1に示す。
は、ヒ−トシ−ル層面と基材面とが接触するように重ね
合わせ、3Kg/cm2 の荷重をかけて40℃、湿度9
0%の環境下にて20日間保存し、しかる後試料につい
て、ブロッキング状態を観察し、評価した。また、上記
の表1において、金属等の導体との接着性は、ヒ−トシ
−ル層と銅板とを150℃の金属板とシリコンゴムとの
間で3Kg/cm2 、3秒間の条件下で試料を作製し、
しかる後、該試料について、速度100mm/minの
T型剥離試験機を使用して剥離試験を行って測定した。
更に、上記の表1において、接着性樹脂層間の接着強度
は、ヒ−トシ−ル層どうしを150℃の金属板とシリコ
ンゴムとの間で3Kg/cm2 、3秒間の条件下で試料
を作製し、しかる後、該試料について、速度100mm
/minのT型剥離試験機を使用して剥離試験を行って
測定した。次に、上記の表1において、低温環境下での
接着性樹脂層間の接着強度は、ヒ−トシ−ル層どうしを
150℃の金属板とシリコンゴムとの間で3Kg/cm
2、3秒間の条件下で試料を作製し、しかる後、該試料
について、速度100mm/minのT型剥離試験機を
使用し、雰囲気温度−40〜20℃の環境下で剥離試験
を行って測定した。また、上記の表1において、高温環
境下での接着性樹脂層間の接着強度は、上記と同条件で
作製した試料について、上記と同様に、T型剥離試験機
を使用し、雰囲気温度20〜100℃の環境下で剥離試
験を行って測定した。なお、上記の測定結果について、
◎は、最良とし、○は、良とし、△は、普通とし、×
は、不良とした。
フラットケ−ブル用被覆材を使用して製造したフラット
ケ−ブルは、従来の技術の項で述べた従来品のそれと比
べて優れているものであった。
は、可撓性を有する耐熱性基材の片面に、導体への密着
性と自己接着性を有し、かつ、ガラス転移温度が低い樹
脂、または高い樹脂を主成分として含有し、更に、難燃
性付与剤を含有する2種類の樹脂組成物による第1の樹
脂層と第2の樹脂層との2層からなる接着性樹脂層を形
成してフラットケ−ブル用被覆材を製造し、而して、該
フラットケ−ブル用被覆材を、その第2の樹脂層からな
る接着性樹脂層を対向させて重ね合わせ、更に、その層
間に導体を介して加熱加圧してヒ−トシ−ルし、該フラ
ットケ−ブ用被覆材および導体等を蜜接着させてフラッ
トケ−ブルを製造して、導体への加熱密着性(接着性)
を損なうことなく、しかも、難燃性、耐熱性、絶縁性、
屈曲性、耐ブロッキング性等の諸性能に優れ、更に、高
温高湿環境下においても諸性能の劣化のないフラットケ
−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブルを
製造し得ることができるというものである。
構成を示す概略的断面図である。
構成を示す概略的断面図である。
被覆材を使用して製造した本発明にかかるフラットケ−
ブルの層構成を示す概略的断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 可撓性を有する耐熱性基材の片面に、導
体への密着性と自己接着性とを有し、かつ、ガラス転移
温度が異なる樹脂のいずれかを主成分として含有し、更
に、難燃性付与剤を含有する2種類の樹脂組成物による
第1の樹脂層と第2の樹脂層との2層からなる接着性樹
脂層を設けたことを特徴とするフラットケ−ブル用被覆
材。 - 【請求項2】 接着性樹脂層が、ガラス転移温度が低い
樹脂を主成分として含有する樹脂組成物による第1の樹
脂層と、ガラス転移温度が高い樹脂を主成分として含有
する樹脂組成物による第2の樹脂層との2層からなるこ
とを特徴とする上記の請求項1に記載するフラットケ−
ブル用被覆材。 - 【請求項3】 第1の樹脂層が、ガラス転移温度が−2
0〜25℃からなる樹脂を主成分として含有する樹脂組
成物による被膜層からなり、第2の樹脂層が、ガラス転
移温度が30〜75℃からなる樹脂を主成分として含有
する樹脂組成物による被膜層からなることを特徴とする
上記の請求項1または2に記載するフラットケ−ブル用
被覆材。 - 【請求項4】 可撓性を有する耐熱性基材の面に、第1
の樹脂層からなる接着性樹脂層の面が接していることを
特徴とする上記の請求項1、2または3に記載するフラ
ットケ−ブ用被覆材。 - 【請求項5】 可撓性を有する耐熱性基材と接着性樹脂
層との間に、硬化型接着促進剤層を設けることを特徴と
する上記の請求項1、2、3または4に記載するフラッ
トケ−ブル用被覆材。 - 【請求項6】 可撓性を有する耐熱性基材の片面に、導
体への密着性と自己接着性とを有し、かつ、ガラス転移
温度が異なる樹脂のいずれかを主成分として含有し、更
に、難燃性付与剤を含有する2種類の樹脂組成物による
第1の樹脂層と第2の樹脂層との2層からなる接着性樹
脂層を設けたフラットケ−ブル用被覆材を、その第2の
樹脂層からなる接着性樹脂層を対向させて重ね合わせ、
更に、その間に導体を介して密接着させてなることを特
徴とするフラットケ−ブル。
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---|---|---|---|
JP17127597A JP3883650B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | フラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17127597A JP3883650B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | フラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブル |
Publications (2)
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---|---|
JPH117839A true JPH117839A (ja) | 1999-01-12 |
JP3883650B2 JP3883650B2 (ja) | 2007-02-21 |
Family
ID=15920315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17127597A Expired - Lifetime JP3883650B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | フラットケ−ブル用被覆材およびそれを用いたフラットケ−ブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3883650B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-06-13 JP JP17127597A patent/JP3883650B2/ja not_active Expired - Lifetime
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