JPH1178219A - 印刷用シート - Google Patents

印刷用シート

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JPH1178219A
JPH1178219A JP9252865A JP25286597A JPH1178219A JP H1178219 A JPH1178219 A JP H1178219A JP 9252865 A JP9252865 A JP 9252865A JP 25286597 A JP25286597 A JP 25286597A JP H1178219 A JPH1178219 A JP H1178219A
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water
ink
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soluble polymer
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JP9252865A
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Tomoaki Yamada
友昭 山田
善和 ▲榊▼原
Yoshikazu Sakakibara
Kazunori Sato
和徳 佐藤
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Nihon Rika Seishi KK
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Nihon Rika Seishi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親油性インクによる印刷と水性インクによる
印字を行っても印刷用H液に印刷印字層の可溶成分が溶
出せず、良好な印刷印字画像が得られる印刷用シートを
提供する。 【解決手段】 基材の表面に形成する印刷印字層に、p
H7以上の水溶性高分子とカチオン性架橋剤を含有させ
ることにより、分子間架橋させると共に水溶性高分子内
にカチオン基を導入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、表面の印
刷印字層に表や図柄等の一般情報が親油性インクにより
印刷された後、所定箇所に、インクジェットプリンター
によって可変情報が水性インクにより印字されるような
印刷用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水性インクによりシートに出力印
字するインクジェット方式の発展はめざましく、例え
ば、個人情報(可変情報)をはがきに出力印字し、その
はがきを個人に郵送するシステムのコンピューターの端
末処理装置として、印字スピードが300m/分といっ
た高速印字が可能なインクジェットプリンターが使用さ
れている。このようなシステムにおいては、すべての情
報(一般情報と個人情報)をインクジェットプリンター
でシートに印刷する場合と、予め連続オフセット印刷機
などの各種印刷機により一般情報を印刷したシートに、
個人情報だけ後でインクジェットプリンターにより印字
する場合の二通りがある。
【0003】インクジェット用シートは、一般に、紙面
にシリカ等の顔料を塗工して多孔質層を形成したもの
や、溶解あるいは膨潤によって水性インクを吸収する樹
脂をコーテイングしたものなどが多い。また、その塗工
剤中には水濡れによるインクのにじみを防止するため、
水溶性カチオン系染料定着剤や、第1〜3級アミノ基あ
るいは第4級アンモニウム基を有する比較的低分子の水
溶性カチオン系樹脂などを含有させている(例えば、特
許第2604189号)。ところで、上記染料定着剤あ
るいはカチオン系樹脂は、水性インクに含まれるアニオ
ン性染料を水不溶性に変換させることはできるが、それ
以外の部分は水溶性であり溶出しやすい。このようなイ
ンクジェット用シートにオフセット印刷を行うと、印刷
用H液中にこの成分が容易に溶出し、水元ローラーを汚
染するなどのトラブルを引き起こすことが、本発明者等
の調査の結果判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、オフセット
印刷をした後、インクジェットプリンターで個人情報を
印字をする場合、通常のオフセット印刷用シートを使用
するとインクジェット適性が悪く、反対にインクジェッ
ト用シートは、オフセット印刷に適さない特性を有して
いた。そこで、親油性インク、特にUV硬化性インクと
印刷用H液を用いた多色オフセット印刷に適合し、かつ
インクジェット方式で印字されてもインク定着性、耐水
性および発色性に問題の生じない印刷用シートが強く要
望されていた。しかしながら、このような印刷用シート
は現在のところ存在せず、また検討ないしは研究もほと
んど行われていないのが現状である。したがって、本発
明は上記事情に鑑みてなされたものであり、親油性イン
クによるオフセット印刷と水性インクによるインクジェ
ット印字の両立が可能となる印刷用シートを提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の印刷用シート
は、基材の少なくとも一方の面に形成された印刷印字層
に第1の情報が親油性インクにより印刷され、かつ同印
刷印字層に第2の情報が水性インクにより印字される印
刷用シートにおいて、前記印刷印字層に、pH7以上の
水溶性高分子およびカチオン性架橋剤を含有することを
特徴としている。
【0006】本発明者等の実験によれば、印刷印字層に
カチオン性染料定着剤や低分子(例えば分子量1000
以下)の第1〜3級アミノ基、あるいは第4級アンモニ
ウム基を有しているカチオン性樹脂を含有させても、そ
の樹脂は元々水溶性であるために印刷用H液中で容易に
溶出することが判明した。このように溶出した樹脂は、
オフセット印刷機のドラムを逆に経由して印刷用H液の
供給口周辺に集積するとともに水元ローラの表面粘度が
上昇し、印刷途中で頻繁に掃除しなければならないとい
った問題を招く。また、これらのカチオン性定着剤を除
外すると、印刷トラブルは解消するものの、反対に耐水
性の劣化が助長され、雨水などで印刷面が濡れた場合に
印字面の判読ができなくなるといった問題が生じる。こ
の問題点を解決するために、印刷印字層にpH7以上の
アルカリ性水溶性高分子とカチオン性架橋剤を含有さ
せ、水溶性高分子を分子間架橋させると共にその水溶性
高分子の主鎖あるいは側鎖に第1〜3級アミノ基や第4
級アンモニウム基を導入させることを試みた。その結果
は非常に良好で、基材の処理面からの印刷用H液に対す
るカチオン系水溶性成分の溶出が大幅に改善され、かつ
インクジェットプリンターの水性インクの定着性も通常
のインクジェット用紙と遜色のない水準まで向上させる
ことが確認された。
【0007】この理由は次のように考えられる。すなわ
ち、オフセット印刷時に親油性インクが転写されていな
い部分に印刷用H液が付着しても、水溶性高分子が分子
間架橋され、さらにカチオン基も高分子の主鎖あるいは
側鎖に結合しているので、耐水性が向上し、カチオン基
の移行も生じない。一方、インクジェット方式で使用さ
れる水性インクのアニオン性染料は、第1〜3級アミノ
基や第4級アンモニウム基のプラスの極性によって確実
に定着する。この結果、親油性インクの印刷適性が向上
すると共に、その後に続く水性インクの定着性も維持さ
れるのである。
【0008】本発明は、親油性インクで印刷した後、イ
ンクジェット方式で水性インクを印字する印刷用シート
に好適であるが、逆にインクジェット方式で印字した
後、親油性インクで印刷したり、親油性インクで印刷し
たものを水性インクを用いた筆記用具等で筆記したりす
るような用途に使用することもできる。特に、予め一般
情報を親油性インクで印刷した後、個人情報をコンピュ
ーターによって抽出してインクジェットプリンターで印
字する用途には最適である。このような用途としては、
定期的に可変情報を個人別に送付する銀行、官庁などの
封書やはがき、あるいはダイレクトメール分野などがあ
り、利用範囲はきわめて広範である。
【0009】次に、本発明の印刷用シートを構成する材
料について説明する。 <水溶性高分子>本発明の水溶性高分子としては、エポ
キシ基、メチロール基、イソシアネート基、アミノ基等
と反応性を有する材料で、分子間架橋後、印刷用H液で
容易に溶出しにくい分子量を持った高分子である。。上
記水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルセ
ルロース(CMC)等の水溶性セルロース誘導体、カゼ
イン、デキストリン、でんぷん、変性でんぷん、ポリビ
ニルアルコール(PVA)、変性ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン
(PVP)、水溶性ポリアミン、ポリアクリル酸、ポリ
アクリルアミド、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリエス
テル樹脂、ポリアミド系樹脂、およびカチオン変性され
たこれらの樹脂の変性物等を挙げることができる。
【0010】<カチオン性架橋剤>本発明のカチオン性
架橋剤は、上記水溶性高分子を分子間架橋させ、併せて
分子内に第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を
導入させるために用いる材料であり、このような材料と
は、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、メチロー
ル基、アミノ基等の官能基を複数以上有しており、カチ
オン性を持った樹脂のことである。上記カチオン性架橋
剤として好ましいものは、脂肪族ジカルボン酸(例えば
アジピン酸)とポリアルキレン・ポリアミンから誘導さ
れた塩基性低分子量のポリアミドとエピクロルヒドリン
を反応させて得られるポリアミド・ポリアミン・エピク
ロルヒドリン樹脂やポリアミドポリ尿素の部分メチロー
ル化物、あるいは4級化されたメチロールメラミンなど
を挙げることができる。
【0011】本発明者等の実験によれば、上記カチオン
性架橋剤のうちポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂
と、予めpHを8以上に調整した水溶性高分子のうちカ
ルボキシル変性PVAを使用した場合、特に良好な結果
を得ることが確認された。印刷印字層中に含まれる水溶
性高分子とカチオン性架橋剤の割合は、水溶性高分子に
対して1〜200重量%の範囲にあることが望ましい。
カチオン性架橋剤の割合が1重量%を下回る場合には、
インク吸収性が悪く画像の耐水性が不十分になり、20
0重量%を上回って添加した場合には、水溶性インクの
吸収性が悪くなる。また、ポリアミド・エピクロルヒド
リン樹脂等のエポキシ系のカチオン性架橋剤の場合、水
溶性高分子におけるpHの管理が非常に重要となり、少
なくともpH7以上(すなわちアルカリ性)、より好ま
しくはpH9以上にすると、より良好な結果を得ること
ができた。
【0012】<その他の含有成分>本発明においては、
印刷印字層に上述した水溶性高分子、カチオン性架橋剤
の他に微粒状の充填剤、合成ゴム、熱可塑性樹脂等を含
有することができる。ここで、微粒状の充填剤は、無機
充填剤と有機充填剤とに分類することができる。無機充
填剤としては、炭酸カルシウム、クレー、カオリンクレ
ー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、
酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化ア
ルミニウム、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カ
ルシウム、ケイソウ土、ケイ酸マグネシウム、水和アル
ミニウム酸化物、マイカ、ガラス粉等が挙げられる。こ
れら無機充填剤の中でも、水性インクの吸収性、耐ブロ
ッキング性、および親油性インクの受容性について考慮
した場合、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、カオリン
クレー、水酸化アルミニウムを単独あるいは二つ以上を
組み合わせて用いることが望ましい。
【0013】有機充填剤としては、セルロース粉末、サ
ツマイモでんぷん、じゃがいもでんぷん、小麦でんぷ
ん、とうもろこしでんぷん、コメでんぷん、タピオカで
んぷん、スチレンビーズ、メタクリル酸メチルビーズ等
を例示することができる。これらの有機充填剤は、平均
粒径が5〜30μmと大きいため、耐ブロッキング性を
向上させ、印刷用シートの滑り性を付与することができ
る。したがって、これらの有機充填剤は粉末形状で添加
するのが好ましい。合成ゴムとしては、SBR、NB
R、MBR等のブタジエンゴム、ネオプレンゴム等を挙
げることができる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリ
酢酸ビニル、ポリアクリル酸、およびポリアクリル酸エ
ステル等を挙げることができる。
【0014】これら微粒状の充填剤、合成ゴムおよび熱
可塑性樹脂は、親油性インクや水性インクの着肉性や吸
収性、耐ブロッキング性の向上、充填剤の脱落防止、塗
料の粘度調節および濡れ性の改良等の目的で適宜添加す
ることができる。塗料中には、必要に応じて分散剤、消
泡剤、界面活性剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、防黴
剤、消臭剤および蛍光増白剤等の添加剤を添加すること
ができる。
【0015】基材上に印刷印字層を形成するには、上述
した材料を水に分散あるいは溶解して塗料とし、例えば
紙等の基材の抄造工程中に設けたサイズプレス装置、ゲ
ートロール装置あるいはスプレー装置等で塗工するか、
ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、エ
アーナイフコーター、ロッドブレードコーターあるいは
グラビアロールコーター等の通常の塗工手段で塗工した
後、乾燥する。
【0016】本発明で用いる基材の種類は特に紙に限定
されるものではなく、透明性基材もしくは不透明材基材
のいずれも使用可能であるが、親油性インクで印刷した
り、水性インクで印字したりした画像に透明性が要求さ
れる場合は、透明なプラスチックフィルム等が好適であ
る。透明性基材の例としては、例えば、ポリエステル系
樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等
のフィルム等が挙げられる。また、不透明基材として好
ましいものとしては、例えば、一般の紙、布、合成紙等
の他、上記透明性基材を白色顔料の充填あるいは微細な
発泡等の公知の手段により不透明化処理したものが挙げ
られる。紙等の木材パルプ紙の場合は、予めコート層を
設けたコート紙あるいはキャスト紙等も使用することが
できる。さらに、これらの樹脂フィルムを紙の表面に貼
り合わせたり、溶融樹脂によって加工されたラミネート
紙等も使用可能である。
【0017】また、原紙を抄造する時点において本発明
を用いることも可能である。この場合、使用される原紙
の原料は、木材パルプとしてはLBKP、NBKPなど
の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTM
P、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIP等の故紙
パルプを含み、必要に応じて、従来公知の顔料やバイン
ダー、中性または酸性サイズ剤や定着剤、歩留まり向上
剤、カチオン化剤あるいは紙力増強剤などの各種添加剤
を1種類以上用いて混合する。原紙を抄造するにあたっ
ては、長網抄紙機、丸網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機な
どの各種抄紙装置で製造し、抄紙装置内に付属するサイ
ズプレスやゲートロールコーターなどを用いて本発明の
印刷印字層を形成する。また、この印刷印字層中に、各
種顔料や水分散性高分子などを混合することも可能であ
る。このような原紙は、金属ロールと合成樹脂ロールと
からなるカレンダーを用いてオンマシン処理を施しても
良いし、オフマシン処理を施しても良い。なお、基材に
上記印刷印字層を塗工したシートは、そのまま印刷用シ
ートとして使用することができるが、スーパーカレンダ
ー等で表面を平滑化しても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、下記に示す実施の形態によ
り本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明の印
刷用シートはこれらの実施の形態に何ら限定されるもの
ではない。 (実施例1)基材として、フォーム用紙81.4g/m2
(紀州製紙社製KPF−N)を使用した。この基材に、
下記組成からなる塗料を、塗工量(固形分)が10g/
2になるように塗工し、この後、105℃の熱風を3
分間当てて乾燥させ、印刷用シートを作製した。 「塗料」 ・カルボキシル変性PVA(日本合成化学社製 ゴーセ
ナールT−350)100重量部 ・カチオン変性エポキシ系架橋剤(東邦化学社製 FL
−71)20重量部(pH9) ・水680重量部
【0019】(実施例2)下記組成からなる塗料を用い
た以外は、実施例1と同様にして印刷用シートを作製し
た。 「塗料」 ・酵素変性コンスターチ(日本理化製紙社製)100重
量部 ・ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂(東邦化学社製
ウェットマスターGT−360)30重量部(pH
8) ・水740重量部
【0020】(実施例3)塗料として下記のものを用い
た以外は、実施例1と同様にして印刷用シートを作製し
た。 「塗料」 ・PVA(日本合成化学社製 ゴーセノールN−30
0)100重量部 ・水溶性変性ポリアミド(日本PMC社製 SI617
LF)20重量部(pH7) ・水680重量部
【0021】(比較例1)基材として、フォーム用紙8
1.4g/m2(紀州製紙製 KPF−N)を使用した。
この基材に、下記組成からなる塗料を、塗工量(固形
分)が10g/m2になるように塗工し、この後、10
5℃の熱風を3分間当てて乾燥させ、印刷用シートを作
製した。 「塗料」 ・カルボキシル変性PVA(日本合成化学社製 ゴーセ
ナールT−350)100重量部 ・カチオン性樹脂(昭和高分子社製 ポリフィックス6
01)40重量部(pH6) ・水790重量部
【0022】(比較例2)下記組成からなる塗料を用い
た以外は、実施例1と同様にして印刷用シートを作製し
た。 「塗料」 ・酵素変性コンスターチ(日本理化製紙社製)100重
量部 ・ポリアルキレン・ポリアミン系カチオン性樹脂(日華
化学社製 PNF−70)30重量部(pH6) ・水740重量部
【0023】(比較例3)塗料として下記のものを用い
た以外は、実施例1と同様にして印刷用シートを作製し
た。 「塗料」 ・PVA(日本合成化学社製 ゴーセナールN−30
0)100重量部 ・カチオン性樹脂(センカ社製 HP−20K)2重量
部(pH5) ・水580重量部
【0024】次いで、上記実施例および比較例で作製し
たサンプルについて、印刷用H液に対する耐水性、イン
ク吸収性、インクの広がりおよび対向面への画像の転写
の評価試験を行った。試験方法は以下の通りであり、そ
の結果を表1に示す。 (インクジェット用インクの記録特性)セイコーエプソ
ン社製インクジェットプリンターマッハジェットMJ−
1050V2を用いて画像を印刷し、印刷用H液への耐
水性、インクの広がりおよび耐水性を調べる。
【0025】印刷用H液に対する耐水性 紙片に上記インクジェットプリンターで印字し、印字5
分後に、ビーカー内の水に紙片を入れて水中に1分間浸
漬し、印字面のインクの付着/流出状態を目視にて観察
するとともに、紙面の塗工層のインクの付着強さを指で
こすって調べる。評価値の内容を以下に示す。 5:水への流出がなく、水性インクの紙への付着性は非
常に良好 4:水への流出がほとんどなく、水性インクの紙への付
着性は良好 3:水への流出はほとんどないが、水性インクの紙への
付着性は劣る 2:水への流出がかなりあり、水性インクの紙への付着
が部分的となる 1:水への流出が顕著で、水性インクの紙への付着が全
くなし
【0026】水性インクの吸収性 印字5分後に印字面にろ紙を押し当て、ろ紙に水性イン
クが移行したか否かを目視にて観察する。評価の内容を
以下に示す。 ◎:ろ紙側への移行がなく、水性インクの吸収性は非常
に良好 ○:ろ紙側への移行がなく、水性インクの吸収性は良好 ×:ろ紙側への移行があり、水性インクの吸収性は不良
【0027】水性インクの広がり 印字した文字が滲まずに文字がはっきり確認することが
できるか否かを、目視で観察する。評価の内容を以下に
示す。 ○:印字した文字がはっきり確認される ×:滲みが大きく、文字がはっきりしない
【0028】これらの試験結果から、印刷用シートの実
用性を総合的に判断した。その評価は以下の通りであ
る。 ◎:実用上優れる ○:実用上使用可能である ×:実用上問題がある
【0029】表1に示す結果から明らかなように、印刷
印字層に水溶性高分子とカチオン性架橋剤を含有する実
施例1〜3では、親油性インクで印刷し、かつインクジ
ェット方式で印字するための印刷用シートとしての機能
を、全て満足している。
【0030】また、実施例1については、カチオン性架
橋剤、水溶性高分子としてカルボキシル変性PVAを含
有させたため、耐水性が非常に好ましい結果となってい
る。一方、比較例1〜3は、印刷印字層にカチオン性架
橋剤ではなくカチオン性樹脂やカチオン性染料定着剤を
用いたため、印刷用H液に対する耐水性に劣り、親油性
インクに対するトラブルが発生しやすいことが確認され
た。なお、実施例と比較例においては、共に水性インク
の吸収性、広がりなどインクジェット方式により印刷し
た状態は、全て良好であった。
【0031】
【表1】
【0032】なお、本発明は、インクジェットプリント
用の印刷用シートに限定されるものではなく、レーザプ
リンターなど種々の印刷装置での印刷印字用のシートと
して適用可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の印刷用シ
ートによれば、印刷印字層に、pH7以上の水溶性高分
子およびカチオン性架橋剤を含有するので、親油性イン
クによる印刷と水性インクによる印字を行っても印刷印
字層の可溶成分が溶出せず、良好な印刷印字画像を得る
ことができるといった効果を奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面に形成された
    印刷印字層に第1の情報が親油性インクにより印刷さ
    れ、かつ同印刷印字層に第2の情報が水性インクにより
    印字される印刷用シートにおいて、前記印刷印字層に、
    pH7以上の水溶性高分子およびカチオン性架橋剤を含
    有することを特徴とする印刷用シート。
  2. 【請求項2】 前記カチオン性架橋剤がエポキシ基、メ
    チロール基、イソシアネート基またはアミノ基を有する
    カチオン性物質であることを特徴とする請求項1に記載
    の印刷用シート。
  3. 【請求項3】 前記水溶性高分子がカルボキシル基、水
    酸基またはアミノ基を有する水溶性高分子であることを
    特徴とする請求項1に記載の印刷用シート。
JP9252865A 1997-09-02 1997-09-02 印刷用シート Pending JPH1178219A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007505189A (ja) * 2003-09-08 2007-03-08 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー インクジェットインク、インクセットおよび印刷の方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007505189A (ja) * 2003-09-08 2007-03-08 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー インクジェットインク、インクセットおよび印刷の方法

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