JPH1177928A - ポリアミド系樹脂積層フィルム - Google Patents

ポリアミド系樹脂積層フィルム

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JPH1177928A
JPH1177928A JP9235656A JP23565697A JPH1177928A JP H1177928 A JPH1177928 A JP H1177928A JP 9235656 A JP9235656 A JP 9235656A JP 23565697 A JP23565697 A JP 23565697A JP H1177928 A JPH1177928 A JP H1177928A
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Yoshitaka Hironaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性、ガスバリヤー性、耐ピンホール
性に優れた脂肪族ポリアミド系フィルム層を含む積層フ
ィルムの提供。 【解決手段】 (1)(A) 脂肪族ポリアミド・・・・・・・・・85〜99重量部 (B) エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリウムアイオノマー ・・・・1〜15重量部 (C) 多価アルコール化合物(例、ポリオキシアルキレンポリオール、グリ セロール) ・・・・0.12〜1重量部 よりなるポリアミド樹脂組成物層と (2)他の熱可塑性樹脂層(特にオレフィン重合体層)
とからなる少なくとも2層以上の積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性、ガス
バリヤー性、耐ピンホール性等に優れた積層フィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪族ポリアミドは透明性、機械特性、
耐熱性、耐摩耗性、耐衝撃性、ガスバリヤー性等に優
れ、包装分野で広く使用されてきた。このような脂肪族
ポリアミドの特性を保持した上で、さらに優れた性能を
付加するために、例えば水蒸気バリヤー性、柔軟性、ヒ
ートシール性などを改良するために、ポリオレフィンの
ような他の熱可塑性樹脂と組み合わせた積層フィルムと
して使用されている例も数多い。しかしながらこのよう
な積層フィルムを高度のガスバリヤー性が要求される食
品、医療品、化学薬品等の包装に用いようとした場合に
は、耐ピンホール性の不足の欠点が指摘されていた。
【0003】脂肪族ポリアミドの耐ピンホール性を改良
しようとする試みは古くからなされており、例えばアイ
オノマーを配合する方法や、近年ではポリエーテルエス
テルアミドエラストマーとエチレン・無水マレイン酸・
不飽和カルボン酸エステル3元共重合体を配合するもの
(特開平5−230365)、無水マレイン酸グラフト
ポリオレフィンを配合するもの(特開平6−13615
7)などが知られている。しかしながらこれらの方法
は、耐ピンホール性改良の効果が充分でなかったり、あ
るいはポリアミドの透明性を損なうものであったりする
ため、満足すべき解決法とは言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
耐ピンホール性改良効果が充分に大きくかつポリアミド
積層フィルムの透明性を損なわないような改質剤を見い
だすべく鋭意検討を行った。同時に積層フィルムとして
層間接着性を損なうことなく、むしろ層間接着性の改善
を期待できるような改質剤を見いだすべく検討を行っ
た。その結果、後記エチレン・不飽和カルボン酸共重合
体のカリウムアイオノマーと多価アルコールからなる組
成物を配合した脂肪族ポリアミドを用いるときにその目
的が達成できることを見いだした。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
アミド系樹脂組成物層と他の熱可塑性樹脂層とからなる
少なくとも2層以上の積層フィルムであって、該ポリア
ミド系樹脂組成物が、脂肪族ポリアミド(A)85〜9
9重量部、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカリ
ウムアイオノマー(B)15〜1重量部及び多価アルコ
ール化合物(C)0.12〜1重量部からなる組成物で
あることを特徴とする積層フィルムである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる脂肪族ポリア
ミド(A)は、環状ラクタムの開環重合物、アルミノカ
ルボン酸の縮合重合物、ジカルボン酸とジアミンの縮合
重合物などが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン6/66共重合体、ナイロ
ン6/12共重合体、ナイロン6/610共重合体、ナ
イロン66/610共重合体などを代表例として挙げる
ことができる。特に本発明に好適なポリアミドとしては
ナイロン6を挙げることができる。なお、ポリアミドの
相対粘度は、成形性の観点から2.0〜4.5の範囲が
好ましい。
【0007】本発明で用いることのできるカリウムアイ
オノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸ランダム共重
合体のカルボキシル基の少なくとも一部がカリウムで中
和されたものであり、アイオノマー中のエチレン成分が
75〜95重量%、特に80〜90重量%、不飽和カル
ボン酸成分、すなわち不飽和カルボン酸及び不飽和カル
ボン酸塩成分が5〜25重量%、特に10〜20重量
%、その他の不飽和単量体成分が0〜25重量%、特に
0〜20重量%の割合で共重合されているのが好まし
い。また、総和が上記要件を満たす限り、2種以上の異
なる不飽和カルボン酸成分を用いてもよい。
【0008】アイオノマーのベースポリマーとなるエチ
レン・不飽和カルボン酸ランダム共重合体は、高温高圧
下、各重合成分をランダム共重合することによって得る
ことができる。
【0009】不飽和カルボン酸成分としては、アクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸モノメチルエ
ステル、マレイン酸モノエチルエステル、無水マレイン
酸などを例示することができる。
【0010】またその他の不飽和単量体成分として、例
えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチルのようなアクリル酸エステルやメタクリ
ル酸エステル、あるいは酢酸ビニルなどのような不飽和
エステルが0〜25重量%程度共重合されていてもよ
い。
【0011】アイオノマーは中和する金属イオンの種類
により多くの種類のものがあるが、本発明に用いられる
カリウムアイオノマーは、汎用的に用いられる他の金属
カチオン(例えば、亜鉛、ナトリウム、マグネシウム、
リチウム)で中和されたアイオノマーに比較して、多価
アルコール化合物との親和性が極めて良好であり、その
ため多価アルコール化合物を5〜10重量部という高濃
度で混合することが可能である。そしてカリウムアイオ
ノマーはこのような高濃度の低分子量化合物を含むこと
により可塑化されてガラス転移点が低下し、優れた耐ピ
ンホール性を付与するのに効果的となるだけでなく、屈
折率がポリアミドに近づくために、ポリアミド樹脂組成
物として良好な透明性を保持することができ、本発明の
目的を達成することができた。
【0012】アイオノマーはカリウムイオンにより好ま
しくは部分中和されたものであり、アイオノマー成分中
のカリウムカチオン含有量は、多価アルコール化合物と
の親和性の観点から、アイオノマー1kg当たり0.4
〜2モル、好ましくは0.6〜1.8モルの範囲にある
ことが望ましい。
【0013】本発明において、アイオノマーに配合して
用いられる多価アルコール化合物は、ポリオキシアルキ
レンポリオールあるいは分子内に水酸基を3個以上有す
る脂肪族多価アルコールなどであり、具体的には数平均
分子量が200〜800のポリオキシエチレングリコー
ルやポリオキシプロピレングリコール、グリセロール、
ジグリセロール、トリメチロールプロパン、1,1,1
−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、ソルビトールな
どを代表例として挙げることができる。またこれらの混
合物も用いることができる。
【0014】脂肪族ポリアミド成分(A成分)、カリウ
ムアイオノマー成分(B成分)、及び、多価アルコール
化合物成分(C成分)の配合比率は、A成分85〜99
重量部、好ましくは90〜98重量部に対し、B成分1
〜15重量部、好ましくは2〜10重量部、また、C成
分0.12〜1重量部、好ましくは0.15〜0.8重
量部である。B成分が上記範囲より少なくなると、耐ピ
ンホール性の改良効果が充分でなく、B成分が上記範囲
より多くなると、積層フィルムの透明性が低下するとと
もに、ポリアミドフィルムが本来有する機械特性や熱的
特性などの性質が損なわれる。C成分が上記範囲より少
なくなると透明性の保持が不十分となり、C成分が上記
範囲より多くなると、組成物の調製が困難となり、ま
た、ブリードによるポリアミドフィルム表面の汚染が起
こり易くなるなど好ましくない。
【0015】本発明のポリアミド系樹脂組成物層には、
目的に応じ任意の添加剤、例えば酸化防止剤、耐候性安
定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯電防止剤、顔料、
架橋剤、発泡剤、粘着付与剤、無機充填剤などを配合す
ることができる。また少量であれば、フィルムの性質に
悪影響を及ぼさない範囲で他の熱可塑性樹脂を配合する
こともできる。
【0016】ポリアミド樹脂組成物は(A)(B)
(C)成分を任意の方法により混合調製することができ
るが、均一な組成物を得るためには、溶融混合するのが
望ましい。混合順序は任意であるが、通常はあらかじめ
アイオノマーと多価アルコール化合物と溶融混合してア
イオノマー組成物を調製し、これを脂肪族ポリアミドに
所定量配合する。アイオノマーは通常押出機中で中和し
て得られるので、アイオノマー組成物の調製はアイオノ
マーを押出機により溶融押し出しする際に、多価アルコ
ール化合物を滴下注入することにより効率よく行うこと
ができる。
【0017】本発明の積層フィルムは、前記ポリアミド
系樹脂組成物からなる層と他の熱可塑性樹脂層とからな
る少なくとも2層以上から構成される。他の層を構成す
る熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖低密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポ
リ−4−メチル−1−ペンテンのようなポリオレフィ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレ
ン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル
共重合体またはそのアイオノマー、エチレン・(メタ)
アクリル酸エステル共重合体、エチレン・(メタ)アク
リル酸エステル・無水マレイン酸共重合体のようなエチ
レン共重合体、上記ポリオレフィンやエチレン共重合体
を無水マレイン酸や(メタ)アクリル酸グリシジルなど
でグラフト変性した変性オレフィン重合体、エチレン・
ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポ
リエステル、ポリカーボネートなどを挙げることができ
る。他の熱可塑性樹脂層には、目的に応じ、前述したよ
うな任意の添加剤を配合することができる。このような
他の熱可塑性樹脂層は2層以上あってもよく、またポリ
アミド系樹脂層も2層以上あってもよい。さらに上記熱
可塑性樹脂層は、無機蒸着膜を有するものであってもよ
い。さらに上記層に加え、紙層や金属箔層を有するもの
であってもよい。
【0018】本発明の積層フィルムの製造に際しては共
押出法、押出ラミネート法など公知の方法を採用するこ
とができる。とくに前記ポリアミド系樹脂組成物と、上
記エチレン共重合体、変性オレフィン重合体、エチレン
・ビニルアルコール共重合体などと共押出すると、優れ
た層間接着性を有する積層フィルムが得られるので、少
なくとも1層がこのようなオレフィン重合体であり、こ
れらが隣接した構造を有する積層フィルムとするのが好
ましい。積層フィルムはまた、任意に一軸または二軸に
延伸されていてもよい。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアミド層として、
カリウムアイオノマー及び多価アルコール化合物を特定
量配合したポリアミド組成物を用いたことにより、ポリ
アミド積層フィルムが本来有する優れた特性を備えつ
つ、耐ピンホール性の改良された積層フィルムを提供す
ることができる。すなわちこのような積層フィルムにお
いて、機械的特性、熱的特性、透明性、層間接着性等が
本質的に損なわれていることはなく、層間接着性に関し
てはむしろ改善される場合がある。したがって各種包装
材料として、とくに酸素バリヤー性の重視される分野、
例えば食品、医療品、化学薬品用の包装資材として広く
用いることができる。
【0020】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例、比較例の積層フィルムの各層に用い
た原料の組成と物性、並びに、得られたポリアミド系樹
脂積層フィルムの物性測定方法は下記の通りである。
【0021】1.原料 (1)ポリアミド ナイロン6:宇部興産(株)製”UBEナイロン”10
22B(中粘度タイプ)
【0022】(2)アイオノマー エチレン・メタクリル酸共重合体を金属イオンで中和し
た下記2種のアイオノマーを用いた。
【0023】
【表1】
【0024】(3)多価アルコール化合物 (1) グリセロール 関東化学(株)製試薬、分子量
92 (2) ポリエチレングリコール ”PEG600” 関東化学(株)製試薬、平均分子量600
【0025】(4)柔軟性熱可塑性樹脂 (1)ポリエーテルエステルアミドエラストマー: 東レ(株)製 ”ペバックス”2533 SA01 (比重=1.01、硬度(ショアーD)=25) (2)エチレン・アクリル酸エチル・無水マレイン酸共重
合体:住友化学工業(株)製 ”ボンダイン”AX83
90 (MFR=7g/10min、コモノマー含量32%) (3)無水マレイン酸グラフトEPR:三井石油化学工業
(株)製 ”Nタフマー”MP0610 (MFR=0.4g/10min、密度=0.87g/
cm3
【0026】(5)積層用熱可塑性樹脂 (1)内層:線状低密度ポリエチレン 三井石油化学(株)製”ウルトゼックス2021L(M
FR=2.1g/10min、密度=0.92g/cm
3 ) (2)中間層:無水マレイン酸変性ポリオレフィン 三井石油化学(株)製”アドマー”NF300 (MFR=1.3g/10min、密度=0.94g/
cm3
【0027】2.測定方法 (1)MFR 190℃、2160g荷重で、10分間にメルトインデ
クサーより流れ出る溶融ポリマーの重量(g/10mi
n)を測定した。
【0028】(2)耐ピンホール性 5℃、相対湿度50%において、捻り角度440°、ス
トローク162.4mmの条件でフィルムを1000回
屈曲した時に発生したピンホール数を、東洋精機ゲルボ
フレックス測定機を用いて測定した(4回の測定の平均
値)。
【0029】(3)光学性 (1) ヘイズ:JIS K6714 (2) グロス:JIS Z8741 (3) トランス:ASTM D1746 にそれぞれ準拠し、ポリアミド樹脂組成物面をおもて面
として測定した。
【0030】[実施例1]アイオノマーを2軸押出機
(30mm径、同軸回転)を用いて230℃で溶融押し
出しする際に、押出機中間バレル開口部よりグリセロー
ルを定量ポンプで滴下することにより、アイオノマー
91重量部とグリセロール9重量部とから成るアイオノ
マー組成物を造粒した。得られたアイオノマー組成物と
ナイロン6をそれぞれ5重量部、95重量部の割合で混
合して成るポリアミド樹脂組成物を外層とし、中間層を
無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(三井石油化学
(株)製アドマー NF300)、内層を線状低密度ポ
リエチレン(三井石油化学(株)製ウルトゼックス 2
021L)とする3層キャストフィルム(厚み比20/
10/20の50μm厚積層フィルム)を、多層共押出
キャスト成形機(押出機シリンダー口径:外層/中間層
/内層用=50/50/65mmφ、T−ダイ:500
mm幅コートハンガータイプ)を用い、各層の樹脂温度
を254/217/231℃(外層/中間層/内層)と
する成形条件により製作した。このフィルム試験片につ
いて各種物性値の測定を行い、結果を表2に示した。表
2から明らかなように、実施例1の積層フィルムは、良
好な透明性を持つと共に耐ピンホール性が大幅に改良さ
れている。
【0031】[実施例2]実施例1において、グリセロ
ールの代わりにPEG600を用い、アイオノマーとP
EGの混合比を95:5(重量)とした以外は実施例1
と同様にして積層フィルムを作成し、得られたフィルム
の各種物性値の測定を行なった。結果を表2に示す。表
2から明らかなように、実施例2の積層フィルムも、良
好な透明性を持つと共に耐ピンホール性が大幅に改良さ
れている。
【0032】[比較例1]実施例1において、外層とし
てポリアミド組成物の代わりに、アイオノマー/多価ア
ルコール化合物を添加せず、ナイロン6をそのままで用
い、実施例1と同様にして積層フィルムを作成し、得ら
れたフィルムの各種物性値の測定を行なった。結果は表
3に示すように、耐ピンホール性が著しく不足している
ことが判る。
【0033】[比較例2]アイオノマーとして亜鉛アイ
オノマーであるアイオノマーを用い、ナイロン6とア
イオノマーを95:5(重量)の配合比で混合してな
るポリアミド樹脂組成物を外層とする以外は実施例1と
同様にして積層フィルムを作成し、得られたフィルムの
各種物性値の測定を行なった。結果は表3に示すよう
に、外層にアイオノマー/多価アルコール化合物無添加
のナイロン6を用いた場合(比較例1)に比較して透明
性が若干劣ると共に、耐ピンホール性の改善が十分でな
い。
【0034】[比較例3]実施例2において、PEG6
00の配合割合を表3記載のように変更した以外は実施
例2と同様にして積層フィルムを作成した。得られたフ
ィルムの各種物性値の測定を行なった。結果は表3に示
すように、耐ピンホール性は改良されているものの、多
価アルコール化合物の配合量が少ないため、良好な透明
性を持つ積層フィルムが得られない。
【0035】[比較例4]ナイロン6に柔軟樹脂成分と
して、ポリエーテルエステルアミドエラストマー(ペバ
ックス2533 SA01)、及び、エチレン・アクリ
ル酸エチル・無水マレイン酸共重合体(ボンダイン A
X8390)を表3記載の配合で混合し、40mm径単
軸押出機(L/D=28、先端ダルメージスクリュー)
を用いて樹脂温度250℃で溶融混練した。このポリア
ミド組成物を外層とし、実施例1と同様にして積層フィ
ルムを作成し、得られたフィルムの各種物性値の測定を
行なった。結果は表3に示すように、良好な耐ピンホー
ル性を示すが、外層がアイオノマー/多価アルコール化
合物無添加のナイロン6(比較例1)やナイロン6/ア
イオノマー組成物(比較例2)の場合に比較して透明
性が劣る。
【0036】[比較例5]ナイロン6に柔軟樹脂成分と
して、無水マレイン酸グラフトEPR(Nタフマー M
P0610)を表3記載の配合で混合し、40mm径単
軸押出機(L/D=28、先端ダルメージスクリュー)
を用いて樹脂温度250℃で溶融混練した。このポリア
ミド組成物を外層として、実施例1と同様にして積層フ
ィルムを作成し、得られたフィルムの各種物性値の測定
を行なった。結果は表3に示すように、良好な耐ピンホ
ール性を示すが、外層がアイオノマー/多価アルコール
化合物無添加のナイロン6(比較例1)やナイロン6/
アイオノマー組成物(比較例2)の場合に比較して透
明性が著しく劣る。
【0037】[比較例6,7]アイオノマーの代わり
にアイオノマー、あるいは、Nタフマーを用い、実施
例2と同様にして、2軸押出機(30mm径、同軸回
転)を用いてPEG600の溶融混合を試みたが、液状
成分のPEG600が溶融樹脂と殆ど相溶しなかったた
めに配合比95/5の樹脂組成物を調製することができ
ず、このため本発明で必要とする量の多価アルコール化
合物を配合することができなかった。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系樹脂組成物層と他の熱可塑
    性樹脂層とからなる少なくとも2層以上の積層フィルム
    であって、該ポリアミド系樹脂組成物が、脂肪族ポリア
    ミド(A)85〜99重量部、エチレン・不飽和カルボ
    ン酸共重合体のカリウムアイオノマー(B)15〜1重
    量部、及び、多価アルコール化合物(C)0.12〜1
    重量部からなる組成物であることを特徴とする積層フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 アイオノマー成分中のカリウム含有量
    が、アイオノマー成分1kg当たり0.4〜2モルの範
    囲にある請求項1記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 多価アルコール化合物が、ポリオキシア
    ルキレンポリオール、分子内に水酸基を3個以上有する
    脂肪族多価アルコール、あるいは、それらの混合物から
    選ばれる請求項1または請求項2に記載の積層フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 他の熱可塑性樹脂層の少なくとも1層が
    オレフィン重合体で構成されていることを特徴とする請
    求項1〜請求項3に記載の積層フィルム。
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