JP4357180B2 - 積層シール材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ塩化ビニル代替材料として好適な、シール性、機械的強度、高周波融着性(高周波ウェルダー特性)に優れると共に、耐熱性、耐NOx変色性に優れたオレフィン重合体系シール材料に関する。より詳しくは、高周波を用いて短時間で融着強度の大きいシール部を形成することが可能で、かつ窒素酸化物を含む雰囲気下で使用しても黄変し難いシール材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリ塩化ビニルは、透明性、柔軟性等に優れた樹脂として各方面に使用されている。また高周波シールが可能であるという利点を備えているため、その特性を生かした用途にも広く使用されている。しかしながらポリ塩化ビニルは、経時的に液状可塑剤が成形品表面に滲出し、表面を汚染して透明性を損ねたり、また硬くなったりするという欠点を有している。加えてその廃品を焼却処理するときに腐食性ガスを発生させたり、あるいは有害物質を生成する危険性を有していることが問題となっている。このためハロゲンを含有しない柔軟性に富む代替材料が広く求められている。
【0003】
このようなポリ塩化ビニル代替材料の一つとしてオレフィン同士の共重合体をベースとするオレフィン系熱可塑性エラストマーが注目されているが、この材料は高周波加熱に対して不活性であることが問題である。一方、オレフィンと極性ビニルモノマーの共重合体において、極性ビニルモノマーを相当量で共重合させたものは高周波シールが可能であり、また充分な柔軟性も備えている。しかしながらこのような共重合体は機械的強度が小さく、また耐溶剤性等に劣るもので、ポリ塩化ビニル代替材料として満足すべきものとは言えない。
【0004】
かかる欠点を改良するものとしてエチレン・酢酸ビニル共重合体を中間層とし、ポリプロピレンや直鎖低密度ポリエチレンをその両面に積層したオレフィン重合体系3層構造の高周波シール材料が知られているが、高周波シールにおいて所定のシール強度に達成するために要する融着時間が若干長く、融着時間が短すぎる場合には融着強度不足に陥ることがあった。
【0005】
そこで本発明者らは、一層の生産性の向上を求めて、より短時間で所望のシール強度を得ることが可能なシール材料について検討を行ない、エチレン・酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン・一酸化炭素共重合体とエチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーとを組み合わせた積層材料がこのような性能を有していることを見出し、特願2001−214088号において提案した。
【0006】
一方、エチレン・酢酸ビニル共重合体に代表されるエチレン・不飽和エステル共重合体は、柔軟性、低温特性、耐衝撃性、耐ストレスクラッキング性等に優れた特性を有しているところから、種々の成形方法を利用して広範囲の用途で使用されている。このようなエチレン・不飽和エステル共重合体が高温度に曝されたり、あるいは長期に亘って屋外で使用される場合等においては、酸化防止剤を配合することが多い。しかしながら酸化防止剤の種類によっては大気中の窒素酸化物(以下、NOxということがある)により黄変することがある。このため中間層のみに酸化防止剤を配合する積層材料の使用が考えられるが、中間層材料と表面層材料の極性の差に起因して酸化防止剤が表面層へ移行し、窒素酸化物雰囲気下で黄変を起こすことがあった。このため酸化防止剤としてこのような黄変を起こさないもの、すなわち耐NOx変色性に優れたものを使用すればよいが、多くの場合このような酸化防止剤は高価なものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは、一般には耐NOx性が劣るような安価な酸化防止剤を使用しても、窒素酸化物による黄変トラブルの低減された積層材料を得るべく検討を行った。その結果、上記先願に係る積層体のエチレン・酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン・一酸化炭素共重合体の層に酸化防止剤を配合しておき、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーの層を表層としておけば、酸化防止剤の表面移行が抑制され、したがって耐NOx変色性に優れた積層体となることを見出すに至った。
【0008】
したがって本発明の目的は、ポリ塩化ビニルの代替材料として使用可能な高周波融着に適したシール材料であって、しかも窒素雰囲気下においても黄変傾向の低減されたシール材料を提供することにある。本発明はまた、柔軟性、機械的強度が優れると共に、短時間の高周波シールで高い融着強度のシール部を形成することが可能なシール材料を提供することにある。
【0009】
すなわち本発明によれば、エチレン・酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン・一酸化炭素共重合体からなる層(A)の片面又は両面にエチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーからなるシール層(B)を設けてなるシール材料であって、層(A)中に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及び下記式
【化2】
Figure 0004357180
(式中、R 、R 、R 及びR はいずれもアルキル基であり、R 及びR の少なくとも一方と、R 及びR の少なくとも一方は3級アルキル基である)で示される3,9−ビス{2−[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジアルキルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンから選ばれる酸化防止剤を、層(A)を構成する上記エチレン共重合体成分(重量)に対して1〜10000ppm含有することを特徴とする高周波融着用積層シール材料が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のシール材料においては、高周波感受層として及び酸化防止剤配合層として、エチレン・酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン・一酸化炭素共重合体からなる層(A)が使用される。層(A)としては、層(B)における充分なシール性を付与するために、周波数13.56MHzで測定した誘電率と誘電正接の積が0.09以上、とくに0.1〜0.5となるものを使用するのが好ましい。
【0011】
このためエチレン・酢酸ビニル共重合体の場合は、酢酸ビニル含量が14〜45重量%、とくに19〜35重量%のものを使用するのが好ましい。すなわち酢酸ビニル含量が少ないものを使用すると、高周波感受性が小さく、したがって(B)層に充分なシール性能を与えない恐れがある。一方、上記共重合体の酢酸ビニル含量が多すぎると、機械的強度が小さく、また(B)層との接着性に悪影響を及ぼすことがある。勿論、2種以上のエチレン・酢酸ビニル共重合体を使用する場合には、平均酢酸ビニル含量が上記範囲となるようにすればよく、またエチレン・一酸化炭素共重合体を併用する場合にも併用したものが上記誘電率と誘電正接の積の範囲となるようにすればよく、いずれも酢酸ビニル含量が上記範囲より少ない共重合体でも使用可能な場合がある。さらに高周波感受性を高めるような他の添加剤を配合する場合も同様である。
【0012】
(A)層として使用可能なエチレン・一酸化炭素共重合体は、エチレンと一酸化炭素の2元共重合体のみならず、さらに他の極性ビニルモノマーが共重合した多元共重合体であってもよい。このような共重合体としては、エチレンが50〜95重量%、とくに55〜90重量%、一酸化炭素が1〜30重量%、とくに5〜20重量%、他の極性ビニルモノマーが0〜40重量%、とくに5〜30重量%の割合で共重合されていることが好ましい。
【0013】
すなわち上記エチレン・一酸化炭素共重合体において、一酸化炭素が適量共重合されていることにより高周波感受性が高められるが、あまりその含量が多すぎると製造が困難になり好ましくない。また他の極性ビニルモノマーが適量共重合されていることにより、(B)層との層間接着性が高められる場合が多い。
【0014】
上記任意共重合成分である他の極性ビニルモノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸のような不飽和カルボン酸又はその無水物、これら不飽和カルボン酸の塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛などの塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステルなどを例示することができる。これらの中では、酢酸ビニル又は不飽和カルボン酸エステルがとくに好ましい。これら極性ビニルモノマーは2種以上含まれていてもよい。
【0015】
(A)層として使用される上記エチレン・酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン・一酸化炭素共重合体は、成形性、機械的強度などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜1000g/10分、好ましくは0.1〜200g/10分程度のものを使用するのが望ましい。
【0016】
このようなエチレン共重合体は、例えば高温、高圧下のラジカル共重合によって製造することができる。
【0017】
本発明においては、上記(A)層の少なくとも片面に、好ましくは両面にエチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーからなるシール層(B)を設けるものである。
【0018】
ここに上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレンと不飽和カルボン酸からなる2元共重合体のみならず、他の極性モノマーを共重合成分として含む多元共重合体であってもよい。上記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などを例示することができる。これらの中では、とくにアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
【0019】
また上記他の極性モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステルなどを例示することができる。
【0020】
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレンが50〜96重量%、とくに60〜95重量%、不飽和カルボン酸が2〜30重量%、とくに4〜20重量%、他の極性モノマーが30重量%以下、とくに20重量%以下の割合で共重合されたものであることが好ましい。
【0021】
本発明の(B)層としては、上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を使用してもよく、またそのアイオノマーを使用することもできる。アイオノマーは、上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の一部又は全部が陽イオンで中和されたものであって、例えば中和度が90%以下のものが使用できる。アイオノマーを構成する陽イオンとしては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などの金属イオンを代表例として挙げることができる。金属イオンは2種以上であってもよく、また金属イオンのほかに1,3−ジメチルシクロヘキサンのようなアミノ化合物を含むものであってもよい。
【0022】
(B)層で使用されるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーとしては、任意の分子量のものを使用することができるが、機械的強度、成形性等を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜1000g/10分、とくに0.1〜100g/10分のものを使用するのが望ましい。
【0023】
本発明のシール材料には、上記層(A)中に酸化防止剤を、層(A)を構成するエチレン・酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン・一酸化炭素共重合体成分(重量)に対して1〜10000ppm、好ましくは100〜3000ppm配合するものである。かかる割合で酸化防止剤を配合することにより、充分な耐熱性を有するシール材料とすることができる。使用可能な酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、トコフェロール、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオ)−1,3,5−トリアジン、などを挙げることができる。これらの中では、安価で酸化防止効果の優れた2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及びテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンがとくに有用である。
【0024】
とくに耐NOx変色性に優れたシール材料を得たい場合には、下記式
【化3】
Figure 0004357180
で示される3,9−ビス{2−[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジアルキルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンを配合するのが好ましい。上記式において、R、R、R及びRはいずれもアルキル基であり、R及びRの少なくとも一方と、R及びRの少なくとも一方は3級アルキル基である。R、R、R及びRはそれぞれ同一又は異なるものであり、具体的には、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−アミル、イソアミル、t−アミル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルなどを例示することができる。これらの中では炭素数が5以下のアルキル基が好ましく、また3級アルキル基としてはt−ブチル基又はt−アミル基が好ましい。
【0025】
より具体的には、R、R、R及びRの全てがt−ブチル基である3,9−ビス{2−[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、R及びRがt−ブチル基でR及びRがメチル基である3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどを好適例として挙げることができる。
【0026】
上記(A)層及び/又は(B)層には、本発明の目的を損なわない範囲において他の重合体や他の各種添加剤を配合することができる。前記他の重合体の例としては、密度が890〜940kg/m程度のエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体又はポリエチレンを挙げることができる。また他の添加剤としては、耐候安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、抗菌剤、防黴剤、顔料、染料、粘着付与剤、無機充填剤などを例示することができる。
【0027】
本発明のシール材料においては、(A)層の厚みが5μm以上、好ましくは10μm以上であって、例えば10〜3000μm、とくに30〜1000μm程度であることが望ましい。また(B)層は、層厚みがあまりに大きすぎると高周波シール性能が低下するので、(A)層厚みによっても異なるが、300μm以下、例えば5〜200μm、とくに10〜100μmの範囲であることが望ましく、また(A)、(B)両層の厚み比率として、(A)/(B)が20/1〜1/2、とくに15/1〜1/1の割合となるようにするのが好ましい。
【0028】
本発明のシール材料において、(A)層の片面のみに(B)層を設ける場合、(A)層の他の面に他の層を設けることができる。このような他の層としては、各種熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンやエチレン・α−オレフィン共重合体など、紙、織布、不織布などからなる1層又は2層以上の層を挙げることができる。
【0029】
本発明のシール材料を得るには、公知の積層方法、例えば共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法、プレス成形法、射出成形法などの採用することができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例に用いた原料重合体(又は組成物)及び得られたシール材料の評価方法は次の通りである。
【0031】
1.原料重合体(又は組成物)
EVA組成物(A):エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量25重量%、メルトフローレート(MFR)2.0g/10分、誘電率(ε)×誘電正接(tanδ)=0.13)に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを、エチレン・酢酸ビニル共重合体(重量)に対して750ppm配合した。
EVA組成物(B):エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量25重量%、MFR2.0g/10分、ε×tanδ=0.13)に、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンを、エチレン・酢酸ビニル共重合体(重量)に対して750ppm配合した。
EMAA:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量9重量%、MFR3.0g/10分)
【0032】
2.高周波ウエルダーシール特性試験方法
(1)使用機器
精電舎電子工業(株)製KW3000TR
(2)操作条件
出力3KW、入力5kVA、発振周波数40.46kHz
(3)接着強度
シール幅15mm、180°剥離法、引張速度200mm/分
【0033】
3.耐NOx変色試験(加温、加湿NOxガス暴露試験)
全高30cm、底辺直径18cm、容積約6000cmのデシケーターを用意し、フイルムサンプルをそのデシケーター内に吊り下げた。20mlのビーカーに亜硝酸ナトリウム24mgを秤量し、極少量の水に溶解した後、デシケーター底部に載置すると共に、そのビーカー周辺に40℃の温湯を入れたビーカーを3個載置した。ピペットに濃硫酸1〜2mlを取り、上述のように調製した亜硝酸ナトリウムの水溶液上に注いだのち、素早くピペットを取り出し、デシケーターを密封し、40℃の恒温層に放置した。7日後、フイルムサンプルを取りだし、カラーコンピューターにより変色度(黄変度ΔYI)を評価した。
【0034】
[実施例1]
65mmφの3層Tダイフイルム成形機を用い、中間層を上記EVA組成物(A)100μm、内層及び外層を上記EMAA50μmとする厚さ200μmの3層フイルムを作成し、発振時間0.2〜2.5秒におけるフイルム同士の高周波ウエルダーシール性を評価した。また別途、上記3層フイルムの耐NOx変色試験を行なった。結果を表1に示す。
【0035】
[実施例2]
実施例1において、中間層のEVA組成物(A)をEVA組成物(B)に変えた以外は実施例1と同様にして3層フイルムを作成し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004357180
表1において、高周波ウェルダーシール試験の数値は接着強度(単位:N/15mm)、×は未融着を示す。
【0037】
【発明の効果】
本発明のシール材料は、(A)層及び(B)層の材料に基づき充分な柔軟性を備え、軟質塩化ビニル類似の感触を有しており、また両層の間で優れた層間接着性を得ることが可能である一方、(B)層に基づき機械的強度が高く、耐薬品性、耐傷性等に優れている。しかも本発明によるシール材料は、高周波融着性に優れており、高周波シールを行った場合、(B)層がシール層として、(B)層同士のシールや(B)層を他材料にシールする場合において短時間で高いシール強度を得ることができるので、シール加工の生産性を高めることができるとともに融着力不足による不良品を削減することができる。また(B)層を構成する材料は液状可塑剤を添加する必要はなく、各種添加剤を配合した場合にもその保持力が強いので、ポリ塩化ビニルの場合のような液状可塑剤の滲出による表面汚れを発生することはない。また本発明の積層シール材料においては、酸化防止剤の配合によって耐熱性が優れると共に、一般には耐NOx変色性に劣るような安価な酸化防止剤を使用した場合でも耐NOx変色性に優れているので、厳しい使用条件下に晒される用途においても充分使用することができる。
【0038】
このような特性を生かして本発明のシール材料は、高周波融着用シール材料として、例えば、従来、ポリ塩化ビニルが使用されていた用途、とりわけ高周波シール加工が行われていた分野に使用することができる。具体的には、文具ケースや化粧品ケースなどのケース類、ターポリンなどの用途に使用することができる。

Claims (5)

  1. エチレン・酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン・一酸化炭素共重合体からなる層(A)の片面又は両面にエチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーからなるシール層(B)を設けてなるシール材料であって、層(A)中に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及び下記式
    Figure 0004357180
    (式中、R 、R 、R 及びR はいずれもアルキル基であり、R 及びR の少なくとも一方と、R 及びR の少なくとも一方は3級アルキル基である)で示される3,9−ビス{2−[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジアルキルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンから選ばれる酸化防止剤を、層(A)を構成する上記エチレン共重合体成分(重量)に対して1〜10000ppm含有することを特徴とする高周波融着用積層シール材料。
  2. 3,9−ビス{2−[3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジアルキルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンである請求項1に記載のシール材料。
  3. 層(A)が、周波数13.56MHzにおける誘電率と誘電正接の積が0.09以上の層である請求項1または2に記載のシール材料。
  4. エチレン・一酸化炭素共重合体が、エチレン・一酸化炭素・極性ビニルモノマー共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のシール材料。
  5. エチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーが、不飽和カルボン酸含量2〜30重量%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体又はそのアイオノマーである請求項1〜4のいずれかに記載のシール材料。
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