JPH1177824A - 二軸延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents
二軸延伸ポリプロピレンフィルムInfo
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- JPH1177824A JPH1177824A JP24549097A JP24549097A JPH1177824A JP H1177824 A JPH1177824 A JP H1177824A JP 24549097 A JP24549097 A JP 24549097A JP 24549097 A JP24549097 A JP 24549097A JP H1177824 A JPH1177824 A JP H1177824A
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- JP
- Japan
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- film
- polypropylene film
- biaxially stretched
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- stretched polypropylene
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】アンカーコート等の表面処理層を形成させるこ
となく金属または金属酸化物を蒸着した際に、酸素バリ
ア性及び水蒸気バリア性が著しく改良される二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムを得る。 【解決手段】少なくとも一方の表面に、弧状の凸部が交
差した網目構造の繊維状組織を有し、フィルム表面粗さ
の平均値hが518nmであり、さらに該網目構造の網
目の平均径が5〜60nmであることを特徴とする二軸
延伸ポリプロピレンフィルム。
となく金属または金属酸化物を蒸着した際に、酸素バリ
ア性及び水蒸気バリア性が著しく改良される二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムを得る。 【解決手段】少なくとも一方の表面に、弧状の凸部が交
差した網目構造の繊維状組織を有し、フィルム表面粗さ
の平均値hが518nmであり、さらに該網目構造の網
目の平均径が5〜60nmであることを特徴とする二軸
延伸ポリプロピレンフィルム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムに関する。詳しくは、結晶性を有
するポリプロピレンよりなり、金属または金属酸化物を
蒸着した際に、酸素バリア性及び水蒸気バリア性が著し
く改良される二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関す
る。
リプロピレンフィルムに関する。詳しくは、結晶性を有
するポリプロピレンよりなり、金属または金属酸化物を
蒸着した際に、酸素バリア性及び水蒸気バリア性が著し
く改良される二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンフィルム、特に二軸延伸
ポリプロピレンフィルムは、その優れた機械的物性、光
学的物性により包装材料等に広く使用されている。 そ
の中でも特に酸素や水蒸気などのガスの遮断を必要とす
る物品の包装、例えば、食品や工業用品及び医薬品等
で、前記ガスによる変質の防止が必要な包装用途には、
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面あるいは両面に
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ
塩化ビニリデンなどのガスバリア性の良好な樹脂層を形
成させたり、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に
アルミニウムなどの金属や、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、ケイ素酸化物などの金属酸化物の蒸着薄膜
を形成させて利用されている。従来の二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムの表面は、表面粗さ30nm以上の凹凸
のある構造を有しており、薄膜(蒸着層)厚みの均一
性、基材となる二軸延伸ポリプロピレンフィルムと薄膜
との密着性及び、薄膜の剥離防止の改良のために様々な
検討がなされてきた。
ポリプロピレンフィルムは、その優れた機械的物性、光
学的物性により包装材料等に広く使用されている。 そ
の中でも特に酸素や水蒸気などのガスの遮断を必要とす
る物品の包装、例えば、食品や工業用品及び医薬品等
で、前記ガスによる変質の防止が必要な包装用途には、
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面あるいは両面に
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ
塩化ビニリデンなどのガスバリア性の良好な樹脂層を形
成させたり、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に
アルミニウムなどの金属や、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、ケイ素酸化物などの金属酸化物の蒸着薄膜
を形成させて利用されている。従来の二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムの表面は、表面粗さ30nm以上の凹凸
のある構造を有しており、薄膜(蒸着層)厚みの均一
性、基材となる二軸延伸ポリプロピレンフィルムと薄膜
との密着性及び、薄膜の剥離防止の改良のために様々な
検討がなされてきた。
【0003】具体的な例としては蒸着材料の平均粒径を
小さくする方法(特開平7−34224号公報等参照)
が提案されている。
小さくする方法(特開平7−34224号公報等参照)
が提案されている。
【0004】しかしながら、前記の方法では、蒸着層の
厚みを50〜200nmと厚くする必要があり、蒸着層
のクラック発生による酸素及び水蒸気バリア性の低下、
透明性の低下などに問題があった。
厚みを50〜200nmと厚くする必要があり、蒸着層
のクラック発生による酸素及び水蒸気バリア性の低下、
透明性の低下などに問題があった。
【0005】また二軸延伸ポリプロピレンフィルムの蒸
着を行う面に融解熱量が30〜85J/gのポリオレフ
ィン樹脂層を積層して表面を平滑にする方法(特開平9
−94929号公報参照)が提案されている。
着を行う面に融解熱量が30〜85J/gのポリオレフ
ィン樹脂層を積層して表面を平滑にする方法(特開平9
−94929号公報参照)が提案されている。
【0006】しかしながら、このような方法による改良
では、積層したポリオレフィン樹脂の耐熱性が低いため
に、金属または金属酸化物などを蒸着する際に発生する
熱によって積層フィルム表面が変形して、厚みの均一な
蒸着層が形成されず、充分な酸素及び水蒸気バリヤ性が
得られない等の問題があった。
では、積層したポリオレフィン樹脂の耐熱性が低いため
に、金属または金属酸化物などを蒸着する際に発生する
熱によって積層フィルム表面が変形して、厚みの均一な
蒸着層が形成されず、充分な酸素及び水蒸気バリヤ性が
得られない等の問題があった。
【0007】さらに、二軸延伸ポリプロピレンフィルム
よりなる基材フィルムにアンカーコートまたは樹脂コー
トをすることにより、フィルム表面を平滑にし、かつ蒸
着層との接着性を向上させる方法(特開平3−2789
46号公報等参照)が提案されている。
よりなる基材フィルムにアンカーコートまたは樹脂コー
トをすることにより、フィルム表面を平滑にし、かつ蒸
着層との接着性を向上させる方法(特開平3−2789
46号公報等参照)が提案されている。
【0008】しかしながら、この方法では、基材フィル
ムへのコート材のコーティング工程が必要なため、製造
工程の複雑化や、コストの増大などの問題があった。
ムへのコート材のコーティング工程が必要なため、製造
工程の複雑化や、コストの増大などの問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は上
記のような方法によって二軸延伸ポリプロピレンフィル
ム表面に金属または金属酸化物を蒸着し、酸素及び水蒸
気バリア性を改良する試みが行われてきたが、二軸延伸
ポリプロピレンフィルム表面の粗さの程度が大きいと金
属または金属酸化物蒸着層の厚さの均一性が低下した
り、十分なバリヤ性を得るために、蒸着層の厚みを厚く
する必要があり、その結果、クラック発生により酸素及
び水蒸気バリア性が低下するなどの問題があった。
記のような方法によって二軸延伸ポリプロピレンフィル
ム表面に金属または金属酸化物を蒸着し、酸素及び水蒸
気バリア性を改良する試みが行われてきたが、二軸延伸
ポリプロピレンフィルム表面の粗さの程度が大きいと金
属または金属酸化物蒸着層の厚さの均一性が低下した
り、十分なバリヤ性を得るために、蒸着層の厚みを厚く
する必要があり、その結果、クラック発生により酸素及
び水蒸気バリア性が低下するなどの問題があった。
【0010】また、フィルム表面を平滑にし、かつ蒸着
層との接着性を向上させるために行われる基材フィルム
へのアンカーコートまたは樹脂コートでは、コーティン
グ工程が必要なため、製造工程の複雑化や、コストの増
大などの問題があった。
層との接着性を向上させるために行われる基材フィルム
へのアンカーコートまたは樹脂コートでは、コーティン
グ工程が必要なため、製造工程の複雑化や、コストの増
大などの問題があった。
【0011】そこで、本発明の目的は、二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムの片面または両面に、アンカーコート
層等の表面処理層の形成を施すことなく、金属または金
属酸化物を蒸着した際に、酸素及び水蒸気バリア性の優
れる二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することに
ある。
ロピレンフィルムの片面または両面に、アンカーコート
層等の表面処理層の形成を施すことなく、金属または金
属酸化物を蒸着した際に、酸素及び水蒸気バリア性の優
れる二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することに
ある。
【0012】
【発明を解決するための手段】かかる観点から本発明者
らは、金属または金属酸化物を蒸着した際に酸素及び水
蒸気バリア性の優れる二軸延伸ポリプロピレンフィルム
について鋭意検討を重ねた結果、フィルムの表面に存在
する凹凸構造に起因する表面構造を特定の構造に制御す
ることにより、これに直接金属または金属酸化物を蒸着
した際に優れた酸素及び水蒸気バリア性を発現可能な二
軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
らは、金属または金属酸化物を蒸着した際に酸素及び水
蒸気バリア性の優れる二軸延伸ポリプロピレンフィルム
について鋭意検討を重ねた結果、フィルムの表面に存在
する凹凸構造に起因する表面構造を特定の構造に制御す
ることにより、これに直接金属または金属酸化物を蒸着
した際に優れた酸素及び水蒸気バリア性を発現可能な二
軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、少なくとも一方の表
面に、弧状の凸部が交差した網目構造の繊維状組織を有
し、フィルム表面粗さの平均値5〜18nmであり、さ
らに該網目構造の網目の平均径が5〜60nmであるこ
とを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供
するものである。
面に、弧状の凸部が交差した網目構造の繊維状組織を有
し、フィルム表面粗さの平均値5〜18nmであり、さ
らに該網目構造の網目の平均径が5〜60nmであるこ
とを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供
するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムの、その少なくとも一方の表面は、弧
状の凸部が交差した網目構造の繊維状組織(フィブリ
ル)を有することが必要である。繊維状組織で形成され
た網目構造を両表面ともに有しないフィルムでは、金属
または金属酸化物などを蒸着した際に、十分な酸素及び
水蒸気バリア性が得られない。前記のフィルム表面の繊
維状組織で形成された網目構造は、通常市販されている
原子間力顕微鏡によって測定することができる。原子間
力顕微鏡としては、日本電子社製、セイコー電子社製、
デジタルインスツルメンツ社製、トポメトリックス社製
等の原子間力顕微鏡装置を用いることができる。
ロピレンフィルムの、その少なくとも一方の表面は、弧
状の凸部が交差した網目構造の繊維状組織(フィブリ
ル)を有することが必要である。繊維状組織で形成され
た網目構造を両表面ともに有しないフィルムでは、金属
または金属酸化物などを蒸着した際に、十分な酸素及び
水蒸気バリア性が得られない。前記のフィルム表面の繊
維状組織で形成された網目構造は、通常市販されている
原子間力顕微鏡によって測定することができる。原子間
力顕微鏡としては、日本電子社製、セイコー電子社製、
デジタルインスツルメンツ社製、トポメトリックス社製
等の原子間力顕微鏡装置を用いることができる。
【0015】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
の、その少なくとも一方の表面の、表面粗さの平均値が
5〜18nmであることが必要であり、5〜17nmで
あることが好ましく、さらに5〜16nmであることが
より好ましい。上記表面粗さの平均値が5nmより小さ
くなると、金属または金属酸化物などを蒸着した際に、
十分な酸素及び水蒸気バリア性が得られない。逆に、1
8nmを越えると十分な酸素及び水蒸気バリア性を得る
ためには、金属または金属酸化物蒸着層の厚みを厚くす
ることが必要となり、その結果、蒸着層のクラックが発
生しやすくなるため、好ましくない。上記のフィルム表
面の表面粗さの平均値は、前記の通常市販されている原
子間力顕微鏡によって測定することができる。上記の表
面粗さの平均値は、前述の原子間力顕微鏡を用いて1μ
m四方の面積を測定した原子間力顕微鏡(凹凸)像につ
いて粗さ解析した値であり、詳しくは、1μm四方の面
積の全測定点(512×512点)の高さ(粗さ値)の
平均値を計算し、これを二軸延伸ポリプロピレンフィル
ムの任意の15点で行い、その平均値を表面粗さの平均
値とした。
の、その少なくとも一方の表面の、表面粗さの平均値が
5〜18nmであることが必要であり、5〜17nmで
あることが好ましく、さらに5〜16nmであることが
より好ましい。上記表面粗さの平均値が5nmより小さ
くなると、金属または金属酸化物などを蒸着した際に、
十分な酸素及び水蒸気バリア性が得られない。逆に、1
8nmを越えると十分な酸素及び水蒸気バリア性を得る
ためには、金属または金属酸化物蒸着層の厚みを厚くす
ることが必要となり、その結果、蒸着層のクラックが発
生しやすくなるため、好ましくない。上記のフィルム表
面の表面粗さの平均値は、前記の通常市販されている原
子間力顕微鏡によって測定することができる。上記の表
面粗さの平均値は、前述の原子間力顕微鏡を用いて1μ
m四方の面積を測定した原子間力顕微鏡(凹凸)像につ
いて粗さ解析した値であり、詳しくは、1μm四方の面
積の全測定点(512×512点)の高さ(粗さ値)の
平均値を計算し、これを二軸延伸ポリプロピレンフィル
ムの任意の15点で行い、その平均値を表面粗さの平均
値とした。
【0016】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
の、その少なくとも一方の表面に形成される繊維状組織
は、弧状の凸部が交差した網目構造の網目の平均径が5
nm〜60nmであることが必要であり、5〜55nm
であることが好ましく、5〜50nmであることがより
好ましい。網目の平均径が5nmより小さくなると、金
属または金属酸化物などを蒸着した際に、十分な酸素及
び水蒸気バリア性が得られない。逆に、60nmを越え
る以上になると十分な酸素及び水蒸気バリア性を得るた
めには、金属または金属酸化物蒸着層の厚みを厚くする
ことが必要であるが、その結果、蒸着層のクラックが発
生しやすくなるため、好ましくない。上記の網目平均径
は、前述の1μm四方の面積を測定した原子間力顕微鏡
(凹凸)像について、最表面(最高位置)から20nm
未満の深さの領域において、網目部分(繊維状組織)と
網目に囲まれた部分(網目の内部)を二値化し、画像解
析装置を用いて両者の面積比、網目数を求め、網目の形
状を円と近似することによって網目の平均径(平均孔
径)が算出できる。これを二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルムの任意の15点で行い、その平均値を網目平均径と
した。
の、その少なくとも一方の表面に形成される繊維状組織
は、弧状の凸部が交差した網目構造の網目の平均径が5
nm〜60nmであることが必要であり、5〜55nm
であることが好ましく、5〜50nmであることがより
好ましい。網目の平均径が5nmより小さくなると、金
属または金属酸化物などを蒸着した際に、十分な酸素及
び水蒸気バリア性が得られない。逆に、60nmを越え
る以上になると十分な酸素及び水蒸気バリア性を得るた
めには、金属または金属酸化物蒸着層の厚みを厚くする
ことが必要であるが、その結果、蒸着層のクラックが発
生しやすくなるため、好ましくない。上記の網目平均径
は、前述の1μm四方の面積を測定した原子間力顕微鏡
(凹凸)像について、最表面(最高位置)から20nm
未満の深さの領域において、網目部分(繊維状組織)と
網目に囲まれた部分(網目の内部)を二値化し、画像解
析装置を用いて両者の面積比、網目数を求め、網目の形
状を円と近似することによって網目の平均径(平均孔
径)が算出できる。これを二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルムの任意の15点で行い、その平均値を網目平均径と
した。
【0017】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
は、その少なくとも一方の表面について、弧状の凸部が
交差した網目構造の繊維状組織(フィブリル)を有し、
表面粗さの平均値と網目の平均径が上記の範囲であれば
本発明の効果を十分に達成することができるが、さら
に、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの金属ま
たは金属酸化物の蒸着適性を勘案すると、以下の要件を
満足することが好ましい。
は、その少なくとも一方の表面について、弧状の凸部が
交差した網目構造の繊維状組織(フィブリル)を有し、
表面粗さの平均値と網目の平均径が上記の範囲であれば
本発明の効果を十分に達成することができるが、さら
に、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの金属ま
たは金属酸化物の蒸着適性を勘案すると、以下の要件を
満足することが好ましい。
【0018】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
の網目構造の網目の面積平均値S(nm2)が20以上
2800以下であることが好ましく、20以上2500
以下であることがより好ましい。上記の網目面積平均値
Sは、前述の1μm四方の面積を測定した原子間力顕微
鏡(凹凸)像について、最表面(最高位置)から20n
m未満の深さの領域において、網目部分(繊維状組織)
と網目に囲まれた部分(網目の内部)を二値化し、画像
解析装置を用いて両者の面積比、網目数を求めることに
よって面積平均値が算出できる。これを二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムの任意の15点で行い、その平均値を
網目の平均面積値とした。
の網目構造の網目の面積平均値S(nm2)が20以上
2800以下であることが好ましく、20以上2500
以下であることがより好ましい。上記の網目面積平均値
Sは、前述の1μm四方の面積を測定した原子間力顕微
鏡(凹凸)像について、最表面(最高位置)から20n
m未満の深さの領域において、網目部分(繊維状組織)
と網目に囲まれた部分(網目の内部)を二値化し、画像
解析装置を用いて両者の面積比、網目数を求めることに
よって面積平均値が算出できる。これを二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムの任意の15点で行い、その平均値を
網目の平均面積値とした。
【0019】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
の表面結晶化度は、特に制限されるものではないが、5
0〜80%の範囲であることが好ましく、60〜80%
の範囲であることがより好ましい。ここで言う表面結晶
化度とは、アール.ジー.クィーン(R.G.Quyn
n)らによってジャーナル オブ アプライド ポリマ
ー サイエンス(Journal of Applie
d PolymerScience),2,166(1
959)に発表された赤外吸収スペクトルの974cm
-1と998cm-1のメチル基の吸光度比による結晶化度
算出方法に基づき反射ATR法で求めた値である。
の表面結晶化度は、特に制限されるものではないが、5
0〜80%の範囲であることが好ましく、60〜80%
の範囲であることがより好ましい。ここで言う表面結晶
化度とは、アール.ジー.クィーン(R.G.Quyn
n)らによってジャーナル オブ アプライド ポリマ
ー サイエンス(Journal of Applie
d PolymerScience),2,166(1
959)に発表された赤外吸収スペクトルの974cm
-1と998cm-1のメチル基の吸光度比による結晶化度
算出方法に基づき反射ATR法で求めた値である。
【0020】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
の原料としては、公知の結晶性を有するポリプロピレン
が特に制限なく使用される。また、構成成分としては、
プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα−オレフ
ィンとのランダム共重合体、または、これらの混合物等
を挙げることができる。上記のα−オレフィンとして
は、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等を挙げる
ことができ、これらのα−オレフィンの含有量は2モル
%以下の範囲、さらに1モル%以下の範囲であること
が、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製膜した際、本
発明の特定の繊維状組織を表面に有する二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムを再現よく得るために好ましい。
の原料としては、公知の結晶性を有するポリプロピレン
が特に制限なく使用される。また、構成成分としては、
プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα−オレフ
ィンとのランダム共重合体、または、これらの混合物等
を挙げることができる。上記のα−オレフィンとして
は、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等を挙げる
ことができ、これらのα−オレフィンの含有量は2モル
%以下の範囲、さらに1モル%以下の範囲であること
が、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製膜した際、本
発明の特定の繊維状組織を表面に有する二軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムを再現よく得るために好ましい。
【0021】本発明において、上記ポリプロピレンは、
その結晶性を示すアイソタクチックペンタッド分率は、
特に制限されるものでは無いが、0.88〜0.99の
範囲であることが好ましく、さらに0.93〜0.97
の範囲であることがより好ましい。ここで言うアイソタ
クチックペンタッド分率とは、エー.ザンベリ(A.Z
ambelli)らによってマクロモレキュールズ(M
acromolecules),13,267(198
0)に発表された13C−NMRスペクトルのピ−クの帰
属に基づいて定量されたプロピレンユニット5個が連続
して等しい立体配置をとる分率である。
その結晶性を示すアイソタクチックペンタッド分率は、
特に制限されるものでは無いが、0.88〜0.99の
範囲であることが好ましく、さらに0.93〜0.97
の範囲であることがより好ましい。ここで言うアイソタ
クチックペンタッド分率とは、エー.ザンベリ(A.Z
ambelli)らによってマクロモレキュールズ(M
acromolecules),13,267(198
0)に発表された13C−NMRスペクトルのピ−クの帰
属に基づいて定量されたプロピレンユニット5個が連続
して等しい立体配置をとる分率である。
【0022】また、上記ポリプロピレンのメルトフロ−
レイトは、特に制限されるものではないが、各種の延伸
フィルムへの成形性を考えると、通常は0.1〜10g
/10分の範囲のものが好ましく、さらに、1〜5g/
10分の範囲であることがより好ましい。本発明のポリ
プロピレンのメルトフローレイトの範囲を重量平均分子
量で表わすと250,000〜800,000、好まし
くは300,000〜450,000の範囲となる。
レイトは、特に制限されるものではないが、各種の延伸
フィルムへの成形性を考えると、通常は0.1〜10g
/10分の範囲のものが好ましく、さらに、1〜5g/
10分の範囲であることがより好ましい。本発明のポリ
プロピレンのメルトフローレイトの範囲を重量平均分子
量で表わすと250,000〜800,000、好まし
くは300,000〜450,000の範囲となる。
【0023】本発明に使用されるポリプロピレンの重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)で表される分子量分布は、特に制限されるも
のではないが、フィルム成形時の容易さを考えると溶融
張力を増加させ加工性を向上させるためには2〜20で
あることが好ましく、さらに4〜10の範囲であること
がより好ましい。なお、分子量分布はo−ジクロルベン
ゼンを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフ
法(以下、GPCともいう。)で測定された値で、検量
線は標準ポリスチレンで較正されたものが用いられる。
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)で表される分子量分布は、特に制限されるも
のではないが、フィルム成形時の容易さを考えると溶融
張力を増加させ加工性を向上させるためには2〜20で
あることが好ましく、さらに4〜10の範囲であること
がより好ましい。なお、分子量分布はo−ジクロルベン
ゼンを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフ
法(以下、GPCともいう。)で測定された値で、検量
線は標準ポリスチレンで較正されたものが用いられる。
【0024】本発明に使用されるポリプロピレンの室温
p−キシレン可溶分量は、特に制限されるものではない
が、6重量%以下の範囲であることが好ましく、さらに
4重量%以下の範囲であることがより好ましい。
p−キシレン可溶分量は、特に制限されるものではない
が、6重量%以下の範囲であることが好ましく、さらに
4重量%以下の範囲であることがより好ましい。
【0025】また、本発明に使用されるポリプロピレン
の融点は、特に制限されるものではないが、150℃以
上であることが好ましく、155℃以上であることがよ
り好ましく、さらに160℃以上であることが好まし
い。ここで言うポリプロピレンの融点とは、示差走査熱
計(以下、DSCともいう。)で測定された昇温時の結
晶融解曲線のピーク温度である。
の融点は、特に制限されるものではないが、150℃以
上であることが好ましく、155℃以上であることがよ
り好ましく、さらに160℃以上であることが好まし
い。ここで言うポリプロピレンの融点とは、示差走査熱
計(以下、DSCともいう。)で測定された昇温時の結
晶融解曲線のピーク温度である。
【0026】本発明に使用されるポリプロピレンには、
必要に応じて、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、塩素
捕捉剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収
剤、滑剤、造核剤、顔料、フィラー等の添加剤や、他の
ポリプロピレン、ポリエチレン、エラストマー、石油樹
脂、その他の熱可塑性樹脂が効果の阻害されない範囲で
配合されていてもよい。
必要に応じて、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、塩素
捕捉剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収
剤、滑剤、造核剤、顔料、フィラー等の添加剤や、他の
ポリプロピレン、ポリエチレン、エラストマー、石油樹
脂、その他の熱可塑性樹脂が効果の阻害されない範囲で
配合されていてもよい。
【0027】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
の厚さは特に制限されないが、通常3〜200μmであ
ることが好ましい。
の厚さは特に制限されないが、通常3〜200μmであ
ることが好ましい。
【0028】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
の製造方法は、前記フィルム特性が得られる条件であれ
ば、公知の方法を何等制限なく採用することができる。
の製造方法は、前記フィルム特性が得られる条件であれ
ば、公知の方法を何等制限なく採用することができる。
【0029】例えば、テンター法による逐次二軸延伸法
によって延伸フィルムを製造する方法としては、上記の
ポリプロピレン組成物をTダイ法、インフレーション法
等でシートあるいはフィルムに成形した後、縦延伸装置
に供給し、加熱ロール温度120〜170℃で3〜10
倍、好ましくは3〜7倍縦(フィルムの流れ方向に)延
伸し、つづいてテンターを用いてテンター温度110〜
180℃で4〜15倍、好ましくは4〜11倍横(フィ
ルムの流れ方向と直交する方向に)延伸する方法が挙げ
られる。
によって延伸フィルムを製造する方法としては、上記の
ポリプロピレン組成物をTダイ法、インフレーション法
等でシートあるいはフィルムに成形した後、縦延伸装置
に供給し、加熱ロール温度120〜170℃で3〜10
倍、好ましくは3〜7倍縦(フィルムの流れ方向に)延
伸し、つづいてテンターを用いてテンター温度110〜
180℃で4〜15倍、好ましくは4〜11倍横(フィ
ルムの流れ方向と直交する方向に)延伸する方法が挙げ
られる。
【0030】上記方法の縦延伸工程においては、縦延伸
後のフィルムあるいはシートの延伸方向に関するc軸配
向係数が、0.5〜1.0の範囲、より好ましくは0.
55〜0.85の範囲となるように縦延伸倍率と延伸温
度、前記したポリプロピレンの諸物性を適宜調節するこ
とが、本発明の特定の繊維状組織を表面に有する二軸延
伸ポリプロピレンフィルムを再現よく得るために好まし
い。
後のフィルムあるいはシートの延伸方向に関するc軸配
向係数が、0.5〜1.0の範囲、より好ましくは0.
55〜0.85の範囲となるように縦延伸倍率と延伸温
度、前記したポリプロピレンの諸物性を適宜調節するこ
とが、本発明の特定の繊維状組織を表面に有する二軸延
伸ポリプロピレンフィルムを再現よく得るために好まし
い。
【0031】上記範囲のc軸配向係数を有する縦延伸シ
ートあるいはフィルムを得る方法を具体的に例示すれ
ば、縦延伸前の未延伸シートあるいはフィルムを100
℃〜未延伸シートあるいはフィルムの融点よりも10℃
以上低い温度、好ましくは110℃〜未延伸シートある
いはフィルムの融点よりも15℃以上低い温度に加熱、
熱処理して結晶化度を高めた後、3〜10倍、好ましく
は3〜7倍縦延伸する方法が好適に採用される。
ートあるいはフィルムを得る方法を具体的に例示すれ
ば、縦延伸前の未延伸シートあるいはフィルムを100
℃〜未延伸シートあるいはフィルムの融点よりも10℃
以上低い温度、好ましくは110℃〜未延伸シートある
いはフィルムの融点よりも15℃以上低い温度に加熱、
熱処理して結晶化度を高めた後、3〜10倍、好ましく
は3〜7倍縦延伸する方法が好適に採用される。
【0032】尚、c軸配向係数とは、X線回折法によっ
て求められるポリプロピレン結晶のc軸(分子鎖軸)の
フィルムあるいはシートの延伸方向への一軸配向の程度
を定量的に表す値である。詳しくは、ゼット.ダブリュ
ー.ウィルチンスキー(Z.W.Wilchinsk
y),ジャーナル オブ アプライド フィジックス
(Journal of Applied Physc
is),31,1969(1960)の方法により、
(110)面および(040)面の配向分布曲線(結晶
面密度分布曲線)から各々の面の放線と延伸方向Zとの
方向余弦の二乗平均〈cos2φ110,Z〉、〈cos2φ040,Z〉
を求めて、次式により結晶c軸とZとの方向余弦の二乗
平均が計算できる。
て求められるポリプロピレン結晶のc軸(分子鎖軸)の
フィルムあるいはシートの延伸方向への一軸配向の程度
を定量的に表す値である。詳しくは、ゼット.ダブリュ
ー.ウィルチンスキー(Z.W.Wilchinsk
y),ジャーナル オブ アプライド フィジックス
(Journal of Applied Physc
is),31,1969(1960)の方法により、
(110)面および(040)面の配向分布曲線(結晶
面密度分布曲線)から各々の面の放線と延伸方向Zとの
方向余弦の二乗平均〈cos2φ110,Z〉、〈cos2φ040,Z〉
を求めて、次式により結晶c軸とZとの方向余弦の二乗
平均が計算できる。
【0033】〈cos2φc,Z〉=1−1.099〈cos
2φ110,Z〉−0.901〈cos2φ040,Z〉 〈cos2φc,Z〉の値から次式によりc軸配向係数を算出
することができる。
2φ110,Z〉−0.901〈cos2φ040,Z〉 〈cos2φc,Z〉の値から次式によりc軸配向係数を算出
することができる。
【0034】 [c軸配向係数]=(3〈cos2φc,Z〉−1)/2 次いで、上記の方法で得た縦延伸フィルムあるいはシー
トを横延伸倍率と延伸温度を適宜調節することによっ
て、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造すること
が、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得るた
めに好ましい。
トを横延伸倍率と延伸温度を適宜調節することによっ
て、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造すること
が、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得るた
めに好ましい。
【0035】上記延伸において縦延伸倍率と横延伸倍率
の積で表される面積延伸倍率は、使用されるポリプロピ
レンの融点;Tm(℃)によって、(105−Tm/
2)倍以上(145−Tm/2)倍以下の範囲で、さら
に(105−Tm/2)倍以上(130−Tm/2)倍
以下の範囲で調整することが、本発明の特定の繊維状組
織を表面に有する二軸延伸ポリプロピレンフィルムを再
現よく得るために好ましい。
の積で表される面積延伸倍率は、使用されるポリプロピ
レンの融点;Tm(℃)によって、(105−Tm/
2)倍以上(145−Tm/2)倍以下の範囲で、さら
に(105−Tm/2)倍以上(130−Tm/2)倍
以下の範囲で調整することが、本発明の特定の繊維状組
織を表面に有する二軸延伸ポリプロピレンフィルムを再
現よく得るために好ましい。
【0036】さらに、二軸延伸後に必要に応じて縦およ
び横方向に0〜15%の緩和を許しながら80〜180
℃で熱処理する方法を併用してもよい。もちろん、これ
らの延伸の後に再び延伸してもよく、また縦延伸におい
て多段延伸、圧延等の延伸法を組み合わせることができ
る。
び横方向に0〜15%の緩和を許しながら80〜180
℃で熱処理する方法を併用してもよい。もちろん、これ
らの延伸の後に再び延伸してもよく、また縦延伸におい
て多段延伸、圧延等の延伸法を組み合わせることができ
る。
【0037】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
の一方あるいは両方の表面には、必要に応じてコロナ放
電処理等の表面処理が施されてもよい。さらに、ヒート
シール性等の機能を付与する目的で一方の片面に本発明
で使用されるポリプロピレンよりも融点の低い他の樹脂
よりなる層が積層されてもよい。他の樹脂の積層方法は
特に制限されないが、共押出し法、ラミネート法等が好
適である。
の一方あるいは両方の表面には、必要に応じてコロナ放
電処理等の表面処理が施されてもよい。さらに、ヒート
シール性等の機能を付与する目的で一方の片面に本発明
で使用されるポリプロピレンよりも融点の低い他の樹脂
よりなる層が積層されてもよい。他の樹脂の積層方法は
特に制限されないが、共押出し法、ラミネート法等が好
適である。
【0038】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
は、フィルムの剛性や柔軟性等の機能を付与するために
他の基材フィルムの少なくとも片面に積層させて、積層
フィルムとして用いることができる。積層フィルムの製
造方法は、特に制限されるものでは無いが、好適な方法
として、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、
他のフィルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリビニルア
ルコール、ビニロン、セロハン等のフィルムと接着剤層
を介して積層方法、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムよりも融点の低い熱可塑性樹脂を直接、本発明の
二軸延伸ポリプロピレンフィルムに押出しラミネートす
る方法、本発明のポリプロピレンフィルムを一方あるい
は両方の最表面層として他のポリオレフィン等の熱可塑
性樹脂と共押出しした後、前述の方法で二軸延伸する方
法等を挙げることができる。
は、フィルムの剛性や柔軟性等の機能を付与するために
他の基材フィルムの少なくとも片面に積層させて、積層
フィルムとして用いることができる。積層フィルムの製
造方法は、特に制限されるものでは無いが、好適な方法
として、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムと、
他のフィルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリビニルア
ルコール、ビニロン、セロハン等のフィルムと接着剤層
を介して積層方法、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムよりも融点の低い熱可塑性樹脂を直接、本発明の
二軸延伸ポリプロピレンフィルムに押出しラミネートす
る方法、本発明のポリプロピレンフィルムを一方あるい
は両方の最表面層として他のポリオレフィン等の熱可塑
性樹脂と共押出しした後、前述の方法で二軸延伸する方
法等を挙げることができる。
【0039】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム
への金属または金属酸化物の蒸着方法は、公知の方法を
何等制限なく採用することができる。例えば、ケイ素、
アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム等の金属または金属
酸化物の1種または2種以上の混合物を真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ蒸
着法などの従来公知の物理的蒸着法(PVD法)や、あ
るいはケイ素、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム等の
金属または金属酸化物の1種または2種以上の混合物を
酸素ガス、フッ化水素ガス等の雰囲気中で、あるいはこ
れらのガスとアルゴン、窒素等の不活性ガスとの混合雰
囲気中で反応性真空蒸着法、反応性スパッタリング法、
反応性イオンプレーティング法、反応性プラズマ蒸着法
などの従来公知の化学的蒸着法(CVD法)による方法
が好適であるが、、これらの方法に限定されるものでは
ない。またこれらの方法により得られる金属または金属
蒸着層の厚みとしては通常5〜200nmが適宜選択実
施することができる。
への金属または金属酸化物の蒸着方法は、公知の方法を
何等制限なく採用することができる。例えば、ケイ素、
アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム等の金属または金属
酸化物の1種または2種以上の混合物を真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ蒸
着法などの従来公知の物理的蒸着法(PVD法)や、あ
るいはケイ素、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム等の
金属または金属酸化物の1種または2種以上の混合物を
酸素ガス、フッ化水素ガス等の雰囲気中で、あるいはこ
れらのガスとアルゴン、窒素等の不活性ガスとの混合雰
囲気中で反応性真空蒸着法、反応性スパッタリング法、
反応性イオンプレーティング法、反応性プラズマ蒸着法
などの従来公知の化学的蒸着法(CVD法)による方法
が好適であるが、、これらの方法に限定されるものでは
ない。またこれらの方法により得られる金属または金属
蒸着層の厚みとしては通常5〜200nmが適宜選択実
施することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィル
ムは、特定の繊維状組織を表面に有することにより、フ
ィルム表面に金属または金属酸化物を蒸着した際の、酸
素及び水蒸気バリア性が改良される。この理由は未だ明
らかではないが、本発明者らは以下の解析結果から次の
ように考えている。
ムは、特定の繊維状組織を表面に有することにより、フ
ィルム表面に金属または金属酸化物を蒸着した際の、酸
素及び水蒸気バリア性が改良される。この理由は未だ明
らかではないが、本発明者らは以下の解析結果から次の
ように考えている。
【0041】原子間力顕微鏡で観察されるフィルム表面
の繊維状組織(網目の形状、大きさ等)は、フィルム製
造時、特定の延伸条件において縦および横延伸の倍率や
温度等に依存して変化することが判明した。このことか
ら、繊維状組織は、フィルムの延伸工程において、ポリ
プロピレンの結晶が引き延ばされる時に形成する結晶性
の高いフィブリルであると推定される。一方、十分なガ
スバリア性を発現させるために必要な厚みの均一な金属
または金属酸化物蒸着層を形成させるためには、フィル
ム表面には、蒸着時の熱による変形等の起こらない耐熱
性が必要である。従って、金属または金属酸化物蒸着に
適した二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面構造は、
耐熱性(結晶性)の高い繊維状組織を有することが必要
であり、さらにクラック発生等によるガスバリア性の低
下を防ぐため蒸着層の厚みを薄くするためには、繊維状
組織が上記のような特定の形状を有する必要があると考
えられる。
の繊維状組織(網目の形状、大きさ等)は、フィルム製
造時、特定の延伸条件において縦および横延伸の倍率や
温度等に依存して変化することが判明した。このことか
ら、繊維状組織は、フィルムの延伸工程において、ポリ
プロピレンの結晶が引き延ばされる時に形成する結晶性
の高いフィブリルであると推定される。一方、十分なガ
スバリア性を発現させるために必要な厚みの均一な金属
または金属酸化物蒸着層を形成させるためには、フィル
ム表面には、蒸着時の熱による変形等の起こらない耐熱
性が必要である。従って、金属または金属酸化物蒸着に
適した二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面構造は、
耐熱性(結晶性)の高い繊維状組織を有することが必要
であり、さらにクラック発生等によるガスバリア性の低
下を防ぐため蒸着層の厚みを薄くするためには、繊維状
組織が上記のような特定の形状を有する必要があると考
えられる。
【0042】以上の説明より明らかなように、本発明の
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、、特定の繊維状組
織を表面に有することにより、フィルム表面に金属また
は金属酸化物を蒸着した際の、酸素及び水蒸気バリア性
が改良されるという従来公知の二軸延伸ポリプロピレン
フィルムによって達成し得ない優れた特性を有するもの
である。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、、特定の繊維状組
織を表面に有することにより、フィルム表面に金属また
は金属酸化物を蒸着した際の、酸素及び水蒸気バリア性
が改良されるという従来公知の二軸延伸ポリプロピレン
フィルムによって達成し得ない優れた特性を有するもの
である。
【0043】したがって、酸素または水蒸気バリア性が
要求される食品等包装材料用途に用いられる金属または
金属酸化物蒸着二軸延伸ポリプロピレンフィルムの基材
として好適に用いることができる。
要求される食品等包装材料用途に用いられる金属または
金属酸化物蒸着二軸延伸ポリプロピレンフィルムの基材
として好適に用いることができる。
【0044】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の
実施例および比較例で得られた二軸延伸ポリプロピレン
フィルムおよびポリプロピレンの評価は次の方法にて行
った。
下に実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明は
これらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の
実施例および比較例で得られた二軸延伸ポリプロピレン
フィルムおよびポリプロピレンの評価は次の方法にて行
った。
【0045】(1)フィルムの表面粗さの平均値、網目
の平均径、網目の面積平均値 日本電子社製の走査型プローブ顕微鏡JSTM−420
0Dを用い、コンタクトモードで1μm四方の面積の原
子間力顕微鏡像を測定した。測定において、カンチレバ
ーは摩耗や汚れのない状態のものを使用し、また測定個
所は、フィルム中の滑剤、帯電防止剤やブロッキング防
止剤による隆起の無い個所とした。また1μm四方の表
面粗さの平均値は、512×512点の全測定点の高さ
(粗さ値)の平均値である。また網目の平均径及び、網
目の面積平均値は、上記の1μm四方の面積を測定した
原子間力顕微鏡(凹凸)像について、最表面(最高位
置)から20nm未満の深さの領域において、網目部分
(繊維状組織)と網目に囲まれた部分(網目の内部)を
二値化し、画像解析装置を用いて両者の面積比、網目数
を求めることによって網目の平均径、網目の面積平均値
を計算した。これらの値は全て、二軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムの任意の15点の平均値とした。
の平均径、網目の面積平均値 日本電子社製の走査型プローブ顕微鏡JSTM−420
0Dを用い、コンタクトモードで1μm四方の面積の原
子間力顕微鏡像を測定した。測定において、カンチレバ
ーは摩耗や汚れのない状態のものを使用し、また測定個
所は、フィルム中の滑剤、帯電防止剤やブロッキング防
止剤による隆起の無い個所とした。また1μm四方の表
面粗さの平均値は、512×512点の全測定点の高さ
(粗さ値)の平均値である。また網目の平均径及び、網
目の面積平均値は、上記の1μm四方の面積を測定した
原子間力顕微鏡(凹凸)像について、最表面(最高位
置)から20nm未満の深さの領域において、網目部分
(繊維状組織)と網目に囲まれた部分(網目の内部)を
二値化し、画像解析装置を用いて両者の面積比、網目数
を求めることによって網目の平均径、網目の面積平均値
を計算した。これらの値は全て、二軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムの任意の15点の平均値とした。
【0046】原子間力顕微鏡像の画像解析には、ピアス
社製の画像解析装置LA−555を用いた。
社製の画像解析装置LA−555を用いた。
【0047】(2)表面結晶化度 パーキンエルマー社製のフーリエ変換赤外分光光度計1
600型FTIRを用い、エス・ティ・ジャパン社製水
平状ATRおよびZnSeフラットプレート(45°)
を装着して、次の条件で測定した。
600型FTIRを用い、エス・ティ・ジャパン社製水
平状ATRおよびZnSeフラットプレート(45°)
を装着して、次の条件で測定した。
【0048】 分解能 :4.0cm−1 アポダイゼーション関数:弱ベール‐ノートン・アポダ
イゼーション 走査範囲 :4000〜400cm-1 走査モード:単光束比率 積算回数 :64回 (3)アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)、
α−オレフィン含有量 日本電子社製のJNM−GSX−270(13C−核共鳴
周波数67.8MHz)を用い、次の条件で測定した。
イゼーション 走査範囲 :4000〜400cm-1 走査モード:単光束比率 積算回数 :64回 (3)アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)、
α−オレフィン含有量 日本電子社製のJNM−GSX−270(13C−核共鳴
周波数67.8MHz)を用い、次の条件で測定した。
【0049】測定モード: 1H−完全デカップリング パルス幅 : 7.0マイクロ秒(C45゜) パルス繰り返し時間: 3秒 積算回数 : 10000回 溶媒 : オルトジクロルベンゼン/重ベンゼン混
合溶媒(90/10容量%) 試料濃度 : 120mg/2.5ml溶媒 測定温度 : 120℃ この場合、アイソタクチックペンタッド分率は13C−N
MRスペクトルのメチル基領域における分裂ピークの測
定により求めた。また、メチル基領域のピークの帰属は
エー.ザンベリ(A.Zambelli)ら、マクロモ
レキュールズ(Macromolecules),1
3, 267(1980)によった。
合溶媒(90/10容量%) 試料濃度 : 120mg/2.5ml溶媒 測定温度 : 120℃ この場合、アイソタクチックペンタッド分率は13C−N
MRスペクトルのメチル基領域における分裂ピークの測
定により求めた。また、メチル基領域のピークの帰属は
エー.ザンベリ(A.Zambelli)ら、マクロモ
レキュールズ(Macromolecules),1
3, 267(1980)によった。
【0050】(4) メルトフローレイト(MFR) ASTM D−790に準じて測定した。
【0051】(5)重量平均分子量(Mw)、分子量分
布(Mw/Mn) センシュー科学社製の高温GPC装置SSC−7100
を用い、次の条件で測定した。
布(Mw/Mn) センシュー科学社製の高温GPC装置SSC−7100
を用い、次の条件で測定した。
【0052】溶媒 :オルトジクロルベンゼン 流速 :1.0ml/分 カラム温度:145℃ 検出機 :高温示差屈折検出器 カラム :昭和電工社製「SHODEX UT」 8
07,806M,806M,802.5の4本を直列に
つないで使用。
07,806M,806M,802.5の4本を直列に
つないで使用。
【0053】試料濃度 :0.1重量% 注入量 :0.50ml (6) 室温p−キシレン可溶分量(p-Xy.sol.) ポリマー1gをp−キシレン100mlに加え、攪拌し
ながら120℃まで昇温した後、さらに30分攪拌を続
け、ポリマーを完全に溶解させ均一な溶液を調製した。
そのp−キシレン溶液を室温(23℃)まで放冷後、室
温(23℃)で24時間放置した。その後、析出したゲ
ル状物は櫨別し、p−キシレン溶液を完全に濃縮するこ
とで可溶分量を求めた。
ながら120℃まで昇温した後、さらに30分攪拌を続
け、ポリマーを完全に溶解させ均一な溶液を調製した。
そのp−キシレン溶液を室温(23℃)まで放冷後、室
温(23℃)で24時間放置した。その後、析出したゲ
ル状物は櫨別し、p−キシレン溶液を完全に濃縮するこ
とで可溶分量を求めた。
【0054】室温p−キシレン可溶分量(p-Xy.sol.)
は下記式で求められる。
は下記式で求められる。
【0055】(p-Xy.sol.)={p-キシレン可溶分(g)/ホ゜リ
マー1(g)}×100 (重量%) (7)融点 セイコー電子社製のDSC装置DSC6200を用い、
次の条件で測定した。
マー1(g)}×100 (重量%) (7)融点 セイコー電子社製のDSC装置DSC6200を用い、
次の条件で測定した。
【0056】試料量 :約5mg 雰囲気ガス:窒素(流量20ml/分) 温度条件 :230℃に10分間保持した後、10℃/
分で30℃まで降温し、引き続いて10℃/分で昇温し
た時の融解の吸熱挙動を測定した。
分で30℃まで降温し、引き続いて10℃/分で昇温し
た時の融解の吸熱挙動を測定した。
【0057】(8)c軸配向係数 日本電子社製のX線回折装置JDX−3500に、繊維
試料装置を装着し、次の条件にて測定した。
試料装置を装着し、次の条件にて測定した。
【0058】ターゲット :銅(Cu−Kα線) 管電圧−管電流 :40kV−400mA X線入射法 :垂直ビーム透過法 単色化 :グラファイトモノクロメーター コリメータ :1mmφピンホール 受光スリット :2mmφピンホール 検出器 :シンチレーションカウンター 1)2θ走査(ブラッグ角)測定 測定角度範囲(2θ) :8〜32゜ ステップ角度 :0.1゜ 計数時間 :2.0秒 2)面内回転(β回転)測定 測定角度範囲(β) :−20〜110゜ ステップ角度 :0.5゜ 計数時間 :2.0秒 縦延伸したフィルムあるいはシートを延伸方向に15m
m×幅5mmに切り出した短冊状のサンプルを、繊維試
料装置に装着し、まず、フィルム面に垂直にX線を入射
させて垂直透過法にて2θ走査を行い、ポリプロピレン
結晶の(110)および(040)面のブラッグ角(2
θ°)を決定した。次に、(110)面のブラッグ角に
カウンターを固定して、試料を面内回転(β回転)さ
せ、(110)面に関して強度分布測定を行った。同様
にして(040)面の強度分布測定を行った。2θ走査
で測定したX線回折プロファイルの(110)面および
(040)面反射の位置の空気散乱等によるバックグラ
ウンド強度を求め、それぞれ(110)面および(04
0)面の回折強度分布より差し引いて、(110)およ
び(040)面の配向分布曲線(結晶面密度分布曲線)
を得た。これらの配向分布曲線から、前述した方法によ
りのc軸配向係数を求めた。
m×幅5mmに切り出した短冊状のサンプルを、繊維試
料装置に装着し、まず、フィルム面に垂直にX線を入射
させて垂直透過法にて2θ走査を行い、ポリプロピレン
結晶の(110)および(040)面のブラッグ角(2
θ°)を決定した。次に、(110)面のブラッグ角に
カウンターを固定して、試料を面内回転(β回転)さ
せ、(110)面に関して強度分布測定を行った。同様
にして(040)面の強度分布測定を行った。2θ走査
で測定したX線回折プロファイルの(110)面および
(040)面反射の位置の空気散乱等によるバックグラ
ウンド強度を求め、それぞれ(110)面および(04
0)面の回折強度分布より差し引いて、(110)およ
び(040)面の配向分布曲線(結晶面密度分布曲線)
を得た。これらの配向分布曲線から、前述した方法によ
りのc軸配向係数を求めた。
【0059】(9)酸素透過度 MODERN CONTOROL社製 OXTRANに
て、30℃×70%RHの条件にて測定した。
て、30℃×70%RHの条件にて測定した。
【0060】(10)水蒸気透過度 MODERN CONTOROL社製 PERMATR
ANにて、38℃×90%RHの条件にて測定した。
ANにて、38℃×90%RHの条件にて測定した。
【0061】実施例1 (造粒)表1に示したホモポリプロピレンAのパウダー
100重量部に、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブ
チルヒドロキシトルエンを0.1重量部、塩素捕捉剤と
してステアリン酸カルシウムを0.1重量部、帯電防止
剤としてステアリルジエタノールアミド0.3重量部
と、ブロッキング防止剤として平均粒径0.8μmの溶
融球状シリカ(アドマテック社製「アドマファインSO
−C3」)を0.2重量%を添加し、ヘンシェルミキサ
ーで5分間混合した後、スクリュー径65mmφの押出
造粒機を用い、230℃で押し出し、ペレットを造粒し
原料ペレットを得た。
100重量部に、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブ
チルヒドロキシトルエンを0.1重量部、塩素捕捉剤と
してステアリン酸カルシウムを0.1重量部、帯電防止
剤としてステアリルジエタノールアミド0.3重量部
と、ブロッキング防止剤として平均粒径0.8μmの溶
融球状シリカ(アドマテック社製「アドマファインSO
−C3」)を0.2重量%を添加し、ヘンシェルミキサ
ーで5分間混合した後、スクリュー径65mmφの押出
造粒機を用い、230℃で押し出し、ペレットを造粒し
原料ペレットを得た。
【0062】
【表1】
【0063】(二軸延伸フィルムの成形)得られたポリ
プロピレン原料ペレットを用いて以下の方法で二軸延伸
フィルムの成形実験を行なった。ポリプロピレン原料ペ
レットを、スクリュー径90mmφのTダイシート押出
機を用い、280℃で加熱溶融後、押し出し、30℃の
冷却ロールでシートを成形した。次いで、この原反シー
トをテンター方式の逐次二軸延伸装置を用いて、以下の
ように二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造した。ま
ず、原反シートを加熱ロール延伸機により縦方向に4.
5倍縦延伸した。縦延伸シートのサンプリングを行い、
中央部のc軸配向係数を測定した。結果を表2に示し
た。引き続いて、テンター横延伸機で横方向に機械倍率
で10倍横延伸した後、8%緩和させて熱処理を行な
い、厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを
成形した。なお、フィルムの厚さは、Tダイシート押出
機の押出量(原反シートの厚さ)により調整した。フィ
ルムの片面には常法に従い30W分/m2のコロナ放電
処理を施し、巻取った後、得られたフィルムは35℃で
3日間エージングした。 得られた二軸延伸ポリプロピ
レンフィルムの金属または金属酸化物蒸着を施す面につ
いて原子間力顕微鏡観察を行い、表面粗さの平均値、網
目構造の平均径、網目の面積平均値を測定し、表面粗さ
の平均値と面積平均値との積を計算した。結果を表3に
示した。
プロピレン原料ペレットを用いて以下の方法で二軸延伸
フィルムの成形実験を行なった。ポリプロピレン原料ペ
レットを、スクリュー径90mmφのTダイシート押出
機を用い、280℃で加熱溶融後、押し出し、30℃の
冷却ロールでシートを成形した。次いで、この原反シー
トをテンター方式の逐次二軸延伸装置を用いて、以下の
ように二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製造した。ま
ず、原反シートを加熱ロール延伸機により縦方向に4.
5倍縦延伸した。縦延伸シートのサンプリングを行い、
中央部のc軸配向係数を測定した。結果を表2に示し
た。引き続いて、テンター横延伸機で横方向に機械倍率
で10倍横延伸した後、8%緩和させて熱処理を行な
い、厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを
成形した。なお、フィルムの厚さは、Tダイシート押出
機の押出量(原反シートの厚さ)により調整した。フィ
ルムの片面には常法に従い30W分/m2のコロナ放電
処理を施し、巻取った後、得られたフィルムは35℃で
3日間エージングした。 得られた二軸延伸ポリプロピ
レンフィルムの金属または金属酸化物蒸着を施す面につ
いて原子間力顕微鏡観察を行い、表面粗さの平均値、網
目構造の平均径、網目の面積平均値を測定し、表面粗さ
の平均値と面積平均値との積を計算した。結果を表3に
示した。
【0064】(金属蒸着方法)シラン(SiH4)を主
原料にして、電磁波(マイクロウエーブ)によってSi
をプラズマ化し、蒸着膜厚を10nmにコントロールし
た。その後、酸素透過度、水蒸気透過度を評価した。酸
素、水蒸気透過度は表3に示した。
原料にして、電磁波(マイクロウエーブ)によってSi
をプラズマ化し、蒸着膜厚を10nmにコントロールし
た。その後、酸素透過度、水蒸気透過度を評価した。酸
素、水蒸気透過度は表3に示した。
【0065】実施例2,比較例1,2 表2の延伸倍率とした以外は実施例1と同様に行った。
その結果を表2,3に示した。
その結果を表2,3に示した。
【0066】実施例3 表1に示したポリプロピレンBを用い、表2の延伸倍率
とした以外は実施例1と同様に行った。その結果を表
2,3に示した。
とした以外は実施例1と同様に行った。その結果を表
2,3に示した。
【0067】比較例3 表2の延伸倍率とした以外は実施例3と同様に行った。
その結果を表2,3に示した。
その結果を表2,3に示した。
【0068】実施例4、5 表1に示したポリプロピレンCを用い、表2の延伸倍率
とした以外は実施例1と同様に行った。その結果を表
2,3に示した。
とした以外は実施例1と同様に行った。その結果を表
2,3に示した。
【0069】比較例4,5 表2の延伸倍率とした以外は実施例4と同様に行った。
その結果を表2,3に示した。
その結果を表2,3に示した。
【0070】比較例6 表1に示したポリプロピレンDを用い、表2の延伸倍率
とした以外は実施例1と同様に行った。その結果を表
2,3に示した。
とした以外は実施例1と同様に行った。その結果を表
2,3に示した。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23:10 (72)発明者 伊藤 順一 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも一方の表面に、弧状の凸部が
交差した網目構造の繊維状組織を有し、フィルム表面粗
さの平均値hが5nm〜18nmであり、さらに該網目
構造の網目の平均径が5〜60nmであることを特徴と
する二軸延伸ポリプロピレンフィルム。 - 【請求項2】 網目構造の網目の面積平均値S(n
m2)が20〜2800である請求項1記載の二軸延伸
ポリプロピレンフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24549097A JPH1177824A (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24549097A JPH1177824A (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1177824A true JPH1177824A (ja) | 1999-03-23 |
Family
ID=17134443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24549097A Pending JPH1177824A (ja) | 1997-09-10 | 1997-09-10 | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1177824A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002307548A (ja) * | 2001-04-16 | 2002-10-23 | Sumitomo Chem Co Ltd | 延伸フィルムの製造方法 |
JP2011127013A (ja) * | 2009-12-18 | 2011-06-30 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ポリプロピレンフィルム、ならびにそれを用いた偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置 |
JP2011152659A (ja) * | 2010-01-26 | 2011-08-11 | Ibiden Kenso Co Ltd | メラミン化粧板及びその製造方法 |
CN112094455A (zh) * | 2020-09-16 | 2020-12-18 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种聚丙烯镀铝膜基材膜及其制备方法 |
-
1997
- 1997-09-10 JP JP24549097A patent/JPH1177824A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002307548A (ja) * | 2001-04-16 | 2002-10-23 | Sumitomo Chem Co Ltd | 延伸フィルムの製造方法 |
JP2011127013A (ja) * | 2009-12-18 | 2011-06-30 | Sumitomo Chemical Co Ltd | ポリプロピレンフィルム、ならびにそれを用いた偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置 |
JP2011152659A (ja) * | 2010-01-26 | 2011-08-11 | Ibiden Kenso Co Ltd | メラミン化粧板及びその製造方法 |
CN112094455A (zh) * | 2020-09-16 | 2020-12-18 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种聚丙烯镀铝膜基材膜及其制备方法 |
CN112094455B (zh) * | 2020-09-16 | 2023-05-09 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种聚丙烯镀铝膜基材膜及其制备方法 |
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