JPH0994929A - 金属酸化物蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルム及び金属酸化物蒸着二軸配向ポリプロピレン複合フイルム - Google Patents

金属酸化物蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルム及び金属酸化物蒸着二軸配向ポリプロピレン複合フイルム

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JPH0994929A
JPH0994929A JP25520895A JP25520895A JPH0994929A JP H0994929 A JPH0994929 A JP H0994929A JP 25520895 A JP25520895 A JP 25520895A JP 25520895 A JP25520895 A JP 25520895A JP H0994929 A JPH0994929 A JP H0994929A
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JP
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layer
metal oxide
film
composite film
polypropylene composite
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Application number
JP25520895A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Asakura
正芳 朝倉
Shigeru Tanaka
茂 田中
Itsuo Nagai
逸夫 永井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アイソタクチックポリプロピレン重合体を主成
分とする基層(A層)の少なくとも片面に、融解熱量が
30〜85J/gのポリオレフィン樹脂層(B層)を積
層してなることを特徴とする金属酸化物蒸着用二軸配向
ポリプロピレン複合フイルム及び金属酸化物蒸着二軸配
向ポリプロピレン複合フイルム。 【効果】本発明のフイルムは金属酸化物を蒸着したフイ
ルムのガス遮断性、防湿性が大幅に向上ができ、各種包
装用途に適する金属酸化物蒸着二軸配向ポリプロピレン
複合フイルムとすることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物蒸着用
二軸配向ポリプロピレン複合フイルム及び金属酸化物蒸
着二軸配向ポリプロピレン複合フイルムに関するもので
ある。更に詳しくは、二軸配向ポリプロピレン複合フイ
ルムに金属酸化物を蒸着し、透明でかつフイルムのガス
遮断性、防湿性の向上に適した金属酸化物蒸着用二軸配
向ポリプロピレン複合フイルム及び金属酸化物蒸着二軸
配向ポリプロピレン複合フイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレンフイルムは、透明
性、機械的特性、防湿性などに優れ、包装用途などに広
く用いられている。さらにフイルムのガス遮断性、防湿
性を向上させる目的で、ポリ塩化ビニリデンをコートし
たポリプロピレンが、透明でガスバリア性の優れたフイ
ルムとして広く用いられている。しかしポリ塩化ビニリ
デンは廃棄焼却時に塩素系ガスが発生するために環境へ
の悪影響が指摘されており、排ガスを浄化するための焼
却炉への負担も大きいとされている。この環境問題を解
決する包装フイルムとして金属酸化物を蒸着したガスバ
リア性フイルムが開発されている。例えば酸化ケイ素を
プラスチックフイルム上に形成したものが特公昭53−
12953号公報により知られている。また酸化アルミ
ニウムを高分子樹脂フイルム基材上に形成したものが特
開昭62−179935号公報により知られている。し
かしこれらの技術は主としてポリエチレンテレフタレ−
トフイルムを対象としたものであり、ポリプロピレンフ
イルムを対象に高度なガス遮断性、防湿性を発現させる
ものでなかった。また金属蒸着を対象として、ポリプロ
ピレンフイルムと金属蒸着膜との接着性を向上させる従
来技術として、ポリプロピレンフイルムの表面にコロナ
放電処理、特に窒素ガス雰囲気中でコロナ放電する方法
(特公昭56−18381号)、あるいはポリプロピレ
ンフイルムの表面に低融点のエチレン−α−オレフィン
共重合体を積層する方法(特公昭63−54541号)
が知られている。これらの従来技術は金属蒸着を対象と
した場合はフイルムと金属蒸着膜との接着性の向上は見
られるが、ポリプロピレンフイルム上に金属酸化物を蒸
着することを対象とした場合は、十分なガス遮断性、防
湿性を発現させるものでなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術では達成し得なかった金属酸化物を蒸着して高いガス
バリア性を達成しうる金属酸化物蒸着用二軸配向ポリプ
ロピレン複合フイルム、及び透明かつ高いガスバリア性
を有する金属酸化物蒸着二軸配向ポリプロピレン複合フ
イルムを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】鋭意検討した結果、上記
課題を解決するためには、アイソタクチックポリプロピ
レン重合体を主成分とする基層(A層)の少なくとも片
面に、融解熱量が30〜85J/gのポリオレフィン樹
脂層(B層)を積層してなることを特徴とする金属酸化
物蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルム及びB層
表面上に金属酸化物を蒸着してなる金属酸化物蒸着二軸
配向ポリプロピレン複合フイルムとする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のアイソタクチックポリプ
ロピレン重合体を主成分とする基層(A層)に用いるポ
リプロピレン重合体(以下PP−1と略称する)とは結
晶性アイソタクチックポリプロピレンであり、プロピレ
ンの単独重合体、あるいはエチレン、ブテン−1などの
α−オレフィンを10重量%以下、好ましくは6重量
%、より好ましくは4重量%以下共重合した共重合体も
含まれる。好ましくはポリプロピレン単独重合体であ
る。PP−1のメルトフローインデックス(MFI)は
1〜10g/10分の範囲であり、より好ましくは2.
5〜6g/10分である。またアイソタクチックインデ
ックス(II)は95〜99.5%であり、さらに97
〜99%の範囲がフイルムの結晶化度を高くすることが
でき、フイルムの防湿性からより好ましい。またフイル
ム製造上、フイルムの端部などが切り除かれ、これらを
回収原料として本発明を構成するA層に再利用すると、
フイルムの製造コストダウンができ好ましい。この場合
本発明のポリプロピレン重合体に、積層するB層樹脂及
び/又はC層樹脂が15重量%以下混合したものも本発
明のA層に含まれる。
【0006】本発明のB層を構成するポリオレフィン樹
脂は、樹脂層の融解熱量が30〜85J/g、好ましく
は40〜80J/gを有するポリオレフィン樹脂であ
る。ポリオレフィン樹脂層の融解熱量が85J/gを超
える場合は、金属酸化物蒸着したフイルムの水蒸気透過
率が大きくなりやすく好ましくない。またポリオレフィ
ン樹脂層の融解熱量が30J/g未満では、二軸延伸フ
イルムに加工する時に、縦方向に延伸する加熱ロールに
B層複合樹脂が粘着するトラブルが起こり易くなった
り、また金属酸化物を蒸着したフイルムを包装体に加工
する工程で加熱された場合に、金属酸化物蒸着膜にクラ
ックが入り易くなるので、好ましくない。B層樹脂層の
好ましいポリオレフィン樹脂として、ポリプロピレン系
共重合体、シンジオタクチックポリプロピレン樹脂、エ
チレンとα−オレフィンとの共重合体およびそれらの樹
脂と50重量%以下のアイソタクチックホモポリプロピ
レンあるいはポリプロピレン共重合体(好ましくは樹脂
の融点は145℃以上)のブレンド樹脂が挙げられる。
ここでポリプロピレン系共重合体とは、エチレン、ブテ
ン−1などのα−オレフィンモノマーを3〜15重量
%、好ましくは4〜10重量%の範囲で共重合したポリ
プロピレン共重合体である。ポリプロピレン系共重合体
の融点は好ましくは132〜150℃であり、より好ま
しくは135〜145℃の範囲が金属酸化物蒸着膜の水
蒸気透過率を小さくなるので好ましい。好ましいポリプ
ロピレン系共重合体としてはエチレン/プロピレン共重
合体、エチレン/プロピレン/ブテン共重合体、プロピ
レン/ブテン共重合体が挙げられる。ポリプロピレン系
共重合体のメルトフローインデックス(MFI)は1〜
10g/10分の範囲であり、好ましくは2.5〜6g
/10分である。ここでシンジオタクチックポリプロピ
レン樹脂(以下シンジオPPと略す。)は、メタロセン
触媒を用いて重合して、高度にシンジオタクチックの立
体規則構造に配位したポリプロピレン樹脂で、その樹脂
のシンジオタクシテイは0.7以上、好ましくは0.7
5以上である。シンジオPPは、ポリプロピレン単独重
合体または5重量%以下のエチレン、ブテンとの共重合
体も含まれる。シンジオPPの融点は、シンジオタクシ
テイで変化するが、125〜150℃の範囲である。特
にシンジオPPでは、50重量%以下のアイソタクチッ
クホモポリプロピレンあるいはポリプロピレン共重合体
(好ましくは樹脂の融点は145℃以上)のブレンド樹
脂をB層樹脂として用いることが複合層の耐熱性向上が
図られ好ましい。この場合のB層樹脂の融解熱量は、シ
ンジオPPに帰属する融解熱量とアイソタクチックホモ
ポリプロピレンあるいはポリプロピレン共重合体に帰属
する融解熱量の和として定義する。ここでエチレンとα
−オレフィンとの共重合体は、70〜90重量%のエチ
レンとプロピレン、ブテン、ヘキセンなどのα−オレフ
ィンとの共重合体である。これらの共重合体は軟化点が
低いので、B層樹脂として用いるには、エチレンとα−
オレフィンとの共重合体と30〜50重量%のアイソタ
クチックホモポリプロピレンあるいはポリプロピレン共
重合体(好ましくは樹脂の融点は145℃以上)のブレ
ンド樹脂が好ましく用いられる。この場合のB層樹脂の
融解熱量は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体に
帰属する融解熱量とアイソタクチックホモポリプロピレ
ンあるいはポリプロピレン共重合体に帰属する融解熱量
の和として定義する。
【0007】本発明の複合フイルムは二軸方向に延伸し
た二軸配向ポリプロピレン複合フイルムであり、二軸配
向することで、フイルムのガス遮断性、防湿性が未配向
より良くなるので好ましい。また本発明の複合フイルム
の構成は、A層/B層、あるいはB層/A層/B層であ
り、好ましくはA層/B層であり、この場合B層/A層
/ヒートシール層となるようにヒートシール層を積層す
ることが好ましい。複合フイルムの全厚みは限定される
ものでないが、好ましくは10〜40μm、より好まし
くは15〜25μmの範囲である。また、B層の厚みは
0.2〜2μmが好ましく、より好ましくは0.5〜1
μmである。B層の厚みが0.2μm未満では、B層表
面に積層むらによる表面あれがおこり、ガス遮断性、防
湿性などの特性にバラツキが生じるので好ましくない。
また2μmを超える場合は、金属酸化物の蒸着時に金属
酸化物の蒸気がフイルム面に凝縮するときに、その凝縮
熱でフイルム表面が軟化し、フイルムの蒸着面の光沢が
低下するので好ましくない。又ヒートシール層を構成す
る樹脂は、ポリプロピレン共重合体から選択でき、代表
的には、エチレン/プロピレン/ブテン共重合体が挙げ
られ、さらに、適正ヒートシール温度から樹脂の融点を
選択できる。
【0008】本発明のポリオレフィン樹脂層(B層)に
は、架橋有機粒子が含有していることが好ましい。ここ
で架橋有機粒子とは、主に架橋ポリスチレン粒子、架橋
ポリメチルメタアクリレート粒子、架橋シリコン粒子な
どが挙げられ、粒子形状は、ほぼ球状のものが好まし
い。粒径は0.5〜4μmが好ましく、その選択には、
B層の複合厚みの0.7〜4倍の粒径のものを選択する
のが好ましい。架橋有機粒子の添加量は、0.05〜
0.5重量%が好ましく、B層表面の表面粗さ(Ra)
の設定により、この範囲より選択できる。架橋有機粒子
は、球状に近い形状であり、またB層樹脂に添加した
時、樹脂の結晶促進効果が少なく、粒子脱落が起こり難
くなるので好ましい。
【0009】本発明の二軸配向ポリプロピレン複合フイ
ルムのB層表面の中心線表面粗さ(Ra)は0.04〜
0.08μmの範囲が好ましい。表面粗さが0.04μ
m未満では、フイルムが平滑し過ぎるためか金属酸化物
の蒸着後のフイルムの滑り性が悪く、またガス遮断性、
防湿性が劣るので好ましくない。また表面粗さが0.0
8μmを超える場合は金属酸化物の蒸着膜厚さの均一性
が劣りやすくなり、ガス遮断性、防湿性が劣るので好ま
しくない。
【0010】本発明の二軸配向ポリプロピレン複合フイ
ルムのB層表面の濡れ張力は、38〜52dyne/c
mの範囲であることが好ましい。
【0011】本発明の複合フイルムは、必要に応じて、
少量の熱安定剤、酸化防止剤を含有していても良い。例
えば熱安定剤としては2,6−ジ−第3−ブチル−4−
メチルフェノール(BHT)などが0.5重量%以下、
酸化防止剤としてはテトラキス−(メチレン−(3,5
−ジ−第3−ブチル−4−ハイドロオキシ−ハイドロシ
ンナメート))ブタン(“Irganox”1010)
などを0.1重量%以下で添加されても良い。また有機
滑剤、例えばステアリン酸アミドなどは添加しなく、有
機架橋粒子を用いてフイルムに滑性を付与することもで
きる。
【0012】本発明の二軸配向ポリプロピレン複合フイ
ルムは、該B層面に金属酸化物の蒸着膜を付設して、フ
イルムのガス遮断性、防湿性に優れたフイルムとして、
包装用フイルムなどに好適に用いられる。ここで金属酸
化物の蒸着膜とは、不完全酸化アルミニウム、不完全酸
化ケイ素などの金属酸化物の被膜である。これらの蒸着
方法は公知な方法で行なうことができ、例えば、不完全
酸化ケイ素の蒸着は、高度な真空容器内でフイルムを走
行させ、一酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物などを加
熱溶融し蒸発させ、フイルム面に凝縮堆積させ、蒸着膜
を付設する。また不完全酸化アルミニウム膜の場合は、
アルミニウム金属を加熱溶融し、蒸発させ、蒸発箇所に
少量の酸素ガスを供給し、アルミニウムを不完全酸化さ
せながら、フイルム面に凝縮堆積させ、蒸着膜を付設す
る。金属酸化物の蒸着膜の厚さは10〜50nmの範囲
が好ましい。特に不完全酸化アルミニウム膜の場合の膜
厚さは10〜30nmの範囲が好ましい。酸化アルミニ
ウムの不完全度は、蒸着したフイルムの光線透過率が変
化し、本発明の蒸着したフイルムの光線透過率は、70
〜85%の範囲とする必要がある。光線透過率が70%
未満では、包装袋とした場合に、内容物が透視しにくく
なるので好ましくない。また光線透過率が85%を越え
る場合は、蒸着フイルムの水蒸気透過率が2.5g/m
2 ・day以下にすることが困難になり、包装袋とした
場合に防湿性が不足しやすくなるので好ましくない。
【0013】本発明は、理由はさだかでないが、融解熱
量が30〜85J/gのポリオレフィン樹脂のB層表面
に金属酸化物の蒸着膜を付設することで、蒸着膜の水蒸
気バリア性が向上する効果を発揮し、さらに蒸着したフ
イルムを経時、特に30〜80℃のエージングで、さら
に緻密な蒸着膜構造に変化しやすく、さらに蒸着膜の水
蒸気バリア性が向上する効果があり、最終的に水蒸気透
過率の小さい金属酸化物蒸着二軸配向ポリプロピレンフ
イルムが得ることができる。
【0014】次に、本発明のフイルムの製造方法につい
て説明する。
【0015】まず、本発明のポリプロピレン重合体を主
成分とするA層樹脂とB層樹脂のポリオレフィン樹脂、
ヒートシール層(C層)樹脂を準備し、該原料を別々の
押出機に供給し、230〜290℃の温度で溶融押出
し、瀘過フルターを経た後、短管内、あるいは口金内
で、A層/B層、あるいはB層/A層/B層、B層/A
層/C層となるように合流せしめ、スリット状口金から
押出し、金属ドラムに巻き付けてシート状に冷却固化せ
しめ、未延伸フイルムとする。この場合冷却用金属ドラ
ムの温度は30〜60℃とし、フイルムを結晶化させる
のが好ましい。この未延伸フイルムを二軸延伸し、二軸
配向せしめる。延伸方法は、逐次二軸延伸法、又は同時
二軸延伸法を用いることができ、特に逐次二軸延伸法が
フイルムの防湿性の点で好ましい。逐次延伸方法として
は、まず、未延伸フイルムを115〜145℃の温度に
加熱し、長手方向に4〜7倍延伸した後、冷却し、次い
で、テンター式延伸機に導き、140〜170℃の温度
に加熱し、幅方向に7〜11倍に延伸した後、155〜
170℃の温度で弛緩熱処理し、冷却する。熱処理温度
からの冷却は、強制的に冷風を吹き付けるか、または冷
却ロールにフイルムを接触冷却する方法で、5秒以内、
好ましくは3秒以内にフイルム温度を50℃以下に冷却
するのが好ましい。本発明の複合フイルムのB層面の中
心線表面粗さの変更は架橋有機粒子の粒径及び含有量を
変更することで達成できる。B層表面への金属酸化物、
特に酸化アルミニウムを蒸着する方法は、本発明のロ−
ル状フイルムを真空蒸着機槽の巻だし装置にセットし、
冷却金属ドラムを介して走行させ、フイルムを巻きと
る。この時、真空蒸着機槽を10−4 Torr以下に減
圧し、冷却ドラムの下部より、金属アルミを加熱蒸発さ
せ、その蒸気中に酸素を供給し、酸化反応させながら、
フイルムのB層上に付着堆積し、不完全酸化アルミ蒸着
膜を形成する。蒸着後、常圧に戻し、巻きとったフイル
ムを取り出し、フイルムの両端をスリット除去した後、
30〜80℃の温度で、2日間以上エージングすること
が好ましい。
【0016】
【特性値の測定法】本発明の特性値は次の測定法によ
る。
【0017】(1)融解熱量(J/g) Seiko Instrument社製熱分析装置S1
1型に、本発明の複合フイルムのB層表面より、安全カ
ミソリ刃を用いて5mgを削り取り、これをアルミニウ
ム製パンに封入した試料をセットし、20℃/分の速度
で昇温し、その時のポリマ融解吸熱量を測定し、Sei
ko Instrument社製熱分析システムSSC
5200の内蔵プログラムによって融解熱量を算出し
た。2種以上のポリマの混合樹脂で融点ピークが複数の
場合は、それぞれの融解熱量の和をB層樹脂の融解熱量
とした。
【0018】(2)中心線表面粗さ(Ra) 小坂研究所製、3次元表面粗さ計を用いて下記の条件で
測定した。
【0019】 測定長 :2mm 縦倍率 :500倍 横倍率 :50倍 測定ピッチ :10μm(30本) 触針速度 :0.1mm/s Cut Off:0.25
【0020】(3)フイルムの積層厚み フイルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で下記の
条件を用い写真撮影し、積層厚みを測定する。
【0021】 装 置:日本電子製JEM−1200EX 観測倍率:10000倍 加速電子:100kV 切片厚さ:100nm
【0022】(4)金属酸化物の蒸着層厚み 観測倍率を400000倍とした以外は(3)と同様に
して測定した。
【0023】(5)水蒸気透過率(防湿性) モダンコントロール社製水蒸気透過率計“PERMAT
RAN”−W3/30をもちいて37.8℃、100%
RHの条件で測定した。単位は、g/m2 ・日/厚み1
8μmシートで示した。
【0024】(8)光線透過率 金属酸化物蒸着フイルムを日立製自記分光光度計324
型を用いて、波長550nmでの透過率で示した。
【0025】
【実施例】本発明を実施例により説明する。
【0026】実施例1〜11、比較例1〜3 本発明のポリプロピレン重合体を主成分とするA層樹脂
として、ポリプロピレン単独重合体(II=97.0
%、MFI=2.5g/10分、)と表1に示したB層
を構成するポリオレフィン樹脂、及びヒートシール層
(C層)樹脂としてエチレン/プロピレン/ブテン共重
合体(エチレン共重合量=1.5重量%、ブテン共重合
量=14重量%)を準備し、これらA層樹脂とB層樹脂
(架橋有機粒子滑剤として、粒径が1.8μmの架橋ポ
リメチルメタアクリレート粒子を0.08重量%添加)
とC層樹脂(架橋有機粒子滑剤として、粒径3.5μm
の架橋シリコン粒子を0.2重量%含有)を別々の押出
機に供給し、260℃の温度で溶融押出し、瀘過フィル
ターを経た後、短管内でB層/A層/C層となるように
合流せしめ、スリット状口金から押出し、40℃の温度
に加熱した金属ドラムに巻き付けてシート状に成形し
た。このシートを135℃の温度に加熱し長手方向に5
倍延伸し冷却した後、引き続きテンタ式延伸機に導き、
165℃の温度に加熱し、幅方向に9倍延伸後、165
℃の温度で幅方向に10%の弛緩を与えつつ6秒間熱処
理して、引続き常温空気をフイルム面に吹き付け、40
℃の温度に冷却し、巻きとった、フイルムの全厚さは1
8μm、B層の厚さは0.8μm、C層の厚さ1.7μ
mになるように調節した。得られたフイルムの特性を表
2に示す。実施例5は、得られた二軸配向ポリプロピレ
ン複合フイルムのB層表面に炭酸ガス/窒素ガス(20
/80体積%の混合ガス)雰囲気下で40w・m2 /m
inの処理強度でコロナ放電処理を施して、B層表面の
濡れ張力を49dyne/cmとした以外は、実施例4
と同様にした。実施例7〜9はA層樹脂の押出機とB層
樹脂押出機の押出量を変更し、B層の複合厚みを変更し
た。
【0027】得られたフイルムのB層に表面に真空蒸着
装置を用いて、酸化アルミニウム蒸着膜を施した。本発
明の二軸配向ポリプロピレン複合フイルムの蒸着後の特
性は表2に示した。実施例10〜11は、蒸着時に導入
する酸素ガスの流量を変更し、酸化アルミニウムの酸化
度を変え、蒸着フイルムの光線透過率を変更した。
【0028】
【表1】
【表2】 本発明の範囲内の複合フイルムは金属酸化物を蒸着し
て、優れたガス遮断性、防湿性となる金属酸化物蒸着二
軸配向ポリプロピレン複合フイルムとすることができた
(実施例1〜11)。
【0029】しかし、比較例1、比較例2はB層の樹脂
の融解熱量が、本発明の範囲外となり、金属酸化物を蒸
着したフイルムは、ガス遮断性、防湿性の著しい向上が
なく、本発明の目的を満足することができない。また比
較例3はB層樹脂の融解熱量が小さく、加熱延伸ロ−ル
にB層樹脂が粘着し、複合フイルムとすることができな
かった。
【0030】
【発明の効果】本発明の二軸配向ポリプロピレン複合フ
イルムは、複合する樹脂の融解熱量を特定の範囲したこ
とで、金属酸化物を蒸着した後のフイルムのガス遮断
性、防湿性の大幅な向上ができ、各種包装用途に適する
金属酸化物蒸着ポリプロピレンフイルムとすることがで
きた。さらに金属酸化物の酸化度(光線透過率)を特定
の範囲にし、蒸着後にエージング経時することでさらに
蒸着フイルムの水蒸気透過率が向上する効果も見られる
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 9:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アイソタクチックポリプロピレン重合体
    を主成分とする基層(A層)の少なくとも片面に、融解
    熱量が30〜85J/gのポリオレフィン樹脂層(B
    層)を積層してなることを特徴とする金属酸化物蒸着用
    二軸配向ポリプロピレン複合フイルム。
  2. 【請求項2】 アイソタクチックポリプロピレン重合体
    を主成分とする基層(A層)の片面に、融解熱量が30
    〜85J/gのポリオレフィン樹脂層(B層)を積層し
    てなり、該ポリオレフィン樹脂層(B層)を積層してい
    ない反対表面にヒートシール層(C層)を積層してなる
    ことを特徴とする金属酸化物蒸着用二軸配向ポリプロピ
    レン複合フイルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の金属酸
    化物蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルムのポリ
    オレフィン樹脂層(B層)表面に金属酸化物の蒸着膜
    (D層)を付設してなることを特徴とする金属酸化物蒸
    着二軸配向ポリプロピレン複合フイルム。
  4. 【請求項4】 金属酸化物の蒸着膜(D層)が酸化アル
    ミニウムであることを特徴とする請求項3に記載の金属
    酸化物蒸着二軸配向ポリプロピレン複合フイルム。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の金属酸
    化物蒸着用二軸配向ポリプロピレン複合フイルムのB層
    表面に、10〜30nmの厚さの酸化アルミニウムの蒸
    着層を付設してなる金属酸化物蒸着二軸配向ポリプロピ
    レン複合フイルムにおいて、該フイルムの光線透過率が
    70〜85%、水蒸気透過率が2.5g/m2 ・day
    以下であることを特徴とする請求項4に記載の金属酸化
    物蒸着二軸配向ポリプロピレン複合フイルム。
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