JPH1177438A - ワイヤカット放電加工機の自動挿通方法及びその装置 - Google Patents

ワイヤカット放電加工機の自動挿通方法及びその装置

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JPH1177438A
JPH1177438A JP26103597A JP26103597A JPH1177438A JP H1177438 A JPH1177438 A JP H1177438A JP 26103597 A JP26103597 A JP 26103597A JP 26103597 A JP26103597 A JP 26103597A JP H1177438 A JPH1177438 A JP H1177438A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動挿通動作中に、ワイヤ電極1の送り出し速
度を高速化し、自動挿通が完了したことを速く確実に判
断して、自動挿通を早期に確実に終了させるワイヤカッ
ト放電加工機の自動挿通方法とその装置を提供すること
を目的とする。 【解決手段】自動挿通動作中にワイヤ電極1をサーボ送
り出しローラ21によって高速に送り出すとともにその
テンションをテンション検出手段30により検出して、
このテンション値が所定の判定基準値を超えると自動挿
通が完了したと判断し、サーボ送り出しモータ23がワ
イヤ電極1をテンション制御するように切り替えて、ワ
イヤ電極1の自動挿通をより速く終了する。また昇降式
の自動挿通パイプ61を備えた自動挿通手段60を有す
るワイヤカット放電加工機においては、ワイヤ電極の送
り出し速度を変えることにより、自動挿通の高速化を図
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤカット放電
加工機のワイヤ電極の自動挿通方法及びその装置に係
り、さらに詳しくは、自動挿通中にワイヤ電極のテンシ
ョンを検出し、そのテンションの増加によってワイヤ電
極の自動挿通の完了を判定する方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動挿通装置を備えた従来のワイヤカッ
ト放電加工機のワイヤ電極の走行経路に沿った構成を図
6の模式図によって概説す。ワイヤ電極1がワイヤボビ
ン10から供給され、ブレーキローラ121とこれに組
となるローラ122に巻回された後、断線検出リミット
スイッチ130を通過して、方向変換ローラ115を経
由し、送り出しローラ141とこれに組となるピンチロ
ーラ142との間に挟持される。そして座屈検出器15
0を通過して、昇降する自動挿通パイプ61に通された
後、被加工物Wの上下に位置する上側ガイドユニット7
1と下側ガイドユニット72とに張架されている。そし
て方向変換ローラ75と案内ブロック76によって方向
変換され、ベルトあるいは、パイプであるワイヤ電極搬
送手段77を通って、引き取りローラ81とその組とな
るピンチローラ82との間に引き取られ、回収バケット
90に排出される。なお断線検出リミットスイッチ13
0は、ワイヤ電極1が断線したときにワイヤ電極1のテ
ンションが喪失して弛んだことをリミットスイッチで検
出する装置である。
【0003】要部をさらに説明すると、ピンチローラ1
42が、エアーシリンダ等の開閉機構144によって送
り出しローラ141に対して開閉し、かつこれを押圧す
るように構成されている。そして送り出しローラ141
を駆動する送り出しモータ143が、自動挿通するとき
にワイヤ電極1を下流に向けて送り出し、自動挿通が失
敗したときにワイヤ電極1を上流に巻き上げるように逆
転する。座屈検出器150は、ワイヤ電極1の直径より
充分大きい内径のリング状の電気の良導体からなり、自
動挿通の際にワイヤ電極1の挿通が何らかの理由で阻害
されてワイヤ電極1が撓み(座屈)を生じた場合に、ワ
イヤ電極1と座屈検出器150との間に適宜印加してあ
る電圧によってワイヤ電極1と座屈検出器150とが電
気的に短絡することを検出するものである。自動挿通パ
イプ61は、図示省略した給液手段によって液流が供給
された場合に、その下端からジェット液流を下方へ噴出
できるようになっている。また図示省略した昇降装置に
よって自動挿通パイプ61が昇降可能に構成されてお
り、自動挿通パイプ61が下降する時に送り出しローラ
141がワイヤ電極1を略同一の速度で送り出すように
構成されている。また自動挿通パイプ61が上昇した位
置にあるとき、ワイヤ電極1の先端を切断するカッタ6
7やその切断片を排除する先端処理装置68を備えてい
る。上側ガイドユニット71や下側ガイドユニット72
には、図示省略したワイヤ電極1を摺動自在にガイドす
るワイヤガイドが内蔵されており、特に上側ガイドユニ
ット71のワイヤガイドは、開閉するように構成されて
いる。
【0004】走行するワイヤ電極1にかけられるバック
テンション、テンションおよび走行速度は、次のように
制御される。トルクモータであるバックテンションモー
タ11が、所定のトルクをワイヤボビン10に負荷する
ことにより、バックテンションが付与される。これによ
って、ワイヤボビン10とブレーキローラ121との間
で走行しているワイヤ電極1に弱いテンションがかけら
れるので、ワイヤ電極1が走行中に断線してもこの走行
経路から外れたりしない。また、パウダーブレーキまた
はヒステリシスブレーキであるブレーキ123が設定し
たブレーキ力をブレーキローラ121に付与しており、
これに巻回されて走行するワイヤ電極1のテンションが
制御される。さらに引き取り装置80では、スピードコ
ントロールモータである引き取りモータ83が引き取り
ローラ81の回転速度を制御することによって、ワイヤ
電極1の走行速度が制御される。ここでピンチローラ8
2は、ばねを有する押圧機構84によって引き取りモー
タ83に押しつけられている。
【0005】以上の構成にての自動挿通は、放電加工を
開始するときに、または放電加工中にワイヤ電極が断線
したときに、ワイヤ電極1の端部を回収バッケト90ま
で通すために行う。先ずワイヤ電極1の先端がカッタ6
7によって自動挿通パイプ61の先端に略一致するよう
に切断されてから自動挿通が開始される。そして上側ガ
イドユニット71のワイヤガイドを開いた状態で、自動
挿通パイプ61からジェット液流を噴出しながら、自動
挿通パイプ61を被加工物Wの上面まで、または下側ガ
イドユニット72近くまで下降させる。このときブレー
キローラ121のブレーキ力を解除し、またバックテン
ションモータ11のバックテンションも通常は解除して
おいて、送り出しローラ141とピンチローラ142と
によってワイヤ電極1を強くクランプしながら、ワイヤ
電極1の切断した端部を下流に送り出す。この端部の送
り出し速度は、自動挿通パイプ61の下降速度と略同一
の低速度である。なおブレーキローラ121のブレーキ
力及びバックテンションモータ11のバックテンション
を解除しておくのは、後述するように、この送り出しに
よってワイヤ電極1に損傷を与えるのを最小限に押さえ
るためである。自動挿通パイプ61が下降しきったら、
これを停止して、ワイヤ電極1を同じ速度でさらに送り
出す。するとワイヤ電極1の端部は、方向変換ローラ7
5と案内ブロック76の箇所で方向変換され、さらにワ
イヤ電極搬送装置77に搬送され、ついには引き取りロ
ーラ81とピンチローラ82との間に引き取られる。そ
して自動挿通を開始した後一定時間経過後に送り出しロ
ーラ141のピンチローラ142をアンクランプし、ブ
レーキローラ121のテンションを段階的に上昇して、
ワイヤ電極1にかかったテンションを所望のテンション
に順次上昇する。すると断線検出リミットスイッチ13
0の箇所でのワイヤ電極1のテンションが上昇し、断線
検出リミットスイッチ130の断線信号が解除される。
これを自動挿通の成功として検出していた。一方挿通が
滞った不都合は、座屈検出器150によって検出してい
た。
【0006】このようにして自動挿通を行っているの
で、次のような問題があった。送り出しローラ141と
ピンチローラ142とが小径に形成されており、かつピ
ンチローラ142で強く挟んで強い送り力でワイヤ電極
1を送り出している。このために、 自動挿通完了に伴うワイヤ電極1のテンション変化や
速度変化を送り出しローラ141の上流で検出するのが
難しく、自動挿通の成否を一定時間経過後に送り出しロ
ーラ141のピンチローラ142を開放してから判定せ
ざるを得なかった。そして判定のための設定時間がある
程度余裕を見越した時間に設定せざるを得なかった。ま
た判定動作において送り出しローラ141のテンション
を順次上げる時間も必要であったので、自動結線作業に
費やされる時間が長かった。 送り出しローラ141とピンチローラ142とのはさ
み具合によりワイヤ電極1に曲がり癖を生じることがあ
った。また挟持力が不十分であるとワイヤ電極1がスリ
ップして送り出しローラやピンチローラのローラ面に摩
耗を生じることもあった。 自動挿通時のワイヤ電極1の送り出し速度を高速に送
り出す場合には、座屈等を検出したときにワイヤ電極1
の送り出しをできるだけ速く停止できなければならない
が、ワイヤ送り出しモータ141にサーボモータ等の高
応答性のモータを使用していない場合には、急停止が困
難であった。また、送り出しローラ141にかかる負担
を小さくするために、バックテンションモータ11をフ
リーにしていたから、たとえ送り出しローラ141を急
停止しできたとしても、その上流でワイヤ電極1が慣性
で送り出されて、該ワイヤがワイヤ走行経路から外れて
ばらけることがあった。
【0007】一方、特開平2−243222号公報に
は、送り出しローラ(第1の送りローラ)の上流に第2
送りローラとワイヤ電極のテンションを検出してこれを
制御するためのテンションセンサとを備えた放電加工機
が提案されている。このような放電加工機にあっては、
第2送りローラによって送り出されたワイヤ電極は、ワ
イヤリールにかけられたバックテンションをほとんど打
ち消しているので、上記のの問題は概ね解消されてい
る。しかしながら、上記の提案では、自動挿通にかかわ
る精密制御の主役は第1の送りローラとしている。また
自動挿通が成功したかどうかの判定を行うことについて
は提案されてない。
【0008】また、面質のよりよい仕上げが要求される
加工やより細線のワイヤ電極を使用する加工に対応する
ために、ワイヤ電極のテンションを検出し、これをフィ
ードバック制御して、より精密にワイヤ電極のテンショ
ンを制御するワイヤカット放電加工機の開発が重要な課
題となっており、そのために多数の提案がなされてい
る。例えば、特開昭和57−57211特開平1−19
9726号公報、特開平2−152726号公報、特開
平2−224925号公報、特願平9−70732号公
報等がある。しかしながら、自動挿通動作の挿通完了を
判定することについて提案されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
事情に鑑みてなされたもので、自動挿通動作中にワイヤ
電極をサーボ送り出しローラによって高速に送り出すと
ともに、そのテンションをテンション検出手段により検
出して、このテンション値が所定の判定基準値を超える
と、自動挿通が完了したと判断し、サーボ送り出しモー
タがワイヤ電極をテンション制御するように切り替え
て、ワイヤ電極の自動挿通の完了をより速く判定して自
動挿通を終了する自動挿通方法及びその装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述の目的は、(1)ワ
イヤボビンから供給されるワイヤ電極の切断された端部
をサーボ送り出しローラによって順次下流に送り出しな
がら、自動挿通手段によって上側ガイドユニットから下
側ガイドユニットに自動挿通し、引き取り装置に至らし
めて排出するワイヤカット放電加工機の自動挿通方法に
おいて、ワイヤ電極の挿通状態を少なくともテンション
検出手段によって検出して、該テンション検出手段によ
り検出したテンション値が所定の判定基準値を超えた場
合にワイヤ電極の挿通が完了したと判定し、前記サーボ
送り出しローラのモータをテンション制御に切り替える
ことにより、達成できる。
【0011】また、(2)ワイヤボビンから供給される
ワイヤ電極の切断された端部をサーボ送り出しローラに
よって順次下流に送り出しながら、自動挿通手段によっ
て上側ガイドユニットから下側ガイドユニットに自動挿
通し、引き取り装置に至らしめて排出するワイヤカット
放電加工機の自動挿通方法において、ワイヤ電極の挿通
状態をテンション検出手段と座屈検出手段とによって検
出して、該テンション検出手段により検出したテンショ
ン値が所定の判定基準値を超えた場合にワイヤ電極の挿
通が完了したと判定し、前記サーボ送り出しローラのモ
ータをテンション制御に切り替える一方、座屈を検出し
た場合にワイヤ電極の挿通不良が発生したと判断してリ
トライ動作を行わしめることによっても達成できる。
【0012】また、(3)ワイヤボビンから供給される
ワイヤ電極の切断された端部をサーボ送り出しローラに
よって順次下流に送り出しながら、自動挿通手段の昇降
可能な自動挿通パイプによって上側ガイドユニットから
下側ガイドユニットに自動挿通し、引き取り装置に至ら
しめて排出するワイヤカット放電加工機の自動挿通方法
において、最初、前記自動挿通パイプを下降するときに
は該自動挿通パイプの下降速度と前記ワイヤ電極の送り
出し速度とを略同一とし、該自動挿通パイプが下降を完
了した後には前記ワイヤ電極を高速に送り出すようにし
て、前記サーボ送り出しローラのワイヤ電極の送り出し
速度を少なくとも2段階に制御した後、ワイヤ電極の挿
通状態をテンション検出手段と座屈検出手段とによって
検出して、該テンション検出手段により検出したテンシ
ョン値が所定の判定基準値を超えた場合にワイヤ電極の
挿通が完了したと判定し、前記サーボ送り出しローラの
モータをテンション制御に切り替える一方、座屈を検出
した場合にワイヤ電極の挿通不良が発生したと判断して
リトライ動作を行わしめることによっても達成できる。
【0013】また、(4)バックテンションが付与可能
なワイヤボビンと、該ワイヤボビンに貯留されたワイヤ
電極をそのテンションが制御可能に順次該ワイヤボビン
から下流に送り出すサーボ送り出しローラと、ワイヤ電
極のテンションを検出するテンション検出手段と、ワイ
ヤ電極を上側ガイドユニットから下側ガイドユニットに
ジェット液流によって挿通する自動挿通手段と、ワイヤ
電極を回収バケットに排出する引き取り装置とを備たワ
イヤカット放電加工機の自動挿通装置において、自動挿
通動作中に数値制御装置からの指令によってワイヤ電極
の挿通状態を少なくとも前記テンション検出手段によっ
て検出して、該テンション検出手段により検出したテン
ション値が所定の判定基準値を超えた場合に自動挿通を
完了したと判定する挿通判定回路部と、自動挿通動作中
に前記数値制御装置からの指令によって前記サーボ送り
出しローラのモータを速度制御してワイヤ電極を送り出
す一方、前記挿通判定回路部が挿通完了したと判断した
場合に、テンション制御に切り替える制御を行う切替回
路部と、を備えたことによっても達成できる。
【0014】また、(5)バックテンションが付与可能
なワイヤボビンと、該ワイヤボビンに貯留されたワイヤ
電極をそのテンションが制御可能に順次該ワイヤボビン
から下流に送り出すサーボ送り出しローラと、その下流
にてワイヤ電極のテンションを検出するテンション検出
手段と、その下流にて該テンション検出手段近傍のワイ
ヤ電極の弛みを解消する程度の補助的な送り出しをする
補助送り出しローラと、その下流にてワイヤ電極の撓み
を検出する座屈検出手段と、その下流にてワイヤ電極を
上側ガイドユニットから下側ガイドユニットにジェット
液流によって挿通する自動挿通手段と、その下流にてワ
イヤ電極を回収バケットに排出する引き取り装置とを備
えるとともに、自動挿通動作中に数値制御装置からの指
令によってワイヤ電極の挿通状態を前記テンション検出
手段によって検出して、該テンション検出手段により検
出したテンション値が所定の判定基準値を超えた場合に
自動挿通を完了したと判定する挿通判定回路部と、自動
挿通動作中に前記数値制御装置からの指令によって前記
送り出しローラのモータを制御してワイヤ電極を送り出
す一方、前記挿通判定回路部が自動挿通が完了したと判
断した場合に、テンション制御に切り替える制御を行う
切替回路部とを備え、前記数値制御装置が自動挿通動作
中に前記座屈検出手段によるワイヤ電極の座屈を検出し
た場合にワイヤ電極の挿通不良が発生したと判断するこ
とによっても達成できる。
【0015】また(6)、前記(5)において前記テン
ション検出手段が、前記サーボ送り出しローラと前記補
助送り出しローラとの間に配置され、走行するワイヤ電
極を押圧するガイドローラを片持ち梁の先端に備え、該
ワイヤ電極のテンションによる反力によって前記片持ち
梁に生ずる曲げを歪みゲージによって検出するように構
成したことによっても達成できる。
【0016】また(7)、前記(5)または(6)にお
いて前記自動挿通手段が、前記座屈検出手段の直近の下
流で昇降する自動挿通パイプと、該自動挿通パイプと一
体で昇降しかつワイヤ電極をクランプ、アンクランプす
る把持装置とを備え、自動挿通動作中に前記自動挿通パ
イプを下降するときには前記把持装置がワイヤ電極をク
ランプして下降し、該自動挿通パイプが下降を完了した
後にワイヤ電極を高速に送り出すようにして、前記サー
ボ送り出しローラのワイヤ電極の送り出し制御を少なく
とも2段階に切替制御することによっても達成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について以下説
明する。図1は、ワイヤ電極の走行経路に沿った構成を
模式的に示すもので、図6にて説明した構成と共通なも
のは、その説明を省略する。本発明は、ワイヤ電極1の
テンションをサーボモータで制御するものであり、サー
ボ送り出しローラ21は、図6のブレーキローラ121
と送り出しローラ141とに相当する。サーボ送り出し
ローラ21とこれを駆動するサーボ送り出しモータ23
とテンション検出手段30とを少なくとも備えたワイヤ
カット放電加工機において採用されるものである。
【0018】ワイヤボビン10から供給されたワイヤ電
極1は、方向変換ローラ15a、15b、15cを経由
してサーボ送り出しローラ21に巻回されている。ワイ
ヤボビン10には、自動挿通中においてもバックテンシ
ョンモータ11によってバックテンションがかけられて
いる。それで自動挿通動作中に座屈が発生して、サーボ
送り出しローラ21を急停止した場合に、ワイヤボビン
10が慣性で回転してワイヤ電極1が弛み、該ワイヤが
その走行経路から外れてばらけることがない。大径に形
成されたサーボ送り出しローラ21がピンチローラ22
aとピンチローラ22bとによって、入口側と出口側の
少なくともその2箇所の位置で押圧されているので、ワ
イヤ電極1がサーボ送り出しローラ21に対してスリッ
プすることなく所望のテンションであるいは速度で下流
へ送り出される。サーボ送り出しローラ21は、サーボ
モータであるサーボ送り出しモータ23によって駆動さ
れ、後述するようにワイヤ電極1を必要に応じて所定速
度で送り出したり、一定のテンションにテンション制御
したり、急停止したりする。ここで注意すべきことは、
後述するようなワイヤ電極1を高速で送り出して自動挿
通する動作(以下高速自動挿通という。)を実行してい
る場合に、サーボ送り出しローラ21がワイヤ電極1を
所定速度で下流に送り出すだけでテンション制御をして
いないので、サーボ送り出しローラ21の下流ではワイ
ヤ電極1にテンションがかからず、自動挿通パイプ61
のジェット液流による僅かな引っ張り力や補助送り出し
ローラ41による僅かな引っ張り力がかかるだけで、そ
のテンションは僅かである。
【0019】次にワイヤ電極1は、後述するテンション
検出手段30のガイドローラ31にかけられ、ここで向
きを鉛直方向に変えて、補助送り出しローラ41とこれ
に組となるピンチローラ42との間に挟持される。上記
したように高速自動挿通動作の実行中に、サーボ送り出
しローラ21の下流でワイヤ電極1にテンションがほと
んどかかっていない。それで補助送り出しローラ41の
送り出し力は、その上流、すなわちテンション検出手段
30の近傍で、ワイヤ電極1が弛まないようにする程度
の補助的な小さい送り出し力であればよいから、この補
助送り出しモータ43は、非常に小さい出力のACモー
タが採用される。また補助送り出しローラ41に対して
開閉し、押圧するピンチローラ42の開閉機構44の押
圧力も非常に小さいものでよいから、例えば小径のエア
ーシリンダによって開閉するものにする。従って補助送
り出しローラ41の回転速度は、常にワイヤ電極1の走
行速度に一致して連れ回りする。こうしてピンチローラ
42が閉じている場合にあっても、補助送り出しローラ
41を境にして上流、下流のワイヤ電極1のテンション
がほとんど差がないので、高速自動挿通中に、下流での
ワイヤ電極1のテンション変化を上流のテンション検出
手段30で正確に検出することが可能となり、自動挿通
中にワイヤテンションを常時検出することができるよう
になる。また補助送り出しローラ41の箇所でワイヤ電
極1に曲げ癖を付ける等の不具合も皆無にすることがで
きる。なお、補助送り出しローラ41とピンチローラ4
2とは、本実施例の形態に限定されず、例えば、ワイヤ
電極1を僅かに隙間を持って拘束し、圧縮空気をワイヤ
の送り方向にスリットから噴出するリング状のガイド等
であっても良い。またテンション検出手段30を別途に
サーボ送り出しローラ21の下流に備えない場合には、
テンション検出手段30の箇所でワイヤ電極1の走行抵
抗が発生しないから、補助送り出しローラ41とピンチ
ローラ42とを備えなくともよく、ワイヤ電極1を座屈
検出器51に抵抗なくガイドできるものであればよい。
【0020】図2に示すようにテンション検出手段30
は、ガイドローラ31と、それを軸支するブロック32
と、このブロック32を先端に取り付けるとともに基部
で固定ベース34に固定された片持ち梁である板ばね3
3と、この板ばね33に張り付けられた歪みゲージ35
とからなる。ガイドローラ31は、他の方向変換ローラ
15と同様にワイヤ電極1を外れないように押圧するV
字形の溝を備え、板ばね33に対して充分剛性のあるL
字形ブロック32の一端で軸36によって回転自在に軸
支される。このような構成にてガイドローラ31がワイ
ヤ電極1を押しつけるような位置で、固定ベース34が
放電加工機に取り付けられるので、テンションが板ばね
33に曲げを生ずる。この曲げによる応力を、板ばね3
3の表裏にそれぞれ2枚ずつ張り付けられた4枚の歪み
ゲージ35によって検出する。なおテンション検出手段
30の構成は、本実施例の形態に限定されるものではな
い。またワイヤ電極1のテンションをサーボ送り出しロ
ーラ21の下流に実際に配置して検出する検出手段に限
らず、ワイヤ電極を送り出すサーボモータ、送り出しモ
ータあるいは引き取りモータ等における送り出しの負荷
または引き取りの負荷を、例えば電流値の変動量として
あるいはモータ軸のねじり変形量として検出し、これを
テンションとして換算して検出するものであってもよ
い。
【0021】次に、ワイヤ電極1は、座屈検出手段50
である適宜離隔した第1の座屈検出器51と第2の座屈
検出器52を通過する。これら各々は、従来例と同様な
構造であるが、第1の座屈検出器51は、固定され、第
2の座屈検出器52は、後述する自動挿通手段60に取
り付けられて昇降する。こうすることによって上下いず
れの側の座屈検出器でも座屈を検出できるから、その質
量が小さい極細線であっても座屈を検出しやすくでき
る。なお、座屈検出手段50は本実施例に限定されず、
自動挿通が失敗してワイヤ電極の走行が滞ったことを電
気的接触あるいは短絡で検出するものであればよい。ま
た、前述の負荷変動からでも検出可能である。
【0022】自動挿通手段60は、以下のように構成さ
れる。従来と同様な自動挿通パイプ61の上部に把持装
置65を備え、その直上に第2の座屈検出器52を備
え、これらが昇降する昇降台62に固定されている。把
持装置65は、ワイヤ電極1をクランプできればよく、
例えば小型のエアシリンダ65aのロッド先端でワイヤ
電極を押さえて把持する機構を採用することができる。
エアシリンダ駆動でフィンガが開閉する機構でもよい。
また昇降台62は、エアーシリダ63によって昇降する
構成である。ここで昇降台62は、エアーシリンダ63
による昇降に限定されず、モータによって昇降されるも
のであってもよい。この別の実施形態で後述するような
自動挿通パイプ61の下降とワイヤ電極1の送り出しを
一緒に行う場合、自動挿通パイプ61の下降速度がワイ
ヤ電極1の送り出し速度に一致するように昇降モータを
回転させるので、後記するようなサーボ送り出しモータ
23のテンション制御が必要ない。なお自動挿通手段6
0として、昇降する自動挿通パイプ61を例に挙げて説
明したが、上側ガイドユニット71にノズルを内蔵し、
このノズルからジェット液流を噴出して自動挿通するジ
ェットノズル方式の自動挿通手段を採用する場合にも、
本発明の方法を採用することができる。パイプジェット
方式とノズルジェット方式との違いによる変更部分は、
本発明の設計変更事項である。
【0023】自動挿通手段60から下流の構成は、従来
例と同様であるから以下この説明を省略し、図3によっ
て、サーボ送り出しモータ23、テンション検出手段3
0、座屈検出器51、52等の自動挿通に関係する制御
装置のブロック構成の説明をする。通常、ワイヤ電極1
の走行速度とテンションとは、加工プログラムとして数
値制御装置300に入力されているので、この数値制御
装置300が、引き取りモータ83によってその走行速
度を制御し、サーボ送りモータ23によってそのテンシ
ョンを制御する。そして、数値制御装置300がワイヤ
送り出し制御部310を制御し、このワイヤ送り出し制
御部310が、サーボ送り出しモータ23を制御するド
ライバ320を制御する。すなわちワイヤ送り出し制御
部310はワイヤ電極のテンションを制御するテンショ
ン制御回路部を備えている。本発明では、これに加え
て、自動挿通動作中に自動挿通の完了を判定し、完了信
号を出す挿通判定回路部315と、自動挿通動作中にサ
ーボ送り出しモータ23を速度制御をするか、テンショ
ン制御するかを切り替える切替回路部316を備えてい
る。なお各回路部は、ソフトウエアにより演算処理され
るものが好適である。
【0024】テンション制御回路部は、数値制御装置3
00からのテンション設定値信号TSとテンション検出
手段30により検出したテンション検出値TMとを比較
演算してテンション偏差TDを出力する加算回路部31
2と、このテンション偏差TDを速度偏差SDに換算し
て出力するするテンション補償回路部313、及び、数
値制御装置300からの速度設定値信号SSとテンショ
ン設定値信号TSとから基準速度指令SRを出力する基
準速度設定回路部311と、基準速度指令SRを速度偏
差SDと比較演算してテンション換算速度指令SCを出
力する加算回路部314を備える。そしてこのテンショ
ン換算速度指令SCが切替回路316に入力される。こ
うしてテンションを速度指令に変換して制御している。
ここで速度設定値信号SSは、ワイヤ引き取りモータ8
3を制御する速度指令に対応する値である。挿通判定回
路部315は、高速自動挿通動作開始直後に数値制御部
300から判定開始指令TBを入力されると、周期的に
テンション検出値TMを読み込み、後述するフローチャ
ートにあるように、所定の判定基準値と比較する。これ
が所定の判定基準値を超えた場合に自動挿通が完了した
と判定し、挿通完了信号TFを出す。この完了信号TF
は数値装置300にも出力されて、後記するようなその
後の処理がなされる。切替回路部316は、A、B2つ
のラインからの入力信号のいずれかを選択して有効にす
るものであり、通常は、Bラインからの入力を優先して
テンション制御をする。Aラインへの入力は、数値制御
装置300から速度切替指令TAを受けたときに有効と
なり、同時に高速自動挿通動作を実行するときのワイヤ
電極の送り出し速度指令値SW1やリトライ動作におけ
る正転送り出し速度指令値SW2あるいは逆転巻き上げ
速度指令値SW3が入力される。そしてこの速度切替指
令TAが終了するかまたは挿通完了信号TFを受けた場
合に、Aラインへの入力が無効になり、速度制御が終了
する。当然速度制御のとき、サーボ送り出しモータ23
の速度が内蔵したレゾルバやエンコーダによってモータ
ドライバ320にフィードバックされている。一方Bラ
インへの入力は、Aラインの選択がなされないときに有
効となる。そして加工プログラムで入力されるテンショ
ン値や自動挿通完了後の制御の目標値として予め設定さ
れている挿通完了テンション値等に相当するテンション
換算速度指令SCが入力されると、サーボ送り出しモー
タ23がテンション制御される。ここで前記挿通完了テ
ンション値は、自動挿通が完了する前のテンションより
大きく、また実加工で必要とされるテンション値より小
さいものである。当然最小の直径のワイヤ電極にそのテ
ンションをかけても切れない程度の小さいテンションで
あるから、自動挿通完了判定後のこの段階で断線するこ
とは皆無である。
【0025】高速自動挿通動作中にワイヤ電極1の走行
が滞り、座屈検出器の近傍で撓みが発生すると、座屈検
出器51、52とワイヤ電極1との間に短絡信号が発生
する。これが座屈信号BSとして数値制御装置300に
取り込まれ、数値制御装置300が自動挿通不良が発生
したと判定し、後述するフローチャートにあるようなリ
トライ動作を実行させる。
【0026】以上の構成にてワイヤ電極の自動挿通は、
図4、図5で示すフローチャートのように行われるが、
従来と同じものは説明を簡単にしている。先ず従来と同
様に、引き取りモータ83を起動し、ジェット液流を噴
出し、バックテンションモータ11によって弱いバック
テンションをかけ、補助送り出しのピンチローラ42を
閉じて補助送りモータ43を起動する(S1、S2)。
このときワイヤ電極1の端部は未だ送り出されていな
い。次にワイヤ電極1を把持装置65によってクランプ
し(S3)、サーボ送り出しモータ23をワイヤ電極1
のテンションが後述する所定の設定テンションになるよ
うに制御しながら(S4)、自動挿通パイプ61を被加
工物上面まで又は、下側ガイドユニット75近くまでエ
アーシリンダ63によって下降させてワイヤ電極1の端
部を送り出す(S5)。このとき自動挿通手段60全体
の重量やエアーシリンダ63の推力がワイヤ電極1にか
かり、これがテンションとしてフィードバックされてテ
ンション制御されるので、自動挿通パイプ61の下降速
度がテンション制御の結果として制御される。なおここ
で上記設定テンションに相当するテンション換算速度指
令SCが切替回路部316のBに入力されおり、自動挿
通パイプ61の下降速度が比較的低速になるように、予
め上記設定テンションが小さい値に設定され、シリンダ
の推力がこれに合わせて調整されている。
【0027】自動挿通パイプ61が下降し終わった後
(S6)、把持装置65のクランプが解除され(S
7)、次にサーボ送り出しモータ23を高速回転して、
ワイヤ電極1の端部をサーボ送り出しローラ21によっ
て高速に送り出す(S8)。このとき切替回路部316
には、速度切替指令TAが入力されているとともに、A
ラインに入力されている速度指令値SW1が有効となっ
ている。このように高速自動挿通が実行されるが、開始
直後から周期的に(フローチャートでは周期的なルーチ
ンを省略した。)座屈検出器51、52が座屈を検出し
(S9)、テンション検出手段30がテンションを検出
している(S10)。このとき検出されるテンション値
は、非常に小さいテンションである。こうして高速で送
り出されたワイヤ電極1の端部は、下側ガイドユニット
72のワイヤガイドに挿通され、従来と同様についには
引き取り装置80に達する。
【0028】ここで引き取りローラ81によるワイヤ電
極1の引き取りの速度は、サーボ送り出しローラ21に
よるそれより僅かに上回るように調整されているから、
自動挿通が成功するとテンションが上昇する。そしてこ
のテンション値が予め設定した判定基準値を超えた場合
に(S10)、挿通判定回路部315が切替回路部31
6と数値制御装置300とに挿通完了信号TFを出すの
で、切替回路部316は、Bラインに入力されている挿
通完了テンション値に相当するテンション換算速度指令
SCを有効にして、サーボ送り出しモータ23をテンシ
ョン制御に移行する(S11)。そしてピンチローラ4
2を開いて補助送りモータ43を停止し、自動挿通パイ
プ61を元の位置に復帰させ、ジェット噴流を止めて自
動挿通を終了する(S12、S13)。なお予め設定し
てある所定時間Tを経過した後においてもテンションの
上昇を検出しない場合には、サーボ送り出しローラ21
等を停止して、異常として処理する(S20、S21、
S22)。この時間tは、自動挿通を開始した直後から
計り始めたものである。
【0029】図5のように座屈検出器30が座屈を検出
した場合は、挿通の失敗と判定する。この場合には、サ
ーボ送り出しモータ23を停止し(S31)、補助送り
出しローラ41のピンチローラ42を開くとともに補助
送り出しローラ41を停止し(S32)、バックテンシ
ョンモータ11のトルクを強くする。そして数値制御装
置300が切替回路部316に速度切替指令TAを出力
するとともに逆転巻き上げ速度指令値SW3をAライン
に出力することによって、サーボ送り出しモータ23を
一定速度で逆転してワイヤ電極1の端部を巻き上げる
(S33)。送り出した長さのワイヤ電極1を巻き上げ
た後(S34)、自動挿通のリトライをする。先ず、バ
ックテンションモータ11のトルクを弱くして元に戻す
とともにサーボ送り出しモータ23を一時停止する(S
35)。そして把持装置65を閉じ、ピンチローラ42
を閉じるとともに補助送り出しローラ41を起動する
(S36、S37)。次に数値制御装置300が切替回
路部316に速度切替指令TAを出力するとともに正転
送り出し速度指令値SW2をAラインに出力することに
よって、サーボ送り出しモータ23がワイヤ電極1の端
部を一定速度で送り出す(S38)。こうしてワイヤ電
極1を所定量送り出して、座屈検出器51と51との間
にワイヤ電極1を弛ませ(S39)、次に把持装置65
を開いて、高速に噴出するジェット液流に乗せてワイヤ
電極1の端部を一気に挿通する(S40)。このリトラ
イのための撓みは自動挿通パイプ61の直近に形成され
るのでその後の一気挿通に好結果をもたらす。
【0030】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の自動挿
通方法においては、ワイヤ電極の挿通状態を検出したテ
ンションによって監視し、該検出テンション値が所定の
判定基準値を超えた場合にワイヤ電極の挿通が完了した
と判定して、サーボ送り出しローラのサーボ送り出しモ
ータをテンション制御に切り替えるから、自動挿通の完
了をより速く確実に判定して自動挿通を早期に終了する
ことができる。
【0031】またワイヤ電極の挿通状態を座屈によって
併せて監視することによって、自動挿通が失敗してワイ
ヤ電極の進行が滞ったことを迅速に判定し、サーボ送り
出しモータによってワイヤ電極の送り出しを急停止する
ことができる。さらにこのときバックテンションをかけ
たままでよいからワイヤ電極がばらけることがない。
【0032】また、大径のサーボ送り出しローラによっ
てワイヤ電極を送り出し、小径の補助送り出しローラに
よって補助的な送り出しをして、テンション検出手段近
傍のワイヤ電極の撓みを解消するようにしたから、該補
助送り出しローラのピンチローラを開かなくても、該テ
ンション検出手段が引き取り装置によるテンション増加
を検出することができる。またいずれの送り出しローラ
によってもワイヤ電極が損傷することがない。
【0033】また昇降式の自動挿通パイプを備えた自動
挿通手段を有するワイヤカット放電加工機においては、
自動挿通の開始直後に前記自動挿通パイプを下降すると
きと、下降した後とでワイヤ電極の送り出し速度を高速
に切り替えることにより、自動挿通の高速化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動挿通装置のワイヤ電極の走行
経路に沿った概略構成図。
【図2】本発明によるテンション検出手段の構成を示す
斜視図。
【図3】本発明による自動挿通に関係する制御装置のブ
ロック構成図。
【図4】本発明による自動制御方法の制御を示すフロー
チャート図。
【図5】図4の一部分を示すフローチャート図。
【図6】従来の自動挿通装置のワイヤ電極の走行経路に
沿った概略構成図。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極 10 ワイヤボビン 21 サーボ送り出しローラ 23 サーボ送り出しモータ 30 テンション検出手段 31 ガイドローラ 33 板ばね 35 歪みゲージ 50 座屈検出手段 60 自動挿通手段 61 自動挿通パイプ 65 把持装置 71 上側ガイドユニット 72 下側ガイドユニット 80 引き取り装置 90 回収バケット 300 数値制御装置 315 挿通判定回路部 316 切替回路部 1

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤボビンから供給されるワイヤ電極
    の切断された端部をサーボ送り出しローラによって順次
    下流に送り出しながら、自動挿通手段によって上側ガイ
    ドユニットから下側ガイドユニットに自動挿通し、引き
    取り装置に至らしめて排出するワイヤカット放電加工機
    の自動挿通方法において、ワイヤ電極の挿通状態を少な
    くともテンション検出手段によって検出して、該テンシ
    ョン検出手段により検出したテンション値が所定の判定
    基準値を超えた場合にワイヤ電極の挿通が完了したと判
    定し、前記サーボ送り出しローラのモータをテンション
    制御に切り替えることを特徴とするワイヤカット放電加
    工機の自動挿通方法。
  2. 【請求項2】 ワイヤボビンから供給されるワイヤ電極
    の切断された端部をサーボ送り出しローラによって順次
    下流に送り出しながら、自動挿通手段によって上側ガイ
    ドユニットから下側ガイドユニットに自動挿通し、引き
    取り装置に至らしめて排出するワイヤカット放電加工機
    の自動挿通方法において、ワイヤ電極の挿通状態をテン
    ション検出手段と座屈検出手段とによって検出して、該
    テンション検出手段により検出したテンション値が所定
    の判定基準値を超えた場合にワイヤ電極の挿通が完了し
    たと判定し、前記サーボ送り出しローラのモータをテン
    ション制御に切り替える一方、座屈を検出した場合にワ
    イヤ電極の挿通不良が発生したと判断してリトライ動作
    を行わしめることを特徴とするワイヤカット放電加工機
    の自動挿通方法。
  3. 【請求項3】 ワイヤボビンから供給されるワイヤ電極
    の切断された端部をサーボ送り出しローラによって順次
    下流に送り出しながら、自動挿通手段の昇降可能な自動
    挿通パイプによって上側ガイドユニットから下側ガイド
    ユニットに自動挿通し、引き取り装置に至らしめて排出
    するワイヤカット放電加工機の自動挿通方法において、
    最初前記自動挿通パイプを下降するときには該自動挿通
    パイプの下降速度と前記ワイヤ電極の送り出し速度とを
    略同一とし、該自動挿通パイプが下降を完了した後には
    前記ワイヤ電極を高速に送り出すようにして、前記サー
    ボ送り出しローラのワイヤ電極の送り出し速度を少なく
    とも2段階に制御した後、ワイヤ電極の挿通状態をテン
    ション検出手段と座屈検出手段とによって検出して、該
    テンション検出手段により検出したテンション値が所定
    の判定基準値を超えた場合にワイヤ電極の挿通が完了し
    たと判定し、前記サーボ送り出しローラのモータをテン
    ション制御に切り替える一方、座屈を検出した場合にワ
    イヤ電極の挿通不良が発生したと判断してリトライ動作
    を行わしめることを特徴とするワイヤカット放電加工機
    の自動挿通方法。
  4. 【請求項4】 バックテンションが付与可能なワイヤボ
    ビンと、該ワイヤボビンに貯留されたワイヤ電極をその
    テンションが制御可能に順次該ワイヤボビンから下流に
    送り出すサーボ送り出しローラと、ワイヤ電極のテンシ
    ョンを検出するテンション検出手段と、ワイヤ電極を上
    側ガイドユニットから下側ガイドユニットにジェット液
    流によって挿通する自動挿通手段と、ワイヤ電極を回収
    バケットに排出する引き取り装置とを備たワイヤカット
    放電加工機の自動挿通装置において、自動挿通動作中に
    数値制御装置からの指令によってワイヤ電極の挿通状態
    を少なくとも前記テンション検出手段によって検出し
    て、該テンション検出手段により検出したテンション値
    が所定の判定基準値を超えた場合に自動挿通を完了した
    と判定する挿通判定回路部と、自動挿通動作中に前記数
    値制御装置からの指令によって前記サーボ送り出しロー
    ラのモータを速度制御してワイヤ電極を送り出す一方、
    前記挿通判定回路部が挿通完了したと判断した場合に、
    テンション制御に切り替える制御を行う切替回路部と、
    を備えたことを特徴とするワイヤカット放電加工機の自
    動挿通装置。
  5. 【請求項5】 バックテンションが付与可能なワイヤボ
    ビンと、該ワイヤボビンに貯留されたワイヤ電極をその
    テンションが制御可能に順次該ワイヤボビンから下流に
    送り出すサーボ送り出しローラと、その下流にてワイヤ
    電極のテンションを検出するテンション検出手段と、そ
    の下流にて該テンション検出手段近傍のワイヤ電極の弛
    みを解消する程度の補助的な送り出しをする補助送り出
    しローラと、その下流にてワイヤ電極の撓みを検出する
    座屈検出手段と、その下流にてワイヤ電極を上側ガイド
    ユニットから下側ガイドユニットにジェット液流によっ
    て挿通する自動挿通手段と、その下流にてワイヤ電極を
    回収バケットに排出する引き取り装置とを備えるととも
    に、自動挿通動作中に数値制御装置からの指令によって
    ワイヤ電極の挿通状態を前記テンション検出手段によっ
    て検出して、該テンション検出手段により検出したテン
    ション値が所定の判定基準値を超えた場合に自動挿通を
    完了したと判定する挿通判定回路部と、自動挿通動作中
    に前記数値制御装置からの指令によって前記送り出しロ
    ーラのモータを制御してワイヤ電極を送り出す一方、前
    記挿通判定回路部が自動挿通が完了したと判断した場合
    に、テンション制御に切り替える制御を行う切替回路部
    とを備え、前記数値制御装置が自動挿通動作中に前記座
    屈検出手段によるワイヤ電極の座屈を検出した場合にワ
    イヤ電極の挿通不良が発生したと判断することを特徴と
    するワイヤカット放電加工機の自動挿通装置。
  6. 【請求項6】 前記テンション検出手段が、前記サーボ
    送り出しローラと前記補助送り出しローラとの間に配置
    され、走行するワイヤ電極を押圧するガイドローラを片
    持ち梁の先端に備え、該ワイヤ電極のテンションによる
    反力によって前記片持ち梁に生ずる曲げを歪みゲージに
    よって検出するように構成したことを特徴とする請求項
    第第5項記載のワイヤカット放電加工機の自動挿通装
    置。
  7. 【請求項7】 前記自動挿通手段が、前記座屈検出手段
    の直近の下流で昇降する自動挿通パイプと、該自動挿通
    パイプと一体で昇降しかつワイヤ電極をクランプ、アン
    クランプする把持装置とを備え、自動挿通動作中に前記
    自動挿通パイプを下降するときには前記把持装置がワイ
    ヤ電極をクランプして下降し、該自動挿通パイプが下降
    を完了した後にワイヤ電極を高速に送り出すようにし
    て、前記サーボ送り出しローラのワイヤ電極の送り出し
    制御を少なくとも2段階に切替制御することを特徴とす
    る請求項第5項又は第6項記載のワイヤカット放電加工
    機の自動挿通装置。
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