JP4095238B2 - ワイヤカット放電加工装置とワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法 - Google Patents

ワイヤカット放電加工装置とワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、加工対象物に形成された挿入孔にワイヤ電極を自動的に挿入して結線するワイヤカット放電加工装置とワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加工対象物に形成された挿入孔にワイヤ電極の先端を挿入し、このワイヤ電極の先端を巻取りローラに巻き取らせてワイヤ電極を自動的に結線するワイヤ電極の自動結線装置(自動供給装置;自動挿入装置)を備えるワイヤカット放電加工機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなワイヤ電極の自動結線装置では、ワイヤ電極の先端が挿入孔に引っ掛かるなどして、方向転換プーリがワイヤ電極を拘束するまでの送り経路上でワイヤ電極が座屈して、結線に失敗するのを防止する必要がある。そのため、ワイヤ電極をより確実に案内するように、結線のときに作動する複数の装置を同時に動作しないように順次動作させ、また、ワイヤ電極を比較的低速で送り出すようにせざる得ないのが実情である。特に、ガイドパイプでワイヤ電極を案内する場合には、ワイヤ電極をより確実に案内するようにガイドパイプが少なくとも加工対象物の挿入孔の開口まで下降するので、上記複数の装置は順番に動作させざる得ない。
【0004】
しかしながら、加工対象物の厚さ、上下のワイヤガイド間の距離、ワイヤ電極の直径など、いくつかの条件によっては、必ずしも複数の装置の動作を順次行なわなくても結線の成功率が低下しない場合がある。また、これまでよりも高速にワイヤ電極を送り出しても、結線の成功率が低下しないか、むしろ成功しやすい場合があることがわかった。したがって、従来の自動結線装置及びその自動結線方法は、ワイヤ電極を結線する時間をさらに短くできる余地を残している。例えば、多数の形状を切り出すいわゆる多数個取り加工では、一つのワイヤカット放電加工工程でワイヤ電極を結線する回数が多くなるために、結線の失敗回数やワイヤ電極を挿入孔に送り出す速度が全体のワイヤカット放電加工工程にかかる時間に影響する。この発明の課題は、ワイヤ電極を結線するために要する時間をより短時間で行なうことができるワイヤカット放電加工装置とワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。請求項1の発明は、ワイヤボビン(4a)に巻き回されたワイヤ電極(3)を繰り出して下流に供給するワイヤ電極供給装置(4)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)を加工対象物(2)の上側でガイドする上側ガイド装置(7)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)を加工対象物(2)の下側でガイドする下側ガイド装置(8)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)と前記上側ガイド装置(7)との間に設けられるとともに、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)をクランプするクランプ装置(6a)、前記ワイヤ電極(3)をガイドする昇降動作可能に構成されたガイドパイプ(6b)、および前記ガイドパイプ(6b)内にジェット噴流を噴出する噴流供給装置(6f)を備え、前記噴流供給装置(6f)によりジェット噴流を噴出しながら前記ガイドパイプ(6b)により前記ワイヤ電極(3)をガイドし該ワイヤ電極(3)を加工対象物(2)に形成された挿入孔(2a)に挿入して結線する自動結線装置(6)と、前記自動結線装置(6)により前記挿入孔(2a)に挿入されたワイヤ電極(3)を巻取って回収装置(11)に排出する排出装置(10)と、を備えるワイヤカット放電加工装置(1)において、
前記加工対象物の厚さと所定値とを比較する比較手段(14)と、結線動作モードとして、前記加工対象物の厚さが前記所定値よりも小さいときに第1のモードを選択し、前記加工対象物の厚さが前記所定値よりも小さいとき以外のときに第2のモードを選択する選択手段(15)と、を含み、前記第1モードは、前記噴流供給装置(6f)によりジェット噴流を噴出する動作および前記ガイドパイプ(6b)を前記上側ガイド装置(7)の直前まで下降させる動作を同時に進行させる動作と、前記ガイドパイプ(6b)を下降させた後に前記ワイヤ電極(3)を前記挿入孔(2a)に高速で送出する動作と、前記送出されたワイヤ電極(3)が前記挿入孔(2a)を通過した後であって、前記排出装置(10)に到達する前に前記ガイドパイプ(6b)を上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、前記第2モードは、前記ワイヤ電極(3)を前記クランプ装置(6a)によりクランプする動作と、前記ワイヤ電極(3)をクランプした後に前記噴流供給装置(6f)により前記ガイドパイプ(6b)内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプ(6b)を前記加工対象物(2)の直前又は前記下側ガイド装置(8)の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプ(6b)を下降させた後に前記ワイヤ電極(3)のクランプ状態を解除して該ワイヤ電極(3)を前記挿入孔(2a)に前記第1モードに比べて低速で送出する動作と、前記送出されたワイヤ電極(3)が前記挿入孔(2a)を通過し、かつ、前記排出装置(10)に到達した場合に前記ガイドパイプ(6b)を上昇させる動作と、を行う結線動作モードとすることを特徴とするワイヤカット放電加工装置(1)である。
【0006】
請求項2の発明は、ワイヤボビン(4a)に巻き回されたワイヤ電極(3)を繰り出して下流に供給するワイヤ電極供給装置(4)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)を加工対象物(2)の上側でガイドする上側ガイド装置(7)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)を加工対象物(2)の下側でガイドする下側ガイド装置(8)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)と前記上側ガイド装置(7)との間に設けられるとともに、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)をクランプするクランプ装置(6a)、前記ワイヤ電極(3)をガイドする昇降動作可能に構成されたガイドパイプ(6b)、および前記ガイドパイプ(6b)内にジェット噴流を噴出する噴流供給装置(6f)を備え、前記噴流供給装置(6f)によりジェット噴流を噴出しながら前記ガイドパイプ(6b)により前記ワイヤ電極(3)をガイドし該ワイヤ電極(3)を加工対象物(2)に形成された挿入孔(2a)に挿入して結線する自動結線装置(6)と、前記自動結線装置(6)により前記挿入孔(2a)に挿入されたワイヤ電極(3)を引き取って回収装置(11)に排出する排出装置(10)と、を備えるワイヤカット放電加工装置(1)において、前記加工対象物の挿入孔の直径に対する前記ワイヤ電極の直径の割合と所定値とを比較する比較手段(14)と、結線動作モードとして、前記割合が前記所定値よりも大きいときに第1のモードを選択し、前記割合が前記所定値よりも大きいとき以外のときに第2のモードを選択する選択手段(15)と、を含み、前記第1モードは、前記ワイヤ電極(3)を前記クランプ装置(6a)によりクランプする動作と、前記噴流供給装置(6f)により前記ガイドパイプ(6b)内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ワイヤ電極(3)をクランプし、かつ、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプ(6b)を前記上側ガイド装置(7)の直前、前記加工対象物(2)の直前又は前記下側ガイド装置(8)の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプ(6b)を下降させた後に前記ワイヤ電極供給装置(4)と前記クランプ装置(6a)との間で前記ワイヤ電極(3)を所定量弛ませる動作と、前記ワイヤ電極(3)を所定量弛ませた後に前記ワイヤ電極(3)のクランプ状態を解除してジェット噴流の推進力により前記ワイヤ電極(3)を前記挿入孔(2a)に送出する動作と、前記挿入孔(2a)に送出されたワイヤ電極(3)が前記挿入孔(2a)を通過し、かつ、前記排出装置(10)に到達した場合に前記ガイドパイプ(6b)を上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、前記第2モードは、前記ワイヤ電極(3)を前記クランプ装置(6b)によりクランプする動作と、前記ワイヤ電極(3)をクランプした後に前記噴流供給装置(6f)により前記ガイドパイプ(6b)内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプ(6b)を前記加工対象物(2)の直前又は前記下側ガイド装置(8)の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプ(6b)を下降させた後に前記ワイヤ電極(3)のクランプ状態を解除して該ワイヤ電極(3)を前記挿入孔(2a)に前記第1モードに比べて低速で送出する動作と、前記挿入孔(2a)に送出されたワイヤ電極(3)が前記挿入孔(2a)を通過し、かつ、前記排出装置(10)に到達した場合に前記ガイドパイプ(6b)を上昇させる動作と、を行う結線動作モードとすることを特徴とするワイヤカット放電加工装置(1)である。
【0007】
請求項3の発明は、前記ワイヤ電極(3)の結線動作のリトライ回数を計数する計数手段(16)と、前記リトライ回数が所定回数を超えたか否かを判定する判定手段(17)と、前記リトライ回数が所定回数を超えたときには、前記第1モードから前記第2モードに切り替える切替手段(18)と、を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワイヤカット放電加工装置(1)である。
【0008】
請求項4の発明は、ワイヤボビン(4a)に巻き回されたワイヤ電極(3)を繰り出して下流に供給するワイヤ電極供給装置(4)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)を加工対象物(2)の上側でガイドする上側ガイド装置(7)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)を加工対象物(2)の下側でガイドする下側ガイド装置(8)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)と前記上側ガイド装置(7)との間に設けられるとともに、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)をクランプするクランプ装置(6a)、前記ワイヤ電極(3)をガイドする昇降動作可能に構成されたガイドパイプ(6b)、および前記ガイドパイプ(6b)内にジェット噴流を噴出する噴流供給装置(6f)を備え、前記噴流供給装置(6f)によりジェット噴流を噴出しながら前記ガイドパイプ(6b)により前記ワイヤ電極(3)をガイドし該ワイヤ電極(3)を加工対象物(2)に形成された挿入孔(2a)に挿入して結線する自動結線装置(6)と、前記自動結線装置(6)により前記挿入孔(2a)に挿入されたワイヤ電極(3)を巻取って回収装置(11)に排出する排出装置(10)と、を備えるワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法において、前記加工対象物の厚さと所定値とを比較する比較手順と、結線動作モードとして、前記加工対象物の厚さが前記所定値よりも小さいときに第1のモードを選択し、前記加工対象物の厚さが前記所定値よりも小さいとき以外のときに第2のモードを選択する選択手順と、を含み、前記第1モードは、前記噴流供給装置(6f)によりジェット噴流を噴出する動作および前記ガイドパイプ(6b)を前記上側ガイド装置(7)の直前まで下降させる動作を同時に進行させる動作と、前記ガイドパイプ(6b)を下降させた後に前記ワイヤ電極(3)を前記挿入孔(2a)に高速で送出する動作と、前記送出されたワイヤ電極(3)が前記挿入孔(2a)を通過した後であって、前記排出装置(10)に到達する前に前記ガイドパイプ(6b)を上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、前記第2モードは、前記ワイヤ電極(3)を前記クランプ装置(6a)によりクランプする動作と、前記ワイヤ電極(3)をクランプした後に前記噴流供給装置(6f)により前記ガイドパイプ(6b)内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプ(6b)を前記加工対象物(2)の直前又は前記下側ガイド装置(8)の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプ(6b)を下降させた後に前記ワイヤ電極(3)のクランプ状態を解除して該ワイヤ電極(3)を前記挿入孔(2a)に前記第1モードに比べて低速で送出する動作と、前記送出されたワイヤ電極(3)が前記挿入孔(2a)を通過し、かつ、前記排出装置(10)に到達した場合に前記ガイドパイプ(6b)を上昇させる動作と、を行う結線動作モードとすることを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法である。
【0009】
請求項5の発明は、ワイヤボビン(4a)に巻き回されたワイヤ電極(3)を繰り出して下流に供給するワイヤ電極供給装置(4)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)を加工対象物(2)の上側でガイドする上側ガイド装置(7)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)を加工対象物(2)の下側でガイドする下側ガイド装置(8)と、前記ワイヤ電極供給装置(4)と前記上側ガイド装置(7)との間に設けられるとともに、前記ワイヤ電極供給装置(4)により供給されたワイヤ電極(3)をクランプするクランプ装置(6a)、前記ワイヤ電極(3)をガイドする昇降動作可能に構成されたガイドパイプ(6b)、および前記ガイドパイプ(6b)内にジェット噴流を噴出する噴流供給装置(6f)を備え、前記噴流供給装置(6f)によりジェット噴流を噴出しながら前記ガイドパイプ(6b)により前記ワイヤ電極(3)をガイドし該ワイヤ電極(3)を加工対象物(2)に形成された挿入孔(2a)に挿入して結線する自動結線装置(6)と、前記自動結線装置(6)により前記挿入孔(2a)に挿入されたワイヤ電極(3)を引き取って回収装置(11)に排出する排出装置(10)と、を備えるワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法において、前記加工対象物の挿入孔の直径に対する前記ワイヤ電極の直径の割合と所定値とを比較する比較手順と、結線動作モードとして、前記割合が前記所定値よりも大きいときに第1のモードを選択し、前記割合が前記所定値よりも大きいとき以外のときに第2のモードを選択する選択手順と、を含み、前記第1モードは、前記ワイヤ電極(3)を前記クランプ装置(6a)によりクランプする動作と、前記噴流供給装置(6f)により前記ガイドパイプ(6b)内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ワイヤ電極(3)をクランプし、かつ、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプ(6b)を前記上側ガイド装置(7)の直前、前記加工対象物(2)の直前又は前記下側ガイド装置(8)の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプ(6b)を下降させた後に前記ワイヤ電極供給装置(4)と前記クランプ装置(6a)との間で前記ワイヤ電極(3)を所定量弛ませる動作と、前記ワイヤ電極(3)を所定量弛ませた後に前記ワイヤ電極(3)のクランプ状態を解除してジェット噴流の推進力により前記ワイヤ電極(3)を前記挿入孔(2a)に送出する動作と、前記挿入孔(2a)に送出されたワイヤ電極(3)が前記挿入孔(2a)を通過し、かつ、前記排出装置(10)に到達した場合に前記ガイドパイプ(6b)を上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、前記第2モードは、前記ワイヤ電極(3)を前記クランプ装置(6a)によりクランプする動作と、前記ワイヤ電極(3)をクランプした後に前記噴流供給装置(6f)により前記ガイドパイプ(6b)内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプ(6b)を前記加工対象物(2)の直前又は前記下側ガイド装置(8)の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプ(6b)を下降させた後に前記ワイヤ電極(3)のクランプ状態を解除して該ワイヤ電極(3)を前記挿入孔(2a)に前記第1モードに比べて低速で送出する動作と、前記挿入孔(2a)に送出されたワイヤ電極(3)が前記挿入孔(2a)を通過し、かつ、前記排出装置(10)に到達した場合に前記ガイドパイプ(6b)を上昇させる動作と、を行う結線動作モードとすることを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法である。
【0010】
請求項6の発明は、前記ワイヤ電極(3)の結線動作のリトライ回数を計数する計数手順と、前記リトライ回数が所定回数を超えたか否かを判定する判定手順と、前記リトライ回数が所定回数を超えたときには、前記第1モードから前記第2モードに切り替える切替手順と、を含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置を備えるワイヤカット放電加工装置の構成図である。
【0020】
ワイヤカット放電加工装置1は、加工対象物2とワイヤ電極3との間の放電現象を利用して、加工対象物2を所定の加工形状に切断し加工する装置である。ワイヤカット放電加工装置1は、図示しない加工用電源装置からパルス電圧が供給される。ワイヤカット放電加工装置1は、図1に示すように、ワイヤ電極供給装置4と、テンション検出装置5と、自動結線装置6と、上側ガイド装置7と、下側ガイド装置8と、下側送出装置9と、排出装置10と、回収装置11とを備えている。
【0021】
加工対象物2は、所定の加工形状に放電加工される工作物(被加工物)である。加工対象物2は、上側ガイド装置7と下側ガイド装置8との間のワイヤ放電加工領域においてワイヤ電極3により放電加工される。加工対象物2は、X軸方向及びY軸方向に移動する図示しないテーブル上に搭載され固定されており、このテーブルを駆動する図示しないX軸駆動モータ及びY軸駆動モータによって水平面内で位置決めされる。加工対象物2には、ワイヤ電極3を挿入するための加工開始孔や加工溝などの挿入孔2aが形成されている。
【0022】
ワイヤ電極3は、材質が黄銅、銅、タングステン、モリブデンなどからなり、直径(ワイヤ径)が0.01mm〜0.35mm程度の工具電極である。ワイヤ電極3は、供給手段4から供給されてテンション検出装置5及び自動結線装置6を通過した後に、上側ガイド装置7と下側ガイド装置8との間でガイドされて下側送出装置9を通過し、排出装置10から排出され回収装置11で回収される。
【0023】
ワイヤ電極供給装置4は、ワイヤ電極3を供給する装置である。ワイヤ電極供給装置4は、ワイヤボビン4aと、ブレーキ4bと、方向変換ローラ4c,4d,4eと、送出ローラ4fと、送出モータ4gと、ピンチローラ4h,4i,4jと、補助送出ローラ4kと、補助送出モータ4mと、ピンチローラ4nと、開閉機構部4pと、座屈検出器4qとを備えている。ワイヤ電極供給装置4は、ワイヤボビン4aに巻き回されたワイヤ電極3を繰り出して自動結線装置6に向けて供給する。
【0024】
ワイヤボビン4aは、ワイヤ電極3が巻き回された巻取り部材である。ブレーキ4bは、送出ローラ4fが停止したときに、ワイヤボビン4aが慣性で回転してワイヤ電極3が弛むのを防止する装置である。方向変換ローラ4c,4d,4eは、ワイヤボビン4aと送出ローラ4fとの間でワイヤ電極3の送り出し方向を変更する従動ローラである。
【0025】
送出ローラ4fは、自動結線装置6にワイヤ電極3を送り出す駆動ローラである。送出モータ4gは、送出ローラ4fを駆動するサーボモータである。送出モータ4gは、回転角度を電気信号(回転角度信号)に変換して制御装置12に出力するエンコーダなどを備えている。ピンチローラ4h,4i,4jは、ワイヤ電極3が所定の巻き掛け角度で送出ローラ4fに巻き付くようにワイヤ電極3を押し付けて、送出ローラ4fに対するワイヤ電極3の滑りを防止する従動ローラである。
【0026】
補助送出ローラ4kは、自動結線装置6にワイヤ電極3を送り出す駆動ローラである。補助送出ローラ4kは、ワイヤ電極を送り出す方向にのみ回転を許容する一方向クラッチ(図示せず)を介して、補助送出モータ4mに接続されている。補助送出モータ4mは、補助送出ローラ4kを駆動するモータである。補助送出モータ4mは、ワイヤ電極3が弛まない最小限のトルクを発生するACモータなどである。ピンチローラ4nは、補助送出ローラ4kとの間にワイヤ電極3を挟み込み回転する従動ローラである。補助送出ローラ4kは、それ自体として送出ローラ4fでワイヤ電極3を送り出すときのワイヤ電極3の送り出し速度以上で回転しようとするものであるが、出力トルクがが小さいので、ワイヤ電極3と同じ速度で回転し、その結果、送出ローラ4fとガイドパイプ6bとの間でワイヤ電極3が弛まないようにしている。
【0027】
開閉機構部4pは、補助送出ローラ4kとピンチローラ4nとを開閉する装置である。開閉機構部4pは、補助送出ローラ4kとピンチローラ4nをスライドさせて補助送出ローラ4kとピンチローラ4nを接触及び離間させるエアシリンダである。開閉機構部4pは、ワイヤ電極3を挿入孔2aに挿入するときには、補助送出ローラ4kとピンチローラ4nとを接触させ、ワイヤ電極3を巻き戻すときには、補助送出ローラ4kが一方向クラッチによって逆転しないために補助送出ローラ4kとピンチローラ4nとを離間させる。開閉機構部4pは、ワイヤ電極3が断線したときにワイヤ電極3が走行経路から外れないように、放電加工中にも補助送出ローラ4kとピンチローラ4nとを接触させる。
【0028】
座屈検出器4qは、ワイヤ電極3の座屈(撓み)を検出する装置である。座屈検出器4qは、ワイヤ電極3が通過可能なリング状の導電体を有し、ワイヤ電極3が撓み導電体と接触して電気的に短絡することで座屈を検出し、座屈検出信号を制御装置12に出力する。
【0029】
テンション検出装置5は、ワイヤ電極3のテンションを検出する装置である。テンション検出装置5は、ガイドローラ5aと、板ばね5bと、歪みゲージ5cとを備えている。ガイドローラ5aは、送出ローラ4fと補助送出ローラ4kとの間でワイヤ電極3と接触しつつ回転する従動ローラであり、板ばね5bはガイドローラ5aを回転自在に片持ち支持する部材である。歪みゲージ5cは、ワイヤ電極3のテンションが変動したときに、板ばね5bに生ずる曲げによる歪みを電気信号に変換する機械電気変換素子である。歪みゲージ5cは、ワイヤ電極3に加わるテンションに応じたテンション検出信号を制御装置12に出力する。
【0030】
自動結線装置6は、加工対象物2に形成された挿入孔2aにワイヤ電極3を自動的に挿入して結線する装置である。自動結線装置6は、ワイヤ電極供給装置4が送り出すワイヤ電極3の先端部を上側ガイド装置7から下側ガイド装置8に挿入する。自動結線装置6は、一つの加工対象物2に所定の加工形状を連続して多数個加工するときに、ワイヤ電極3の先端部を次の挿入孔に自動的に挿入したり、放電加工中にワイヤ電極3が断線したときに、ワイヤ電極3の先端部を所定の位置で自動的に挿入する。自動結線装置6は、クランプ装置6aと、ガイドパイプ6bと、座屈検出器6cと、昇降台6dと、昇降装置6eと、噴流供給装置6fと、切断装置6gと、切断片排出装置6hと、ブローセンサ6iとを備えている。
【0031】
クランプ装置6aは、ワイヤ電極3をクランプ及びクランプ解除する装置である。クランプ装置6aは、エアシリンダなどによって開閉される。ガイドパイプ6bは、ワイヤ電極3をガイドする部材である。ガイドパイプ6bは、結線動作時に下端部(開口部)から液体を噴射してガイドパイプ6bの中心軸線上にワイヤ電極3を拘束し、ワイヤ電極3を挿入孔2aに向けて送り出すとともに、ガイドパイプ6b内でワイヤ電極3が引っ掛かり座屈するのを防止する。座屈検出器6cは、座屈検出器4qと同一構造の部材である。昇降台6dは、クランプ装置6a、ガイドパイプ6b及び座屈検出器6cを支持する部材である。昇降装置6eは、昇降台6dを昇降する装置であり、昇降台6dを上下方向(Z軸方向)に駆動するエアシリンダ又はモータなどである。
【0032】
噴流供給装置6fは、ガイドパイプ6b内に流体(ジェット噴流)を噴出するポンプである。切断装置6gは、ワイヤ電極3の先端部を切断する装置である。切断装置6gは、ガイドパイプ6bが最上位に位置するときに、このガイドパイプ6bの下端部と略一致する位置に設置されている。切断片排出装置6hは、切断装置6gが切断したワイヤ電極3の切断片を排出する装置である。ブローセンサ6iは、ワイヤ電極3を巻き上げたときに、ワイヤ電極3の移動方向と交差する方向にエアを噴射する。ブローセンサ6iは、エアの噴射によってワイヤ電極3の先端部が図示しない接触部と接触しているときにワイヤ電極3の先端がこの位置に存在することを検出して、“先端検出信号”を制御装置12に出力する。
【0033】
上側ガイド装置7は、加工対象物2の上側でワイヤ電極3をガイドする装置である。上側ガイド装置7は、ワイヤボビン4aと方向変換ローラ4cを除く供給装置4、テンション検出装置5、及び自動結線装置6と一緒に、図示しないテーパ装置のU軸駆動モータ及びV軸駆動モータによってU軸方向及びV軸方向に駆動されて水平面内で位置決めされる。上側ガイド装置7は、通電体7aと、上側ガイド7b,7cと、開閉機構部7dとを備えている。通電体7aは、ワイヤ電極3と接触及び離間して通電状態及び非通電状態となる部材である。上側ガイド7b,7cは、ワイヤ電極3を移動自在にガイドする割りガイドであり、上側ガイド7bは固定されており上側ガイド7cは上側ガイド7bに対して移動可能である。上側ガイド7b,7cは、ワイヤ電極3の直径よりも僅かに大きい通過孔を有し、ワイヤ電極3をこの通過孔に通過させて高精度に位置決めする。上側ガイド7b,7cは、結線動作時にガイドパイプ6bが通過可能なように分割する。開閉機構部7dは、通電体7a及び割りガイド7cを水平方向にスライドさせるエアシリンダである。
【0034】
下側ガイド装置8は、加工対象物2の下側でワイヤ電極3をガイドする装置である。下側ガイド装置8は、通電体8aと下側ガイド8b,8cとを備えている。通電体8aは、通電体7aと同一構造の部材である。下側ガイド8b,8cは、ワイヤ電極3を移動自在にガイドするダイスガイドまたは上側ガイド7b,7cと同じ構成の割りガイドである。
【0035】
下側送出装置9は、挿入孔2aに挿入されたワイヤ電極3を排出装置10に送り出す装置である。下側送出装置9は、方向変換ローラ9aとスイングローラ9bとを備えている。方向変換ローラ9aは、ワイヤ電極3の送り出し方向を垂直方向から水平方向に変換するローラであり、図示しないノズルから噴射される流体によって推力を受けて回転する。スイングローラ9bは、方向変換ローラ9aと接触及び離間するローラである。スイングローラ9bは、結線動作時には、図示しないノズルから噴射される流体によって推力を受けて回転し、方向変換ローラ9aと接触して方向変換ローラ9aとの間でワイヤ電極3の先端部を案内してワイヤ電極3を排出装置10の方向に送り出す。スイングローラ9bは、結線動作終了後に流体の噴射が停止すると方向変換ローラ9aから離間する。
【0036】
排出装置10は、ワイヤ電極3を排出する装置である。排出装置10は、巻取りローラ10aと、巻取りモータ10bと、ピンチローラ10cとを備えている。巻取りローラ10aは、回収装置11にワイヤ電極3を送り出す駆動ローラであり、巻取りモータ10bは巻取りローラ10aを駆動するモータである。ピンチローラ10cは、巻取りローラ10aとの間にワイヤ電極3を挟み込み回転する従動ローラである。回収装置11は、ワイヤ電極3を回収する装置である。回収装置11は、排出装置10から排出されたワイヤ電極3を受け取り回収する回収バケット11aを備えている。
【0037】
制御装置12は、ワイヤカット放電加工装置1に関する種々の制御を実行するNC制御装置(中央処理装置)である。制御装置12は、送出モータ4g、補助送出モータ4m、開閉機構部4p,7d、クランプ装置6a、昇降装置6e、噴流供給装置6f、切断装置6g、切断片排出装置6h及び巻取りモータ10bなどを動作制御する。制御装置12は、所定速度及び所定テンションで送出ローラ4fがワイヤ電極3を送り出すように、送出モータ4g及び補助送出モータ4mを動作制御する。自動結線時にガイドパイプ6bを挿入孔2aの中心と一致するように、図示しないU軸駆動モータ及びV軸駆動モータを動作制御してガイドパイプ6bと上側ガイド装置7を水平方向に移動させる。制御装置12には、設定部13と、比較部14と、選択部15と、計数部16と、判定部17と、切替部18とが接続されている。
【0038】
設定部13は、データを入力する手段とそれらのデータを記憶しておく手段を含み、ワイヤカット放電加工装置1に関する種々の情報を設定する部分である。設定部13は、加工対象物2の厚さ、ワイヤ電極3の直径、ワイヤ電極3の送出速度、ワイヤ電極3のテンションなどの入力されるパラメータを設定する。また、設定部13は、結線動作を継続するか否かを判定する判定基準値、挿入動作が成功したか否かを判定する判定基準値、結線動作が成功したか否かを判定する判定基準値などの値を設定する。設定部13は、直線や円などの図形要素からなる加工形状、ワイヤ電極3の移動経路、加工手順を決定する数値情報などを作業者が入力したり選択するときに操作する入力装置や、NCプログラムなどを読み取る読み取り装置などを含む。
【0039】
比較部14は、ワイヤ電極3の直径と所定値とを比較するとともに、加工対象物2の厚さと所定値とを比較する部分である。また、比較部14は、ワイヤ電極3の結線動作のリトライ回数(再結線動作回数)と判定基準値(所定回数)とを比較したり、送出モータ4gが出力する回転角度信号(フィードバックパルス信号)と判定基準値とを比較したり、テンション検出装置5が出力するテンション検出信号(テンション検出値)と判定基準値とを比較する。比較部14は、これらの比較結果を制御装置12に伝達する。
【0040】
選択部15は、比較部14の比較結果に基づく制御装置12の指令に従って、結線動作モードを選択する部分である。例えば、加工対象物2の厚さが所定値よりも小さいときには、結線時に作動する複数の装置の動作を簡素化させる第1モードを選択し、加工対象物2の厚さが所定値よりも大きいときには、ワイヤ電極3を挿入孔2aに上記複数の装置の動作を順次行う第2モードを選択する。選択部15で選択された選択結果は、制御装置12に送られる。選択部15に記憶される所定値は、結線の成功率に影響するファクタの種類に従って、設定部13から入力され制御装置12を介して選択部15に適切な値が設定される。
【0041】
計数部16は、ワイヤ電極3の結線動作のリトライ回数を計数したり、送出モータ4gが出力するフィードバックパルス数を計数する部分である。計数部16は、これらの計数結果を制御装置12に伝達する。
【0042】
判定部17は、リトライ回数が所定回数を超えたか否かを判定する部分である。判定部17は、計数部16が計数したリトライ回数が判定基準値を超えたか否かを判定する。また、判定部17は、送出モータ4gが出力するフィードバックパルス数が判定基準値を超えたか否かを判定するとともに、テンション検出装置5が出力するテンション検出値が判定基準値を超えたか否かを判定する。判定部17は、これらの判定結果を制御装置12に伝達する。
【0043】
切替部18は、リトライ回数が所定回数を超えたときには、上述した第1モードから第2モードに切り替える部分である。切替部18は、判定部17の判定結果に基づく制御装置12からの指令に従って、第1モードから第2モードに結線動作モードを切り替え、制御装置12に結線動作モードの切替信号を送る。
【0044】
以上に示される各部分は、例えば、セレクタ、コンパレータ、カウンタなどの回路及びその組合せで構成されるが、中央処理装置である制御装置12に入力装置や記憶装置を組み合わせて、それら各部分の機能を集約して制御装置12に含ませることができ、実施の形態の構成に限らず適宜の変更が可能である。
【0045】
次に、この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置の動作を説明する。図2は、この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置の動作を説明するためのフローチャートである。ステップ(以下、Sとする)100において、自動結線動作が開始される。設定部13には、予め加工対象物2の厚さが設定されていて、制御装置12が適宜これらの情報を取得して比較部14に出力する。また、制御装置12は、予め設定部13から所定値Tを比較部14に出力して、比較部14の比較基準値を設定する。また、制御装置12は、いくつかの既述した判基準値を取得して、判部17に出力し、判部17の判基準値を設定しておく。
【0046】
このとき、自動結線動作前には、不要なワイヤ電極3が排出されている。制御装置12は、例えば、多数個加工時には、次の挿入孔にワイヤ電極3の先端部を挿入するために、ワイヤ電極3を切断装置6gに切断させるとともに、ワイヤ電極3を排出するために巻取りモータ10bを回転動作させる。その結果、ガイドパイプ6bの下端部と略一致する位置でワイヤ電極3が切断されるとともに、巻取りローラ10a及びピンチローラ10cが回転して、切断後のワイヤ電極3が回収装置11に排出される。一方、ワイヤ電極3の断線時には、ワイヤ電極3を排出するために巻取りモータ10bを制御装置12が回転動作させて、断線したワイヤ電極3が回収装置11に排出される。
【0047】
また、必要に応じて、ワイヤ電極3の先端部を切断してワイヤ電極の先端を整える、いわゆる先端処理が行なわれている。制御装置12は、例えば、ワイヤ電極3が加工中に断線したときには、ワイヤ電極3を所定位置まで巻き上げるために送出モータ4gを逆転動作させるとともに、ワイヤ電極3を切断装置6gに切断させて切断片を切断片排出装置6hに排出させる。
【0048】
S200において、カウンタがリセットn=0される。制御手段12が計数部16にカウンタリセットを指令すると、結線動作のリトライ回数を計数するカウント値が0にされる。
【0049】
S300において、上側ガイド7b,7cが開かれる。制御装置12が開閉機構部7dを開閉動作させると、通電体7a及び上側ガイド7cを開閉機構部7dがスライドして上側ガイド7b,7cが開く。
【0050】
S400において、制御装置12は、図示しないX軸駆動モータ及びY軸駆動モータを動作制御して、ワイヤ電極3の中心、上側ガイド装置7、下側ガイド装置8と、加工対象物2の挿入孔2aを位置決めして整列させる。その結果、ワイヤ電極3の中心軸線と挿入孔2aの中心とが一致する。
【0051】
S500において、加工対象物2の厚さtが所定値Tよりも小さいか否かが判断される。制御装置12が設定部13から予め設定されている加工対象物2の厚さtを取得して、比較部14へ出力する。比較部14は、加工対象物2の厚さtと所定値Tとを比較する。
【0052】
加工対象物2の厚さtが薄いときには、挿入孔2aの長さが短いために、ワイヤ電極3が挿入孔2a内で引っ掛かる可能性が低い。一方、加工対象物2の厚さtが厚いときには、挿入孔2aの長さが長いために、ワイヤ電極3が結線動作時に挿入孔2a内で引っ掛かる可能性が高くなる。この第1実施形態では、所定値Tを50mm〜100mm程度に設定することが好ましい。加工対象物2の厚さtが所定値Tよりも小さいときにはS600に進み、加工対象物2の厚さtが所定値Tよりも大きいときにはS700に進み、結線動作を開始する。
【0053】
図3は、この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置における第1モードの一例(以下、第1モード(A)という)の結線動作を示すフローチャートである。また、図4は、この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置における第1モード(A)の結線動作を説明するための図であり、図4(A)はガイドパイプが下降及び整列を開始した状態を示し、図4(B)はガイドパイプが上側ガイドまで下降した状態を示し、図4(C)は液体が噴射してワイヤ電極が高速で送り出される状態を示し、図4(D)は結線動作が成功した直後の状態を示す。
【0054】
第1実施形態に係る第1モード(A)は、ガイドパイプ6bを上側ガイド7b,7cの直前で停止させて、それから下側は、ジェット噴流でワイヤ電極を拘束して送り出すことで、従来の方法に比べて、結線時に作動する複数の装置の動作を減らし、また複数の装置が略同時に動作する工程を増やして、結線時に作動する複数の装置の動作を可能な限り簡素化し、好ましくはより高速にワイヤ電極3を送り出す方式である。その結果、ワイヤ電極3をより短時間で結線させることを可能にする。
【0055】
S600において、第1モード(A)が選択される。選択部15は、判定部17の判断結果に基づく制御装置12からの指令信号に従って、ガイドパイプ6bを上側ガイド7b,7cまで下降する動作と、ジェット噴流を噴射する動作と、ワイヤ電極3を送り出す動作とを略同時に進行する第1モード(A)を選択して、制御装置12に選択信号を送る。
【0056】
S1000において、ガイドパイプ6bが整列され、補助送出ローラ4kが閉じられ、ジェット噴流の供給が開始される。図1に示される装置のように、ワイヤ電極3をガイドパイプ6bで案内し、かつ上側ガイド装置7が片側の上側ガイド7cだけを移動させる装置の場合では、ガイドパイプ6bが下降したときに上側ガイド7bと干渉するために、ガイドパイプ6b自体がワイヤ電極の中心軸線から僅かにずれた位置に配置されている。そのため、この実施形態においては、ガイドパイプ6bの中心をワイヤ電極3の中心、すなわち挿入孔2aの中心と一致する位置に位置決めさせる。制御装置12は、図示しないU軸駆動モータ及びV軸駆動モータを動作制御するとともに開閉機構部4pを動作制御し、同時に噴流供給装置6fを起動する。
【0057】
また、S1000において、ガイドパイプ6bが下降を開始し、僅かの後にワイヤ電極3が送り出される。制御装置12は、昇降装置6eを動作制御するとともに、送出モータ4g及び補助送出モータ4mを回転動作させる。補助送出モータ4mは、ワイヤ電極3の送出し速度にあわせて回転する。その結果、図4(A)に示すように、自動結線装置6がパイプガイド6bの中心と挿入孔2aの中心が一致するように移動しながらガイドパイプ6bが下降するとともに、ワイヤ電極3がガイドパイプ6bから突出しないように送り出される。なお、ワイヤ電極3の送出し速度は、ワイヤ電極3をガイドパイプ6bに先行させないため、ガイドパイプ6bの加工速度よりも僅かに遅くなるように予め調整されている。
【0058】
S1100において、ガイドパイプ6bが上側ガイド7b,7cの直前で停止する。制御装置12は、図4(B)に示すように、ブローセンサ6iを通過して上側ガイド装置7内に進入したガイドパイプ6bを、上側ガイド7b,7cの真上で停止させる。このとき、噴流供給装置6fが噴射動作を開始してからガイドパイプ6bの下端部がジェット噴流を噴射するまでの間に、ガイドパイプ6bの下端部が上側ガイド7内に到達している。
【0059】
S1200において、ワイヤ電極3が高速に送り出される。制御装置12は、送出モータ4gと送出ローラ4mをより高速に回転するように切り替える。
【0060】
S1300において、ワイヤ電極3が加工対象物2の挿入孔2bを通過したどうかが判断される。制御装置12は、方向変換ローラ9aに到達するまでにワイヤ電極3が座屈したか否か、及びワイヤ電極3が方向変換ローラ9aに到達したか否かを判断(挿入成功判断)する。図4(C)に示すように、ワイヤ電極3が方向変換ローラ9aとスイングローラ9bとに挟持されてワイヤ電極3が挿入孔2aを通過したと判断されたときはS1400に進み、ワイヤ電極3が座屈したか方向変換ローラ9aに到達しないと判断されたときは、S1700に進む。
【0061】
制御装置12は、座屈検出器4q,6cが出力する座屈検出信号に基づいて、ワイヤ電極3が挿入孔2aに引っ掛かり挿通失敗と判断する。一方、比較部14は、テンション検出装置5が出力するテンション検出値と判定基準値とを比較して、スイングローラ9aがワイヤ電極3を引き込むことによるワイヤ電極3のテンションの変化を検出する。判定部17は、テンション検出値が判定基準値よりも大きいときには、スイングローラ9bにワイヤ電極3が到達して挿入が成功したと判断し、テンション検出値が判定基準値よりも小さいときには、スイングローラ9bにワイヤ電極3が到達せずに挿入失敗と判断する。または、計数部16は、送出モータ4gが出力するフィードバックパルス数をカウントする。比較部14は、ワイヤ電極3が送り出されてからスイングローラ9bに到達するまでの距離などに基づいて設定される判定基準値(カウントパルス数)と計数部16が計数したカウント値とを比較する。判定部17は、スイングローラ9bにワイヤ電極3が到達せずに挿入失敗と判断する。
【0062】
S1400において、ガイドパイプ6bが上昇する。制御装置12は、判定部17からの挿入成功の信号を受けたら、昇降装置6eを上昇動作させる。その結果、ガイドパイプ6bが上昇する。加工対象物2の厚さtが所定値Tより小さいときは、ワイヤ電極3の送出しに支障がないので、この時点で昇降装置6eを上昇動作させることができ、結線時間をより短縮できる。この間、制御装置12は、ワイヤ電極3をそのままの速度で継続して巻取りローラ10aまで送り出している。好ましくは、ワイヤ電極3の挿入が成功したと判断されたとき、制御装置12は、送出モータ4gをより高速に回転させて、ワイヤ電極3を挿入するまでの送り速度よりもさらに高速でワイヤ電極3を送り出す。より好ましくは、方向転換ローラ9aからスイングローラ9bまでの間のワイヤ電極3を排出装置10まで導く図示しない排出パイプ内のワイヤ電極3を高速流の流体で推進しながら案内する。
【0063】
S1500において、制御装置12は、ワイヤ電極3が巻取りローラ10aに到達したか否かを判断(結線成功判断)する。比較部14は、テンション検出値と判定基準値とを比較する。判定部17は、ワイヤ電極3を所定量送り出した後、あるいは所定時間経過後にテンション検出値が判定基準値よりも大きいときには、図4(D)に示すように、巻取りローラ10aにワイヤ電極3が到達してワイヤ電極3のテンションが増加するために結線成功と判断する。一方、判定部17は、テンション検出値が設定値よりも小さいときには、巻取りローラ10aにワイヤ電極3が到達せずに結線失敗と判断する。
【0064】
S1600において、ジェット噴流が停止されるとともに、補助送出ローラ6kが開く。制御装置12は、ガイドパイプ6b内に液体を噴射しないように噴流供給装置6fを停止させる。
【0065】
また、S1600において、ガイドパイプ6bと上側ガイド装置7が初期のオフセットされた位置に戻されるとともに、上側ガイド7b,7cが閉じる。制御装置12は、図示しないU軸及びV軸モータを動作制御して、ガイドパイプ6bをS1000で整列させる前の位置に戻す。同時に、制御装置12が開閉機構部7dに開閉動作させると、通電体7a及び上側ガイド7cが初期位置に復帰する。その結果、ワイヤ電極3に通電体7aが接触するとともに、上側ガイド7b,7cがワイヤ電極3をガイドする。
【0066】
S1300またはS1500において、ワイヤ電極3が座屈したか、ワイヤ電極3の挿入が失敗したか、またはワイヤ電極3の結線が失敗したと判断されたときは、再度自動結線を試みる。なお、以下に説明されるリトライの方法については、そのときの状況に応じて数多くの態様があり、この実施形態に限定される必要はない。
【0067】
S1700において、ジェット噴流が停止されるとともにワイヤ電極3の送り出しが停止される。制御装置12は、ガイドパイプ6b内にジェット噴流を噴射しないように噴流供給装置6fを停止させ、同時に送出ローラ4fを停止させてワイヤ電極3の送り出しを停止する。
【0068】
S1800において、補助ローラ4kが開かれる。制御装置12は、ピンチローラ4nと補助ローラ4kとが離間してワイヤ電極3をクランプ解除するように、開閉機構部4pを開閉動作させる。
【0069】
S1900において、ワイヤ電極3が巻き戻される。制御装置12は、送出ローラ4fが送り出した長さ分だけワイヤ電極3を巻き戻すように、エンコーダでカウントされた量だけ送出モータ4gを逆転動作させて、送出モータ4gを停止させる。
【0070】
S2000において、カウント値nがインクリメント(n=n+1)される。計数部16は、カウント値nを1つインクリメント(nを+1加算)して、結線動作のリトライ回数を計数する。
【0071】
S2100において、カウント値nが所定回数Nよりも小さいか否かが判定される。比較部14は、カウント値nと判定基準値(所定回数)Nとを比較し、カウント値nが所定回数Nよりも小さいときにはS600に進み、カウント値nが所定回数N以上であるときにはS700に進む。この動作は、第1モードで所定回数以上自動結線に失敗したときは、自動結線の成功する確率が比較的高い第2モードに切り替えてリトライするために実施されるものである。そのため、判基準値Nは、第1モード(A)の成功率に応じて1以上の値が設定される。したがって、機械の種類によって第1モード(A)の成功率が異なる場合は、その成功率に応じて判基準値Nが変更でき、自動結線にかかる時間を適宜短縮できる。
【0072】
再度ワイヤ電極3を結線させるために、S600またはS700に戻った場合は、図3に示されるフローチャートの中のいくつかのステップは、当然適宜省略されることに注意を要する。例えば、ガイドパイプ6bは、最初の自動結線後は、挿入孔2aに整列され上側ガイド7b,7cの手前まで下降している状態であるから、S1000におけるガイドパイプ6bの整列と下降の動作、及びS1100のガイドパイプ6bの停止の動作は省略される。
【0073】
図5は、この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置における第2モードの結線動作を説明するための図であり、図6(A)はガイドパイプが整列してクランプ装置が閉じた状態を示し、図6(B)はガイドパイプが下降してクランプ装置が開き液体が噴射した状態を示し、図6(C)はワイヤ電極が低速で送り出される状態を示し、図6(D)は結線動作が成功した直後の状態を示す。
【0074】
第1実施形態に係る第2モードは、第1モードによる結線動作では失敗する可能性が高い場合に、ガイドパイプ6bを上側ガイド7b,7cを超えて下側ガイド装置8に可能な限り近い位置まで下降させてワイヤ電極3をより確実に送り出す方式である。第2モードは、結線時に作動する複数の装置を、結線の成功率に影響のない動作を除き基本的に順番に動作させてワイヤ電極を確実に送り出す。
【0075】
S700において、第2モードが選択される。選択部15は、判定部17の判断結果に基づく制御装置12からの指令信号に従って、ガイドパイプ6bを整列する動作と、ワイヤ電極3をクランプする動作と、加工対象物2の直前又は下側ガイド装置8の直前までガイドパイプ6bを下降する動作と、液体を噴射する動作と、ワイヤ電極3を低速で送り出す動作とを順次進行させる第2モードを選択する。
【0076】
S3000において、ガイドパイプ6bが整列する。既述した通り、この実施形態では、制御装置12は、図6(A)に示すように、ガイドパイプ6bの中心軸線と挿入孔2aの中心とが一致するように、図示しないU軸駆動モータ及びV軸駆動モータを動作制御する。その結果、上側ガイド装置7とガイドパイプ6bが所定のオフセット量だけ移動して、ガイドパイプ6bが挿入孔2aの中心に一致するように位置決めされる。
【0077】
S3100において、クランプ装置6aが閉じるとともに、補助送出ローラ4kが閉じる。制御装置12は、クランプ装置6aにワイヤ電極3をクランプさせる。クランプ装置6aは、第2モード時には、上側ガイド7b,7cを超えて低い位置までガイドパイプ6bが下降するために、ジェット噴流の噴射時にワイヤ電極3がガイドパイプ6bから抜け出さないようにワイヤ電極3をクランプする必要がある。同時に、制御装置12は、補助送出ローラ4kとピンチローラ4nとを閉じる。
【0078】
S3200において、ジェット噴流が供給される。制御装置12が噴流供給装置6fを動作させて、ガイドパイプ6b内に噴流供給装置6fが液体の供給を開始する。
【0079】
S3300において、ガイドパイプ6bが下降するのと同時に、ワイヤ電極3が送り出される。制御装置12は、昇降装置6eを下降動作させるとともに送出モータ4g及び補助送出モータ4mを回転動作させる。その結果、クランプ装置6aがワイヤ電極3をクランプした状態で、ガイドパイプ6bが下降を開始するとともに、送出ローラ4f及び補助送出ローラ4kがガイドパイプ6bの下降速度と同じ速度でワイヤ電極3を送り出す。
【0080】
S3400において、加工対象物2の直前又は下側ガイド装置8の直前でガイドパイプ4bが停止する。制御装置12は、ガイドパイプ6bが挿入孔2aを通過できるときには、図6(B)に示すように、ガイドパイプ6bの下端部が下側ガイド装置8の真上(二点鎖線位置)まで下降するように昇降装置6eを動作制御する。一方、制御装置12は、ガイドパイプ6bが挿入孔2aを通過できないときには、図6(B)に示すように、ガイドパイプ6bの下端部が加工対象物2の真上(実線位置)まで下降するように昇降装置6eを動作制御する。ガイドパイプ6bは、このように下降可能な位置まで移動して、挿入孔2a及び下側ガイド8b,8cをワイヤ電極3が通過可能なようにワイヤ電極3をガイドする。制御装置12は、昇降装置6eを制御して所定の位置でガイドパイプ6bを停止させ、同時に送出モータ4gと補助送出モータ4mを制御してワイヤ電極3の送出しを停止する。
【0081】
S3500において、クランプ装置6aが開く。制御装置12は、ワイヤ電極3をクランプ解除するためにクランプ装置6aを開閉動作させる。
【0082】
S3600において、ワイヤ電極3が送り出される。制御装置12は、送出モータ4g及び補助送出モータ4mを継続して回転動作させる。その結果、図6(C)に示すように、送出ローラ4f及び補助送出ローラ4kが所定の回転速度で回転してワイヤ電極3を送り出し、図6(D)に示すように、巻取りローラ10a及びピンチローラ10bがワイヤ電極3を回収装置11に排出する。
【0083】
S3700において、ワイヤ電極3が加工対象物2の挿入孔2bを通過したどうかが判断される。また、S3800において、ワイヤ電極3が巻取りローラ10aに到達したか否かが判断される。その具体的な方法は、第1モード(A)と同じである。
【0084】
S3900において、ガイドパイプ6bが上昇する。制御装置12は、昇降装置6eを昇降動作する。
【0085】
S4000において、ジェット噴流が停止し、補助送出ローラ4kが開かれる。制御装置12は、昇降装置6eを昇降動作するとともに、開閉機構部4pを動作制御して補助送出ローラ4kとピンチローラ4nを離間させる。
【0086】
S4100において、ガイドパイプ6bが初期の位置に戻される。制御装置12は、図示しないU軸及びV軸モータを駆動して自動結線装置6及び上側ガイド装置7を移動させる。その結果、ガイドパイプ6bは、S3100で整列される以前の初期の位置に移動する。
【0087】
S4200において、上側ガイド7b,7cが閉じられる。制御装置12が開閉機構部7dに開閉動作させると、通電体7a及び上側ガイド7cが初期位置に復帰する。その結果、ワイヤ電極3に通電体7aが接触するとともに、上側ガイド7b,7cがワイヤ電極3をガイドする。
【0088】
S3700またはS3800において、ワイヤ電極3が座屈したか、ワイヤ電極3の挿入が失敗したか、またはワイヤ電極3の結線が失敗したと判断されたときは、再度自動結線を試みる。
【0089】
S4300において、ガイドパイプ6bが上昇する。制御装置12は、昇降装置6eを上昇動作させ、ガイドパイプ6bを上昇させる。
【0090】
S4400において、ジェット噴流が停止されるとともにワイヤ電極3の送り出しが停止される。制御装置12は、ガイドパイプ6b内にジェット噴流を噴射しないように噴流供給装置6fを停止させ、同時に送出ローラ4fを停止させてワイヤ電極3の送り出しを停止する。
【0091】
S4500において、補助ローラ4kが開かれる。制御装置12は、ピンチローラ4nと補助ローラ4kとが離間してワイヤ電極3をクランプ解除するように、開閉機構部4pを開閉動作させる。
【0092】
S4600において、ワイヤ電極3が巻き戻される。制御装置12は、送出ローラ4fが送り出した長さ分だけワイヤ電極3を巻き戻すように、送出モータ4gを逆転動作させて、ブローセンサ6iが出力する先端検出信号に基づいて、送出モータ4gを停止させる。ワイヤ電極3が巻き戻されたらS700へ戻る。
【0093】
S800において、自動結線動作が終了する。制御装置12は、放電加工動作に移行するときには、所定の送出速度及び所定のテンションで送出ローラ4f及び補助送出ローラ4kがワイヤ電極3を送り出すように、送出モータ4g及び補助送出モータ4mを動作制御する。一方、制御装置12は、放電加工動作に移行しないときには、送出モータ4g及び補助送出モータ4mを停止させる。
【0094】
この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、加工対象物2の厚さtが所定値Tよりも小さいときには、結線時間を重視し、パイプガイド6bを上側ガイド7b,7cの直前までしか下降させない第1モードが選択され、厚さtが所定値Tよりも大きいときには、結線の確実性を重視し、パイプガイド6bを上側ガイド7b,7cを超えて少なくとも挿入孔2aの開口まで下降させてワイヤ電極3をガイドパイプ6bで案内して挿入する第2モードが選択される。このために、ワイヤ電極3が挿入孔2a内で引っ掛かる可能性が低いときには、自動結線動作の成功率を低下させずにワイヤ電極3を短時間で送り出し、ワイヤ電極3が挿入孔2a内で引っ掛かる可能性が高いときには、確実にワイヤ電極を挿入するようにし、全体的に結線時間を短縮することができる。その結果、ワイヤカット放電加工の全工程の効率化を図ることができる。
【0095】
(2) この第1実施形態では、第1モード(A)が選択されたときに、少なくとも加工対象物2の上側でワイヤ電極3をガイドする上側ガイド7b,7cまでガイドパイプ6bを下降する動作と、ジェット噴流を噴射する動作と、ワイヤ電極3を高速で送り出す動作とが略同時に進行する。また、この第1実施形態では、上側ガイド7b,7cが開いた状態で結線を開始することができるので、ガイドパイプ6bの下降動作を上側ガイド7b,7cの開閉動作を待たずに開始することができる。また、ワイヤ電極3が挿通したときに、ワイヤ電極3の結線が完了するまでの間にパイプガイド6bの上昇を開始することもできる。このために、自動結線の動作をより短時間で完了することができる。
【0096】
(3) この第1実施形態では、ワイヤ電極3の結線動作のリトライ回数が所定回数を超えたときには、第1モードから第2モードに切り替るために、自動結線の成功率の低下を抑えることができ、全体的に結線時間を短縮することができる。その結果、ワイヤカット放電加工の全工程の効率化を図ることができる。
【0097】
(第2実施形態)
図7は、この発明の第2実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置の動作を説明するためのフローチャートである。図8は、この発明の第2実施形態に係る第1モードの一例(以下、第1モード(B)という)の動作を示すフローチャートである。図9は、この発明の第2実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置における第1モードの結線動作を説明するための図であり、図9(A)はガイドパイプが整列してクランプ装置がクランプした状態を示し、図9(B)はガイドパイプが下降してワイヤ電極が弛んだ状態を示し、図9(C)は液体が噴射してクランプ装置が開きワイヤ電極が推進した状態を示し、図9(D)は結線動作が成功した直後の状態を示す。以下では、図2、図3、図5に示すステップと同一のステップは、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0098】
第2実施形態に係る第1モード(B)は、予め弛ませておいたワイヤ電極3をジェット噴流に乗せて一気に挿通孔2aを通過させる方式である。その結果、ワイヤ電極3を送り出す速度は第2モードに対して高速である。一方、第1モード(B)は、結線時に作動する複数の装置が基本的に順番に動作する。また、ワイヤ電極3を挿入孔2aに向けて一気に送り出すので、ワイヤ電極3の直径に対して挿入孔2aの直径が比較的小さいときにも自動結線を成功させる確率が高い。したがって、第1実施形態にかかる第2モードとしても実施できる結線方法である。
【0099】
S900で加工対象物2の挿入孔2aの大きさDに対するワイヤ電極3の直径dの割合rと所定値Rとが比較される。例えば、20%よりも大きいと判断されたときは、S6000に進み、それ以外はS700に進む。この第2実施形態では、通常、割合rが40%〜50%前後を超えるような大きさに挿入孔2aが設計されないことを前提としていることに注意を要する。第1モード(B)は、ワイヤ電極3を一気に通過させる方法であるため、好ましくは、ワイヤ電極3が細く剛性がない場合に採用される。
【0100】
S6000において、第1モード(B)が選択される。選択部15は、判部17に基づく制御装置12の指令に従って、ワイヤ電極3をクランプする動作と、ワイヤ電極3を弛ませるために所定量だけ送り出す動作と、ジェット噴流を噴射する動作と、そのジェット噴流の噴射によってワイヤ電極3を推進させて挿入孔2aに挿入するためにクランプ解除する動作とを順次進行する第1モード(B)を選択する。
【0101】
S6100において、ガイドパイプ6bが整列する。図9(A)に示すように、この実施形態では、制御装置12が図示しないU軸駆動モータ及びV軸駆動モータを動作制御すると、上側ガイド装置7とガイドパイプ6bが所定のオフセット量だけ移動してガイドパイプ6bが挿入孔2aの中心に一致するように位置決めされる。
【0102】
S6200において、ジェット噴流が供給される。また、クランプ装置6a、及び補助送出ローラ4kが閉じられる。制御装置12が噴流供給装置6fを噴射動作させると、ガイドパイプ6bの下端部からジェット噴流が噴射する。また、制御装置12は、クランプ装置6aにワイヤ電極3をクランプさせるとともに、ピンチローラ4nと補助送出ローラ4kとを閉じてワイヤ電極3をクランプするように、開閉機構部4pを開閉動作させる。
【0103】
S6300において、ガイドパイプ6bが下降し、同時にワイヤ電極3が送り出される。制御装置12は、ガイドパイプ6bが上位に位置するときには昇降装置6eを下降動作させ、同時に送出ローラ4fと補助送出ローラ4kを回転させてワイヤ電極3を送り出す。
【0104】
S6400において、ガイドパイプ6bが所定位置で停止する。ガイドパイプ6bは、図9(B)に示すように、上側ガイド7b,7cの直前(実線位置)、加工対象物2の直前又は下側ガイド装置8の直前(二点鎖線位置)で停止する。
【0105】
S6500において、送出ローラ4fがワイヤ電極3を所定量だけ送り出す。制御装置12は、図9(B)に示すように、座屈検出器4qとクランプ装置6aとの間でワイヤ電極3が所定量だけ弛むように、送出モータ4mを回転動作させる。ここで、この所定量は、ワイヤ電極3が下流側に送られて真直になったときに、ワイヤ電極3の先端部が挿入孔2aを通過して下側ガイド8b,8cに到達する程度の長さである。
【0106】
S6600において、クランプ装置6aが開きワイヤ電極3が推進する。制御装置12は、ワイヤ電極3をクランプ解除するためにクランプ装置6aを開閉動作させる。その結果、図9(C)に示すように、ワイヤ電極3がジェット噴流の推進力を受けて噴流とともに推進し、ワイヤ電極3の先端部が挿入孔2aを一気に通過して下側ガイド8b,8cに瞬間的に高速で到達する。
【0107】
S6800において、制御装置12は、送出モータ4g及び補助送出モータ4mに回転動作させる。その結果、図9(D)に示すように、S6900以下のステップが行われて、方向変換ローラ9a及びスイングローラ9bが排出装置10に向けてワイヤ電極3を送り出し、巻取りローラ10a及びピンチローラ10bがワイヤ電極3を回収装置11に排出する。
【0108】
S6900において、ワイヤ電極3が加工対象物2の挿入孔2bを通過したどうかが判断される。また、S7000において、ワイヤ電極3が巻取りローラ10aに到達したか否かが判断される。その具体的な方法は、第1モード(A)と同じである。ワイヤ電極3の結線が成功したときは、図5における第2モードと同様に、S3900〜S4200を実施する。
【0109】
S6900またはS7000において、ワイヤ電極3が座屈したか、ワイヤ電極3の挿入が失敗したか、またはワイヤ電極3の結線が失敗したと判断されたときは、再度自動結線を試みる。図2で既述したS1700〜S2100を実施して、再度第1モード(B)を実施する。また、S2100において、リトライ回数nが所定値Nを超えたときは、第1モード(B)による結線の成功が期待できず結線の手法を変えるべきであるので、第2モードを実施する。
【0110】
この発明の第2実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置には、ワイヤ電極3を単に高速で送り出す利点に加えて、以下に記載するような効果がある。
【0111】
この第2実施形態では、例えば、ワイヤ電極の直径dに対して挿入孔2aの直径Dが小さいときに、自動結線を成功させる確率が高い自動結線方法を選択して実施するため、効率のよい自動結線が実施でき、全体の加工工程に対する自動結線にかかる時間を短縮することができる。また、ジェット噴流に乗せて一気に送り出すために、特に直径の比較的細いワイヤ電極3が挿入孔2aを通過しやすい。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、結線動作モードを選択するパラメータに加工対象物2の厚さまたは挿入孔2aの直径に対するワイヤ電極の直径の比率を例示しているが、その他の自動結線の成功率に影響するファクタを結線動作モードを選択するためのパラメータとすることができる。具体的には例えば、ワイヤ電極の直径、ワイヤ電極の材質、上側ワイヤガイドと下側ワイヤガイドとの間の距離などがある。
【0112】
ワイヤ電極3の直径は、0.1mm以下の曲げ剛性の低い細線や0.3mm以上の曲げ剛性の高過ぎる太線は、挿入孔で座屈しやすいことがわかっている。また、上側ガイド7b,7cと下側ガイド8b,8cとの間の上下ワイヤガイド間距離は、結線するためにワイヤ電極3を送り出す距離を表しており、この距離が長過ぎると挿入に失敗しやすいことがわかっている。
【0113】
(2) この実施形態では、加工対象物2の厚さやワイヤ電極3の直径などと結線動作モードとの関係や、自動結線可能な厚さと直径との関係などを予めテーブル化して記憶部に記憶させ、自動的に選択したり作業者に選択させてもよい。また、また、この実施形態では、第1モード時のワイヤ電極を送り出す速度を多段階に変化させてもよい。
【0114】
(3) この実施形態では、パイプ内を流れるジェット噴流によってワイヤ電極3を座屈させずに高速で送り出すパイプジェット方式が示されているが、ガイドパイプ6bを省略してジェット噴流のみを噴射するジェット方式を適用することもできる。また、この実施形態では、放電加工中や結線動作時に補助送出ローラ4kを開けてもよいし、結線動作をリトライする前にワイヤ電極3の先端部を切断してもよい。さらに、この実施形態では、第2モード時にリトライ回数が所定値を超えるときには、結線動作を次の挿入孔に移行させてもよいし、ワイヤ電極3の送出速度の変化で挿入動作を判断してもよい。
【0115】
(4) 第1実施形態の第1モード(A)と第2実施形態の第1モード(B)と第2モードとを適宜組み合わせて実施することができる。例えば、第1実施形態の第2モードを第2実施形態の第1モード(B)に置き換えて、最初の自動結線で第1モード(A)を選択して挿入または結線に失敗したときは第2モード(B)でリトライするように構成することができる。また、例えば、所定のパラメータで第1モード(A)と第2モードとを選択させ、結線に失敗したときは、第1モード(B)を選択してリトライするように構成することができる。その結果、第1モード(A)により結線時間を短縮することができるばかりでなく、万一第1モード(A)で失敗したときでも、第1モード(B)の作用により再結線の成功率を向上させて結線にかかる時間を短縮することができ、加工工程全体にかかる結線時間をより短くすることができる。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によると、第1モードは、噴流供給装置によりジェット噴流を噴出する動作およびガイドパイプを上側ガイド装置の直前まで下降させる動作を同時に進行させる動作と、ガイドパイプを下降させた後にワイヤ電極を挿入孔に高速で送出する動作と、送出されたワイヤ電極が挿入孔を通過した後であって、排出装置に到達する前にガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、第2モードは、ワイヤ電極をクランプ装置によりクランプする動作と、ワイヤ電極をクランプした後に噴流供給装置によりガイドパイプ内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、ジェット噴流の噴出を開始した後にガイドパイプを加工対象物の直前又は下側ガイド装置の直前まで下降させる動作と、ガイドパイプを下降させた後にワイヤ電極のクランプ状態を解除して該ワイヤ電極を挿入孔に第1モードに比べて低速で送出する動作と、送出されたワイヤ電極が挿入孔を通過し、かつ、排出装置に到達した場合にガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、加工対象物の厚さが所定値よりも小さいときに第1のモードを選択し、加工対象物の厚さが所定値よりも小さいとき以外のときに第2のモードを選択することにより、全体の加工工程として自動結線に要する時間をより短くすることができるという効果を奏する。
【0117】
また、この発明によると、第1モードは、ワイヤ電極をクランプ装置によりクランプする動作と、噴流供給装置によりガイドパイプ内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、ワイヤ電極をクランプし、かつ、ジェット噴流の噴出を開始した後にガイドパイプを上側ガイド装置の直前、加工対象物の直前又は下側ガイド装置の直前まで下降させる動作と、ガイドパイプを下降させた後にワイヤ電極供給装置とクランプ装置との間でワイヤ電極を所定量弛ませる動作と、ワイヤ電極を所定量弛ませた後にワイヤ電極のクランプ状態を解除してジェット噴流の推進力によりワイヤ電極を挿入孔に送出する動作と、挿入孔に送出されたワイヤ電極が挿入孔を通過し、かつ、排出装置に到達した場合にガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、第2モードは、ワイヤ電極をクランプ装置によりクランプする動作と、ワイヤ電極をクランプした後に噴流供給装置によりガイドパイプ内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、ジェット噴流の噴出を開始した後にガイドパイプを加工対象物の直前又は下側ガイド装置の直前まで下降させる動作と、ガイドパイプを下降させた後にワイヤ電極のクランプ状態を解除して該ワイヤ電極を挿入孔に第1モードに比べて低速で送出する動作と、挿入孔に送出されたワイヤ電極が挿入孔を通過し、かつ、排出装置に到達した場合にガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、加工対象物の挿入孔の直径に対するワイヤ電極の直径の割合が所定値よりも大きいときに第1のモードを選択し、加工対象物の挿入孔の直径に対するワイヤ電極の直径の割合が所定値よりも大きいとき以外のときに第2のモードを選択することにより、全体の加工工程として自動結線に要する時間をより短くすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置を備えるワイヤカット放電加工装置の構成図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置の第1モード(A)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置における第1モード(A)の結線動作を説明するための図であり、(A)はガイドパイプが下降及び整列を開始した状態を示し、(B)はガイドパイプが上側ガイドまで下降した状態を示し、(C)は液体が噴射してワイヤ電極が高速で送り出される状態を示し、(D)は結線動作が成功した直後の状態を示す。
【図5】この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置の第2モードの動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】この発明の第1実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置における第2モードの結線動作を説明するための図であり、(A)はガイドパイプが整列してクランプ装置が閉じた状態を示し、(B)はガイドパイプが下降してクランプ装置が開き液体が噴射した状態を示し、(C)はワイヤ電極が低速で送り出される状態を示し、(D)は結線動作が成功した直後の状態を示す。
【図7】この発明の第2実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明の第2実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置の第1モード(B)の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】この発明の第2実施形態に係るワイヤ電極の自動結線装置における第1モード(B)の結線動作を説明するための図であり、(A)はガイドパイプが整列してクランプ装置がクランプした状態を示し、(B)はガイドパイプが下降してワイヤ電極が弛んだ状態を示し、(C)は液体が噴射してクランプ装置が開きワイヤ電極が推進した状態を示し、(D)は結線動作が成功した直後の状態を示す。
【符号の説明】
1 ワイヤカット放電加工装置
2 加工対象物
2a 挿入孔
3 ワイヤ電極
4 ワイヤ電極供給装置
4f 送出ローラ
4g 送出モータ
4k 補助送出ローラ
4m 補助送出モータ
5 テンション検出装置
6 自動結線装置
6a クランプ装置
6b ガイドパイプ
6e 昇降装置
6f 噴流供給装置
7 上側ガイド装置
7b,7c 上側ガイド
8 下側ガイド装置
9 下側送出装置
10 排出装置
11 回収装置
12 制御装置
13 設定部
14 比較部
15 選択部
16 計数部
17 判定部
18 切替部

Claims (6)

  1. ワイヤボビンに巻き回されたワイヤ電極を繰り出して下流に供給するワイヤ電極供給装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極を加工対象物の上側でガイドする上側ガイド装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極を加工対象物の下側でガイドする下側ガイド装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置と前記上側ガイド装置との間に設けられるとともに、前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極をクランプするクランプ装置、前記ワイヤ電極をガイドする昇降動作可能に構成されたガイドパイプ、および前記ガイドパイプ内にジェット噴流を噴出する噴流供給装置を備え、前記噴流供給装置によりジェット噴流を噴出しながら前記ガイドパイプにより前記ワイヤ電極をガイドし該ワイヤ電極を加工対象物に形成された挿入孔に挿入して結線する自動結線装置と、
    前記自動結線装置により前記挿入孔に挿入されたワイヤ電極を巻取って回収装置に排出する排出装置と、
    を備えるワイヤカット放電加工装置において、
    前記加工対象物の厚さと所定値とを比較する比較手段と、
    結線動作モードとして、前記加工対象物の厚さが前記所定値よりも小さいときに第1のモードを選択し、前記加工対象物の厚さが前記所定値よりも小さいとき以外のときに第2のモードを選択する選択手段と、を含み、
    前記第1モードは、前記噴流供給装置によりジェット噴流を噴出する動作および前記ガイドパイプを前記上側ガイド装置の直前まで下降させる動作を同時に進行させる動作と、前記ガイドパイプを下降させた後に前記ワイヤ電極を前記挿入孔に高速で送出する動作と、前記送出されたワイヤ電極が前記挿入孔を通過した後であって、前記排出装置に到達する前に前記ガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、
    前記第2モードは、前記ワイヤ電極を前記クランプ装置によりクランプする動作と、前記ワイヤ電極をクランプした後に前記噴流供給装置により前記ガイドパイプ内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプを前記加工対象物の直前又は前記下側ガイド装置の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプを下降させた後に前記ワイヤ電極のクランプ状態を解除して該ワイヤ電極を前記挿入孔に前記第1モードに比べて低速で送出する動作と、前記送出されたワイヤ電極が前記挿入孔を通過し、かつ、前記排出装置に到達した場合に前記ガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとすることを特徴とするワイヤカット放電加工装置。
  2. ワイヤボビンに巻き回されたワイヤ電極を繰り出して下流に供給するワイヤ電極供給装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極を加工対象物の上側でガイドする上側ガイド装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極を加工対象物の下側でガイドする下側ガイド装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置と前記上側ガイド装置との間に設けられるとともに、前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極をクランプするクランプ装置、前記ワイヤ電極をガイドする昇降動作可能に構成されたガイドパイプ、および前記ガイドパイプ内にジェット噴流を噴出する噴流供給装置を備え、前記噴流供給装置によりジェット噴流を噴出しながら前記ガイドパイプにより前記ワイヤ電極をガイドし該ワイヤ電極を加工対象物に形成された挿入孔に挿入して結線する自動結線装置と、
    前記自動結線装置により前記挿入孔に挿入されたワイヤ電極を引き取って回収装置に排出する排出装置と、
    を備えるワイヤカット放電加工装置において、
    前記加工対象物の挿入孔の直径に対する前記ワイヤ電極の直径の割合と所定値とを比較する比較手段と、
    結線動作モードとして、前記割合が前記所定値よりも大きいときに第1のモードを選択し、前記割合が前記所定値よりも大きいとき以外のときに第2のモードを選択する選択手段と、を含み、
    前記第1モードは、前記ワイヤ電極を前記クランプ装置によりクランプする動作と、前記噴流供給装置により前記ガイドパイプ内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ワイヤ電極をクランプし、かつ、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプを前記上側ガイド装置の直前、前記加工対象物の直前又は前記下側ガイド装置の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプを下降させた後に前記ワイヤ電極供給装置と前記クランプ装置との間で前記ワイヤ電極を所定量弛ませる動作と、前記ワイヤ電極を所定量弛ませた後に前記ワイヤ電極のクランプ状態を解除してジェット噴流の推進力により前記ワイヤ電極を前記挿入孔に送出する動作と、前記挿入孔に送出されたワイヤ電極が前記挿入孔を通過し、かつ、前記排出装置に到達した場合に前記ガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、
    前記第2モードは、前記ワイヤ電極を前記クランプ装置によりクランプする動作と、前記ワイヤ電極をクランプした後に前記噴流供給装置により前記ガイドパイプ内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプを前記加工対象物の直前又は前記下側ガイド装置の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプを下降させた後に前記ワイヤ電極のクランプ状態を解除して該ワイヤ電極を前記挿入孔に前記第1モードに比べて低速で送出する動作と、前記挿入孔に送出されたワイヤ電極が前記挿入孔を通過し、かつ、前記排出装置に到達した場合に前記ガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとすることを特徴とするワイヤカット放電加工装置。
  3. 前記ワイヤ電極の結線動作のリトライ回数を計数する計数手段と、前記リトライ回数が所定回数を超えたか否かを判定する判定手段と、前記リトライ回数が所定回数を超えたときには、前記第1モードから前記第2モードに切り替える切替手段と、を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワイヤカット放電加工装置。
  4. ワイヤボビンに巻き回されたワイヤ電極を繰り出して下流に供給するワイヤ電極供給装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極を加工対象物の上側でガイドする上側ガイド装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極を加工対象物の下側でガイドする下側ガイド装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置と前記上側ガイド装置との間に設けられるとともに、前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極をクランプするクランプ装置、前記ワイヤ電極をガイドする昇降動作可能に構成されたガイドパイプ、および前記ガイドパイプ内にジェット噴流を噴出する噴流供給装置を備え、前記噴流供給装置によりジェット噴流を噴出しながら前記ガイドパイプにより前記ワイヤ電極をガイドし該ワイヤ電極を加工対象物に形成された挿入孔に挿入して結線する自動結線装置と、
    前記自動結線装置により前記挿入孔に挿入されたワイヤ電極を巻取って回収装置に排出する排出装置と、
    を備えるワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法において、
    前記加工対象物の厚さと所定値とを比較する比較手順と、
    結線動作モードとして、前記加工対象物の厚さが前記所定値よりも小さいときに第1のモードを選択し、前記加工対象物の厚さが前記所定値よりも小さいとき以外のときに第2のモードを選択する選択手順と、を含み、
    前記第1モードは、前記噴流供給装置によりジェット噴流を噴出する動作および前記ガイドパイプを前記上側ガイド装置の直前まで下降させる動作を同時に進行させる動作と、前記ガイドパイプを下降させた後に前記ワイヤ電極を前記挿入孔に高速で送出する動作と、前記送出されたワイヤ電極が前記挿入孔を通過した後であって、前記排出装置に到達する前に前記ガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、
    前記第2モードは、前記ワイヤ電極を前記クランプ装置によりクランプする動作と、前記ワイヤ電極をクランプした後に前記噴流供給装置により前記ガイドパイプ内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプを前記加工対象物の直前又は前記下側ガイド装置の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプを下降させた後に前記ワイヤ電極のクランプ状態を解除して該ワイヤ電極を前記挿入孔に前記第1モードに比べて低速で送出する動作と、前記送出されたワイヤ電極が前記挿入孔を通過し、かつ、前記排出装置に到達した場合に前記ガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとすることを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法。
  5. ワイヤボビンに巻き回されたワイヤ電極を繰り出して下流に供給するワイヤ電極供給装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極を加工対象物の上側でガイドする上側ガイド装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極を加工対象物の下側でガイドする下側ガイド装置と、
    前記ワイヤ電極供給装置と前記上側ガイド装置との間に設けられるとともに、前記ワイヤ電極供給装置により供給されたワイヤ電極をクランプするクランプ装置、前記ワイヤ電極をガイドする昇降動作可能に構成されたガイドパイプ、および前記ガイドパイプ内にジェット噴流を噴出する噴流供給装置を備え、前記噴流供給装置によりジェット噴流を噴出しながら前記ガイドパイプにより前記ワイヤ電極をガイドし該ワイヤ電極を加工対象物に形成された挿入孔に挿入して結線する自動結線装置と、
    前記自動結線装置により前記挿入孔に挿入されたワイヤ電極を引き取って回収装置に排出する排出装置と、
    を備えるワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法において、
    前記加工対象物の挿入孔の直径に対する前記ワイヤ電極の直径の割合と所定値とを比較する比較手順と、
    結線動作モードとして、前記割合が前記所定値よりも大きいときに第1のモードを選択し、前記割合が前記所定値よりも大きいとき以外のときに第2のモードを選択する選択手順と、を含み、
    前記第1モードは、前記ワイヤ電極を前記クランプ装置によりクランプする動作と、前記噴流供給装置により前記ガイドパイプ内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ワイヤ電極をクランプし、かつ、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプを前記上側ガイド装置の直前、前記加工対象物の直前又は前記下側ガイド装置の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプを下降させた後に前記ワイヤ電極供給装置と前記クランプ装置との間で前記ワイヤ電極を所定量弛ませる動作と、前記ワイヤ電極を所定量弛ませた後に前記ワイヤ電極のクランプ状態を解除してジェット噴流の推進力により前記ワイヤ電極を前記挿入孔に送出する動作と、前記挿入孔に送出されたワイヤ電極が前記挿入孔を通過し、かつ、前記排出装置に到達した場合に前記ガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとし、
    前記第2モードは、前記ワイヤ電極を前記クランプ装置によりクランプする動作と、前記ワイヤ電極をクランプした後に前記噴流供給装置により前記ガイドパイプ内へのジェット噴流の噴出を開始する動作と、前記ジェット噴流の噴出を開始した後に前記ガイドパイプを前記加工対象物の直前又は前記下側ガイド装置の直前まで下降させる動作と、前記ガイドパイプを下降させた後に前記ワイヤ電極のクランプ状態を解除して該ワイヤ電極を前記挿入孔に前記第1モードに比べて低速で送出する動作と、前記挿入孔に送出されたワイヤ電極が前記挿入孔を通過し、かつ、前記排出装置に到達した場合に前記ガイドパイプを上昇させる動作と、を行う結線動作モードとすることを特徴とするワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法。
  6. 前記ワイヤ電極の結線動作のリトライ回数を計数する計数手順と、前記リトライ回数が所定回数を超えたか否かを判定する判定手順と、前記リトライ回数が所定回数を超えたときには、前記第1モードから前記第2モードに切り替える切替手順と、を含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のワイヤカット放電加工装置におけるワイヤ電極の自動結線方法。
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