JP3725220B2 - ワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極挿通方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤカット放電加工装置に於て、被加工物にワイヤ電極を挿通して所定の走行経路にワイヤ電極を自動的に装架する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
供給リールから繰り出された細線状のワイヤ電極を捕捉回収機構に到る所定の走行経路に装架し、所定の張力と速度をもって軸方向に走行移動するワイヤ電極を被加工物の両側に設けた一対の位置決めガイドにより被加工物が固定載置されるX−Y平面と直交するZ軸方向に位置決めし、相対向するワイヤ電極と被加工物間の加工間隙に加工液を供給した状態で、両者間に間歇的に電圧パルスを印加して繰返し放電を発生させると共にX−Y平面上の相対的な加工送りを与えて所望輪郭形状の加工を行なうワイヤカット放電加工装置に於て、加工開始時又はワイヤ電極断線時にワイヤ電極を走行経路に装架あるいは再装架する際、被加工物に形成した加工開始孔あるいは既加工済の加工溝にワイヤ電極を挿通する必要があるが、加工溝はワイヤ電極の径に数10μm加えた程度の幅であるからワイヤ電極の挿通が困難であることは言うまでもなく、又、加工開始孔も加工輪郭形状による制約や孔形成の加工時間節減から通常1mmφ程度であって1mmφ以下の場合も少なくなく、このような小径の孔に通常0.05〜0.5mmφ程度の径のワイヤ電極を自動的に挿通することは、ワイヤ電極にリールに巻かれていたことによる巻き癖や製造過程に生じた歪みが存在し、ワイヤ電極が必ずしも真っ直ぐに送り出されていかないことからなかなか難しく、特にワイヤ電極が極細の場合、剛性が低く真直性の保持が困難なことから自動挿通が難しかった。このため従来から、例えば特開平2−311221号公報、特開平4−141322号公報及び特開平2−116424号公報に記載されるような、ワイヤ電極の挿通予定経路と同軸状に加工液を高速で噴流させ、このジェット流中にワイヤ電極を拘束することによりワイヤ電極の真直性を保持して被加工物へのワイヤ電極の挿通を図り、ワイヤ電極が被加工物の上面に接触して該挿通に失敗したときにはワイヤ電極と被加工物の接触状態を自動的に解消してワイヤ電極を被加工物に挿通するようにした方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平2−311221号公報、及び特開平4−141322号公報に記載される方法は、ジェット流噴出状態でワイヤ電極を被加工物に向けてローラにより押圧挟持して送り出し、ワイヤ電極が被加工物に接触したときこれを検出し、該検出信号によりワイヤ電極に僅かな撓みを与えた状態でワイヤ電極の送給を停止し、ワイヤ電極と被加工物を相対移動させてワイヤ電極の先端を被加工物の加工開始孔又は加工溝内に挿通させ、接触が解消した信号により相対移動を停止し、ワイヤ電極の送給を再開してワイヤ電極を被加工物に挿通する方法である。そして、この従来方法では、ワイヤ電極と被加工物との電気的な接触検出信号によってワイヤ電極の挿通失敗(挿通不能状態の現出)を判別しており、一方、前記後者の公報にも記載されている通りワイヤ電極の先端は必ずしもジェット流の中心に位置しておらず、又、ワイヤ電極はジェット流により先端に振れを生じた状態で進行することになるため、特に小径の加工開始孔や加工溝に挿通するときは、該孔等の入口から内部への進入に成功してもワイヤ電極先端が該孔等の内側面に一時的に接触したりあるいは内側面に摺接しながら進行する場合も多々あり、この従来方法によれば、このような挿通可能な場合にも挿通失敗を判別してしまうことになり、挿通の失敗を的確に判別することができない。又、この従来方法では、挿通の失敗を正しく検知した場合でも、ワイヤ電極が僅かに撓んでその先端を被加工物の上面に突き当てた状態で接触の有無が検出されているため、ワイヤ電極と被加工物を相対移動させたときにワイヤ電極の先端が微小な凹凸によりジャンプした場合にも非接触信号が出力されてしまう如く接触検知が不安定であり、又、相対移動によりワイヤ電極の先端が加工開始孔等の中に撓み分である僅かな長さ進入した場合にもワイヤ電極先端部の曲り性状によっては接触状態が解消するとも限らず、挿通不能状態の解消を的確に検知することができない。又更に、加工開始孔等の中に進入し非接触状態が検出されてワイヤ電極の送給が再開されても、ローラの回転による送り出しではワイヤ電極の先端が加工開始孔等の内側面に僅かに引っ掛かった場合にもそこで進行不能状態となり挿通できなくなる虞が大きい。
【0004】
又、前記特開平2−116424号公報には、パイプガイドを被加工物上面に近接して加工開始孔と同軸状に配置し、ローラにより押圧挟持されて送り出されたワイヤ電極を該パイプガイドにより案内し、ワイヤ電極の先端が被加工物の上面や加工開始孔の内側面に引っ掛かって進行できなくなった場合、送り出しが続くことによりワイヤ電極に生じる弛みをパイプガイドの上方に設けた座屈センサにより検出し、該検出信号によりローラを逆回転させてワイヤ電極をローラ上部で弛ませ、ローラによる押圧挟持を解除してワイヤ電極を自由状態とし、パイプガイド内に加工液を供給して加工開始孔に向けて排出することにより、自由状態のワイヤ電極先端を加工液の流れと共に下降させパイプガイド先端から噴出するジェット流により拘束した状態で加工開始孔を挿通させる方法が記載されている。この従来方法によれば、挿通の失敗がワイヤ電極と被加工物との接触ではなくワイヤ電極と座屈センサとの接触によりワイヤ電極に十分な弛みが生じた状態で検知されるから、挿通不能状態の現出(挿通失敗)及び該状態の解消の判別を誤ることがない。又、十分に弛んで自由状態にあるワイヤ電極がジェット流によりローラの回転速度に比して極めて早い速度で射出される態様であるから、ワイヤ電極の先端が前記孔の中に一旦進入すれば内側面で多少の引っ掛かりが生じたとしてもそこで進行を阻止されることがなく、前記孔の出口まで勢い良く一気に進行する。しかし、ワイヤ電極先端が前記孔の中に進入すれば良いが、パイプガイドと加工開始孔との位置関係等の条件が同じではワイヤ電極先端が被加工物上面に同じように引っ掛かる可能性が大きく、挿通成功の確率を十分に高めることができない。
又、上述したいずれの従来技術によっても、供給リールから捕捉回収機構に到る所定の走行経路に所期の状態でワイヤ電極を自動的に装架することはできない。
【0005】
このような従来方法の有する問題点に鑑み、本発明は、ワイヤ電極の被加工物への挿通不能状態の現出及び該状態の解消を誤りなく的確に判別検知することができると共に、挿通不能状態が現出したときに、自動的に該状態を解消しワイヤ電極を被加工物に挿通させて所定の走行経路に確率高く所期の状態で装架させることのできる方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の第一発明は、X−Y平面上に固定載置された被加工物の両側に一対の位置決めガイドを設け、前記一対の位置決めガイドによりX−Y平面と直交するZ軸方向に位置決めされ被加工物に挿通した状態で供給リールから捕捉回収機構に到る所定の走行経路上に装架された細線状のワイヤ電極を所定の張力と速度をもって軸方向に走行移動させ、ワイヤ電極と被加工物間の加工間隙に加工液を供給した状態で、両者間に間歇的に電圧パルスを印加して繰返し放電を発生させると共にX−Y平面上の相対的な加工送りを与えて所望輪郭形状の加工を行なうワイヤカット放電加工装置であって、両端にワイヤ電極の入口端と出口端を有する筒状体で前記一対の位置決めガイドと同軸状に且つZ軸方向に移動可能に配置され前記入口端近傍から加圧流体が供給されて前記出口端からジェット流を噴出するパイプ状ワイヤ電極案内体と、該ワイヤ電極案内体の入口端側に設けられワイヤ電極を押圧挟持して軸方向に送るローラ装置と、前記ワイヤ電極案内体の入口端と前記ローラ装置との間に設けられワイヤ電極の座屈を検知する座屈センサと、前記走行経路上のワイヤ電極の緊張状態を検知するワイヤ断線検出装置と所定位置でワイヤ電極を切断する切断装置とを備えたワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極の挿通方法に於て、
(a) 前記切断装置により所定位置でワイヤ電極を切断した後、前記出口端が被加工物に近接する位置まで前記ワイヤ電極案内体をZ軸方向に移動してから、前記ローラ装置を閉鎖状態としてワイヤ電極を押圧挟持すると共に前記ワイヤ電極案内体へ加圧流体を供給して該案内体の出口端からジェット流を噴出させ、
(b) 前記ローラ装置を正回転させてワイヤ電極を前記ワイヤ電極案内体に向けて送出し、
(c) ワイヤ電極先端が被加工物の加工開始孔を通過する長さ送出した後、ワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(d) 前記(c) 項でワイヤ電極の座屈が検知されないときは、ワイヤ電極先端がワイヤ電極捕捉回収機構に到るまでの長さ更に送出しながらワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(e) 前記(c) 項でワイヤ電極の座屈が検知されたときは、前記ローラ装置を停止し、
(f) 予め設定したX−Y平面上の所定パターンの相対移動を前記ワイヤ電極案内体と被加工物間に与えながら座屈検知の解消を判別し、
(g) 前記(f) 項で前記所定パターンの相対移動終了まで座屈検知が解消しないときは、前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返し、
(h) 前記(f) 項で座屈検知の解消が判別されたときは、前記所定パターンの相対移動開始位置に戻した後、前記ローラ装置を正回転させてワイヤ電極先端がワイヤ電極捕捉回収機構に到るまでの長さ更に送出しながらワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(i) 前記(d) 項又は(h) 項でワイヤ電極の座屈が検知されないときは、前記ローラ装置を開放状態としてから停止した後、ワイヤ電極の前記走行経路上の装架状態を前記ワイヤ断線検出装置により判別し、
(j) 前記(i) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されたときは、挿通成功を判定し、
(k) 前記(d) 項又は(h) 項でワイヤ電極の座屈が検知されたとき、又は前記(g) 項で前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返しても座屈検知が解消しないとき、又は前記(i) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されないときは、前記ローラ装置を逆回転させてワイヤ電極を巻上げた後、前記(b) 項以降の操作を設定回数繰返し、該設定回数繰返しても挿通成功が判定されないとき挿通失敗を判定する、ことを特徴とする。
【0007】
又、本発明の第二発明は、第一発明に於ける前記(e) 項の操作手順に続いて、
(f) ジェット流を停止してから、予め設定したX−Y平面上の所定パターンの次のポイントへ前記ワイヤ電極案内体と被加工物とを相対移動させた後、ジェット流を噴出して座屈検知の解消を判別し、
(g) 前記(f) 項で座屈検知の解消が判別されないときは、前記所定パターンの相対移動が終了するまで前記(f) 項の操作を繰返し、
(h) 前記(g) 項で前記所定パターンの相対移動終了まで座屈検知が解消しないときは、前記(f) 項及び(g) 項による前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返し、
(i) 前記(f) 項で座屈検知の解消が判別されたときは、前記相対移動開始ポイントに戻した後、前記ローラ装置を正回転させてワイヤ電極先端がワイヤ電極捕捉回収機構に到るまでの長さ更に送出しながらワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(j) 前記(d) 項又は(i) 項でワイヤ電極の座屈が検知されないときは、前記ローラ装置を開放状態としてから停止した後、ワイヤ電極の前記走行経路上の装架状態を前記ワイヤ断線検出装置により判別し、
(k) 前記(j) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されたときは、挿通成功を判定し、
(l) 前記(d) 項又は(i) 項でワイヤ電極の座屈が検知されたとき、又は前記(h) 項で前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返しても座屈検知が解消しないとき、又は前記(j) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されないときは、前記ローラ装置を逆回転させてワイヤ電極を巻上げた後、前記(b) 項以降の操作を設定回数繰返し、該設定回数繰返しても挿通成功が判定されないとき挿通失敗を判定する、ことを特徴とする。
【0008】
又、本発明の第三発明は、第一発明に於ける前記(e) 項の操作手順に続いて、
(f) 前記ローラ装置を逆回転させてワイヤ電極先端が前記ワイヤ電極案内体内に位置するまでワイヤ電極を巻上げてから、予め設定したX−Y平面上の所定パターンの次のポイントへ前記ワイヤ電極案内体と被加工物とを相対移動させた後、前記ローラ装置を開放状態として座屈検知の解消を判別し、
(g) 前記(f) 項で座屈検知の解消が判別されないときは、前記所定パターンの相対移動が終了するまで前記(f) 項の操作を繰返し、
(h) 前記(g) 項で前記所定パターンの相対移動終了まで座屈検知が解消しないときは、前記(f) 項及び(g) 項による前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返し、
(i) 前記(f) 項で座屈検知の解消が判別されたときは、前記相対移動開始ポイントに戻した後、前記ローラ装置を正回転させてワイヤ電極先端がワイヤ電極捕捉回収機構に到るまでの長さ更に送出しながらワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(j) 前記(d) 項又は(i) 項でワイヤ電極の座屈が検知されないときは、前記ローラ装置を開放状態としてから停止した後、ワイヤ電極の前記走行経路上の装架状態を前記ワイヤ断線検出装置により判別し、
(k) 前記(j) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されたときは、挿通成功を判定し、
(l) 前記(d) 項又は(i) 項でワイヤ電極の座屈が検知されたとき、又は前記(h) 項で前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返しても座屈検知が解消しないとき、又は前記(j) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されないときは、前記ローラ装置を逆回転させてワイヤ電極を巻上げた後、前記(b) 項以降の操作を設定回数繰返し、該設定回数繰返しても挿通成功が判定されないとき挿通失敗を判定する、ことを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明では、ワイヤ電極に弛みが生じて座屈センサに接触することによって挿通不能状態の現出が判別され、又、挿通不能状態の解消はワイヤ電極と座屈センサの接触状態が解消したことによって判別される。従って、本発明では挿通不能状態の現出及び該状態の解消がワイヤ電極と被加工物との接触・非接触の状態変化に関わりなく判別される。又、本発明では、挿通不能判別後のワイヤ電極の被加工物への挿通が、ワイヤ電極を押圧挟持するローラの回転ではなく、十分に弛んだ状態のワイヤ電極をパイプ状のワイヤ電極案内体から噴出するジェット流により射出することによって行なわれる。又、ローラ装置によりワイヤ電極先端が被加工物を通過して加工開始孔や加工溝の出口側まで到達する長さのワイヤ電極が送り込まれてから座屈センサによるワイヤ電極の弛み(座屈)の有無の判別が行なわれるから、挿通可能状態となってワイヤ電極がジェット流により射出されたときワイヤ電極は被加工物の加工開始孔等の出口側まで一気に貫通する。又、パイプ状のワイヤ電極案内体は、ワイヤ電極を被加工物上面近くまで挿通予定経路に沿って拘束し案内する作用をなす。又、挿通不能判別後、該不能状態の解消が前記ワイヤ電極案内体と被加工物とを所定パターンで相対移動させて両者の位置関係を変化させることによって図られ、この所定パターンの相対移動(サーチ動作と言う)が終了しても座屈検知が解消しないときは、予め設定した所定回数だけサーチ動作が繰返し行なわせ、更に、サーチ動作を設定回数繰返しても座屈検知が解消しないときは、ワイヤ電極を一旦巻上げて、初期の段階からの挿通操作(トライ動作と言う)を再度行なわせ、このトライ動作を予め設定した所定回数繰返し行なわせることにより、最高でサーチ動作の設定回数とトライ動作の設定回数を掛合わせた回数のサーチ動作が行なわれることになり、ワイヤ電極の被加工物への挿通成功の確率が高められる。又、ワイヤ電極先端が捕捉回収機構に到達する長さのワイヤ電極が送り込まれたら、ワイヤ断線検出装置(断線検出リミットスイッチ)によってワイヤ電極の緊張状態が判別されるから、最終的にワイヤ電極が所定の走行経路に適正に装架されているか否かが的確に判定される。又、被加工物貫通後捕捉回収機構に到達するまでの間に座屈が検知されたとき、あるいは断線検出リミットスイッチによってワイヤ電極が適正な張力で装架されていないことが判別されたときは、トライ動作が設定回数まで繰返して行なわれるから、予定走行経路にワイヤ電極を所期の適正状態で装架できる確率が向上する。
【0010】
又、本発明の第一発明では、挿通不能判別後、ジェット流を噴出させたまま、ワイヤ電極先端が被加工物の上面に当接している状態あるいは加工開始孔等の内側面に引っ掛かっている状態で前記ワイヤ電極案内体と被加工物とを所定パターンで相対移動させることにより該引っ掛かり状態の解消が図られ、ワイヤ電極先端の当接あるいは引っ掛かりが解消されたとき、自由状態となったワイヤ電極がジェット流により射出されて被加工物を貫通する。
【0011】
又、本発明の第二発明では、挿通不能判別後、ジェット流の噴出を停止して、ワイヤ電極先端が被加工物の上面に当接している状態あるいは加工開始孔等の内側面に引っ掛かっている状態で前記ワイヤ電極案内体と被加工物とを所定パターン内の次のポイントへ相対移動させ、該ポイントでジェット流を噴出することを繰返すことにより該引っ掛かり状態の解消が図られ、ワイヤ電極先端の当接あるいは引っ掛かりが解消されたとき、自由状態となったワイヤ電極がジェット流により射出されて被加工物を貫通する。
【0012】
又、本発明の第三発明では、挿通不能判別後、ジェット流を噴出させたまま、ローラ装置を逆回転させワイヤ電極を巻上げて該ローラ装置の上方に十分弛ませることによりワイヤ電極先端の当接あるいは引っ掛かりが解消され、この状態で前記ワイヤ電極案内体と被加工物とを所定パターン内の次のポイントへ相対移動させ、ローラ装置を開放状態としてワイヤ電極の押圧挟持を解除し、自由状態となったワイヤ電極をジェット流により射出することによって被加工物への挿通が図られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のワイヤ電極挿通方法を実施する装置の一実施例を示す概略構成正面図であり、1はワイヤカット放電加工装置のベッド、2は該ベッド1上にX及びY軸方向に移動可能に設けた加工テーブルであってX−Y平面を形成し、該加工テーブル2に設けた載物台上に被加工物3が固定載置される。4,5は該加工テーブル2を移動させるX及びY軸駆動モータであり、これ等モータを駆動制御することによって所望輪郭形状の加工送りが与えられる。6はベッド1に起立させて設けたコラム、7,8はコラム6から加工テーブル2上に伸長させて設けた上下一対の上アームと下アームである。9,10は加工部に加工液を噴射供給する上部ノズル装置と下部ノズル装置であり、被加工物3と対向する加工部のワイヤ電極11をX−Y平面と直交するZ軸方向に位置決めする一対のガイドが後述するように上部及び下部ノズル装置9,10内にガイド部の開閉が可能な態様で収納されている。12は上アーム7に支持されてモータ13の駆動によりZ軸方向に移動する移動体であり、該移動体12の下端部に上部ノズル装置9が固定されており、下部ノズル装置10は下アーム8の先端部に固定されている。又、移動体12には支持板14が摺動ガイド15に案内されてZ軸方向に移動可能に支持されており、支持板14に設けたナットを移動体12に設けたZ軸スクリュ16に係合させ、モータ17によりスクリュ16を回転駆動することによって支持板14がZ軸方向に移動する。又、支持板14には、両端が開口したパイプ状のワイヤ電極案内体18がノズル装置9,10及び前記一対の位置決めガイドと同軸状に設けられており、該ワイヤ電極案内体18の上側には挿通操作時にワイヤ電極先端の進行が妨げられたときに生じるワイヤ電極の弛みを検知する座屈センサ19が、又更に該座屈センサ19の上方にはワイヤ電極を押圧挟持して上方又は下方に送るローラ装置20が設けられている。又、下アーム8にはローラ間に張ったベルトとベルトの間にワイヤ電極を捕捉して回収容器21内に送るワイヤ電極捕捉回収機構22,23が設けられており、ワイヤ電極11は供給リール24から繰出されガイドローラ25、ローラ装置20、座屈センサ19、ワイヤ電極案内体18、上部ノズル装置9(上部位置決めガイド)、被加工物3の加工開始孔又は加工溝26、下部ノズル装置10(下部位置決めガイド)から捕捉回収機構22,23を経て回収容器21に到る走行経路に装架され、捕捉回収機構22,23あるいは別個に設けた引っ張り駆動機構による引っ張り力とブレーキ機構27の作用によって所定の張力と速度をもって走行移動する。又、28はワイヤ電極を切断する切断装置、29は上部及び下部ノズル装置9,10とワイヤ電極案内体18に加工液を供給する加工液供給装置、30はローラ装置20により巻上げられたワイヤ電極を収容する弛み受け容器30である。又、上アーム7にはワイヤ断線検出装置を構成する断線検出リミットスイッチ31が設けられており、ガイドローラ25とブレーキ機構27間のワイヤ電極11にスイッチレバーを掛けてワイヤ電極の緊張状態を検知し、ワイヤ電極11が所定の張力で走行移動しているときのみスイッチONとなる。
【0014】
図2に基づいて、支持板14に設けられるパイプ状ワイヤ電極案内体18、座屈センサ19、ローラ装置20及び移動体12に設けられる上部ノズル装置9(上部位置決めガイド)、切断装置28廻りの構成を詳細に説明する。18aはワイヤ電極案内体18のパイプ部であり、該パイプ部18aは内部に挿通されるワイヤ電極との間に該ワイヤ電極の径乃至該径の数倍程度の隙間が形成される内径を有し、通常ステンレス製パイプにより構成されている。該パイプ部18aの上部には該パイプ部の内径よりも大きい内径を有する加工液供給部18bを有し、加工液供給装置29から加工液供給口18cに供給された高圧の加工液がパイプ部18aを流動して下端の先端開口からジェット流として噴出される。加工液供給部18bの上側には座屈センサ19が固定されている。
座屈センサ19は内径が5〜6mm乃至10数mm、上下の長さが数cmの円筒状でワイヤ電極案内体18や支持板14及び加工液供給部18bとは絶縁されると共に内周面が導電材(例えば銅)19aで構成され、ワイヤ電極11と該導電材19aとの間に低電圧を印加しておいてワイヤ電極の前記内周面との接触を電気信号として検出する。又、加工液供給部18bから座屈センサ19にワイヤ電極が貫通する孔19bは供給加工液の漏出を低く抑えるためにワイヤ電極の径よりも僅かに大きい程度に形成され、座屈センサ19の底板(絶縁材)には噴き上がってきた加工液を排出する排出口19cが形成されている。尚、この座屈センサ19は、図示のようにカップ状で排出口19cを備えている必要は必ずしもなく、単なる筒状体であっても良い。座屈センサ19の上方にはローラ装置20が設けられる。ローラ装置20は、モータ20aにより回転駆動されるキャプスタン20b、該キャプスタン20bとZ軸と直交する方向に対向するピンチローラ20c、及び該ピンチローラ20cを前記対向方向に進退させるシリンダ装置20dからなり、ワイヤ電極の押圧挟持(ローラ閉鎖)及び該挟持の解除(ローラ開放)が自在に構成されている。又、ローラ装置20の上方には、座屈センサ19と略同様か大きめの外径寸法を有し合成樹脂等の絶縁材で形成された弛み受け容器30が設けられる。この弛み受け容器30は、ローラ装置20により巻上げられたワイヤ電極を収容するための容器であり、ローラ装置20が押圧挟持解除状態(ローラ開放状態)となったときに、収容されているワイヤ電極を座屈センサ19からワイヤ電極案内体18に円滑に落下移動させるために底板に比較的大きな開口30aが形成されている。尚、この弛み受け容器30は必ずしも必要ではなく、ローラ装置20とガイドローラ25との間で自然に弛ませておいても良い。これらワイヤ電極案内体18、座屈センサ19、ローラ装置20、及び弛み受け容器30は、支持板14の移動によって一体的に、またパイプ部18aは移動体12に形成したガイド孔32によりX−Y平面位置を規制されてZ軸方向に移動する。
【0015】
移動体12の下端部に設けた上部ノズル装置9のノズル本体9aは、ガイド孔32と同軸状でパイプ部18aの外径よりも大きい開口部9b,9c、及び加工液供給装置29から加圧加工液が供給される加工液供給口9dを有し、その内部にワイヤ電極への通電部材とワイヤ電極を位置決めするガイド部材が収納されている。33はV溝ガイド、34は加工電源からの給電線が接続される通電子、35a及び35bは夫々V溝あるいは一方がV溝で他方が平面状の割型の位置決めガイドであり、V溝ガイド33と位置決めガイド35aが部材36に一体に固定され、また通電子34と位置決めガイド35bが部材37に一体に固定され、部材36及び37が夫々シリンダ装置38及び39によりZ軸と直交する方向に進退可能に構成されている。そして、両シリンダ装置38,39の駆動により両部材36,37を離隔させた状態では、図3に示すようにパイプ部18aが上側の開口9bから下側の開口9cの出口側まで移動可能となり、ワイヤ電極挿通後、両部材36,37を接近させた状態では、図2のようにV溝ガイド33により保持されたワイヤ電極11に通電子34が当接してワイヤ電極へ通電されると共に位置決めガイド35a,35bが当接してダイス状の位置決めガイドが形成される。又、ノズル本体9aの上側の開口9bはパイプ部18aの外径よりも僅かに大きく形成されており、加工中は、図2の如くパイプ部18aの先端が開口9b内に位置するように支持板14を配置して、加工液供給口9dからノズル本体9a内に供給された加工液が開口9bから上方に噴出するのを防止し、供給加工液が下側の開口(ノズル口)9cから効率良く加工部に噴射供給されるようにする。又、加工中、ノズル本体9aに加工液供給口9dからだけではなくパイプ部18aからも加工液を供給するようにしても良い。又、図2では上部ノズル装置9について示したが、下アーム8の先端部に固定されている下部ノズル装置10(図1)も上部ノズル装置9と同様の構成であり、ただ通電部材であるV溝ガイド33及び通電子34と位置決めガイド35a,35bの上下位置関係が逆に(上部ノズル装置9と同様に位置決めガイドの方が被加工物3の近くになるように)配置されている。40,41は下部ノズル装置10に設けたシリンダ装置である(図1)。
【0016】
上部ノズル装置9の上方に設けた切断装置28は、カッタ28a、該カッタ28aとZ軸と直交する方向に対向して配置される受け部材28b、及びカッタ28aと受け部材28bを夫々前記対向方向に進退させるシリンダ装置28c,28dからなり、加工が終了して次の加工に移行するとき、あるいは加工中にワイヤ電極が断線したとき等、ワイヤ電極を被加工物の加工開始孔や既加工済加工溝に挿通しなければならないとき、ローラ装置20による押圧挟持を解除した状態でワイヤ電極案内体18を図2の位置から上方に移動させてパイプ部18a先端をカッタ28aの上方に位置させてから、シリンダ装置28dを駆動して受け部材28bをパイプ部18aの中心軸の位置まで進出させた後、シリンダ装置28cの駆動によりカッタ28aを進出させてワイヤ電極を受け部材28bとの間に挟んで切断する。ワイヤ電極をパイプ部18aの中心軸の位置で切断することにより、切断したワイヤ電極の先端部に曲がりを生じさせることなく真直性良く切断される。
【0017】
上述した各シリンダ装置は、油圧、空気圧等適宜の流体圧により駆動され、又、各シリンダ装置に代えて、モータにより駆動されるスクリュ・ナット機構、カム機構、リンク機構、ラック・ピニオン機構、あるいはバネと電磁石の組合せ機構等を移動目的に応じて使用することが可能である。
【0018】
図4は、図1に示した実施例装置のブロック図であり、42は中央処理装置(CPU)であり、データ等の記憶に用いるレジスタ部とデータの演算を行なう演算部とデータの転送を制御する制御部を有する。43はワイヤ電極挿通のプログラムを記憶する記憶装置(ROM)、44はキーボード等の入力装置45から入力された情報及びローラ装置のピンチローラ20cに設けた回転数検出器(ロータリエンコーダ)48の検出信号に基いて演算されるローラ装置20による各操作段階に於けるワイヤ電極の送り出し及び巻上げ長さを記憶する記憶装置(RAM)、46は入力インターフェイス、47は出力インターフェイスであり、入力装置45による設定データ、座屈センサ19の出力信号、断線検出リミットスイッチ31の出力信号、及び回転数検出器48の検出信号に応じ、ROM43に記憶されたプログラムに従ってCPU42の指令によりローラ装置20、捕捉回収機構22,23、ブレーキ機構27、切断装置28、加工液供給装置29、及び上下のノズル装置の各シリンダ装置38,39,40,41の作動が制御されると共に各モータが数値制御される。
【0019】
この実施例装置により挿通操作が次のように行なわれる。
挿通操作開始に先立ち、ローラ装置20によるワイヤ電極の送り出し及び巻上げ速度を予めRAM44に記憶させておき、入力装置45によりワイヤ電極切断位置(切断時のカッタ28aのZ軸位置)から被加工物3上面までの長さ、及び被加工物3の板厚を入力する。CPU42はこれ等入力記憶情報により、予定走行経路上に於けるワイヤ電極切断位置から被加工物3の下面までの長さに数mm加えた長さあるいは更に下部ノズル装置10内の位置決めガイド直前又は直後までの長さのワイヤ電極を送り出すのに要する時間T1と、該時間T1で送り出した長さの先端位置から下部ノズル装置10内の位置決めガイドを通過してワイヤ電極捕捉回収機構22に到達するまでの長さのワイヤ電極を送り出すのに要する時間T2とを演算してRAM44に記憶させる。又、入力装置45により、所定パターンの相対移動(サーチ動作)を繰返す回数N1と、初期の段階からの挿通操作(トライ動作)を繰返す回数N2及びN3(N2とN3の意味内容の相違については後述する)とを入力して設定する。この状態で挿通操作を開始する。又、挿通操作時にはブレーキ機構27による制動力は弱められている。
【0020】
以下、ROM43に記憶したプログラムによりCPU42の指令によって行なわれる挿通操作の手順をフローチャートに従って説明する。図5乃至図7のフローチャートに於ける101〜134,201〜236,301〜334は夫々ステップ番号を示す。
図5は本発明の第一発明によるワイヤ電極挿通方法のフローチャートである。先ず、サーチ動作とトライ動作のカウント数n1,n2,n3をクリアしリセットする(ステップ101)。加工が終了して次の加工に移行する場合、又は加工中に断線した場合等、挿通操作を行なうときは、上部ノズル装置9及びワイヤ電極案内体18は図2の位置にあり、ローラ装置20は押圧挟持解除状態(ローラ開放状態)にある。この状態から先ずモータ17を駆動しパイプ状ワイヤ電極案内体18(支持板14)を上昇させてパイプ部18aの先端を切断装置28のカッタ28aよりも上方に位置させた後、シリンダ装置28d,28cを順次駆動してワイヤ電極を切断する。切断部よりも下方側のワイヤ電極は捕捉回収装置22,23により回収容器21に回収し、ワイヤ電極断線の場合には切断片を適宜手段により取除く。例えば、必要に応じて移動体12を所定長さ上方に移動させてノズル口9cと被加工物3との間隔を広げた状態で、移動体12に設けたワイヤ切断片保持除去装置を作動させて切断片を取除くようにしても良い。シリンダ装置20dを駆動しキャプスタン20bとピンチローラ20cを当接させてワイヤ電極押圧挟持状態(ローラ閉鎖状態)とする(ステップ102)。ワイヤ電極切断後は移動体12を元の位置に降下させる。シリンダ装置38,39,40,41を駆動し上部及び下部ノズル装置内の前記通電部材と割型位置決めガイドを開とした状態でモータ17を駆動してワイヤ電極案内体18を降下させパイプ部18aの先端を被加工物3の上面に0.5mm前後程度の距離に近接させて図3の状態とする。このとき加工送りのNCプログラムにより加工テーブルが所定位置に移動されて加工開始孔26とパイプ部18aとが同軸状に位置合わせされている。この状態で加工液供給装置29から加工液供給部18bに高圧の加工液を供給し、パイプ部18aの先端からジェット流を噴出させる。噴出したジェット流は一部がパイプ部18aの先端と被加工物3の上面との間から放射状に拡散流動し残部が加工開始孔又は加工溝内を噴流する。次いで、ローラ装置20を正回転させてワイヤ電極を下方に送り出す(ステップ103)。前記時間T1 が経過するまでワイヤ電極を送り出した後(ステップ104)、ワイヤ電極の座屈(弛み)の有無を座屈センサ19により判別検知する(ステップ105)。ワイヤ電極の座屈が検知されないときは、更に前記時間T2 が経過するまでワイヤ電極を送り出しながら座屈の有無を座屈センサ19により判別検知する(ステップ106,107)。このとき捕捉回収機構22,23が駆動されている。前記時間T2 経過しても座屈が検知されないときは、ローラ装置20を開放状態として正回転を停止する(ステップ108)。次いで、ブレーキ機構27の制動力を加工時の所定の制動力に高め、捕捉回収機構22,23により所定の引っ張り力を作用させ数秒程度等の待ち時間の後、ワイヤ断線検出装置(断線検出リミットスイッチ)31により走行経路上のワイヤ電極の装架状態を判別検知し(ステップ109)、ワイヤ電極が所定の張力で装架されていることが検知されたら挿通成功を判定し(ステップ110)、ジェット流を停止しパイプ状ワイヤ電極案内体(以下、パイプと略記する)18を図2の位置に移動させて加工を開始する。又、ステップ106で座屈が検知されたときは被加工物3の下面側から捕捉回収機構22に到る走行経路上でワイヤ電極先端に引っ掛かりが生じて進行が阻害されていることを意味する。このときはローラ装置20を停止し(ステップ111)、トライ動作の実行回数n2に1加算して(ステップ112)、カウント数n2が設定回数N2に達したかどうかを判別し(ステップ113)、未だ設定回数N2に達していないときはローラ装置20を逆回転させてワイヤ電極を巻上げる(ステップ114)。ここで巻上げる長さは前記時間T1の間の送り出し長さに前記時間T2スタート時からステップ106で座屈が検知されたときまでに更に送り出された長さを加えた長さであり、巻上げ後はワイヤ電極先端がワイヤ電極切断位置に戻ることになる。又、ステップ106で更に送り出された長さは、ローラ装置のピンチローラ20cの回転数を検出する検出器48の前記時間T2スタート時から座屈検知時までの検出出力信号によって算出するが、あるいは前記時間T2スタート時から座屈検知時までの経過時間を検出しておいてローラ装置20の送り出し速度と乗算して算出しても良く、技術的意義は同じである。ステップ114でワイヤ電極を巻上げた後は再びステップ103に移行して挿通にリトライする。又、ステップ113で実行回数のカウント数n2が設定回数N2に達したことが判別されたら、カウント数n2をクリアしてn2=0にリセットする(ステップ115)。次いで、ジェット流を停止してパイプを上方に移動させてから(ステップ116)、ローラ装置20を逆回転させてワイヤ電極を巻上げる(ステップ117)。ここでの巻上げは、ワイヤ先端検出装置(例えばブローセンサ)によりワイヤ電極の先端を検出して被加工物3の上面より上方の所定位置にまで巻上げる。カウント数n3が設定回数N3に達したかどうかを判別し(ステップ119)、未だ設定回数N3に達していないときは、ステップ102での切断位置と同じ位置(カッタ28aのZ軸位置)でワイヤ電極を切断した後、ローラ装置20を逆回転させてワイヤ電極を巻き上げると共にパイプ18をステップ102に於ける降下位置に降下させてから、ジェット流を噴出する(ステップ118)。このステップ118での巻上げ長さはパイプを降下させる距離あるいは移動体12を上方に移動させてワイヤ電極を切断する場合は該距離に移動体12の移動距離を加算した距離であり、ワイヤ電極先端は変位せず切断位置に保たれることになる。トライ動作の実行回数n3に1加算して(ステップ120)、次いで、再びステップ103に移行して挿通にリトライする。上述したところから明らかな通り、設定回数N2のトライ動作はワイヤ電極の先端切断処理を行なわないで挿通にリトライする動作であり、設定回数N3のトライ動作はワイヤ電極の先端切断処理を行なってから挿通にリトライする動作である。例えば、N3=1に設定すれば、先端切断処理を行なうリトライ動作を1回行うことになる。又、ステップ119でカウント数n3 が設定回数N3に達したことが判別されたら、挿通失敗を判定し(ステップ121)、被加工物に一つの加工を行なう場合は音、光、表示等で挿通失敗を作業者に知らせて動作を終了する。又、一個の被加工物に多数個の加工を行なう場合は、パイプ18を次ぎの加工開始孔と同軸状に位置合わせし、ステップ101以下を再び行う。ステップ101に先だってワイヤ電極先端処理を行っても良い。又、ステップ109でワイヤ電極に所定の張力が付与されていることが検知されないときは送り出されたワイヤ電極の先端が所定の走行経路から外れて進行した等の装架不良を生じていることを意味する。このときはローラ装置20を閉鎖してから(ステップ122)、ステップ116に移行し、設定回数に達していない場合ワイヤ電極先端切断処理をしてからトライ動作を再実行する。又、ステップ105で座屈が検知されたときはローラ装置20を停止する(ステップ123)。ステップ103でワイヤ電極を送り出していって座屈センサ19によりワイヤ電極の座屈(弛み)が検知されるのは、図8に示すようにワイヤ電極11先端が被加工物3の上面又は加工開始孔等26の内側面に引っ掛かりワイヤ電極が弛んで座屈センサ19内周面の導電材に接触した状態となったときであるが、ステップ105で座屈が検知されたときは、前記時間T1経過後であるから、真っ直ぐにすればワイヤ電極先端が被加工物3の加工開始孔等26を貫通して出口側にまで達する長さの弛みが形成された図9に示すような状態となっている。
【0021】
次いで、図9の状態でジェット流を噴出させたまま、X及びY軸駆動モータ4,5を数値制御して被加工物3のパイプ18に対する相対的な所定パターンの移動を開始し(ステップ124)、所定パターンの相対移動(サーチ動作)が終了するまで座屈センサ19による座屈検知が解消するか否か判別される(ステップ125,126)。なお、ステップ124〜126はU−V軸を移動させても良い。移動パターンは、次第に半径を大きくする螺旋状の移動、往復直線運動の方向を順次変える移動、四瓣五瓣あるいは更に多瓣の花びらを描く移動、X軸所定ストロークY軸所定ピッチでX−Y平面を走査する移動等である。相対移動中にワイヤ電極先端がジャンプして一時的に被加工物から離れても、ワイヤ電極は十分な弛みを形成して座屈センサに接触しているから座屈検知信号に影響を与えることがなく、挿通不能状態の検知が安定して行なわれる。そして、ワイヤ電極は被加工物の加工開始孔等の入口近傍上面又は該孔等の内側面にその先端を当接しており、ワイヤ電極の剛性は弱いが、パイプ18先端から突出しているワイヤ電極先端部の長さ(通常0.5mm前後程度)が短いから、被加工物上面に当接している場合は、ワイヤ電極先端はジェット流により下方に押圧された状態でパターン移動に追従して被加工物上面を摺動しやがて加工開始孔等の中に進入して自由状態となり、又、加工開始孔等の中途に引っ掛かっている場合は、パターン移動によりやがて引っ掛かりが解消してワイヤ電極先端が自由状態となる。この瞬間にワイヤ電極の弛み分がジェット流によりパイプ18から勢い良く射出され、また加工開始孔等の中にはジェット流が噴流していることから、ワイヤ電極先端部はローラ装置による送り出しの場合に比して格段に大きな運動量をもってこのジェット流と共に進行し加工開始孔等の内側面で多少の引っ掛かりを生じたとしてもそこで進行を阻止されることなく加工開始孔等を一気に貫通して出口側にまで達し、図10の状態となる。このようにしてワイヤ電極が被加工物に挿通し、座屈センサ19による座屈検知が解消したら、サーチ動作を停止して該サーチ動作開始位置に被加工物を戻す(ステップ127)。次いで、サーチ動作の実行回数のカウント数n1をクリアしn1=0にリセットしてから(ステップ128)、ローラ装置20を正回転させてワイヤ電極を下方に送り出し(ステップ129)、ステップ106に移行する。又、ステップ129に於けるローラ装置の正回転開始に同期して前記時間T2の計時をスタートさせる。
【0022】
又、ステップ126でサーチ動作終了まで座屈検知が解消しないときは、サーチ動作の実行回数のカウント数n1に1加算して(ステップ130)、カウント数n1が設定回数N1に達したかどうかを判別する(ステップ131)。尚、ステップ126でサーチ動作が終了したとき被加工物3は所定パターンの相対移動開始位置に戻っている。ステップ131でカウント数n1が未だ設定回数N1に達していないことが判別されたら、ローラ装置20を逆回転させてワイヤ電極先端が被加工物3の上面から10〜50mm程度上方に位置するまで巻上げてローラ装置上方に弛みを生じさせてから(ステップ132)、ローラ装置を一旦開放状態としてワイヤ電極を自由落下させその後閉鎖状態とする(ステップ133)。この操作によりワイヤ電極と被加工物との接触状態が一旦解消されると共に自由落下時に加工開始孔等に挿通されることもある。そして、ステップ133でローラ装置を閉鎖状態とした後、ステップ124に移行してサーチ動作を再実行する。又、ステップ131でカウント数n1が設定回数N1に達したことが判別されたら、カウント数n1をクリアしてn1=0にリセットした後(ステップ134)、ステップ112に移行して設定回数に達していない場合トライ動作を再実行する。
【0023】
図6は本発明の第二発明によるワイヤ電極挿通方法のフローチャートである。
この第二発明に於けるステップ201乃至223の各ステップは図5の第一発明に於けるステップ101乃至123に夫々対応するステップであって、操作手順、技術的内容が同様であるので説明は省略する。
第二発明では、ステップ223で図9の状態にあり、この状態でジェット流の噴出を停止した後(ステップ224)、X及びY軸駆動モータ4,5を数値制御して被加工物3をパイプ18に対して所定パターン内の次のポイントへ相対的に移動する(ステップ225)。次いでジェット流を噴出した状態で(ステップ226)、座屈センサ19による座屈検知が解消しているか否か判別し(ステップ227)、座屈検知が解消していないときは,所定パターンの相対移動(サーチ動作)が終了するまで、ジェット流の噴出を停止して次ぎのポイントへ移動しジェット流を噴出させて座屈検知の解消を判別する前記ステップ224乃至227の操作を繰返す(ステップ228)。ポイント移動するパターンは第一発明の場合と同様である。又、相対移動中のワイヤ電極先端と被加工物との接触の態様も第一発明の場合と同様であり、ワイヤ電極先端がジャンプして一時的に被加工物から離れてもワイヤ電極は十分な弛みを形成して座屈センサに接触しているから座屈検知信号に影響を与えることがなく、挿通不能状態の検知が安定して行なわれる。しかし、第一発明の場合には相対移動中もジェット流を噴出させ続けていたから、僅かな隙間ではあるがパイプ部18aの先端と被加工物3上面との隙間から放射状に拡散する液流により相対移動に伴って細線のワイヤ電極先端が抜け出てしまう虞があるが、この第二発明によれば、相対移動中はジェット流の噴出が停止されるのでこのような虞がない。そして、ワイヤ電極先端が被加工物上面に当接している場合は、ワイヤ電極先端はジェット流により下方に押圧された状態でポイント移動に追従して被加工物上面を摺動しやがて加工開始孔等の中に進入して自由状態となり、又、加工開始孔等の中途に引っ掛かっている場合は、ポイント移動によりやがて引っ掛かりが解消してワイヤ電極先端が自由状態となる。この瞬間にワイヤ電極の弛み分がジェット流によりパイプ部18aから勢い良く射出され、また加工開始孔等の中にはジェット流が噴流していることから、ワイヤ電極先端部はローラ装置による送り出しの場合に比して格段に大きな運動量をもってこのジェット流と共に進行し加工開始孔等の内側面で多少の引っ掛かりを生じたとしてもそこで進行を阻止されることなく加工開始孔等を一気に貫通して出口側にまで達し、図10の状態となる。このようにしてワイヤ電極が被加工物に挿通し座屈センサ19による座屈検知が解消したら、ポイント移動を開始した位置に被加工物を戻す(ステップ229)。次いで、サーチ動作の実行回数のカウント数n1をクリアしn1=0にリセットしてから(ステップ230)、ローラ装置20を正回転させてワイヤ電極を下方に送り出し(ステップ231)、ステップ206に移行する。又、ステップ231に於けるローラ装置の正回転開始に同期して前記時間T2 の計時をスタートさせる。
【0024】
又、ステップ228でサーチ動作終了まで座屈検知が解消しないときは、サーチ動作の実行回数のカウント数n1に1加算して(ステップ232)、カウント数n1が設定回数N1に達したかどうかを判別する(ステップ233)。尚、ステップ228でサーチ動作が終了したとき被加工物3は所定パターンの相対移動開始位置に戻っている。ステップ233でカウント数n1 が未だ設定回数N1に達していないことが判別されたら、ローラ装置20を逆回転させてワイヤ電極先端が被加工物3の上面から10〜50mm程度上方に位置するまで巻上げてローラ装置上方に弛みを生じさせてから(ステップ234)、ローラ装置を一旦開放状態としてワイヤ電極を自由落下させその後閉鎖状態とする(ステップ235)。この操作によりワイヤ電極と被加工物との接触状態が一旦解消されると共に自由落下時に加工開始孔等に挿通されることもある。そして、ステップ235でローラ装置を閉鎖状態とした後、ステップ224に移行してポイント移動によるサーチ動作を再実行する。又、ステップ233でカウント数n1が設定回数N1に達したことが判別されたら、カウント数n1をクリアしてn1=0にリセットした後(ステップ236)、ステップ212に移行し設定回数に達していない場合トライ動作を再実行する。
【0025】
図7は本発明の第三発明によるワイヤ電極挿通方法のフローチャートである。
この第三発明に於けるステップ301乃至323の各ステップは図5の第一発明に於けるステップ101乃至123に夫々対応するステップであって、操作手順、技術的内容が同様であるので説明は省略する。
第三発明では、ステップ323で図9の状態にあり、この状態でジェット流を噴出させたままローラ装置20を逆回転させてワイヤ電極先端が被加工物3の上面から10〜50mm程度上方のパイプ部18a中に位置するまで巻上げてローラ装置上方に弛みを生じさせる(ステップ324)。ここで巻上げられたワイヤ電極は弛み受け容器30内に収容されて図11の状態となり、このとき座屈センサ19による座屈検知信号は消滅している。次いで、X及びY軸駆動モータ4,5を数値制御して被加工物3をパイプ18に対して所定パターン内の次のポイントへ相対的に移動した後(ステップ325)、ローラ装置20を一旦開放し、ワイヤ電極を自由状態として弛み分をジェット流によりパイプ部18aから勢い良く射出させ、該射出によるワイヤ電極の動きが治まってからローラ装置20を閉鎖する(ステップ326)。尚、ここでローラ装置20を開放状態とする直前にローラ装置20を逆回転して、ワイヤ電極をジェット流に逆らって僅かに(5〜10mm程度)瞬間的に引上げることにより、ワイヤ電極先端部の曲り性状を矯正し真直性を改善して、加工開始孔等の中へ進入する確率を高めることができる。次いで、ステップ327で座屈センサ19による座屈検知が解消しているか否か判別する。ステップ326でローラ装置を開放してワイヤ電極を射出したときにワイヤ電極先端が加工開始孔等に進入できず引っ掛かりを生じたときは、弛み受け容器30内の弛み分のワイヤ電極は座屈センサ19内にずり落ちて図12の状態となり、座屈検知の解消は判別されない。このときは所定パターンの相対移動(サーチ動作)が終了するまで、ワイヤ電極を巻上げ次ぎのポイントへ移動しローラ装置を開放状態とした後、座屈検知の解消如何を判別する前記ステップ324乃至327の操作を繰返す(ステップ328)。ポイント移動するパターンは第一発明の場合と同様である。しかし、第一発明ではジェット流噴出下での相対移動によりパイプ部18aの先端と被加工物上面との隙間からワイヤ電極先端が流出してしまう虞があったが、この第三発明ではそのような虞はない。又、第二発明ではジェット流の噴出、停止を繰返す煩雑な操作を必要としたが、この第三発明ではジェット流は常時噴出状態であってこのような煩雑な操作を必要としない。そして、ステップ326でローラ装置を開放したときにジェット流によって勢い良く射出されたワイヤ電極先端が、ジェット流の噴流している加工開始孔等の中に進入すれば、ワイヤ電極先端部はローラ装置による送り出しの場合に比して格段に大きな運動量をもってこのジェット流と共に進行し加工開始孔等の内側面で多少の引っ掛かりを生じたとしてもそこで進行を阻止されることなく加工開始孔等を一気に貫通して出口側にまで達し、図13の状態となる。このようにしてワイヤ電極が被加工物に挿通し座屈センサ19による座屈検知の解消が判別されたら、ポイント移動を開始した位置に被加工物を戻す(ステップ329)。次いで、サーチ動作の実行回数のカウント数n1をクリアしn1=0にリセットしてから(ステップ330)、ローラ装置20を正回転させてワイヤ電極を下方に送り出し(ステップ331)、ステップ306に移行する。又、ステップ331に於けるローラ装置の正回転開始に同期して前記時間T2の計時をスタートさせる。
【0026】
又、ステップ328でサーチ動作終了まで座屈検知の解消が判別されないときは、サーチ動作の実行回数のカウント数n1に1加算して(ステップ332)、カウント数n1が設定回数N1に達したかどうかを判別する(ステップ333)。尚、ステップ328でサーチ動作が終了したとき被加工物3は所定パターンの相対移動開始位置に戻っている。ステップ333でカウント数n1が未だ設定回数N1に達していないことが判別されたら、ステップ224に移行してポイント移動によるサーチ動作を再実行する。又、ステップ333でカウント数n1が設定回数N1に達したことが判別されたら、カウント数n1をクリアしてn1=0にリセットした後(ステップ334)、ステップ312に移行し設定回数に達していない場合トライ動作を再実行する。
【0027】
上述した実施例の場合、所定パターンの相対移動(サーチ動作)が、挿通困難なとき最高でN1×N2×N3回行なわれることになり、挿通に成功する確率が極めて高い。サーチ動作とトライ動作の設定回数としては、N1=1〜3,N2=2〜5,N3=1〜2回が適当である。
【0028】
又、図5に於けるステップ132及び133、図6に於けるステップ234及び235による、ワイヤ電極を巻上げてローラ装置を一旦開放した後閉鎖する操作は、場合によって設けられる操作手順であって必ずしも必要とはしない。
【0029】
又、図5,図6,図7の各発明に於て、ステップ134,236,334からリトライ動作に移行する場合は、前記時間T2による送り出し長さは零であるから、ステップ114,214,314に於ける巻上げ長さは前記時間T1での送り出し長さとなる。
【0030】
又、図5,図6,図7の各発明に於て、前記時間T2経過途中で座屈を検知してステップ111,211,311からリトライ動作する場合、114,214,314でワイヤ電極を巻上げてリトライ動作に移行するときは、トライ動作を再実行する場合、ステップ123(図5)、223(図6)、323(図7)でローラ装置を停止したとき、ステップ134,236,334からリトライ動作に移行する場合を除いてローラ装置の上方(弛み受け容器30内)に弛みが形成されている。この弛み分即ち、前記T1での送出し量に加えて、前記時間T2スタート時から座屈検知までに送り出された長さが加算されたものを巻上げる。同じく前記時間T2経過途中で座屈を検知してステップ117,217,317でワイヤ電極を巻上げてリトライ動作に移行するときは、前記T1での送出し量に加えて、前記時間T1+T2スタート時から座屈検知までに送り出された長さからステップ120,220,320で切断されたワイヤ電極先端部の長さを差し引いた長さであり、この長さはマイナスになることもありその場合は前記弛みは形成されない。又、断線検出リミットスイッチにより所定の張力での装架状態が検知されないためステップ117,217,317でワイヤ電極を巻上げてリトライ動作に移行するときは、前記時間T2 の間の送り出し長さからステップ120,220,320で切断されたワイヤ電極先端部の長さを差し引いた長さである。従って、前記時間T2スタート時から座屈検知までに送り出された長さ、前記時間T2の間の送り出し長さ、ワイヤ電極切断先端部の長さの各データから前記弛み分の長さをCPU42で演算してRAM44に記憶しておけばよい。第一発明(図5)又は第二発明(図6)に於て前記したワイヤ電極を巻上げてローラ装置を一旦開放した後閉鎖する操作を行なうステップ132,133(図5)、234,235(図6)の場合は、ステップ132又は234でワイヤ電極の長さが前記時間T1による送り出し長さと等しくなる長さだけ巻上げた後、ステップ133,235でローラを開放するので、ステップ123,223からサーチ動作を開始した場合と同一のたるみ量でサーチ動作を再実行するようにする。又、第三発明(図7)に於ては、ステップ326でローラ装置を一旦開放して閉鎖した後、前記弛み分を巻上げて、同様に前記弛み分を補償調整してからステッ
プ327での座屈の有無の判別を行なうようにする。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、ワイヤ電極の被加工物への挿通不能状態の判別が、ワイヤ電極と被加工物との接触・非接触状態ではなく、被加工物を通過する長さのワイヤ電極を送り出した後、ワイヤ電極に座屈(弛み)が生じているか否かを検知することによって判別されるから、挿通不能状態の現出及び解消を安定して的確に判別検知することができる。又、挿通不能状態が判別されたときには被加工物を通過する長さの弛みが形成されており、この状態で、ジェット流を噴出するパイプ状ワイヤ電極案内体と被加工物間に所定パターンの相対移動(サーチ動作)を行なわせて挿通不能状態の解消を図るようにしたから、サーチ動作によってワイヤ電極先端の引っ掛かりが解消したときワイヤ電極をジェット流によって勢い良く射出し加工開始孔等を一気に貫通させて出口側にまで到達させることができ、ワイヤ電極との隙間が少ない小径の加工開始孔や既加工済加工溝等にも確率高く挿通させることができる。又、孔内側面で多少の引っ掛かりを生じても進行を阻止されることなく一気に貫通するから、剛性が弱く引っ掛かりを生じやすい極細のワイヤ電極でも確率高く挿通させることができる。又、サーチ動作によっても座屈検知が解消しないときは、同じサーチ動作を設定回数繰返して行ない、それでも座屈検知が解消しないときは、初期の段階からの挿通操作(トライ動作)を繰返し、このトライ動作も設定回数繰返すようにしたから、サーチ動作が最高で前記両設定回数を掛合わせた回数行なわれることになり、このことによっても被加工物への挿通に成功する確率が高められる。又、ワイヤ電極が被加工物の出口側まで貫通したら、ワイヤ電極先端が捕捉回収機構に到達する長さのワイヤ電極を更に送り出しながら座屈の有無を検知し、座屈の形成が判別されたときはトライ動作を繰返し、座屈が検知されないときはワイヤ断線検出装置(断線検出リミットスイッチ)によってワイヤ電極の装架状態を判別するようにしたから、予定走行経路にワイヤ電極を所期の適正状態で装架できる確率が向上すると共に最終的にワイヤ電極が所定の走行経路に適正に装架されているか否か的確に判定することができる。
【0032】
又、第一発明では、ジェット流を常時噴出させた状態で挿通操作が行なわれるから、操作手順が簡単で能率良くワイヤ電極を被加工物に挿通することができる。又、第二発明では、ジェット流の噴出を停止した状態で所定パターン内の次のポイントへの相対移動が行なわれるから、パイプ状ワイヤ電極案内体の先端と被加工物との隙間からワイヤ電極の先端が拡散流動する液流によって流出する虞がない。又、第三発明では、常時ジェット流噴出状態ではあるが、ワイヤ電極先端をパイプ状ワイヤ電極案内体の中に位置させた状態で所定パターン内の次のポイントへの相対移動が行なわれるから、前記ワイヤ電極案内体の先端と被加工物との隙間からワイヤ電極の先端が抜け出る虞はなく、またジェット流の噴出・停止を繰返す煩雑な操作も必要としない。又、第三発明に於て、所定パターン内の次のポイントへ相対移動した後、ローラ装置を開放状態とする直前にローラ装置を逆回転させて、ワイヤ電極をパイプ状ワイヤ電極案内体内に於てジェット流に逆らって僅かに瞬間的に引上げるようにすれば、先端部の曲り性状を矯正しワイヤ電極の真直性を改善して射出することができ、加工開始孔等へ進入する確率が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイヤ電極挿通方法を実施する装置の一実施例を示す概略構成正面図。
【図2】図1に示した実施例装置に於ける加工中の状態を示す一部断面図。
【図3】図1に示した実施例装置に於ける挿通操作実施時の状態を示す一部断面図。
【図4】図1に示した実施例装置のブロック図。
【図5】本発明の第一発明のワイヤ電極挿通方法のフローチャート。
【図6】本発明の第二発明のワイヤ電極挿通方法のフローチャート。
【図7】本発明の第三発明のワイヤ電極挿通方法のフローチャート。
【図8】ワイヤ電極の弛みが座屈センサにより検知された時の状態を示す説明図。
【図9】座屈センサによる挿通不能状態判別時のワイヤ電極の弛み状態を示す説明図。
【図10】本発明の第一発明及び第二発明に於てワイヤ電極が被加工物に挿通された時の状態を示す説明図。
【図11】本発明の第三発明に於てローラ装置を逆回転させてワイヤ電極を巻上げた時の状態を示す説明図。
【図12】本発明の第三発明に於て図11の状態でローラ装置を開放したときワイヤ電極が被加工物に挿通されなかった状態を示す説明図。
【図13】本発明の第三発明に於て図11の状態でローラ装置を開放したときワイヤ電極が被加工物に挿通された状態を示す説明図。
【符号の説明】
1:ベッド 2:加工テーブル 3:被加工物
4,5:X及びY軸駆動モータ 6:コラム 7,8:上下アーム
9,10:上下ノズル装置 11:ワイヤ電極 12:移動体
13:モータ 14:支持板 15:摺動ガイド 16:Z軸スクリュ
17:モータ 18:パイプ状ワイヤ電極案内体 19:座屈センサ
20:ローラ装置 21:ワイヤ電極回収容器
22,23:ワイヤ電極捕捉回収機構 24:供給リール
25:ガイドローラ 26:加工開始孔又は加工溝 27:ブレーキ機構
28:切断装置 29:加工液供給装置 30:弛み受け容器
31:ワイヤ断線検出装置(断線検出リミットスイッチ)
32:ガイド孔 33:V溝ガイド 34:通電子
35a、35b:割型の位置決めガイド
20d,28c,28d,38,39,40,41:シリンダ装置
42:中央処理装置(CPU) 43:ROM 44:RAM
45:入力装置 46,47:入力出力インターフェイス
48:ローラ回転数検出器
Claims (3)
- X−Y平面上に固定載置された被加工物の両側に一対の位置決めガイドを設け、前記一対の位置決めガイドによりX−Y平面と直交するZ軸方向に位置決めされ被加工物に挿通した状態で供給リールから捕捉回収機構に到る所定の走行経路上に装架された細線状のワイヤ電極を所定の張力と速度をもって軸方向に走行移動させ、ワイヤ電極と被加工物間の加工間隙に加工液を供給した状態で、両者間に間歇的に電圧パルスを印加して繰返し放電を発生させると共にX−Y平面上の相対的な加工送りを与えて所望輪郭形状の加工を行なうワイヤカット放電加工装置であって、両端にワイヤ電極の入口端と出口端を有する筒状体で前記一対の位置決めガイドと同軸状に且つZ軸方向に移動可能に配置され前記入口端近傍から加圧流体が供給されて前記出口端からジェット流を噴出するパイプ状ワイヤ電極案内体と、該ワイヤ電極案内体の入口端側に設けられワイヤ電極を押圧挟持して軸方向に送るローラ装置と、前記ワイヤ電極案内体の入口端と前記ローラ装置との間に設けられワイヤ電極の座屈を検知する座屈センサと、前記走行経路上のワイヤ電極の緊張状態を検知するワイヤ断線検出装置と所定位置でワイヤ電極を切断する切断装置とを備えたワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極の挿通方法に於て、
(a) 前記切断装置により所定位置でワイヤ電極を切断した後、前記出口端が被加工物に近接する位置まで前記ワイヤ電極案内体をZ軸方向に移動してから、前記ローラ装置を閉鎖状態としてワイヤ電極を押圧挟持すると共に前記ワイヤ電極案内体へ加圧流体を供給して該案内体の出口端からジェット流を噴出させ、
(b) 前記ローラ装置を正回転させてワイヤ電極を前記ワイヤ電極案内体に向けて送出し、
(c) ワイヤ電極先端が被加工物を通過する長さ送出した後、ワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(d) 前記(c) 項でワイヤ電極の座屈が検知されないときは、ワイヤ電極先端がワイヤ電極捕捉回収機構に到るまでの長さ更に送出しながらワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(e) 前記(c) 項でワイヤ電極の座屈が検知されたときは、前記ローラ装置を停止し、
(f) 予め設定したX−Y平面上の所定パターンの相対移動を前記ワイヤ電極案内体と被加工物間に与えながら座屈検知の解消を判別し、
(g) 前記(f) 項で前記所定パターンの相対移動終了まで座屈検知が解消しないときは、前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返し、
(h) 前記(f) 項で座屈検知の解消が判別されたときは、前記所定パターンの相対移動開始位置に戻した後、前記ローラ装置を正回転させてワイヤ電極先端がワイヤ電極捕捉回収機構に到るまでの長さ更に送出しながらワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(i) 前記(d) 項又は(h) 項でワイヤ電極の座屈が検知されないときは、前記ローラ装置を開放状態としてから停止した後、ワイヤ電極の前記走行経路上の装架状態を前記ワイヤ断線検出装置により判別し、
(j) 前記(i) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されたときは、挿通成功を判定し、
(k) 前記(d) 項又は(h) 項でワイヤ電極の座屈が検知されたとき、又は前記(g) 項で前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返しても座屈検知が解消しないとき、又は前記(i) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されないときは、前記ローラ装置を逆回転させてワイヤ電極を巻上げた後、前記(b) 項以降の操作を設定回数繰返し、該設定回数繰返しても挿通成功が判定されないとき挿通失敗を判定する、
ことを特徴とするワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極挿通方法。 - X−Y平面上に固定載置された被加工物の両側に一対の位置決めガイドを設け、前記一対の位置決めガイドによりX−Y平面と直交するZ軸方向に位置決めされ被加工物に挿通した状態で供給リールから捕捉回収機構に到る所定の走行経路上に装架された細線状のワイヤ電極を所定の張力と速度をもって軸方向に走行移動させ、ワイヤ電極と被加工物間の加工間隙に加工液を供給した状態で、両者間に間歇的に電圧パルスを印加して繰返し放電を発生させると共にX−Y平面上の相対的な加工送りを与えて所望輪郭形状の加工を行なうワイヤカット放電加工装置であって、両端にワイヤ電極の入口端と出口端を有する筒状体で前記一対の位置決めガイドと同軸状に且つZ軸方向に移動可能に配置され前記入口端近傍から加圧流体が供給されて前記出口端からジェット流を噴出するパイプ状ワイヤ電極案内体と、該ワイヤ電極案内体の入口端側に設けられワイヤ電極を押圧挟持して軸方向に送るローラ装置と、前記ワイヤ電極案内体の入口端と前記ローラ装置との間に設けられワイヤ電極の座屈を検知する座屈センサと、前記走行経路上のワイヤ電極の緊張状態を検知するワイヤ断線検出装置と所定位置でワイヤ電極を切断する切断装置とを備えたワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極の挿通方法に於て、
(a) 前記切断装置により所定位置でワイヤ電極を切断した後、前記出口端が被加工物に近接する位置まで前記ワイヤ電極案内体をZ軸方向に移動してから、前記ローラ装置を閉鎖状態としてワイヤ電極を押圧挟持すると共に前記ワイヤ電極案内体へ加圧流体を供給して該案内体の出口端からジェット流を噴出させ、
(b) 前記ローラ装置を正回転させてワイヤ電極を前記ワイヤ電極案内体に向けて送出し、
(c) ワイヤ電極先端が被加工物を通過する長さ送出した後、ワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(d) 前記(c) 項でワイヤ電極の座屈が検知されないときは、ワイヤ電極先端がワイヤ電極捕捉回収機構に到るまでの長さ更に送出しながらワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(e) 前記(c) 項でワイヤ電極の座屈が検知されたときは、前記ローラ装置を停止し、
(f) ジェット流を停止してから、予め設定したX−Y平面上の所定パターンの次のポイントへ前記ワイヤ電極案内体と被加工物とを相対移動させた後、ジェット流を噴出して座屈検知の解消を判別し、
(g) 前記(f) 項で座屈検知の解消が判別されないときは、前記所定パターンの相対移動が終了するまで前記(f) 項の操作を繰返し、
(h) 前記(g) 項で前記所定パターンの相対移動終了まで座屈検知が解消しないときは、前記(f) 項及び(g) 項による前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返し、
(i) 前記(f) 項で座屈検知の解消が判別されたときは、前記相対移動開始ポイントに戻した後、前記ローラ装置を正回転させてワイヤ電極先端がワイヤ電極捕捉回収機構に到るまでの長さ更に送出しながらワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(j) 前記(d) 項又は(i) 項でワイヤ電極の座屈が検知されないときは、前記ローラ装置を開放状態としてから停止した後、ワイヤ電極の前記走行経路上の装架状態を前記ワイヤ断線検出装置により判別し、
(k) 前記(j) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されたときは、挿通成功を判定し、
(l) 前記(d) 項又は(i) 項でワイヤ電極の座屈が検知されたとき、又は前記(h) 項で前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返しても座屈検知が解消しないとき、又は前記(j) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されないときは、前記ローラ装置を逆回転させてワイヤ電極を巻上げた後、前記(b) 項以降の操作を設定回数繰返し、該設定回数繰返しても挿通成功が判定されないとき挿通失敗を判定する、
ことを特徴とするワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極挿通方法。 - X−Y平面上に固定載置された被加工物の両側に一対の位置決めガイドを設け、前記一対の位置決めガイドによりX−Y平面と直交するZ軸方向に位置決めされ被加工物に挿通した状態で供給リールから捕捉回収機構に到る所定の走行経路上に装架された細線状のワイヤ電極を所定の張力と速度をもって軸方向に走行移動させ、ワイヤ電極と被加工物間の加工間隙に加工液を供給した状態で、両者間に間歇的に電圧パルスを印加して繰返し放電を発生させると共にX−Y平面上の相対的な加工送りを与えて所望輪郭形状の加工を行なうワイヤカット放電加工装置であって、両端にワイヤ電極の入口端と出口端を有する筒状体で前記一対の位置決めガイドと同軸状に且つZ軸方向に移動可能に配置され前記入口端近傍から加圧流体が供給されて前記出口端からジェット流を噴出するパイプ状ワイヤ電極案内体と、該ワイヤ電極案内体の入口端側に設けられワイヤ電極を押圧挟持して軸方向に送るローラ装置と、前記ワイヤ電極案内体の入口端と前記ローラ装置との間に設けられワイヤ電極の座屈を検知する座屈センサと、前記走行経路上のワイヤ電極の緊張状態を検知するワイヤ断線検出装置と所定位置でワイヤ電極を切断する切断装置とを備えたワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極の挿通方法に於て、
(a) 前記切断装置により所定位置でワイヤ電極を切断した後、前記出口端が被加工物に近接する位置まで前記ワイヤ電極案内体をZ軸方向に移動してから、前記ローラ装置を閉鎖状態としてワイヤ電極を押圧挟持すると共に前記ワイヤ電極案内体へ加圧流体を供給して該案内体の出口端からジェット流を噴出させ、
(b) 前記ローラ装置を正回転させてワイヤ電極を前記ワイヤ電極案内体に向けて送出し、
(c) ワイヤ電極先端が被加工物を通過する長さ送出した後、ワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(d) 前記(c) 項でワイヤ電極の座屈が検知されないときは、ワイヤ電極先端がワイヤ電極捕捉回収機構に到るまでの長さ更に送出しながらワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(e) 前記(c) 項でワイヤ電極の座屈が検知されたときは、前記ローラ装置を停止し、
(f) 前記ローラ装置を逆回転させてワイヤ電極先端が前記ワイヤ電極案内体内に位置するまでワイヤ電極を巻上げてから、予め設定したX−Y平面上の所定パターンの次のポイントへ前記ワイヤ電極案内体と被加工物とを相対移動させた後、前記ローラ装置を開放状態として座屈検知の解消を判別し、
(g) 前記(f) 項で座屈検知の解消が判別されないときは、前記所定パターンの相対移動が終了するまで前記(f) 項の操作を繰返し、
(h) 前記(g) 項で前記所定パターンの相対移動終了まで座屈検知が解消しないときは、前記(f) 項及び(g) 項による前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返し、
(i) 前記(f) 項で座屈検知の解消が判別されたときは、前記相対移動開始ポイントに戻した後、前記ローラ装置を正回転させてワイヤ電極先端がワイヤ電極捕捉回収機構に到るまでの長さ更に送出しながらワイヤ電極の座屈の有無を前記座屈センサにより判別検知し、
(j) 前記(d) 項又は(i) 項でワイヤ電極の座屈が検知されないときは、前記ローラ装置を開放状態としてから停止した後、ワイヤ電極の前記走行経路上の装架状態を前記ワイヤ断線検出装置により判別し、
(k) 前記(j) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されたときは、挿通成功を判定し、
(l) 前記(d) 項又は(i) 項でワイヤ電極の座屈が検知されたとき、又は前記(h) 項で前記所定パターンの相対移動を設定回数繰返しても座屈検知が解消しないとき、又は前記(j) 項でワイヤ電極が前記走行経路上に所定の張力で装架されていることが判別されないときは、前記ローラ装置を逆回転させてワイヤ電極を巻上げた後、前記(b) 項以降の操作を設定回数繰返し、該設定回数繰返しても挿通成功が判定されないとき挿通失敗を判定する、
ことを特徴とするワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極挿通方法。
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