JP4327513B2 - ワイヤ電極自動結線装置およびワイヤ電極の自動結線方法 - Google Patents

ワイヤ電極自動結線装置およびワイヤ電極の自動結線方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加工物に形成された挿入孔にワイヤ電極を自動的に挿入して結線するワイヤ電極自動結線装置およびワイヤ電極の自動結線方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、加工対象物に形成された挿入孔にワイヤ電極の先端を挿入し、このワイヤ電極の先端を巻取りローラに巻き取らせてワイヤ電極を自動的に結線するワイヤ電極の自動結線装置を備えるワイヤ放電加工機が広く用いられている。
【0003】
このようなワイヤ放電加工機器においてワイヤ電極と被加工物との間の放電加工隙間に加工用放電パルスを印加して被加工物に適宜断面形状の孔あけ等の放電加工をする場合、例えば、一つの加工穴の加工が完了した後、次の加工部を加工する前に、一旦ワイヤ電極を強制的に切断する。また、不良事故等によりワイヤ電極が断線することもある。このため、切断されたワイヤ電極の先端部を、再度被加工物における加工開始孔等に通過させて再度張架するという、結線作業が必要となる。
【0004】
しかしながら、この結線作業においては、ワイヤ電極の曲がりやワイヤを挿入口に送る際の振動などによりワイヤ電極の先端部が挿入口に引っ掛かかりワイヤ電極を挿入口にうまく挿入できないという問題がある。
【0005】
これに対して、種々の改善が講じられている。例えば従来のワイヤ自動結線装置として、ガイドパイプが下降するとともにワイヤ電極がガイドパイプから突き出さないようにワイヤ送り出し手段によって送り出される構成のものがある。ガイドパイプは被加工物の表面に密着する形で停止し、パイプによりワイヤ先端が案内されて被加工物の加工開始穴へ挿通される(例えば特許文献1参照)。
【0006】
また、従来のワイヤ自動結線装置として、ワイヤが送りローラとピンチローラとによって狭持されながらワイヤガイドと共に被加工物の直上まで下降し、ワイヤの先端が被加工物の加工開始穴へ挿通されるように構成したものがある(例えば特許文献2参照)。
【0007】
また、従来のワイヤ放電加工装置として、ワイヤと同軸にノズルを配置して該ノズルより加圧流体を噴出し、加圧流体による水力学的な力でワイヤ通し穴へ容易に通すことができるように構成したものがある(例えば特許文献3参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−137124号公報(第6頁−第7頁)
【特許文献2】
特開平1−140924号公報(第3頁−第4頁)
【特許文献3】
特開昭58−109229号公報(第3頁−第4頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に示されるワイヤ自動結線装置では、実質的に製作できるパイプ内径よりも加工開始穴径が小さい場合、例えばφ0.05mmとなる場合には、逆段差部分が生じるため加工開始穴に入らないという問題がある。また、ワイヤ送り手段により送られる時のローラとの摩擦による振動、ねじりにより、ワイヤ先端が振れるために小径の加工開始穴に引っ掛り易いという問題がある。
【0010】
また、上述した特許文献2に示されるワイヤ自動結線装置では、ワイヤ上方支持部によりワイヤが保持された状態でZ軸移動手段によりワイヤを被加工物に近づけるが、ワイヤ先端の上方支持部より下の部分はなにも保持されていない為に、ワイヤの曲がり癖などにより加工開始穴に入りにくい傾向にある。例えば加工開始穴径φ0.05の場合には実質挿通不可能となる問題がある。
【0011】
そして、上述した特許文献3に示されるワイヤ自動結線装置では、ワイヤ外径と被加工物の加工開始穴内径のギャップが狭い場合、例えばワイヤ径φ0.03mm、加工開始穴径φ0.05mmの場合には、ワイヤが加工開始穴に入るまでは加圧流体により水力学的な力が働くが、穴に入ったあとは狭いギャップのために流速が極端に落ちてワイヤを送り出す水力学的な力が発生しなくなるため、ワイヤと加工開始穴内面との摩擦によりワイヤの進行が妨げられ、挿通不可能となるという問題点がある。
【0012】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、確実に被加工物の加工開始穴へ挿通可能なワイヤ自動結線装置を得ることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためこの発明にかかるワイヤ電極自動結線装置は、被加工物に形成された挿入孔にワイヤ電極を挿入して結線するワイヤ電極自動結線装置であって、ワイヤ電極を狭持するとともに該ワイヤ電極を被加工物に対して進退動させるワイヤ電極送り手段と、ワイヤ電極と同軸上に配置され、ワイヤ電極に対して圧縮空気を噴出して該ワイヤ電極に振動を付与する圧縮空気噴出手段と、ワイヤ電極送り手段により所定の位置に進退動され且つ圧縮空気噴出手段により振動が付与された前記ワイヤ電極を、ワイヤ電極送り手段と共に進退動させるワイヤ電極移動手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、ワイヤ電極送り手段によりワイヤ電極を狭持するとともに該ワイヤ電極を被加工物に対して進退動させ、ワイヤ電極と同軸上に配置された圧縮空気噴出手段によりワイヤ電極に対して圧縮空気を噴出して該ワイヤ電極に振動を付与し、ワイヤ電極送り手段により所定の位置に進退動され且つ圧縮空気噴出手段により振動が付与されたワイヤ電極をワイヤ電極送り手段と共にワイヤ電極移動手段により進退動させる。
【0015】
これにより、ワイヤ電極は、ワイヤ電極の送り経路上に強制的に戻された状態で被加工物に対して進動させられるため、ワイヤ電極は、被加工物の挿入口への挿入時に該挿入口の位置からずれることが防止され、ワイヤ電極は円滑に且つ確実に被加工物の加工開始穴へ挿入される。
【0016】
その結果、ワイヤ電極に多少の曲がり癖などが生じていてもその影響を受けること無く、ワイヤ電極を確実に被加工物の加工開始穴へ挿入し挿通させることができる。また、例えばワイヤ電極と加工開始穴とのギャップが狭い場合などにおいても、円滑にワイヤ電極を加工開始穴へ挿入し挿通させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるワイヤ放電加工装置のワイヤ自動結線装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1はこの発明の実施の形態であるワイヤ電極自動結線装置10の概略構成を示す図である。本実施の形態にかかるワイヤ電極自動結線装置10は、ワイヤ電極1と、ワイヤ電極送り手段3と、Z軸移動手段4と、接触検出手段5と、圧縮空気噴出手段6と、カウント手段7とを備えて構成される。また、図1に示すようにワイヤ放電加工装置の加工対象物である被加工物2には、ワイヤ電極1を挿入する挿入孔となる加工開始穴2aが設けられている。
【0019】
ワイヤ電極送り手段3は、ワイヤ電極を狭持するとともに該ワイヤ電極1を被加工物2に対して進退動させるものである。ワイヤ電極送り手段3は、り、送りモータ3aと、送りローラ3bと、ピンチローラ3cとを備えて構成されており、ピンチローラ3cはその内部に所定の回転方向にのみ回転するワンウェイクラッチ3dを内包する。
【0020】
また、Z軸移動手段4は、ワイヤ電極送り手段3により所定の位置に進退動され且つ後述する圧縮空気噴出手段6により振動が付与されたワイヤ電極1を、ワイヤ電極送り手段3と共に進退動させるものである。すなわち、Z軸移動手段4はワイヤ電極移動手段であり、Z軸送りモータ4aと、Z軸送りネジ機構4bとを備えて構成されている。
【0021】
圧縮空気噴出手段6は、圧縮空気供給手段6aと、噴出ノズル6bとを備えて構成されている。すなわち、圧縮空気噴出手段6においては、圧縮空気供給手段6aにより所定の圧力に圧縮された空気が、噴出ノズル6bに供給される。そして、供給された空気が、該噴出ノズル6bの先端部に形成された噴出口6cから噴出される。
【0022】
また、噴出ノズル6bの内部には、図2に示すように、加工時におけるワイヤ電極1の位置決めの機能を有するワイヤガイド9が配置されている。このワイヤガイド9を備えることにより、ワイヤ電極1は、噴出ノズル6b内において位置ずれを生じることなく、常に同一軸上に支持される。
【0023】
また、圧縮空気噴出手段6の噴出ノズル6bの外周部には、加工液ノズル8が配置されている。加工液ノズル8は、ワイヤ電極1及び噴出ノズル6bと同軸上に配置され、放電の媒体となる加工液を被加工物2の加工部に噴射するためのノズルである。
【0024】
接触検出手段5は、ワイヤ電極1及び被加工物2にそれぞれ電気的に接続され、ワイヤ電極1と被加工物2との導通を検出可能に構成されている。すなわち、接触検出手段は、ワイヤ電極1と被加工物2との導通を検出することによりワイヤ電極1と被加工物2との接触を検出する機能を備えるものである。
【0025】
また、接触検出手段5にはカウント手段7が接続されている。カウント手段7は、接触検出手段5における検出回数をカウントして記憶する機能を有するものである。カウント手段7には、接触検出手段5から、該接触検出手段5において検出されたワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接続状態のデータが入力される。具体的には、ワイヤ電極1と被加工物2とが不導通状態、すなわち電気的に接続していない状態から導通状態、すなわち電気的に接続した状態となった後に、再度不導通状態になったことを示す信号が入力される。そして、カウント手段7では、その信号の入力回数をカウントし、記憶する。
【0026】
また、カウント手段7にはワイヤ電極1の自動結線作業のための制御プログラム等が予め記憶されている。
【0027】
そして、カウント手段7は、自動結線装置10の制御装置としての中央処理装置(CPU)11に接続されている。CPU11では、カウント手段7でカウントした結果に基づいて、その後の自動結線装置10の動作、すなわち、結線動作またはリトライ動作の制御を行う。
【0028】
また、CPU11は、自動結線装置10の制御装置として自動結線装置10の制御全般を行う。すなわち、CPU11では、ワイヤ電極送り手段3、Z軸移動手段4、接触検出手段5、圧縮空気噴出手段6などの制御全般を行う。
【0029】
なお、CPU11は、自動結線装置10の制御装置として独自に備えるのではなく、該自動結線装置10が組み込まれる放電加工機の制御装置にその機能を備える構成とすることができる。
【0030】
次に、このように構成されたワイヤ電極自動結線装置10における結線処理方法について説明する。ワイヤ電極自動結線装置10を用いた結線処理方法は、ワイヤ電極を狭持するとともに該ワイヤ電極を被加工物に対して進退動させるワイヤ電極送り工程と、前記ワイヤ電極と同軸上に配置された圧縮空気噴出手段により前記ワイヤ電極に圧縮空気を噴出して該ワイヤ電極に振動を付与する圧縮空気噴出工程と、前記ワイヤ電極送り手段により所定の位置に進退動され且つ前記圧縮空気噴出手段により振動が付与された前記ワイヤ電極を、前記ワイヤ電極送り手段と共に進退動させるワイヤ電極移動工程と、前記ワイヤ電極と被加工物との接触状態を検出する接触検出工程と、前記接触検出工程における検出回数をカウントして記憶するカウント工程と、前記カウント工程でカウントされた検出回数に応じて前記ワイヤ電極移動工程におけるワイヤ電極の移動方向を正逆転させる工程とを含んでいる。
【0031】
図3は、ワイヤ電極自動結線装置10における結線処理フローを説明するフローチャートである。以下、図3を参照しながら説明する。なお、以下では、ワイヤ電極1の先端部が切断された状態から、該ワイヤ電極1の先端部を被加工物2の加工開始穴2aに挿通するまでの工程について説明する。
【0032】
以上のように構成されたワイヤ電極自動結線装置10において、結線処理を行うには、まず、ワイヤ電極送り工程を実施する。すなわち、ワイヤ電極供給リール21からピンチローラ22、23を経てワイヤ電極自動結線装置10に供給され、先端がスタート点Bに配置されたワイヤ電極1を、ワイヤ電極送り手段3により停止点Cまで送り出す(S101)。ここで、ワイヤ電極1の送り出しは、ワイヤ電極1が送りローラ3bとピンチローラ3cとに狭持された状態で送りモータ3aを駆動させることにより行われる。
【0033】
ここでスタート点Bは、切断動作によりワイヤ電極1の先端となる地点であり、ワイヤ電極1の結線動作が行われるときのスタート点となる。
【0034】
また停止点Cはワイヤ電極1の先端が噴出ノズル6b内を通過して、該噴出ノズル6bの噴出口6cよりわずかに、例えば2mm〜3mm程度、被加工物2側に突出した位置である。また、噴出ノズル6bの内径は、例えばφ0.2mmとする。
【0035】
ここで、ワイヤ電極1の先端部が停止点Cに到達していない場合には(S102否定)、ワイヤ電極1の先端部が停止点Cに到達するまでワイヤ電極送り手段3によりワイヤ電極1を送り出す。そして、このとき、ワイヤ電極1の送り経路上に被加工物2の加工開始穴2aが位置するように被加工物2の位置を制御する。
【0036】
また、ワイヤ電極1の先端部が停止点Cまで到達した場合には(S102肯定)、圧縮空気噴出工程を実施して圧縮空気噴出手段6によりワイヤ電極1の先端部に振動を付与する。すなわち、圧縮空気供給手段6aにより噴出ノズル6bに圧縮空気を供給して、噴出ノズル6bの噴出口6cより被加工物2側に圧縮空気を噴出する(S103)。これにより、噴出ノズル6b内を通過して該噴出ノズル6bの噴出口6cより被加工物2側に突出したワイヤ電極1の先端部は、噴出ノズル6bの噴出口6cを通って被加工物2側に圧縮空気を噴出する圧縮空気により、所定の一定幅で周期的な横方向微振動を加えられた状態となる。
【0037】
なお、このとき、ワイヤ電極1は、その先端部近傍の一部がワイヤガイド9で支持されることにより、先端部近傍が大きく位置ずれしないように案内されている。
【0038】
この横方向微振動は、ワイヤ電極1を被加工物2の加工開始穴2aに挿通する際に、ワイヤ電極1についている曲がり癖等によって該ワイヤ電極1の先端部が加工開始穴2aからずれてしまい、ワイヤ電極1を被加工物2の加工開始穴2aに挿通できなくなることを防止する。すなわち、この横方向微振動は、その振動によりワイヤ電極1を強制的に該ワイヤ電極1の先端部を該ワイヤ電極1の送り経路上に戻して加工開始穴2aに入りやすくさせる効果をもたらす。
【0039】
このため、横方向微振動は、その振動幅が大き過ぎる場合には、被加工物2に接触してもその振動が止まらず、ワイヤ電極1の先端部が加工開始穴2aに入らない虞がある。一方、横方向微振動は、その振動幅が小さ過ぎる場合には、ワイヤ電極1の曲がりを吸収できないので、ワイヤ電極1の先端を中心に戻すことができない。すなわち、横方向微振動は、その振動幅は、少なくともワイヤ電極1の先端部の曲がり癖による変位量以上の大きさを有することが必要である。
【0040】
したがって、その振動幅及び、振動周期は最適値を有する。図2に示すように、例えばワイヤ電極1の先端部が噴出ノズル6bから2mm飛び出した位置にあり、ワイヤ電極1の先端部がワイヤガイド9から10mmの距離にある場合を考える。このとき、ワイヤ電極1の先端部の曲がり癖による変位量は、ワイヤ電極1の巻量や、経年変化によっても変化するが、最大でも1mm以内であるため、片側1mm幅で2mm以上は振動させる必要がある。
【0041】
例えばワイヤ電極1のワイヤ径がφ0.03mm、被加工物2の加工開始穴2aの穴径がφ0.05mm、噴出ノズル径がφ0.2mm、噴出ノズル6bの噴出口6cからのワイヤ電極1の突出量が2mm、圧縮空気の圧力が0.3MPaである場合には、横方向微振動の振動幅は2mm程度となり挿通確率が最も高くなる。すなわち、この場合の横方向微振動の振動幅の最適値は、2mmということになる。
【0042】
ここで、横方向微振動は、ワイヤ電極1をワイヤ送り手段3により送る場合のローラとの摩擦、ローラ駆動などによる非周期的な振動、ねじりとは根本的に異なる性質のものである。すなわち、この横方向微振動は、所定の振動幅となるように強制的に生じせしめるものであり、ワイヤ電極1の先端部をワイヤ電極1の送り経路上に戻して加工開始穴2aに入りやすくさせるために生じさせるものである。
【0043】
次に、ワイヤ電極移動工程を実施する。ワイヤ電極移動工程では、この状態を保ちながら、すなわち、ワイヤ電極1の先端部に横方向微振動を付与した状態で、Z軸送りモータ4aと該Z軸送りモータ4aに連結されたZ軸送りネジ機構4bにより、自動結線装置10と共にワイヤ電極1を一定距離だけ被加工物2側に降下させる(S104,S105)。これにより、ワイヤ電極1は、送りローラ3bとピンチローラ3cとに狭持され、また、ワイヤガイド9で支持、案内された状態で一定距離だけ被加工物2側に降下する。このとき、被加工物2の加工開始穴2aは、ワイヤ電極1の先端部の略直下に配置されている。
【0044】
ここで、被加工物2側に降下させる一定距離は、ワイヤ電極1の先端部が被加工物2の表面に接触するとともに、該被加工物2の表面に接触したワイヤ電極1が座屈しない条件において決める必要がある。ここでは、例えばワイヤ電極1が被加工物2の表面に接触してからさらに0.5mm程度下げるものとする。
【0045】
このような条件で、自動結線装置10と共にワイヤ電極1を一定距離だけ被加工物2側に降下させることにより、被加工物2の表面に接触したワイヤ電極1を座屈させることなく、該ワイヤ電極1の先端部を被加工物2の表面に接触させることができる。
【0046】
そして、ワイヤ電極1の先端部が被加工物2の表面に接触した状態においても、ワイヤ電極1の先端部は、噴出ノズル6bの噴出口6cから噴出される圧縮空気により、所定の一定幅で周期的な横方向微振動を加えられた状態にある。すなわち、ワイヤ電極1の先端部は、横方向微振動により強制的に該ワイヤ電極1の送り経路上、すなわち被加工物2の加工開始穴2aの直上の位置に戻され、該加工開始穴2aを中心として所定の振動幅で振動している。
【0047】
このような状態で自動結線装置10と共にワイヤ電極1を一定距離だけ被加工物2側に降下させることにより、ワイヤ電極1の降下中または所定の位置まで降下した状態においてワイヤ電極1の先端部が加工開始穴2aに挿入される。
【0048】
すなわち、ワイヤ電極1をワイヤ送り手段3により所定の位置まで送り、その後、圧縮空気噴出手段6により横方向微振動を付与した状態でZ軸移動手段4を用いて自動結線装置10と共にワイヤ電極1を被加工物2側に降下させることにより、ワイヤ送りによる振動、ねじれを発生させることなく、ワイヤ電極1の先端部を被加工物2の加工開始穴2aに確実に挿入することが可能となる。
【0049】
また、ワイヤ電極1に多少の曲がり癖などが生じていても、その影響を受けること無く、ワイヤ電極1を確実に被加工物2の加工開始穴2aへ挿入することが可能である。そして、例えばワイヤ電極1と加工開始穴2aとのギャップが狭い場合においても、円滑にワイヤ電極1を加工開始穴2aへ挿入することが可能である。すなわち、ワイヤ電極1を円滑且つ確実に加工開始穴2aに挿入することができる。
【0050】
ここで、自動結線装置10と共にワイヤ電極1が所定の一定距離だけ被加工物2側に降下していない場合には(S105否定)、効果距離が所定の一定距離となるまで引き続きワイヤ電極1を自動結線装置10と共に降下させる。
【0051】
また、自動結線装置10と共にワイヤ電極1が所定の一定距離だけ被加工物2側に降下した場合(S105肯定)を含めて、上記のS104以降、接触検出工程を実施する。すなわち、接触検出手段5によりワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触を監視する(S106)。
【0052】
ワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触が認められない場合は(S106否定)、Z軸移動手段4、すなわちZ軸送りモータ4aと該Z軸送りモータ4aに連結されたZ軸送りネジ機構4bを用いて自動結線装置10と共にワイヤ電極1を上昇させて元に位置に戻す。ここで、元の位置とは、停止点Cの位置である。
【0053】
そして、ワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触が認められた場合は(S106肯定)、ワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触の解除が認められるか否かを判断する(S107)。ここで、ワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触の解除とは、ワイヤ電極1の先端部が一旦被加工物2の表面に接触して導通状態となった後、再度不導通状態になることである。
【0054】
ワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触の解除が認められた場合には、接触検出手段5からカウント手段7に対して、電気的な接触の解除が認められた旨の信号が送信される。
【0055】
ここで、ワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触の解除が認められない場合は(S107否定)、ワイヤ電極1が加工開始穴2aに入らなかったと判断して、Z軸移動手段4により自動結線装置10と共にワイヤ電極1を上昇させて元の位置に戻す。すなわち、ワイヤ電極1の先端部を停止点Cの位置まで戻す。
【0056】
そして、再度S104から繰り返す。この動作を繰り返すことにより、自動結線のリトライ動作、すなわちワイヤ電極1を切断して、ステップ1を繰り返す動作を実施することなく結線動作を繰り返すことができ、リトライ動作に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0057】
また、ワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触の解除が認められた場合は(S107肯定)、カウント工程を実施する。カウント工程では、該電気的な接触の解除がなされた回数、すなわち、接触検出手段5からカウント手段7に対して送信された信号を該カウント手段7によりカウントし、記憶する(S108)。
【0058】
そして、ワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触の解除の回数が所定の規定値、例えば2回〜3回程度に達したか否かを判断する(S109)。そして、カウントされた検出回数に応じて前記ワイヤ電極移動工程におけるワイヤ電極の移動方向を正逆転制御する。
【0059】
ワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触の解除の回数が所定の規定値に達しない場合は(S109否定)、ワイヤ電極移動工程におけるワイヤ電極の移動方向を逆転制御して、Z軸移動手段4により自動結線装置10と共にワイヤ電極1を上昇させて元に位置に戻す。そして、再度S107から繰り返す。
【0060】
また、ワイヤ電極1と被加工物2との電気的な接触の解除の回数が所定の規定値に達した場合は(S109肯定)、ワイヤ電極1が加工開始穴2aに入ったと判断して(S110)、ワイヤ電極1の被加工物2の加工開始穴2aへの挿通作業が終了する。以上により、切断されたワイヤ電極1の先端部を被加工物2の加工開始穴2aに簡便且つ確実に挿入し、挿通させることができる。
【0061】
そして、ワイヤ電極1の先端部が被加工物2の加工開始穴2aに挿入された後においても、ワイヤ電極1は、噴出ノズル6bの噴出口6cから噴出される圧縮空気により、所定の一定幅で周期的な横方向微振動を加えられた状態にある。これにより、ワイヤ電極1と被加工物2の加工開始穴2aとの摩擦が発生することが防止され、またワイヤ電極1が加工開始穴2aに引っ掛かることが防止され、確実に結線作業を継続することが可能となる。
【0062】
以後、この状態のままワイヤ電極送り手段3によりワイヤ電極1を送り出し、結線動作を続行する。
【0063】
なお、上述したZ軸移動手段4の動作は、ワイヤ電極1の保持側を固定として、被加工物2の積載されるテーブル側を駆動させることにより動作させることも可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ワイヤ電極を該ワイヤ電極の送り経路上に強制的に戻された状態で被加工物に対して進動させるため、ワイヤ電極の先端部が被加工物の挿入口への挿入時に該挿入口の位置からずれることが防止され、ワイヤ電極を円滑に且つ確実に被加工物の加工開始穴へ挿入し、挿通させることができるという効果を奏する。そして、この発明によれば、ワイヤ電極に多少の曲がり癖などが生じていてもその影響を受けること無く、ワイヤ電極を確実に被加工物の加工開始穴へ挿入し挿通させることができる。そして、ワイヤ電極と加工開始穴とのギャップが狭い場合においても、円滑にワイヤ電極を加工開始穴へ挿入し挿通させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態にかかるワイヤ自動結線装置の概略構成を示す図である。
【図2】 噴出ノズルの近傍の構成を説明する図である。
【図3】 ワイヤ電極自動結線装置における結線処理フローを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極、2 被加工物、2a 加工開始穴、3 ワイヤ電極送り手段、4 Z軸移動手段、5 接触検出手段、6 圧縮空気噴出手段、7 カウント手段、10 ワイヤ自動結線装置。

Claims (6)

  1. 被加工物に形成された挿入孔にワイヤ電極を挿入して結線するワイヤ電極自動結線装置であって、
    前記ワイヤ電極と同軸上に配置され、前記ワイヤ電極に対して噴出口から圧縮空気を噴出して該ワイヤ電極に振動を付与する圧縮空気噴出手段と、
    前記ワイヤ電極を狭持するとともに該ワイヤ電極を前記被加工物に対して進退動させ、前記ワイヤ電極の先端部が前記噴出口からわずかに出た位置で前記ワイヤ電極の進退動を停止させるワイヤ電極送り手段と、
    前記ワイヤ電極送り手段により所定の位置で停止され且つ前記圧縮空気噴出手段によりワイヤガイドで支持された状態で振動が付与された前記ワイヤ電極を、前記ワイヤ電極送り手段と共に進退動させるワイヤ電極移動手段と
    を備えることを特徴とするワイヤ電極自動結線装置。
  2. 前記ワイヤ電極と被加工物との接触状態を検出する接触検出手段と、
    前記接触検出手段における検出回数をカウントするカウント手段と、
    前記カウント手段でカウントされた検出回数に応じて前記ワイヤ電極移動手段におけるワイヤ電極の移動方向を正逆転制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ電極自動結線装置。
  3. 前記接触検出手段は、前記ワイヤ電極と被加工物との電気的接触の解除回数を検出すること
    を特徴とする請求項2に記載のワイヤ電極自動結線装置。
  4. 被加工物に形成された挿入孔にワイヤ電極を挿入して結線するワイヤ電極の自動結線方法であって、
    前記ワイヤ電極を狭持するとともに該ワイヤ電極を前記被加工物に対して進退動させ、所定の位置で前記ワイヤ電極の進退動を停止させるワイヤ電極送り工程と、
    前記所定の位置で停止された前記ワイヤ電極に、前記ワイヤ電極と同軸上に配置された圧縮空気噴出手段により、ワイヤガイドで支持した状態で圧縮空気を噴出して該ワイヤ電極に振動を付与する圧縮空気噴出工程と、
    前記ワイヤ電極送り工程により所定の位置で停止され、且つ前記圧縮空気噴出工程により前記ワイヤガイドで支持した状態で振動が付与された前記ワイヤ電極を、前記ワイヤ電極送り手段と共に進退動させるワイヤ電極移動工程と
    を含むことを特徴とするワイヤ電極の自動結線方法。
  5. 前記ワイヤ電極と被加工物との接触状態を検出する接触検出工程と、
    前記接触検出工程における検出回数をカウントして記憶するカウント工程と、
    前記カウント工程でカウントされた検出回数に応じて前記ワイヤ電極移動工程におけるワイヤ電極の移動方向を正逆転させる工程と
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載のワイヤ電極の自動結線方法。
  6. 前記接触検出工程において、前記ワイヤ電極と被加工物との電気的接触の解除回数を検出すること
    を特徴とする請求項5に記載のワイヤ電極の自動結線方法。
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