JP2003103418A - ワイヤ放電加工機、ワイヤ放電加工機の制御方法およびワイヤ放電加工機制御用プログラム - Google Patents

ワイヤ放電加工機、ワイヤ放電加工機の制御方法およびワイヤ放電加工機制御用プログラム

Info

Publication number
JP2003103418A
JP2003103418A JP2001301452A JP2001301452A JP2003103418A JP 2003103418 A JP2003103418 A JP 2003103418A JP 2001301452 A JP2001301452 A JP 2001301452A JP 2001301452 A JP2001301452 A JP 2001301452A JP 2003103418 A JP2003103418 A JP 2003103418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire electrode
wire
work
electrode
electric discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001301452A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuteru Kuriki
一輝 栗木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2001301452A priority Critical patent/JP2003103418A/ja
Publication of JP2003103418A publication Critical patent/JP2003103418A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】加工溝にワイヤ電極を通す場合に効率よく自動
結線処理を行うことのできるワイヤ放電加工機を提供す
ること。 【解決手段】制御装置90は、自動結線処理において、
ワイヤ電極が加工溝を通らなかったと判定される(s1
9:NO)毎に、位置関係変更処理を実行することによ
って、ワイヤ電極とワークとの位置関係を順次変更する
(s23)。この位置関係変更処理において、制御装置
90は、まず、ワイヤ電極12を移動させる移動距離L
を、位置関係変更処理の実行回数nと、加工溝の溝幅a
とに基づいて算出する。そして、ワイヤ電極12の位置
を、算出された移動距離Lだけ加工ルート直交直線に沿
って移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤ放電加工機
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ワイヤ放電加工機では、上部ワイ
ヤガイド部から送出されたワイヤ電極をワークに形成さ
れた挿通穴に通して下部ワイヤガイド部に到達させる自
動結線処理が行われている。
【0003】この自動結線処理では、ワイヤ電極の曲が
り癖などの要因によりワイヤ電極の先端が挿通穴の真上
にない状態でワイヤ電極を送出すると、ワイヤ電極がワ
ークに当接してしまい、挿通穴に通らないことがある。
この対策として、従来は、ワイヤ電極とワークとの間に
印加した電圧の変動に基づいてワイヤ電極がワークに当
接したことを検出し、両者の当接が検出される毎に、ワ
イヤ電極とワークとの位置関係を変更したうえで、再
度、上部ワイヤガイド部から下部ワイヤガイド部に向け
てワイヤ電極を送出し直すことが行われている。
【0004】この種の自動結線処理として、例えば、特
開平3−234420号公報には、ワイヤ電極とワーク
との当接が検出される毎に、ワークに形成された挿通穴
の位置をワイヤ電極に対して螺旋状に移動していくよう
に、ワイヤ電極とワークとの位置関係を順次変更する自
動結線処理が記載されている。この自動結線処理によれ
ば、挿通穴の位置が螺旋状に順次変更されるため、ワイ
ヤ電極が挿通穴を通るかどうかを挿通穴周辺で重点的に
試すことができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法は、挿通穴にワイヤ電極を通すための方法であり、挿
通穴よりも長さのある加工溝にワイヤ電極を通す場合に
は、必ずしも効率よく自動結線処理を行うことができな
かった。
【0006】例えば、図5に示したように、断線したワ
イヤ電極をy軸方向(図5における上下方向)と平行に
形成された加工溝Gに通す場合、通常、ワイヤ電極が断
線した位置p0から、ワークを加工ルートRに沿って所
定量戻した初期位置p1から自動結線処理が行われる。
この場合、ワークに対するワイヤ電極の相対的な位置
が、初期位置p1から順番にp2、p3、p4・・・と
順次変更されていくが、加工溝がy軸方向と平行に形成
されていることから、初期位置p1でワイヤ電極が加工
溝Gに通らなければ、この初期位置p1とy座標のみが
異なる位置p4についてもワイヤ電極が加工溝Gを通ら
ないのは明らかである。そのため、このように、ワイヤ
電極が加工溝に通るかどうかを、加工ルートに沿って並
ぶような複数の位置p1、p4で試すことは、余計な動
作を行っていることになり、自動結線処理が終了するま
でに時間がかかる原因となっていた。
【0007】本発明は、加工溝にワイヤ電極を通す場合
に効率よく自動結線処理を行うことのできるワイヤ放電
加工機、ワイヤ放電加工機の制御方法およびワイヤ放電
加工機制御用プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記問
題を解決するため請求項1に記載のワイヤ放電加工機
は、一対のワイヤガイド部間に張られたワイヤ電極を備
え、前記ワイヤガイド部間に挟まれる位置に配設された
ワークを、前記ワイヤ電極に対して相対的に前記ワイヤ
電極の長さ方向に直交する方向へ移動させながら、前記
ワイヤ電極と前記ワークとの間で放電を行うことによっ
て、該ワークに所定の加工ルートに沿った加工溝を形成
するワイヤ放電加工機であって、一方のワイヤガイド部
から他方のワイヤガイド部に向かってワイヤ電極を送出
するワイヤ電極送出手段と、該ワイヤ電極送出手段によ
り送出されたワイヤ電極が、前記加工溝を通って前記他
方のワイヤガイド部に到達した到達状態になったか、前
記加工溝を通らずにワークに当接した当接状態になった
かを判定する状態判定手段と、該状態判定手段により前
記当接状態になったと判定された場合に、送出されたワ
イヤ電極を前記一方のワイヤガイド部に向かって引き戻
すワイヤ電極引き戻し手段と、前記状態判定手段により
前記当接状態になったと判定された場合に、ワークを前
記ワイヤ電極に対して相対的に移動させてワイヤ電極と
ワークとの位置関係を変更する位置関係変更手段と、前
記状態判定手段により前記到達状態になったと判定され
るまで前記ワイヤ電極送出手段によるワイヤ電極の送
出、前記ワイヤ電極引き戻し手段によるワイヤ電極の引
き戻し、および、前記位置関係変更手段によるワイヤ電
極とワークとの位置関係の変更を繰り返し実行させる繰
り返し実行手段とを備えており、前記位置関係変更手段
が、前記状態判定手段により前記当接状態になったと判
定される毎に、前記加工ルートに交差する直線に沿って
異なる複数の位置へワークをワイヤ電極に対して相対的
に移動させることを特徴とする。
【0009】このワイヤ放電加工機における状態判定手
段は、ワイヤ電極送出手段により送出されたワイヤ電極
が到達状態になったか、または、当接状態になったかを
判定するものであれば、その具体的な構成は特に限定さ
れない。例えば、ワイヤ電極とワークとの間に印加され
た電圧が、ワイヤ電極がワークに当接して電気的に接続
されたことにより大きく変動した場合に当接状態と判定
し、ワイヤ電極が送出されてから所定時間内に大きく変
動しなければ到達状態と判定するといった構成を考える
ことができる。
【0010】このワイヤ放電加工機は、状態判定手段に
より当接状態になったと判定される毎に、加工ルートに
交差する直線に沿って異なる複数の位置へワークをワイ
ヤ電極に対して相対的に移動させる。よって、このよう
に構成されたワイヤ放電加工機によれば、ワイヤ電極が
加工溝を通るかどうかを加工ルートに沿って並ぶような
複数の位置で試すことがないため、効率よく自動結線処
理を行うことができる。
【0011】なお、この種のワイヤ放電加工機におい
て、ワークをワイヤ電極に対して相対的に移動させる際
には、一般的には、ワイヤ電極を定位置に配設しておい
てワーク側を移動させるが、これは、ワイヤ電極側を移
動させるように構成されていてもよいし、両方を移動さ
せるように構成されていてもよい。
【0012】次に、請求項2に記載のワイヤ放電加工機
は、ワイヤ電極が断線したことを検出する断線検出手段
と、前記一方のワイヤガイド部から前記他方のワイヤガ
イド部に向かって流体を円筒状となるように噴出させ
て、前記ワイヤ電極送出手段により送出されたワイヤ電
極を前記円筒状の流体の内部に通して前記加工溝までガ
イドする流体ガイド手段と、前記断線検出手段によりワ
イヤ電極の断線が検出された際に、ワイヤ電極の断線し
た断線位置が、前記流体ガイド手段によって前記流体が
噴出された場合の該流体の外部に位置するように、ワー
クの位置を前記加工ルートに沿って戻す加工ルート戻し
手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】このワイヤ放電加工機における断線検出手
段は、ワイヤ電極が断線したことを検出することができ
れば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、
ワイヤ電極が送出される経路のうち、ワークを挟んだ2
箇所でワイヤ電極の送出される速度を検出するようにし
ておき、この2箇所のうちいずれかの速度がワイヤ電極
の断線によって低下したことを、ワイヤ電極が断線した
こととして検出するような構成を考えることができる。
【0014】このワイヤ放電加工機では、まず、断線検
出手段によりワイヤ電極の断線が検出された際に、ワイ
ヤ電極の断線した断線位置が、流体ガイド手段によって
前記流体が噴出された場合の該流体の外部に位置するよ
うに、加工ルート戻し手段がワークの位置を前記加工ル
ートに沿って戻す。
【0015】そして、流体ガイド手段が、一方のワイヤ
ガイド部から他方のワイヤガイド部に向かって流体を円
筒状となるように噴出させて、ワイヤ電極送出手段によ
り送出されたワイヤ電極を円筒状の流体の内部に通して
加工溝までガイドする。このとき、断線位置が流体の外
部に位置しているため、ワークをワイヤ電極に対して相
対的に移動させたとしても、加工溝は、常に流体を完全
に貫くような位置に存在する。そのため、ワークの位置
を加工ルートに沿って戻さずに自動結線処理を行うワイ
ヤ放電加工機に比べて、流体の内部に存在している加工
溝の面積が大きくなる。よって、このように構成された
ワイヤ放電加工機によれば、自動結線処理を行う際にワ
イヤ電極が加工溝を通る確率が高くなり、自動結線処理
をより効率よく終了させることができる。
【0016】なお、このワイヤ放電加工機において、加
工ルート戻し手段がワークの位置を戻す際には、断線位
置が流体の外側となるような距離であれば、どれだけワ
ークを戻しても構わないが、必要以上に戻してもワーク
の位置を戻すために要する時間が増大するだけである
し、また、通常、ワイヤ電極の先端が流体の外部に位置
することはないので、断線位置が、円筒状に噴出される
流体の外周部分に重なるような位置までワークを戻せば
充分である。
【0017】また、請求項3に記載のワイヤ放電加工機
の制御方法は、一対のワイヤガイド部間に張られたワイ
ヤ電極を備え、前記ワイヤガイド部間に挟まれる位置に
配設されたワークを、前記ワイヤ電極に対して相対的に
前記ワイヤ電極の長さ方向に直交する方向へ移動させな
がら、前記ワイヤ電極と前記ワークとの間で放電を行う
ことによって、該ワークに所定の加工ルートに沿った加
工溝を形成するワイヤ放電加工機を制御する制御方法で
あって、一方のワイヤガイド部から他方のワイヤガイド
部に向かってワイヤ電極を送出させ、該送出されたワイ
ヤ電極が、前記加工溝を通って前記他方のワイヤガイド
部に到達した到達状態になったか、前記加工溝を通らず
にワークに当接した当接状態になったかを判定し、前記
当接状態になったと判定した場合に、送出されたワイヤ
電極を前記一方のワイヤガイド部に向かって引き戻さ
せ、かつ、ワークを前記ワイヤ電極に対して相対的に移
動させてワイヤ電極とワークとの位置関係を変更し、前
記到達状態になったと判定するまでワイヤ電極の送出、
ワイヤ電極の引き戻し、および、ワイヤ電極とワークと
の位置関係の変更を繰り返し実行させ、前記ワイヤ電極
とワークとの位置関係を変更する際には、前記当接状態
になったと判定される毎に、前記加工ルートに交差する
直線に沿って異なる複数の位置へワークをワイヤ電極に
対して相対的に移動させることを特徴とする。
【0018】このような方法によって制御されるワイヤ
放電加工機は、上述した請求項1に記載のワイヤ放電加
工機と同様の構成になるため、同ワイヤ放電加工機と同
様の作用、効果を得ることができる。また、上記ワイヤ
放電加工機の制御方法において、前記一方のワイヤガイ
ド部から前記他方のワイヤガイド部に向かって流体を円
筒状となるように噴出させて、前記ワイヤ電極送出手段
により送出されたワイヤ電極を前記円筒状の流体の内部
に通して前記加工溝までガイドする流体ガイド手段を備
えたワイヤ放電加工機を制御する方法であって、ワイヤ
電極が断線したことを検出して、該断線したことが検出
された際に、ワイヤ電極の断線した断線位置が、前記流
体ガイド手段によって前記流体が噴出された場合の該流
体の外部に位置するように、ワークの位置を前記加工ル
ートに沿って戻すことを特徴とする。
【0019】このような方法によって制御されるワイヤ
放電加工機は、上述した請求項2に記載のワイヤ放電加
工機と同様の構成になるため、同ワイヤ放電加工機と同
様の作用、効果を得ることができる。また、請求項4に
記載のワイヤ放電加工機制御用プログラムは、一対のワ
イヤガイド部間に張られたワイヤ電極を備え、前記ワイ
ヤガイド部間に挟まれる位置に配設されたワークを、前
記ワイヤ電極に対して相対的に前記ワイヤ電極の長さ方
向に直交する方向へ移動させながら、前記ワイヤ電極と
前記ワークとの間で放電を行うことによって、該ワーク
に所定の加工ルートに沿った加工溝を形成するワイヤ放
電加工機に、一方のワイヤガイド部から他方のワイヤガ
イド部に向かってワイヤ電極を送出させるワイヤ電極送
出手順と、該ワイヤ電極送出手順により送出されたワイ
ヤ電極が、前記加工溝を通って前記他方のワイヤガイド
部に到達した到達状態になったか、前記加工溝を通らず
にワークに当接した当接状態になったかを判定する状態
判定手順と、該状態判定手順により前記当接状態になっ
たと判定された場合に、送出されたワイヤ電極を前記一
方のワイヤガイド部に向かって引き戻させるワイヤ電極
引き戻し手順と、前記状態判定手順により前記当接状態
になったと判定された場合に、ワークを前記ワイヤ電極
に対して相対的に移動させてワイヤ電極とワークとの位
置関係を変更する位置関係変更手順と、前記状態判定手
順により前記到達状態になったと判定されるまで前記ワ
イヤ電極送出手順によるワイヤ電極の送出、前記ワイヤ
電極引き戻し手順によるワイヤ電極の引き戻し、およ
び、前記位置関係変更手順によるワイヤ電極とワークと
の位置関係の変更を繰り返し実行させる繰り返し実行手
順とを実行させるためのワイヤ放電加工機制御用プログ
ラムであって、前記位置関係変更手順において、前記状
態判定手順により前記当接状態になったと判定される毎
に、前記加工ルートに交差する直線に沿って異なる複数
の位置へワークをワイヤ電極に対して相対的に移動させ
ることを特徴とする。
【0020】このワイヤ放電加工機制御用プログラム
は、例えば、FDなどの記録媒体、インターネットなど
の通信回線などを介して利用者に提供されるものであ
る。このような制御用プログラムによって制御されるワ
イヤ放電加工機は、上述した請求項1に記載のワイヤ放
電加工機と同様の構成となるため、同ワイヤ放電加工機
と同様の作用、効果を得ることができる。
【0021】また、上記ワイヤ放電加工機制御用プログ
ラムにおいて、前記一方のワイヤガイド部から前記他方
のワイヤガイド部に向かって流体を円筒状となるように
噴出させて、前記ワイヤ電極送出手段により送出された
ワイヤ電極を前記円筒状の流体の内部に通して前記加工
溝までガイドする流体ガイド手段を備えたワイヤ放電加
工機に、ワイヤ電極が断線したことを検出する断線検出
手順と、該断線検出手順によりワイヤ電極の断線が検出
された際に、ワイヤ電極の断線した断線位置が、前記流
体ガイド手段によって前記流体が噴出された場合の該流
体の外部に位置するように、ワークの位置を前記加工ル
ートに沿って戻す加工ルート戻し手順とをワイヤ放電加
工機に実行させるよう構成してもよい。
【0022】このような制御用プログラムによって制御
されるワイヤ放電加工機は、上述した請求項2に記載の
ワイヤ放電加工機と同様の構成となるため、同ワイヤ放
電加工機と同様の作用、効果を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
例を挙げて説明する。 [全体構成]ワイヤ放電加工機1は、図1に示すよう
に、ワイヤ供給ボビン10から供給されるワイヤ電極1
2が通る経路に沿って、テンションローラ20、第1送
りローラ30および第1ピンチローラ32、上部ワイヤ
ガイド部40、下部ワイヤガイド部42、ガイドローラ
44、第2送りローラ50および第2ピンチローラ5
2、ワイヤ回収部60などを備えている。
【0024】テンションローラ20は、ワイヤ電極12
が送出されることに伴って回転するものである。このテ
ンションローラ20には、テンションローラ20の回転
方向に対して、所定範囲の抵抗力を発生することのでき
るブレーキモータ24が備えられている。このブレーキ
モータ24が発生する抵抗力によって、テンションロー
ラ20は、ワイヤ電極12に張力を与えたり、また、ワ
イヤ電極12が送出されないように固定することもでき
る。また、このブレーキモータ24は、ブレーキモータ
24の回転に伴ってパルスを発生する第1エンコーダ2
6や、この第1エンコーダ26が発生したパルスをカウ
ントする第1パルスカウンタ28などを備えている。
【0025】第1送りローラ30は、第1送りモータ3
4からの駆動力で回転して、第1ピンチローラ32との
間に挟まれたワイヤ電極12を下方向または上方向に向
けて送出することができる。また、この第1送りモータ
34は、第1送りモータ34の回転に伴ってパルスを発
生する第2エンコーダ36や、この第2エンコーダ36
が発生したパルスをカウントする第2パルスカウンタ3
8などを備えている。また、第1ピンチローラ32に
は、ソレノイドバルブ39が取り付けられており、この
ソレノイドバルブ39が作動することによって、第1ピ
ンチローラ32をワイヤ電極12に接触していない位置
(以降、開放位置とする)と、第1送りローラ30との
間にワイヤ電極12を挟んだ位置(以降、挟持位置とす
る)とに変位可能である。
【0026】上部ワイヤガイド部40は、下部ワイヤガ
イド部42に向けてワイヤ電極12を包むような円筒状
(本実施形態においては、直径1.2mmの円筒)のジ
ェット水流を噴出するジェットノズル40aを備えてい
る。そして、このジェットノズル40aから噴出される
ジェット水流の内部にワイヤ電極12を通して、ワーク
Wに形成された加工溝までガイドすることができる。な
お、ジェットノズル40aからジェット水流を噴出し
て、この流体によってワイヤ電極12を加工溝までガイ
ドする上部ワイヤガイド部40は、本発明における流体
ガイド手段として機能するものである。
【0027】第2送りローラ50は、第2送りモータ5
4からの駆動力で回転して、第2ピンチローラ52との
間に挟まれたワイヤ電極12をワイヤ回収部60に向け
て送出することができる。また、この第2送りモータ5
4は、第2送りモータ54の回転に伴ってパルスを発生
する第3エンコーダ56や、この第3エンコーダ56が
発生したパルスをカウントする第3パルスカウンタ58
などを備えている。
【0028】また、このワイヤ放電加工機1は、ワイヤ
電極12に接触する第1電極70、ワークWに接触する
第2電極72、第1電極70と第2電極72の間に電圧
を印加する電源装置74、ワークWを取り付けるワーク
取付部80、下部ワイヤガイド部42およびワーク取付
部80を収めている加工槽82、加工槽82が載せられ
ているテーブル84、テーブル84を平面方向(x軸方
向およびy軸方向)に移動させるテーブル駆動手段86
などを備えている。
【0029】テーブル駆動手段86は、テーブル84上
に配設されている下部ワイヤガイド部42、ワーク取付
部80および加工槽82を一体に移動させることができ
るものである。こうして、テーブル駆動手段86は、ワ
ーク取付部80を移動させることによって、このワーク
取付部80に取り付けられているワークWに対してワイ
ヤ電極12を相対的に移動させることができる。
【0030】さらに、このワイヤ放電加工機1は、図2
に示すように、ワイヤ放電加工機1全体の動作を制御す
る制御装置90、制御装置90の処理手順および制御装
置90の処理結果などを記憶する記憶装置92、表示装
置94、入力パネル96なども備えている。
【0031】制御装置90は、各パルスカウンタ28、
38、58がカウントしているパルス数を所定時間(本
実施形態においては、100ms)毎に読み出すと共
に、各パルスカウンタ28、38、58をリセットす
る。こうして、制御装置90は、第1パルスカウンタ2
8から読み出されたパルス数に基づいて、テンションロ
ーラ20を回転させながら送出されていくワイヤ電極1
2の速度(以降、送出速度とする)を検出し、第2パル
スカウンタ38および第3パルスカウンタ58から読み
出されたパルス数に基づいて、第1送りローラ30およ
び第2送りローラ50によるワイヤ電極12の回転を制
御する。
【0032】また、制御装置90は、テンションローラ
20による送出速度と、第2送りローラ50による送出
速度とに基づいて、ワイヤ電極12が断線したかどうか
を監視している。加工中に断線したワイヤ電極12は、
ワイヤ供給ボビン10から上部ワイヤガイド部40に至
る区間と、下部ワイヤガイド部42からワイヤ回収部6
0に至る区間とに分断されることになる。このうち、ワ
イヤ供給ボビン10から上部ワイヤガイド部40に至る
区間については、第2送りローラ50によって送出され
なくなる。そのため、第2送りローラ50によるワイヤ
電極12の送出速度に対して、テンションローラ20の
回転に基づいて検出されるワイヤ電極12の送出速度は
低下していき、最終的に「0」となる。制御装置90
は、このようなテンションローラ20による送出速度
と、第2送りローラ50による送出速度との違いを、ワ
イヤ電極12の断線として検出する。なお、こうして、
ワイヤ電極12が断線したことを検出する制御装置90
は、本発明における断線検出手段として機能するもので
ある。
【0033】さらに、制御装置90は、両ワイヤガイド
部40、42におけるワイヤ電極12が通過する位置
を、ワイヤ電極12の位置として規定して、こうして規
定されたワイヤ電極12の位置を、ワークW上面に想定
される所定の加工ルートに沿ってワークWに対して相対
移動させることによって、ワークWに加工ルートに沿っ
た加工溝を形成する。なお、この加工ルートは、あらか
じめ記憶装置92に記憶されている加工ルートデータに
よって特定されるものである。
【0034】[制御装置90の自動結線処理]まず、制
御装置90が実行する自動結線処理を図3に基づいて説
明する。この自動結線処理は、ワイヤ電極12の断線が
検出された後に開始される。まず、制御装置90は、断
線ワイヤ回収処理を実行する(s11)。この処理にお
いて制御装置90は、第2送りローラ50を所定時間作
動させることによって、両ワイヤガイド部40、42の
間からワイヤ回収部60に至る経路中にある断線したワ
イヤ電極12をワイヤ回収部60に回収する。このと
き、第2送りローラ50は、上部ワイヤガイド部40以
降の経路に残されたワイヤ電極12を、すべてワイヤ回
収部60に送出できる程度の時間(本実施形態において
は、10秒)だけ回転する。
【0035】次に、制御装置90は、ソレノイドバルブ
39を作動させることによって、第1ピンチローラ32
を狭持位置まで移動させる(s12)。これによって、
ワイヤ電極12が第1送りローラ30および第1ピンチ
ローラ32に挟まれた状態となる。
【0036】次に、制御装置90は、第1引き戻し処理
を実行する(s13)。この処理において制御装置90
は、第1送りモータ34を所定時間(例えば、3秒)回
転させることによって、ワイヤ電極12を両ワイヤガイ
ド部40、42間に相当する長さだけ上部ワイヤガイド
部40に向けて引き戻す。これによって、ワイヤ電極1
2の先端がワークW上面から離れた状態となる。
【0037】次に、制御装置90は、加工ルート戻し処
理を実行する(s14)。この処理において制御装置9
0は、テーブル駆動手段86を作動させることによって
ワークを移動させる。これにより、ワイヤ電極12は、
ワイヤ電極12が断線した断線位置から、加工ルートに
沿って所定量(本実施形態においては、1.0mm)戻
った位置(以降、初期位置とする)まで移動することに
なる。さらに、制御装置90は、初期位置において加工
ルートと直交する直線である加工ルート直交直線を算出
する。ここで、加工ルートが曲線である場合には、初期
位置における加工ルートとの接線を算出した後、この接
線と直交する直線が加工ルート直交直線として算出され
る。
【0038】次に、制御装置90は、変数nを初期化
(1→n)する(s15)。この変数nは、以降の処理
で位置関係変更処理の実行回数をカウントするために利
用される。なお、変数nは、初期値が1であるため、n
−1が位置関係変更処理の実行回数を示すことになる。
【0039】次に、制御装置90は、上部ワイヤガイド
部40からのジェット水流の噴出を開始させる(s1
6)。次に、制御装置90は、第1送りモータ34を作
動させることによって、ワイヤ電極12の下方向への送
出を開始させる(s17)。これによって、ワイヤ電極
12が、上部ワイヤガイド部40から下部ワイヤガイド
部42に向けて送出される。このとき、ワイヤ電極12
は、s15の処理で上部ワイヤガイド部40から噴出さ
れたジェット水流によって加工溝までガイドされる。
【0040】次に、制御装置90は、第2送りモータ5
4の動作を開始させることによって、第2送りローラ5
0の回転を開始させる(s18)。この処理において制
御装置90は、第1送りローラ30によるワイヤ電極1
2の送出速度とは異なる送出速度でワイヤ電極12を送
出できるように第2送りローラ50を回転させる。
【0041】次に、制御装置90は、ワイヤ電極12が
加工溝に通ったかどうかをチェックする(s19)。こ
の処理において制御装置90は、電源装置74を制御す
ることにより第1電極70−第2電極72間に電圧を印
加させて、この第1電極70−第2電極72間の電圧変
動に基づいてワイヤ電極12が加工溝に通ったかどうか
をチェックする。s17の処理で送出が開始されたワイ
ヤ電極12が、加工溝を通って下部ワイヤガイド部42
に到達する場合、ワイヤ電極12の一部分がワークWの
上面や加工溝の内部に接触することはあっても継続的に
接触することはない。そのため、微少な接触時間Δtの
間だけ第1電極70−第2電極72間の電圧は変動する
が、最終的には正常値に戻る。一方、ワイヤ電極12の
先端が曲がり癖などの要因で加工溝から外れている場
合、ワイヤ電極12の先端がワークW上面に継続的に接
触するため、ワイヤ電極12とワークWとの接触抵抗が
低下し、それに伴い第1電極70−第2電極72間の電
圧が正常値から大きく低下した状態が継続する。よっ
て、この処理においては、制御装置90は、s16の処
理でワイヤ電極12が送出されてから、所定時間内に第
1電極70−第2電極72間の電圧が微少な接触時間Δ
tよりも長い時間にわたって変動しなければ、ワイヤ電
極12が加工溝に通ったと判定する。一方、所定時間内
に第1電極70−第2電極72間の電圧が微少な接触時
間Δtよりも長い時間にわたって継続的に低下したら、
ワイヤ電極12が加工溝に通っていないと判定する。
【0042】このs19の処理で、ワイヤ電極12が加
工溝に通っていない場合(s19:NO)、制御装置9
0は、第1送りモータ34の動作を停止させることによ
って、第1送りローラ30の回転を停止させる(s2
0)。これによって、ワイヤ電極12の下方向への送出
が終了する。
【0043】次に、制御装置90は、上部ワイヤガイド
部40からのジェット水流の噴出を終了させる(s2
1)。次に制御装置90は、第2引き戻し処理を実行す
る(s22)。この処理は、s13の第1引き戻し処理
と同様の処理である。
【0044】次に、制御装置90は、位置関係変更処理
を実行する(s23)。この処理において、制御装置9
0は、まず、ワイヤ電極12を移動させる移動距離L
を、変数nの値と、あらかじめ設定されている加工溝の
溝幅aとに基づいて算出する(nが偶数の場合:L=
(n/2)×a、nが奇数の場合:L=−((n−1)
/2)×a)。加工溝の溝幅aは、ワイヤ電極12の
径、放電のエネルギー、ワークWの種類や板厚といった
加工条件によって決まる値であって、あらかじめ変数a
にセットされている。ここで、加工条件によって決まる
加工溝の溝幅aが、例えば、0.3mmである場合、移
動距離Lは、変数n=1の時は「0」、n=2の時は
「0.3」、n=3の時は「−0.3」・・・となる。
そして、制御装置90は、図4に示したように、テーブ
ル駆動手段86を作動させることによって、ワイヤ電極
12の位置を、算出された移動距離Lだけ移動させる。
ここでは、初期位置で加工ルート直交直線vを2分し
て、一方から他方に向かう方向(図4における左から右
に向かう方向)を正方向、他方から一方に向かう方向
(図4における右から左に向かう方向)を負方向とし
て、算出された移動距離Lだけワイヤ電極12を加工ル
ート直交直線vに沿って移動させる。こうして、ワイヤ
電極12は、本位置関係変更処理が実行される毎に、初
期位置p1から発散しながら順番にp2、p3・・・と
移動していくことになる。
【0045】次に、制御装置90は、変数nに1を加算
(n+1→n)する(s24)。こうして、s24の処
理が終了したらs16の処理へ戻る。一方、s19の処
理で、ワイヤ電極12が加工溝を通った場合(s19:
YES)、制御装置90は、上部ワイヤガイド部40か
らのジェット水流の噴出を終了させる(s25)。
【0046】次に、初期位置復帰処理を行う(s2
6)。この処理において制御装置90は、テーブル駆動
手段86を作動させることによって、ワイヤ電極12の
位置を、s23の位置関係変更処理において変更された
ワイヤ電極12の位置から初期位置へ戻す。
【0047】次に、制御装置90は、ワイヤ電極12の
先端が第2送りローラ50に到達するまで待機する(s
27:NO)。第2送りローラ50は、s18の処理に
おいて、第1送りローラ30とは異なる送出速度でワイ
ヤ電極12を送出できるように回転している。そのた
め、ワイヤ電極12の先端が第2送りローラ50に到達
した際には、ワイヤ電極12が第2送りローラ50によ
る送出速度で送出され始めることになる。よって、この
処理においては、ワイヤ電極12の送出速度を監視し
て、第1送りローラ30による送出速度から第2送りロ
ーラ50による送出速度に変化するまで待機することに
なる。
【0048】このs27の処理で、ワイヤ電極12の先
端が第2送りローラ50まで到達したら(s27:YE
S)、制御装置90は、各送りモータ34、54の動作
を停止させることによって、各ローラ30、70の回転
を停止させる(s28)。そして、制御装置90は、ソ
レノイドバルブ39の動作を停止させることによって、
第1ピンチローラ32を開放位置まで移動させる(s2
9)。これにより、ワイヤ電極12が、第1送りローラ
30および第1ピンチローラ32に挟まれていない状態
となる。
【0049】なお、以上説明した自動結線処理における
s13の第1引き戻し処理およびs22の第2引き戻し
処理で、第1送りローラ30を回転させることによっ
て、上部ワイヤガイド部40に向けてワイヤ電極12を
引き戻す第1送りモータ34は、本発明におけるワイヤ
電極引き戻し手段として機能するものである。
【0050】また、s14の加工ルート戻し処理で、ワ
イヤ電極12の位置を、断線位置から初期位置まで移動
させるテーブル駆動手段86は、本発明における加工ル
ート戻し処理として機能するものである。また、s17
の処理で、第1送りローラ30を回転させることによっ
てワイヤ電極12の下方向への送出を開始させる第1送
りモータ34は、本発明におけるワイヤ電極送出手段と
して機能するものである。
【0051】また、s19の処理で、第1電極70−第
2電極72間の電圧変動に基づいてワイヤ電極12が加
工溝に通ったかどうかをチェックする制御装置90は、
本発明における状態判定手段として機能するものであ
る。また、s19の処理において、ワイヤ電極12が加
工溝に通るまで、s19の処理からs24の処理を繰り
返し実行する制御装置90は、本発明における繰り返し
実行手段として機能するものである。
【0052】また、s23の位置関係変更処理で、ワイ
ヤ電極12を移動距離Lだけ移動させるテーブル駆動手
段86は、本発明における位置関係変更手段として機能
するものである。 [効果]このワイヤ放電加工機1は、図3におけるs1
9の処理で、ワイヤ電極12が加工溝に通っていないと
判定される毎に、加工ルート直交直線に沿って異なる複
数の位置へワイヤ電極12をワークWに対して相対的に
移動させる。よって、このように構成されたワイヤ放電
加工機1によれば、ワイヤ電極12が加工溝を通るかど
うかを加工ルートに沿って並ぶような複数の位置で試す
ことがないため、効率よく自動結線処理を行うことがで
きる。
【0053】また、このワイヤ放電加工機1では、ま
ず、ワイヤ電極12の断線が検出された際に、ワイヤ電
極12の断線した断線位置が、上部ワイヤガイド部40
によって流体が噴出された場合の流体の外部に位置する
ように、図3におけるs14の加工ルート戻し処理で、
ワイヤ電極12の位置を加工ルートに沿って戻す。そし
て、上部ワイヤガイド部40が、下部ワイヤガイド部4
2に向かってジェット水流を円筒状となるように噴出さ
せて、送出されたワイヤ電極12を円筒状の流体の内部
に通して加工溝までガイドする。
【0054】このとき、断線位置が流体の外部に位置し
ているため、ワイヤ電極12をワークWに対して相対的
に移動させたとしても、加工溝は、常にジェット水流を
完全に貫くような位置に存在する。そのため、ワイヤ電
極12の位置を加工ルートに沿って戻さずに自動結線処
理を行うワイヤ放電加工機に比べて、ジェット水流の内
部に存在している加工溝の面積が大きくなる。よって、
このように構成されたワイヤ放電加工機1によれば、自
動結線処理を行う際にワイヤ電極12が加工溝を通る確
率が高くなり、自動結線処理をより効率よく終了させる
ことができる。
【0055】[変形例]以上、本発明の実施形態につい
て説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限
定されず、このほかにも様々な形態で実施することがで
きる。例えば、図3の自動結線処理においては、s13
の処理で、第1送りローラ30を所定時間回転させるよ
うに構成されたものを例示したが、ワイヤ電極12の先
端がワークW上面から離れた状態となったことを検出し
た際に第1送りローラ30の回転を停止させるように構
成してもよい。ここで、ワイヤ電極12の先端がワーク
W上面から離れた状態となったことは、例えば、ワイヤ
電極12とワークWとの間に印加された電圧変動によっ
て検出するような構成を考えることができる。
【0056】また、s14の処理で、ワイヤ電極12を
断線位置から加工ルートに沿って所定量戻った位置を初
期位置としているものを例示したが、初期位置から断線
位置までの移動距離が、上部ワイヤガイド部40から噴
出されるジェット水流の円筒断面の半径となる距離だけ
離れた距離であってもよい。このワイヤ放電加工機1で
は、ワイヤ電極12がジェット水流によって加工溝まで
ガイドされるように構成されているため、ワイヤ電極1
2の先端がジェット水流の外部に位置してしまうといっ
たことが起こりにくい。そのため、断線位置がジェット
水流の外周部分、つまり、初期位置からジェット水流の
円筒断面の半径だけ離れるように、ワイヤ電極12の位
置を加工ルートに沿って戻すだけでも充分である。
【0057】また、s14の処理で、初期位置において
加工ルートと直交する直線である加工ルート直交直線を
算出するように構成されたものを例示したが、この直線
は、加工ルートと直交していなくてもよい。また、s2
3の位置関係変更処理が実行される毎に、ワイヤ電極1
2の位置が移動距離Lだけ移動するものを例示したが、
算出された移動距離Lが、ジェット水流の円筒断面の半
径rに加工溝の溝幅aを加算した値より大きくなった場
合(L>(r+a))に、s27の処理に移行して、ワ
イヤ電極12が加工溝に通らないまま自動結線処理を終
了させるように構成してもよい。このように構成すれ
ば、加工溝がジェット水流の外部に位置する状態に至っ
た時点で自動結線処理が中止されるので、加工溝がジェ
ット水流から大きく外れた位置において、ワイヤ電極が
加工溝に通るかどうかを繰り返し試してしまうといった
ことは起こらない。従って、例えば、初期の段階でワイ
ヤ電極が加工溝に通らなかったような場合に、ワイヤ電
極が加工溝に通るかどうかを無駄に繰り返し試してしま
うことを防止できる。
【0058】また、s23の位置関係変更処理で、ワイ
ヤ電極12を移動させる移動距離Lを、加工溝の溝幅a
に基づいて算出しているものを例示したが、この溝幅a
の値以外に任意に設定した値に基づいて移動距離Lを算
出してもよい。また、s23の位置関係変更処理によっ
て、加工溝の溝幅aの整数倍の値がワイヤ電極12の移
動距離Lとして算出されるように構成されたものを例示
したが、加工溝の溝幅aを所定の値αだけ減算した値
(a−α)に基づいて移動距離Lを算出するように構成
してもよい(nが偶数の場合:L=(n/2)×(a−
α)、nが奇数の場合:L=−((n−1)/2)×
(a−α))。この場合、この場合、n回目の位置関係
変更処理後のワイヤ電極12に対する加工溝の位置と、
n+2回目の位置関係変更処理後のワイヤ電極12に対
する加工溝の位置とが、上述の値αに相当する幅だけ重
なった状態となる。
【0059】また、s23の位置関係変更処理で、算出
された移動距離Lだけワイヤ電極12の位置を移動させ
るように構成されたものを例示したが、ワイヤ電極12
が加工ルート直交直線vに沿った複数の位置にあらかじ
め定められた順番で移動するように構成してもよい。具
体的には、加工ルート直交直線vに沿って正方向、負方
向に交互に移動していくように構成してもよいし、正方
向および負方向のいずれか一方の方向に所定回数移動し
た後、他方の方向に移動するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるワイヤ放電加工機の構成を
示す図
【図2】制御系統を示すブロック図
【図3】自動結線処理の手順を示すフローチャート
【図4】位置関係変更処理においてワイヤ電極とワーク
との位置関係を変更していく様子を示した図
【図5】従来のワイヤ放電加工機において、ワイヤ電極
とワークとの位置関係を変更していく様子を示した図
【符号の説明】
1・・・ワイヤ放電加工機、10・・・ワイヤ供給ボビ
ン、12・・・ワイヤ電極、20・・・テンションロー
ラ、24・・・ブレーキモータ、26・・・第1エンコ
ーダ、28・・・第1パルスカウンタ、30・・・第1
送りローラ、32・・・第1ピンチローラ、34・・・
第1送りモータ、36・・・第2エンコーダ、38・・
・第2パルスカウンタ、39・・・ソレノイドバルブ、
40・・・上部ワイヤガイド部、40a・・・ジェット
ノズル、42・・・下部ワイヤガイド部、44・・・ガ
イドローラ、50・・・第2送りローラ、52・・・第
2ピンチローラ、54・・・第2送りモータ、56・・
・第3エンコーダ、58・・・第3パルスカウンタ、6
0・・・ワイヤ回収部、70・・・第1電極、72・・
・第2電極、74・・・電源装置、80・・・ワーク取
付部、82・・・加工槽、84・・・テーブル、86・
・・テーブル駆動手段、90・・・制御装置、92・・
・記憶装置、94・・・表示装置、96・・・入力パネ
ル。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対のワイヤガイド部間に張られたワイヤ
    電極を備え、前記ワイヤガイド部間に挟まれる位置に配
    設されたワークを、前記ワイヤ電極に対して相対的に前
    記ワイヤ電極の長さ方向に直交する方向へ移動させなが
    ら、前記ワイヤ電極と前記ワークとの間で放電を行うこ
    とによって、該ワークに所定の加工ルートに沿った加工
    溝を形成するワイヤ放電加工機であって、 一方のワイヤガイド部から他方のワイヤガイド部に向か
    ってワイヤ電極を送出するワイヤ電極送出手段と、 該ワイヤ電極送出手段により送出されたワイヤ電極が、
    前記加工溝を通って前記他方のワイヤガイド部に到達し
    た到達状態になったか、前記加工溝を通らずにワークに
    当接した当接状態になったかを判定する状態判定手段
    と、 該状態判定手段により前記当接状態になったと判定され
    た場合に、送出されたワイヤ電極を前記一方のワイヤガ
    イド部に向かって引き戻すワイヤ電極引き戻し手段と、 前記状態判定手段により前記当接状態になったと判定さ
    れた場合に、ワークを前記ワイヤ電極に対して相対的に
    移動させてワイヤ電極とワークとの位置関係を変更する
    位置関係変更手段と、 前記状態判定手段により前記到達状態になったと判定さ
    れるまで前記ワイヤ電極送出手段によるワイヤ電極の送
    出、前記ワイヤ電極引き戻し手段によるワイヤ電極の引
    き戻し、および、前記位置関係変更手段によるワイヤ電
    極とワークとの位置関係の変更を繰り返し実行させる繰
    り返し実行手段とを備えており、 前記位置関係変更手段が、前記状態判定手段により前記
    当接状態になったと判定される毎に、前記加工ルートに
    交差する直線に沿って異なる複数の位置へワークをワイ
    ヤ電極に対して相対的に移動させることを特徴とするワ
    イヤ放電加工機。
  2. 【請求項2】ワイヤ電極が断線したことを検出する断線
    検出手段と、 前記一方のワイヤガイド部から前記他方のワイヤガイド
    部に向かって流体を円筒状となるように噴出させて、前
    記ワイヤ電極送出手段により送出されたワイヤ電極を前
    記円筒状の流体の内部に通して前記加工溝までガイドす
    る流体ガイド手段と、 前記断線検出手段によりワイヤ電極の断線が検出された
    際に、ワイヤ電極の断線した断線位置が、前記流体ガイ
    ド手段によって前記流体が噴出された場合の該流体の外
    部に位置するように、ワークの位置を前記加工ルートに
    沿って戻す加工ルート戻し手段とを備えていることを特
    徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  3. 【請求項3】一対のワイヤガイド部間に張られたワイヤ
    電極を備え、前記ワイヤガイド部間に挟まれる位置に配
    設されたワークを、前記ワイヤ電極に対して相対的に前
    記ワイヤ電極の長さ方向に直交する方向へ移動させなが
    ら、前記ワイヤ電極と前記ワークとの間で放電を行うこ
    とによって、該ワークに所定の加工ルートに沿った加工
    溝を形成するワイヤ放電加工機を制御する制御方法であ
    って、 一方のワイヤガイド部から他方のワイヤガイド部に向か
    ってワイヤ電極を送出させ、 該送出されたワイヤ電極が、前記加工溝を通って前記他
    方のワイヤガイド部に到達した到達状態になったか、前
    記加工溝を通らずにワークに当接した当接状態になった
    かを判定し、 前記当接状態になったと判定した場合に、送出されたワ
    イヤ電極を前記一方のワイヤガイド部に向かって引き戻
    させ、かつ、ワークを前記ワイヤ電極に対して相対的に
    移動させてワイヤ電極とワークとの位置関係を変更し、 前記到達状態になったと判定するまでワイヤ電極の送
    出、ワイヤ電極の引き戻し、および、ワイヤ電極とワー
    クとの位置関係の変更を繰り返し実行させ、 前記ワイヤ電極とワークとの位置関係を変更する際に
    は、前記当接状態になったと判定される毎に、前記加工
    ルートに交差する直線に沿って異なる複数の位置へワー
    クをワイヤ電極に対して相対的に移動させることを特徴
    とするワイヤ放電加工機の制御方法。
  4. 【請求項4】一対のワイヤガイド部間に張られたワイヤ
    電極を備え、前記ワイヤガイド部間に挟まれる位置に配
    設されたワークを、前記ワイヤ電極に対して相対的に前
    記ワイヤ電極の長さ方向に直交する方向へ移動させなが
    ら、前記ワイヤ電極と前記ワークとの間で放電を行うこ
    とによって、該ワークに所定の加工ルートに沿った加工
    溝を形成するワイヤ放電加工機に、 一方のワイヤガイド部から他方のワイヤガイド部に向か
    ってワイヤ電極を送出させるワイヤ電極送出手順と、 該ワイヤ電極送出手順により送出されたワイヤ電極が、
    前記加工溝を通って前記他方のワイヤガイド部に到達し
    た到達状態になったか、前記加工溝を通らずにワークに
    当接した当接状態になったかを判定する状態判定手順
    と、 該状態判定手順により前記当接状態になったと判定され
    た場合に、送出されたワイヤ電極を前記一方のワイヤガ
    イド部に向かって引き戻させるワイヤ電極引き戻し手順
    と、 前記状態判定手順により前記当接状態になったと判定さ
    れた場合に、ワークを前記ワイヤ電極に対して相対的に
    移動させてワイヤ電極とワークとの位置関係を変更する
    位置関係変更手順と、 前記状態判定手順により前記到達状態になったと判定さ
    れるまで前記ワイヤ電極送出手順によるワイヤ電極の送
    出、前記ワイヤ電極引き戻し手順によるワイヤ電極の引
    き戻し、および、前記位置関係変更手順によるワイヤ電
    極とワークとの位置関係の変更を繰り返し実行させる繰
    り返し実行手順とを実行させるためのワイヤ放電加工機
    制御用プログラムであって、 前記位置関係変更手順において、前記状態判定手順によ
    り前記当接状態になったと判定される毎に、前記加工ル
    ートに交差する直線に沿って異なる複数の位置へワーク
    をワイヤ電極に対して相対的に移動させることを特徴と
    するワイヤ放電加工機制御用プログラム。
JP2001301452A 2001-09-28 2001-09-28 ワイヤ放電加工機、ワイヤ放電加工機の制御方法およびワイヤ放電加工機制御用プログラム Pending JP2003103418A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001301452A JP2003103418A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 ワイヤ放電加工機、ワイヤ放電加工機の制御方法およびワイヤ放電加工機制御用プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001301452A JP2003103418A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 ワイヤ放電加工機、ワイヤ放電加工機の制御方法およびワイヤ放電加工機制御用プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003103418A true JP2003103418A (ja) 2003-04-08

Family

ID=19121858

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001301452A Pending JP2003103418A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 ワイヤ放電加工機、ワイヤ放電加工機の制御方法およびワイヤ放電加工機制御用プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003103418A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011136409A (ja) * 2010-01-04 2011-07-14 Fanuc Ltd ワイヤカット放電加工機における断線修復装置
WO2013005315A1 (ja) * 2011-07-06 2013-01-10 三菱電機株式会社 ワイヤ放電加工装置
CN109976225A (zh) * 2019-04-18 2019-07-05 上海人民企业集团水泵有限公司 一种具有水质预警系统的供水远程监控装置及其工作流程
CN110605443A (zh) * 2018-06-15 2019-12-24 发那科株式会社 线放电加工机以及加工条件调整方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011136409A (ja) * 2010-01-04 2011-07-14 Fanuc Ltd ワイヤカット放電加工機における断線修復装置
TWI450782B (zh) * 2010-01-04 2014-09-01 Fanuc Ltd 線切割放電加工機中之斷線修復裝置
WO2013005315A1 (ja) * 2011-07-06 2013-01-10 三菱電機株式会社 ワイヤ放電加工装置
CN103648699A (zh) * 2011-07-06 2014-03-19 三菱电机株式会社 线电极放电加工装置
JP5478783B2 (ja) * 2011-07-06 2014-04-23 三菱電機株式会社 ワイヤ放電加工装置
US20140144885A1 (en) * 2011-07-06 2014-05-29 Mitsubishi Electric Corporation Wire electrical discharge machining apparatus
CN103648699B (zh) * 2011-07-06 2015-06-17 三菱电机株式会社 线电极放电加工装置
US9308594B2 (en) 2011-07-06 2016-04-12 Mitsubishi Electric Corporation Wire electrical discharge machining apparatus
CN110605443A (zh) * 2018-06-15 2019-12-24 发那科株式会社 线放电加工机以及加工条件调整方法
CN110605443B (zh) * 2018-06-15 2022-12-27 发那科株式会社 线放电加工机以及加工条件调整方法
CN109976225A (zh) * 2019-04-18 2019-07-05 上海人民企业集团水泵有限公司 一种具有水质预警系统的供水远程监控装置及其工作流程

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3882751B2 (ja) ワイヤ放電加工装置のワイヤ電極自動供給装置
EP2340907B1 (en) Wire break repairing device for wire-cut electric discharge machine
JPH0796168B2 (ja) ワイヤ放電加工装置のワイヤ自動供給装置
WO2012053568A1 (ja) ワイヤ放電加工装置
KR101873621B1 (ko) 단선 수복 수단을 구비한 와이어 방전 가공기
EP2529872A2 (en) Wire-cut electric discharge machine with wire electrode cooling function
JP2003103418A (ja) ワイヤ放電加工機、ワイヤ放電加工機の制御方法およびワイヤ放電加工機制御用プログラム
CN109414776B (zh) 线放电加工装置、引导单元及线放电加工方法
KR920006512B1 (ko) 와이어방전가공장치의 와이어전극 공급장치
CN109967806B (zh) 线放电加工机以及线放电加工机的自动接线方法
EP0652067B1 (en) Wire electric discharge machine
JP2017035744A (ja) 自動結線時にワイヤ電極のたわみを検出するワイヤ放電加工機
JPH0126807B2 (ja)
JPH09108950A (ja) ワイヤカット放電加工装置に於けるワイヤ電極挿通方法
JP2662682B2 (ja) ワイヤ電極自動供給装置
JP2684392B2 (ja) ワイヤ電極供給確認方法
JP4327513B2 (ja) ワイヤ電極自動結線装置およびワイヤ電極の自動結線方法
JP4342737B2 (ja) ワイヤ放電加工時の短絡回避方法
JP3773318B2 (ja) ワイヤ放電加工機
JP2000005934A (ja) ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置
EP0664178B1 (en) Wire cut electric discharge machine having automatic wire connecting function
JP2003094254A (ja) ワイヤ放電加工機およびアニール処理方法
JPH1148040A (ja) ワイヤ放電加工機の制御方法および装置
JPH05169321A (ja) ワイヤ放電加工装置
JP2788912B2 (ja) ワイヤカット放電加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100713

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101130