JP3773318B2 - ワイヤ放電加工機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤ電極とワークとを相対移動させながらワークに所望形状の加工を行うワイヤ放電加工機に関し、特にワークに形成されたイニシャルホール内へ流体ジェットによりワイヤ電極を誘導、挿通せずに自動結線することができるか判別するワイヤ放電加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤ放電加工機は、ワーク端面やワーク外の任意の一点を起点として、その起点から放電加工がスタートする所望の加工プログラムに従って、ワイヤ電極とワークとの極間に加工電圧を供給しながらワイヤ電極とワークとを相対移動させることによりワークを所望形状に加工するものである。
【0003】
ここで、図4に示すようなダイ形状(ワークに形成された形状そのもの)の多数個抜き加工またはポンチ形状(ワークから切り抜いたもの)の多数個取り加工のように、1つのワークに対して複数箇所に加工を行うことがある。特に図4に示すようなダイ形状の多数個取り加工の場合には、抜き穴が形成されたワークそのものが製品となることが多く、ワーク端面やワーク外の任意の一点を起点として放電加工をスタートさせることができない。
【0004】
この場合には、使用するワイヤ電極径よりわずかに大きい径の下孔、いわゆるイニシャルホールをダイ形状またはポンチ形状の加工箇所に応じてワークに形成しておき、イニシャルホールに向けて流体ジェットを噴出しワイヤ電極をイニシャルホール内に誘導するようにしてワイヤ電極の自動結線を行う。その後、このイニシャルホールを起点として放電加工を進行し、該加工の終了後にワイヤ電極を一旦切断し、別のイニシャルホールにて再びワイヤ電極の自動結線を行い放電加工を進行する動作を順次繰り返すような加工プログラムを作成、実行して、1つのワークに対して複数箇所に放電加工を行うのである。
【0005】
しかし、加工プログラムの作成ミス、ワークに形成すべきイニシャルホールの孔位置や孔径の加工ミスがあると、ワイヤ電極の自動結線時にイニシャルホール形成位置と流体ジェットの噴出位置とが適切に位置決めされず、流体ジェットの一部がワークと接触、飛散してしまい、ワイヤ電極をイニシャルホール内にスムーズに誘導できずに、ワイヤ電極の自動結線の確率が著しく低下してしまう。また、イニシャルホール内に加工屑等の異物が混入したときにも同様のことが起こり得る。
【0006】
近年、ワイヤ放電加工機における加工効率の向上を図るために、加工の自動化及び無人化を実現することが望まれている。例えばダイ形状の多数個抜き加工またはポンチ形状の多数個取り加工を無人で行う場合に、上記のような不具合の発生を知らずに所望の加工プログラムを実行すると、ワイヤ電極の自動結線が失敗したイニシャルホールで加工が一時中断することとなり、オペレータが不具合を排除してから再度加工を実行しなければならず加工効率を著しく低下させてしまう。
【0007】
そこで、ワークに形成した各イニシャルホールで実際に流体ジェットの誘導、挿通によるワイヤ電極の自動結線を行わせ、イニシャルホールの形成位置と流体ジェットの噴出位置との位置ずれが発生しないか、さらに、ワイヤ電極を案内する上ヘッド及び下ヘッドとワークとの相対移動を加工プログラムに従って行わせ、上ヘッド及び下ヘッドがワーク取付具に接触することがないか等、実際に加工プログラムを実行したときに発生する不具合を実加工前に確認する加工プログラム確認機能がある。
【0008】
一般的な加工プログラム確認機能では、ワイヤ電極とワークとの極間に加工電圧を供給せずに、つまり、ワイヤ電極とワークとの間で放電作用を伴うことなく加工プログラムを実行するようにしている。よって、イニシャルホールにおけるワイヤ電極の自動結線が成功した場合に、オペレータが加工プログラムを一時停止させてからワイヤ電極とワークとの相対移動を行わせないと、ワイヤ電極が無理やり引きちぎられることとなりワークに重大な損傷を与えてしまう。そこで、ワイヤ電極を手動で切断してから別のイニシャルホールにてワイヤ電極の自動結線を行わせなければならず作業効率が非常に悪い。
【0009】
以上のような問題点を解決する第1の従来技術として、特開平7−204940号公報に開示するワイヤカット放電加工機の自動結線異常検出方法がある。これは、加工プログラム確認機能におけるワイヤ電極の自動結線の可否判別時に、各イニシャルホールで実際にワイヤ電極の自動結線を行わせ、自動結線が成功したときにはワイヤ電極を自動切断するようにしたものである。
また、第2の従来技術として、特開平8−25146号公報に開示するワイヤ放電加工におけるスタート孔の位置検出方法がある。これは、各イニシャルホールにて実際にワイヤ電極を自動結線せずに、イニシャルホールの形成位置と流体ジェットの噴出位置との位置ずれを検出することにより、ワイヤ電極の自動結線の可否判別を行うものであり、ワークに形成されているイニシャルホールに対して流体ジェットを走査移動させ、流体ジェットの圧力変化を走査移動の位置データとの関係から検出してイニシャルホールの形成位置を演算するようにしたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記第1の従来技術では、ワークの複数箇所にイニシャルホールが形成されている場合に、各イニシャルホールで実際にワイヤ電極の自動結線から自動切断までの動作を行わなければならず、ワイヤ電極の自動結線の可否判別に多大な時間を要するとともに、ワイヤ電極の自動結線時に送出される分のワイヤ電極が無駄に消費されてしまう。
また、上記第2の従来技術では、ワイヤ電極の自動結線時にイニシャルホールに向けて実際に噴出される流体ジェットの噴出圧力を検出するのではなく、流体ジェット形成部に加工液を供給する加工液供給ポンプの出口付近における供給圧力を検出している。加工液供給ポンプから流体ジェット形成部への配管の長さ等の外因により、流体ジェットの噴出圧力はばらつくものであり、これでは、イニシャルホール内にワイヤ電極を誘導するために必要な流体ジェットの噴出圧力が、ワイヤ電極の自動結線時に出力されているか検出することができない。
【0011】
そこで本発明は、イニシャルホール内に実際にワイヤ電極を挿通して自動結線することなく、実際のワイヤ電極の自動結線時と近い状態でワイヤ電極の自動結線の可否判別を行うことができるワイヤ放電加工機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、例えば加工プログラム確認機能において、ワイヤ電極の自動結線時にワークに形成されたイニシャルホールに向けて噴出される流体ジェットが、イニシャルホールを通過した後の圧力を検出し、閾値と比較することによりワイヤ電極の自動結線の可否判別を行うものである。
すなわち、
流体ジェットによりワイヤ電極を誘導してワークに形成されたイニシャルホール内に挿通させ自動結線し、前記ワイヤ電極と前記ワークとを相対移動させながら前記ワークに所望形状の加工を行うワイヤ放電加工機において、
前記ワイヤ電極を案内する上ヘッド及び下ヘッドと前記ワークとを相対移動させ、前記上ヘッド及び下ヘッドの前記ワイヤ電極の通孔を前記イニシャルホールとの対面位置へ位置決めする第1の相対移動手段と、
前記上ヘッドの前記ワイヤ電極の通孔を経て前記イニシャルホールに向けて前記流体ジェットを噴出する流体ジェット噴出手段と、
前記下ヘッドの前記ワークとの対面部で、かつ前記下ヘッドの前記ワイヤ電極の通孔の位置から所定距離だけ離れた位置に設けられ、前記イニシャルホールを通過後の前記流体ジェットの圧力を検出する圧力検出部を有した流体ジェット圧力検出手段と、
前記流体ジェットの圧力検出時に前記上ヘッドと前記下ヘッドとを前記所定距離だけ相対移動させ、前記流体ジェットの噴出部と前記流体ジェット圧力検出手段の圧力検出部との位置決めを行う第2の相対移動手段と、
前記検出した流体ジェットの圧力とあらかじめ設定した閾値とを比較し、前記流体ジェットによる前記ワイヤ電極の前記イニシャルホールへの自動結線ができるかを判別する自動結線判別手段と、
を具備するワイヤ放電加工機が提供される。
【0013】
【作用】
ワークの複数箇所に形成されたイニシャルホールを起点として1つのワークに対して多数個抜き加工または多数個取り加工を行うときに、実加工前に加工プログラム確認機能を実行して、あらかじめ各イニシャルホールにおけるワイヤ電極の自動結線の可否判別を行うことがある。この場合には、第1の相対移動手段によりワイヤ電極を案内する上ヘッド及び下ヘッドとワークとを相対移動させ、上ヘッド及び下ヘッドのワイヤ電極の通孔をイニシャルホールとの対面位置へ位置決めする。次いで、第2の相対移動手段により上ヘッドと下ヘッドとを相対移動させ、流体ジェットの噴出部と下ヘッドのワークとの対面部で、かつ下ヘッドのワイヤ通孔の位置から所定距離だけ離れた位置に設けられた流体ジェット圧力検出手段の圧力検出部との位置決めを行う。その後、流体ジェット噴出手段から上ヘッドのワイヤ電極の通孔を経てイニシャルホールに向けて流体ジェットが噴出され、流体ジェット圧力検出手段でイニシャルホールを通過した後の流体ジェットの圧力が検出され、検出した流体ジェットの圧力とあらかじめ設定されている閾値とが自動結線判別手段で比較される。
【0014】
ここで、加工プログラムの作成ミス、ワークに形成すべきイニシャルホールの孔位置や孔径の加工ミスがあれば、イニシャルホールの形成位置と流体ジェットの噴出位置とが適切に位置決めされず、また、イニシャルホール内に加工屑等の異物が混入しているときにも、流体ジェットの一部がワークと接触、飛散してしまい、検出した流体ジェットの圧力が閾値に達しない。このときには、何らかの不具合が発生しているためにイニシャルホール内にワイヤ電極を誘導する流体ジェットの噴出圧力が不十分となり、ワイヤ電極の自動結線が成功する確率が低いと判別するのである。よって、実際にワイヤ電極を自動結線することなく、実加工前にワイヤ電極の自動結線の可否判別を簡単に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について図面に沿って説明する。
図1は、本発明実施形態のワイヤ放電加工機の要部断面図及び構成ブロック図、図2は、本発明に係るワイヤ放電加工機における加工方法の一例を示すフローチャート、図3は、本発明に係るワイヤ放電加工機のワイヤ走行経路を示す略示機構図、図4は、ダイ形状の多数個抜き加工時のワークを示す平面図である。
【0016】
まず、図1及び図3を参照して、本発明に係るワイヤ放電加工機の要部及びワイヤ走行経路を説明する。
ワイヤ電極(以下、ワイヤ)1は、ワイヤボビン3a、バックテンションモータ3b等でなるワイヤ供給装置3から供給され、上ガイドローラ5を経てからプーリ7a、ブレーキ7b、張力センサ7c、トルクモータ7d等でなるワイヤ張力発生装置7に達し、ジェットノズル9a、カッタ9b等を有したワイヤ誘導装置9を経てから上ヘッド11内に設けられた上ワイヤガイド11aで案内されてワーク13に形成されたイニシャルホール13aを通過し、下ヘッド15内に設けられた下ワイヤガイド15aで案内され、下ガイドローラ17を介して走行方向を変え、巻取ローラ19a、巻取モータ19b、ピンチローラ19c等でなるワイヤ巻取装置19に達してワイヤ回収装置(図示せず)で回収される。
【0017】
ワイヤ1の走行時に巻取ローラ19aは巻取モータ19bにより所定速度で回転駆動され、ワイヤ張力発生装置7のプーリ7aに所定のブレーキ力を与えることによりワイヤ1にそのワイヤ径に応じた所望張力が付与される。さらに、ワイヤ供給装置3のワイヤボビン3aは、バックテンションモータ3bによりワイヤ1の走行方向と反対方向へ引張力が常時付与され、ワイヤ供給装置3からワイヤ張力発生装置7までの前走部でワイヤ1に弛みが生じることがない。
【0018】
水平面内で直交するX、Y軸方向に移動するテーブル21上に載置されたワーク13には、放電加工の起点となる各イニシャルホール13a〜13hが図4に示すように8個形成されている。実加工に際して、適宜の配管により加工液タンク(図示せず)からワイヤ誘導装置9のジェットノズル9aに加工液が供給され、ジェットノズル9aで加工液の管路を絞ることで形成される流体ジェット23により、ワイヤ供給装置3から供給されワイヤ張力発生装置7を経たワイヤ1が、イニシャルホール13a〜13hの内のいずれかに順次、誘導され、ワイヤ巻取装置19に達するようにしてワイヤ自動結線が行われる。
上ヘッド11上部に設けられたワイヤ誘導装置9内には、任意のイニシャルホールにおける加工終了後に別のイニシャルホールにおける加工を行うときに、ワイヤ供給装置3とワイヤ巻取装置19との間で結線されているワイヤ1を自動切断する一対のカッタ9bが設けられている。
【0019】
通常、上ワイヤガイド11a及び下ワイヤガイド15aは、平面状のガイド部材、V溝が形成されたガイド部材の一対のガイド部材をそれぞれ有し、ワイヤ自動結線時には一対のガイド部材同士が離反して流体ジェット23の管路を確保し、加工時には一対のガイド部材同士が当接してワイヤ1の垂直方向への走行を案内するワイヤ通孔が形成されるようにそれぞれ設けられている。なお、上ヘッド11内及び下ヘッド15内には適宜の給電子(図示せず)が設けられ、走行しているワイヤ1に放電加工用のパルス電圧を供給する。また、下ヘッド15のワーク13下面との対向部で、かつ下ヘッド15のワイヤ通孔の位置から所定距離だけ離れた位置には、ワイヤ誘導装置9のジェットノズル9aから噴出される流体ジェット23がイニシャルホール13a〜13hを通過した後の圧力を検出する圧力センサ15bが設けられている。
【0020】
移動手段25は、上ヘッド11内の上ワイヤガイド11a及び下ヘッド15内の下ワイヤガイド15aで案内され垂直方向へ走行するワイヤ1に対して、ワーク13が載置されたテーブル21を水平面内で直交するX、Y軸方向へ相対移動させるX軸送りモータ、Y軸送りモータと、下ヘッド15に対して上ヘッド11をX、Y軸方向と平行なU、V軸方向へ相対移動させるU軸送りモータ、V軸送りモータとからなる。
【0021】
ワイヤ放電加工機に内蔵されるNC・電源装置27は、ワイヤ1とワーク13との極間に加工電圧を供給する電源(図示せず)を具備し、さらに、プログラム記憶手段29、制御手段31、自動結線判別手段33を具備している。
プログラム記憶手段29は、ワイヤ放電加工機によるワーク13の所望形状の加工に用いられるNCプログラムを記憶、実行するとともに、NCプログラム中のワイヤ径に応じてワイヤ自動結線に必要な流体ジェット23の圧力を算出し、閾値として記憶するものである。制御手段31は、プログラム記憶手段29で記憶されたNCプログラムの移動指令に基づいて各軸送りモータからなる移動手段25にサーボ出力をそれぞれ送出するものである。自動結線判別手段33は、ワイヤ自動結線時にイニシャルホールを通過した後の流体ジェット23の圧力の検出値と、プログラム記憶手段29で記憶された流体ジェット23の圧力の閾値とを比較し、検出値が閾値に達していないときにワイヤ1のイニシャルホールへのワイヤ自動結線ができないと判別するものである。
【0022】
上記した構成により、ワイヤ放電加工機では、所望張力が付与されたワイヤ1を垂直方向に走行させるとともに、テーブル21上に載置されたワーク13を水平面内で直交するX、Y軸方向の所望経路に沿って移動させ、ワイヤ1とワーク13との極間に加工電圧を供給することにより、ワーク13に所望形状の放電加工を遂行するのである。
【0023】
ここから、本発明実施形態のワイヤ放電加工機の構成に基づき、図4に示すようなダイ形状の多数個抜きのワークへの加工方法の一例を図2のフローチャートに沿って説明する。
あるイニシャルホールでワイヤ自動結線後にそのイニシャルホールにおける加工を行い、次に、別のイニシャルホールにて再びワイヤ自動結線後にそのイニシャルホールにおける加工を行うような加工プログラム、例えば図4の一点鎖線で示すように左上のイニシャルホール13aから右下のイニシャルホール13hという順序で各イニシャルホール13a〜13hにおいてそれぞれの加工を行うような加工プログラムを作成し、公知のプログラム入力手段(図示せず)によりNC・電源装置27のプログラム記憶手段29に入力、記憶する(工程S1)。
その後、プログラム記憶手段29に入力、記憶された加工プログラムに合うように、ワーク13へのダイ形状の加工箇所に各イニシャルホール13a〜13hを形成する(工程S2)。
【0024】
なお、プログラム記憶手段29に入力、記憶される加工プログラムは、イニシャルホールへの上ヘッド11及び下ヘッド15の位置決め指令、イニシャルホールに向けて流体ジェット23を噴出させてワイヤ1を誘導する自動結線指令からなるワイヤ自動結線ブロックと、ワイヤ径、ワイヤ張力等の加工条件設定指令、ワイヤ1とワーク13との極間への加工電圧供給指令、同休止指令、所望の加工形状に応じたワイヤ1とワーク13との相対移動指令からなる加工形状プログラムブロックとの組合せで構成されるものである。
【0025】
次いで、プログラム記憶手段29に入力、記憶した加工プログラムを実行すれば、ワーク1に対する放電加工が開始される。しかし、夜間運転時等加工を無人で長時間にわたり行う場合には、加工が途中で中断することのないようにして加工効率を向上させることからも、加工プログラムの実行時に不具合が発生しないか実加工前に確認しておく必要がある。
ここで、プログラム記憶手段29に加工プログラムの確認指令を送出すると、加工プログラムの加工形状プログラムブロック内の加工電圧供給指令をオフしながら加工プログラムが実行される(工程S3)。
【0026】
加工プログラムのワイヤ自動結線ブロック内の上ヘッド11及び下ヘッド15の位置決め指令により、上ヘッド11及び下ヘッド15に対してワーク13が載置されたテーブル21をX、Y軸方向へ移動させ、まず、上ヘッド11及び下ヘッド15を左上のイニシャルホール13aに位置決めする(工程S4)。
この位置決めされた状態がイニシャルホール13aにおける加工開始位置となるが、これではワイヤ自動結線時にイニシャルホール13aを通過した後の流体ジェット23の圧力を検出することができないので、いわゆるテーパ移動装置を利用して下ヘッド15に対して上ヘッド11をU、V軸方向へ移動(必要に応じてワーク13をX、Y軸方向へ移動)させ、上ヘッド11上部に設けられたワイヤ誘導装置9のジェットノズル9aの流体ジェット23の噴出部と下ヘッド15に設けられた圧力センサ15bの圧力検出部とを位置決めする(工程S5)。
ここで、あらかじめ下ヘッド15のワイヤ通孔と圧力センサ15bとの所定距離を記憶しておき、上ヘッド11及び下ヘッド15が加工開始位置へ移動したときに、下ヘッド15に対して上ヘッド11を前記所定距離だけ自動的に移動させるようにしてもよい。
【0027】
そして、加工プログラム記憶手段29に閾値として記憶された圧力で、流体ジェット23がイニシャルホール13aに向けて噴出され(工程S6)、イニシャルホール13aを通過した後の流体ジェット23の圧力を圧力センサ15bで検出し、その検出値が自動結線判別手段33に送出される(工程S7)。
【0028】
圧力センサ15bで検出した流体ジェット23の圧力検出値と記憶された流体ジェット23の閾値との比較を自動結線判別手段33で行い(工程S8)、その結果、検出値が閾値に達していない場合には、加工プログラムの作成ミス、ワーク1に加工すべきイニシャルホール13aの孔位置や孔径の加工ミス等の不具合が原因で、イニシャルホール13aの形成位置と流体ジェット23の噴出位置とが適切に位置決めされていないか、また、イニシャルホール13a内に加工屑等の異物が混入しているために、流体ジェット23の一部がワーク13と接触、飛散して、イニシャルホール13a内を通過する流体ジェット23の噴出圧力が不十分であり、ワイヤ1をスムーズに誘導できずワイヤ自動結線が成功する確率が低いであろうと判別する。
【0029】
上述のようにして、ワーク13に形成されている各イニシャルホール13a〜13hで流体ジェット23の圧力検出によるワイヤ自動結線の可否判断を行い(工程S9)、各イニシャルホール13a〜13hにおけるワイヤ自動結線の可否判別後(ここでは右下のイニシャルホール13hにおけるワイヤ自動結線の可否判別後)、プログラム記憶手段29に入力、記憶した加工プログラムを実行しワーク13へのダイ形状の抜き穴35の加工を行う(工程S10)。
【0030】
実加工前に加工プログラムの確認を行わない場合は、プログラム記憶手段29に入力、記憶した直後、加工プログラムを実行すればよいことは言うまでもなく、例えばワイヤ自動結線の成功する確率が低いイニシャルホールの位置をテーブル21に設けられたスケール等の位置検出装置で読み取り、記憶するようにすれば、実加工に際してそのイニシャルホールに関係する自動結線から加工までの動作を行わせることなく、自動的にスキップさせることもでき、加工効率のさらなる向上を図ることもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、ワークの複数箇所に形成された各イニシャルホールを起点として1つのワークに対して多数個抜き加工または多数個取り加工を行うときに、実加工前に加工プログラム確認機能を実行する場合等において、ワークに形成されたイニシャルホールに向けて噴出された流体ジェットがイニシャルホールを通過した後に所定圧力に達するか検出することにより、ワイヤ電極の自動結線の可否判別を行うものである。よって、実加工前に実際にワイヤ電極を自動結線することなく、それでも実際のワイヤ電極の自動結線時に近い状態でワイヤ電極の自動結線の可否判別を簡単に行うことができる。また、実際にワイヤ電極を自動結線することがないことから、ワイヤ電極の自動結線から自動切断までの時間を省略でき、ワイヤ電極の自動結線時に送出される分のワイヤ電極が無駄に消費されることもない。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のワイヤ放電加工機の要部断面図及び構成ブロック図である。
【図2】本発明に係るワイヤ放電加工機における加工方法の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係るワイヤ放電加工機のワイヤ走行経路を示す略示機構図である。
【図4】ダイ形状の多数個抜き加工時のワークを示す平面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ
9 ワイヤ誘導装置
9a ジェットノズル
11 上ヘッド
11a 上ワイヤガイド
13 ワーク
13a〜13h イニシャルホール
15 下ヘッド
15a 下ワイヤガイド
15b 圧力センサ
21 テーブル
23 流体ジェット
25 移動手段
27 NC・電源装置
29 プログラム記憶手段
31 制御手段
33 自動結線判別手段

Claims (1)

  1. 流体ジェットによりワイヤ電極を誘導してワークに形成されたイニシャルホール内に挿通させ自動結線し、前記ワイヤ電極と前記ワークとを相対移動させながら前記ワークに所望形状の加工を行うワイヤ放電加工機において、
    前記ワイヤ電極を案内する上ヘッド及び下ヘッドと前記ワークとを相対移動させ、前記上ヘッド及び下ヘッドの前記ワイヤ電極の通孔を前記イニシャルホールとの対面位置へ位置決めする第1の相対移動手段と、
    前記上ヘッドの前記ワイヤ電極の通孔を経て前記イニシャルホールに向けて前記流体ジェットを噴出する流体ジェット噴出手段と、
    前記下ヘッドの前記ワークとの対面部で、かつ前記下ヘッドの前記ワイヤ電極の通孔の位置から所定距離だけ離れた位置に設けられ、前記イニシャルホールを通過後の前記流体ジェットの圧力を検出する圧力検出部を有した流体ジェット圧力検出手段と、
    前記流体ジェットの圧力検出時に前記上ヘッドと前記下ヘッドとを前記所定距離だけ相対移動させ、前記流体ジェットの噴出部と前記流体ジェット圧力検出手段の圧力検出部との位置決めを行う第2の相対移動手段と、
    前記検出した流体ジェットの圧力とあらかじめ設定した閾値とを比較し、前記流体ジェットによる前記ワイヤ電極の前記イニシャルホールへの自動結線ができるかを判別する自動結線判別手段と、
    を具備することを特徴としたワイヤ放電加工機。
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