JPH1177292A - アルミニウム熱交換器の製造方法 - Google Patents

アルミニウム熱交換器の製造方法

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JPH1177292A
JPH1177292A JP24147097A JP24147097A JPH1177292A JP H1177292 A JPH1177292 A JP H1177292A JP 24147097 A JP24147097 A JP 24147097A JP 24147097 A JP24147097 A JP 24147097A JP H1177292 A JPH1177292 A JP H1177292A
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brazing
heat exchanger
flux
aluminum
tube
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JP24147097A
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Haruhiko Miyaji
治彦 宮地
Isao Azeyanagi
功 畔柳
Kouji Hiragami
浩司 平上
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押し出し多穴チューブにフィンをろう付けに
より接合する熱交換器において、フラックス使用量の低
減を図る。 【解決手段】 多数本の押し出し多穴チューブ相互の間
に、コルゲートフィンを配置するとともに、押し出し多
穴チューブの一端部に第1のヘッダータンクを配置し、
押し出し多穴チューブの他端部に第2のヘッダータンク
を配置し、押し出し多穴チューブ、コルゲートフィン、
および両ヘッダータンクを所定構造に組付け、この組付
体をろう付けにより一体に接合するアルミニウム熱交換
器の製造方法において、押し出し多穴チューブおよび両
ヘッダータンクの表面に、非腐食性フラックスを塗布し
た後に、組付体の組付を行って、ろう付けを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ろう付けにより組
み立てられるアルミニウム熱交換器において、特に押し
出し多穴チューブにフィンをろう付けにより接合する熱
交換器の製造方法に関するもので、車両用空調装置の凝
縮器に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の押し出し多穴チューブに
フィンをろう付けにより接合するアルミニウム熱交換器
においては、押し出し多穴チューブにろう材をクラッド
することはできないので、フィン側にろう材を両面クラ
ッドしたアルミニウムブレージングシートを用い、この
多穴チューブとフィンとを所定構造に組み付けた後に、
この組付体全体にフラックスを乾式の吹きつけで塗布し
ている。
【0003】その後、この組付体をろう付け用の加熱炉
内に搬入して、組付体をろう材の融点まで加熱して、組
付体全体を一体ろう付けしている。ここで、フラックス
はアルミニウム表面の酸化皮膜の除去、再酸化防止の作
用を果して、アルミニウム熱交換器のろう付け性を良好
にするものであるが、このフラックスとして、近年、フ
ッ化物系の非腐食性フラックスが多く用いられている。
これは、フラックス成分が非腐食性であるため、熱交換
器ろう付け後のフラックス除去のための洗浄工程を廃止
したり、簡略化できるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来方法で
は、アルミニウム熱交換器の組付体全体にフラックスを
塗布しているので、どうしてもフラックス使用量が増加
する。このため、フラックスコストが高くつく。また、
アルミニウム熱交換器の耐食性向上等を目的として、ろ
う付け後に熱交換器に表面処理を施す場合があるが、そ
の際、フラックス使用量が多いと、ろう付け後のフラッ
クス残渣が増加して、表面処理の皮膜形成を阻害するの
で、非腐食性フラックスを使用する場合であっても、フ
ラックス除去のための洗浄工程を実施しなければならな
い。
【0005】なお、特開平9−29487号公報では、
アルミニウム材にクラッドされたろう材層の表面にフラ
ックスをバインダを用いて被覆することにより、フラッ
クス使用量の低減を図るものが提案されているが、この
従来技術を、押し出し多穴チューブにフィンをろう付け
するアルミニウム熱交換器に適用すると、フィンのろう
材層の表面にフラックスを塗布することになる。
【0006】しかし、フィンは伝熱面積拡大のために、
その全表面積がチューブに比してはるかに大きい(例え
ば、7倍程度)ので、フィン側にフラックスを塗布して
もフラックス使用量を十分低減できない。本発明は上記
点に鑑み、押し出し多穴チューブにフィンをろう付けに
より接合する熱交換器において、フラックス使用量の低
減を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、アルミニウム製の押し出
し多穴チューブ(14)の表面に非腐食性フラックスを
塗布した後に、この押し出し多穴チューブ(14)と、
ろう材を被覆したアルミニウム製のフィン(15)とを
組付け、このチューブ(14)とフィン(15)との組
付体をろう付けにより一体に接合することを特徴として
いる。
【0008】これによると、チューブ(14)とフィン
(15)との組付工程の前に、押し出し多穴チューブ
(14)側に非腐食性フラックス塗布を行って、表面積
の大きいフィン側にはフラックス塗布を行なわないか
ら、フラックス使用量を従来技術に比して大幅に低減で
き、そのため、フラックスコストを大幅に低減できる。
しかも、ろう付け後のフラックス残渣も大幅に減少する
ので、特に、洗浄工程を必要とすることなく、ろう付け
後の表面処理を実施することができる。従って、表面処
理の処理コストを大幅に低減でききる。
【0009】また、請求項2記載の発明では、多数本並
列配置される押し出し多穴チューブ(14)相互の間
に、コルゲートフィン(15)を配置するとともに、押
し出し多穴チューブ(14)の一端部に第1のヘッダー
タンク(11)を配置し、押し出し多穴チューブ(1
4)の他端部に第2のヘッダータンク(12)を配置
し、押し出し多穴チューブ(14)、コルゲートフィン
(15)、および両ヘッダータンク(11、12)を所
定構造に組付け、この組付体をろう付けにより一体に接
合するアルミニウム熱交換器の製造方法において、押し
出し多穴チューブ(14)および両ヘッダータンク(1
1、12)の表面に、非腐食性フラックスを塗布した後
に、組付体の組付を行って、ろう付けを行うことを特徴
としている。
【0010】これにより、多数本の押し出し多穴チュー
ブ(14)を並列配置する、いわゆるマルチフロータイ
プの熱交換器において、請求項1と同様の作用効果を発
揮できる。また、請求項3記載の発明のように、非腐食
性フラックスの塗布をバインダーを用いて行えば、チュ
ーブ等のアルミニウム表面へのフラックス塗布を均一に
行うことができる。
【0011】また、請求項4記載の発明のように、バイ
ンダーは、ろう付け温度以下の温度で蒸発するアクリル
系樹脂で構成すれば、バインダーがろう付け時に悪影響
を及ぼすことがない。また、請求項5記載の発明のよう
に、非腐食性フラックスにZnを含有させれば、ろう付
けと同時に、チューブ等のアルミニウム表面にZn拡散
層を形成できるので、Znの犠牲腐食作用によりチュー
ブの孔食等を良好に防止でき、熱交換器の耐食性を向上
できる。
【0012】また、請求項6記載の発明のように、非腐
食性フラックス、またはZnを含有した非腐食性フラッ
クスの塗布量を15g/m2 以下とすれば、フラックス
によるろう付け性を確保しつつ、フラックス使用量を低
減できる。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述す
る実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づいて説明する。まず、本発明方法を説明する前に、本
発明を適用するアルミニウム熱交換器として、車両用空
調装置の凝縮器を図1、2により説明すると、凝縮器1
0は車両用空調装置の冷凍サイクルにおいて圧縮機(図
示せず)から吐出された高温高圧の過熱ガス冷媒を冷却
して凝縮させるものである。
【0014】凝縮器10は、所定間隔を開けて配置され
た第1、第2の一対のヘッダタンク11、12を有し、
この第1、第2ヘッダタンク11、12は上下方向に略
円筒状に延びる形状になっている。この第1、第2ヘッ
ダタンク11、12の間に熱交換用のコア部13を配置
している。本例の凝縮器10は、一般にマルチフロータ
イプと称されているものであって、コア部13は第1、
第2ヘッダタンク11、12の間で、水平方向に冷媒を
流す偏平状のチューブ14を上下方向に多数並列配置
し、この多数のチューブ14の間にフィン15を介在し
て接合している。ここで、チューブ14は図3に示すよ
うに多数の冷媒通路穴14aをアルミニウムの押し出し
加工で成形した押し出し多穴偏平チューブである。ま
た、フィン15は波状に折り曲げ加工されたコルゲート
フィンである。
【0015】チューブ14の一端部は第1ヘッダタンク
11内に連通し、他端部は第2ヘッダタンク12内に連
通している。そして、第2ヘッダタンク12の上方側に
冷媒の入口側配管ジョイント(冷媒入口部)16を配置
し接合している。また、第2ヘッダタンク12の下方側
に冷媒の出口側配管ジョイント(冷媒出口部)17を配
置し接合している。
【0016】さらに、本例においては、第2ヘッダタン
ク12内において、入口側配管ジョイント16と出口側
配管ジョイント17との間の部位に1枚のセパレータ1
8を配置することにより、第2ヘッダタンク12の内部
を上下方向に2つの空間12a、12bに仕切ってい
る。これにより、入口側配管ジョイント16からの冷媒
を第2ヘッダタンク12の上側空間12aを通してコア
部13の上側半分のチューブ14に流入させた後、冷媒
を第1ヘッダタンク11内でUターンさせてコア部13
の下側半分のチューブ14に流入させ、しかるのち、第
2ヘッダタンク12の下側空間12bを通して冷媒は出
口側配管ジョイント17へ流れるようになっている。
【0017】熱交換用コア部13の上下両側には、断面
コ字形状に成形されたサイドプレート19、20が配置
され、このサイドプレート19、20は最も外側のコル
ゲートフィン15および第1、第2ヘッダタンク11、
12に接合されるものであって、凝縮器10の車体側へ
の取付部材の役割を果たす。第1、第2ヘッダタンク1
1、12は基本的には同一構造であり、図2に示すよう
に第1の凹状部材110、120と第2の凹状部材11
1、121とを接合して、略円筒状の中空タンク形状を
形成するものである。第1、第2ヘッダタンク11、1
2の上下両端部には円板状のキャップ部材112、12
2(図1参照)が接合されて、第1、第2ヘッダタンク
11、12の上下両端の開口を閉塞している。
【0018】第1、第2の凹状部材110、120、1
11、121はいずれもアルミニウム板をプレス成形し
たものであり、第1の凹状部材110、120に設けら
れた偏平状のチューブ挿通穴110a、120aにチュ
ーブ14の端部を挿通している。ところで、上記凝縮器
において、チューブ14を構成する押し出し多穴チュー
ブの具体的材質は、例えば、0.4wt%Cu−0.1
5wt%Mn−残部Alである。この押し出し多穴チュ
ーブ14の表面には図4に示すように後述のフラックス
被覆層1bが設けてある。
【0019】一方、フィン15はろう材を両面にクラッ
ドしたろうクラッド材からなり、その芯材2aの具体的
材質は、例えば、1.2wt%Mn−0.15wt%C
u−2.5wt%Zn−残部Alであり、ろう材(皮
材)2bの具体的材質は、例えば、A4343である。
なお、フィン15の板厚tは例えば、0.07mmで、
ろう材(皮材)2bのクラッド厚さ(片側)は例えば7
μmである。
【0020】なお、第1、第2ヘッダタンク11、12
の第1、第2の凹状部材110、120、111、12
1はいずれもフィン15と同様にろう材を両面にクラッ
ドした両面クラッド材からなる。また、キャップ部材1
12、122は、第1、第2ヘッダタンク11、12と
接合される片側面のみにろう材をクラッドした片面クラ
ッド材からなる。また、サイドプレート19、20はキ
ャップ部材112、122と同様に、最外側のコルゲー
トフィン15および第1、第2ヘッダタンク11、12
と接合される片側面のみにろう材をクラッドした片面ク
ラッド材からなる。また、入口側配管ジョイント16お
よび出口側配管ジョイント17はろう材をクラッドして
ないアルミニウムベア材からなる。
【0021】次に、本実施形態の熱交換器の製造方法に
ついて具体的に説明する。 (1)熱交換器の構成部品へのフラックス塗布工程およ
び各部品の成形工程 フラックスの準備 ・フラックス:フッ化物系の非腐食性フラックスを用い
る。 具体的には、KAlF4 とK3 AlF6 との混合物(モ
ル比で、KAlF4:90に対してK3 AlF6 :1
0)、あるいはK2 AlF5 を用いる。
【0022】・バインダー:メタクリル酸2−エチルヘ
キシルを主成分とするアクリル樹脂を用いる。 このバインダーはフラックスをアルミニウム表面に一様
に付着させるためのものであり、そのために塗料のよう
な粘着性をある程度有しており、かつろう付け温度より
低い温度(例えば、300〜450°C)で蒸発して、
ろう付けの妨げにならないものがよい。上記アクリル樹
脂はこれらの特性を満足するものである。
【0023】・溶剤:イソプロピルアルコールを用い
る。 そして、このイソプロピルアルコールに上記非腐食性フ
ラックスおよびバインダーの粉末(または粒状物)を混
合して混合溶液を作る。ここで、非腐食性フラックスお
よびバインダーはイソプロピルアルコールに均一に溶け
込んだ状態になっている。
【0024】チューブ14 図5に示すように、コイル状に巻回された押し出し多穴
チューブaを巻き戻して、その表面に、上記の非腐食性
フラックス溶液をノズル(噴霧器)bにて吹き付け、乾
燥する。この際、溶液中のバインダーの作用にて押し出
し多穴チューブaのアルミニウム表面にフラックス被覆
層14b(図3)を均一の厚さで形成できる。
【0025】しかるのち、押し出し多穴チューブaを所
定長さc(図1の左右方向長さに相当)に定寸切断す
る。 フィン15 コイル状に巻回された平板状の両面クラッド材dを巻き
戻して所定の波形状に折り曲げ成形し、所定長さeに定
寸切断する。
【0026】第1、第2ヘッダタンク11、12 コイル状に巻回された平板状の両面クラッド材fを巻き
戻して、その表裏両面に、上記の非腐食性フラックス溶
液をノズル(噴霧器)gにて吹き付け、乾燥することに
より、両面クラッド材fのアルミニウム表面にフラック
ス被覆層を均一の厚さで形成する。
【0027】しかるのち、両面クラッド材fを所定の凹
形状にプレス成形して、両タンク11、12を構成する
第1、第2の凹状部材110、120、111、121
を得る。なお、非腐食性フラックス溶液中のバインダー
として、プレス成形温度にて硬化せずに、柔軟な状態を
維持する材質を選択しているので、フラックス被覆層を
形成した後に、プレス成形を行っても、フラックス被覆
層の剥離や割れ等の不具合は発生しない。
【0028】サイドプレート19、20 コイル状に巻回された平板状の片面クラッド材hを巻き
戻して、その片側の面、すなわち、ろう材のクラッドさ
れた方の面(ろう付け面)のみに、上記の非腐食性フラ
ックス溶液をノズル(噴霧器)iにて吹き付け、乾燥す
ることにより、片面クラッド材hのアルミニウム表面に
フラックス被覆層を均一の厚さで形成する。
【0029】しかるのち、片面クラッド材hを断面U状
の所定形状にプレス成形する。 キャップ部材112、122 コイル状に巻回された平板状の片面クラッド材を巻き戻
して、所定の円形状にプレス成形する。 入口側配管ジョイント16、出口側配管ジョイント1
7 アルミニウムベア材から切削加工等により所定のジョイ
ント形状を加工する。
【0030】なお、上記フラックス塗布工程において、
各部品(14、11、12、19、20)へのフラック
ス付着量は2〜4g/m2 程度がろう付け性の確保、お
よびフラックス使用量低減の観点から好ましい。 (2)熱交換器組付工程 上記した各部品を図1に示す状態に組付ける。この組付
体の組付状態は図示しない適宜の治具にて保持する。な
お、図4はこの熱交換器組付工程で組付けた後のチュー
ブ14とフィン15の状態を示す。 (3)ろう付け工程 上記組付体を治具にて保持してろう付け用加熱炉内に搬
入して、熱交換器の各部品間を一体ろう付けする。
【0031】ここで、ろう付け条件の具体例としては、
ろう付け用加熱炉内雰囲気をN2 ガス(または不活性ガ
ス)雰囲気とし、ろう付け温度を595°C〜600°
Cとし、ろう付け時間を約5分とする。各部品の表面に
形成されたフラックス被覆層のうち、バインダー成分は
上記組付体がろう付け温度まで昇温する過程において蒸
発し、飛散するので、ろう付け作用には何ら妨げとなら
ない。一方、フラックス被覆層のうち、非腐食性フラッ
クス成分はろう付け温度において溶融状態(液体状態)
となって、各部品間の接合面に均一に向き渡るので、各
部品間の接合面の酸化皮膜の除去並びにアルミニウム表
面の再酸化防止を良好に行うことができ、各部品間を良
好にろう付けすることができる。
【0032】ところで、本実施形態では、熱交換器組付
工程の後に、組付体の全体にフラックスを塗布するとい
うことをせずに、また、表面積が熱交換器部品の中で最
大となるフィン15にフラックスを塗布せず、比較的表
面積の小さい、フラックス塗布の必要な部品(チューブ
14、ヘッダタンク11、12、サイドプレート19、
20)に対してのみ、それ単独の状態にてフラックス塗
布を行っているから、従来技術に比してフラックス使用
量を大幅に減少できる。
【0033】その結果、ろう付け後のフラックス除去の
ための洗浄工程を廃止できる。また、洗浄工程を実施す
る場合でも、その洗浄(水洗、酸洗い等)工程を著しく
簡略化(短時間化)できる。 (4)表面処理工程 この表面処理は具体的には、クロメート処理液中に熱交
換器(凝縮器10)を所定時間(例えば、2分程度)浸
漬して、熱交換器表面全体にクロメート処理液を塗布
し、乾燥することにより、熱交換器表面全体にクロメー
ト皮膜を形成する。ここで、クロメート皮膜のクロム付
着量は、例えば、100mg/m2 程度が好ましい。こ
のクロメート皮膜の形成により熱交換器の耐食性を向上
させることができる。
【0034】(他の実施形態)なお、上記した実施形態
における非腐食性フラックス溶液中に、粉末状のZnを
混合し、このZnを混合した非腐食性フラックス溶液を
上記の各部品に塗布して、フラックス被覆層を形成すれ
ば、ろう付け時の加熱作用によりZnが各部品のアルミ
ニウム表面に拡散して、Zn拡散層を形成する。
【0035】このZn拡散層はアルミニウム母材に対し
て電極電位が卑であり、犠牲腐食作用を果たすため、各
部品の耐食性を向上でき、チューブ14等の孔食防止を
図ることができる。 (実験例)図6は本発明方法によるフラックス付着量の
基礎的評価を行うための実験結果を示すもので、使用し
たテストピースは縦:50mm、横:45mm、厚さ:
2mmの平板状のアルミニウム板であり、フラックス溶
液は前述の実施形態と同じであり、IPAは溶剤のイソ
プロピルアルコールの略称である。
【0036】図6において、No.A1〜A10はフラ
ックス溶液にZn粉末を混合しない場合であり、No.
B1〜B6はフラックス溶液にZn粉末を混合した場合
である。図6の実験では、フラックス溶液中にテストピ
ースのアルミニウム板を浸漬した場合の、フラックス、
またはフラックスとZn粉末の付着量を示している。こ
の図6の実験により、フラックス溶液の成分比と、フラ
ックスおよびZn粉末の付着量との相関を確認できる。
【0037】次に、図7は押し出し多穴チューブ14に
フラックス塗布をして場合の付着量と、このフラックス
塗布をした押し出し多穴チューブ14と、両面クラッド
材からなるフィン15とのろう付け結果を示すものであ
る。フラックス溶液Noは図6のNoと対応している。
この実験例では、押し出し多穴チューブ14に刷毛塗り
にてフラックス塗布をしている。
【0038】実験の結果、サンプルNo.C24では、
チューブ14へのフラックス付着量が0.18g/m2
という少量となり、その結果、チューブ14とフィン1
5との接合部のフィレット長さ(接合長さ)の平均値が
0.25mmとなって、ろう付け性が悪化することが分
かった。しかし、その他のサンプルではいずれもろう付
け性が良好であることを確認できた。
【0039】本発明者の実験検討によると、チューブ1
4へのフラックス付着量としては、ろう付け後の洗浄工
程の廃止、あるいは簡略化のために、15g/m2 以下
とすることが好ましいことがわかった。ろう付け後のチ
ューブ表面分析は、エネルギ分散型X線分析装置による
分析結果を示すもので、フラックス溶液として、Znを
混合したB1〜B6の溶液を用いているものでは、図7
の破線より下側の欄に記載したように、チューブ表面に
Znを拡散させることができる。ここで、Znの犠牲腐
食効果をより有効に発揮させるためには、Znの拡散量
を1.5wt%以上に設定することが好ましい。
【0040】次に、本発明方法を適用する熱交換器の変
形例について説明すると、図1に示したマルチフロータ
イプの凝縮器10においては、一方のヘッダータンク1
2に入口側配管ジョイント16と出口側配管ジョイント
17の両方を接合しているが、一方のヘッダータンク1
2に出口側配管ジョイント17のみを接合し、入口側配
管ジョイント16は他方のヘッダータンク11に接合す
るようにしてもよい。
【0041】また、図1に示したマルチフロータイプの
凝縮器10においては、一対のヘッダータンク11、1
2をそれぞれ2枚の凹状部材110、111と凹状部材
120、121を接合して構成しているが、1枚の両面
クラッド材を円筒状に接合することにより一対のヘッダ
ータンク11、12をそれぞれ構成してもよい。また、
図1に示したマルチフロータイプの凝縮器10に限ら
ず、図8に示すようなサーペンタイプの凝縮器10′に
も本発明はもちろん適用できる。このサーペンタイプの
凝縮器10′においては、押し出し多穴チューブ14を
蛇行状に折り曲げ加工して、この蛇行状のチューブ14
相互の間に波状に折り曲げ加工されたコルゲートフィン
15を配置し、接合している。チューブ14の両端部に
は冷媒の入口ヘッダーパイプ11′および出口ヘッダー
パイプ12′が接合される。
【0042】また、本発明は、押し出し多穴チューブ1
4を用いたアルミニウム熱交換器であれば、凝縮器以外
の熱交換器にも適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用する熱交換器の正面図であ
る。
【図2】図1の熱交換器におけるヘッダータンク部の断
面図である。
【図3】本発明方法によりフラックス被覆層を形成した
押し出し多穴チューブの断面図である。
【図4】本発明方法によりフラックス被覆層を形成した
押し出し多穴チューブと、両面クラッド材からなるフィ
ンとの組付状態を示す部分断面図である。
【図5】本発明方法の一実施形態の工程説明図である。
【図6】本発明方法の実験結果を示す図表である。
【図7】本発明方法の実験結果を示す図表である。
【図8】本発明方法を適用する熱交換器の他の例を示す
斜視図である。
【符号の説明】
11、12…ヘッダータンク、14…押し出し多穴チュ
ーブ、14b…フラックス被覆層、15…フィン。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム製の押し出し多穴チューブ
    (14)に、ろう材を被覆したアルミニウム製のフィン
    (15)を組付け、このチューブ(14)とフィン(1
    5)との組付体をろう付けにより一体に接合するアルミ
    ニウム熱交換器の製造方法において、 前記押し出し多穴チューブ(14)の表面に非腐食性フ
    ラックスを塗布した後に、前記押し出し多穴チューブ
    (14)と前記フィン(15)とを組付けて、前記ろう
    付けを行うことを特徴とするアルミニウム熱交換器の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 所定長さに切断され、多数本並列配置さ
    れるアルミニウム製の押し出し多穴チューブ(14)
    と、 この押し出し多穴チューブ(14)相互の間に配置さ
    れ、ろう材を被覆したアルミニウム製のコルゲートフィ
    ン(15)と、 前記押し出し多穴チューブ(14)の一端部に配置さ
    れ、前記押し出し多穴チューブ(14)の一端部が連通
    する、ろう材を被覆したアルミニウム製の第1のヘッダ
    ータンク(11)と、 前記押し出し多穴チューブ(14)の他端部に配置さ
    れ、前記押し出し多穴チューブ(14)の他端部が連通
    する、ろう材を被覆したアルミニウム製の第2のヘッダ
    ータンク(12)とを備え、 前記押し出し多穴チューブ(14)、前記コルゲートフ
    ィン(15)、および前記両ヘッダータンク(11、1
    2)を所定構造に組付け、この組付体をろう付けにより
    一体に接合するアルミニウム熱交換器の製造方法におい
    て、 前記押し出し多穴チューブ(14)および前記両ヘッダ
    ータンク(11、12)の表面に、非腐食性フラックス
    を塗布した後に、前記組付体の組付を行って、前記ろう
    付けを行うことを特徴とするアルミニウム熱交換器の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記非腐食性フラックスの塗布をバイン
    ダーを用いて行うことを特徴とする請求項1または2に
    記載のアルミニウム熱交換器の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記バインダーは、ろう付け温度以下の
    温度で蒸発するアクリル系樹脂であることを特徴とする
    請求項3に記載のアルミニウム熱交換器の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記非腐食性フラックスにZnを含有さ
    せることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つ
    に記載のアルミニウム熱交換器の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記非腐食性フラックス、または前記Z
    nを含有した非腐食性フラックスの塗布量を15g/m
    2 以下とすることを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れか1つに記載のアルミニウム熱交換器の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ろう付けの後に、洗浄工程なしで耐
    食性向上のための表面処理を行うことを特徴とする請求
    項1ないし6のいずれか1つに記載のアルミニウム熱交
    換器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006188756A (ja) * 2004-12-07 2006-07-20 Showa Denko Kk 熱交換器用高耐食性チューブ及び熱交換器とその製造方法

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