JPH1177126A - 連続圧延機における板厚制御方法 - Google Patents

連続圧延機における板厚制御方法

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JPH1177126A
JPH1177126A JP9239709A JP23970997A JPH1177126A JP H1177126 A JPH1177126 A JP H1177126A JP 9239709 A JP9239709 A JP 9239709A JP 23970997 A JP23970997 A JP 23970997A JP H1177126 A JPH1177126 A JP H1177126A
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rolling
load
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rolling mill
motor
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JP9239709A
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Yoshihide Okamura
義英 岡村
Ikuya Hoshino
郁弥 星野
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続圧延機における各電動機の負荷を、製品
板厚の変動を防止しつつ、負荷上限値内に収まるよう
に、適宜に調節することの出来る、板厚制御方法を提供
すること。 【解決手段】 各圧延機10a〜dの電動機18a〜d
において、圧延時負荷値と負荷上限値との差が互いに一
定となるように、各圧延機10a〜dにおける出側目標
板厚を決定し、かかる出側目標板厚が実現されるよう
に、最終出側の圧延機10dを除く他の圧延機10a〜
cにおけるロールの圧下位置を調節するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、複数の圧延機群からなる連続圧
延機によって目標とする製品板厚の圧延材を得るに際し
て、各圧延機におけるロールの駆動用電動機負荷が許容
値を越えないように、ロールの圧下位置を調節する、連
続圧延機における板厚制御方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】圧延工程において、板厚は製品の品質上で
最も重要な管理項目の一つであり、2つ以上の圧延機群
を用いた連続圧延工程においては、効率的で円滑な圧延
が行われるように、各圧延機に目標板厚が設定されて、
例えば公知のゲージメータAGC(ゲージメータ式を用
いたロール間隙コントロール)等に従って、板厚制御が
実施されるようになっている。
【0003】ところで、圧延材によっては、圧延初期に
おけるループ等の発生を防止して通板時の操業安定性を
確保するために、オペレータの経験に基づく判断等によ
って、予め、幾つかの圧延機において、目標板厚の設定
値に拘わらずにロール間隙を適当に調節しておく場合が
ある。その場合には、特定の圧延機で駆動用電動機の負
荷が許容値を越えてしまうのを防止するために、一般
に、圧延安定後において、オペレータが手動でロール間
隙を調節し直して、各圧延機における駆動用電動機の負
荷が許容値を越えないように制御する必要がある。
【0004】また、定常的な圧延中においても、圧延状
況の変化や材料の温度変化等によって、特定の圧延機で
駆動用電動機の負荷が増大する場合があり、その場合に
も、オペレータが手動でロール間隙を調節し直して、各
圧延機における駆動用電動機の負荷が許容値を越えない
ように制御する必要がある。
【0005】ところが、オペレータによるロール間隙の
手動操作は、殆どの場合、直感的および経験的に為され
るものであって、必ずしも適切な調節が為されるもので
なく、そのために、場合によっては、特定の圧延機にお
ける駆動用電動機に大きな負担がかかって圧延速度や効
率が低下したり、電動機負荷が許容値を越えて圧延が中
止されたりするトラブルが発生するおそれがあった。
【0006】なお、連続圧延機の圧延制御に関して、特
開昭49−106951号公報には、通板開始時におけ
る各圧延機のロールの圧下位置等を設定するに際して、
駆動用電動機の負荷配分も考慮して初期設定値を決定す
る方法が開示されているが、この方法は、あくまでも通
板開始時におけるロール圧下位置等の初期設定を対象と
するに過ぎず、それ故、前述の如き、通板後におけるロ
ール間隙の調節に際して、駆動用電動機の負荷が許容値
を越えることに起因するトラブルの発生防止には有効で
なかった。また、特開昭51−136547号公報に
は、圧延中に発生する製品板厚の偏差を、各圧延機にお
ける駆動用電動機の負荷を考慮して、各圧延機における
ロールの圧下位置等をフィードバック制御する方法が開
示されているが、この方法は、あくまでも最終出側の圧
延機における出側板厚が、目標とする製品板厚から外れ
た場合に、製品板厚が目標板厚となるように調節するも
のに過ぎず、それ故、前述の如き、圧延状況の変化等に
よって特定の圧延機において駆動用電動機の負荷が増大
した場合等には、有効に対処し得るものではなかった。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、通板開始後および定常的な圧延状況下にお
いて、圧延中に時々刻々変化する負荷変動に対して有利
に対処し、製品板厚に偏差がなく目標板厚が達成されて
いる状況下においても、各圧延機における駆動用電動機
の負荷を他の圧延機に分散せしめて、それら各圧延機に
おける駆動用電動機の負荷変動を抑え、過負荷を防止す
ることによって、圧延の操業安定化を達成することにあ
る。
【0008】
【解決手段】そして、このような課題を解決するため
に、本発明の特徴とするところは、2機以上の圧延機群
から構成された連続圧延機において、それら圧延機にお
けるロールの圧下位置を調節することにより、該各圧延
機における出側板厚を制御するに際して、前記各圧延機
の圧延時における駆動用電動機の負荷値を求めて、それ
ら各圧延機における駆動用電動機の圧延時負荷値と、該
各圧延機における駆動用電動機の負荷上限値との差が、
かかる全ての圧延機において等しくなるように該各圧延
機における出側の目標板厚を決定し、それぞれの圧延機
において、かかる出側の目標板厚が得られるように、最
終出側の圧延機を除く全ての圧延機におけるロールの圧
下位置を調節せしめる連続圧延機における板厚制御方法
にある。
【0009】このような本発明方法に従えば、圧延状況
の変化等によって特定の圧延機における駆動用電動機の
負荷が増大した場合にも、全ての圧延機において駆動用
電動機の負荷余裕が平均化されることにより、かかる圧
延機における駆動用電動機の負荷の大幅な増大が回避さ
れることとなる。それによって、圧延中に負荷変動等が
生じた場合でも、各圧延機における駆動用電動機の過負
荷が有利に防止され、圧延の操業安定化が図られ得るの
である。
【0010】しかも、本発明方法においては、最終出側
の圧延機における駆動用電動機の負荷が、上流側の圧延
機における出側目標板厚の変更によって調節されること
となり、最終出側の圧延機におけるロール圧下位置は変
更されないことから、最終出側の圧延機によって与えら
れる製品板厚の不必要な変動も有利に回避されるのであ
る。要するに、最終出側の圧延機における出側板厚の目
標値は、目的とする製品板厚とされるのである。
【0011】ところで、本発明において、前記各圧延機
における駆動用電動機の圧延時負荷値としては、例えば
各圧延機における駆動用電動機への供給電流の一定時間
内における自乗平均値(RMS)等の評価値を採用する
ことが可能であるが、好ましくは、各圧延機における駆
動用電動機のトルクと回転数に基づいて算出したパワー
比率(PWR)が採用される。
【0012】また、本発明において、前記各圧延機にお
ける駆動用電動機の負荷上限値としては、例えば駆動用
電動機の仕様上の負荷制限値を採用することも可能であ
るが、好ましくは、該駆動用電動機の仕様上の負荷制限
値と、該各圧延機における荷重制限値との、何れか低い
方が採用される。それによって、各圧延機の構造や圧延
材の材質等の圧延要因による圧延荷重制限も考慮され得
て、圧延操業の安定化が一層有利に達成され得る。
【0013】また、本発明において、すべての圧延機に
おいて駆動用電動機の圧延時負荷値と負荷上限値との差
が等しくなるように、各圧延機における出側の目標板厚
を求めるに際しては、例えば、各圧延機における駆動用
電動機の圧延時負荷値が、該圧延機の入側板厚と出側板
厚の差に比例し、該圧延機の出側板厚に逆比例するとし
た前提条件の下に、有利に算出され得る。
【0014】また、本発明において、各圧延機における
駆動用電動機の圧延時負荷値としては、例えば、圧延中
の制御時点の実測値や、過去の実績値に基づく二乗平均
値等を採用することも可能であるが、その他、圧延中の
制御時点において、該制御時点までの実績値に基づいて
将来的に予測した予測値を採用することも可能である。
このような予測値を採用すれば、駆動用電動機の負荷が
負荷上限値を越えることを未然に且つ迅速に防止するこ
とに関してより有効となるのであり、一層安定した圧延
操業が実現可能となる。
【0015】なお、駆動用電動機における圧延時負荷値
の将来的な予測値としては、例えば、予測時点(制御時
点)までの電動機負荷の実績値を用いた二乗平均法によ
って算出したものが採用される。また、かかる圧延時負
荷値の将来的な予測値としては、圧延終了までの残り圧
延時間内で適当な時間経過後に設定された一時点のもの
を採用することも可能であるが、その他、圧延終了まで
の残り圧延時間内で適当な時間間隔で設定された複数の
時点について予測値を求め、例えばそれらの予測値の最
大値或いは平均値を採用することも可能である。なお、
そのような予測に際しては、例えば、予測時点(制御時
点)より後は、該予測時点での電動機トルクおよび電動
機回転数が圧延終了時点まで続くものと仮定して、圧延
時負荷値を、それら電動機のトルクと回転数に基づくパ
ワー比率(PWR)として算出すること等によって行わ
れ得る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の具体的な実施形態を例示的に
図示して、説明する。
【0017】先ず、図1には、本発明を実施するための
連続圧延機の構成例が概略的に示されている。かかる連
続圧延機は、NO. 1〜4の4つの圧延機10a〜dを備
えており、圧延材11が、それらの圧延機10a〜dの
圧延ロール12,12間に順次通板されて圧延されるこ
とにより、最終出側の圧延機10dの出側において、目
的とする圧延材(製品)が得られるようになっている。
また、これらの各圧延機10a〜dには、板厚制御装置
(AGC)14a〜dが設けられており、目標板厚の製
品が得られるように、例えば、圧下率や圧延荷重等を指
標として、ゲージメータ式等を用い、各圧延機10a〜
dにおける圧下装置16a〜dの圧下スクリュを調節す
ることにより、各圧延機10a〜dのロール圧下位置、
即ち板厚がそれぞれ設定されるようになっている。な
お、かかる板厚制御に際しては、最終出側の圧延機10
dの出側板厚を実測する板厚計17の検出値を用いて、
フィードバック制御が行われるようになっている。
【0018】また、このようなAGC14a〜dによる
公知の板厚設定に加えて、各圧延機10a〜dにおいて
は、各圧延ロールの駆動用電動機としてのモータ18a
〜dの負荷上限値を考慮して効率的で且つ安定した圧延
操業が実施されるように、電動機負荷制御系により、各
圧延機10a〜cのロール圧下位置、即ち板厚がそれぞ
れ制御されるようになっている。
【0019】より詳細には、電動機負荷制御系は、コン
ピュータで構成された制御装置本体20を含んで構成さ
れており、先ず、この制御装置本体20におけるモータ
負荷計算手段22において、圧延時における各モータ1
8a〜dの負荷値:Pwi (i=圧延機NO. )が計算さ
れる。かかるモータ負荷値は、例えば、パワーとして、
下記(1式)又は(2式)によって求められる。
【0020】〔Vi ≦Vi baseの場合〕 Pwi =(τi /τi max )×100(%) ・・・(1式) 〔Vi >Vi baseの場合〕 Pwi =(τi /τi max )×(Vi /Vi base)×100(%) ・・・(2式) 但し、τ:モータトルク,V:モータの回転数,Vi
base:モータのベース回転数,i :圧延機のNO. であ
る。
【0021】なお、このモータパワーを求めるために必
要な各モータ18a〜dのトルクや回転数は、各モータ
18a〜dに装着されたセンサから直接に、或いは電流
値等から演算によって間接的に測定されて、制御装置本
体20に入力されるようになっている。また、モータ負
荷値としては、そのようなモータパワー以外の評価値、
例えばモータ電流の一定時間内における自乗平均値(R
MS)等を用いることも可能である。
【0022】また、制御装置本体20におけるモータ負
荷上限計算手段24においては、先ず、各圧延機10a
〜dにおいてその構造上や圧延安定性等の観点から設定
された圧延荷重制限値:Pi max から決定される各モー
タ18a〜dの負荷制限値:Pwi max1が、下記(3
式)に基づいて計算される。 Pwi max1 =(PwL i × Pi max / PL i )×100(%) ・・・(3式) 但し、PwL :電動機負荷制御系による板厚制御開始時
点のモータ負荷(Pw)の記憶値,Pi max :各圧延機
における圧延荷重制限値,PL :電動機負荷制御系によ
る板厚制御開始時点の圧延荷重記憶値である。また、圧
延荷重記憶値(PL )は、各圧延機10a〜dに設けら
れたロードセル等の荷重計25a〜dによる検出値が採
用される。
【0023】続いて、モータ負荷上限計算手段24にお
いては、下記(4式)に従い、上記(3式)で求められ
た各モータ18a〜dの負荷制限値:Pwi max1が、各
モータ18a〜dの仕様上の負荷制限値:Pwi
max2と、比較され、それらのうちの小さい方の値(最小
値)が、各圧延機10a〜dのモータ負荷上限値:Pw
i ma x として、決定される。 Pwi max =MIN( Pwi max1 , Pwi max2 ) ・・・(4式)
【0024】要するに、Pwi max1は、各圧延機10a
〜dの性能を含む圧延要因からのモータ負荷制限値であ
るのに対し、Pwi max2は、各モータ18a〜dの性能
面からのモータ負荷制限値であり、それら両者を考慮し
て、モータ負荷上限値:Pwi max が決定されるのであ
る。
【0025】次に、かかるモータ負荷上限値:Pwi
max が、目標板厚計算手段26に入力されて、各圧延機
10a〜dにおける出側の目標板厚が決定される。それ
には、先ず、下記(5式)によって、各圧延機10a〜
dにおけるモータ18a〜dの負荷余裕:Pwmi が、
モータ負荷計算手段22で求められた圧延時における各
モータ18a〜dの負荷値:Pwi と、モータ負荷上限
計算手段24で求められた各モータ18a〜dの負荷上
限値:Pwi max とから求められる。 Pwmi = Pwi − Pwi max ・・・(5式)
【0026】続いて、電動機負荷制御系による板厚制御
開始時点での、各圧延機10a〜dにおける各モータの
負荷余裕:Pwmi の平均値:Pw mean が、下記(6
式)によって求められる。
【0027】
【数6】 但し、nは、圧延機NO. である。
【0028】さらに、上記(5式)および(6式)で求
められたモータ負荷上限値:Pwiとモータ負荷余裕の
平均値:Pw mean に基づいて、各圧延機10a〜dに
おけるモータ18a〜dの負荷余裕を略一定とするため
に必要とされる、各モータ18a〜dにおける負荷変更
量:Pw refi が、下記(7式)に従って、算出される
。 Pw refi =−( Pwmi − Pw mean ) ・・・(7式)
【0029】そして、このようにして求められた負荷変
更量:Pw refi 分だけ、各モータ18a〜dにおける
負荷値が変更されるように、各圧延機10a〜dにおけ
る圧延ロールの圧下位置が、それぞれ、適当に調節され
ることとなる。そこにおいて、目的とする負荷変更量:
Pw refi を各モータ18a〜dに与えるための圧延ロ
ールの圧下位置の調節量は、例えば、公知の圧延理論か
ら導かれる下記(8式)を前提として算出される。な
お、この(8式)は、各圧延機10a〜dにおけるモー
タパワー(負荷値):Pwi は、圧下量、即ち各圧延機
の入側板厚:Hiと出側板厚:hi の差に比例し、当該
圧延機の出側板厚:hi に逆比例するものと近似するこ
とによって得られる関係式である。 Pwi ∝ ( Hi − hi )/ hi ・・・(8式)
【0030】この(8式)から、モータパワー(負荷
値)と目標板厚との関係は、下記(9式)の如く表され
る。 Pwi ′/ Pwi =((Hi −hi ′)/hi ′) /((Hi −hi )/hi ) ・・・(9式) 但し、hi ′:電動機負荷制御系による板厚制御の目標
値,Pwi ′:電動機負荷制御系による板厚制御後のモ
ータパワーである。
【0031】それ故、(9式)において、Pwi ′/
Pwi =αとすると、前記(7式)で求められる負荷変
更量:Pw refi を達成するために必要な目標板厚:h
i ′は、下記(10式)および(11式)によって求め
ることが出来る。なお、下記(10式)および(11式
中)、ri =(Hi −hi )/hi である。 (a)NO. 1の圧延機の場合 hi ′= Hi /(1+αi ×ri ) ・・・(10式) (b)NO. 2〜NO. 3の圧延機の場合 hi ′=(Hi +dhi-1 )/(1+αi ×ri ) ・・・(11式) なお、最終出側の圧延機(NO. 4の圧延機)の目標板厚
(出側板厚)は、目的とする製品板厚によって決まって
いることから、変更対象とされない。
【0032】但し、上式中、dhi-1 は、当該圧延機の
一つ上流の圧延機での、電動機負荷制御系による前回の
目標板厚変更量であり、また、αi は、前記(7式)の
結果から、下記(12式)によって求められる。 αi = 1 + Pw refi /Pwi ・・・(12式)
【0033】そして、このようにして目標板厚計算手段
26において求められた、各圧延圧延機10a〜cにお
ける目標板厚:hi ′が実現されるように、比較器28
において、板厚計17の検出値と圧延条件等から求めら
れた各圧延機10a〜cにおける現在の出側板厚との差
分(変更値)が求められ、得られた差分だけの変更信号
が板厚制御装置(AGC)14a〜cに入力されて、各
圧延機10a〜cにおけるロールの圧下位置が調節され
ることによって、目標板厚:hi ′が達成されるように
なっているのである。なお、各圧延機10a〜cに、そ
れぞれ出側板厚計を設けて、出側板厚を実測するように
しても良い。
【0034】上述の如き電動機負荷制御が実施されるこ
とにより、各圧延機10a〜dにおけるモータ18a〜
dの負荷割合(モータ負荷とモータ負荷上限値との差)
が、略一定とされるのであり、その結果、圧延負荷の適
切な分散が可能となり、高負荷圧延に起因するトラブル
の発生が未然に防止されると共に、効率的な圧延操業を
安定して行うことが可能となるのである。しかも、かか
る圧延負荷制御に際して、最終出側圧延機10dの出側
板厚の変動が回避されることから、適当な時間間隔で圧
延負荷制御を行うことにより、目的とする製品板厚を安
定して確保しつつ、各圧延機10a〜dのモータ18a
〜dにおける負荷値オーバが、極めて有効に回避され得
るのである。
【0035】以上、本発明の具体的実施形態について詳
述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明
は、上述の説明中における具体的な記載や以下の実施例
の記載等によって、何ら限定的に解釈されるものでな
く、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改
良等を加えた態様において実施され得るものであり、ま
た、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない
限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであるこ
とは、言うまでもない。
【0036】例えば、前記実施形態では、4つの圧延機
10a〜dを有する4連タンデム圧延機を用いた圧延操
業に対して、本発明を適用したものの具体例について説
明したが、その他、2つや3つ、或いは5つ以上の圧延
機を備えた連続圧延機を用いた圧延操業に対しても、本
発明は、同様に適用可能である。
【0037】また、各種の材質の圧延材の圧延や、冷間
圧延,熱間圧延など、各種の圧延操業に対して、本発明
は、何れも、有利に適用され得る。
【0038】さらに、前記実施形態では、圧延時におけ
る各圧延機10a〜dのモータ18a〜dの負荷値とし
て、電動機負荷制御の実施時点における測定値が採用さ
れていたが、その他、制御実施時点までの実績値に基づ
いて将来的に予測した予測値を採用することも可能であ
り、その場合には、例えば、予測点に至るまでの圧延時
間中に所定時間(例えば10秒)毎に複数(例えば30
点)のサンプリング点を設定し、二乗平均法に従って、
下記(13式)により、モータ18a〜dの負荷値(予
測値):Pwi を求めることが可能である。
【0039】
【数13】
【0040】但し、上式中、Pwi k は、制御実施時点
(現時点)以前におけるサンプリング点に関して前記
(1式)または(2式)で求められたモータ負荷値(実
績値)であり、Pwi f は、制御実施時点(現時点)よ
り後におけるサンプリング点でのモータ負荷値(仮定
値)であって、例えば現時点におけるモータトルクおよ
びモータ回転数が圧延終了時点まで続くものと仮定し
て、現時点と同一の値が採用される。また、qは、モー
タの負荷値を求めるに際して考慮されるサンプリング点
の数であり、jは、制御実施時点(現時点)迄のサンプ
リング点の数である。
【0041】このように制御実施時点以前のモータ負荷
の実績値を考慮して、将来的な予測点におけるモータ負
荷を二乗平均予測することにより、現時点までの圧延操
作を継続するに際しての将来的なモータ負荷を有利に予
測することが出来るのであり、そして、かかる予測値に
基づいて、前述の実施形態に従う電動機負荷制御を実施
するようにすれば、各圧延機10a〜dにおけるモータ
18a〜dの負荷上限値オーバの未然的防止が、より効
果的に実現され得るのである。
【0042】
【実施例】前述の実施形態と同様、4つの圧延機を備え
たタンデム圧延機を用いたアルミニウム合金の熱間仕上
げ板圧延モデルにおいて、下記(表1)に示された条件
下で、前記実施形態に示された方法に従う電動機負荷制
御を実施した場合のシミュレーション結果を、実施例と
して、図2及び図3に示す。なお、かかるシミュレーシ
ョンに際しては、出側最終の圧延機(NO. 4)でのモー
タパワーが、初期設定では上限値をオーバしている場合
を想定している。また、本実施例での板厚制御周期は、
30秒毎とした。
【0043】
【0044】また、図2において、0の値は、各圧延機
においてAGCにより設定された初期板厚の値であり、
図3において、100%の値は、各圧延機におけるモー
タ負荷制限値(Pwi max2)である。
【0045】図2及び図3に示された結果から明らかな
ように、本発明に従う板厚制御を実施することにより、
NO. 1〜3の圧延機における目標板厚が変更調節され、
それによって、最終出側の圧延機によって得られる製品
板厚を目標板厚に確保しつつ、各圧延機でのモータ負荷
値と負荷上限値との差が略一定となるように制御される
のであり、各圧延機への圧延負荷の適切な分配が為され
て、操業安定性の向上や、高負荷圧延時におけるトラブ
ル発生の未然防止に極めて有効な効果が期待されること
が認められる。
【0046】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
方法に従えば、通板開始時における特別な圧下位置設定
や圧延状況の変化等によって、圧延時において特定の圧
延機における駆動用電動機の負荷が増大した場合にも、
製品板厚の不必要な変動を伴うことなく、特定の圧延機
における駆動用電動機の負荷の大幅な増大が回避される
のであり、効率的な圧延操業を安定して行うことができ
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための圧延機の具体的構成例
を示す概略図である。
【図2】本発明の実施例としてのシミュレーション結果
を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例としてのシミュレーション結果
を示すグラフである。
【符号の説明】 10 圧延機 12 圧延材 16 圧下装置 18 モータ 20 制御装置本体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2機以上の圧延機群から構成された連続
    圧延機において、それら圧延機におけるロールの圧下位
    置を調節することにより、該各圧延機における出側板厚
    を制御するに際して、 前記各圧延機の圧延時における駆動用電動機の負荷値を
    求めて、それら各圧延機における駆動用電動機の圧延時
    負荷値と、該各圧延機における駆動用電動機の負荷上限
    値との差が、かかる全ての圧延機において等しくなるよ
    うに該各圧延機における出側の目標板厚を決定し、それ
    ぞれの圧延機において、かかる出側の目標板厚が得られ
    るように、最終出側の圧延機を除く全ての圧延機におけ
    るロールの圧下位置を調節することを特徴とする連続圧
    延機における板厚制御方法。
  2. 【請求項2】 前記各圧延機における駆動用電動機の圧
    延時負荷値を、該各圧延機における駆動用電動機のトル
    クと回転数に基づいて算出する請求項1に記載の連続圧
    延機における板厚制御方法。
  3. 【請求項3】 前記各圧延機における駆動用電動機の負
    荷上限値を、該駆動用電動機の仕様上の負荷制限値と、
    該各圧延機における荷重制限値との、何れか低い方とす
    る請求項1又は2に記載の連続圧延機における板厚制御
    方法。
  4. 【請求項4】 前記各圧延機における駆動用電動機の圧
    延時負荷値が、該圧延機の入側板厚と出側板厚の差に比
    例し、該圧延機の出側板厚に逆比例するものとして、該
    すべての圧延機において駆動用電動機の圧延時負荷値と
    前記負荷上限値との差が等しくなるように、それら各圧
    延機における出側の目標板厚を求める請求項1乃至3の
    何れかに記載の連続圧延機における板厚制御方法。
  5. 【請求項5】 前記各圧延機における駆動用電動機の圧
    延時負荷値として、圧延中の制御時点において、該制御
    時点までの実績値に基づいて将来的に予測した予測値を
    採用する請求項1乃至4の何れかに記載の連続圧延機に
    おける板厚制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007181859A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 Kobe Steel Ltd 圧延制御方法、圧延制御装置及びタンデム圧延機
WO2018199193A1 (ja) * 2017-04-25 2018-11-01 株式会社Uacj 連続圧延機による板厚制御方法

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